説明

撮像装置

【課題】手振れが考慮された、品質の良い3D撮像画像を取得する。
【解決手段】第1の撮影及び第2の撮影のそれぞれが実施されるときに、検出された撮像装置のブレ量に基づいてブレ補正量を演算する第1の演算部と、第2の撮影において必要な、第1の撮影に対する被写体と撮像素子との間における、少なくとも光学的なあおり変位量を演算する第2の演算部と、を備え、第2の演算部は、第1の演算部の演算結果と第2の演算部の演算結果とに基づいて、第1の撮影から第2の撮影が実施されるまでの間に、一部のレンズを光軸の方向と垂直な方向にシフトさせるシフト量、又は、光軸の方向に対する撮像素子の撮像面の角度を変更する変更量、を算出し、撮像装置は、さらに、第2の演算部が算出した結果に基づいて、交換撮像レンズ若しくは撮像レンズ、の一部のレンズ、又は、撮像素子を駆動させる駆動信号を出力する駆動信号出力部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
立体画像を取得する方法として、単眼で実現できるものが提案されている。
また、近年のデジカメ(撮像装置)は、レンズ交換式のものを含めて、撮像素子を駆動する、或いは複数のレンズのうちの一部のレンズを駆動することによって手振れ補正を行うことが一般的になりつつある。
【0003】
単眼で立体画像を取得し、かつ手振れ補正を実現している撮像装置として、特許文献1、2に記載の電子カメラが提案されている。
特許文献1の電子カメラでは、3D(3次元)撮像のために撮像レンズをシフトし、像のブレを光学的に補正するためにブレ補正レンズをシフトさせている。また、この電子カメラでは、手振れ補正のために、レンズ又は撮像素子を駆動している。
【0004】
また、撮像素子を駆動するものとして、特許文献2記載の電子カメラが提案されている。この電子カメラは、撮像素子を煽るあおり撮影と、撮像素子を駆動する手振れ補正と、で撮像素子を併用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−41381号公報
【特許文献2】特開2008−35308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
立体撮像装置に代表される、左右の画像を時分割で撮像する方式において、より高い画質を実現するためには、手振れによる影響を除去することが望ましい。
例えば、特許文献1では、単眼で時分割の3D撮像を行うとともに手振れ補正を開示した電子カメラを開示している。しかし、特許文献1の電子カメラでは、3D撮像のためのレンズ駆動と手振れ補正をレンズ駆動で行うことから、手振れ補正と3D撮像の両立を行うための構成が簡便であるが、3D撮像とブレ補正を最適な状態で実現する駆動制御がなされていないため、手振れ画像が取得されてしまうという問題がある。
【0007】
また、特許文献2では、撮像素子のあおり撮影と手振れ補正についての開示はあるが、このあおり撮影のための構成は3D撮影のための構成とは異なるものであり、時分割での立体撮像とブレ補正の最適な駆動制御には言及していない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、手振れが考慮された、品質の良い3D撮像画像を取得することを目的とする。また、本発明は、3D素子あおり撮像を、手振れなどの影響がないような高画質で撮像でき、かつ小型でかつ低コストに実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、交換可能な交換撮像レンズを装着する装着部、又は、撮像レンズと、トリガ信号を入力すると共に、1つのトリガ信号に基づいて、第1の同期信号と第2の同期信号を出力する同期信号生成部と、第1の同期信号に基づいて第1の撮影を実施し、第2の同期信号に基づいて第2の撮影を実施する撮像素子と、第1の撮影及び第2の撮影のそれぞれが実施されるときに、検出された撮像装置のブレ量に基づいてブレ補正量を演算する第1の演算部と、第2の撮影において必要な、第1の撮影に対する被写体と撮像素子との間における、少なくとも光学的なあおり変位量を演算する第2の演算部と、を備え、第2の演算部は、第1の演算部の演算結果と第2の演算部の演算結果とに基づいて、第1の撮影から第2の撮影が実施されるまでの間に、交換撮像レンズ若しくは撮像レンズ、の一部のレンズを、交換撮像レンズ若しくは撮像レンズの光軸の方向と垂直な方向にシフトさせるシフト量、又は、光軸の方向に対する撮像素子の撮像面の角度を変更する変更量、を算出し、撮像装置は、さらに、第2の演算部が算出した結果に基づいて、交換撮像レンズ若しくは撮像レンズ、の一部のレンズ、又は、撮像素子を駆動させる駆動信号を出力する駆動信号出力部を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る撮像装置においては、第1の演算部による演算結果が所定の閾値を超えているか否かに基づいて、第2の撮影を行なうか否かを決定する立体撮像判定部を更に備え、立体撮像判定部により第2の撮影は行なわないと決定された場合、駆動信号出力部は駆動信号を出力しないことが好ましい。
【0011】
本発明に係る撮像装置においては、第2の演算部による演算結果に基づいて所定の閾値を算出する閾値算出部を更に備え、あおり変位量とブレ補正量が次式(1)を満足することが好ましい。
0<b/δ<1 (1)
ただし、
bはブレ補正量、
δはあおり変位量、
である。
【0012】
本発明に係る撮像装置において、第1の演算部は、第2の演算部によって算出されたあおり変位量に基づいて、上式(1)を満足するようにブレ補正量を変更することが好ましい。
【0013】
本発明に係る撮像装置において、閾値算出部は、第2の演算部による演算結果を所定の閾値として算出することが好ましい。
【0014】
本発明に係る撮像装置において、立体撮像判定部により第2の撮影は行なわないと決定された場合、ユーザーに警告を行う警告部を更に備えることが好ましい。
【0015】
本発明に係る撮像装置においては、撮像条件を設定する指示部と、立体撮像判定部により第2の撮影は行なわないと決定された場合、撮像条件を変更するシステム制御部と、を更に備えることが好ましい。
【0016】
本発明に係る撮像装置において、駆動信号出力部により駆動信号が出力されない場合であっても、撮像素子は第2の撮像を実施することが好ましい。
【0017】
本発明に係る撮像装置において、撮像素子は、光軸に垂直な面方向に沿ってシフトするシフト方向と、光軸に対して撮像素子の撮像面の角度を変更するチルト方向と、に駆動が可能であり、駆動信号出力部は、撮像素子を、シフト方向を駆動させたのちにチルト方向に駆動させるよう駆動信号を出力することが好ましい。
【0018】
本発明に係る撮像装置において、第1の演算部による演算結果が所定の閾値を超えている場合、第2の演算部はあおり変位量の演算を実行しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る撮像装置は、手振れが考慮された左右両画像を得ることができ、これにより品質の高い3D撮像画像を取得することができる、という効果を奏する。また、1つの撮像素子で3D撮像とブレ補正を最適な状態で実現でき、これにより撮像装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の概念を示す上面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図3】シャインプルーフの定理を説明するための概念図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る撮像装置を用いた静止画の撮像処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態におけるレンズの構成例を示す断面図であって、レンズをシフトさせていない状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるレンズの一部をシフトさせた状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるレンズの構成を示す断面図であって、あおり変位量及びブレ補正量を説明する図である。
【図8】警告処理の流れを説明するフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係る撮像装置を用いた動画の撮像処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る撮像装置の概念を示す上面図である。
【図11】第2実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】第3実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図13】デジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図14】デジタルカメラの外観を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る撮像装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る撮像装置においては、撮像レンズ110の一部の可動レンズ112を、撮像レンズ110の光軸110cに垂直な方向にシフトすることによって、ブレを補正するとともに、立体画像の第1及び第2画像を取得している。
【0023】
図1は、第1実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラ100の概念を示す上面図である。図2は、第1実施形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図1、図2を参照して、第1実施形態に係るデジタルカメラの構成について説明する。
なお、図1においては、説明の便宜上、絞りその他の部材の図示を省略している。
【0024】
図1、図2に示すデジタルカメラは、撮像レンズ110、撮像素子120、水平・垂直・あおり駆動部131、駆動信号出力部132、同期信号生成部133、撮像素子駆動部134、画像処理部141、出力処理部143、記録部144、システム制御部151、指示部152、及びブレ検出部160を備えている。
なお、図2に示すデジタルカメラは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、監視カメラ、撮影機能付きの携帯電話など、動画表示や動画撮影の機能を備える各種の機器に広く適用することができる。
【0025】
撮像レンズ110は、光学的な被写体像を撮像素子120の撮像面上に結像するための撮影光学系であり、複数の光学素子として、図1、図5に例示するように、物体側から順に配置された、固定レンズ111と可動レンズ112を備える。
【0026】
撮像素子120は、複数の画素が配列された撮像面を備え、撮像レンズ110により結像された光学的な被写体像を光電変換して電気的な画像信号を生成するものである。撮像素子120は、画素単位やライン単位での画素リセット(電子シャッタ先幕)および画素読み出し(電子シャッタ後幕)を所望のタイミングで順次行うことができる、つまり露光時間を変更可能な、撮像素子となっている。この撮像素子120の具体例としては、CMOS撮像素子等のXYアドレス型撮像素子を挙げることができるが、勿論、これに限定されるものではない。
【0027】
同期信号生成部133は、システム制御部151の制御の下に、撮像素子120を駆動するタイミングの基礎となる垂直同期信号VDを生成する。
システム制御部151は、指示部152からの入力に基づいて定まる垂直同期期間(撮像フレームレートに対応する垂直同期期間)がある場合には、同期信号生成部133に対してトリガ信号を出力するとともに、垂直同期期間を同期信号生成部133に設定する。
【0028】
一方、システム制御部151は、指示部152からの入力に基づいて定まる垂直同期期間がない場合には、予め定められた垂直同期期間を同期信号生成部133に設定する。予め定められた垂直同期期間としては、例えば、標準値として与えられている撮像フレームレートに対応する垂直同期期間や、撮像素子120の駆動に今現在用いられている撮像フレームレートに対応する垂直同期期間がある。
このようにして同期信号生成部133に設定された垂直同期期間の垂直同期信号VDを発生させるように、システム制御部151は同期信号生成部133を制御する。
【0029】
撮像素子駆動部134は、システム制御部151の制御の下に、同期信号生成部133によって生成された垂直同期信号VDをタイミングの基礎として、読出開始パルスや電子シャッタ開始パルスを発生して撮像素子120を駆動する。
【0030】
駆動信号出力部132は、システム制御部151の制御の下に、同期信号生成部133によって生成された垂直同期信号VDをタイミングの基礎として、撮像レンズ110の可動レンズ112のシフト制御を行う。システム制御部151は、指示部152からの入力に基づいて定まる3Dモードに従って、可動レンズ112のシフト方向、シフト量、及び撮影パターンを選択しレンズシフトの制御を行う。
【0031】
水平・垂直・あおり駆動部131は、駆動信号出力部132の制御指示に従って、可動レンズ112をシフトさせる。このシフト駆動は、例えば、ボイスコイルモーター(VCM)、ステッピングモーター、超音波モーターを用いて行うことができる。
【0032】
画像処理部141は、撮像素子120により撮像されて読み出された画像信号に各種の画像処理を施すものであり、3Dフォーマット変換部142を含んで構成されている。3Dフォーマット変換部142は、指示部152が3Dモードを選択すると、システム制御部151によって3Dモードに設定される。3Dフォーマット変換部142は、設定されたモードに対応し、3Dフォーマット変換を行う。3Dフォーマット変換としては、例えば、SIDE BY SIDE、LINE BY LINE、ABOVE−BELOW、CHECKERBOARDを用いる。
【0033】
出力処理部143は、画像処理部141により表示用に処理された画像(3Dフォーマット変換された画像を含む)を、TV等の外部表示装置への画像出力を行う。さらに、このデジタルカメラの操作に係るメニューの表示などを行う表示デバイスへの画像出力処理も行う。
【0034】
記録部144は、画像処理部141により記録用に処理された画像データを不揮発に記憶するものであり、例えばメモリカードなどのデジタルカメラの外部に搬出し得るリムーバブルメモリとして構成されている。従って、記録部144は、デジタルカメラに固有の構成でなくても構わない。
【0035】
指示部152は、このデジタルカメラに対する操作入力を行うためのユーザーインタフェースであり、電源のオン/オフを指示するための電源ボタンや撮影開始を指示するための撮影ボタン、3Dモード等を設定するための撮像モード設定ボタン、その他各種の設定ボタンなどを含む。
【0036】
システム制御部151は、ブレ演算部153、立体撮像演算部154、駆動量演算制御部155、及び判定部156を備える。判定部156は立体撮像判定部157を備える。
第1の演算部としてのブレ演算部153は、ブレ検出部160による検出結果に基づいてブレ補正量を演算する。第2の演算部としての立体撮像演算部154(あおり撮像演算部)は、第1のあおり及び第2のあおりの3D変位量をそれぞれ演算する。駆動量演算制御部155は、ブレ演算部153によるブレ補正量演算結果に基づいて、撮像レンズ110の可動レンズ112のシフト駆動を制御する。判定部156(立体撮像判定部)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量、第2のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する。立体撮像判定部157は、画像処理部141により画像生成有無確認情報を重畳して、出力処理部から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対して撮像画像の生成の有無を確認する。
【0037】
ここで、水平・垂直・あおり駆動部131は、図1に示すように、レンズ112を、撮像レンズ110の光軸110cに垂直な方向にシフトさせることができる。レンズ112をシフトすると、その光軸112cは、撮像レンズ110の光軸110cに平行な位置にシフトする。このシフト動作を2方向に行うごとに撮影することにより、奥行き情報を有し、視差のない一対の画像を得ることができる。
【0038】
図1(a)に示す通常状態では、撮像レンズ110の光軸110c上にレンズ112の光軸112cがあり、被写体面S11及び撮像素子120の撮像面は光軸113cに垂直である。
これに対して、図1(b)に示すように、撮像レンズ110の光軸110cに垂直な面内でレンズ112をシフトさせた場合、被写体面S11は、右端側(図1の上側)が撮像レンズ群110に近づくとともに左端側(図1の下側)が撮像レンズ群110から遠ざかるように傾斜する。このとき、像面S21は、右端側が撮像レンズ群110に近づくとともに左端側が撮像レンズ群110から遠ざかるように傾斜する。このように撮像素子120に対して像面S21が傾いた場合、撮像素子120にピントの合う部分は、奥行き方向にピントが合う位置が違う画像を取得できることになる。これにより、奥行き情報をもった、第1画像を取得できることになる。
【0039】
また、図1(c)に示すように、撮像レンズ110の光軸110cに垂直な面内であって、光軸113cに関して図1(b)の場合と対称な方向にレンズ112をシフトさせた場合、被写体面S11は、左端側が撮像レンズ群110に近づくとともに右端側が撮像レンズ群110から遠ざかるように傾斜する。このとき、像面S21は、左端側が撮像レンズ群110に近づくとともに右端側が撮像レンズ群110から遠ざかるように傾斜する。このように像面S21が傾いた場合、撮像素子120にピントの合う部分は、奥行き方向にピントが合う位置が違う画像を取得できることになり、これが第2画像となる。
【0040】
デジタルカメラ100は、図1(b)に示すように、被写体面S11が左奥から右手前に傾くように、レンズ112をシフトさせて撮影した第1画像を右眼用画像として取得し、図1(c)に示すように、被写体面S11が左手前から右奥に傾くように、レンズ112をシフトさせて撮影した第2画像を左眼用画像として取得し、これらの一対の画像により立体画像を取得する。
【0041】
このように、第1画像と第2画像で異なる視点からの煽り画像を取得できる。したがって、第1画像と第2画像は、一対の立体(3D)画像として、映像出力時に同時に出力することで、立体画像を出力することが可能となる。
【0042】
以上のような被写体面S11の傾きは、シャインプルーフの定理に基づいている。図3は、シャインプルーフの定理を説明するための概念図である。
撮像面とレンズ主面を平行でない配置にすると物体面は平行ではなくり、撮像面、レンズ主面、物体面は同一直線上の1点(図3の交点55)で交わる。
従って、撮像レンズ50の光軸51に対して、撮像素子の撮像面60が垂直な状態では被写体面70も光軸51に対して垂直となる。これに対して、図3に例示するように、撮像面60が90度以外の角度に傾くと、シャインプルーフの定理により、撮像面60の傾きに対応するように被写体面70が煽られて傾斜する。また、撮像面60の角度を変化させた断面上での像面の高さ方向に光軸51を中心に逆方向に倍率が変化する。
これらの現象により、視差の有無にかかわらず、奥行き方向にピント位置が合った画像を取得することでき、立体画像を生成することができる。
【0043】
次に、図4を参照しつつ、静止画の場合の撮像の流れについて説明する。図4は、第1実施形態に係る撮像装置を用いた静止画の撮像処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
ユーザーが指示部152を操作することにより、カメラが起動されるとともに、撮影モード(静止画)が設定されると、撮像開始となる(ステップS100)。
つづいて、既存のカメラと同様のため詳細な説明は省略するが、ユーザーは、撮影環境及び撮影するモードに対応して撮像条件を設定する(ステップS101)。撮像条件としては、例えば、絞り、シャッタースピード、ISO感度、焦点距離がある。
【0045】
次に、システム制御部151は、ステップS100においてユーザーが選択したモードが3Dモードであるか否かを判断する(ステップS102)。選択されたのが2D(2次元)モードであれば(ステップS102でN)、立体撮像せずに、既存の2Dカメラのように撮像する(ステップS103)。
これに対して、3Dモードが選択された場合(ステップS102でY)、後述するステップS104以降の立体撮像可能な状態に移行する。
【0046】
AE(自動露出)、AF(オートフォーカス)、及びAWB(オートホワイトバランス)の処理は、既存の方式で実行し、スルー画表示を行う(ステップS104)。
ここで、AE、AF、AWB、及びこれら以外のカメラ機能については、説明を省略している。
【0047】
つづいて、システム制御部151は、レリーズボタンが半押しされたかどうかを判断する(ステップS105)。レリーズボタンが半押しされない間(ステップS105でN)、AE、AF、及びAWBの処理(ステップS104)を繰り返し実行して、処理結果を順次更新する。なお、レリーズボタンは、図13、図14に示すデジタルカメラ540では、シャッターボタン545に対応する。
【0048】
レリーズボタンが半押しされた場合(ステップS105でY)、AE、AF、及びAWBの処理を実行する(ステップS106)。この処理は、ステップS104と同様に既存の方式で実行し、記憶部144に格納する。
【0049】
次に、システム制御部151の指示により、ブレ検出部160はブレ検出を行う(ステップS107)。
ブレ検出部160は、撮像装置に生じるブレ、例えば、撮像装置における角速度を測定可能なセンサである。ブレ検出部160は、ブレによる光軸チルト量(光軸傾斜量)や光軸シフト量を検出する。ここで、光軸チルト量は、例えば角度と方向であり、光軸シフト量は、例えば移動量や方向である。
【0050】
つづいて、ブレ補正量演算(第1の演算)として、ブレ演算部153は、ブレ検出部160によるブレ検出結果に基づいてブレ補正量を演算する(ステップS108)。
駆動量演算制御部155は、ブレ演算部153によるブレ補正量演算結果に基づいて、撮像レンズ110の可動レンズ112の駆動を制御する(ステップS109)。可動レンズ112の駆動は、駆動信号出力部132から水平・垂直・あおり駆動部131に対して、ブレ演算結果のブレ補正量に対応する駆動信号を印加することによって行う。
【0051】
図5は、撮像レンズ110の構成例を示す断面図であって、撮像レンズ110をシフトさせていない状態を示す図である。図6は、可動レンズ112を撮像レンズ110の光軸110cに垂直な方向にシフトさせた状態を示す断面図である。
図5に示すように、撮像レンズ110は、複数のレンズ111、112を有し、光軸110cを備える。撮像レンズ110を構成するレンズの少なくとも一つは、光軸110cに垂直な方向にシフト可能であり、図5に示す例では、水平・垂直・あおり駆動部131により、可動レンズ112が光軸110cに垂直な方向にシフト可能である。図6に示す例では、可動レンズ112は、光軸110cに垂直な方向にブレ補正量bだけシフトしている。
【0052】
このように、演算したブレ補正量に基づいて撮像レンズ110を駆動することによって、ブレ補正を行い、手振れなどの影響のない画像を取得する。このブレ補正は、レリーズボタンが全押しされるまでの間(ステップS110でNである間)、繰り返される。
【0053】
つづいて、ユーザーによってレリーズボタンが全押しされると(ステップS110でY)、システム制御部151は、立体撮像の第1の画像の取得(第1の撮影)を開始する(ステップS111以降)。ここで、第1の画像としては、例えば、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば左眼用画像を選択する。
【0054】
第1の画像の取得のために、まず、AE、AF、及びAWBの処理を行う(ステップS111)。この処理は、ステップS104と同様の処理である。
次に、ステップS107と同様に、システム制御部151の指示により、ブレ検出部160はブレ検出を行う(ステップS112)。さらに、ステップS108と同様に、ブレ補正量演算(第1の演算)として、ブレ演算部153は、ブレ検出部160によるブレ検出結果に基づいてブレ補正量を演算する(ステップS113)。
【0055】
システム制御部151の判定部156は、ステップS113で演算されたブレ補正量又はブレ量が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS114)。この閾値は、例えば、0から撮像レンズ110の変位限界までの任意の値、又は、前記撮影条件(ステップS101)に対応してブレの影響を考慮した閾値テーブルで定めた値である。
【0056】
ステップS114においてブレ補正量又はブレ量が閾値を上回った場合(ステップS114でN)、後述する警告処理(図8)を行う(ステップS115)。
これに対して、ステップS114においてブレ補正量又はブレ量が閾値以下であった場合(ステップS114でY)、立体撮像演算部154は、第1のあおりとしての3D変位量を演算する(第2の演算、ステップS116)。立体撮像演算部154(あおり演算部)は、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば左眼用の第1のあおり画像、を取得するために、水平・垂直・あおり駆動部131に与える駆動信号に対応する変位量を演算する。
【0057】
ここで、時分割素子あおり立体撮像では、立体撮像方式に応じて、3D変位量をあおり量に相当する値に固定することができる。この3D変位量は、駆動部の方式に応じて設定することができ、レンズ駆動の場合はレンズ変位量である。
【0058】
あおり変位量について、レンズ駆動の場合を例にとって、図7を参照しつつ説明する。図7は、撮像レンズ110の構成を示す断面図であって、あおり変位量及びブレ補正量を説明する図である。なお、図7においては、説明の便宜のために3D変位量aを大きく示している。
【0059】
ブレを考慮しない場合、可動レンズ112のあおり変位量は、第1のあおりでは光軸110cから3D変位量aだけシフトした位置の左眼画像用(L)位置112Lに対応し、後述する第2のあおりでは光軸110cから左眼画像とは逆方向にシフトした右眼画像用(R)位置112Rに対応する。この2つの位置でそれぞれ取得した撮像画像を記録することによって立体撮像を行う。
なお、この演算では、最適な立体感の片眼画像を取得するために、撮影条件に対応した変位量テーブルを用いて、前記撮影条件に対応して行うものを含む。
【0060】
次に、演算量判定として、判定部156(立体撮像判定部157)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する(ステップS117)。ここで、3D変位量よりブレ補正量が大きい場合(ステップS117でN)は、立体撮像を行ってもブレの影響による画像品質の確保が困難と判定し、警告処理(ステップS118)を行う。
【0061】
ステップS117での比較の結果、ブレ補正量が変位量以下であった場合(ステップS117でY)、駆動量演算制御部155は、ブレ補正量演算(第1の演算)と、3D(第1のあおり)変位量演算(第2の演算)の演算結果から、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する(ステップS119)。この演算は、例えば、ブレ補正量演算と3D変位量演算の各演算結果を互いに加算する。
【0062】
ここで、ステップS119の駆動量の演算について、レンズ駆動の場合を例に挙げ、図7を用いて説明する。
駆動量演算制御部155は、駆動量算出のために、ブレ補正量演算(第1の演算)の結果のブレ補正量bと、3D変位量演算(第1のあおり、第2の演算)の結果の第1のあおりの3D変位量aと、を加算した位置の演算をする。
【0063】
さらに、駆動量の演算では、以下の演算をさらに行うことが望ましい。すなわち、駆動量演算制御部155は、3D相対変位量δとブレ補正量bの関係が次式(1)を満足するように、レンズ変位量を演算する。また、駆動量演算制御部155は、閾値算出部として、第2の演算部としての立体撮像演算部154の演算結果に基づいて、ステップS114における所定の閾値を算出する。これにより、3Dに影響のない手振れを無視することで撮影機会を増やすことができる。
0<b/δ<1 (1)
但し、
δは、立体撮像の左画像撮像時(L撮像)と右画像撮像時(R撮像)との間の可動レンズ112の3D相対変位量(あおり変位量)である。
【0064】
3D相対変位量δとブレ補正量bが式(1)を満足しない場合は、この式(1)を満たすように3D変位量δ又はブレ補正量bを制限する。この制限は、光学系の設計により、最適化をケースバイケースにより制御の方式を設定すればよい。
ここで、b/δが0に近い場合は、ブレ補正の効果が得られ難い傾向となり、1を越える場合は、3D効果が大きくなるもののユーザーの疲労につながる傾向になる。したがって、上式(1)を用いた演算を行うことにより、3D画像を構成する「第1のあおり」画像と「第2のあおり」画像との手振れの影響に起因する差を少なくすることが可能となり、高品位な3D画像を取得可能となる。
【0065】
立体撮像のためのあおり駆動(チルト駆動)とブレ補正のためのシフト駆動との駆動方向が互いに異なる場合においても、ブレ補正量演算(第1の演算)の結果と3D変位量演算(第2の演算、第1のあおり)の演算結果の両方を、基本的にはそのまま使用する。ただし、光学設計によっては、立体撮像の駆動量とブレ補正の駆動量とを組合せたときに光学性能確保が困難な場合が生じるため、予めブレ補正量演算(第1の演算)の結果と3D変位量演算(第2の演算)の結果の組合せテーブルを設けておき、テーブル参照結果に応じて、ブレ補正量又は3D変位量に制限を加えるようにしてもよい。
【0066】
つづいて、駆動量演算制御部155は、ステップS119での駆動量の演算結果に基づいて、駆動信号出力部132から水平・垂直・あおり駆動部131に対して、駆動量の演算結果の変位量でレンズを駆動する駆動信号を出力し、水平・垂直・あおり駆動部131を駆動する(ステップS120)。これにより、手振れなどの影響のない片眼(第1のあおり)の立体画像を取得する。
【0067】
次に、立体撮像の第2の画像の取得(第2の撮影)を開始する。ここで、第2の画像は、例えば、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば右眼用画像である。
AE、AF、AWB、撮像条件は、第1のあおり画像と第2のあおり画像とが異なると、後述する画像生成時に、左右眼の違いの大きさによる知覚的な違和感が生じる。このため、AE、AF、及びAWBについては、ステップS111の処理結果を、撮像条件はステップS101での設定内容を、それぞれ用いる。
【0068】
つづいて、ステップS112と同様に、システム制御部151の指示により、ブレ検出部160はブレ検出を行う(ステップS121)。さらに、ステップS113と同様に、ブレ補正量演算(第1の演算)として、ブレ演算部153は、ブレ検出部160によるブレ検出結果に基づいてブレ補正量を演算する(ステップS122)。また、システム制御部の判定部は、ステップS114と同様に、ステップS122で演算されたブレ補正量又はブレ量が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS123)。
【0069】
ステップS123においてブレ補正量又はブレ量が閾値を上回った場合(ステップS123でN)、後述する警告処理(図8)を行う(ステップS124)。
これに対して、ステップS123においてブレ補正量又はブレ量が閾値以下であった場合(ステップS123でY)、ステップS116と同様に、立体撮像演算部154は、第2のあおりとしての3D変位量を演算する(第2の演算、ステップS125)。立体撮像演算部154(あおり演算部)は、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば右眼用の第2のあおり画像、を取得するために、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する。
【0070】
次に、演算量判定として、判定部156(立体撮像判定部157)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第2のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する(ステップS126)。ここで、3D変位量よりブレ補正量が大きい場合(ステップS126でN)は、立体撮像を行ってもブレの影響による画像品質の確保が困難と判定し、警告処理(ステップS127)を行う。
【0071】
ステップS126での比較の結果、ブレ補正量が変位量以下であった場合(ステップS126でY)、駆動量演算制御部155は、ステップS119と同様に、ブレ補正量演算(第1の演算)と、3D(第2のあおり)変位量演算(第2の演算)の演算結果から、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する(ステップS128)。
【0072】
つづいて、ステップS120と同様に、駆動量演算制御部155は、ステップS128での駆動量の演算結果に基づいて、駆動信号出力部132から水平・垂直・あおり駆動部131に対して、駆動量の演算結果の変位量でレンズを駆動する駆動信号を出力し、水平・垂直・あおり駆動部131を駆動する(ステップS129)。これにより、手振れなどの影響のない片眼(第2のあおり)の立体画像を取得する。
【0073】
画像処理部141は、ステップS111〜S120で取得した片眼画像(第1のあおり画像)と、ステップS121〜S129で取得した片眼画像(第2のあおり画像)と、から立体画像を生成する(ステップS130)。生成された立体画像は、記録部144に対して、圧縮を含む記録方式に対応して記録される。また、記録された立体画像は、出力処理部143で再生処理される。
立体画像の生成は、各種フォーマット(マルチピクチャーフォーマット、サイドバイサイドなど)のどのようなものでもよい。
以上の撮像モードは、ユーザーによる指示部152の操作により終了する(ステップS131)。
【0074】
ここで、図8を参照しつつ、上述の各種判定でブレ量又はブレ補正量が大きいと判定された場合(図4のステップS115、S118、S124、S127)の警告処理の流れを説明する。図8は、警告処理の流れを説明するフローチャートである。
【0075】
警告処理は、上述のステップS114、S117、S123、S126の判定において、判定部156が、ユーザーによるブレ量が多い状態で撮像を行っていると判定したときに開始する(ステップS200)。
まず、警告表示(ステップS201)として、画像処理部141により警告情報を重畳して、出力処理部143から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対してブレ発生による画像品質の低下状態を認識させる。この警告表示は、例えば、手振れ注意のアイコン表示、或いは、文字による「手振れ注意」の表示によって行う。なお、表示デバイスは、図14に示すデジタルカメラ540では液晶表示モニター547に対応する。
【0076】
次に、判定部156は、画像処理部141により撮像条件変更有無確認情報を重畳して、出力処理部143から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対して撮像条件の変更の有無を確認する(ステップS202)。撮像条件変更有無確認情報は、例えば、文字により「撮像条件を変更する場合はレリーズボタンを解除」と表示を行う。
【0077】
ステップS202において、ユーザーによって、例えばレリーズボタンが解除されることによって撮像条件変更が選択された場合(ステップS202でY)は、直前の撮像条件設定(図4のステップS101)へと戻る(A)。
【0078】
これに対して、ユーザーによって、レリーズボタンが解除されず、撮像条件変更が選択されない場合(ステップS202でN)、立体撮像判定部157は、画像を生成するか否かを判断する(ステップS203)。具体的には、立体撮像判定部157は、画像処理部141により画像生成有無確認情報を重畳して、出力処理部143から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対して撮像画像生成の有無を確認する。画像生成有無確認情報は、例えば、文字により「撮影画像が不要な場合はレリーズボタンを解除」と表示を行う。
【0079】
ステップS203において、ユーザーによって、例えばレリーズボタンが解除されず、画像生成する場合(ステップS203でY)は、警告処理フローへ移行する直後のステップへと戻る(B)。
これに対して、ユーザーによって、例えばレリーズボタンが解除され、画像生成しない場合は、画像生成ステップ(図4のステップS130)の次へ移行する(C)。
なお、警告処理において、必要性や使い勝手によっては、ステップS202、S203の判定ステップを用いないこととしてもよい。
【0080】
次に、図9を参照しつつ、動画の場合の撮像の流れについて説明する。図9は、第1実施形態に係る撮像装置を用いた動画の撮像処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図9における警告処理(ステップS310、S320)は、図4に示す警告処理と同様に、図8に示す流れで処理される。また、図4に示す処理と同様の処理については、詳細な説明を省略する。
【0081】
ユーザーが指示部152を操作することにより、撮像が開始される(ステップS300)。なお、カメラの起動及びライブビューの起動は既になされているものとする。
ここで、動画の時分割立体撮像の場合において、立体撮像のための左右2回の撮像の撮影条件を変更することで、撮影環境の変化に対して自然な撮像を行うことができる。
【0082】
次に、ユーザーは2D又は3Dの撮影モードを選択する(ステップS301)。システム制御部151は、ステップS301においてユーザーが選択したモードが2D(2次元)モードであれば(ステップS301でN)、立体撮像せずに、既存の2Dカメラのように撮像させる(ステップS302)。
【0083】
これに対して、3Dモードが選択された場合(ステップS301でY)、立体撮像可能な状態に移行し、ユーザーが指示部152を操作することによって動画撮像開始指示するまで、システム制御部151は待機状態を維持する(ステップS303でN)。ユーザーの操作によって動画撮像開始が指示されると、以下の動画撮像が開始される(ステップS303でY)。
【0084】
まず、第1の画像、例えば時分割の立体画像のための片眼画像としての右眼用画像、の取得処理を行う。初めに、既存のカメラと同様のため詳細な説明は省略するが、ユーザーは、撮影環境に対応して撮像条件を設定する(ステップS304)。
ここで、撮像条件は、環境変化に対応して更新し続ける。
【0085】
次に、AE、AF、及びAWBの処理を行う(ステップS305)。この処理は、図4のステップS104と同様の処理である。
つづいて、ステップS107と同様に、システム制御部151の指示により、ブレ検出部160はブレ検出を行う(ステップS306)。さらに、ステップS108と同様に、ブレ補正量演算(第1の演算)として、ブレ演算部153は、ブレ検出部160によるブレ検出結果に基づいてブレ補正量を演算する(ステップS307)。
【0086】
立体撮像演算部154は、ステップS116と同様に、第1のあおりとしての3D変位量を演算する(第2の演算、ステップS308)。立体撮像演算部154は、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば左眼用の第1のあおり画像、を取得するために、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する。
【0087】
次に、演算量判定として、判定部156(立体撮像判定部157)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する(ステップS309)。ここで、3D変位量よりブレ補正量が大きい場合(ステップS309でN)は、立体撮像を行ってもブレの影響による画像品質の確保が困難と判定し、警告処理(ステップS310)を行う。
【0088】
ステップS309での比較の結果、ブレ補正量が変位量以下であった場合(ステップS309でY)、駆動量演算制御部155は、ステップS119と同様に、ブレ補正量演算(第1の演算)と、3D(第1のあおり)変位量演算(第2の演算)の演算結果から、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する(ステップS311)。
【0089】
駆動量演算制御部155は、ステップS120と同様に、ステップS311での駆動量の演算結果に基づいて、駆動信号出力部132から水平・垂直・あおり駆動部131に対して、駆動量の演算結果の変位量でレンズを駆動する駆動信号を出力し、水平・垂直・あおり駆動部131を駆動する(ステップS312)。
【0090】
つづいて、画像処理部141は、ステップS304〜S312で取得した片眼画像(第1のあおり画像)に対して、例えば右眼用の識別符号を付与して画像を生成する(ステップS313)。生成された立体画像は、記録部144に対して、圧縮を含む記録方式に対応して記録される。
【0091】
次に、第2の画像、例えば時分割の立体画像のための片眼画像としての左眼用画像、の取得処理を行う。この処理の手順は、上述の第1の画像の取得処理と同様であるため、以下に簡単に説明する。
【0092】
まず、ユーザーは、撮影環境に対応して撮像条件を設定し(ステップS314)、AE、AF、及びAWBの処理を行う(ステップS315)。
つづいて、システム制御部151の指示により、ブレ検出部160はブレ検出を行う(ステップS316)。さらに、ブレ補正量演算(第1の演算)として、ブレ演算部153は、ブレ検出部160によるブレ検出結果に基づいてブレ補正量を演算する(ステップS317)。
【0093】
さらに、立体撮像演算部154は、第1のあおりとしての3D変位量を演算(第2の演算、ステップS318)し、時分割の立体撮像のための片眼画像、例えば左眼用の第1のあおり画像、を取得するために、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する。
【0094】
次に、演算量判定として、判定部156(立体撮像判定部157)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する(ステップS319)。ここで、3D変位量よりブレ補正量が大きい場合(ステップS319でN)は、立体撮像を行ってもブレの影響による画像品質の確保が困難と判定し、警告処理(ステップS320)を行う。
【0095】
ステップS319での比較の結果、ブレ補正量が変位量以下であった場合(ステップS319でY)、駆動量演算制御部155は、ブレ補正量演算(第1の演算)と、3D(第1のあおり)変位量演算(第2の演算)の演算結果から、水平・垂直・あおり駆動部131の変位量を演算する(ステップS321)。
【0096】
駆動量演算制御部155は、ステップS321での駆動量の演算結果に基づいて、駆動信号出力部132から水平・垂直・あおり駆動部131に対して、駆動量の演算結果の変位量でレンズを駆動する駆動信号を出力し、水平・垂直・あおり駆動部131を駆動する(ステップS322)。
【0097】
つづいて、画像処理部141は、ステップS314〜S322で取得した片眼画像(第2のあおり画像)に対して、例えば左眼用の識別符号を付与して画像を生成する(ステップS323)。生成された立体画像は、記録部144に対して、圧縮を含む記録方式に対応して記録される。
【0098】
さらに、画像処理部141は、ステップS304〜S313で取得した片眼画像(第1のあおり画像)と、ステップS314〜S323で取得した片眼画像(第2のあおり画像)と、から立体画像を生成する。生成された立体画像は、記録部144に対して、圧縮を含む記録方式に対応して記録される。また、記録された立体画像は、出力処理部143で再生処理される。
立体画像の生成は、各種フォーマット(マルチピクチャーフォーマット、サイドバイサイドなど)のどのようなものでもよい。
【0099】
システム制御部151は、ユーザーによって、動画撮影ボタン、例えばレリーズボタンが操作されて動画撮像の停止が指示されるまで、以上の動作を繰り返し行う(ステップS324でN)。
ユーザーによって、動画撮影ボタンが操作されて動画撮像の停止が指示されると(ステップS324でY)、システム制御部151は、撮像を終了する(ステップS325)。
【0100】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る撮像装置においては、立体画像の第1画像及び第2画像の取得、並びにブレ補正のために、撮像レンズ110ではなく撮像素子120を駆動する点が第1実施形態に係る撮像装置と異なる。以下の説明では、第1実施形態の撮像装置と同じ構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0101】
図10は、第2実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラ200の概念を示す上面図である。図11は、第2実施形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
駆動信号出力部232は、システム制御部251の制御の下に、同期信号生成部133によって生成された垂直同期信号VDをタイミングの基礎として、撮像素子120の撮像面のチルト制御を行う。システム制御部251は、指示部152からの入力に基づいて定まる3Dモードに従って、撮像面のチルト方向、チルト量、及び撮影パターンを選択し撮像面のチルト(傾斜)の制御を行う。
【0102】
水平・垂直・あおり駆動部231は、駆動信号出力部232の制御指示に従って、撮像素子120の撮像面を傾ける。このチルト駆動は、例えば、ボイスコイルモーター(VCM)、ステッピングモーター、超音波モーターを用いて行うことができる。
【0103】
第1の演算部としてのブレ演算部253は、ブレ検出部160による検出結果に基づいてブレ補正量を演算する。第2の演算部としての立体撮像演算部254(あおり撮像演算部)は、第1のあおり及び第2のあおりの3D変位量をそれぞれ演算する。駆動量演算制御部255は、ブレ演算部253によるブレ補正量演算結果に基づいて、撮像素子120の撮像面のチルト駆動を制御する。判定部256(立体撮像判定部)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量、第2のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する。立体撮像判定部257は、画像処理部141により画像生成有無確認情報を重畳して、出力処理部から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対して撮像画像の生成の有無を確認する。
【0104】
図10に例示するように、撮像レンズ110の光軸110cの延長線上であって、撮像素子120の撮像面121側には煽り軸120c(回動軸)が設けられている。水平・垂直・あおり駆動部231は、煽り軸120cを中心軸として、撮像素子120を左右方向(図10の上下方向)に煽ることが可能である。したがって、撮像素子120の撮像面121は、水平・垂直・あおり駆動部231の動作により、光軸110cに対する角度が変化する。すなわち、水平・垂直・あおり駆動部231を駆動させることにより、図10(a)のように光軸110cに対して撮像面121が直角な通常状態から、撮像面121の右端側(図10の上側)を撮像レンズ110に近づけるとともに左端側(図10の下側)を撮像レンズ110から遠ざけるような状態(図10(b))や、撮像面121の左側を撮像レンズ110に近づけるとともに右側を撮像レンズ110から遠ざけるような状態(図10(c))へ煽ることができる。
【0105】
さらに、図10(a)の通常状態では被写体面S1は光軸110cに垂直であるのに対して、撮像素子120を図10(b)に示すように回動させた場合、被写体面S1は、右端側(図10の上側)が撮像レンズ110に近づくとともに左端側(図10の下側)が撮像レンズ110から遠ざかるように傾斜する。また、撮像素子120を図10(c)に示すように回動させた場合、被写体面S1は、左端側が撮像レンズ110に近づくとともに右端側が撮像レンズ110から遠ざかるように傾斜する。このような被写体面の傾きは、上述のシャインプルーフの定理に基づいている。
【0106】
デジタルカメラ200においては、図10(b)の状態で撮像素子120を駆動して得られた画像(第1画像、左眼用画像)と、図10(c)の状態で撮像素子120を駆動して得られた画像(第2画像、右眼用画像)と、いう視差のない一対の画像により立体画像を取得することができる。より具体的には、デジタルカメラ200は、図10(b)に示すように、被写体面S1が左奥から右手前に傾くように、撮像素子120の撮像面121を左手前から右奥に傾けて撮影した画像を右眼用画像として取得し、図10(c)に示すように、被写体面S1が左手前から右奥に傾くように、撮像素子120の撮像面121を右手前から左奥に傾けて撮影した画像を左眼用画像として取得し、これらの一対の画像により立体画像を取得する。
【0107】
撮像は、静止画の場合は図4に示す手順と同様に実行し、動画の場合は図9に示す手順と同様に実行する。
ただし、駆動量演算制御部155は、ブレ演算部253によるブレ補正量演算結果に基づいて、撮像素子120の撮像面のチルト駆動を制御し、撮像素子120の撮像面のチルト駆動は、駆動信号出力部232から駆動部231に対して、ブレ演算結果のブレ補正量に対応する駆動信号を印加することによって行う。これにより、演算したブレ補正量に基づいて撮像素子120の撮像面をチルト駆動することによって、ブレ補正を行い、手振れなどの影響のない画像を取得する。
また、システム制御部151の判定部156が行う、ブレ補正量又はブレ量が所定の閾値以下であるか否かの判定における閾値は、例えば、0から撮像素子120の撮像面の変位限界までの任意の値、又は、撮影条件に対応してブレの影響を考慮した閾値テーブルで定めた値である。
【0108】
また、立体撮像演算部254が演算する3D変位量は、第1実施形態ではレンズ変位量であったが、第2実施形態では撮像素子120の撮像面のあおり変位量となる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0109】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る撮像装置においては、立体画像の第1画像及び第2画像の取得のために撮像素子120の撮像面を駆動し、ブレ補正のために撮像レンズ110の可動レンズ112を駆動する点が第1実施形態に係る撮像装置と異なる。以下の説明では、第1実施形態の撮像装置と同じ構成については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0110】
図12は、第3実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
駆動信号出力部332は、システム制御部351の制御の下に、同期信号生成部133によって生成された垂直同期信号VDをタイミングの基礎として、撮像レンズ110の可動レンズ112のシフト制御及び撮像素子120の撮像面のチルト制御を行う。システム制御部351は、指示部152からの入力に基づいて定まる3Dモードに従って、可動レンズ112のシフト方向及びシフト量、撮像面のチルト方向及びチルト量、並びに撮影パターンを選択し、可動レンズ112のシフト及び撮像面のチルトの制御を行う。
【0111】
水平・垂直・あおり駆動部331は、駆動信号出力部332の制御指示に従って、撮像レンズ110の可動レンズ112をシフトする。水平・垂直・あおり駆動部333は、駆動信号出力部332の制御指示に従って、撮像素子120の撮像面を傾ける。可動レンズ112のシフト駆動及びチルト駆動は、例えば、ボイスコイルモーター(VCM)、ステッピングモーター、超音波モーターを用いてそれぞれ行うことができる。
【0112】
第1の演算部としてのブレ演算部353は、ブレ検出部160による検出結果に基づいてブレ補正量を演算する。第2の演算部としての立体撮像演算部354(あおり撮像演算部)は、第1のあおり及び第2のあおりの3D変位量をそれぞれ演算する。駆動量演算制御部355は、ブレ演算部353によるブレ補正量演算結果に基づいて、撮像レンズ110の可動レンズ112のシフト駆動を制御する。判定部356(立体撮像判定部)は、第1の演算によって算出したブレ補正量と、第2の演算によって算出した3D変位量(第1のあおり変位量、第2のあおり変位量)と、の絶対量を互いに比較する。立体撮像判定部357は、画像処理部141により画像生成有無確認情報を重畳して、出力処理部から表示デバイスへ表示を行い、ユーザーに対して撮像画像の生成の有無を確認する。
撮像は、静止画の場合は図4に示す手順と同様に実行し、動画の場合は図9に示す手順と同様に実行する。
また、立体撮像演算部354が演算する3D変位量は、第1実施形態ではレンズ変位量であったが、第2実施形態では撮像素子120の撮像面のあおり変位量となる。
【0113】
第3実施形態の撮像装置では、ブレ補正量演算(第1の演算)で可動レンズ112の駆動量が演算され、3D変位量演算(第2の演算)で撮像素子120の撮像面のあおり量が演算され、それぞれの演算結果に基づき、それぞれのデバイスを駆動する。このように、立体画像の取得とブレ補正のそれぞれに専用の素子を用いることで、光学的に最適に動作することが可能となる。
【0114】
撮像光学系の設計によっては、撮像素子120をあおった状態で理想的な特性が得られないことも考えられる。その場合は、光学設計結果から、撮像素子120のあおり量と撮像レンズ110のブレ補正量のテーブルを予め設定し、撮像素子120のあおり量と撮像レンズ110のブレ補正量に対応して、テーブルで設定された量の各素子の駆動量で駆動するようにしても良い。
また、このテーブル作成時に、ブレ補正量は理想的に、3D撮像のための撮像素子のあおり量は少なくするように、と各パラメータの重みを変えて行ってもよい。このようなテーブルにおいては、立体感は理想的には得られないが、ブレによる影響は理想的に抑制できる。よって、ブレのない高品位な画質を得ることができる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0115】
上述の第1〜第3の実施形態では、3D撮像方式は素子あおり方式で説明を行ったが、時分割で3D撮像を行うための素子の駆動と、ブレ補正の駆動と、を同時にするものであればどのような構成や方式であってもよい。例えば、手振れ補正のための駆動をレンズや撮像素子の両方について実行し、立体画像取得用の駆動はレンズと撮像素子の一方で行う、など組合せは限定されない。
【0116】
図13〜図14は、以上のような構成・作用を有するデジタルカメラの具体例を示す外観図である。図13はデジタルカメラ540の外観を示す前方斜視図、図14は同背面図である。ただし、図13においては、撮影光学系541の非沈胴時を示している。
デジタルカメラ540は、この例の場合、撮影用光路542を有する撮影光学系541、ファインダー用光路544を有するファインダー光学系543、シャッターボタン545、フラッシュ546、液晶表示モニター547、焦点距離変更ボタン561、設定変更スイッチ562等を含み、撮影光学系541の沈胴時には、カバー560をスライドすることにより、撮影光学系541とファインダー光学系543とフラッシュ546はそのカバー560で覆われる。そして、カバー560を開いてカメラ540を撮影状態に設定すると、撮影光学系541は図13の非沈胴状態になり、カメラ540の上部に配置されたシャッターボタン545(レリーズボタン)を押圧すると、それに連動して撮影光学系541、例えば図5に示すレンズ群110を通して撮影が行われる。撮影光学系541によって形成された物体像は、図5に示す第1実施形態では撮像素子120の撮像面上に形成される。この120で受光された物体像は、141、143を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター547に表示される。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上のように、本発明に係る撮像装置及び交換レンズは、デジタルカメラにおける立体(3D)画像取得に有用である。
【符号の説明】
【0118】
100 デジタルカメラ(撮像装置)
110 撮像レンズ
110c 光軸
111 固定レンズ
112 可動レンズ
120 撮像素子
131 水平・垂直・あおり駆動部
132 駆動信号出力部
133 同期信号生成部
134 撮像素子駆動部
141 画像処理部
142 3Dフォーマット変換部
143 出力処理部
144 記録部
151 システム制御部
152 指示部
153 ブレ演算部
154 立体撮像演算部
155 駆動量演算制御部
156 判定部
157 立体撮像判定部
160 ブレ検出部
200 デジタルカメラ(撮像装置)
231 水平・垂直・あおり駆動部
232 駆動信号出力部
251 システム制御部
253 ブレ演算部
254 立体撮像演算部
255 駆動量演算制御部
256 判定部
257 立体撮像判定部
331 水平・垂直・あおり駆動部
332 駆動信号出力部
333 水平・垂直・あおり駆動部
351 システム制御部
353 ブレ演算部
354 立体撮像演算部
355 駆動量演算制御部
356 判定部
357 立体撮像判定部
540 デジタルカメラ
541 撮影光学系
545 シャッターボタン
547 液晶表示モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
交換可能な交換撮像レンズを装着する装着部、又は、撮像レンズと、
トリガ信号を入力すると共に、1つの前記トリガ信号に基づいて、第1の同期信号と第2の同期信号を出力する同期信号生成部と、
前記第1の同期信号に基づいて第1の撮影を実施し、前記第2の同期信号に基づいて第2の撮影を実施する撮像素子と、
前記第1の撮影及び前記第2の撮影のそれぞれが実施されるときに、検出された前記撮像装置のブレ量に基づいてブレ補正量を演算する第1の演算部と、
前記第2の撮影において必要な、前記第1の撮影に対する被写体と前記撮像素子との間における、少なくとも光学的なあおり変位量を演算する第2の演算部と、
を備え、
前記第2の演算部は、前記第1の演算部の演算結果と前記第2の演算部の演算結果とに基づいて、前記第1の撮影から前記第2の撮影が実施されるまでの間に、前記交換撮像レンズ若しくは前記撮像レンズ、の一部のレンズを、前記交換撮像レンズ若しくは前記撮像レンズの光軸の方向と垂直な方向にシフトさせるシフト量、又は、前記光軸の方向に対する前記撮像素子の撮像面の角度を変更する変更量、を算出し、
前記撮像装置は、さらに、前記第2の演算部が算出した結果に基づいて、前記交換撮像レンズ若しくは前記撮像レンズ、の一部のレンズ、又は、前記撮像素子を駆動させる駆動信号を出力する駆動信号出力部を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の演算部による演算結果が所定の閾値を超えているか否かに基づいて、前記第2の撮影を行なうか否かを決定する立体撮像判定部を更に備え、
前記立体撮像判定部により前記第2の撮影は行なわないと決定された場合、前記駆動信号出力部は前記駆動信号を出力しないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第2の演算部による演算結果に基づいて前記所定の閾値を算出する閾値算出部を更に備え、
前記あおり変位量と前記ブレ補正量が次式(1)を満足することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
0<b/δ<1 (1)
ただし、
bは前記ブレ補正量、
δは前記あおり変位量、
である。
【請求項4】
前記第1の演算部は、前記第2の演算部によって算出された前記あおり変位量に基づいて、上式(1)を満足するように前記ブレ補正量を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記閾値算出部は、前記第2の演算部による演算結果を前記所定の閾値として算出することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記立体撮像判定部により前記第2の撮影は行なわないと決定された場合、ユーザーに警告を行う警告部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項7】
撮像条件を設定する指示部と、
前記立体撮像判定部により前記第2の撮影は行なわないと決定された場合、前記撮像条件を変更するシステム制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記駆動信号出力部により前記駆動信号が出力されない場合であっても、前記撮像素子は前記第2の撮像を実施することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像素子は、前記光軸に垂直な面方向に沿ってシフトするシフト方向と、前記光軸に対して前記撮像素子の撮像面の角度を変更するチルト方向と、に駆動が可能であり、
前記駆動信号出力部は、前記撮像素子を、前記シフト方向を駆動させたのちに前記チルト方向に駆動させるよう前記駆動信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1の演算部による演算結果が前記所定の閾値を超えている場合、前記第2の演算部は前記あおり変位量の演算を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−186612(P2012−186612A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47740(P2011−47740)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】