説明

撮像装置及び絞り制御方法

【課題】 入射光量に応じて画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行うことができるようにする。
【解決手段】 焦点距離に関する情報及び入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる絞りの最大開口量を決定し、焦点距離が等しい場合、入射光量が多い状態よりも入射光量が少ない状態のほうが最大開口量を相対的に大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ズーム機能を有するレンズユニットを介して被写体の撮像を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ等の撮像装置では小型化、軽量化、高倍率化等が要望されている。特に、レンズユニットの光学ズーム倍率等のスペック上の数値は重要視されている。
【0003】
しかし、レンズユニットの小型化、高倍率化を進めることで、特に光学ズームにおける焦点距離の大きい側(望遠側)では、レンズの収差等により画質劣化が生じる傾向がある。例えば、レンズに入射される光がレンズ内で反射することで発生するフレア現象が挙げられるが、この現象により画像内の黒領域のレベルが上がり(黒浮き)、画像のコントラストを低下してしまう。
【0004】
そこで、特許文献1では、このような焦点距離の大きい側での画質劣化を低減するために、レンズの焦点距離情報により制御可能な絞りの最大開放F値を変更する方法が提案されている。この方法では、絞りを絞ることでレンズの収差を改善しており、レンズの光学データから各焦点距離に対するレンズの収差を低減するための絞りのF値を算出する。そして、算出したF値を絞りの最大開放F値として開口径制御を行い、フレア現象による画質劣化を抑えている(図8を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−256288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、フレア現象を低減させて画質劣化を抑えることを優先させる最大開放F値を各焦点距離に対して設定し、ズームの焦点距離情報に応じて設定された絞り制御可能な最大開放F値を用いて絞り制御を行っている。そのため、焦点距離の大きい側では絞り制御により入射光量が大きく抑制されるため、適正露出にするためにシャッター速度、ゲインを制御する必要がある。シャッター速度はフレームレートとの関係から低速限界があり、シャッター速度を低速限界にしても適正露出にならない場合はゲインを上げることになるが、ゲインを上げることで画質のS/N比が低下してしまう問題がある。特に、屋内のような入射光量が小さいシーンでは、ゲインを上げる量が多くなりレンズの収差等による画質劣化よりもゲインを上げることによる画質劣化のほうが画像への影響が大きくなる。
【0007】
そこで、本発明は、入射光量に応じて画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本願発明に係る撮像装置は、撮像手段と、前記撮像手段へ光を導くレンズユニットの焦点距離に関する情報を取得する焦点距離情報取得手段と、前記撮像手段への入射光量に関する情報を取得する入射光量情報取得手段と、前記撮像手段へ入射する光量を調整する絞りを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記焦点距離情報取得手段により取得した焦点距離に関する情報及び前記入射光量情報取得手段により取得した入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる前記絞りの最大開口量を決定し、前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が等しい場合、前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が多い状態よりも前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が少ない状態のほうが前記最大開口量を相対的に大きくすることを特徴とする。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本願発明に係る絞り制御方法は、撮像手段へ光を導くレンズユニットの焦点距離に関する情報を取得する焦点距離情報取得ステップと、前記撮像手段への入射光量に関する情報を取得する入射光量情報取得ステップと、前記撮像手段へ入射する光量を調整する絞りを制御する制御ステップと、を有し、前記制御ステップは、前記焦点距離情報取得ステップで取得した焦点距離に関する情報及び前記入射光量情報取得ステップで取得した入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる前記絞りの最大開口量を決定し、前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が等しい場合、前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が多い状態よりも前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が少ない状態のほうが前記最大開口量を相対的に大きくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入射光量に応じて画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概略構成の一例を示すブロックである。
【図2】本発明の第1の実施形態における絞りの最大開放F値の算出に用いる曲線を表す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における絞りの最大開放F値を考慮した絞り制御を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における絞り制御に関する処理のフローチャートを表す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における最大開放F値の算出方法を表す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における補正曲線を表す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における絞り制御に関する処理のフローチャートを表す図である。
【図8】従来手法による焦点距離に対する最大開放F値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置100の概略構成の一例を示すブロック図である。撮像装置100は、いわゆるデジタルスチルカメラやデジタルカムコーダ等の撮像装置であり、カメラ本体側のレンズマウント26にレンズユニットが着脱可能に装着された交換レンズ方式の撮像装置である。撮像装置100の構成は、レンズ1を介して入射した光を撮像素子13で受光し、マイクロコンピュータ18の各種回路への指示により撮像画像を生成する構成である。
【0013】
レンズ1は、撮像装置100の外部から入射した光を撮像装置100の内部に導く。なお、図1では簡略化してレンズ1は1枚のレンズで図示しているが、複数枚のレンズから構成されていてもよい。
【0014】
レンズ駆動モータ2は、レンズ駆動部10より供給される駆動電力に応じてレンズ1を駆動(光軸方向に移動)させることでレンズ1の焦点距離の調節などを行う。レンズ状態検出回路3は、レンズ1の焦点距離情報等の駆動状態を検出し、その検出結果をマイクロコンピュータ18に出力する。なお、本実施形態ではレンズ駆動モータ2によりレンズ1が駆動される撮像装置を例示するが、手動によりレンズ1を駆動させる構成であってもよい。このような構成では、レンズ駆動モータ2、レンズ駆動部10を設ける必要はない。ここで、手動によるレンズ操作を行う場合においても、レンズ状態検出回路3により焦点距離情報等の駆動状態は検出するものとする。
【0015】
絞り4は、入射する光量を調整する絞り羽根などである。絞り駆動モータ5は、絞り駆動部11より供給される駆動電力に応じて絞り4を駆動させる。絞り駆動部11では、マイクロコンピュータ18から得られる絞り駆動量と絞り駆動速度から絞り4に供給する駆動電力を算出する。絞り状態検出回路6は、絞り4の駆動状態を検出し、その検出結果をマイクロコンピュータ18に出力する。
【0016】
ND(Neutral Density)フィルタ7は、レンズ1を介して入射する光を減衰させる。NDフィルタ駆動モータ8は、NDフィルタ駆動部12により供給される駆動電力に応じてNDフィルタ7を駆動させる。なお、NDフィルタ7は簡略化して1枚のNDフィルタを図示しているが、NDフィルタは濃度の異なる複数の構成であってもよい。
【0017】
NDフィルタ状態検出回路9は、NDフィルタ7の駆動状態を検出し、その検出結果をマイクロコンピュータ18に出力する。なお、本実施形態ではNDフィルタ駆動モータ8によりNDフィルタ7が駆動される撮像装置を例示するが、NDフィルタ7が固定された撮像装置やNDフィルタ7がない撮像装置であってもよい。このような撮像装置はNDフィルタ駆動モータ8、NDフィルタ駆動部12を設けなくてよい。ここで、手動によるNDフィルタ操作の場合においても、NDフィルタ状態検出回路9によりNDフィルタ7の駆動状態を検出するものとする。
【0018】
撮像素子13は、被写体を撮像する。本実施形態では、撮像素子13は、XYアドレス方式のCMOSイメージセンサで構成されているものとするが、CCDイメージセンサで構成されていてもよい。CDS/AGC回路15は、撮像素子13の各画素に蓄積された電荷に基づく画像信号をサンプリング及び増幅する。なお、サンプリングでは相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)が、増幅では自動利得調整(AGC:Auto Gain Control)が行われる。A/D変換器16は、CDS/AGC回路15から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。デジタル信号処理回路17は、前記A/D変換器16から出力されたデジタル画像信号に対して種々の信号処理を行う。
【0019】
マイクロコンピュータ(以下、コントローラとも称す)18は、撮像装置100の動作を統括的に制御する。例えば、コントローラ18は、デジタル信号処理回路17からの輝度・色等の情報を受け、各種の演算処理を行うなど各処理部のデータ通信も行う。
【0020】
最大開放F値算出回路22は、レンズ状態検出回路3から送信された焦点距離情報と、後述する入射光量検出回路21から得られた入射光量情報とに基づいて、現在設定されている焦点距離に対する最大開放F値(絞り4の最大開口量)を算出する。ここで、現在設定されている焦点距離に対する最大開放F値の算出には、後述するメモリ19に記録されている焦点距離と入射光量とから決定された最大開放F値をまとめたテーブルを用いる。もしくは、メモリ19に記録されている2本の各焦点距離に対する最大開放F値の曲線から入射光量に応じた補間により算出する。
【0021】
レンズ駆動部10は、コントローラ18による制御に基づき、レンズ駆動モータ2へ駆動電力を供給する。例えば、レンズ駆動部10は、焦点距離を変更する命令をコントローラ18が受けることにより、レンズ1を光軸方向に駆動するための駆動電力を供給する。これにより、焦点距離の調整を行うことが可能となる。
【0022】
絞り駆動部11は、コントローラ18による制御に基づき、絞り駆動モータ5へ駆動電力を供給する。例えば、絞り駆動部11は、撮像素子13により撮像された画像の測光値(輝度値)に応じたコントローラ18の制御により、絞り4を絞る又は開放するための駆動電力を供給する。これにより、撮像素子13に適正な光量が入射するように絞り調整を行う。
【0023】
NDフィルタ駆動部12は、コントローラ18による制御に基づき、NDフィルタ駆動モータ8へ駆動電力を供給する。例えば、NDフィルタ駆動部12は、撮像素子13により撮像された画像の測光値に応じたコントローラ18の制御により、NDフィルタ7において入射する光の減衰量を増加又は減少するための駆動電力を供給する。これにより、撮像された画像の測光値に応じて撮像素子13に入射する光の減衰量を調整する。
【0024】
なお、レンズ駆動部10、絞り駆動部11、NDフィルタ駆動部12は、カメラ側のレンズマウント26及びレンズ側のレンズマウント27を介してコントローラ18により制御される。
【0025】
撮像素子駆動部14は、コントローラ18による制御に基づき、撮像素子13を駆動するための駆動パルス等を撮像素子13へ供給し、撮像素子13で撮像した画像の読み出しや撮像素子13の露光時間(電荷蓄積時間)の調整を行う。例えば、撮像素子駆動部14は、撮像素子13により撮像された画像の測光値に応じたコントローラ18の制御により、撮像素子13の露出を行うための駆動パルスを供給する。これにより、撮像装置では、撮像された画像の測光値に応じて撮像素子13の露光時間を調整する。
【0026】
メモリ19は、RAMなどであり、一時的にデータを保存する。例えば、メモリ19は、撮像素子13で撮像されてデジタル信号処理回路17で処理された後の画像データなどを一時的に保存する。また、撮像装置100を駆動するためのプログラムもメモリ19に保存され、コントローラ18で逐次呼び出され実行される。記録媒体20は、デジタル信号処理回路17で処理された後の画像データを記録する。
【0027】
入射光量検出回路21は、撮像素子13で撮像して得られた画像データの輝度情報から入射光量を検出し、検出結果をコントローラ18に送信する。表示装置23は、デジタル信号処理回路17で処理された後の画像データに基づく撮像画像を表示する。本実施形態では、図1に示すように各部をそれぞれ独立して説明している。しかしながら、図1に示した各部の処理の少なくとも一部、例えば、焦点距離情報取得に関する処理や入射光量情報取得に関する処理をコントローラ18で実行するような構成でもよい。
【0028】
次に、本実施形態の撮像装置100が行う絞り制御に関する処理について図2、図3、図4を参照して説明する。
【0029】
図4に示すフローチャートでは、まず、ステップS101において、コントローラ18は、不図示の操作部へのユーザの操作などにより焦点距離が変更されたか否かの判定を行う。焦点距離が変更されていないと判定された場合、新たな最大開放F値を算出する必要がないため、フローチャートの処理を終了する。焦点距離が変更されたと判定された場合、ステップS102において、レンズ状態検出回路3は焦点距離に関する情報(以下、焦点距離情報とも称す)を取得し、ステップS103へ移行する。次にステップS103において、入射光量検出回路21は入射光量に関する情報(以下、入射光量情報とも称す)を取得し、ステップS104へ移行する。なお、入射光量検出回路21は、より直近の入射光量を取得するため、焦点距離の変更後に撮像素子13で撮像した被写体の輝度情報から入射光量情報を取得するが、焦点距離の変更前に撮像素子13で撮像した被写体の輝度情報から取得してもよい。
【0030】
ステップS104において、ステップS102、ステップS103で取得した焦点距離情報と入射光量情報とに基づいて、最大開放F値算出回路22は制御可能な絞り4の最大開放F値を算出する。このとき、最大開放F値算出回路22は、メモリ19から図2に示すような2つの最大開放F値を算出するための補正曲線を受け取る。2つの補正曲線の一方は、フレア現象のようなレンズの収差等による画質劣化を低減させることを優先する補正曲線で、屋外など入射光量の多い環境下で使用する絞りの補正量の大きい補正曲線である。他方は、レンズの収差等による画質劣化よりもゲインを上げることによる画質劣化を低減させることを優先する補正曲線で、屋内など入射光量の小さい環境下で使用する絞りの補正量の小さい補正曲線である。
【0031】
最大開放F値算出回路22は、入射光量検出回路21により取得した入射光量情報に基づいて、この2つの補正曲線を補間することで現在の入射光量に対する補正曲線を算出する。その後、レンズ状態検出回路3により取得した焦点距離情報と算出した補正曲線とに基づいて、現在の焦点距離に対する絞りの最大開放F値を算出する。
【0032】
最後に、ステップS105において、コントローラ18は、図3に示すのように現在の絞りのF値とステップS104で算出した最大開放F値とを比較する。現在のF値が最大開放F値より開放側であると判定した場合、ステップS106において、絞り駆動部11は、現在のF値が算出した最大開放F値と一致するように絞り制御を行う。なお、ステップS106において、必ずしも最大開放F値と一致するように絞り制御を行わなくてもよく、絞りの開口量が最大開口量以下で最大開放F値と略一致するF値であればよい。また、現在のF値が最大開放F値より開放側でないと判定した場合、現在のF値を保持し、図4に示すフローチャートの処理を終了する。
【0033】
以上のように、本実施形態では、焦点距離に関する情報及び入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる絞りの最大開口量を決定し、焦点距離が等しい場合、入射光量が多い状態よりも入射光量が少ない状態のほうが最大開口量を相対的に大きくしている。すなわち、撮影環境により適切な補正曲線を算出して最大開放F値を決定することで、画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行うことができる。
【0034】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、入射光量に応じて2つの補正曲線を補間することで絞りの制御可能な最大開放F値の算出を行っているが、第2の実施形態では、2つの補正曲線を補間することなく、最大開放F値を決定する方法を説明する。なお、本実施形態における撮像装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0035】
また、本実施形態では、図4に示すフローチャートのステップS104において最大開放F値を算出する方法のみが異なる。
【0036】
本実施形態では、図4に示すフローチャートのステップS104において、図5に示すようにして現在の入射光量により制御可能な最大開放F値を決定する。例えば、図5に示すように、最大開放F値算出回路22は、現在の入射光量に応じた基準値(点線)を設定し、2つの補正曲線の間に基準値が存在しない場合は基準値に近い方の補正曲線のF値を最大開放F値とする。2つの補正曲線の間に基準値が存在する場合は基準値を最大開放F値とする。
【0037】
以上の方法でも、撮影環境を考慮して制限F値を決定することができ、第1の実施形態の方法と同様に、画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行うことができる。
【0038】
<第3の実施形態>
第1、第2の実施形態では、焦点距離が大きくなるにしたがって、最大開放F値を小絞り側に変化させる場合を前提に考えたが、レンズの設計次第では、図6に示すように焦点距離の中間位置で大きく絞る必要がある場合も考えられる。この場合、焦点距離を大きくすることで明るさが急激に暗くなってしまう。そこで、第3の実施形態では、補正曲線が焦点距離の中間位置で大きく小絞り側に変化する場合を想定し、そのような場合に焦点距離の変化に応じた絞り制御により明るさが急激に暗くなってしまわないようにする方法を図7を用いて説明する。なお、第3の実施形態における撮像装置の構成は、第1、第2の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0039】
図7のステップS101〜S106までは、第1の実施形態と同様の処理を行うものとして説明を省略する。ステップS107において、コントローラ18は、ステップS106の絞り制御におけるF値の変化量を算出する。次に、ステップS108において、コントローラ18は、ステップS106の絞り制御による露出の変化を低減するように、ステップS107において算出したF値の変化量に基づいて、絞りとは異なるの露出パラメータを制御する。
【0040】
ここで、絞りとは異なる露出パラメータはシャッタースピード、ゲイン、NDフィルタなどが考えられる。どの露出パラメータを使用し補正を行うかは撮像装置のモードや撮影環境などで決定することが考えられる。例えば、シャッタスピード優先(TV優先)モードの場合、シャッタースピード以外の露出パラメータで露出の変化を低減すればよいし、屋内のような入射光量の少ない撮影環境下では、ゲイン以外の露出パラメータで露出の変化を低減すればよい。
【0041】
以上のように、画質劣化を抑えるために良好な絞り制御を行った場合に生じる露出変化を絞りとは異なるの露出パラメータで補償することで、画質劣化を抑えつつ露出制御も良好に行うことができる。
【0042】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。例えば、本実施形態では、交換レンズ方式の撮像装置を用いて説明しているが、交換レンズ方式でなくレンズユニットを内蔵した撮像装置であっても構わない。
【0043】
また、上記の実施形態では、補正曲線を用いて最大開放F値を算出したが、入射光量と焦点距離の組み合わせと最大開放F値とを対応付けしたテーブルをメモリ19などに予め記憶しておき、そのテーブルに基づいて最大開放F値を求めるようにしてもよい。
【0044】
また、上記の実施形態の一部を組み合わせた構成であっても構わない。
【0045】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0046】
3 レンズ状態検出回路
4 絞り
6 絞り状態検出回路
13 撮像素子
18 マイクロコンピュータ
21 入射光量検出回路
22 最大開放F値算出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段へ光を導くレンズユニットの焦点距離に関する情報を取得する焦点距離情報取得手段と、
前記撮像手段への入射光量に関する情報を取得する入射光量情報取得手段と、
前記撮像手段へ入射する光量を調整する絞りを制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記焦点距離情報取得手段により取得した焦点距離に関する情報及び前記入射光量情報取得手段により取得した入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる前記絞りの最大開口量を決定し、前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が等しい場合、前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が多い状態よりも前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が少ない状態のほうが前記最大開口量を相対的に大きくすることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が等しい場合、前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が大きい状態よりも前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が小さい状態のほうが前記最大開口量を相対的に大きくすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記絞りの開口量が前記最大開口量以下となるように絞り制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記入射光量情報取得手段は、前記撮像手段から出力される画像信号に基づいて前記入射光量に関する情報を取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記最大開口量の変更に伴って前記絞りの開口量を変更する場合、前記絞りの開口量の変更による露出変化を補償するように、前記絞りとは異なる露出パラメータを制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像手段へ光を導くレンズユニットの焦点距離に関する情報を取得する焦点距離情報取得ステップと、
前記撮像手段への入射光量に関する情報を取得する入射光量情報取得ステップと、
前記撮像手段へ入射する光量を調整する絞りを制御する制御ステップと、を有し、
前記制御ステップは、前記焦点距離情報取得ステップで取得した焦点距離に関する情報及び前記入射光量情報取得ステップで取得した入射光量に関する情報に基づいて絞り制御に用いる前記絞りの最大開口量を決定し、前記焦点距離に関する情報に基づく焦点距離が等しい場合、前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が多い状態よりも前記入射光量に関する情報に基づく入射光量が少ない状態のほうが前記最大開口量を相対的に大きくすることを特徴とする絞り制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−104961(P2013−104961A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247567(P2011−247567)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】