説明

撮像装置

【課題】一日の撮影枚数を簡単に知ることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ1は、撮影が行われたときに、日時情報の設定が有効と判断された場合は、前回の撮影日が今回の撮影日と同日であるか否かを判断する。前回の撮影日が今回の撮影日と異なる場合は保持していた撮影枚数情報をクリアする。逆に、前回の撮影日が今回の撮影日と同日である場合には、撮影枚数をカウントする。そして、電源釦がオンされた場合には、液晶表示器5の終了画面5sに、電源釦がオンされた時点までの一日の撮影枚数5aを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日時情報が設定可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像装置には撮影を行ったときに日時情報を持たせる機能を持つものが多い。撮影画像に撮影当時の日時情報を持たせることによって、撮影画像に撮影日時を写しこむためである。近年では日時情報を利用し、撮影日時に依る撮影画像枚数の分布を算出し、その分布における撮影画像枚数の変化を色相や色の濃淡の変化によって表現して表示する技術が既に知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、多くの撮影画像に対して、ユーザーが撮影日時による画像枚数の分布をわかりやすく表示することを目的としている。具体的には、ハードディスクドライブに保存された大量の撮影画像に対して、その日時情報を取得し、各撮影日付毎に撮影枚数をカウントする。そして、単位日付の撮影枚数が滑らかに結ばれるように最適な補正を行い、補正後の結果を日付による撮影画像の分布として撮影画像枚数の変化を色相や色の濃淡の変化で表現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、写真愛好家や初心者は単位日付毎の撮影枚数を練習量の基準の一つとしていることが多く、撮影枚数を具体的に確認したいという要望がある。しかし、今までの撮影枚数の変化を色相や色の濃淡の変化によって表現する方法では、分布表示であるために全撮影画像に対する相対的な評価しか行えず、当日の撮影枚数が定量的にわからない。そこで撮影枚数を知りたい時には自ら撮影画像を表示してカウントしなければならず、煩雑な操作を必要としていた。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、一日の撮影枚数を簡単に知ることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、鋭意研究の結果、前記課題を解決するために以下のような撮像装置を採用した。
【0007】
本発明の撮像装置は、
日時情報を設定する日時情報設定手段と、画像や文字を表示する表示部とを有する撮像装置であって、
前記日時情報設定手段により日時情報が設定され、この日時情報に基づく撮影が行われたときに今回の撮影日と前回の撮影日とを比較して、撮影日が同日の場合は撮影枚数をカウントし、撮影日が同日でない場合は新たに撮影枚数のカウントを開始する撮影枚数カウント手段と、
少なくとも電源オフ時に前記表示部に表示される終了画面に、その時点までの一日の撮影枚数を表示する撮影枚数表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の撮像装置は、撮影が行われたときに、その撮影画像を所定の指標に基づいて分類する撮影画像分類手段を備え、
撮影枚数カウント手段は、今回の撮影日と前回の撮影日が同日の場合は所定の指標に基づいて分類された各カテゴリ毎に撮影枚数をカウントし、
撮影枚数表示手段は、終了画面に一日の撮影枚数を表示するとともに各カテゴリ毎のトータル撮影枚数を表示しても良い。
【0009】
さらに、撮影枚数表示手段は、各カテゴリ内の撮影画像から代表画像を選択して表示しても良い。
【0010】
また、代表画像を選択するときには、AF評価値の高さ、撮影画像中のS/N比の高さ、顔検出数の多さ、撮影シーン自動認識率の高さの少なくとも1つを使用することが好ましい。
【0011】
また、所定の指標は、撮影画像の明るさ、撮影画像の撮影距離、撮影画像の色、撮像装置の姿勢の少なくとも一つを使用することが好ましい。
【0012】
また、本発明の撮像装置は、静止画撮影機能、文字撮影機能、動画撮影機能の少なくとも1つの撮影機能を有し、撮影枚数カウント手段は、これらの少なくとも1つの撮影機能を用いて撮影が行われたときに撮影枚数のカウントを行うようにしても良い。
【0013】
さらに、本発明の撮像装置は、連写撮影機能、複数サイズ画像同時記録機能、ブラケット機能の少なくとも1つの特殊撮影機能を有し、これらの少なくとも1つの特殊撮影機能を用いて撮影が行われて複数の撮影画像データが生成された場合は、当該複数の撮影画像データを全て撮影枚数のカウントに含めることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明の撮像装置は音声記録機能を備え、撮影枚数カウント手段は、音声記録機能にて音声記録が行われた場合には、その音声記録を撮影枚数のカウントに含めることが好ましい。
【0015】
また、撮影枚数カウント手段は、撮像装置に日時情報が設定されていない場合は、撮影枚数のカウントは行わず、終了画面で撮影枚数を常に0と表示することが好ましい。
【0016】
また、撮影枚数カウント手段は、日時情報が設定あるいは再設定された場合は、設定あるいは再設定された時点で、それまでカウントしていた撮影枚数をリセットすることが好ましい。
【0017】
また、撮影枚数カウント手段は、電源がオンの状態で日時情報設定手段で設定された日付が変わったときには、日付が変わる前までカウントしていた撮影枚数をリセットし、日付が変わった後に撮影が行われたときは新たに撮影枚数のカウントを開始し、撮影枚数表示手段は、終了画面に、日付が変わってからの累積の撮影枚数を表示することが好ましい。
【0018】
また、撮影枚数カウント手段は、日付毎の撮影枚数を記憶する記憶部と、この記憶部から日付毎の撮影枚数を読み出す読み出し処理部と、この読み出し処理部によって読み出された日付毎の撮影枚数から総撮影枚数を算出する演算部とをさらに有し、撮影枚数表示手段は、終了画面に、一日の撮影枚数を表示するとともに総撮影枚数を表示するようにしても良い。
【0019】
また、撮影枚数カウント手段は、同日の撮影枚数をカウントする他に、同月の撮影枚数、同年の撮影枚数、初回起動時から最終撮影時までの全ての撮影枚数のうち、少なくとも1つの期間の撮影枚数をカウントし、撮影枚数表示手段は、終了画面に、同日の撮影枚数および少なくとも1つの期間の撮影枚数を表示するようにしても良い。
【0020】
また、撮影枚数表示手段は、終了画面に撮影枚数を表示する前に撮影枚数を表示するか否かを撮影者に判断させる表示判断手段と、撮影者に撮影枚数を表示するか否かを決定させる表示決定手段とを備え、表示決定手段により撮影者が撮影枚数を表示することを決定した場合に終了画面に撮影枚数を表示するようにしても良い。
【0021】
また、撮影枚数表示手段は、撮影画像の確認時に表示部に表示される確認画面に、終了画面の場合と同様な方法で撮影枚数を表示するようにしても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明の撮像装置では、電源オフ時の終了画面に一日の撮影枚数を表示するようにした。したがって、撮影者は一日の撮影枚数を知りたいときに自ら撮影画像を表示して撮影枚数をカウントするといった煩雑な操作が不要となり、直感的に一日の撮影枚数を知ることが可能になる。よって、本発明の撮像装置は、一日の撮影枚数を簡単に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)はデジタルカメラの正面図、(b)はデジタルカメラの上面図、(c)はデジタルカメラの背面図である。
【図2】図1のデジタルカメラの光学系及びシステム構成図である。
【図3】電源オンから撮影毎に枚数をカウントして電源オフ時に一日の撮影枚数を表示するまでの制御処理を示すフローチャートである。
【図4】日単位の撮影枚数の表示形式を示す図である。
【図5】(a)は週単位の撮影枚数の表示形式を示す図、(b)は月単位の撮影枚数の表示形式を示す図、(c)は初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数の表示形式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0024】
(第1の実施の形態)
本実施の形態では、撮影した画像の日時情報に基づき、その日の撮影画像を自動で特定の指標で分類し、各分類画像で撮影枚数をカウントし、撮像装置の電源オフ時にその日の撮影画像枚数を表示することが特徴である。この特徴について以下に図面を用いて具体的に説明する。
【0025】
(デジタルカメラの外観構成)
図1(a)は本実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1の正面図、図1(b)はデジタルカメラ1の上面図、図1(c)はデジタルカメラ1の背面図である。
【0026】
このデジタルカメラ1において、図1(a)に示すように、カメラ本体(カメラボディ)の正面1aの中央には、撮影用の鏡胴ユニットである撮影レンズ2が設けられている。また、正面1aの右上にはフラッシュ3が設けられ、正面1aの中央上部には光学ファインダ4の透窓4aが設けられている。
【0027】
また、図1(c)に示すように、カメラ本体の背面1bの中央上部にはファインダ4の覗き窓4bが設けられており、背面1bの略左側には、表示部として液晶表示器5(LCDディスプレイ)が設けられている。背面1bの右側上部には、ワイドボタンである広角方向ズームスイッチ(ワイドスイッチ)6及び望遠ボタンである望遠方向ズームスイッチ(テレスイッチ)7が設けられている。
【0028】
更に、背面1bの右側の下部には、メニュースイッチ(メニューボタン)8及び確定スイッチ(確定ボタン)9が設けられている。このメニュースイッチ8をONさせることで、液晶表示器5には撮影条件設定や画像選択、日時情報或いはその他のメニュー画面が表示されるようになっている。このメニュー画面の内容としては、周知のデジタルカメラに採用されているものを用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
また、背面1bの右側の上下方向の中央には、選択スイッチ(選択ボタン、選択手段)10が設けられている。この選択スイッチ10は、例えばメニュースイッチ8で液晶表示器5に表示されるメニュー画面のメニューの選択や撮影条件の選択、日時情報の設定等に用いられる。尚、選択スイッチ10には、上下左右に選択カーソル(図示せず)を移動させる上移動スイッチUP,下移動スイッチDOWN,横移動スイッチRIGHT,横移動スイッチLEFT等が設けられている。
【0030】
更に、図1(b)に示すように、カメラ本体の上面1cの右側には、撮影/再生切換ダイヤル(モード切替手段としてのモードダイヤル)11と、電源釦12及びレリーズシャッターボタンであるレリーズ釦(レリーズスイッチ)13等を備えている。
【0031】
この撮影/再生切換ダイヤル11には、上面1cのマーク(モード設定線)14に合わせることにより撮影モードとするカメラマーク11aや、再生モードとする右向きの三角マーク11b等が設けられている。更に、電源釦12は撮影/再生切換ダイヤル11の中央に設けられ、レリーズ釦13は撮影/再生切換ダイヤル11に近接して上面1cに設けられている。
【0032】
尚、図1(c)に示すように、カメラ本体にはメモリカード収納部15が設けられ、メモリカード収納部15にはメモリカード15aが収納されている。
【0033】
(デジタルカメラのシステム構成)
図2は、図1のカメラ1の光学系(撮影レンズ2)及び制御回路等を含む撮像処理システムの概要図である。
【0034】
<撮影レンズ2>
この図2において、図1の撮影レンズ2は、複数枚のレンズ又はレンズ群からなる撮影光学系(ズームAFレンズ即ちズームオートフォーカスレンズ)16とメカニカルシャッタ17を備えている。このズームレンズである撮影光学系16は、図示しないレンズ駆動モータによりズーム及びオートフォーカスのための駆動ができるようになっている。また、メカニカルシャッタ17は、図示しないシャッター駆動モータにより駆動されるようになっている。これらの構成には周知の構成を採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0035】
尚、図2に示した操作部18は、図1に示した広角方向ズームスイッチ6,望遠方向ズームスイッチ7,メニュースイッチ8,確定スイッチ9,撮影/再生切換ダイヤル11,電源釦12及びレリーズ釦13等を含んでいる。
【0036】
<撮像処理システム>
また、撮影レンズ2を透過した被写体からの光束は撮像処理システムにより信号処理されるようになっている。この撮像処理システムは、撮影レンズ2を透過した光束により被写体像を結像させて撮像する撮像センサー(撮像部)19と、撮像センサー19から出力されるデジタル信号を処理する信号処理部(信号処理IC)20と、画像データ等を一時的に格納するSDRAM21(フレームメモリ)と、制御プログラム等が記憶されたROM22、撮影レンズ2を駆動するモータドライバ23、日時情報の設定に使用する時計40等を有している。
【0037】
尚、このモータドライバ23は、撮影光学系16のレンズを光軸方向に移動させるレンズ駆動モータ(図示せず)、及び、メカニカルシャッタ17のシャッター駆動モータ(図示せず)を駆動するようになっている。
【0038】
(撮像センサー19)
この撮像センサー19は、撮影レンズ2を透過した被写体からの光束が入射して被写体像が結像される撮像素子(二次元の受光センサー、イメージセンサ、撮像手段)24と、この撮像素子24から出力されるRGBのアナログ信号(映像信号)を12bitのデジタルデータ(以下、「RAW−RGBデータ」という)に変換するA/D変換部25と、撮像素子24及びA/D変換部25を駆動するTG(タイミング信号発生部)26を有する。
【0039】
(信号処理部20)
この信号処理部(信号処理IC)20は、センサーI/F部(センサーインタフェース部)27、CPU(中央演算制御装置)28、メモリコントローラ29、YUV変換部30、圧縮処理部31、表示出力制御部32、リサイズ処理部33、及びメディアインタフェース(メディアI/F)34等を備えている。
【0040】
このセンサーI/F部(センサーインタフェース部)27は、制御手段(演算制御手段)であるCPU(中央演算制御装置)28及びメモリコントローラ29に接続されている。また、CPU28は、本発明に係る制御手段(日時情報設定手段、撮影枚数カウント手段、撮影枚数表示手段)を備えており、メモリコントローラ29,YUV変換部30,メディアインタフェース(メディアI/F)34に接続されている。更に、メモリコントローラ29は、SDRAM21(フレームメモリ),表示出力制御部32及びリサイズ処理部33に接続されている。この表示出力制御部32は、液晶表示器5に接続されていると共に、TV(図示せず)に接続される。そして、表示出力制御部32は、液晶表示器5に動画や静止画像等の画像信号を表示のために出力するようになっている。
【0041】
<センサーI/F部(画像取込手段)27>
この画像取込手段であるセンサーI/F部27には、撮影レンズ2のTG(タイミング信号発生部)26から入力される画面水平同期信号(HD)と画面垂直同期信号(VD)に合わせて、A/D変換部25で変換された12bitのRAW−RGBデータ(デジタルデータ、RGBのデジタル画像データ)を取り込むようになっている。
【0042】
しかも、センサーI/F部27は、RGBのデジタルデータを取り込むと、取り込んだRAW−RGBデータから、画面の合焦度合いを示すAF評価値(自動合焦評価値)、被写体輝度を検出したAE評価値(自動露出評価値)、及び被写体色や光源色を検出したAWB評価値(オートホワイトバランス評価値)等の特徴データを算出するようになっている。従って、センサーI/F部27は、AF評価値,AE評価値,AWB評価値等の評価値算出手段(特徴データ算出手段)としての機能を有するので、画像取込・評価値算出手段又は画像取込・特徴データ算出手段ということもできる。そして、このAF評価値,AE評価値,AWB評価値等の特徴データの算出は、動画を構成するフレーム(画像フレーム)毎に行うことができる。
【0043】
しかし、実際、センサーI/F部27は、動画を構成するフレーム(画像フレーム)毎にA/D変換部25から出力されるRAW−RGBデータ(RGBのデジタルデータ)を順次取り込んで、各フレーム毎のAF評価値,AE評価値,AWB評価値等の特徴データを算出させるようになっている。尚、センサーI/F部27は、評価値算出用のフォーカス位置に対応するフレーム数になる毎にAF評価値,AE評価値,AWB評価値等の特徴データを算出させるようにすることもできる。
【0044】
また、AF評価値は、例えば高周波成分抽出フィルタ(図示せず)の出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって算出(作成)される。尚、被写体が撮影光学系16により撮像素子24に対して合焦状態にあるときは、被写体のエッジ部分がはっきりとしているため、高周波成分が増加し、AF評価値が一番高くなる。
【0045】
更に、AE評価値とAWB評価値は、RGBのそれぞれのデジタルデータの積分値から算出(作成)される。この際、センサーI/F部27は、撮像素子24の受光面(画面)を256エリア(水平16分割、垂直16分割)に分割して、各エリアのRGBのデジタルデータの積算値からAE評価値とAWB評価値を算出する。
【0046】
<CPU28>
制御手段(制御回路)であるCPU28には、操作部18(広角方向ズームスイッチ6,望遠方向ズームスイッチ7,メニュースイッチ8,確定スイッチ9,選択スィッチ10,撮影/再生切換ダイヤル11,電源釦12及びレリーズ釦13等)から、所定の動作指示信号(操作信号)が入力されるようになっている。
【0047】
例えば、日時情報を設定する場合には、メニュースイッチ8、確定スィッチ9、選択スィッチ10が操作されることにより、CPU28は時計40を用いて日時情報を設定し、この日時情報を保存する。
【0048】
そして、CPU28は、レリーズ釦13が操作されると、メカニカルシャッタ17を操作部18からの撮影条件情報(例えば、露出条件信号)等に基づいてメカニカルシャッタ17のシャッター駆動モータ(図示せず)を駆動制御し、メカニカルシャッタ17を所定量開かせる。
【0049】
これに伴い、CPU28は、フレームレートに同期してモータドライバ23を作動制御して、撮影レンズ2に設けた撮影光学系16のレンズ駆動モータ(図示せず)を駆動制御し、撮影光学系16のフォーカスレンズ(図示せず)を光軸方向に移動制御して、合焦検出動作を開始するようになっている。このようなレリーズ釦13の半押し操作の構成やメカニカルシャッタ17の駆動構造及びフォーカスレンズ(図示せず)の駆動構造については、周知の構造を採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0050】
この制御に際して、CPU28は、AF対象範囲が無限から至近までの全領域であった場合、フォーカスレンズを至近から無限、または無限から至近の方向に移動させて、撮影レンズ2の撮像素子24で動画を撮像させるようになっている。尚、CPU28は、フォーカスレンズの光軸方向への移動に伴い、光軸方向への移動位置の複数箇所を評価値を算出するフォーカス位置とするように設定されている。
【0051】
尚、センサーI/F部27は、上述したように動画を構成するフレーム(画像フレーム)毎にA/D変換部25から出力されるRAW−RGBデータ(RGBのデジタルデータ)を順次取り込んで、評価値算出用のフォーカス位置に対応するフレーム数になる毎にAF評価値,AE評価値,AWB評価値等の特徴データを算出させるようになっている。
【0052】
また、CPU28は、メモリコントローラ29,YUV変換部30及びメディアインタフェース(メディアI/F)34等を動作制御するようになっている。
【0053】
更に、CPU28は、評価値算出用のフォーカス位置に対応するフレームのAF評価値,AE評価値,AWB評価値等の特徴データをセンサーI/F部27から順次読み出して、AE,AF,AWBのそれぞれの処理に利用するようになっている。
【0054】
このAF評価値は、上述したように被写体が撮影光学系16により撮像素子24に対して合焦状態にあるときに、一番高くなる。これを利用してCPU28は、AFによる合焦検出動作時に、モータドライバ23を作動制御して撮影レンズ2のレンズ駆動モータ(図示せず)を作動制御することにより、撮影光学系16のフォーカスレンズ(図示せず)をレンズ駆動モータ(図示せず)により光軸方向に移動させながら、それぞれのフォーカスレンズ位置におけるAF評価値をセンサーI/F部27から取得して、その極大になる点を合焦位置としてAF(自動合焦)を実行する。
【0055】
また、CPU28は、解像度の高いものがあるかどうかの判断にも利用できる。即ち、撮像素子24の受光面を例えば16×16の複数のブロックに分割した領域のうち、例えば文字などがたくさん書いてある領域では、高周波成分が高くなり、高周波成分抽出ができるハイパスフィルタの出力値は大きくなる。逆に真っ白の紙など輝度の変化がない領域では、高周波成分がないために、ハイパスフィルタの出力は小さくなる。そのため、CPU28は、撮像素子24の16×16にブロックに分割された受光面の各領域におけるAF評価値を比較することで、どの領域に先鋭度の高いものが存在するかの判定をすることができる。
【0056】
更に、CPU28は、センサーI/F部27からRGBのディジタルデータの変化の積分値を読み出し、AEでの露光時間やAWBの制御値を決定するようになっている。
【0057】
即ち、AEにおいてCPU28は、撮像素子24の16×16にブロックに分割された受光面の各領域(エリア)の輝度を算出して、この算出した輝度から撮像素子24の受光面の輝度分布を求め、この算出した輝度分布から適正な露光時間を決定する。また、AWBにおいてCPU28は、RGBの分布から被写体色や光源色を判定し、光源の色に合わせたAWBの制御値を決定する。このAEとAWBの処理は、ファインダモード中は連続的に行われている。
【0058】
また、CPU28は、AWBなどの変換係数をYUV変換部30に入力するようになっている。
【0059】
<メモリコントローラ29>
このメモリコントローラ29は、CPU(中央演算制御装置)28により動作制御されて、SDRAM(フレームメモリ)21を作動制御すると共に、センサーI/F部27から取り込まれたRAW−RGBデータをSDRAM(フレームメモリ)21に記録させるようになっている。
【0060】
また、メモリコントローラ29は、SDRAM21に記録されたRAW−RGBデータ(画像データ)を読み込んでYUV変換部30に入力させ、このRAW−RGBデータをYUV変換部30によりYUVデータ(YUV画像データ)に変換させ、この変換されたYUVデータ(YUV画像データ)をSDRAM(フレームメモリ)21に記録させるようになっている。
【0061】
しかも、メモリコントローラ29は、YUVデータをメディアインタフェース34を介してメモリカード15aに記録させるようになっている。
【0062】
また、メモリコントローラ29は、SDRAM21に記録されたYUVデータをリサイズ処理部33に入力して、リサイズ処理部33でYUVデータの記録画素数に対応するサイズに変換させる。しかも、メモリコントローラ29は、リサイズ処理部33で記録画素数に対応するサイズに変換したYUVデータを圧縮処理部31に入力して、このYUVデータを圧縮処理部31でJPEG形式等の画像データへと圧縮させ、この圧縮処理された画像データをSDRAM(フレームメモリ)21に記録させるようになっている。また、メモリコントローラ29は、圧縮処理されたJPEG形式等の画像データもメディアインタフェース34を介してメモリカード15aに記録させるようになっている。
【0063】
更に、メモリコントローラ29からは動画又は静止画像の画像データ信号が操作部18の操作に応じて出力される。
【0064】
<YUV変換部30>
このYUV変換部30は、RAW−RGBデータを輝度データ(Y),色差(輝度データと青色(B)データの差分(U),輝度データと赤色(R)の差分(V))等の情報で色を表現する形式に変換する。
【0065】
<表示出力制御部32>
この表示出力制御部32は、メモリコントローラ29からの画像データ信号を表示用の画像信号に処理して、この画像信号を液晶表示器5に入力させ、液晶表示器5に撮像した動画又は静止画像を表示させる。また、表示出力制御部32は、表示用の画像信号をTV出力として出力させる。
【0066】
<リサイズ処理部33>
このリサイズ処理部33は、SDRAM21に記録されたYUVデータを記録画素数に対応するサイズに変換させる。
【0067】
次に、このような構成の撮像装置の作用を説明する。
【0068】
図1の撮影/再生切り替えの撮影/再生切換ダイヤル(モードダイヤル)11を回動操作して、撮影/再生切換ダイヤル11のマーク11aをマーク14に合わせることにより、デジタルカメラ1を撮影モードに設定する。次に、電源釦12を押すことで、デジタルカメラ1が記録モードで起動する。
【0069】
即ち、上述の撮影/再生切換ダイヤル11および電源釦12は図2における操作部18に含まれているので、撮影/再生切換ダイヤル11の状態が撮影モードの状態で電源釦12がONさせられると、CPU28,撮像センサー19,液晶表示器5等のデジタルカメラの各部に電源が投入される。そして、CPU28は、電源が供給されると各部の制御動作を開始する。この際、CPU28は、モータドライバ23を動作制御して、鏡胴ユニットである撮影レンズ2を撮影可能位置に移動させると共に、メカニカルシャッタ17を所定面積開口させる。
【0070】
また、デジタルカメラ1は、各部に電源が投入されるとファインダモードの動作が開始する。このファインダモードでは、先ず被写体からの撮影光束が撮影レンズ2の撮影光学系(レンズ)16を通して撮像センサー(ここではCMOSセンサーとする)である撮像素子24に入射すると、被写体像が撮影光学系(レンズ)16により撮像素子24に結像される。この際、撮像素子24からはRGBのアナログ信号(画像信号)が出力され、このアナログ信号がA/D変換部25に送られる。このA/D変換部25では、入力されたアナログ信号を12bitのRGBのデジタルデータ(RAW−RGBデータ)に変換する。
【0071】
このデジタルデータに変換されたRGBのそれぞれのデジタルデータ(RAW−RGBデータ)は、信号処理部(デジタル信号処理IC)20内のセンサーI/F部27に取り込まれる。そして、メモリコントローラ29は、センサーI/F部27に取り込まれたデジタルデータ(RAW−RGBデータ)は画像データとしてフレームメモリであるSDRAM21に書き込まれる。
【0072】
また、メモリコントローラ29は、SDRAM21に書き込まれたデジタルデータ(RAW−RGBデータ)を読み出してYUV変換部30に入力させる。このYUV変換部30は、入力されたRGBのそれぞれの信号を表示可能な形式であるYUVデータに変換する。そして、YUVデータは、メモリコントローラ29によってフレームメモリであるSDRAM21に書き込まれる。このYUVデータは、メモリコントローラ29に読み出されて、表示出力制御部32を介してTVや液晶表示器(LCDモニタ)5へ送られて表示が行われる。このようなファインダモードでの撮像から表示までの処理は、1/60秒間隔で行われて更新される。
【0073】
一方、信号処理部(デジタル信号処理IC)20のセンサーI/F部27は、撮像素子24の受光面を複数のブロックに分割したときに、各ブロック内に取り込まれたデジタルRGB信号より、画面の合焦度合いを示すAF評価値と、被写体輝度を検出したAE評価値と、被写体色や光源色を検出したAWB評価値が算出する。
【0074】
このAF評価値,AE評価値,AWB評価値の算出は、例えば撮像素子24の受光面(画面)を16×16のブロックに分割したそれぞれのブロックの領域に対して実行され、特徴データとしてCPU28に読み出されて、AE、AF、AWBのそれぞれの処理に利用される。
【0075】
AF評価値は、例えば高周波成分抽出フィルタの出力積分値や、近接画素の輝度差の積分値によって作成される。合焦状態にあるときは、被写体のエッジ部分がはっきりとしているため、高周波成分が増加し、AF評価値が一番高くなる。これを利用して、AFによる合焦検出動作時は、フォーカスレンズを移動させながら、それぞれのフォーカスレンズ位置におけるAF評価値を取得して、その極大になる点を合焦位置としてAFを実行する。
【0076】
また解像度の高いものがあるかどうかの判断にも利用できる。文字などがたくさん書いてある領域では、高周波成分が高くなり、高周波成分抽出ができるハイパスフィルタの出力値は大きくなる。逆に真っ白の紙など輝度の変化がない領域では、高周波成分がないために、ハイパスフィルタの出力は小さくなる。そのためブロック分割された各領域におけるAF評価値を比較することで、どの領域に先鋭度の高いもの存在するかの判定をすることができる。
【0077】
AE評価値とAWB評価値は、RGBのそれぞれの積分値から作成される。画面を256エリア(水平16分割、垂直16分割)のエリアのRGB積算を算出する。CPU28はRGB積分値を読み出し、AEでは、それぞれのブロックのエリアの輝度を算出して、輝度分布から適正な露光時間を決定する。AWBでは、RGBの分布から被写体色や光源色を判定し、光源の色に合わせたAWBの制御値を決定する。このAEとAWBの処理は、ファインダモード中は連続的に行われている。
【0078】
また、図1のレリーズ釦(レリーズシャッタボタン)13が操作されると、合焦位置検出であるAF動作と静止画記録処理が行われる。
【0079】
即ち、レリーズ釦13が押されると、図2のカメラ操作部18から静止画撮影開始信号がCPU28に取り込まれ、CPU28がフレームレートに同期してモータドライバ23を介して撮影光学系16の図示しないフォーカスレンズを光軸方向に移動制御(駆動制御)して、AF(自動合焦)を実行する。
【0080】
この際、AF対象範囲が無限から至近までの全領域であった場合、フォーカスレンズは至近から無限の合焦方向、または無限から至近の合焦方向に移動させられる。尚、CPU28は、フォーカスレンズの光軸方向への移動に伴い、光軸方向への移動位置の複数箇所を評価値を算出するフォーカス位置とする。そして、このフォーカスレンズの移動に伴い、各フォーカス位置で信号処理部(デジタル信号処理IC)20のセンサーI/F部27で作成された各フレーム(=各フォーカス位置)におけるAF評価値をCPU28が読み出す。
【0081】
このCPU28は、複数のフォーカス位置で読み出した複数のAF評価値のうち、AF評価値が極大になる点を被写体への合焦位置とし、モータドライバ23を動作制御してフォーカスレンズを合焦位置に移動させて、撮像素子24の受光面を被写体にAF(自動合焦)させ、AF動作を完了させる。
【0082】
このようなAF(自動合焦)動作の完了後に、撮像素子24(撮像センサー)から出力された画像信号はA/D変換部25でデジタルRGB信号、即ちデジタルデータ(RAW−RGBデータ)に変換され、信号処理部(デジタル信号処理IC)20のセンサーI/F部27及びメモリコントローラ29を介してSDRAM21(フレームメモリ)に格納(記憶)される。また、このSDRAM21に格納されたデジタルデータ(RAW−RGBデータ)は、メモリコントローラ29に読み込まれて、YUV変換部30に入力されてYUVデータに変換されて、このYUVデータがSDRAM21に記録される(書き戻される)。
【0083】
尚、スチル画像撮像時は、YUV変換部30でYUV変換された画像データ(YUVデータ)がメモリコントローラ29により信号処理部(デジタル信号処理IC)20内の圧縮処理部(画像圧縮伸張回路)31に送られる。また、圧縮処理部(画像圧縮伸張回路)31に送られたYUVデータは圧縮され、メモリコントローラ29によりSDRAM21(フレームメモリ)に書き戻される。SDRAM21の圧縮データはメモリコントローラ29を介して読み出され、メディアインターフェース34を介してメモリカード(データ記憶メモリ)15aに格納される。
【0084】
次に、図2で説明したCPU28による本発明の制御処理を図3のフローチャートを用いて説明する。この制御処理では、電源オンから撮影毎に枚数をカウントして、電源オフ時に一日の撮影枚数を表示する。本実施の形態では、撮影した画像の明るさを、「明」、「中」、「暗」の3段階に分類し、電源オフ時にそれぞれの明るさの分類毎に終了画面に表示する場合に説明する。
【0085】
<ステップS1〜ステップS2>
まず最初に、デジタルカメラ1の電源がオンにされると、デジタルカメラ1に日時情報が再設定されたか否かを判断する。この日時情報の再設定とは、初回起動時に日時情報を設定する場合、あるいは以前に設定した日時情報を変更する場合等が挙げられる。
【0086】
<ステップS3>
日時情報が設定された場合には(ステップS2でYES)、それまでに保持していた撮影枚数情報をクリアする。つまり、電源がオンにされてからオフにされるまでの間に日時情報が再設定された場合には、その時点でそれまでの撮影枚数のカウントをクリアし、次回の撮影から新たに撮影枚数のカウントを開始することになる。
【0087】
<ステップS4>
日時情報が再設定されない場合(ステップS2でNO)、あるいは、撮影枚数がクリアされた後(ステップS3の後)に撮影が行われる。
【0088】
<ステップS5〜ステップS6>
撮影が行われると撮影画像全体の輝度平均値を算出し、算出した輝度平均値を保持する(ステップS5)。次に、撮影画像は算出した輝度平均値より、特定の閾値をもって「明」、「中」、「暗」のいずれかの明るさに分類される(ステップS6)。
【0089】
<ステップS7〜ステップS8>
次に日時情報の設定が有効、つまり、デジタルカメラ1に日時情報が設定されているか否かを判断する。日時情報の設定が有効でない場合は(ステップS7でNO)、撮影画像に日時情報を持たせることができないので撮影枚数をカウントすることができない。したがってカウント数をクリアして、さらに撮影枚数のカウントは行わず、ステップS12の処理に進む(ステップS8)。
【0090】
<ステップS9>
日時情報の設定が有効と判断された場合は(ステップS7でYES)、前回の撮影日が今回の撮影日と同日であるか否かを判断する。なお、最終撮影日情報は保持され、撮影が行われる度にこれを更新する。
【0091】
<ステップS10>
前回の撮影日が今回の撮影日と異なると判断された場合(ステップS9でNO)、つまり日付が変わって初めての撮影であると判断された場合、保持していた撮影枚数情報をクリアし、今回の撮影が一枚目の撮影になる。
【0092】
<ステップS11>
逆に、前回の撮影日が今回の撮影日と同日であると判断された場合には(ステップS9でYES)、同日中に少なくとも一回以上の撮影が行われているので撮影枚数をカウントする。このときには、ステップS6の処理で分類された「明」、「中」、「暗」の各カテゴリ毎に撮影枚数をカウントする。
【0093】
<ステップS12>
次に、電源釦12がオンされたか否かを判断する。電源釦12がオンされていない場合には(ステップS12でNO)、ステップS2〜ステップS11の処理を行う。
【0094】
<ステップS13>
電源釦12がオンされた場合には(ステップS12でYES)、ステップS11の処理でカウントされて保持された撮影枚数情報を取得する。そして、図4に示すように、液晶表示器5の終了画面5sに、電源釦12がオンされた時点までの一日の撮影枚数5aを表示する。
【0095】
また、終了画面5sでは、各カテゴリ毎(「明」5b、「中」5c、「暗」5d)のトータル撮影枚数を表示する。なお、このときに日時情報が設定されていない場合は撮影枚数を常に0として表示する。この終了画面に撮影枚数を1〜2秒表示した後に電源がオフにされる。
【0096】
以上のように本実施の形態のデジタルカメラ1では、最終撮影時の日付情報を保持しておき、次回撮影時との日付が同じであるか比較して同日付内の撮影枚数をカウントし、電源オフ時の終了画面に一日の撮影枚数を表示した。したがって、撮影者は一日の撮影枚数を知りたいときに自ら撮影画像を表示して撮影枚数をカウントするといった煩雑な操作が不要となり、直感的に一日の撮影枚数を知ることが可能になる。よって、本実施の形態のデジタルカメラ1は、一日の撮影枚数を簡単に知ることができる。
【0097】
また、本実施の形態のデジタルカメラ1は、撮影画像を所定の指標(画像の明るさ)に基づいて分類し、各カテゴリ毎(「明」、「中」、「暗」)に撮影枚数をカウントし、終了画面5sに一日の撮影枚数5aと各カテゴリ毎5b〜5dのトータル撮影枚数を表示するようにした。したがって、撮影者は、画像の明るさ毎の撮影枚数を直感的に知ることが可能になる。よって、本実施の形態のデジタルカメラ1は、明るさ毎の撮影枚数も同時に簡単に知ることができる。
【0098】
なお、本実施の形態では、所定の指標として画像の明るさを使用したが、画像の明るさ以外にも、例えば以下の(1)〜(3)の指標に基づいて撮影画像を分類しても良い。
【0099】
(1)撮影距離
AF動作中のそれぞれのフォーカスレンズ位置におけるAF評価値から合焦位置を割り出し、被写体までの距離を算出する。算出した撮影距離を特定の閾値で「近」、「中」、「遠」などに分類する。
(2)色
撮影画像を等分分割し、各エリアのRGB積分値の分布から、被写体色や光源色の色を「赤」、「青」、「緑」のように分類する。
(3)カメラ姿勢
デジタルカメラ1に内蔵される水準器によりデジタルカメラ1の姿勢の縦横検出が行われ、検出結果に基づき、撮影画像を「縦撮り」、「横撮り」に分類する。
【0100】
また、図4に示すように撮影枚数と同時に各カテゴリ毎5b〜5dに代表画像を表示しても良い。この代表画像を表示することで、より直感的に撮影シーンとその撮影枚数を確認することができる。
【0101】
また、代表画像の選択は特定の評価値によって自動で行う。例えば、撮影時、各撮影画像はAFの評価値情報を保持する。AF評価値が高いほど画像のピントが合っているので、代表画像としてふさわしいと判断し、自動分類された画像中でAF評価値が最も高い画像を代表画像として表示する。
【0102】
また、撮影画像のS/N比、顔検出数、撮影シーン自動認識による認識率などを画像情報として保持しておけば、以下の観点から代表画像を自動選択することもできる。
(1)S/N比が高いほど画像中にノイズが少ないので優先度を上げる。
(2)顔検出数の多い撮影画像の優先度を上げる。
(3)撮影シーン自動認識による認識率の高い撮影画像の優先度を上げる。
【0103】
これらのAF評価値、S/N比、顔検出数、撮影シーン自動認識率による代表画像の優先度のつけ方は、いずれか一つを用いてもいいし、重みをつけるなどして組み合わせても良い。また、撮影者に選択させても良い。
【0104】
なお、顔検出機能と撮影シーン自動認識機能について周知であるが簡単に説明しておく。顔検出機能は、カメラを人物に向けただけで、CPUがその人物の顔の部分だけを認識してピントと明るさを自動的に設定し、さらに検出された顔がきれいに撮影できるように露出を最適化するものである。
【0105】
また、撮影シーン自動認識機能とは、カメラを被写体に向けたときにCPUが自動的に撮影シーンを認識し、露出値、撮影感度、ホワイトバランスの制御パラメータ、フラッシュ発光の有無などの撮影条件を、当該撮影シーンに好適な値に自動的に設定するものである。認識する撮影シーンの例として、人物、風景、夜景、接写等が挙げられる。
【0106】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態のデジタルカメラ1では、図4に示したように終了画面5sに一日の撮影枚数5aを表示したが、撮影枚数の表示形式は日単位に限定する必要はない。本実施の形態のデジタルカメラ101のように、週単位の撮影枚数、月単位の撮影枚数、あるいは初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数を表示しても良い。
【0107】
図5(a)は週単位の撮影枚数の表示形式の例、図5(b)は月単位の撮影枚数の表示形式の例、図5(c)は初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数の表示形式の例である。
【0108】
撮影枚数の表示形式の切り換えは、カメラのセットアップの項目の一つに撮影枚数表示形式という機能を設け、その機能選択肢に、日単位、週単位、月単位、トータルという設定項目を用意する。ここでの選択が、デジタルカメラ101の電源を切るときに撮影枚数の表示形式に反映される。
【0109】
撮影枚数表示形式で週単位を選択すると、図5(a)に示すように終了画面5sに週毎の撮影枚数51aを表示する。週単位の撮影枚数の表示を行うために、週の撮影枚数を累積して保持する記憶領域を図2の撮像処理システムに設ける。
【0110】
ここで、一週間は日曜日に始まり、土曜日に終わるとする。すなわち、ある週の日曜日の初回撮影時からの累積の撮影枚数を表示する。週の撮影枚数のカウント動作は基本的に日付毎のカウント動作と同じである。
【0111】
ただし、日付毎のカウント数を表示する時は、日付が変わって初めての撮影であると判断された時にカウント数をクリアしていたが、週毎のカウント数を表示する時は、日付が変わって初めての撮影であると判断され、かつ、最終撮影日の曜日から経過した日時条件に基づき、今回撮影時に週が変わったと判断される場合、保持していた週の撮影枚数情報をクリアする。
【0112】
ここで、最終撮影日の曜日から経過した日時条件とは、最終撮影日が日曜日であるならば7日以上、月曜日なら6日以上、火曜日なら5日以上、水曜日なら4日以上、木曜日なら3日以上、金曜日なら2日以上、土曜日なら1日以上経過している場合が、週が変わったと判断する条件である。このような処理を行うことで、同じ週の月曜日から土曜日の間は週の撮影枚数のクリアは行われない。したがって、電源を切る際に、日曜日を週の初めとしたその週の累積の撮影枚数を表示することが可能となる。
【0113】
また、撮影枚数表示形式で月単位を選択すると、図5(b)に示すように終了画面5sに月毎の撮影枚数52aを表示する。月単位の撮影枚数の表示を行うために、月の撮影枚数を累積して保持する記憶領域を図2の撮像処理システムに設ける。
【0114】
月の撮影枚数のカウント動作は基本的に日付毎のカウント動作と同じである。ただし、日付毎のカウント数を表示する時は、日付が変わって初めての撮影であると判断された時にカウント数をクリアしていたが、月毎のカウント数を表示する時は、月が変わって初めての撮影であると判断された場合、保持していた週の撮影枚数情報をクリアする。このような処理を行うことで、同じ月の撮影枚数のクリアは行われない。したがって、電源を切る際に、その月の累積の撮影枚数を表示することが可能となる。
【0115】
また、撮影枚数表示形式でトータルを選択すると、図5(c)に示すように終了画面5sに初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数53aを表示する。初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数の表示は、撮影枚数情報のクリアを行わない。この表示を行うために、初回起動時から最終撮影時までの撮影枚数を累積して保持する記憶領域を図2の撮像処理システムに設ける。撮影が行われるたびにカウントを行い、累積枚数を更新する。このような処理を行うことで、電源を切る際に、初回起動時から最終撮影時までのトータルの撮影枚数を表示することが可能となる。
【0116】
いずれの場合も、撮影者は、週単位、月単位、トータルの各撮影枚数を知りたいときには自ら撮影画像を表示して撮影枚数をカウントするといった煩雑な操作が不要となり、直感的に週単位、月単位、トータルの各撮影枚数を知ることが可能になる。よって、本実施の形態のデジタルカメラ101では、週単位、月単位、トータルの各撮影枚数を簡単に知ることができる。
【0117】
また、第1の実施の形態では、図4に示したように各カテゴリ毎5b〜5dにトータルの撮影枚数を表示したが、本実施の形態のように各カテゴリ毎51b〜51dにトータルの撮影枚数を表示するとともに、各カテゴリ毎51b〜51dの代表画像が何枚目にあるか(撮影順番)を表示しても良い。これにより、撮影者は各カテゴリ毎51b〜51dの代表画像を個別に表示したいときには撮影順番を利用すればすぐに見つけて表示することが可能である。
【0118】
以上、本発明に係る実施例を例示したが、これらの実施例は本発明の内容を限定するものではない。また、本発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
【0119】
例えば、デジタルカメラが、静止画撮影機能だけでなく、文字撮影機能、動画撮影機能の少なくとも1つの撮影機能を有する場合には、これらの少なくとも1つの撮影機能を用いて撮影が行われたときに撮影枚数のカウントを行うようにしても良い。
【0120】
さらに、デジタルカメラが、連写撮影機能、複数サイズ画像同時記録機能、ブラケット機能の少なくとも1つの特殊撮影機能を有している場合に、これらの少なくとも1つの特殊撮影機能を用いて撮影が行われて複数の撮影画像データが生成された場合は、複数の撮影画像データを全て撮影枚数のカウントに含めるようにしても良い。
【0121】
また、デジタルカメラが音声記録機能を有する場合には、その音声録音機能を用いて音声記録が行われたときに、その音声記録を撮影枚数のカウントに含めるようにしても良い。
【0122】
また、図2に示した撮像処理システムに、日付毎の撮影枚数を記憶する記憶部、この記憶部から日付毎の撮影枚数を読み出す読み出し処理部、この読み出し処理部によって読み出された日付毎の撮影枚数から総撮影枚数を算出する演算部を設ける。そして、終了画面5sに一日の撮影枚数と総撮影枚数とを表示するようにしても良い。
【0123】
また、撮像処理システムに、終了画面5sに撮影枚数を表示する前に撮影枚数を表示するか否かの判断を撮影者に伺う表示判断手段と、撮影者に撮影枚数を表示するか否かを決定させる表示決定手段とを設け、表示決定手段により撮影者が撮影枚数を表示することを決定した場合に終了画面5sに撮影枚数を表示するようにしても良い。
【0124】
また、実施の形態では終了画面5sに撮影枚数を表示するようにしたが、撮影画像の確認時に表示される確認画面に終了画面5sの場合と同様な方法で撮影枚数を表示しても良い。これにより、電源を切らずに撮影途中で撮影枚数を確認することが可能になり、デジタルカメラの使い勝手を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
以上説明したように本発明の撮像装置では、一日の撮影枚数を簡単に知ることができる。したがって、本発明の撮像装置を撮像装置の技術分野で十分に利用することができる。
【符号の説明】
【0126】
1、101 デジタルカメラ(撮像装置)
5 液晶表示器(表示部)
5s 終了画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0127】
【特許文献1】特開2007−293385号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日時情報を設定する日時情報設定手段と、画像や文字を表示する表示部とを有する撮像装置であって、
前記日時情報設定手段により日時情報が設定され、この日時情報に基づく撮影が行われたときに今回の撮影日と前回の撮影日とを比較して、撮影日が同日の場合は撮影枚数をカウントし、撮影日が同日でない場合は新たに撮影枚数のカウントを開始する撮影枚数カウント手段と、
少なくとも電源オフ時に前記表示部に表示される終了画面に、その時点までの一日の撮影枚数を表示する撮影枚数表示手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
当該撮像装置は、撮影が行われたときに、その撮影画像を所定の指標に基づいて分類する撮影画像分類手段をさらに備え、
前記撮影枚数カウント手段は、今回の撮影日と前回の撮影日が同日の場合は前記所定の指標に基づいて分類された各カテゴリ毎に撮影枚数をカウントし、
前記撮影枚数表示手段は、前記終了画面に前記一日の撮影枚数を表示するとともに前記各カテゴリ毎のトータル撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数表示手段は、さらに、前記各カテゴリ内の撮影画像から代表画像を選択して表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数表示手段は、前記代表画像を選択するときに、AF評価値の高さ、撮影画像中のS/N比の高さ、顔検出数の多さ、撮影シーン自動認識率の高さの少なくとも1つを使用することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記所定の指標は、撮影画像の明るさ、撮影画像の撮影距離、撮影画像の色、当該撮像装置の姿勢の少なくとも一つを使用することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置において、
当該撮像装置は、静止画撮影機能、文字撮影機能、動画撮影機能の少なくとも1つの撮影機能を有し、
前記撮影枚数カウント手段は、前記少なくとも1つの撮影機能を用いて撮影が行われた場合に撮影枚数のカウントを行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置において、
当該撮像装置は、連写撮影機能、複数サイズ画像同時記録機能、ブラケット機能の少なくとも1つの特殊撮影機能を有し、
当該少なくとも1つの特殊撮影機能を用いて撮影が行われて複数の撮影画像データが生成された場合は、当該複数の撮影画像データを全て撮影枚数のカウントに含めることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置において、
当該撮像装置は音声記録機能を備え、
前記撮影枚数カウント手段は、前記音声記録機能にて音声記録が行われた場合には、その音声記録を撮影枚数のカウントに含めることを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数カウント手段は、当該撮像装置に前記日時情報が設定されていない場合は、撮影枚数のカウントは行わず、前記終了画面で撮影枚数を常に0と表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数カウント手段は、前記日時情報が設定あるいは再設定された場合は、設定あるいは再設定された時点で、それまでカウントしていた撮影枚数をリセットすることを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数カウント手段は、電源がオンの状態で前記日時情報設定手段で設定された日付が変わったときには、日付が変わる前までカウントしていた撮影枚数をリセットし、日付が変わった後に撮影が行われたときは新たに撮影枚数のカウントを開始し、
前記撮影枚数表示手段は、前記終了画面に、日付が変わってからの累積の撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数カウント手段は、日付毎の撮影枚数を記憶する記憶部と、この記憶部から日付毎の撮影枚数を読み出す読み出し処理部と、この読み出し処理部によって読み出された日付毎の撮影枚数から総撮影枚数を算出する演算部とを有し、
前記撮影枚数表示手段は、前記終了画面に、前記一日の撮影枚数を表示するとともに前記総撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数カウント手段は、同日の撮影枚数をカウントする他に、同月の撮影枚数、同年の撮影枚数、初回起動時から最終撮影時までの全ての撮影枚数のうち、少なくとも1つの期間の撮影枚数をカウントし、
前記撮影枚数表示手段は、前記終了画面に、同日の撮影枚数および前記少なくとも1つの期間の撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数表示手段は、前記終了画面に撮影枚数を表示する前に撮影枚数を表示するか否かを撮影者に判断させる表示判断手段と、
前記撮影者に撮影枚数を表示するか否かを決定させる表示決定手段とを備え、
前記表示決定手段により前記撮影者が撮影枚数を表示することを決定した場合に前記終了画面に撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記撮影枚数表示手段は、撮影画像の確認時に前記表示部に表示される確認画面に、前記終了画面の場合と同様な方法で撮影枚数を表示することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−182620(P2012−182620A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43707(P2011−43707)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】