説明

撮像装置

【課題】十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを、ユーザが容易に設定できる撮像装置を提供する。
【解決手段】着脱可能なアクセサリ12の装着下で被写体を撮影して、該被写体像の画像データを生成する撮像装置10において、画像データを処理して被写体像に特殊効果を付加する画像処理部33と、画像処理部33で実行可能な複数の特殊効果を含む特殊効果一覧を表示する表示部18と、表示部18に表示された特殊効果一覧からいずれか一つの特殊効果を選択するための操作部(19a,20)と、特殊効果およびアクセサリ制限情報を関連させた特殊効果情報と装着下のアクセサリ12とに基づいて、表示部18への特殊効果一覧の表示態様を制御する制御部21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズ等のアクセサリが着脱可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、撮影レンズを交換可能なデジタルカメラとして、被写体像の画像データに対して、撮影に用いられたレンズの光学特性を反映したシェーディング補正を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、最近では、画像処理技術の進歩および高速化に伴って、被写体像の画像データに対して特殊なフィルタ処理等を施すことにより、撮影者(ユーザ)の感性を反映させた特殊効果を確認しながら撮影できる撮像装置も提案されている。ここで、特殊効果としては、例えば、画像の中心部を引き伸ばして周辺部を収縮させて魚眼レンズで撮影されたような特殊効果を付加する魚眼レンズ効果、周辺部を中心部よりも暗くしてシェーディングのような特殊効果を付加するシェーディング付加効果、ティルトレンズを用いて撮影したような上下部分がぼけた特殊効果を付加するティルトレンズ撮影効果、等が知られている。
【0004】
このような特殊効果は、従来から一般に「きれいな写真」と呼ばれるような写真が撮れるレンズを用いた撮影によって得られた画像データに対し、所望のフィルタ処理を施すことにより、従来とは異なる印象の独特な写真を実現するものである。このため、例えば、魚眼レンズを用いた撮影によって得られた画像データに対し、魚眼レンズ効果のフィルタ処理を施した場合は、十分な効果は期待できない。また、シェーディングの大きな交換レンズを用いた撮影によって得られた画像データに対し、シェーディング付加効果により、さらにシェーディングを付加しても、効果的な写真は期待できない。
【0005】
同様のことは、特殊効果として、例えば、画像データのダイナミックレンジを拡大するダイナミックレンジ拡大効果を得ようとする場合は、アクセサリとして、三脚の使用が必要となる。また、露光中フォーカス移動効果を得ようとする場合は、アクセサリとして、自動焦点(AF)対応の交換レンズが装着され、かつ三脚の使用が必要となる。さらに、特殊効果によっては、交換レンズ等の撮影レンズの被写体側鏡筒端部に、所定の光学フィルタの装着が必要になる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3829698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、写真撮影における特殊効果は、撮影レンズ、ストロボ、三脚、光学フィルタ等のアクセサリとの好適な組み合わせにおいて顕著に現れ、これにより独特の作風の写真を得ることが可能となる。
【0008】
しかしながら、従来のデジタルカメラにおいては、実行する特殊効果を選択する場合、モニタ用の表示部に、当該デジタルカメラにおいて実行可能な全ての種類の特殊効果一覧を一義的に表示している。そして、その表示された特殊効果一覧の選択画面から、タッチパネルやジョグキー等の操作部を介してユーザによりいずれか一つの特殊効果を選択可能としている。
【0009】
このため、例えば、ユーザがアクセサリの使用を優先したい場合、あるいは、実行する特殊効果の使用を優先したい場合に、ユーザの意図する十分な特殊効果が期待できない場合がある。
【0010】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを、ユーザが容易に設定できるようにした撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置は、着脱可能なアクセサリの装着下で被写体を撮影して、該被写体像の画像データを生成する撮像装置において、
前記画像データを処理して前記被写体像に特殊効果を付加する画像処理部と、
該画像処理部で実行可能な複数の特殊効果を含む特殊効果一覧を表示する表示部と、
該表示部に表示された前記特殊効果一覧からいずれか一つの特殊効果を選択するための操作部と、
前記特殊効果およびアクセサリ制限情報を関連させた特殊効果情報と前記装着下のアクセサリとに基づいて、前記表示部への前記特殊効果一覧の表示態様を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、アクセサリは、例えば撮影レンズとすることができ、標準レンズ、望遠レンズ、ズームレンズ、魚眼レンズ、ティルトレンズ、360度レンズ、ソフトフォーカスレンズ、撮像素子付レンズ、アナモフィックレンズのいずれか一つの撮影レンズを装着して被写体を撮影するように構成することができる。
【0013】
また、実行可能な特殊効果の一覧は、周辺部を中心部よりも暗くするシェーディング付加効果、上下部分がぼけた特殊効果を付加するティルトレンズ撮影効果、魚眼レンズで撮影されたような特殊効果を付加する魚眼レンズ効果、画像データのダイナミックレンジを拡大するダイナミックレンジ拡大効果、のいずれかを含むことが可能である。
【0014】
本発明の好適一実施の形態においては、前記制御部は、前記特殊効果一覧を、前記装着下のアクセサリに対して推奨される特殊効果と、その他の特殊効果との表示領域、表示順、配色、字体、文字サイズ、の少なくとも一つを区別して表示するように制御する。これにより、効果が顕著に現れる特殊効果を容易に選択することができる。
【0015】
さらに、上記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置は、着脱可能なアクセサリの装着下で被写体を撮影して、該被写体像の画像データを生成する撮像装置において、
前記画像データを処理して前記被写体像に特殊効果を付加する画像処理部と、
該画像処理部で実行可能な複数の特殊効果を含む特殊効果一覧を表示する表示部と、
該表示部に表示された前記特殊効果一覧からいずれか一つの特殊効果を選択するための操作部と、
該操作部で選択された特殊効果および前記装着下のアクセサリと、前記特殊効果およびアクセサリ制限情報を関連させた特殊効果情報とに基づいて、前記選択された特殊効果に推奨されるアクセサリが装着されていない場合に、その旨を通知するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、選択された特殊効果に推奨されるアクセサリが装着されていない旨の通知は、例えば、音または光を発する通知部を設けて、該通知部を前記制御部により駆動することにより行うことが可能である。これにより、ユーザに対して、音または光で、現在装着下のアクセサリでは選択した特殊効果が期待できないことを認識させることができ、アクセサリの交換装着を促すことが可能となる。
【0017】
また、他の通知態様として、前記制御部により、前記表示部に前記選択された特殊効果に推奨されるアクセサリの装着を促すメッセージを表示するように制御することもできる。これにより、ユーザに対して、選択した特殊効果が期待できないことを、より確実に認識することができる。また、メッセージとして、推奨のアクセサリを表示することもでき、これによりアクセサリの交換装着をより容易に行わせることが可能となる。
【0018】
また、前記特殊効果情報は、ネットワーク通信部を設けることで、ネットワークを介してサーバから取得するようにすることもできる。これにより、撮像装置は、新規のアクセサリに応じた特殊効果情報を保持することなく、新規のアクセサリを使用した所望の特殊効果を付加することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを、ユーザが容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施の形態に係る撮像装置の外観の概略構成を説明するための図である。
【図2】図1の撮像装置の内部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】特殊効果情報の一例を示す図である。
【図4】第1実施の形態に係る撮像装置の全体の概略動作を示すフローチャートである。
【図5】図4のアクセサリ検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図4の特殊効果選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1実施の形態によるシェーディングレンズが装着された場合の特殊効果一覧の表示例を示す図である。
【図8】第1実施の形態による魚眼レンズが装着された場合の特殊効果一覧の表示例を示す図である。
【図9】第1実施の形態によるティルトレンズが装着された場合の特殊効果一覧の表示例を示す図である。
【図10】第1実施の形態によるAF対応レンズが装着された場合の特殊効果一覧の表示例を示す図である。
【図11】図4の静止画像撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2実施の形態に係る撮像装置による特殊効果選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2実施の形態に係る撮像装置の概略背面図である。
【図14】第3実施の形態に係る撮像装置の内部の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図15】本発明による特殊効果一覧の表示態様の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0022】
(第1実施の形態)
図1(a)および(b)は、本発明の第1実施の形態に係る撮像装置の外観の概略構成を説明するための図である。この撮像装置10は、いわゆる一眼のデジタルカメラであり、図1(a)に示すように、カメラボディ11の前面に、撮影レンズ12が交換可能に装着される。撮影レンズ12は、例えば、標準レンズ、望遠レンズ、ズームレンズ、魚眼レンズ、ティルトレンズ、360度レンズ、ソフトフォーカスレンズ、撮像素子付レンズ、アナモフィックレンズ等の各種の撮影レンズからいずれか一つが装着される。これらの撮影レンズ12には、その被写体側鏡筒端部に、各種の光学フィルタ13が着脱可能となっている。
【0023】
また、カメラボディ11の天面には、コネクタ部14、レリーズボタン15aおよび電源スイッチ15bが設けられている。コネクタ部14には、電子ビューファインダ(EVF;Electronic View Finder)16やストロボ17が着脱可能に装着される。
【0024】
さらに、図1(b)に示すように、カメラボディ11の背面には、ライブビュー画像、撮影画像、メニュー画面等を表示する表示部18、ズーム操作スイッチ19a、メニューボタン19b、表示部18に表示されたメニュー画面に応じて撮影モードや再生モード、特殊効果選択等の各種の入力操作を行うタッチパネルからなる操作部20等が設けられている。表示部18は、LCD(Liquid Crystal Display)パネルや有機EL(electro-luminescence)パネル等で構成される。なお、図1(b)は、操作部20が表示部18上に配置されたタッチパネルで構成された場合を例示しているが、操作部20はタッチパネルに限らず、十字キーやジョグキー等で構成して表示部18と分離して設けられる場合もある。また、図示しないが、カメラボディ11は、その底面において、三脚の雲台に着脱可能となっている。
【0025】
図2は、図1に示した撮像装置の内部の概略構成を示す機能ブロック図である。カメラボディ11は、全体の動作を制御するシステムコントローラ21を備える。このシステムコントローラ21には、撮像部22、カードメモリ部23、記憶部24、三脚検出部25、レンズコネクタ部26が接続されている。また、上述したコネクタ部14、レリーズボタン15a、電源スイッチ15b、ズーム操作スイッチ19a、メニューボタン19bおよび操作部20が接続されているとともに、表示駆動部27を介して表示部18が接続されている。システムコントローラ21には、撮像部22からの出力に基づいて自動露出(AE)制御およびAF制御を行うAE制御部31およびAF制御部32と、被写体像の画像データを生成する画像処理部33とが内蔵されている。さらに、画像処理部33には、被写体像の画像データに対して特殊効果に応じて所要のフィルタ処理を実行するフィルタ処理部34が内蔵されている。
【0026】
撮像部22は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子、アナログ−デジタル変換回路等を有し、システムコントローラ21の制御のもとに、撮影レンズ12を介して撮影される被写体像を光電変換して、デジタル信号としてシステムコントローラ21に供給する。そして、システムコントローラ21は、処理した画像データをカードメモリ部23に供給するとともに、表示駆動部27を介して表示部18に供給して表示する。
【0027】
コネクタ部14は、該コネクタ部14に装着されたアクセサリの情報、すなわち電子ビューファインダ16やストロボ17の情報を取得するもので、その取得情報はシステムコントローラ21に供給される。
【0028】
カードメモリ部23は、カード状の記録媒体を着脱自在に装着するもので、システムコントローラ21の制御のもとに、撮影モードにおいては、レリーズボタン15aの操作により撮影された静止画像を画像ファイルとして記録媒体に記録する。また、再生モードにおいては、記録媒体に画像ファイルとして記録されている静止画像を、表示駆動部27を介して表示部18に表示する。
【0029】
記憶部24は、ROMおよびRAMを有し、撮影プログラムを含む撮影動作に必要な各種のデータがROMに格納され、画像処理中の画像データがRAMに一時的に格納される。また、例えば、カードメモリ部23に記録媒体が装着されていない場合、撮影された画像の画像ファイルが格納される。本実施の形態において、記憶部24は、さらに、アクセサリ情報格納領域24aおよび特殊効果情報格納領域24bを有する。
【0030】
アクセサリ情報格納領域24aには、装着下のアクセサリの情報、すなわち撮影レンズ12、光学フィルタ13、電子ビューファインダ16、ストロボ17、三脚37等のアクセサリ情報が格納される。また、特殊効果情報格納領域24bには、特殊効果と、その特殊効果が顕著に現れるアクセサリ制限情報とを関連させた特殊効果情報が格納される。
【0031】
ここで、特殊効果は、種々のものが知られているが、本実施の形態においては、説明を簡略化するため、シェーディング付加効果、魚眼レンズ効果、ティルトレンズ撮影効果、露光中フォーカス移動効果、ダイナミックレンジ拡大効果を実行可能とする。そして、図3に示すような、各特殊効果と、当該特殊効果が顕著に現れるアクセサリ制限情報とを関連させた特殊効果情報を、特殊効果情報格納領域24bに格納するものとする。
【0032】
図2において、三脚検出部25は、撮像装置10のカメラボディ11が三脚37に固定されたか否かを検出するもので、公知の三脚検出スイッチ等で構成される。この、三脚検出部25の検出情報は、システムコントローラ21に供給される。
【0033】
また、レンズコネクタ部26は、カメラボディ11に装着された撮影レンズ12の種別や該撮影レンズ12に装着されている光学フィルタ13の種別、撮影レンズ12の状態等を示す情報を取得するもので、その取得情報はシステムコントローラ21に供給される。
【0034】
撮影レンズ12は、レンズ光学系41、レンズ情報メモリ42、レンズ駆動モータ43、レンズコントローラ44、ピント操作部45、ズーム操作部46、ボディコネクタ部47、および、フィルタコネクタ部48を有する。なお、ズーム操作部46は、当然のことながらレンズ光学系41がズーム機能を有する場合にのみ設けられる。レンズ情報メモリ42には、当該撮影レンズ12の識別情報や光学特性等のレンズ情報が格納されている。このレンズ情報は、レンズコントローラ44およびボディコネクタ部47を経て、カメラボディ11のレンズコネクタ部26からシステムコントローラ21に供給される。
【0035】
撮影レンズ12は、AF機能を有する場合、システムコントローラ21からのAF制御信号が、レンズコネクタ部26およびボディコネクタ部47を経てレンズコントローラ44に供給される。これより、レンズ駆動モータ43が駆動されて、レンズ光学系41のAF動作が行われる。一方、AF機能を有しない場合や手動フォーカスモードが設定されている場合は、ピント操作部45の操作に基づいて、レンズコントローラ44によりレンズ駆動モータ43が駆動されて、レンズ光学系41のAF動作が行われる。また、ユーザが手動でピント操作するようにしてもよい。
【0036】
また、ズーム機能を有する場合において、カメラボディ11側のズーム操作スイッチ19aが操作された場合は、そのズーム操作に基づいて、システムコントローラ21からレンズコネクタ部26およびボディコネクタ部47を経てレンズコントローラ44にズーム制御信号が供給される。これにより、レンズ駆動モータ43が駆動されてレンズ光学系41のズーム動作が行われる。一方、撮影レンズ12側のズーム操作部46が操作された場合は、そのズーム操作に応じてレンズコントローラ44によりレンズ駆動モータ43が駆動されて、レンズ光学系41のズーム動作が行われる。
【0037】
光学フィルタ13は、フィルタ光学系51、フィルタ情報メモリ52、および、レンズコネクタ部53を有する。フィルタ情報メモリ52には、当該光学フィルタ13の識別情報や光学特性等の光学フィルタ情報が格納されている。この光学フィルタ情報は、レンズコネクタ部53から、当該光学フィルタ13が装着されている撮影レンズ12のフィルタコネクタ部47、レンズコントローラ43およびボディコネクタ部46を経て、カメラボディ11のレンズコネクタ部26からシステムコントローラ21に供給される。
【0038】
電子ビューファインダ16は、ボディコネクタ部55、EVFコントローラ56、表示駆動部57、EVF表示部58、および、接眼レンズ光学系59を有する。EVF表示部58は、カメラボディ11の表示部18と同様に、LCDパネルや有機ELパネル等で構成される。この電子ビューファインダ16は、カメラボディ11のコネクタ部14に装着されると、システムコントローラ21からコネクタ部14およびボディコネクタ部55を経てEVFコントローラ56にライブビュー画像や撮影画像等の画像信号が供給され、その画像が表示駆動部57を経てEVF表示部58に表示される。これにより、ユーザは、接眼レンズ光学系59を介して、EVF表示部58に表示された画像を観察することができる。
【0039】
ストロボ17は、ボディコネクタ部61、ストロボコントローラ62、発光駆動部63、および、発光部64を有する。発光部64は、光源として、例えばキセノン管が用いられる。このストロボ17は、カメラボディ11のコネクタ部14に装着されると、撮影動作に連動して、システムコントローラ21からコネクタ部14およびボディコネクタ部61を経てストロボコントローラ62に発光信号が供給される。これにより、発光駆動部63を介して発光部64が発光して被写体が照明される。
【0040】
以下、本実施の形態に係る撮像装置10の概略動作を説明する。
【0041】
図4は、本実施の形態に係る撮像装置10の全体の概略動作を示すフローチャートである。先ず、システムコントローラ21は、電源スイッチ15bのオンを検出すると、システムの初期設定を行った後(S101)、動作モードを判定する(S103)。その結果、動作モードが撮影モードの場合は、現在装着されているアクセサリの検出処理を行う(S105)。
【0042】
その後、システムコントローラ21は、メニューボタン19bや操作部20による特殊効果の選択操作、すなわち特殊効果一覧を表示する表示操作の有無を監視する(S107)。そして、特殊効果の選択操作が行われていなければ、レリーズ操作の有無を監視し(S109)、特殊効果の選択操作が行われれば、特殊効果の選択処理を実行して(S111)、その後、S109に移行する。なお、システムコントローラ21は、S109においてレリーズ操作の有無の監視を開始するまでに、適宜のタイミングで、現在のアクセサリの装着状態で得られるライブビュー画像を表示部18に表示する。
【0043】
S109において、レリーズ操作が検出されると、システムコントローラ21は、表示部18へのライブビュー画像の表示を停止して(S113)、静止画像の撮影処理を実行する(S115)。この際、特殊効果の中でもフィルタ処理を伴わない特殊効果、例えば露光中フォーカス移動効果が選択されている場合は、その特殊効果に応じた画像処理を実行する。もちろん、特殊効果が選択されていない場合は、通常の画像処理を実行する。
【0044】
その後、システムコントローラ21は、S111においてフィルタ処理を伴う特殊効果が選択されているか否かを判定する(S117)。その結果、フィルタ処理を伴う特殊効果が選択されている場合は、画像処理部33において当該特殊効果に応じて、フィルタ処理部34による所要のフィルタ処理を実行する(S119)。そして、特殊効果が付加された画像データを、カードメモリ部23の記録媒体または記憶部24に画像ファイルとして記録する(S121)。これに対し、S117において、フィルタ処理を伴う特殊効果が選択されていない場合は、画像処理部33において通常の画像処理を実行して、S121において取得された画像データを画像ファイルとして記録する。
【0045】
システムコントローラ21は、S121において撮影画像の画像ファイルを格納すると、その撮影画像をユーザに確認させるために表示部18に一時的に表示し(S123)、その後、表示部18へのライブビュー画像の表示を再開して(S125)、S103に移行する。
【0046】
一方、S109において、レリーズ操作が検出されない場合、システムコントローラ21は、電源スイッチ15bのオフ操作の有無を監視する(S127)。その結果、オフ操作がされていない場合は、S103に移行して上記の動作を繰り返し、オフ操作がされている場合は、システムの停止設定を行って(S129)、動作を終了する。
【0047】
なお、S103において、動作モードが再生モードの場合、システムコントローラ21は、カードメモリ部23に装着されている記録媒体に格納されている画像ファイル、あるいは、記憶部24に格納されている画像ファイルの再生動作を実行して(S131)、S127に移行する。
【0048】
図5は、図4に示したS105におけるアクセサリ検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
アクセサリ検出処理では、先ず、撮影レンズ12との通信を試みて、撮影レンズ12が装着されているか否かをチェックする(S201)。その結果、撮影レンズ12が装着されていれば、撮影レンズ12のレンズ情報メモリ42に格納されているレンズ情報を取得して、その取得したレンズ情報を記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aに格納する(S203)。これに対し、撮影レンズ12が装着されていなければ、アクセサリ情報格納領域24aに格納されているアクセサリ情報からレンズ情報をクリアする(S205)。
【0050】
次に、システムコントローラ21は、電子ビューファインダ16との通信を試みて、電子ビューファインダ16が装着されているか否かをチェックする(S207)。その結果、電子ビューファインダ16が装着されていれば、その装着を示す情報を取得して記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aに格納し(S209)、装着されていなければ、アクセサリ情報格納領域24aに格納されているアクセサリ情報から、電子ビューファインダ16に関する情報をクリアする(S211)。
【0051】
その後、システムコントローラ21は、ストロボ17との通信を試みて、ストロボ17が装着されているか否かをチェックする(S213)。その結果、ストロボ17が装着されていれば、その装着を示す情報を取得して記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aに格納し(S215)、装着されていなければ、アクセサリ情報格納領域24aに格納されているアクセサリ情報から、ストロボ17に関する情報をクリアする(S217)。
【0052】
次に、システムコントローラ21は、三脚検出部25の出力に基づいて、三脚37が装着されているか否かをチェックする(S219)。その結果、三脚37が装着されていれば、その装着を示す情報を記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aに格納し(S221)、装着されていなければ、アクセサリ情報格納領域24aに格納されているアクセサリ情報から、三脚37に関する情報をクリアする(S223)。
【0053】
その後、システムコントローラ21は、撮影レンズ12を介して光学フィルタ13との通信を試みて、光学フィルタ13が装着されているか否かをチェックする(S225)。その結果、光学フィルタ13が装着されていれば、光学フィルタ13のフィルタ情報メモリ52に格納されている光学フィルタ情報を取得して、その取得した光学フィルタ情報を記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aに格納する(S227)。これに対し、光学フィルタ13が装着されていなければ、アクセサリ情報格納領域24aに格納されているアクセサリ情報から光学フィルタ情報をクリアする(S229)。
【0054】
なお、図5に示したアクセサリのチェック動作は、任意の順番で実行することができる。また、撮影レンズ12のチェックと光学フィルタ13のチェックとは、同時に実行することも可能である。同様に、コネクタ部14に交換可能に装着される電子ビューファインダ16およびストロボ17についても、コネクタ部14に現在装着されているアクセサリを検出することにより、同時にチェックすることができる。
【0055】
図6は、図4に示したS111における特殊効果選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
システムコントローラ21は、記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aおよび特殊効果情報格納領域24bから、それぞれアクセサリ情報および特殊効果情報を読み出す(S301)。そして、これらの情報に基づいて、表示部18に表示する特殊効果一覧の表示態様を、現在のアクセサリ情報から推奨される特殊効果が、ユーザにおいて選択し易いように制御する。したがって、本実施の形態において、システムコントローラ21は、表示部18への特殊効果一覧の表示態様を制御する制御部を構成する。
【0057】
システムコントローラ21は、S301で読み出したアクセサリ情報から撮影レンズ12の装着をチェックする(S303)。そして、撮影レンズ12が装着されていれば、実行可能な全ての特殊効果のフラグをそれぞれ初期化して(S305)、装着されている撮影レンズ12のレンズ情報と三脚37の装着状態とをチャックし、それらのチェック結果に基づいて初期化したフラグを書き換えて、推奨される特殊効果を選定する。なお、S305では、図3に示した、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)の全ての特殊効果のフラグを「1」に初期化するものとする。
【0058】
そのため、図6では、特殊効果のフラグを初期化したら、システムコントローラ21は、先ず、レンズ情報から、当該撮影レンズは、レンズ周辺の減光量が、中心部に比べて所定値(例えば、50%)以下であるかをチェックする(S307)。その結果、所定値以下のものでなければ(Noの場合)、つまり減光量が所定値を超えるシェーディングレンズが装着されていれば、a(シェーディング付加効果)のフラグを「0」に書き換え(S309)、それ以外はフラグの変更を行わない。
【0059】
次に、システムコントローラ21は、レンズ情報から、当該撮影レンズの焦点距離は所定値(例えば、9mm)以上かをチェックする(S311)。その結果、所定値以上のものでなければ(Noの場合)、つまり魚眼レンズが装着されていれば、b(魚眼レンズ効果)のフラグを「0」に書き換え(S313)、それ以外はフラグの変更を行わない。
【0060】
次に、システムコントローラ21は、レンズ情報から、当該撮影レンズはティルトレンズでないかをチェックする(S315)。その結果、ティルトレンズであれば(Noの場合)、c(ティルトレンズ撮影効果)のフラグを「0」に書き換え(S317)、それ以外はフラグの変更を行わない。
【0061】
次に、システムコントローラ21は、レンズ情報から、当該撮影レンズはAF対応レンズであるかをチェックする(S319)。その結果、AF対応レンズでなければ(Noの場合)、d(露光中フォーカス移動効果)のフラグを「0」に書き換え(S321)、それ以外はフラグの変更を行わない。
【0062】
その後、システムコントローラ21は、読み出したアクセサリ情報から、三脚37の装着をチェックする(S323)。その結果、三脚37が装着されていなければ(Noの場合)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)のフラグを「0」に書き換え(S325)、それ以外はフラグの変更を行わない。
【0063】
以上のようにして、装着されている撮影レンズ12のレンズ情報と三脚37の装着状態とをチェックしたら、特殊効果のフラグの状態に基づいて推奨される特殊効果を選定し、その選定結果に応じて特殊効果一覧を表示する(S327)。
【0064】
例えば、特殊効果のフラグが、a=0,b=1,c=1,d=1,e=0、の場合、つまり、シェーディングレンズが装着されて、三脚37が未装着の場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、例えば図7(a)に示すように、表示部18上に表示する。なお、図7(a)は、選定した推奨特殊効果と、その他の特殊効果とをそれぞれ群にまとめて表示領域を設定し、さらに、その他の特殊効果群を網掛表示して輝度を低下させることで、推奨特殊効果群を顕著に表示し、これにより推奨特殊効果群から一つの特殊効果を選択し易いように表示した場合を例示している。
【0065】
また、特殊効果のフラグが、a=0,b=1,c=1,d=0,e=1、の場合、つまり、AF対応でないシェーディングレンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図7(b)に示すように表示部18上に表示する。
【0066】
また、特殊効果のフラグが、a=0,b=1,c=1,d=1,e=1、の場合、つまり、シェーディングレンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図7(c)に示すように表示部18上に表示する。
【0067】
同様に、特殊効果のフラグが、a=1,b=0,c=1,d=1,e=0、の場合、つまり、魚眼レンズが装着されて、三脚37が未装着の場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図8(a)に示すように表示部18上に表示する。
【0068】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=0,c=1,d=0,e=1、の場合、つまり、AF対応でない魚眼レンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図8(b)に示すように表示部18上に表示する。
【0069】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=0,c=1,d=1,e=1、の場合、つまり、AF対応の魚眼レンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図8(c)に示すように表示部18上に表示する。
【0070】
同様に、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=0,d=1,e=0、の場合、つまり、ティルトレンズが装着されて、三脚37が未装着の場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図9(a)に示すように表示部18上に表示する。
【0071】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=0,d=0,e=1、の場合、つまり、AF対応でないティルトレンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図9(b)に示すように表示部18上に表示する。
【0072】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=0,d=1,e=1、の場合、つまり、AF対応のティルトレンズが装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図9(c)に示すように表示部18上に表示する。
【0073】
同様に、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=1,d=0,e=0、の場合、つまり、マニュアルフォーカスレンズが装着されて、三脚37が未装着の場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図10(a)に示すように表示部18上に表示する。
【0074】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=1,d=0,e=1、の場合、つまり、マニュアルフォーカスレンズおよび三脚37が装着されている場合、システムコントローラ21は、フラグが「1」である、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。そして、選定した推奨特殊効果のうちの一つが、ユーザにおいて選択し易いように、図7(a)と同様にして、図10(b)に示すように表示部18上に表示する。
【0075】
また、特殊効果のフラグが、a=1,b=1,c=1,d=1,e=1、の場合、つまり、シェーディングレンズ、魚眼レンズ、ティルトレンズ以外のAF対応レンズが装着され、かつ三脚37が装着されている場合、システムコントローラ21は、a(シェーディング付加効果)、b(魚眼レンズ効果)、c(ティルトレンズ撮影効果)、d(露光中フォーカス移動効果)、e(ダイナミックレンジ拡大効果)、を推奨特殊効果として選定する。したがって、この場合、実行可能な全ての特殊効果が推奨特殊効果として選定されるので、それらの表示態様を区別することなく、図10(c)に示すように表示部18上に表示する。
【0076】
図6において、S327で特殊効果一覧を表示したら、その後、コントローラ21は、特殊効果の選択が終了したか否かを判定し(S329)、終了していなければ、選択操作の実行を監視し(S331)、一の特殊効果が選択されれば、当該選択された特殊効果を内部メモリに登録する(S333)。
【0077】
一方、S303において、撮影レンズ12が装着されていなければ、表示部18に実行可能な特殊効果が無い旨を表示して(S335)、当該特殊効果選択処理を終了する。同様に、S329において、特殊効果の選択終了が判定されれば、当該特殊効果選択処理を終了する。
【0078】
なお、表示部18に表示する特殊効果一覧の表示態様は、アクセサリ情報に基づいて選定された推奨特殊効果がユーザにおいて選択し易いように表示すればよいので、図7〜図10に限らず、推奨される特殊効果と、その他の特殊効果とで、配色や字体、文字サイズを変えたり、表示ページ、表示順を変えたり、それらを適宜組み合わせたりする等、種々の態様で区別して表示してもよい。また、図6のフローチャートにおけるレンズ情報のチェック順序は、適宜変更でき、それに応じて、同様にして推奨特殊効果とその他の特殊効果とを区別して表示することができる。また、推奨特殊効果は、特殊効果の種別によっては、さらに光学フィルタ13のフィルタ情報を付加して選定することもできる。
【0079】
図11は、図4に示したS115における静止画像撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
静止画像撮影処理では、先ず、システムコントローラ21は、S111(より詳細には図6のS355)において特殊効果として、露光中フォーカス移動効果が選択されているかをチェックする(S401)。その結果、露光中フォーカス移動効果が選択されていれば、当該特殊効果に設定されている撮影レンズ12の駆動時間、すなわちレンズ光学系41の駆動時間に合わせて露光時間を設定する(S403)。また、撮影レンズ12のレンズコントローラ44に対しては、レンズ光学系41の駆動時間を送信する(S405)。
【0081】
そして、システムコントローラ21は、撮像部22の露光を開始し(S407)、それと同期して、撮影レンズ12のレンズコントローラ44に対してレンズ光学系41の駆動開始信号を送信して(S409)、レンズ光学系41を移動させる。その後、システムコントローラ21は、S403で設定された露光時間が終了すると(S411)、撮影部22の露光を停止し(S413)、それと同期して、撮影レンズ12のレンズコントローラ44に対してレンズ光学系41の駆動停止信号を送信する(S415)。その後、システムコントローラ21は、撮像部22から画像データを読み出す(S417)。
【0082】
以後は、図4で説明したように、当該読み出した画像データに対して所要の画像処理を実行して、カードメモリ部23の記録媒体または記憶部24に画像ファイルとして記録する。なお、S401において、露光中フォーカス移動効果が選択されていなければ、システムコントローラ21は、通常の静止画像撮影動作を実行して(S419)、同様に、カードメモリ部23の記録媒体または記憶部24に画像ファイルとして記録する。
【0083】
以上説明した第1実施の形態に係る撮像装置10によると、ユーザは、表示部18に特殊効果一覧を表示すると、現在装着下のアクセサリで推奨される特殊効果が、他の特殊効果と区別して表示されるので、実際に撮影して特殊効果が付加された画像を確認することなく、効果が顕著に現れる特殊効果を容易に選択することができる。したがって、現在装着下のアクセサリを使用するアクセサリ優先で、所望の特殊効果を選択することができるので、十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを、ユーザが容易に設定することができる。また、効果が期待できない特殊効果は、表示を変更しているだけで、ユーザに対して当該特殊効果を選択することを意図的に妨げるものではなく、選択可能である。したがって、初心者から玄人まで、幅広いユーザに有効なGUI(Graphical User Interface)を有する撮像装置10を提供することができる。
【0084】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態に係る撮像装置は、第1実施の形態の撮像装置10において、図4のS111における特殊効果選択処理を、ユーザによる選択を優先させて、つまり選択された特殊効果の使用を優先させた特殊効果優先として撮影を実行可能とする。
【0085】
図12は、本実施の形態に係る撮像装置による特殊効果選択処理の一例を示すフローチャートである。以下、第1実施の形態を参照しながら、図12に示す特殊効果選択処理を説明する。
【0086】
システムコントローラ21は、特殊効果一覧の表示操作を検知すると、記憶部24のアクセサリ情報格納領域24aおよび特殊効果情報格納領域24bから、それぞれアクセサリ情報および特殊効果情報を読み出す(S501)。また、システムコントローラ21は、当該撮像装置10が実行可能な全ての特殊効果の一覧を、例えば図10(c)に示すように表示部18に表示する(S503)。そして、特殊効果の選択が終了したか否かを判定し(S505)、終了していなければ、選択操作の実行を監視する(S507)。
【0087】
その結果、特殊効果が選択されたのを検知すると、その選択された特殊効果に推奨されるアクセサリが装着されているか否かを判定し、装着されている場合は、選択された特殊効果をシステムコントローラ21の内部メモリに登録し、装着されていない場合は、音や光を発したり、選択した特殊効果に推奨されるアクセサリの装着を促すメッセージを表示部18に表示したりして、アクセサリが適切でない旨を通知する。したがって、本実施の形態において、システムコントローラ21は、アクセサリが適切でない旨を通知するための制御部を構成する。なお、音や光を発して通知する場合は、例えば、図13に示すように、カメラボディ11の背面に、スピーカや発光素子等の通知部65を設けて、システムコントローラ21により通知部65の駆動を制御する。
【0088】
そのため、システムコントローラ21は、特殊効果としてシェーディング付加効果が選択されたのを検知すると(S509)、アクセサリ情報のレンズ情報から、装着下の撮影レンズ12は周辺減光量が所定値(例えば、50%)以下のものかをチェックする(S511)。その結果、所定値以下のものであれば、当該選択された特殊効果を撮影時に実行する特殊効果として内部メモリに登録する(S513)。これに対し、周辺減光量が所定値を超えていれば、通知部65を駆動したり、表示部18にメッセージを表示したりして、アクセサリが適切でない旨を通知して(S515)、適切なアクセサリの装着を促す。
【0089】
また、システムコントローラ21は、特殊効果として魚眼レンズ効果が選択されたのを検知すると(S517)、アクセサリ情報のレンズ情報から、装着下の撮影レンズ12は焦点距離が所定値(例えば、9mm)以上のものかをチェックする(S519)。その結果、所定値以上のものであれば、S513において当該選択された特殊効果を撮影時に実行する特殊効果として内部メモリに登録する。これに対し、焦点距離が所定値未満であれば、S515においてアクセサリが適切でない旨を通知して、適切なアクセサリの装着を促す。
【0090】
また、システムコントローラ21は、特殊効果としてティルトレンズ効果が選択されたのを検知すると(S521)、アクセサリ情報のレンズ情報から、装着下の撮影レンズ12はティルトレンズかをチェックする(S523)。その結果、ティルトレンズでなければ、S513において当該選択された特殊効果を撮影時に実行する特殊効果として内部メモリに登録する。これに対し、ティルトレンズであれば、S515においてアクセサリが適切でない旨を通知して、適切なアクセサリの装着を促す。
【0091】
また、システムコントローラ21は、特殊効果として露光中フォーカス移動効果が選択されたのを検知すると(S525)、アクセサリ情報のレンズ情報から、装着下の撮影レンズ12はAF対応レンズかをチェックする(S527)。その結果、AF対応レンズであれば、さらに三脚37が装着されているかをチェックする(S529)。その結果、三脚37が装着されていれば、S513において当該選択された特殊効果を撮影時に実行する特殊効果として内部メモリに登録する。これに対し、装着されている撮影レンズ12がAF対応レンズでなかったり、三脚37が装着されていなかったりした場合は、S515においてアクセサリが適切でない旨を通知して、適切なアクセサリの装着を促す。
【0092】
また、システムコントローラ21は、特殊効果としてダイナミックレンジ拡大効果が選択されたのを検知すると(S531)、アクセサリ情報から三脚37が装着されているかをチェックする(S533)。その結果、三脚37が装着されていれば、S513において当該選択された特殊効果を撮影時に実行する特殊効果として内部メモリに登録する。これに対し、三脚37が装着されていなければ、S515においてアクセサリが適切でない旨を通知して、適切なアクセサリの装着(この場合、ストロボ17の装着)を促す。
【0093】
このように、本実施の形態においては、ユーザによる特殊効果の選択を優先させて、選択された特殊効果に対して、装着下のアクセサリが推奨されない場合は、その旨を通知して適切なアクセサリの装着を促すようにしたので、ユーザの意思を反映させた撮影を行うことができる。これにより、十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを、ユーザが容易に設定することができる。もちろん、S515においてアクセサリが適切でない旨を通知した場合は、適切なアクセサリを装着するか、特殊効果の選択をやり直させるか、通知を無視して選択されている効果を登録するか、のいずれかを選択させるようにすることも可能である。また、選択された効果の登録は常に行い、1stレリーズで、アクセサリチェックと通知とを行うようにしてもよい。
【0094】
(第3実施の形態)
図14は、本発明の第3実施の形態に係る撮像装置の内部の概略構成を示す機能ブロック図である。この撮像装置70は、図2に示した構成において、システムコントローラ21に接続されたネットワーク通信部28をさらに備える。ネットワーク通信部28は、システムコントローラ21の制御のもとに、ネットワーク71を介して、ネットワーク71に接続されているサーバ72と通信可能である。
【0095】
本実施の形態では、例えば図4のS111において、特殊効果の選択処理を開始するのに先立って、ネットワーク通信部28によりサーバ72と通信して、図4のS105で取得したアクセサリ情報をサーバ72に送信し、そのアクセサリ情報に応じた特殊効果情報をサーバ72から取得する。そして、取得した特殊効果情報に基づいて、第1実施の形態あるいは第2実施の形態で説明したようにして、十分な特殊効果が期待できるアクセサリと特殊効果との組み合わせを設定可能とする。
【0096】
このように、サーバ72からアクセサリ情報に応じた特殊効果情報を取得するようにすれば、次々と発売される種々のアクセサリに対応する特殊効果情報をサーバ72側で生成することができるので、撮像装置70は新規のアクセサリを使用して所望の特殊効果を付加することが可能となる。
【0097】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、表示部18に表示する特殊効果一覧は、特殊効果名に限らず、図15に示すように、それぞれの特殊効果を付加した画像を画面分割して表示することもできる。この場合、各特殊効果の画像は、予めサンプル画像を記憶部24に格納して読み出して表示することもできるし、実際に被写体を撮影して、それぞれの特殊効果を付加して表示することもできる。なお、この際、第1実施の形態のようにアクセサリ優先で推奨の特殊効果を呈示する場合は、推奨の特殊効果の画像とその他の特殊効果の画像とを、表示位置、表示順、表示ページ、明るさ等を変えて表示することができる。また、第3実施の形態にように、サーバ72と通信可能に構成する場合は、特殊効果の全部または一部をサーバ72で実行させて、サーバ72から特殊効果が付加された画像ファイルを取得するように構成することもできる。さらに、本発明は、特殊効果として、上述したシェーディング付加効果、魚眼レンズ効果、ティルトレンズ撮影効果、露光中フォーカス移動効果、ダイナミックレンジ拡大効果、のいずれかを含む場合にも、有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 撮像装置
11 カメラボディ
12 撮影レンズ
13 光学フィルタ
16 電子ビューファインダ
17 ストロボ
18 表示部
19b メニューボタン
20 操作部
21 システムコントローラ
22 撮像部
24 記憶部
24a アクセサリ情報格納領域
24b 特殊効果情報格納領域
25 三脚検出部
27 表示駆動部
28 ネットワーク通信部
33 画像処理部
34 フィルタ処理部
37 三脚
41 レンズ光学系
42 レンズ情報メモリ
43 レンズ駆動モータ
44 レンズコントローラ
65 通知部
52 フィルタ情報メモリ
70 撮像装置
71 ネットワーク
72 サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なアクセサリの装着下で被写体を撮影して、該被写体像の画像データを生成する撮像装置において、
前記画像データを処理して前記被写体像に特殊効果を付加する画像処理部と、
該画像処理部で実行可能な複数の特殊効果を含む特殊効果一覧を表示する表示部と、
該表示部に表示された前記特殊効果一覧からいずれか一つの特殊効果を選択するための操作部と、
前記特殊効果およびアクセサリ制限情報を関連させた特殊効果情報と前記装着下のアクセサリとに基づいて、前記表示部への前記特殊効果一覧の表示態様を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記アクセサリは撮影レンズを含み、
前記撮影レンズとして、標準レンズ、望遠レンズ、ズームレンズ、魚眼レンズ、ティルトレンズ、360度レンズ、ソフトフォーカスレンズ、撮像素子付レンズ、アナモフィックレンズのいずれか一つを装着して前記被写体を撮影する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記特殊効果一覧は、シェーディング付加効果、ティルトレンズ撮影効果、魚眼レンズ効果、ダイナミックレンジ拡大効果、のいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特殊効果一覧を、前記装着下のアクセサリに対して推奨される特殊効果と、その他の特殊効果との表示領域、表示順、配色、字体、文字サイズの少なくとも一つを区別して表示するように制御する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
着脱可能なアクセサリの装着下で被写体を撮影して、該被写体像の画像データを生成する撮像装置において、
前記画像データを処理して前記被写体像に特殊効果を付加する画像処理部と、
該画像処理部で実行可能な複数の特殊効果を含む特殊効果一覧を表示する表示部と、
該表示部に表示された前記特殊効果一覧からいずれか一つの特殊効果を選択するための操作部と、
該操作部で選択された特殊効果および前記装着下のアクセサリと、前記特殊効果およびアクセサリ制限情報を関連させた特殊効果情報とに基づいて、前記選択された特殊効果に推奨されるアクセサリが装着されていない場合に、その旨を通知するように制御する制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
音または光を発する通知部をさらに備え、
前記制御部は、前記通知部を駆動して前記通知をする、ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示部に前記選択された特殊効果に推奨されるアクセサリの装着を促すメッセージを表示して前記通知をする、ことを特徴とする請求項5または6に記載の撮像装置。
【請求項8】
ネットワークを介してサーバと通信するネットワーク通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記ネットワーク通信部により前記ネットワークを介して前記サーバと通信して前記特殊効果情報を取得する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−185999(P2011−185999A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48230(P2010−48230)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】