説明

撮像装置

【課題】使用者の撮影スタイルの変更による設定をより簡便にし、使い勝手の向上した撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】撮像装置は、画像データを表示し、基準位置及び基準位置と異なる位置をとり得る第1の表示手段と、物体が第1の表示手段へ近接していることを検知する近接検知手段と、第1の表示手段が基準位置にあるか否かを検知する位置検知手段と、撮像手段により生成された画像データを表示する第2の表示手段と、第1の表示手段が基準位置にないことを位置検知手段が検知したときは、近接検知手段を動作させ、かつ、近接検知手段が物体の近接を検知したときに第1の表示手段を動作させ、近接検知手段が物体の近接を検知していないときに第2の表示手段を動作させるように制御を行う制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動な表示手段を含む複数の表示手段を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ビューファインダーおよびモニターの2種類の表示手段を備えた撮像装置を開示する。この撮像装置は接眼検知手段を備えており、接眼検知手段により使用者のビューファインダーへの接眼が検知されたときに、モニターの表示をオフにし、接眼が検知されていないときはビューファインダーの表示をオフにする。この制御により、操作が容易で、かつ不必要な電力消費の低減を可能とした撮像装置を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−4509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1が開示する撮像装置は、ビューファインダーおよびモニターの表示切換を、接眼検知手段の検出結果に基づく自動切換とせずに手動で行う設定とし、かつビューファインダーの表示をオフ(モニターの表示をオン)とする設定にした場合、使用者がビューファインダーを覗き込んでもビューファインダーには何も表示されない。そのような状況において使用者がビューファインダーを覗き込んで被写体を確認したいときには、ビューファインダーへの表示をオンにする操作をわざわざ行う必要があり、操作が煩雑になり、使い勝手が悪いという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、複数の表示手段の切り替えに関する使い勝手が向上した撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様において提供される撮像装置は、被写体像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、撮像手段により生成された画像データを表示し、基準位置及び基準位置と異なる位置をとり得る第1の表示手段と、物体が第1の表示手段へ近接していることを検知する近接検知手段と、第1の表示手段が基準位置にあるか否かを検知する位置検知手段と、撮像手段により生成された画像データを表示する第2の表示手段と、第1の表示手段が基準位置にないことを位置検知手段が検知したときは、近接検知手段を動作させ、かつ、近接検知手段が物体の近接を検知したときに第1の表示手段を動作させ、近接検知手段が物体の近接を検知していないときに第2の表示手段を動作させるように制御を行う制御手段と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様において、撮像した画像データを表示する表示手段であって基準位置及び基準位置と異なる位置をとり得る第1の表示手段を装着可能な撮像装置が提供される。撮像装置は、撮像した画像データを表示する第2の表示手段と、第1の表示手段が基準位置にあるか否かを判断する位置判断手段と、物体が第1の表示手段へ近接しているか否かを判断する近接判断手段と、第1及び第2の表示手段を制御する制御手段と、を備える。位置判断手段により第1の表示手段が基準位置にないと判断された場合、制御手段は、近接判断手段により物体が第1の表示手段へ近接していると判断されたときに第1の表示手段を動作させ、近接判断手段により物体が前記第1の表示手段へ近接していると判断されていないときに第2の表示手段を動作させるように制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の表示手段(例えば、外部ビューファインダー)が基準位置から動かされたときに、強制的に近接検知手段を動作させて、近接検知手段が物体の近接を検知したときに第1の表示手段を動作させる。これにより、例えば、表示手段の自動切換機能が無効に設定されている場合でも、使用者が第1の表示手段(例えば、外部ビューファインダー)を使用するために、第1の表示手段(外部ビューファインダー)を回転させたときに、表示モニター自動切換機能が有効になる。よって、使用者の撮影スタイルの変更にともなう表示手段の変更の設定が簡便になり、撮像装置の使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】カメラシステムの電気的構成を示すブロック図
【図2】カメラシステムの背面図
【図3】(a)設定メニューを説明した図、(b)「表示モニター自動切換」の項目が追加された設定メニューを説明した図
【図4】(a)外部ビューファインダーの収納状態を説明した図、(b)外部ビューファインダーのバリアングル状態を説明した図
【図5】実施の形態1にかかるカメラシステムのカメラボディに外部ビューファインダーを接続したときの動作を説明するためのフローチャート
【図6】外部ビューファインダーをカメラボディに取り付けたときに表示されるメッセージの一例を示す図
【図7】実施の形態1にかかるカメラシステムの表示モニターの切換動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施の形態1
1−1.概要
本実施の形態に係るカメラシステムは、交換レンズとカメラボディを備え、接続コネクタを介して外部ビューファインダーが取り付け可能である。カメラボディは、背面液晶モニター(以下「背面モニター」と称す)と、外部ビューファインダー接続用コネクタ(以下「接続コネクタ」と称す)とを備える。外部ビューファインダーは、接眼検知センサと、液晶表示部(以下「ファインダーモニター」と称す)と、外部ビューファインダーの状態を検出する検出スイッチとを備える。
【0011】
以下の実施形態では、外部ビューファインダーが取り付けられたカメラシステムすなわち2つの表示モニター(背面モニター及び外部ビューファインダー)を備えたカメラシステムにおいて、使用者の撮影スタイルの変更による設定をより簡便にし、使い勝手の良いカメラシステムを説明する。
【0012】
以下、本発明の思想をレンズ交換式のカメラシステムに適用した場合の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
1−2.構成
図1は実施の形態1に係るカメラシステム1の構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係るカメラシステム1を背面から見た様子を示す模式図である。カメラシステム1は、交換レンズ100と、カメラボディ200と、外部ビューファインダー300とを備える。交換レンズ100は、ズームレンズやフォーカスレンズ(図示せず)を有しており、交換レンズ100中を通過した光をカメラボディ200に導く。
【0014】
カメラボディ200は、CCDイメージセンサ210と、マイコン220と、背面モニター230と、DRAM240と、操作部材250と、カードスロット260と、接続コネクタ270とを備える。
【0015】
カメラシステム1は、交換レンズ100を介して入射した被写体像をCCDイメージセンサ210によって撮像し、電気信号に変換し、画像データを生成する。マイコン220は、生成した画像データに各種画像処理や圧縮処理を施して、メモリーカード400に記録する。以下、各構成の詳細について説明する。
【0016】
マイコン220は操作部材250の指示に応じてカメラシステム1全体の動作を制御する。マイコン220は、CCDイメージセンサ210から得た画像データに対してガンマ補正、キズ補正、ホワイトバランス補正等の各種画像処理、JPEG圧縮処理やMPEG圧縮処理等の圧縮処理等を施す。マイコン220は、制御動作や画像処理においてDRAM240をワークメモリとして使用する。
【0017】
DRAM240は制御に用いる以下の3つのフラグ241、242、243を格納する。
・自動切換フラグ241:「表示モニター自動切換」に関するユーザー設定状態を示すフラグ
・接眼検知動作フラグ242:マイコン220が実際に接眼検知動作を行うか否かを決定するために参照するフラグ
・表示モニターフラグ243:接眼検知動作フラグ242がOFFのときに(すなわち、表示モニターを自動で切換えない場合に)、機能させるべき表示モニターを示すフラグ
【0018】
各フラグの値(ON、OFF)と、それらの値が示す意味は以下のとおりである。
【0019】
【表1】

【0020】
カメラシステム1は、設定メニューを背面モニター230に表示可能であり、使用者は設定メニュー上でカメラシステム1の種々の機能設定を行うことができる。設定メニューは、例えば、接眼検知センサー310の検知結果に基づく表示モニターの自動切替えに関する設定である「表示モニター自動切換」の項目を有する(図3(b)参照)。
【0021】
使用者により設定メニュー上で「表示モニター自動切換」の設定がONに、すなわち自動切換に設定されると、マイコン220は、自動切換フラグ241を「ON」に設定する。また、使用者により「表示モニター自動切換」の設定がOFFに、すなわち手動切換に設定されると、マイコン220は自動切換フラグ241を「OFF」に設定する。このように、自動切換フラグ241は、使用者により設定メニュー上で設定された、表示モニターの自動切換に関する設定の内容を示す。
【0022】
接眼検知動作フラグ242がONのとき、マイコン220は接眼検知センサ310を動作させる。このとき、マイコン220は、接眼検知センサ310による検知結果に基づき、機能させる表示モニターを切り換える。接眼検知動作フラグ242がOFFのとき、マイコン220は接眼検知センサ310の動作を停止させる。このとき、マイコン220は、表示モニターフラグ243の値に基づき、機能させる表示モニター(画像を表示する表示モニター)を決定する。
【0023】
表示モニターフラグ243は、機能させる表示モニターが背面モニター230である場合、「ON」の値をとり、機能させる表示モニターが外部ビューファインダー300(すなわちファインダーモニター320)である場合は、「OFF」の値をとる。マイコン220は、外部ビューファインダー300の接続状態と、自動切換フラグ241の状態と、検出スイッチ340の状態とに基づいて、接眼検知動作フラグ242を設定する。接眼検知動作フラグ242の設定の詳細は後述する。
【0024】
背面モニター230はカメラボディ200の背面に備えられている。ファインダーモニター320は、外部ビューファインダー300内に備えられている。使用者は、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320を覗き込むことによりCCDイメージセンサ210で撮像された画像を確認できる。背面モニター230及びファインダーモニター320は、マイコン220で各種画像処理等を施された画像データが示す画像を表示する。背面モニター230及びファインダーモニター320は、スルー画像やメモリーカード400に記録されている画像データが示す静止画像を表示できる。ここで、スルー画像とは、静止画撮影を行う際に構図を決定するために表示される動画像であり、記録されない画像である。
【0025】
背面モニター230及びファインダーモニター320は設定メニューを表示できる。例えば、背面モニター230及びファインダーモニター320は、設定メニューとして、撮影する画像データの画素数を設定するメニュー画面や、露出を設定するメニュー画面や、ISO感度を設定するメニュー画面等を表示できる。特に、本実施形態では、外部ビューファインダー300がカメラボディ200に接続されている場合、前述の「表示モニター自動切換」の設定項目を含む設定メニュー(図3(b)参照)を表示できる。
【0026】
操作部材250は各種操作部材の総称である。例えば、後述するファンクション釦251や十字キー252等が該当する。操作部材250は、タッチパネルを含んでいてもよい。
【0027】
カードスロット260は、メモリーカード400を装着できる。メモリーカード400は、マイコン220により生成された画像データを格納できる。またメモリーカード400は、格納されたデータをマイコン220に出力することもできる。
【0028】
接続コネクタ270は、カメラボディ200と外部ビューファインダー300とを電気的に接続するコネクタである。マイコン220は、外部ビューファインダー300に対して、接続コネクタ270を介して、外部ビューファインダー取り付け情報、画像データ、接眼検知センサの有無に関する情報、接眼検知状態の情報等のデータを通信している。外部ビューファインダー取り付け情報は、外部ビューファインダー300が接続コネクタ270に接続されているか否かを示す情報であり、マイコン220が、外部ビューファインダー300が接続コネクタ270に接続されているか否かを判断するために使用される。また、外部ビューファインダー300が接眼検知センサ310を備えている場合、接眼検知センサの有無に関する情報として、外部ビューファインダー300から接続コネクタ270を介して、外部ビューファインダー300が接眼検知センサを備えていることを示す情報がマイコン220に送信される。本実施の形態では、外部ビューファインダー300は接眼検知センサ310を備えているが、外部ビューファインダー300が接眼検知センサ310を備えていない場合、接眼検知センサを備えていないことを示す情報をマイコン220に送信してもよい。
【0029】
外部ビューファインダー300は、外部ビューファインダー300すなわち接眼検知センサ310及びファインダーモニター320の向きを可動させるヒンジ330と、外部ビューファインダー300の回転状態(位置)を検出する検出スイッチ340と、使用者がファインダーモニター320を覗き込む接眼窓350とを備える。
【0030】
接眼検知センサ310は、外部ビューファインダー300の後方部で接眼窓350近傍に配置される。接眼検知センサ310は、物体の近接、すなわち、接眼検知センサ310から所定距離内に物体が存在するか否かを検知する。接眼検知センサ310は、物体の存在を検知すると、接眼検知状態であることを示す情報を、接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。また、接眼検知センサ310は、物体の存在を検知しないときは、非接眼検知状態であることを示す情報を接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。使用者が接眼窓350からファインダーモニター320を覗き込んだとき、接眼検知センサ310は、所定距離内に物体(使用者の顔の一部)が存在すると検知し、接眼検知状態を示す情報をマイコン220に送信する。
【0031】
外部ビューファインダー300のファインダーモニター320は、ヒンジ330を回転軸として上下方向に角度(位置)を変化させることができる。ヒンジ330の回転軸は、カメラボディ200の左右方向と平行である。すなわち、外部ビューファインダー300は、図4(a)に示すような、外部ビューファインダー300の下面がカメラボディ200の上面と平行な状態である収納状態(基準状態)と、図4(b)に示すような、収納状態からヒンジ330を回転軸として外部ビューファインダー300を上方に回転させた状態である状態(以下「バリアングル状態」という)とをとり得る。なお、外部ビューファインダー300が収納状態にあるときの位置を、外部ビューファインダー300の基準位置とする。
【0032】
検出スイッチ340は、外部ビューファインダー300の状態が収納状態かバリアングル状態かを検出するスイッチである。外部ビューファインダー300が収納状態のとき、検出スイッチ340はOFFとなり、外部ビューファインダー300がバリアングル状態のとき、検出スイッチ340はONとなる。収納状態のとき、ファインダーモニター320の向きはカメラボディ200の後方へ向く。すなわち、外部ビューファインダー300を収納状態としたとき、ファインダーモニター320の向きは、交換レンズ100の光軸Lの方向と略一致する。
【0033】
図2を参照し、接眼検知センサ310は、接眼窓350の下部近傍に配置されており、使用者がヒンジ330を中心に外部ビューファインダー300を上方に回転させると、接眼検知センサ310は接眼窓350およびファインダーモニター320と一体となって上方に回転する。使用者が接眼窓350を通してファインダーモニター320を覗き込むと、顔の一部が接眼検知センサ310を覆うため、接眼検知センサ310は所定距離内に物体があることを検知して、検知信号を接続コネクタ270を介してマイコン220に送信する。
【0034】
使用者は、レリーズ釦を全押しすることで静止画像を撮影できる。十字キー252は上下左右釦と、その中心に位置する決定釦とを備える。使用者は、十字キー252を構成する各種釦を押下することにより、背面モニター230またはファインダーモニター320上に表示されるGUI上のメニューの選択等をすることができる。
【0035】
1−2−1.用語の対応
CCDイメージセンサ210は撮像手段の一例である。ファインダーモニター320は、第1の表示手段の一例である。収納状態でのファインダーモニター320の位置は基準位置の一例である。接眼検知センサ310は近接検知手段の一例である。検出スイッチ340は位置検出手段の一例である。背面モニター230は第2の表示手段の一例である。マイコン220は制御手段の一例である。また、マイコン220は位置判断手段及び近接判断手段の一例である。
【0036】
1−3.動作
1−3−1.外部ビューファインダー接続時の動作
図5は本実施の形態1に係るカメラシステム1のカメラボディ200に外部ビューファインダー300を接続したときの動作を説明するためのフローチャートである。
【0037】
マイコン220が、カメラボディ200の接続コネクタ270に外部ビューファインダー300が接続されたことを検出すると、接眼検知センサ310の有無を検出する(S301)。
【0038】
ここで、接眼検知センサ310の有無の検出方法の例について説明する。カメラボディ200のマイコン220と、外部ビューファインダー300のマイコン(図示せず)とは、接続コネクタ270を介して、外部ビューファインダー300がカメラボディ200に接続されたことを確認すると、マイコン間で通信を開始し、カメラボディ200のマイコン220が、接眼検知センサ310の有無を判別する。または、外部ビューファインダー300が、接眼検知センサを内蔵していることを示す識別信号を出力する機能を有する場合、マイコン220は、外部ビューファインダー300からその識別信号を受信したときに、接眼検知センサを内蔵したビューファインダーが装着されたと判断してもよい。または、メニュー上で、外部ビューファインダー300に接眼検知センサ310があるか否かを設定するようにしてもよい。
【0039】
上記のような方法により、マイコン220が接眼検知センサ310の存在を検知すると(S301において“YES”)、マイコン220は設定メニューに、「表示モニター自動切換」の設定項目を追加する(S302)。すなわち、本実施形態では、通常、設定メニューにおいて、図3(a)に示すように「表示モニター自動切換」の項目は表示されないようになっている。接眼検知センサ310の存在が検知されたときに、図3(b)に示すように、設定メニューにおいて、「表示モニター自動切換」の項目20が追加される。同時に、マイコン220は、「表示モニター自動切換」の初期設定をON、すなわち、表示モニターを接眼検知センサ310の検知結果に基づき自動的に切り換える「自動切換」に設定すると共に、自動切換フラグ241をONに設定する。なお、このとき、表示モニター自動切換の設定がONに設定されたことを示すメッセージを背面モニター230に表示して使用者に通知してもよい(図6参照)。
【0040】
次に、マイコン220は、所定のファンクション釦251に、表示モニター手動切換機能を割り当てる(S303)。表示モニター手動切換機能とは、使用者のマニュアル操作により表示モニターを強制的に背面モニター230または外部ビューファインダー300に切換える機能である。使用者によりファンクション釦251が押下されるたびに、マイコン220は、機能させる表示モニターを背面モニター230とファインダーモニター320間で切り替えると共に、表示モニターフラグ243の値を、切り替えた表示モニターに対応させて変更する。なお、ファンクション釦251に限らず、操作部材250の任意の釦に表示モニター手動切換機能を割り当てても良い。
【0041】
一方、接眼検知センサ310の存在を検知しなかったとき(S301において“NO”)、マイコン220は、ファンクション釦251に表示モニター手動切換機能を割り当てる(S303)。
【0042】
以上の動作により、外部ビューファインダー300がカメラボディ200に接続されたときに、外部ビューファインダー300と背面モニター230とが自動的に切換可能な状態で、外部ビューファインダー300が使用可能となる。その後、使用者は、表示モニターの自動切換を行うか否かの設定(自動切換フラグ241の設定)をメニューに追加された「表示モニター自動切換」の項目20(図3(b)参照)上で変更することができる。
【0043】
1−3−2.表示モニターの切換動作
本実施形態のカメラシステム1における表示モニターの切換動作について説明する。本実施形態では、1)外部ビューファインダー300がカメラボディ200に接続されたことを検知したとき、2)使用者がメニューの「表示モニター自動切換」項目の設定を変更することにより自動切換フラグ241が変更されたとき、または、3)検出スイッチ340の状態が変化したときに、機能させる表示モニターが切換えられる。
【0044】
図7は、本実施の形態に係るカメラシステム1の表示モニターの切換動作を説明するためのフローチャートである。
【0045】
マイコン220が上記の設定/状態が変化したことを検知すると、まず、自動切換フラグ241に基づき、表示モニターの切換が自動切換か手動切換のいずれに設定されているかを判断する(S401)。
【0046】
自動切換フラグ241がON、すなわちメニュー上で使用者により「自動切換」に設定されている場合、マイコン220は、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、表示モニター自動切換機能を動作させる(S409)。マイコン220は、接眼検知センサ310からの検知結果を受けて、接眼検知状態の確認を行う(S410)。マイコン220は、接眼検知センサ310による検知結果が接眼検知状態を示す場合(S410でYES)、機能させる表示モニターを外部ビューファインダー300に設定し、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320へ画像を表示させる(S411)。接眼検知センサ310による検知結果が接眼非検知状態を示す場合(S410でNO)、マイコン220は、機能させる表示モニターを背面モニター230に設定し、背面モニター230へ画像を表示させる(S408)。
【0047】
一方、ステップS401において自動切換フラグ241がOFF、すなわち「手動切換」に設定されている場合、マイコン220は、現在機能している表示モニターが背面モニター230であるか外部ビューファインダー300であるかを確認する(S402)。現在機能している表示モニターが背面モニター230であるとき、マイコン220は表示モニターフラグ243を「ON」に設定し(S403)、現在機能している表示モニターが外部ビューファインダー300であるとき、マイコン220は表示モニターフラグ243を「OFF」に設定する(S404)。
【0048】
次に、マイコン220は検出スイッチ340の状態に基づき、外部ビューファインダー300の状態を確認する(S405)。具体的には、検出スイッチ340の状態がOFF、もしくはONからOFFに変化した時には、外部ビューファインダー300は“収納状態”にあると判断される。よって、その場合、マイコン220は外部ビューファインダー300が収納状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をOFFに設定し、表示モニター自動切換機能を停止させる(S406)。
【0049】
次に、マイコン220は、表示モニターフラグ243を参照して、表示モニターに関するユーザ設定を確認する(S407)。すなわち、マイコン220は、接眼検知動作フラグ242がOFFであるため、表示モニターフラグ243に基づいて、機能させる表示モニターを決定する。表示モニターフラグ243が「OFF」であるとき、すなわち、機能させる表示モニターが外部ビューファインダー300に設定されているときは、マイコン220は、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320へ画像を表示させる(S411)。また、表示モニターフラグ243が「ON」であるとき、すなわち、機能させる表示モニターが背面モニター230に設定されているときは、マイコン220は、背面モニター230へ画像を表示させる(S408)。
【0050】
一方、ステップS405において、検出スイッチ340の状態がON、もしくはOFFからONに変化した時には、外部ビューファインダー300は“バリアングル状態”にあると判断される。よって、その場合、マイコン220は、外部ビューファインダー300がバリアングル状態であると認識し、接眼検知動作フラグ242をONに設定し、表示モニター自動切換機能を動作させる(S409)。以降、同様にして、各フラグや接眼検知動作の結果に応じて、機能させる表示モニターを切り換える。
【0051】
1−4.まとめ
以上のように、本実施形態のカメラシステム1は、被写体像を撮像し画像データを生成するCCDイメージセンサ210と、CCDイメージセンサ210により生成された画像データを表示し、基準位置(収納状態)及び基準位置と異なる位置(バリアングル状態)をとり得る外部ビューファインダー300と、物体が外部ビューファインダー300へ近接していることを検知する接眼検知センサ310と、外部ビューファインダー300が基準位置にあるか否かを検知する検出スイッチ340と、CCDイメージセンサ210により生成された画像データを表示する背面モニター230と、外部ビューファインダー300が基準位置にないことを検出スイッチ340が検知したときは、接眼検知センサ310を動作させ、かつ、接眼検知センサ310が物体の近接を検知したときに外部ビューファインダー300を動作させ、接眼検知センサ310が物体の近接を検知していないときは背面モニター230を動作させるように制御を行うマイコン220と、を備える。
【0052】
以上の構成により、表示モニターの切換設定が「手動切換」に設定されている場合であっても、使用者が外部ビューファインダー300を上方へ回転させバリアングル状態としたときは、表示モニター自動切換機能を動作させる。これにより、表示モニターの自動切換え機能を無効としている場合でも、使用者が外部ビューファインダー300を使用するために、外部ビューファインダー300を回転させたときには、表示モニター自動切換機能が有効になる。このため、使用者が外部ビューファインダー300に接眼すれば、外部ビューファインダー300内のファインダーモニター320に画像が表示され、使用者は外部ビューファインダー300を介して画像の確認等を行うことが可能となる。したがって、使用者は、背面モニター230を視ながらの撮影から外部ビューファインダー300を覗きながらの撮影に撮影スタイルを変更した場合であっても、表示モニターの設定の変更を手動で行う必要がなく、カメラシステム1の使い勝手が向上する。
【0053】
2.他の実施の形態
上記実施の形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。以下、他の実施の形態についてまとめて記載する。
【0054】
上記実施の形態において、カメラシステム1は、カメラボディ200と、これに装着可能な交換レンズ100とを備える構成とした。しかしながら、カメラボディとレンズは必ずしも分離可能である必要はなく、レンズとカメラボディとが一体に構成されてもよい。
【0055】
上記実施の形態において、外部ビューファインダー300はカメラボディ200に対して着脱可能であるものとして説明した。しかしながら、ファインダーモニター320がカメラボディ200に対して上方に回転(チルト動作)可能であれば、外部ビューファインダー300は、カメラボディ200に対して別体である必要はなく、カメラボディ200と一体で構成されていてもよい。
【0056】
上記実施の形態では説明を省略したが、外部ビューファインダー300がカメラボディ200から取り外されたときには、マイコン220は、機能させる表示モニターを背面モニター230に決定すればよい。
【0057】
上記実施の形態では背面モニター230はカメラボディ200の背面に固定して設けられているものとしたが、背面モニター230はかならずしも背面に固定して設けられていなくともよい。例えば、カメラボディ側面に回転軸を設けて、その回転軸を中心として回転可能なように背面モニターをカメラボディに設けてもよい。
【0058】
上記実施の形態では、接眼検知センサ310は接眼窓350に隣接して配置されており、使用者が外部ビューファインダー300を回転させると、接眼検知センサ310は接眼窓350およびファインダーモニター320と一体となって回転するよう構成した。しかし、接眼検知センサ310を、ヒンジ330に対してカメラボディ200側の部材に設けるようにしてもよい。
【0059】
上記実施の形態では、カメラボディ200に外部ビューファインダー300が接続されたときに、設定メニューに「表示モニター自動切換」の設定項目を追加する例(図5のフローチャートのステップS302)を説明した。設定メニューが常時「表示モニター自動切換」の設定項目を有していてもよい。この場合、カメラボディ200に外部ビューファインダー300が接続されていないときは、「表示モニター自動切換」の設定を操作不能にし、カメラボディ200に外部ビューファインダー300が接続され、かつ、接眼検知センサ310の存在が確認できたときに、「表示モニター自動切換」の設定を操作可能にする。
【0060】
上記実施の形態において、撮像素子としてCCDイメージセンサ210を用いるものとして説明したが、撮像素子はこれには限定されない。例えば、本発明においては、CCDイメージセンサ210に代えて、CMOSイメージセンサやNMOSイメージセンサ等、他の撮像素子を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、使用者の撮影スタイルの変更による設定をより簡便にし、使い勝手を向上できるため、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 カメラシステム
100 交換レンズ
200 カメラボディ
210 CCDイメージセンサ
220 マイコン
230 背面モニター
240 DRAM
241 自動切換フラグ
242 接眼検知動作フラグ
243 表示モニターフラグ
250 操作部材
251 ファンクション釦
252 十字キー
260 カードスロット
270 接続コネクタ
300 外部ビューファインダー
310 接眼検知センサ
320 ファインダーモニター
330 ヒンジ
340 検出スイッチ
350 接眼窓
400 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段により生成された画像データを表示し、基準位置及び前記基準位置と異なる位置をとり得る第1の表示手段と、
物体が前記第1の表示手段へ近接していることを検知する近接検知手段と、
前記第1の表示手段が前記基準位置にあるか否かを検知する位置検知手段と、
前記撮像手段により生成された画像データを表示する第2の表示手段と、
前記第1の表示手段が前記基準位置にないことを前記位置検知手段が検知したときは、前記近接検知手段を動作させ、かつ、前記近接検知手段が物体の近接を検知したときに前記第1の表示手段を動作させ、前記近接検知手段が物体の近接を検知していないときに前記第2の表示手段を動作させるように制御を行う制御手段と、
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記第1の表示手段は前記撮像装置の本体に対して着脱可能な表示手段である、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の表示手段が前記撮像装置の本体に装着されたときに、使用者が前記撮像装置の機能を設定するためのメニューにおいて、前記第1の表示手段及び前記第2の表示手段間の自動切換に関する設定項目が追加される、
請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
使用者が前記撮像装置に対する指示を行う操作部材をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1の表示手段が前記撮像装置の本体に装着されたときに、前記操作部材に対して、前記第1の表示手段及び第2の表示手段間の手動切換えに関する機能を割り当てる、
請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の表示手段が前記基準位置にあることを前記位置検知手段が検知したときは、前記近接検知手段の機能を停止させるように制御する、
請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像した画像データを表示する表示手段であって基準位置及び前記基準位置と異なる位置をとり得る第1の表示手段を装着可能な撮像装置であって、
撮像した画像データを表示する第2の表示手段と、
前記第1の表示手段が前記基準位置にあるか否かを判断する位置判断手段と、
物体が前記第1の表示手段へ近接しているか否かを判断する近接判断手段と、
前記第1及び第2の表示手段を制御する制御手段と、を備え、
前記位置判断手段により前記第1の表示手段が前記基準位置にないと判断された場合、前記制御手段は、前記近接判断手段により物体が前記第1の表示手段へ近接していると判断されたときに前記第1の表示手段を動作させ、前記近接判断手段により物体が前記第1の表示手段へ近接していると判断されていないときに前記第2の表示手段を動作させるように制御を行う、
撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の表示手段が前記撮像装置の本体に装着されたときに、使用者が前記撮像装置の機能を設定するためのメニューにおいて、前記第1の表示手段及び前記第2の表示手段間の自動切換に関する設定項目を追加する、
請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
使用者が前記撮像装置に対する指示を行うための操作部材をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1の表示手段が前記撮像装置の本体に装着されたときに、前記操作部材に対して、前記第1の表示手段及び第2の表示手段間の手動切換えに関する機能を割り当てる、
請求項6記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−23723(P2012−23723A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132358(P2011−132358)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】