説明

撮像装置

【課題】レンズ交換式であっても、マニュアルフォーカス操作により、より精度良くフォーカスを合わせることができるとともに、使い勝手を向上させたカメラ本体を提供する。
【解決手段】カメラコントローラーは、第1の交換レンズが装着された状態で、カメラコントローラー6がフォーカスリングが操作された旨を示す情報を取得した場合、その情報を取得したときから所定時間が経過するまで画像を拡大して表示し、所定時間経過後に元の大きさに戻して表示するよう液晶モニタ10を制御する。一方、カメラコントローラー6は、十字釦45の左キーを介して画像拡大指示を受け付けた場合、その指示が解除されるまで画像を継続して拡大表示するよう液晶モニタ10を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用状況に応じた表示手段の表示切り替え可能な撮像装置に関する。特にマニュアルフォーカスにより表示手段の表示切り替え可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、使用者がマニュアルフォーカス操作を行った際に、表示部に表示されている画像を所定の倍率で拡大表示するデジタルカメラを開示している。
【0003】
また、そのような場合に、一旦拡大表示した画像を所定時間経過後に元の画像に戻すデジタルカメラも実用化されている。
【0004】
このような従来のデジタルカメラによれば、マニュアルフォーカス操作により、より精度良くフォーカスを合わせることができるとともに、フォーカス操作を終了後は自動で表示画像が戻るので使い勝手が良い。
【特許文献1】特許第4050385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レンズ交換式のカメラでは以下のような不都合が生じる場合がある。すなわち、交換レンズには種々の種類があり、マニュアルフォーカス操作に関する情報をカメラ本体に送信しないものもある。そのような交換レンズを装着した場合、例えカメラ本体側に表示画像拡大機能を備えていたとしても、マニュアルフォーカス操作時に画像拡大することができず、より精度良くフォーカスを合わせることができるという効果を奏することができない。
【0006】
そこで、本発明は、レンズ交換式であっても、マニュアルフォーカス操作により、より精度良くフォーカスを合わせることができるとともに、使い勝手を向上させたカメラ本体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る撮像装置は、光学系で形成する被写体像のフォーカス状態を変更するためのフォーカスリングが操作された旨を示す情報を出力可能な第1の交換レンズ、及びフォーカスリングが操作された旨の情報を出力しない第2の交換レンズを択一的に着脱可能なカメラ本体であって、第1の交換レンズまたは第2の交換レンズが装着された状態で、第1の交換レンズまたは第2の交換レンズにより形成された被写体像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、生成された画像データに基づく画像を拡大して表示する旨の画像拡大指示を受け付ける拡大指示受付手段と、第1の交換レンズが装着された状態で、フォーカスリングが操作された旨を示す情報を第1の交換レンズから取得する情報取得手段と、第1の交換レンズが装着された状態で、情報取得手段がフォーカスリングが操作された旨を示す情報を取得した場合、その情報を取得したときから所定時間が経過するまで画像を拡大して表示し、所定時間経過後に元の大きさに戻して表示するよう表示手段を制御する一方、拡大指示受付手段が画像拡大指示を受け付けた場合、その指示が解除されるまで画像を継続して拡大表示するよう表示手段を制御する表示制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の撮像装置によれば、レンズ交換式であっても、マニュアルフォーカス操作により、より精度良くフォーカスを合わせることができるとともに、使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
〔実施の形態1〕
本発明は例えばデジタルカメラ等の撮像する装置に適用できる。以下図面を用いて、デジタルカメラに適用した本発明の実施の形態1について説明する。
【0011】
〔1. 構成〕
〔1−1. 概要〕
図1は、本発明の実施の形態1に係るカメラシステム1の電気的構成を示すブロック図である。カメラシステム1は、カメラ本体2とそれに着脱可能な交換レンズ31とから構成される。カメラシステム1は、CCDイメージセンサー3で生成された画像データに基づいて、コントラスト方式のオートフォーカス動作が可能である。
【0012】
〔1−2. カメラ本体の構成〕
カメラ本体2は、CCDイメージセンサー3と、液晶モニタ10と、電子ビューファインダー9(EVF)と、カメラコントローラー6と、ボディマウント17と、前ダイヤル14と、レリーズ釦13と、電源16と、カードスロット11とを備える。
【0013】
カメラコントローラー6は、レリーズ釦13等の操作部材からの指示に応じて、CCDイメージセンサー3等のカメラシステム1全体を制御する。カメラコントローラー6は垂直同期信号をタイミング発生器4(TG)に送信する。これと並行して、カメラコントローラー6は、垂直同期信号に基づいて露光同期信号を生成する。カメラコントローラー6は、生成した露光同期信号を、ボディマウント17及びレンズマウント18を介して、レンズコントローラー23に周期的に繰り返して送信する。カメラコントローラー6は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM7をワークメモリとして使用する。カメラコントローラー6は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピューターなどで構成してもよい。また、画像処理部やワークメモリとは同一の半導体チップで構成しても別個でもよい。
【0014】
CCDイメージセンサー3は、交換レンズ31を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する。生成された画像データは、ADコンバーター5でアナログ形式のデータからデジタル形式のデータに変換される。ADコンバーター5でデジタル化された画像データは、カメラコントローラー6で各種の画像処理が施される。ここで言う各種の画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理等であるが、これらに限定されるものではない。また本発明においては、CCDイメージセンサー3に代えて、例えばCMOSイメージセンサーやNMOSイメージセンサーなど、他の撮像素子を用いても良い。
【0015】
CCDイメージセンサー3は、タイミング発生器4(TG)で制御されるタイミングで動作する。タイミング発生器4で制御されるCCDイメージセンサー3の動作は、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作、データ転送動作、電子シャッター動作等がある。スルー画像は主に動画像であり、静止画像の撮像のための構図を決めるために液晶もモニタ10や電子ビューファインダー9(EVF)に表示されるものである。
【0016】
液晶モニタ10は、カメラ本体2の背面に配置されるものであり、カメラコントローラー6で処理された表示用の画像データが示す画像を表示する。液晶モニタ10は、動画像も静止画も選択的に表示可能である。また、画像の他、カメラシステム1全体の設定条件等を表示可能である。本実施例では、表示手段の一例として液晶モニタ10を示すが、本発明はこれに限らない。例えば、有機ELディスプレイ等の表示手段を用いてもよい。
【0017】
電子ビューファインダー9(EVF)は、カメラ本体2の背面上部に配置されるものであり、液晶モニタ10と同様に、カメラコントローラー6で処理された表示用の画像データが示す画像を表示する。
【0018】
液晶モニタ10と電子ビューファインダー9(EVF)への表示は同時に行ってもよいし、一方に切替表示できるようにしてもよい。同時表示する場合、液晶モニタ10に表示する画像と電子ビューファインダー9に表示する画像は同一でも異なっても構わない。
【0019】
フラッシュメモリ8は、画像データ等を記憶するための内部メモリとして機能する。またカメラコントローラー6が制御を行う際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
【0020】
カードスロット11は、メモリカード12を着脱可能な接続手段である。カードスロット11は、メモリカード12を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット11は、メモリカード12を制御する機能を備えてもよい。
【0021】
メモリカード12は、内部にフラッシュメモリ等の記憶手段を備えた外部メモリである。メモリカード12は、カメラコントローラー6で処理された画像データ等のデータを記憶可能である。また、メモリカード12は、内部に記憶する画像データ等のデータを出力可能である。メモリカード12から出力された画像データはカメラコントローラー6で処理され、例えば液晶モニタ10等に再生表示される。本実施例では、外部メモリの一例としてメモリカード12を示すが、本発明はこれには限らない。例えば、光ディスク等の記憶媒体を外部メモリとしてもよい。
【0022】
電源16は、カメラシステム1で消費するための電力を供給する。電源16は、例えば乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また電源コードにより外部から供給される電力をカメラシステム1に供給されるものであってもよい。
【0023】
レリーズ釦13は、カメラ本体2上部に配置されている。使用者はレリーズ釦13を押下操作することにより、静止画撮像等の動作を実行できる。レリーズ釦13の押下操作には、半押操作と全押操作の二段階操作が含まれる。
【0024】
前ダイヤル14は、カメラ本体2の例えば前部に配置されている。使用者は前ダイヤル14をダイヤル操作することにより、各種パラメータを変更できる。各種パラメータは、例えば、絞り値、シャッタースピード、露出補正値等が含まれる。また使用者が前ダイヤル14をダイヤル操作することにより、後述する十字釦45に含まれる右釦と左釦に対応した動作が実行できてもよい。更には、使用者が前ダイヤル14をダイヤル操作することで、液晶モニタ10や電子ビューファインダー9に再生表示される画像データの拡大倍率を変更できるようにしてもよい。
【0025】
ボディマウント17は、交換レンズ31のレンズマウント18と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント17は、レンズマウント18を介して、カメラ本体2と交換レンズ31との間でデータを送受信可能である。ボディマウント17は、カメラコントローラー6から受信した露光同期信号やその他制御信号を、レンズマウント18を介してレンズコントローラー23に送信する。また、ボディマウント17は、レンズマウント18を介してレンズコントローラー23から受信した信号をカメラコントローラー6に送信する。また、ボディマウント17は、電源16から受けた電力をレンズマウント18を介して交換レンズ31全体に供給する。
【0026】
〔1−3. 交換レンズの構成〕
交換レンズ31は、光学系とレンズコントローラー23と、レンズマウント18とを備える。交換レンズ31の光学系は、ズームレンズ20、OISレンズ24、フォーカスレンズ27を含む。
【0027】
ズームレンズ20は、交換レンズ31の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズのレンズ構成は何枚でも何郡でもよい。ズームリング19は交換レンズ31の外装に設けられている。ズームリング19は、使用者による操作をズームレンズ20に伝える。この操作によりズームレンズ20は光学系の光軸方向に移動する。ズームレンズ検出部21はズームレンズ20の移動量を検出する。レンズコントローラー23は、ズームレンズ検出部21における検出結果を取得することにより、光学系におけるズーム倍率を把握することができる。レンズコントローラー23が把握したズーム倍率はレンズマウント18を介してカメラコントローラー6に送信される。
【0028】
OISレンズ24は、交換レンズ31の光学系で形成される被写体像のぶれを補正するためのレンズである。OISレンズのレンズ構成は何枚でも何群でもよい。OISレンズ24は、カメラシステム1のぶれを相殺する方向に移動することで、CCDイメージセンサー3上の被写体像のぶれを小さくする。OISレンズ24はジャイロセンサー等のぶれ検出器の検出結果に基づいてOIS駆動部25の動作により移動する。OIS駆動部25は、レンズコントローラー23からぶれ検出器の検出結果を得る。また、OIS駆動部25は、レンズコントローラー23に対して、光学的像ぶれ補正処理の状態を示す信号を送信する。レンズコントローラー23が受信した光学的像ぶれ補正処理の状態を示す信号はレンズマウント18を介してカメラコントローラー6に送信される。
【0029】
フォーカスレンズ27は、光学系から入射されCCDイメージセンサー3上に形成される被写体像の焦点状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズのレンズ構成は何枚でも何群でもよい。フォーカスレンズ駆動部28は、レンズコントローラー23の制御に基づいてフォーカスレンズ27を光学系の光軸に沿って進退するように駆動する。フォーカスリング26は交換レンズ31の外装に設けられている。フォーカスリング26は使用者の操作に応じてフォーカスレンズ27を駆動させる。フォーカスリング27が使用者によって操作されると、操作に関する信号がレンズコントローラー23に出力される。レンズコントローラー23は、入力された操作に関する信号に応じて、フォーカスレンズ駆動部を駆動する。
【0030】
レンズコントローラー23は交換レンズ31全体を制御する。レンズコントローラー23は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピューターなどで構成してもよい。
【0031】
DRAM29は、レンズコントローラー23が制御の際にワークメモリとして使用される。また、フラッシュメモリ30は、レンズコントローラー23の制御の際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
【0032】
〔1−4. カメラ本体背面の構成〕
図2は、カメラ本体2の背面図である。カメラ本体2の背面及び上面に各種釦が配置されている。また、カメラ本体2の背面には液晶モニタ10や電子ビューファインダー9(EVF)が配置されている。以下でカメラ本体2の背面における各構成の詳細を説明する。レリーズ釦13、電子ビューファインダー9(EVF)、液晶モニタ10については上述の通りである。
【0033】
電源スイッチ41は、カメラ本体2の電源を入り切りするためのスライドスイッチである。カメラ本体2の電源が入ると、ボディマウント17を介して交換レンズ31にも電力が供給される。
【0034】
撮影モードダイヤル40は、カメラシステム1を各種撮影モードに設定するためのダイヤルである。各種撮影モードには、マニュアルモード、絞り優先モード、シャッタースピード優先モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、マクロ撮影モード等が含まれる。
【0035】
フォーカスモードダイヤル47は、カメラシステム1のフォーカスモードを設定するためのダイヤルである。フォーカスモードには、自動で被写体に焦点を合わせるオートフォーカスモードと、使用者が手動で焦点を調節できるマニュアルフォーカスモードが含まれる。オートフォーカスモードには、レリーズ釦13半押し時に合焦するAFS(Auto Focus Single)モードと、被写体の動きに合わせて連続的に合焦するAFC(Auto Focus Continuous)モードが含まれる。
【0036】
十字釦45は上釦、右釦、下釦及び左釦を含む。上釦を押下操作すると、カメラコントローラー6は、液晶モニタ10上に表示されているカーソルを上方向に移動させる等の制御を行う。右釦は、カーソルを右方向に移動させるなどの指示を与えるための操作手段である。下釦は、カーソルを下方向に移動させるなどの指示を与えるための操作手段である。左釦は、カーソルを左方向に移動させるなどの指示を与えるための操作手段である。
【0037】
決定釦44は、液晶モニタ10で表示されている選択項目を決定するための押下釦である。再生釦42は、フラッシュメモリ8やメモリカード12に記憶された画像データの再生表示を実行するための釦である。削除釦46は、画像データをフラッシュメモリ8やメモリカード12から削除するための押下釦である。画面釦43は、液晶モニタ10の表示方法を変更するための押下釦である。画面釦43の押下操作に応じて、液晶モニタ10は画面上にガイドラインを表示させたり、表示を停止させたりする。
【0038】
〔1−5. 本発明との対応〕
CCDイメージセンサー3は、本発明の撮像手段の一例である。液晶モニタ10は、本発明の表示手段の一例である。十字釦45の左キーとカメラコントローラー6とからなる構成は、本発明の拡大指示受付手段の一例である。カメラマウント17とカメラコントローラー6とからなる構成は、本発明の情報取得手段の一例である。カメラコントローラー6は、本発明の表示制御手段の一例である。
【0039】
〔2. 動作〕
〔2−1. 撮像準備動作〕
まず、撮像準備のためのカメラシステム1の動作を説明する。図3は、カメラシステム1の撮像準備動作を説明するための信号送受信を示す図である。
【0040】
カメラ本体2に交換レンズ31を装着した状態で、使用者が、カメラ本体2の電源を入れると、電源16は、ボディマウント17及びレンズマウント18を介して、交換レンズ31に電力を供給する(S11)。次に、カメラコントローラー6は、レンズコントローラー23に対して、交換レンズ31の認証情報を要求する(S12)。ここで、交換レンズ31の認証情報には、交換レンズ31が装着されているか否かに関する情報及びアクセサリーが装着されているか否かに関する情報が含まれる。レンズコントローラー23は、カメラコントローラー6からのレンズ認証要求に応答する(S13)。
【0041】
次に、カメラコントローラー6は、レンズコントローラー23に対して、初期化動作をするよう要求する(S14)。これを受けて、レンズコントローラー23は、絞りのリセット、OISレンズ24のリセット等の初期化動作を行う。そして、レンズコントローラー23は、カメラコントローラー6に対して、レンズ初期化動作が完了した旨を返信する(S15)。
【0042】
次に、カメラコントローラー6は、レンズコントローラー23に対して、レンズデータを要求する(S16)。レンズデータは、フラッシュメモリ30に格納されている。そこで、レンズコントローラー23は、フラッシュメモリ30からレンズデータを読み出して、カメラコントローラー140に返信する(S17)。ここで、レンズデータとは、レンズ名称、Fナンバー、焦点距離等の交換レンズ31特有の特性値である。
【0043】
カメラコントローラー6が、カメラ本体2に装着されている交換レンズ31のレンズデータを把握すると、撮像可能な状態になる。この状態では、カメラコントローラー6は、レンズコントローラー23に対して、交換レンズ31の状態を示すレンズ状態データを定期的に要求する(S18)。レンズ状態データは、例えば、ズームレンズ20によるズーム倍率情報、フォーカスレンズ27の位置情報、絞り値情報などが含まれる。この要求に応えて、レンズコントローラー23は、カメラコントローラー6に対して、要求されたレンズ状態データを返信する(S19)。
【0044】
また、この状態では、カメラシステム1は、CCDイメージセンサー3で生成した画像データが示す画像をスルー画像として液晶モニタ10に表示する制御モードで動作し得る。この制御モードをライブビューモードという。ライブビューモードでは、スルー画像が動画で液晶モニタ10に表示されるので、使用者は、液晶モニタ10を見ながら静止画像を撮像するための構図を決めることができる。ライブビューモードとするかどうかは使用者が選択可能である。ライブビューモードの他に、使用者が選択できる制御モードとしては、交換レンズ31からの被写体像を電子ビューファインダー(EVF)に導く制御モードもある。ライブビューモードにおけるオートフォーカス動作の方式としては、コントラスト方式が適している。ライブビューモードでは、定常的に、CCDイメージセンサー3で画像データを生成しているので、その画像データを用いたコントラスト方式のオートフォーカス動作が容易のためである。
【0045】
コントラスト方式のオートフォーカス動作を行う際には、カメラコントローラー6は、レンズコントローラー23に対して、コントラストAF用データを要求する(S20)。コントラストAF用データは、コントラスト方式のオートフォーカス動作の際に必要なデータであり、例えば、フォーカス駆動速度、フォーカスシフト量、像倍率、コントラストAF可否情報などが含まれる。
【0046】
〔2−2. マニュアル・アシスト動作〕
マニュアル・アシスト動作とは、マニュアルフォーカス時に、被写体像のフォーカス状態を使用者が確認しやすいように、フォーカスエリアの拡大画像を液晶モニタ10に表示する動作である。以下、図4に示すフローチャートを用いて、本発明の実施の形態1であるカメラシステム1のマニュアル・アシスト動作を詳細に説明する。
【0047】
使用者がカメラシステム1にマニュアル・アシスト動作を行うように設定しているとき、カメラシステム1は本発明の動作を行う。前述した通り、カメラ本体2に備わるカメラコントローラー6と、交換レンズ31に備わるレンズコントローラー23はボディマウント17とレンズマウント18を介して通信している。カメラ本体2の動作がマニュアルフォーカスモードに設定されている時、カメラコントローラー6は、交換レンズ31に備わるフォーカスリング26の操作に関する情報をレンズコントローラー23がカメラコントローラー6に出力可能かどうかを予め把握しておく。
【0048】
フォーカスリング26が操作された場合において(S31)、さらに、カメラコントローラー6がフォーカスリング26の操作に関する情報を取得できる場合(S32)、カメラコントローラー6は、フォーカスリング26が操作されたか否かを監視し、フォーカスリング26が操作されるのに応じて、フォーカスエリア付近の画像をズームアップ表示するよう液晶モニタ10を制御する(S33)。
【0049】
図6にズームアップ表示のイメージ図を示す。フレームD1は通常の画像表示であり、点線枠D2はフォーカスエリアであり、フレームD3はズームアップ画像表示である。通常の画像表示時においても、ズームアップ画像表示時においても、使用者は、十字釦45の操作によりフォーカスエリアD2を液晶モニタ10の表示内で移動可能である。使用者による十字釦45操作をカメラコントローラー6が受け付けている間、カメラコントローラー6はズームアップ画像表示を継続するよう液晶モニタ10を制御する。
【0050】
また、カメラコントローラー6は、ズームアップ表示中に前ダイヤル14が操作されると、フォーカスエリアのズームアップ表示の倍率を変更する。
【0051】
更に、液晶モニタ10は、ズームアップ画像とともにズームアップされている画像エリアと元の画像との位置関係を表す情報を表示する。図6のフレームD4は元の画像を表し、点線枠D5はズームアップされている画像エリアを表す。
【0052】
カメラコントローラー6は、ズームアップ表示中にレリーズ釦13が半押し操作されると(S34)、画像を元に戻しズームアップ表示を終了するよう液晶モニタ10を制御する(S36)。また、カメラコントローラー6は、ズームアップ表示中にレリーズ釦13が半押し操作されなかった場合であっても、使用者の無操作時間が所定時間経過した後に(S35)、画像を元に戻しズームアップ表示を終了するよう液晶モニタ10を制御する(S36)。
【0053】
これにより、フォーカスエリア付近の画像を一度ズームアップ表示したものの、一定時間使用者がマニュアルフォーカス操作を行わなかった場合に、液晶モニタ10はズームアップ表示を終了し、元の画像表示に戻る。そのため、使用者は所定時間の経過を待つことにより自ら拡大表示の解除操作を行わなくてよい。そして、使用者の次回の撮影操作時には、液晶モニタ10の表示が元の画像表示に戻っているため、使用者は素早く次の撮影を行うことができる。
【0054】
一方、フォーカスリング26が操作された場合において、さらに、カメラコントローラー6がフォーカスリング26の操作に関する情報を取得できない場合(S32)、カメラコントローラー6は、フォーカスリング26が操作されたとしてもそれを検知できないので、液晶モニタ10に表示されている画像を拡大できない。
【0055】
〔2−3. カメラボディ操作によるズームアップ表示動作〕
図5を用いて、カメラボディ2側の操作によるズームアップ表示動作について説明する。マニュアル・アシスト動作のモードが設定されており、撮像モード中において、十字釦45の左キーが押下操作されると(S41)、カメラコントローラー6は、装着されている交換レンズの種類に関わらず、現在表示されている画像を拡大するよう液晶モニタ10を制御する(S33)。このときのズームアップ表示動作については、上述のフォーカスリング26の操作に応じてなされるズームアップ表示動作と同様である。
【0056】
この場合、カメラコントローラー6は、所定時間経過後であっても、レリーズ釦13または決定釦44の押下操作されるまで(S34)、ズームアップ表示動作を解除しない。
【0057】
これにより、フォーカスリングの操作に関する情報を送信しない交換レンズが装着された場合であっても、使用者の操作によりズームアップ表示動作を開始できる。さらに、所定時間経過後であっても、使用者の意志に基づいてズームアップ表示動作を解除しない限り、ズームアップ表示動作は解除されないので、フォーカスリングを操作中にも関わらずズームアップ表示動作が終了してしまうということを防止できる。
【0058】
仮に、フォーカスリングの操作に応じたズームアップ動作と同様に、ズームアップ動作が開始されてから所定時間が経過するとズームアップ動作を自動的に終了するとした場合、フォーカスリングを操作中にも関わらずズームアップ表示動作が終了してしまうという事態が発生し得る。このような事態が生じたのでは、使用勝手が悪くなってしまう。
【0059】
〔3. まとめ〕
以上のように、本発明の実施の形態1にかかるカメラボディ2は、光学系で形成する被写体像のフォーカス状態を変更するためのフォーカスリングが操作された旨を示す情報を出力可能な第1の交換レンズ、及びフォーカスリングが操作された旨の情報を出力しない第2の交換レンズを択一的に着脱可能なカメラボディ2である。カメラボディ2は、CCDイメージセンサー3と、液晶モニタ10と、十字釦45の左キーと、カメラコントローラー6と、カメラマウント17とを備える。CCDイメージセンサー3は、第1の交換レンズまたは第2の交換レンズが装着された状態で、第1の交換レンズまたは第2の交換レンズにより形成された被写体像を撮像し画像データを生成する。液晶モニタ10は、生成された画像データに基づく画像を表示する。十字釦45の左キーとカメラコントローラー6とからなる構成は、生成された画像データに基づく画像を拡大して表示する旨の画像拡大指示を受け付ける。カメラマウント17とカメラコントローラー6とからなる構成は、第1の交換レンズが装着された状態で、フォーカスリングが操作された旨を示す情報を第1の交換レンズから取得する。そして、カメラコントローラーは、第1の交換レンズが装着された状態で、カメラコントローラー6がフォーカスリングが操作された旨を示す情報を取得した場合、その情報を取得したときから所定時間が経過するまで画像を拡大して表示し、所定時間経過後に元の大きさに戻して表示するよう液晶モニタ10を制御する。一方、カメラコントローラー6は、十字釦45の左キーを介して画像拡大指示を受け付けた場合、その指示が解除されるまで画像を継続して拡大表示するよう液晶モニタ10を制御する。
【0060】
このように、交換レンズ側のフォーカスリングに対する操作に応じて表示画像を拡大する場合には、所定時間経過後、拡大画像表示動作を解除する。一方、カメラ本体側の操作に応じて表示画像を拡大する場合には、時間経過による拡大画像表示動作の解除を実行しない。
【0061】
これにより、フォーカスリングの操作に関する情報を送信する交換レンズを装着した場合には、自動で拡大画像表示動作を解除できるので操作性がよい。また、フォーカスリングの操作に関する情報を送信しない交換レンズを装着した場合であっても、拡大画像表示動作を可能とするとともに、フォーカスリングの操作中に使用者の意志に反して拡大画像表示動作が解除されてしまうということを防止できる。
【0062】
そのため、レンズ交換式であっても、マニュアルフォーカス操作により、より精度良くフォーカスを合わせることができるとともに、使い勝手を向上させることができる。
【0063】
〔他の実施の形態〕
本発明の実施の形態1では、ズームレンズ20及びOISレンズ24を有する構成を例示したが、これらは本発明に必須の構成ではない。同様に、ぶれ補正機能を有さない交換レンズを装着したカメラシステムにも本発明は適用可能である。
【0064】
また、本発明の実施の形態1では、可動ミラーを備えないカメラ本体を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カメラ本体内に可動ミラーを備えてもよいし、被写体像を分けるためのプリズムを備えてもよい。また、カメラ本体内ではなくアダプター内に可動ミラーを備える構成でもよい。
【0065】
また、本発明の実施の形態1では、カメラコントローラー6は、カメラボディ2側で画像拡大の指示を受け付けると、装着されている交換レンズの種類に関わらず、現在表示されている画像を拡大するよう液晶モニタ10を制御するようにした。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、カメラコントローラー6は、カメラボディ2側で画像拡大の指示を受け付けると、装着されている交換レンズがフォーカスリングの操作に関する情報を送信しない交換レンズである場合に限って、現在表示されている画像を拡大するよう液晶モニタ10を制御するようにしてもよい。この場合、装着されている交換レンズがフォーカスリングの操作に関する情報を送信する交換レンズである場合、カメラボディ2側で画像拡大が指示されても、その指示を受け付けず、無効とするのが好ましい。これにより、フォーカスリングの操作に関する情報を送信する交換レンズが装着されている場合には、マニュアルフォーカス操作がされているときのみにマニュアル・アシスト機能が動作するので、使用者が操作に関して混乱するのを防ぐことができる。
【0066】
また、本発明の実施の形態1では、十字釦45の左キーが押下操作されるのに応じてズームアップ表示動作が開始されるとしたが、これには限定されない。例えば、音声センサーやタッチセンサーの検出結果に応じてズームアップ表示動作を開始するようにしてもよい。要するに、カメラボディ2側の操作に応じてズームアップ表示動作が開始されるようにすればよい。
【0067】
また、本発明の実施の形態1では、レリーズ釦13を押下操作することにより、ズームアップ動作が解除されるとしたが、これには限らない。例えば、十字釦45やディスプレイ釦43が押下操作されることにより、ズームアップ動作が解除されるとしてもよい。要するに、使用者の意志でズームアップ動作が解除されるようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明はデジタルカメラに限らない。例えばデジタルムービーカメラや、カメラ機能付き携帯電話等、画像を撮像する機器であれば適用することができる。要するに、レンズ交換式の撮像装置であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の電気的構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の背面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の撮像準備動作の説明図
【図4】本発明の実施の形態1に係る撮像装置のマニュアル・アシスト動作のフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1に係る撮像装置のマニュアル・アシスト動作のフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1に係る撮像装置のズームアップ動作イメージ図
【符号の説明】
【0070】
1 カメラシステム
2 カメラ本体
3 CCDイメージセンサー
6 カメラコントローラー
9 電子ビューファインダー(EVF)
13 レリーズ釦
14 前ダイヤル
17 ボディマウント
18 レンズマウント
19 ズームリング
20 ズームレンズ
23 レンズコントローラー
24 OISレンズ
26 フォーカスリング
27 フォーカスレンズ
31 交換レンズ
41 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系で形成する被写体像のフォーカス状態を変更するためのフォーカスリングが操作された旨を示す情報を出力可能な第1の交換レンズ、及びフォーカスリングが操作された旨の情報を出力しない第2の交換レンズを択一的に着脱可能なカメラ本体であって、
前記第1の交換レンズまたは前記第2の交換レンズが装着された状態で、前記第1の交換レンズまたは前記第2の交換レンズにより形成された被写体像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、
前記生成された画像データに基づく画像を表示する表示手段と、
前記生成された画像データに基づく画像を拡大して表示する旨の画像拡大指示を受け付ける拡大指示受付手段と、
前記第1の交換レンズが装着された状態で、前記フォーカスリングが操作された旨を示す情報を前記第1の交換レンズから取得する情報取得手段と、
前記第1の交換レンズが装着された状態で、前記情報取得手段が前記フォーカスリングが操作された旨を示す情報を取得した場合、その情報を取得したときから所定時間が経過するまで画像を拡大して表示し、前記所定時間経過後に元の大きさに戻して表示するよう前記表示手段を制御する一方、前記拡大指示受付手段が前記画像拡大指示を受け付けた場合、その指示が解除されるまで画像を継続して拡大表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段と、
を備えるカメラ本体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−141778(P2010−141778A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318142(P2008−318142)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】