説明

撮像装置

【課題】フォルダ切り替えを簡単な操作で可能とし、フォルダおよび画像ファイルの切り替え操作をユーザの概念モデルに一致させ、操作性を良好とする。
【解決手段】画面ST1では、フォルダF1を示すアイコンによって、フォルダF1の選択が表示される。画像ファイルP11,P12が撮影済の再生画像である。表示枠SCには、現在の被写体の撮影画像RとファイルP11,P12とフォルダF1のアイコンとが同時に表示されている。フォルダをF1からF2に切り替えるために、ユーザが十字キー27の下ボタンを押す。画面ST1において下ボタンを押すと、画面ST2を経て画面ST3に遷移する。画面ST2では、アイコン中の番号が変化し、フォルダが切り替わる途中の状態が表示される。画面ST3中のアイコンによって、フォルダがF1からF2に切り替わったことが確認される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばディジタルスチルカメラに適用可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルスチルカメラや関連機器で使用される画像ファイルのフォーマットは、DCF(Design rule for Camera File)と呼ばれる仕様で規定されている。共通のフォーマッ
トとすることによって、画像ファイルをディジタルスチルカメラ間で簡単に交換することができる。
【0003】
この仕様では、ルートディレクトリ直下のディレクトリDCIMがDCFイメージルートディレクトリと呼ばれる。DCIM直下にDCFオブジェクトを格納するための複数のディレクトリをDCFディレクトリという。DCFディレクトリがDCFのディレクトリに関する規定にしたがって作成された画像格納用のディレクトリであり、以下では、フォルダと称する。また、DCFオブジェクトがDCFの規定にしたがって作成されたファイル群であり、以下では、画像ファイルと称する。
【0004】
例えば下記特許文献1には、ディジタルスチルカメラに備えられたメモリに対して、撮影画像をフォルダ、サブフォルダ、分類フォルダのディレクトリ構造で格納することが記載されている。電源投入時にフォルダが指定される。ユーザがフォルダ切り替えリングを操作してフォルダ切り替え指示入力によってフォルダが切り替えられる。フォルダ設定によって、撮影画像を所望のフォルダに格納することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−319296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フォルダに分けて画像ファイルを格納することは、後の画像検索等を容易とする点で便利である。上述した特許文献1では、機械的な回転リングでフォルダを指定している。この場合では、設定されたフォルダを確認するのが容易ではなく、フォルダの切り替えの操作性が良いとは言えない問題があった。
【0007】
また、表示装置にフォルダの切り替えの設定用の画面を表示することが考えられる。その場合には、メニューの立ち上げ、フォルダの選択操作等を行う必要があり、操作ステップ数が多くなり、簡単に設定できない問題が生じる。これらの理由から従来のディジタルスチルカメラでは、フォルダ設定の使用頻度が低かった。
【0008】
したがって、この発明の目的は、フォルダ切り替えを簡単に行うことが可能な撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、この発明は、撮像部と、
フォルダに格納された画像の少なくとも1つの画像とを表示する表示部と、
方向を指示することによって、フォルダの切替を指示する入力部と、
シャッター操作に応じて撮像画像を記録媒体に記録する記録処理部と、
入力部による方向の指定を受付けると、撮像画像が格納されるフォルダが切り替えられ、フォルダの切り替えを表示部の画面上で表示するように制御する制御部と
を備えた撮像装置である。
【0010】
この発明において、制御部は、
撮像画像と共に、第1のフォルダに関する第1の画像が表示される第1の状態において、入力部による方向の指定を受付けると、撮像画像と共に、第2の画像フォルダに関する第2の画像が表示される第2の状態に表示状態を切り替え、
第1の状態においてシャッターが押された場合は、撮像画像を第1のフォルダに格納し、第2の状態においてシャッターが押された場合は、撮像画像を第2のフォルダに格納するように制御する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、撮影時および再生時を問わず、方向キーを使用してフォルダの切り替えをなしうる。また、方向キーの上下および左右の一方の操作でフォルダを切り替え、その他方で画像ファイル切り替えを行うことによって、フィルム切り替えおよびフィルム送りの操作と同様にフォルダの切り替えおよび画像ファイルの切り替えを実現できる。フォルダの切り替えをダイレクトに行うことができ、操作の簡単化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明による撮像装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態におけるフォルダを示すアイコンを説明するための略線図である。
【図3】この発明の一実施形態におけるフォルダおよび画像ファイルの配列を説明するための略線図である。
【図4】ワイドLCDを使用した場合で、撮影モードにおけるフォルダ切り替え時の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【図5】ワイドLCDを使用した場合で、撮影モードにおけるフォルダ切り替え時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】ワイドLCDを使用した場合で、再生モードにおけるフォルダ切り替え時の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【図7】ワイドLCDを使用した場合で、再生モードにおけるフォルダ切り替え時の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】アスペクト比が(4:3)のLCDを使用した場合で、撮影モードにおけるフォルダ切り替え時の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【図9】アスペクト比が(4:3)のLCDを使用した場合で、再生モードにおけるフォルダ切り替え時の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【図10】フォルダ毎の再生モードから全フォルダ内の全画像ファイルの再生モードへの切り替え時の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【図11】再生モードにおける再生メニューの表示と再生メニューの実行を行う場合の表示画面の遷移を順に示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施形態によるディジタルカメラの構成の一例を示す。図1において、破線で囲んで示す部分は、CPU(Central Processing Unit) 1によって制御される処理部を示す。
【0014】
処理部1は、RAM等の内部記録媒体3、画像処理部4、外部インターフェース5、RGB処理部6、信号処理部7およびビデオ出力処理部8によって構成されている。CPU2に対して操作部9が接続され、操作部9に設けられシャッター等の操作に応じた信号がCPU2に供給される。
【0015】
さらに、メディア処理部10を介して外部記録媒体11に対して撮像信号をJPEG(Joint Photographic Experts Group)等で圧縮したデータを記録するようになされている
。外部記録媒体11は、書き込み可能な光ディスク、メモリカード等である。
【0016】
信号処理部7には、撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)12からの撮像信号が供給され、撮像信号の処理がなされる。操作部9からの入力の有無と無関係に、CCD12により撮像された画像信号が信号処理部7から出力され、内部記録媒体3に保存される。撮影中では、内部記録媒体3の画像が常に更新されている。内部記録媒体3のデータの書き込み、読み出し等は、CPU2によって制御される。
【0017】
内部記録媒体3からの撮像信号が信号処理部7を通ってRGB処理部6に供給され、RGB処理部6で形成された表示信号が表示装置としてのLCD(Liquid Crystal Display)13に供給される。LCD13は、例えばカメラ本体の背面に設けられたものである。
LCD13には、撮像信号のみならず、外部記録媒体11からメディア処理部10を介して取り込まれた画像信号も表示される。
【0018】
操作部9のシャッターが押された場合には、内部記録媒体3に取り込まれた撮像信号が画像処理部4において、JPEG等の画像ファイルに変換される。画像ファイルは、内部記録媒体3に撮像信号とは別のデータとして保存される。そして、CPU2の制御によって、内部記録媒体3から読み出された画像ファイルがメディア処理部10を介して外部記録媒体11に保存される。
【0019】
撮影画像が常に更新されてLCD13に表示される。撮影画像に対して、記録済の画像データの縮小画像、アイコン等のOSDデータが信号処理部7で重ね合わされて、LCD13に表示される。OSD(On Screen Display)とは、カメラから取り込んだリアルタイ
ムの画像に重ねて表示するアイコン等のデータを準備するためのメモリ領域や、仕組みを総称する用語である。
【0020】
OSDデータを作成する際には、外部記録媒体11に既に記録されている最新の画像データを取得し、画像処理部4によって、OSD表示に適したサイズに変換してから、内部記録媒体3のOSD表示エリアに記憶する。但し、直前に撮影した画像のOSD表示に適したサイズの画像が内部記録媒体3に存在する時には、外部記録媒体11からデータを取得する必要がない。画像処理部4は、操作部9におけるユーザのキー等の操作に応答して、表示する画像の拡大または縮小の処理を行うように、CPU2によって制御される。
【0021】
ビデオ出力処理部8から図示しない映像出力端子には、アナログのカラービデオ信号が取り出される。映像出力端子に対して外部モニタ14を接続した場合には、内部記録媒体3または外部記録媒体11に蓄積されている画像を外部モニタ14によって表示することができる。さらに、外部インターフェース5には、例えばプリンタ15が接続され、画像を印刷することが可能とされている。
【0022】
操作部9には、十字キーが含まれている。十字キーは、十字形の操作部の各先端部(左ボタン、右ボタン、上ボタン、下ボタンと称する)を押すことによってカーソルの移動方向を上下左右の何れかの方向に指定するものである。なお、方向キーとしては、十字キー以外に、ダイヤル、ローラ、トラックボール、タッチパネル等の入力装置を使用することができる。また、機械的な構成に限らず、表示画面のボタン等を操作するGUI(Graphical User Interface)を使用しても良い。
【0023】
図2は、一実施形態において、LCD13の画面にフォルダ情報を表示するためのアイコンを示す。図2Aに示す例は、フォルダをイメージさせるアイコンである。図2Aのアイコンは、コンピュータに慣れたユーザには理解しやすいが、銀塩カメラに慣れ親しんだユーザの概念モデルに合っているとは言えない。そこで、この発明の一実施形態では、図2Bに示すように、フィルムを連想させるアイコンを使用する。フィルム状のアイコン内には、フォルダ毎に付されている番号が表示される。
【0024】
図3は、内部記録媒体3または外部記録媒体11に対する撮影済の画像の格納の態様に関するユーザの概念モデルの一例を示している。ユーザは、図3に示すように、撮影済画像ファイルが格納していることを認識している。フォルダF1には、横方向に複数例えば5枚の画像ファイルP11,P12,P13,P14,P15が格納されている。画像ファイルは、撮影日時の付加的データを有しており、撮影日時の古いものから新しいものに時間軸の順に1軸上に並べられている。図3に向かって右方向が過去から現在への時間軸方向であり、左方向が現在から過去への時間軸方向である。1軸上の配列された画像は、LCD13の表示画面において、横方向に配置される。
【0025】
フォルダF1の下側に、4枚の画像ファイルP21,・・・、P24が格納されたフォルダF2が配置される。以下、順に縦方向にフォルダF3,F4,F5が配置される。フォルダF3には、5枚の画像ファイルP31,・・・,P35が格納され、フォルダF4には、4枚の画像ファイルP41,・・・,P44が格納され、フォルダF5には、3枚の画像ファイルP51,・・・,P53が格納される。
【0026】
フォルダF1〜F5は、ユーザにとって格納する画像ファイルの上位の分類である。例えばフォルダF1が建物の画像ファイル格納用であり、フォルダF2が乗り物の画像ファイル格納用であり、フォルダF3が花の画像ファイル格納用であり、フォルダF4がディジタル機器の画像ファイル格納用であり、フォルダF5が景色の画像ファイル格納用である。
【0027】
図4を参照して撮影時にフィルムの概念に対応しているフォルダを切り替える処理について説明する。図4に示すように、ディジタルカメラの背面にアスペクト比(16:9)等のワイド形の表示枠SCを有するLCD13が設けられている。参照符号24がシャッターボタンであり、参照符号25がメニューボタンであり、参照符号26が削除ボタンであり、参照符号27が十字キーである。
【0028】
図4の上段の表示画面ST1では、フォルダF1を示すアイコンが表示され、フォルダF1が選択されていることが表示される。電源オン時等の初期状態で選択されるフォルダが例えばF1に予め設定されている。最後に選択されていたフォルダを初期状態に選択されるフォルダに設定しても良い。例えばフォルダF1に画像P11,P12までの画像ファイルが撮影済の再生画像として格納されている。表示枠SCには、レンズを通して捉えられた現在の被写体の撮影画像Rと画像ファイルP11,P12とフォルダF1のアイコンとが同時に表示されている。撮影画像Rと画像ファイルP11,P12との識別を容易とするために、撮影画像Rを画像ファイルP11,P12に比してより大きなサイズとしたり、画像に異なる形状のアイコンを付加するようにしても良い。
【0029】
表示用のデータは、内部記録媒体3に保持されている。撮影画像Rは、内部記録媒体3に保持され、撮影モード中では、操作部9の操作がなされない状態でも、フレーム等の周期でもって更新され続ける。内部記録媒体3には、撮影データRとは別にOSDデータが記憶されている。OSDデータは、撮影データRに重ね表示するアイコンのデータである。アイコン以外に複数の画像ファイル例えばP11,P12が表示枠内に配置される。画像ファイルP11,P12は、外部記録媒体11から取り込まれ、画像処理部4によって復号並びにサイズの縮小がなされて後、内部記録媒体3に格納される。内部記録媒体3に直前に撮影した画像のOSD表示に適したサイズの画像があれば、外部記録媒体11からデータを取得する必要がない。
【0030】
この撮影画像Rと画像ファイルP11,P12とフォルダF1を示すアイコンとが同時に表示されている表示画面ST1は、撮影モードと再生モードの混在状態である。すなわち、シャッターボタン24を押すことによって新たな画像を記録することができると共に、所望の画像を画像ファイルとして表示することができる。したがって、ユーザは、直前に撮影された画像を見ながら、新たに撮影する画像の構図等を決定することができる。
【0031】
図4の例では、撮影画像Rが自動車であるので、ユーザは、フォルダをF1からF2に切り替えるために、十字キー27の下ボタンを押す。表示画面ST1において下ボタンを押すと、遷移表示画面ST2を経て表示画面ST3にアニメーションで遷移する。遷移表示画面ST2では、撮影画像Rが同一であるが、アイコン中の番号が変化し、記録済画像がフォルダF1からフォルダF2に切り替わる途中の状態が表示される。遷移表示画面ST2が表示される時間は、一瞬である。
【0032】
表示画面ST3中のアイコンによって、フォルダがF1からF2に切り替わったことを確認した後に、ユーザがシャッターボタン24を押すことで、撮影画像Rを捕捉し、フォルダF2に格納することができる。図示しないが、シャッターボタン24を押すことによって、アニメーション遷移が発生する。すなわち、表示枠SCに撮影済の画像の画像ファイルP22およびP23(自動車の画像)と、新たな撮影画像Rとが同時に表示される状態に遷移する。
【0033】
図5は、上述した動作の流れを示すフローチャートである。ステップS1は、フォルダF1の撮影モードであり、図4中の表示画面ST1が表示されている。ステップS2において、十字キー27の下キーを押し下げることによって、現在のフォルダF1の下から次のフォルダF2が出現する遷移表示画面ST2のように、画面遷移アニメーションが表示される(ステップS3)。
【0034】
ステップS4において、現在のフォルダF2を示すアイコンが表示される。ステップS5において、図4中の表示画面ST3が表示される、フォルダF2の撮影モードに遷移する。
【0035】
さらに、十字キー27の下キーを押すと、フォルダF2からフォルダF3への切り替えがなされる。十字キー27の上キーを押した場合には、フォルダF2からフォルダF1への切り替えがなされる。
【0036】
図6を参照して十字キー27を使用して再生モードにおけるフォルダの切り替え動作について説明する。図6の上段の表示画面ST11では、フォルダF1を示すアイコンが表示され、フォルダF1が選択されていることが表示される。電源オン時等の初期状態で選択されるフォルダが例えばF1に予め設定されている。最後に選択されていたフォルダを初期状態に選択されるフォルダに設定しても良い。例えばフォルダF1に画像P11,P12,P13までの画像ファイルが撮影済の再生画像として格納されている。
【0037】
上述したように、表示用のデータは、内部記録媒体3に保持されている。ユーザがフォルダをF1からF2に切り替えるために、表示画面ST11において十字キー27の下ボタンを押すと、遷移表示画面ST12を経て表示画面ST13にアニメーションで遷移する。遷移表示画面ST12では、記録済画像がフォルダF1からフォルダF2に切り替わる途中の状態が表示される。遷移表示画面ST12が表示される時間は、一瞬である。表示画面ST13では、フォルダF2のアイコンとフォルダF2の画像ファイルP21,P22,P23とが表示される。
【0038】
図7は、上述した再生モードにおけるフォルダ切り替え動作の流れを示すフローチャートである。ステップS11は、フォルダF1の再生モードであり、図6に示す表示画面ST1が表示されている。ステップS2において、十字キー27の下キーを押し下げることによって、現在のフォルダF1の下から次のフォルダF2が出現する画面遷移アニメーション(遷移表示画面ST12)が表示される(ステップS13)。
【0039】
ステップS14において、現在のフォルダF2を示すアイコンが表示される。ステップS5において、表示画面ST13のように、フォルダF2の再生モードに遷移する。
【0040】
さらに、十字キー27の下キーを押すと、フォルダF2からフォルダF3への切り替えがなされる。十字キー27の上キーを押した場合には、フォルダF2からフォルダF1への切り替えがなされる。
【0041】
撮影モードおよび再生モードが混在した状態、または再生モードにおいて、十字キー27を操作して所望の画像ファイルを指定して拡大または縮小表示表示することが可能とされている。図示を省略しているが、画像ファイルを指定するカーソル等が表示され、十字キー27によって、所望の画像ファイルの位置にカーソルを位置させる。その後、拡大または縮小ボタン(機械的ボタンまたはGUI上のボタン)を操作することによって、選択した画像ファイルを拡大または縮小することができる。
【0042】
上述した説明では、アスペクト比(16:9)等のワイド形の表示枠SCを有するLCD13を使用しているが、アスペクト比(4:3)の表示枠SCを有するLCD13を使用しても良い。図8は、(4:3)の表示枠SCを有するLCD13を使用した場合で、撮影モードにおける表示画面の遷移を示す。
【0043】
図8の上段の表示画面ST21では、フォルダF1のアイコンが表示され、フォルダF1が選択されていることが表示される。電源オン時等の初期状態で選択されるフォルダが例えばF1に予め設定されている。最後に選択されていたフォルダを初期状態に選択されるフォルダに設定しても良い。表示枠SCには、レンズを通して捉えられた現在の被写体の撮影画像Rが表示されている。表示枠SCのサイズの制約によって、撮影済の画像ファイルを同時に表示していない。但し、撮影画像Rのサイズをより小として、撮影済の画像ファイルを同時に表示することも可能である。
【0044】
表示用のデータは、内部記録媒体3に保持されている。撮影画像Rは、内部記録媒体3に保持され、撮影モード中では、操作部9の操作がなされない状態でも、フレーム等の周期でもって更新され続ける。内部記録媒体3には、撮影データRとは別にOSDデータが記憶されている。OSDデータは、撮影データRに重ね表示するアイコンのデータである。内部記録媒体3に直前に撮影した画像のOSD表示に適したサイズの画像があれば、外部記録媒体11からデータを取得する必要がない。この撮影画像Rが表示されている表示画面ST21は、撮影モードであり、シャッターボタン24を押すことによって新たな画像を記録することができる。
【0045】
ユーザは、現在のフォルダがF1であることを表示されているアイコンから分かる。ユーザが十字キー27の下ボタンを押す。表示画面ST1において下ボタンを押すと、遷移表示画面ST22を経て表示画面ST23にアニメーションで遷移する。遷移表示画面ST22では、撮影画像Rが同一であるが、アイコン内の番号がフォルダF1からフォルダF2に切り替わる。遷移表示画面ST22が表示される時間は、一瞬である。
【0046】
表示画面ST23で示すように、アイコンの番号からフォルダがF1からF2に切り替わったことを確認した後に、ユーザがシャッターボタン24を押すことで、撮影画像Rを捕捉することができる。
【0047】
図9は、十字キー27を使用して再生モードにおけるフォルダの切り替え動作を示す。図9の上段の表示画面ST31では、フォルダF1が選択されており、フォルダF1に対応するアイコンが表示されている。電源オン時等の初期状態で選択されるフォルダが例えばF1に予め設定されている。最後に選択されていたフォルダを初期状態に選択されるフォルダに設定しても良い。例えばフォルダF1に画像P11が撮影済の再生画像として格納されている。
【0048】
上述したように、表示用のデータは、内部記録媒体3に保持されている。ユーザがフォルダをF1からF2に切り替えるために、十字キー27の下ボタンを押すと、遷移表示画面ST32を経て表示画面ST33にアニメーションで遷移する。遷移表示画面ST32では、記録済画像がフォルダF1からフォルダF2に切り替わる途中の状態が表示される。遷移表示画面ST32が表示される時間は、一瞬である。表示画面ST33では、フォルダF2のアイコンとフォルダF2の画像ファイルP21が表示される。
【0049】
上述した説明では、撮影済の画像ファイルを再生する場合に、フィルムと対応するフォルダ毎に再生するようにしている。さらに、フォルダ毎に画像ファイルを再生する状態から、全フォルダの画像ファイルを再生する状態に切り替えることを可能としても良い。
【0050】
図10において、表示枠SC内にフォルダF1,F2およびF3毎に画像ファイルが並べられて表示される。図10は、例えば一つのリムーバブルな記録媒体(メモリカード等)に格納されている画像ファイルの集合を示している。一度に、全画像ファイルを表示するのに代えて、上述したように、各フォルダの画像ファイルを表示し、フォルダを切り替えるようにしても良い。この表示画面ST41が表示画面ST43へ遷移表示画面ST42を経て全フォルダの表示画面ST43に遷移する。
【0051】
画像ファイルは、画像ファイル毎に付加されている撮影日時の付加的データに基づいて、各フォルダにおいて撮影日時の古いものから新しいものの順に並べられている。全フォルダの画像フォルダを表示する表示画面ST43においても、時間軸上に全ての画像ファイルが並び替えられる。遷移表示画面ST42は、時間軸上で順番を並び替える途中の状態を表示するものである。
【0052】
そして、表示画面ST43では、時間的に1軸上に全ての画像ファイルが配列された表示がなされる。表示枠SCの範囲には、時間的に最新の画像ファイルP35と、より古い画像ファイルで、表示可能な数の画像ファイルP34,P33,P24,P32が同時に表示される。十字キーの左(または右)キーを操作することによって、表示される画像ファイルを時間的に古い方向(または新しい方向)へ順に送ることができる。
【0053】
図11は、再生モードにおいて、メニューボタン25を押した場合の表示画面の遷移の一例を示す。表示画面ST51で示すように、例えばフォルダF1の画像ファイルP13,P14およびP15がワイド形LCDの表示枠に表示されている。この状態で、メニューボタン25が押されると、表示枠SC内に再生メニュー画面31が表示された表示画面ST52が表示される。
【0054】
メニュー画面31は、プロテクト32a、DPOF32b、プリント32c、スライドショー32dの4個のメニューの何れかを選択するための画面である。十字キー27の左または右キーを押すことによって所望のメニューを選択できる。選択されたメニューは、フォーカスが合った状態、ハイライト表示等で示される。
【0055】
プロテクト32aは、更新を禁止するメニューである。DPOF32bは、印刷するものを指定するメニューである。プリント32cは、USB(Universal Serial Bus)を介して接続されたプリンタに対して印刷指令を与えるためのメニューである。スライドショー32dは、撮影画像を順番に再生するためのメニューである。これらのメニューに関して、画像ファイル単位のみならず、フォルダ単位での指定が可能とされている。
【0056】
例えばメニュー表示31において、DPOF32bを選択し、決定ボタンを操作すると、表示画面ST53が表示される。表示画面ST53では、ファイル全体を指定するメニュー33aと画像ファイルを指定するメニュー33bとからなる画面が表示される。十字キー27の上または下キーと決定ボタンとを操作することによって、一方を選択する。画像ファイルを指定する場合、選択されている画像ファイルに対してカーソルSCが位置する。このように、フォルダ単位でDPOFを設定できるので、画像ファイル単位でしか設定できないディジタルカメラと比較して、設定操作が容易となる。
【0057】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えばこの発明では、左右の方向キーによってフォルダを切り替え、上下の方向キーによって画像ファイルを切り替えるようにしても良い。また、十字キー以外の方向を指示することが可能な入力装置を使用しても良い。さらに、この発明は、静止画像を記録するディジタルカメラに限定されるものではなく、動画を記録する撮影装置、並びに静止画および動画の両方を記録可能な撮影装置に対しても適用できる。動画の場合では、例えば1回の撮影の先頭の画像をLCD等に表示するようになされる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・処理部
2・・・CPU
3・・・内部記録媒体
9・・・操作部
11・・・外部記録媒体
12・・・CCD
13・・・LCD
27・・・十字キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
フォルダに格納された画像の少なくとも1つの画像とを表示する表示部と、
方向を指示することによって、上記フォルダの切替を指示する入力部と、
シャッター操作に応じて撮像画像を記録媒体に記録する記録処理部と、
上記入力部による方向の指定を受付けると、上記撮像画像が格納される上記フォルダが切り替えられ、上記フォルダの切り替えを上記表示部の画面上で表示するように制御する制御部と
を備えた撮像装置。
【請求項2】
上記表示部に上記撮像画像が格納されるフォルダを識別するためのフォルダ表示が表示される請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記撮像画像と共に、第1のフォルダに関する第1の画像が表示される第1の状態において、上記入力部による方向の指定を受付けると、上記撮像画像と共に、第2の画像フォルダに関する第2の画像が表示される第2の状態に表示状態を切り替え、
上記第1の状態においてシャッターが押された場合は、上記撮像画像を上記第1のフォルダに格納し、上記第2の状態においてシャッターが押された場合は、上記撮像画像を上記第2のフォルダに格納するように制御する請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
上記第1および第2の画像と、上記撮像画像とが時間軸と対応して順に配列されて表示される請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
上記第1の表示状態から上記第2の表示状態に遷移する間で、上記第1の表示状態および上記第2の表示状態とが同時に存在する表示遷移状態が上記表示部に表示される請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
上記入力部が上下方向および左右方向の一方の方向をフォルダ切替の方向として指定する請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−273162(P2009−273162A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190596(P2009−190596)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【分割の表示】特願2004−143437(P2004−143437)の分割
【原出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】