説明

撮像装置

【課題】 装置本体に対して着脱可能に設けられ機能性を向上させた表示装置を備える撮像装置を提供する。
【解決手段】 第1撮像部24と、前記第1撮像部で撮像された画像データを記憶する第1記憶部40と、第2撮像部60を有し、装置本体4に対して着脱可能な表示装置6と、前記表示装置へ前記画像データを出力する制御部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装置本体に対して表示装置が着脱可能に設けられている撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置においては、表示装置と装置本体との距離が離れている場合であっても撮像指示及び画像の確認を表示装置側で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−336527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この撮像装置においては装置本体から取外された場合に表示装置はリモコン装置としてのみ用いられ、機能性の向上が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、装置本体に対して着脱可能に設けられ機能性を向上させた表示装置を備える撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、第1撮像部と、前記第1撮像部で撮像された画像データを記憶する第1記憶部と、第2撮像部を有し、装置本体に対して着脱可能な表示装置と、前記表示装置へ前記画像データを出力する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像装置によれば、装置本体に対して着脱可能に設けられた表示装置を備え、表示装置は高い機能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラの背面を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカメラの表示装置の撮影レンズ側を示す外観図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラの表示装置の表示部側を示す外観図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラから表示装置が取外されている状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカメラの装置本体の動作設定処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るカメラの表示装置の表示部側が装置本体に面して取付けられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るカメラについて説明する。図1は実施の形態に係るカメラの背面を示す外観図である。カメラ2は装置本体4及び装置本体4に着脱可能に構成された表示装置6を備え、装置本体4の背面には表示装置6が取外された場合における表示装置6の動作モードを独立モード及びリモコンモードに設定する動作モード設定ボタン8、メモリカード40または内蔵メモリ41に記憶された画像を表示部18に再生表示を行うための指示を行う再生ボタン10が設けられ、上面にはレリーズ指示を行う第1レリーズボタン12が設けられている。また、装置本体の前面には第1撮影レンズ26(図5参照)が設けられている。
【0010】
図2は、実施の形態に係る表示装置を第2撮影レンズ側の面から視た外観図、図3は実施の形態に係る表示装置を表示部側から視た外観図である。表示装置6は上面に独立モードの場合には表示装置6により撮像を行うためのレリーズ指示、リモコンモードの場合には装置本体4により撮像を行うためのレリーズ指示を行う第2レリーズボタン14が設けられている。また、表示装置6の前面には第2撮影レンズ16が設けられ、背面にはTFT等により構成される表示部18が設けられている。また、図4に示すように表示装置6は装置本体4の背面に設けられた凹部20に取付けることができるように構成されている。
【0011】
ここで、表示装置6に対する動作モードの設定は動作モード設定ボタン8の操作によりを行われ、独立モードにおいては第2レリーズボタン14の操作により表示装置6は後述する第2撮像素子60を用いて撮像を行い、リモコンモードにおいては第2レリーズボタン14の操作により表示装置6は赤外線発光部70を介して装置本体4に対して撮像指示信号を送信し、後述する第1撮像素子26を用いて撮像を行う。
【0012】
図5は、実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。装置本体4はCPU22を備え、CPU22には、画像処理部30、撮像制御部34、赤外線受光部32、操作部36、メモリカードスロット38、画像データ変換部41、接続検出部48、電源制御部50が接続されている。
【0013】
第1撮像素子24は、CCD或いはCMOS等により構成され、第1撮影レンズ26を介した被写体光を撮像し撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成する。A/D変換部28は、第1撮像素子24から出力された撮像信号をA/D変換して画像データを生成する。また、画像処理部30は、A/D変換部28から出力された画像データに対してホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正等の画像処理を行う。赤外線受光部32は、表示装置6が装置本体4から取り外されリモコンモードに設定されている場合に、表示装置6側の赤外線発光部70から発光される表示装置6における操作指示に基づく信号を受光する。また、撮像制御部34は、表示装置6が装置本体4から取外されている場合において赤外線受光部32を介して入力された表示装置6における操作指示に基づいて第1撮像素子24による撮像動作の制御を行う。また、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には、レリーズボタン12が操作されると第1撮像素子24による撮像動作の制御を行う。ここで、操作部36は動作モード設定ボタン8、再生ボタン10、第1レリーズボタン12を備えている。
【0014】
メモリカードスロット38は、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード40を装着するSDスロットやCFスロット等である。メモリカード40または内蔵メモリ41には第1撮像素子24から出力された撮像信号に対して、画像処理部30により画像処理が実施された画像データが記憶される。また、画像データ変換部42は、表示装置6の表示部18に表示させるために適した符号化方法を用いた変換処理を画像データに対して行い表示用の画像データを生成する。即ち、表示する画像データに対してエンコード、フレームの間引き、圧縮等の処理を行う。画像データ変換部42により出力される表示用の画像データの出力先は、装置本体4と表示装置6との着脱状態に応じて異なる。即ち、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には接続部44を介して表示装置6に出力する。一方、表示装置6が装置本体4から取外されリモコンモードに設定されている場合には無線出力部46を介して表示用の画像データを表示装置6に出力する。ここで、表示装置6が装置本体4から取外され独立モードに設定されている場合には表示装置6の表示部18には第2撮像素子60により撮像された画像データが出力されるため、画像データ変換部42は表示装置6に対して表示用の画像データの出力を行わない。なお、表示する画像データが符号化方法の変換処理を行わなくても表示部18に表示させるために適した画像データである場合には、画像データ変換部42による処理を行わなくてもよい。
【0015】
また、接続検出部48は、表示装置6が装置本体4に取付けられているか装置本体4から取外されているかを、接続部44が表示装置6側の接続部68と接しているか否かにより検出する。電源制御部50は、電源コネクタ52にACアダプタ54が接続されている場合にはACアダプタ54を介して外部の商用電源から電源を取得しCPU22に電源を供給する。ACアダプタ54が接続されていない場合にはバッテリ56を介して電源を取得しCPU22に電源を供給する。また、電源制御部50は、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には接続部44を介して表示装置6に電源を供給する。なお、ACアダプタ54が電源コネクタ52に接続されている場合にはCPU22や表示装置6に電源を供給する他、バッテリ56の充電を行ってもよい。
【0016】
表示装置6は、サブCPU58を備え、サブCPU58には、第2レリーズボタン14、表示部18、画像処理部64、補助メモリ66、接続部68、赤外線発光部70、電源制御部72、無線受信部76が接続されている。
【0017】
表示装置6が装置本体4から取外され独立モードに設定されている場合には、第2撮像素子60により撮像された画像データの示す画像が表示部18に出力される。第2レリーズボタン14の操作が行われると撮像制御部59は、CCD或いはCMOS等により構成される第2撮像素子60を用いて第2撮影レンズ16を介した被写体光を撮像し、撮像信号(蓄積電荷としてのアナログ信号)を生成する。A/D変換部62は、第2撮像素子60から出力された撮像信号をA/D変換して画像データを生成する。また、画像処理部64は、A/D変換部62から出力された画像データに対してホワイトバランス調整、輪郭補償、ガンマ補正等の画像処理を行う。第2撮像素子60により撮像され生成された画像データは、補助メモリ66に記憶される。補助メモリ66に記憶された画像データは表示装置6が装置本体4に取付けられた際に接続部68を介して装置本体4側のメモリカード40または内蔵メモリ41に記憶される。
【0018】
表示装置6が装置本体4から取外されリモコンモードに設定されている場合には、第2レリーズボタン14における操作指示を赤外線発光部70を介して装置本体4に対して赤外線を用いて出力する。また、この場合においては、第1撮像素子24により撮像され生成された画像データを装置本体4から無線受信部76を介して受信し、表示部18に出力する。なお、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合にはレリーズボタン16は凹部20内に収容されるため操作することはできない。
【0019】
また、電源制御部72は、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には接続部68を介して装置本体4から電源の供給を受けサブCPU58に供給し、装置本体4から取外されている場合にはバッテリ74から電源の供給を受けサブCPU58に供給する。なお、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には、電源制御部72はサブCPU58に電源を供給する他、バッテリ74の充電を行ってもよい。また、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には接続部68を介して装置本体4から電源の供給を受ける他、画像データ等の受信を行う。
【0020】
次に、図6に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラの装置本体と表示装置との各接続状態における装置本体の動作設定処理について説明する。接続検出部48は、装置本体4と表示装置6との接続状態の変化を検出すると(ステップS1:Y)、表示装置6が装置本体4に取付けられているか否か確認する(ステップS2)。接続状態の変化を検出しない場合には(ステップS1:N)、接続状態の変化が検出されるまで待機する。
【0021】
表示装置6が装置本体4から取外されている場合には(ステップS2:N)、電源制御部50は、表示装置6に対する電源の供給を停止する(ステップS3)。そしてCPU22はモード設定ボタン8により設定された表示装置6の動作モードが独立モードであるかリモコンモードであるかを確認する(ステップS4)。独立モードである場合には、表示装置6に対する表示用の画像データの出力を停止する設定を行う(ステップS5)。なお、設定された動作モードは表示装置6に送信され、表示装置6は受信した動作モードに設定する。
【0022】
このとき、表示装置6においては、電源制御部72はバッテリ74を用いてサブCPU58に対する電源の供給を開始する。また、第2撮像素子60により撮像された画像を表示部18に出力する設定、第2レリーズボタン14が操作されると第2撮像素子60を用いて撮像する設定を行う。また、第2撮像素子60により撮像され生成された画像データの記憶先を補助メモリ66に設定する。
【0023】
ステップS4においてリモコンモードである場合には、表示用の画像データを無線出力部46を介して表示装置6に対して出力する設定を行い(ステップS6)、表示装置6から出力された操作指示を示す信号を赤外線受光部32において受け付ける外部操作モードに設定する(ステップS7)。また、この場合には表示装置6側の第2レリーズボタン14が操作されると第1撮像素子24を用いて撮像を行うため、撮像された画像データを装置本体4のメモリカード40または内蔵メモリ41に記憶する設定を行う(ステップS8)。
【0024】
一方、表示装置6が装置本体4に取付けられている場合には(ステップS2:Y)、電源制御部50は、表示装置6に対する電源の供給を開始する(ステップS9)。そして接続部44を介して表示装置6に対して接続確認信号を出力し(ステップS10)、接続確認信号に対して表示装置6から確認通知を接続部44を介して受信したか否か確認する(ステップS11)。確認通知を受信しない場合にはエラー処理を行い(ステップS18)、ステップS2の処理に戻る。
【0025】
確認通知を受信した場合には(ステップS11:Y)、装置本体4が備える操作部36による操作を受け付ける本体操作モードに設定する(ステップS12)。また、撮像された画像データを装置本体4のメモリカード40または内蔵メモリ41に記憶する設定を行う(ステップS13)。そして、表示装置6の補助メモリ66に記憶された画像データをメモリカード40または内蔵メモリ41に記憶する(ステップS14)。このとき、メモリカード40または内蔵メモリ41に記憶された画像データと比較し、メモリカード40または内蔵メモリ41に記憶されていない画像データのみを記憶させる。また、メモリカード40または内蔵メモリ41内に補助メモリ用のフォルダを作成し、該フォルダと補助メモリ66の記憶内容を同期させてもよい。
【0026】
次に、表示装置6の何れの面が凹部20において装置本体4と面しているか判定する。即ち、表示装置6の第2レンズ16が設けられた面が装置本体4と面しているか、表示部18が設けられた面が装置本体4と面しているか判定する(ステップS15)。図1に示すように第2レンズ16が設けられた面が装置本体4と面している場合には(ステップS15:Y)、表示用の画像データを接続部44を介して表示装置6に対して出力する設定を行う(ステップS16)。
【0027】
一方、図7に示すように表示部18が設けられた面が装置本体4と面し、カメラ2の背面に第2撮影レンズ16が位置している場合には(ステップS15:N)、第1レリーズボタン12の操作により第1撮像素子24及び第2撮像素子60の双方において撮像を行う二面撮像モードに設定する(ステップS17)。この場合に第1撮像素子24及び第2撮像素子60において撮像され生成される画像データは、何れもステップS13において設定された装置本体4が備えるメモリカード40または内蔵メモリ41に記憶される。
【0028】
本実施の形態に係るカメラによれば、表示装置が独立した撮像機能を備えるため、装置本体と表示装置との距離が離れている場合であっても所望の構図で撮像を行うことができる。また、装置本体と表示装置との取付状態によってはカメラの両面を撮像することができる。
【0029】
なお、上述の実施の形態においては表示装置6が装置本体4から取外されている場合に、表示装置6は独立モードまたはリモコンモードに設定し動作する構成としたが、これらの動作モードの他、取外されている場合において第1レリーズボタン12または第2レリーズボタン14における1回の操作により第1撮像素子24及び第2撮像素子26の双方で撮像を行う二面撮像モードに設定し動作可能な構成としてもよい。例えば、まずリモコンモードとして表示装置6において第1撮像素子24により撮像される画像の構図を確認し、その後第1撮像素子24により撮像される被写体を別の角度から第2撮像素子26により撮像すべく表示装置6を設置する。そして、独立モードと同様に表示装置6において第2撮像素子26により撮像される構図を確認する。その後第2レリーズボタン14の操作により第1撮像素子24及び第2撮像素子26の双方により撮像を行う。この場合には第1撮像素子24により撮像され生成された画像データはメモリカード40または内蔵メモリ41に、第2撮像素子26により撮像され生成された画像データは補助メモリ66にそれぞれ記憶する。
【0030】
また、上述の実施の形態におけるカメラ2が備える表示装置6の他、表示装置6と同等の機能を備え同一の手順により装置本体4と通信を行う外部表示装置を用いてもよい。この場合には、他の個体による誤操作を防止するため、外部表示装置の個体識別番号を装置本体4に予め登録することにより外部表示装置による動作を可能とする。
【符号の説明】
【0031】
2…カメラ、4…装置本体、6…表示装置、12…第1レリーズボタン、14…第2レリーズボタン、16…第2撮影レンズ、18…表示部、22…CPU、24…第1撮像素子、26…第1撮影レンズ、40…メモリカード、41…内蔵メモリ、48…接続検出部、58…サブCPU、60…第2撮像素子、66…補助メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像部と、
前記第1撮像部で撮像された画像データを記憶する第1記憶部と、
第2撮像部を有し、装置本体に対して着脱可能な表示装置と、
前記表示装置へ前記画像データを出力する制御部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示装置の着脱状態を検出する着脱検出部を備え、
前記表示装置は、バッテリと、
前記着脱検出部により前記表示装置が前記装置本体から取外されていることが検出された場合には、前記表示装置は前記バッテリから電源供給を受け、前記装置本体に取付けられていることが検出された場合には前記装置本体から電源供給を受けるように制御する電源制御部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記着脱検出部により前記表示装置が前記装置本体から取外されている場合に、前記第2撮像部を用いて撮像動作を行う独立モード、または前記装置本体に対して無線通信により指示を行うリモコンモードを設定する、モード設定部を備えることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示装置に表示する表示用の画像データを前記画像データから生成する表示画像データ生成部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記リモコンモードにおいて前記表示装置に対して無線通信により前記画像データを伝送することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項6】
前記着脱検出部により前記表示装置が前記装置本体に取付けられていることが検出された場合に、前記表示装置に備えられた表示部が前記装置本体に面して取付けられているか否かを検出する、取付状態検出部を備え、
前記表示部が前記装置本体に面して取付けられている場合には、1の撮像指示により前記第1撮像部及び前記第2撮像部により撮像を行うことを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示装置は、前記第2撮像部から出力された前記撮像信号に基づく画像データを記憶する第2記憶部を備え、
前記装置本体に取付けられた際に前記第2記憶部に記憶された前記画像データを前記第1記憶部に記憶することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−15016(P2011−15016A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155474(P2009−155474)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(592217093)株式会社ニコンシステム (102)
【Fターム(参考)】