説明

撮像装置

【課題】 動画撮影時に、被写体の輝度変化に対応したゲイン設定を行うと共に、ゲイン設定切換え時に生じる撮影画像の輝度変化による画像劣化を低減すること。
【解決手段】 第1の増幅手段と、第2の増幅手段の出力との合計が入射光量に基づく露出制御手段の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅手段に設定される第1のゲインと第2の増幅手段に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、制御ゲインが所定の第1の閾値以上かつ第1の閾値と第2の閾値の範囲内にある場合に、撮像装置本体のブレ検出手段の出力に基づきパン/チルト判定手段によってパンニングと判定された場合に行う。また、パンニングでない場合は、ゲイン制御手段によって露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、変化量が所定の閾値以上と判断された場合に、第1の増幅手段の第1のゲインと第2の増幅手段の第2のゲインを切り換えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、詳しくは、動画撮影時の撮像装置の感度制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCD、CMOS等の固体撮像素子を用いたデジタルビデオカメラでは、撮影シーンの輝度変化に基づき自動的に感度を制御し、適正露出で撮影可能な機能(以下、自動露出制御機能)を備えている。この自動露出制御機能は、光学的な絞り・ND制御および時間的な電子シャッター制御、更にはカメラ内部の電気信号を増幅する電気的なゲイン制御によって入射光量の調節を実現している。電気信号のゲイン制御は信号レベルと同時にノイズレベルも同様に増幅してしまうため、自動露出制御機能は、絞り・ND制御と電子シャッター制御での入射光量の調節を優先的に行うことが一般的である。
【0003】
しかしながら、撮影シーンの照度が低く、絞り・ND制御と電子シャッター制御では十分な光量が得られない場合には電気信号のゲイン制御が必須となる。この電気信号のゲイン制御には、いくつかの方法があり、例えば、信号処理系統内に複数設けられた増幅手段の前段で大きくゲインをかけ、後段で前段より刻み幅の細かいゲインをかけることによって、ノイズの少ない画像を得るというものがある。
【0004】
具体的には、撮像素子のレイアウト構成上、ゲインの設定が1倍、2倍、4倍等の離散的となる撮像素子内部に設ける前段のアナログ増幅手段と、前記アナログ増幅手段より細かい刻み幅のゲイン設定が可能な撮像素子より後段の電気回路に設けるデジタル増幅手段とを、各々備える構成とする。前述の構成において、後段のデジタル増幅手段の細かい刻み幅のゲイン制御を行い、所定時間経過後に撮像素子内部のアナログ増幅手段の離散的なゲイン制御を組み合わせることで増幅時のノイズの影響を低減しつつ、連続的なゲイン制御を可能とする撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、他の提案として、ゲイン分割ステップの大きい第1の増幅手段とゲイン分割ステップのより小さい第2の増幅手段を備え、二つの増幅手段のゲイン特性が線形な特性となるように、前記第1の増幅手段のゲイン切換えを考慮して、前記第2の増幅手段のゲインを変化させる撮像装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
前述の特許文献1は、動画撮影時の輝度変化を滑らかにするため、被写体の輝度が低下してからあらかじめ設定された時間の間は、アナログ増幅手段のゲインは変えずに、後段のデジタル増幅手段のゲインによってゲイン調節を行う。その後、被写体の輝度が変化してから変化した輝度レベルのままあらかじめ設定した時間が経過したら、アナログ増幅手段のゲインを変えるとともにデジタル増幅手段のゲインも変え、最終的なトータルゲインが変わらないゲイン制御を行うように制御を可能としている。
【0007】
また、前述の特許文献2は、動画撮影時の輝度変化を滑らかにするため、第1および第2の二つの増幅手段のゲイン特性が線形な特性となるように、前記第1の増幅手段のゲイン切換えを考慮して、前記第2の増幅手段のゲインを変化させている。そして、ゲイン分割ステップの大きい第1の増幅器のゲイン切換り時に生じるノイズを含む映像信号部分を有する映像フレーム信号を、他のフレーム信号に置き換えることで、映像信号に生じるノイズの影響をなくすことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−049981号公報
【特許文献2】特許第03573442号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1では、動画撮影時の輝度の変化に対して、あらかじめ設定された時間の間は前段のアナログ増幅手段によるゲイン変更をせず、後段のデジタル増幅手段のみでゲイン調節を行い、その後、被写体の輝度変化が変化した輝度レベルのままあらかじめ設定された時間経過後に、アナログ増幅手段のゲインを変えるとともにデジタル増幅手段のゲインも変え、最終的なトータルゲインが変わらないゲイン調節を行うように制御するため、以下のような問題があった。
【0010】
例えば、アナログ増幅手段とデジタル増幅手段のゲイン切換えを、被写体の輝度が変化した輝度レベルのままあらかじめ設定された時間経過後の輝度レベルが安定した状態で行っているので、ゲイン切換え時の切換えノイズが目立つ場合がある。
【0011】
また、動画撮影時の輝度の変化に対して、あらかじめ設定された時間の間は前段のアナログ増幅手段のゲイン変更量を所望のゲイン変更量の半分程度とし、前段のアナログ増幅手段のゲインに不足する分を後段のデジタル増幅手段によってゲイン調節を行い、その後、被写体の輝度変化が変化した輝度レベルのままあらかじめ設定された時間経過後に、アナログ増幅手段のゲインを更に変えるとともにデジタル増幅手段のゲインも変え、最終的なトータルゲインが変わらないゲイン調節を行うように制御するため、以下のような問題があった。
【0012】
アナログ増幅手段とデジタル増幅手段のゲイン切換えを、被写体の輝度が変化した輝度レベルが変化した時点と、被写体の輝度が変化した輝度レベルのままあらかじめ設定された時間経過後に行っているので、ゲイン切換え時の切換えノイズが複数回発生して目立つ場合がある。
【0013】
また、上記特許文献2では、ゲイン分割ステップの大きい第1の増幅器のゲイン切換り時に生じるノイズを含む映像信号部分を有する映像フレーム信号を、直前のフレーム信号に置き換えることで、映像信号に生じるノイズの影響をなくすとしているため、以下のような問題があった。
【0014】
例えば、撮影時の撮像装置は定点撮影とは限らず、パンニングやチルティング(以下、パンニング)、画角変更など、ユーザーの意図による操作がなされる。従って、撮影シーンによっては輝度変化が大きく生じる場合があり、ゲイン制御の追従が収束するまでに時間を要し、増幅手段のゲイン切換え時に生じるノイズを含む映像信号部分を有するフレーム信号の連続性が乏しくなるような場合は、直前のフレーム信号に置き換えてもゲイン切換えノイズがなくなる効果が弱くなる、あるいはフレーム信号間の相関がなくなり逆にノイズが生じてしまう。
【0015】
したがって、本出願に係る第1の目的は、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定のアナログ増幅手段と、前記アナログ増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能なデジタル増幅手段とのゲイン設定切換えを、撮影者の意図的な撮像装置のパンニングが行われた時に行い、また、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行い、アナログ増幅手段のゲイン切換えノイズが目立つことを低減させることにある。
【0016】
また、本出願に係る第2の目的は、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定のアナログ増幅手段と、前記アナログ増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能なデジタル増幅手段とのゲイン設定切換えを、撮影者の意図的な撮像装置の画角変更操作が加えられた時に行い、また、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行い、アナログ増幅手段のゲイン切換えノイズが目立つことを低減させることにある。
【0017】
また、本出願に係る第3の目的は、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定のアナログ増幅手段と、前記アナログ増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能なデジタル増幅手段とのゲイン設定切換えを、低照度被写体での焦点調節の再合焦動作が行われている時に行い、アナログ増幅手段のゲイン切換えノイズの撮影画像への影響を低減する。また、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行い、アナログ増幅手段のゲイン切換えノイズが目立つことを低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、撮像光学手段と、前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、装置本体のぶれを検出するブレ検出手段と、前記ブレ検出手段の出力から装置本体がパンニング状態あるいはチルティング状態であるかをの判定するパン/チルト判定手段と、前記露出制御手段の出力と前記パン/チルト判定手段の出力に基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記パン/チルト判定手段によってパンニング状態あるいはチルティング状態であると判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するため、本出願に係る第2の発明は、ズームレンズを含む撮像光学手段と、前記ズームレンズを駆動するレンズ駆動手段と、前記ズームレンズの位置を検出しズームレンズの位置から焦点距離を算出する焦点距離算出手段と、前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、前記露出制御手段の出力と前記焦点距離算出手段の出力とに基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記ズームレンズ位置検出手段の出力変化によって画角変更操作がなされたと判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、本出願に係る第3の発明は、フォーカスレンズを含む撮像光学手段と、前記フォーカスレンズを駆動するレンズ駆動手段と、前記フォーカスレンズによって調節される焦点の合焦状態を検出する合焦判定手段と、前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、前記露出制御手段の出力と前記合焦判定手段の出力とに基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記合焦判定手段の出力に基づき合焦位置の再検出動作がなされたと判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本出願に係る第1の発明によれば、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定の第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能な第2の増幅手段とのゲイン設定切換えを、撮影者の意図的な撮像装置のパンニングが行われた時に行うようにした。また、パンニングが行われていない場合は、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行うようにしたので、動画撮影中のフレーミングの変化がアンプゲイン切換え時の輝度変化による撮影画像への影響度を低減することとなり、撮影画像の品質が向上できる効果がある。
【0022】
また、本出願に係る第2の発明によれば、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定の第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能な第2の増幅手段とのゲイン設定切換えを、撮影者の意図的な撮像装置の画角変更操作が加えられた時に行うようにした。また、画角変更が行われていない場合は、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行うようにしたので、動画撮影中の画角の変化がアンプゲイン切換え時の輝度変化による撮影画像への影響度を低減することとなり、撮影画像の品質が向上できる効果がある。
【0023】
また、本出願に係る第3の発明によれば、低照度の被写体を撮影する場合に、離散的なゲイン設定の第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段より細かい刻みのゲイン設定可能な第2の増幅手段とのゲイン設定切換えを、低照度被写体での焦点調節の再合焦動作が行われている時に行い、第1の増幅手段のゲイン切換えノイズの撮影画像への影響を低減するようにした。また、焦点調節が行われていない場合は、ゲイン設定切換えを予め定めた範囲を持つ閾値内で行うようにしたので、動画撮影中の画像の鮮鋭度の変化がアンプゲイン切換え時の輝度変化による撮影画像への影響度を低減することとなり、撮影画像の品質が向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係わる撮像装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】第1のゲイン、第2のゲイン及び制御ゲインの関係を説明する図である。
【図3】(a)は撮影中の撮像装置に加わるブレ検出信号の変化の一例を示した図、(b)は撮影中の被写体の輝度変化の一例を示した図である。
【図4】第1の実施形態の制御ゲイン設定処理のフローチャートである。
【図5】入射光量に対する垂直同期周期期間の制御ゲイン変化量を模式的に示した図である。
【図6】第2の実施形態の制御ゲイン設定処理のフローチャートである。
【図7】(a)は撮像装置のテレ端での撮影画像の一例を示した図、(b)は撮像装置のテレ端とワイド端の画角変更途中の任意の画角での撮影画像の一例を示した図、(c)は撮像装置のワイド端での撮影画像の一例を示した図である。
【図8】画角変更中の被写体の輝度変化の一例を示した図である。
【図9】第3の実施形態の制御ゲイン設定処理のフローチャートである。
【図10】輝度レベルが変化した時のオートフォーカス信号の変化量の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示したブロック図である。なお、本実施形態では、ビデオカメラについて説明するが、本発明は、デジタルスチルカメラ等の他の撮像装置にも適用することが可能である。
【0027】
図1において、101は被写体を撮影する撮影レンズであり、鏡筒に固定される固定レンズ102、と固定レンズ107、画角変更を行うズームレンズ103、前記ズームレンズ103の位置検出センサ104、焦点調節を行うフォーカスレンズ108、前記フォーカスレンズ108の位置検出センサ109、入射光量を調節する絞り105、前記絞り105の位置検出センサ106を備えている。110は前記撮像レンズの各駆動部を動作させる駆動回路であるドライバ、111は装置本体のぶれを検出するブレ検出センサ、112は撮像装置の動作指示をする操作スイッチ群、113は前記撮影レンズ101によって結像された被写体像を電気信号に変換する撮像素子、114は前記撮像素子113内部において前記撮影レンズ101が集光する入射光を電気信号に変換する光電変換部、115は前記光電変換部114で光電変換された電気信号を増幅する第1の増幅部、116は前記撮像素子113の出力に相関二重サンプリングを行うCDS部及びアナログ画素信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換部を含むAFE、117は前記AFE116の出力に所定の信号処理を施すマイクロコンピュータ(以下、マイコン)である。
【0028】
次に、前記マイコン117内に構成される処理ブロックを説明する。
【0029】
118は前記AFE116でA/D変換されたデジタル画像信号の縦線補正データを生成するセンサ補正部、119は前記センサ補正部118の出力を適正な輝度レベルにするためにデジタル的に増幅する第2の増幅部、120は前記第2の増幅部119の出力である輝度レベルの変動を適正に保つための制御を行う露出制御部、121は前記露出制御部120の出力に、γ・アパーチャ・カラーバランス等の画像処理を施し所望の動画フォーマットに変換して後段の信号処理部へ出力する画像処理部である。前記画像処理部121の出力が後段の信号処理部へ供給され、不図示の表示部に表示がなされ、不図示の記録部によって画像の記録が行われることとなる。また、露出制御部120の出力は、後述するゲイン制御部122、レンズ駆動制御部123へも出力される。122は前記露出制御部120の出力と、レンズ駆動制御部123および後述するパン/チルト判定部124の出力とから、前記第1の増幅部115、前記第2の増幅部119のゲイン設定を切換え制御するゲイン制御部、123は前記露出制御部120の出力によって前記撮像レンズ101に備えられる絞り105を前記レンズドライバ110を介して駆動するレンズ駆動制御部である。レンズ駆動制御部123は絞り105の他に操作部112の操作によって撮影レンズ101内のズームレンズ103を駆動し画角の変更と、撮像素子113に結像される撮影画像のコントラスト情報からフォーカスレンズ108を駆動し焦点調節も可能としている。124は前記ブレ検出部111の出力から装置本体がパンニング状態あるいはチルティング状態(以下、パンニング状態またはパンニング)であるか否かを判定するパン/チルト判定部、125は前記絞り105の位置検出センサ106の出力から絞り位置を検出する絞り位置検出部、126は前記ズームレンズ103の位置検出センサ104の出力からズームレンズの位置を検出し、ズームレンズの位置から焦点距離を算出する焦点距離算出部、127は前記AFE116の出力から焦点調節信号を算出し、合焦位置を判定する合焦判定部である。
【0030】
次に、上記のように構成される撮像装置の動作について説明する。撮影レンズ101によって結像された被写体像は入射光として撮像素子113に入力される。撮像素子113は、内部において入射光を電気信号に変換する光電変化部114と電気信号を増幅する第1の増幅部とで構成される。撮影レンズ101から入力された入射光は撮像素子113内部の光電変換部114によって光電変換がなされ電気信号へと変換される。次に、光電変換された電気信号は、撮像素子113内部の第1の増幅部115に入力され、所定量増幅され出力することになるが、第1の増幅部115のゲイン設定は撮像素子内部レイアウトの関係により、例えば、0[dB]、6[dB]、12[dB]のように離散的なゲイン設定となる。この離散的なゲインを第1のゲインと呼ぶことにする。また、この第1のゲインは撮影中、被写体像の輝度レベルによって切換えるが、その詳細は後述する。
【0031】
次に、撮像素子113の出力はAFE116に入力される。AFE116では、撮像素子113のノイズ・オフセット誤差を抑えるCDS処理、アナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換処理を施し、デジタル画像信号をマイコン117に出力する。
【0032】
次に、マイコン117に入力されたデジタル画像信号は、センサ補正部118にて縦線補正が施される。これは、CMOS撮像素子のような列毎に個別の列アンプを有するデバイスでは列アンプ毎のオフセット成分のバラツキによる縦線が生じるので、遮光されている垂直OB領域でライン毎に複数フレームを用いて列毎にクランプすることでオフセット除去し、縦線補正を行うものである。センサ補正部118によって縦線補正が施されたデジタル画像信号は、第2の増幅部119へ入力される。
【0033】
次に、第2の増幅部119では、入力されたデジタル画像信号を前述の第1の増幅部115の第1のゲインよりゲイン分割ステップの小さいゲインで所定量増幅される。この第2の増幅部119のゲイン分割ステップの小さいゲインを第2のゲインと呼ぶことにする。第2の増幅部119の出力は、第1の増幅部115の第1のゲインと第2の増幅部119の第2のゲインとの合計されたゲインによって増幅され、露出制御部120に入力される。
【0034】
次に、露出制御部120では、入力されたデジタル画像信号の輝度レベルが適正となるように撮像素子113に入力される入射光量を調節している。具体的には、第2の増幅部119から入力されたデジタル画像信号の輝度レベルに基づいて、レンズ駆動制御部123に駆動制御信号を出力し、レンズドライバ110を介して撮影レンズ101の備える絞り105の開閉、不図示のND機構の挿入出を制御するのである。また、撮影シーンの照度が低下して、絞り開放、ND未挿入、電子シャッターを低速化しても適正露出を得られない場合に、露出制御部120はデジタル画像信号を増幅するための増幅信号をゲイン制御部122へ出力する。この増幅信号を制御ゲインと呼ぶことにする。
【0035】
制御ゲインを出力しデジタル画像信号を増幅すると、デジタル画像信号の輝度レベルが増幅されると同時にデジタル画像信号のノイズレベルも増幅されることとなり、S/N比劣化を生じるが低照度撮影には必須の制御である。露出制御部120から出力される制御ゲインはゲイン制御部122を介して、第1のゲインと第2のゲインに各々適切なゲイン設定が成され、第1の増幅部115と第2の増幅部119に供給される。
【0036】
次に、ゲイン制御部122によって制御ゲインが第1の増幅部115の第1のゲインと第2の増幅部119の第2のゲインの各々に適切なゲイン設定がされることについて図2を用いて説明する。図2は露出制御部120の出力する制御ゲインと第1の増幅部にかける第1のゲインと第2の増幅部にかける第2のゲインの関係を示した図であり、横軸は入射光量を、縦軸は各アンプのゲインを表している。図2では、右側ほど入射光量が少ない低照度であり、高いゲインをかける設定となっている。図2において、201は露出制御部120の出力する制御ゲインである。202は第1の増幅部115に設定される第1のゲインであり、撮像素子113内のアナログアンプであるため例えば、6[dB]単位の分割ステップが大きい離散的なゲインとなっている。制御ゲイン201には第1のゲイン202の切換えを動的にするためgainTH1とgainTH2の2点の閾値が設定されている。この第1のゲイン202を動的に切換えることについての詳細は後述する。204は第2の増幅部119に設定される第2のゲインであり、マイコン117内のデジタルアンプであるため、第1のゲイン202より分割ステップが小さく小刻みなゲイン設定が可能である。また、図2からわかるように第1のゲインと第2のゲインの合計ゲインが制御ゲインとなるので、第1のゲインで調節できないゲイン分を第2のゲインによって調節する。
【0037】
例えば、撮影者の意図的なパンニング操作によって被写体の輝度が低下して制御ゲインが5[dB]から10[dB]に設定変更された場合、第1のゲインを6[dB]、第2のゲインを4[dB]に設定する。具体的には、第2のゲインを第1のゲインの最初のゲイン切換えステップの6[dB]までゲインを上げ、第2のゲインが6[dB]に達すると同時に、第1のゲインを6[dB]に切換え、第2のゲインは6[dB]ゲインを下げてからその後、第2のゲインで不足するゲイン分4[dB]のゲインをかけるように動作する。このように、低照度時に高感度設定が必要な環境下において、ゲイン分割ステップの大きな第1の増幅部115と、ゲイン分割ステップが小さな第2の増幅部119とを組み合わせて使用するとき、各々の増幅部に大きなゲイン変化があるため、そのゲイン変化時に撮影画像の輝度レベルが変動し、画面がちらつくようにみえる場合がある。この撮影画像の輝度レベルの変動によるちらつき(以下、輝度ちらつき)が目立つ頻度を低減させるために、本発明の撮像装置では、ゲイン制御部122に撮像装置のブレ情報を用いて、ゲイン切換えのタイミングを輝度変化の状態と撮像装置のパンニング判定に基づいて行うようにしている。
【0038】
撮像装置が撮影者によって動かされた場合に画像が大きく動くため、画像の動きのマスキング効果で輝度ちらつきが目立つのを低減するのである。そのため、ゲイン制御部122は露出制御部120の出力以外に、撮像装置がパンニング状態であることを判定するパン/チルト判定部の出力も参照している。
【0039】
次に、撮影時のある期間中の撮像装置に加わるブレ検出信号の変化と被写体の輝度変化の一例を図3(a)、図3(b)に各々示す。図3(a)、図3(b)各々において、横軸は時間を表しており、図3(a)の縦軸はブレ検出信号の変化を、図3(b)の縦軸は被写体の輝度変化を表している。図3(a)において、301はブレ検出信号、302、303はブレ検出信号に設定されている閾値であり、302がプラス側の閾値、302がマイナス側の閾値である。ブレ検出信号及び閾値にプラスマイナスの方向があるのは、ブレのない状態をブレ検出信号301を「0」とし、装置本体が上下左右のどの方向に動いたかを判断するためである。
【0040】
装置本体は、ブレ検出信号301が閾値302−閾値303間の範囲外となった場合に、パンニング状態と判定する。また、パンニング状態と判定された後、ブレ検出信号が再び閾値302−閾値303間の範囲内となった場合にパンニング状態が終了したと判定する。したがって、図3(a)では、Psが撮像装置のパンニング開始のタイミングであり、Peが撮像装置のパンニング終了のタイミングとなる。
【0041】
次に、図3(b)において、304、305は輝度レベルであり、図3(a)のPsのタイミングで輝度レベル304が急激に変化していることを表している。一方、輝度レベル305は図3(a)のPsのタイミングで輝度レベルが緩やかに変化した場合を模式的に示したものである。図3(a)、図3(b)からわかるように、Psのタイミングでの輝度レベルが急激に変化(輝度レベル304)し、パンニングと判定されたらゲイン制御部122でのゲイン切換えを行う。また、Psのタイミングで模式的に示した輝度レベル305のような輝度レベルの変化が緩やかに変化するようであれば、パンニング判定直後のゲイン制御部122でのゲイン切換えは行わない。
【0042】
次に、マイコン117の全体の処理内におけるゲイン制御部122でのゲイン切換えの処理について、図2のグラフと図4のフローチャート、図5のグラフを用いて説明する。
【0043】
図4において、処理が開始されるとまずステップS401にて制御ゲイン201が設定されたgainTH1以上かつgainTH1とgainTH2の二つのゲイン閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この二つのゲイン閾値は、図2に記載の6[dB]と9[dB]に設定された閾値を指している。これは、第1及び第2のゲインの切換えを設定された二つのゲイン閾値の範囲内で動的に切換えるためである。制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にある場合は(yes)、ステップS402へ進み、制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にない場合は(no)、ステップS403へ進む。ステップS402へ進んだ場合は、撮像装置のブレ状態から、パンニングが検出されたか否かを判断する。これは、パンニングを検出したら第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、各々のゲインを切換えたことによる撮影画像の輝度のちらつきを低減するために行う判断処理である。ステップS401では、制御ゲイン201が第1のゲイン202を切換えが可能な範囲内にあると判断されているためパンニングが検出されていれば(yes)ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0044】
次に、ステップS401の判断結果がステップS403進んだ場合(no)を説明する。ステップS403では、制御ゲイン201が第2のゲイン203のみで画像信号のゲイン設定が可能な状態であるので、第2のゲインによるゲイン調節を行い、第1のゲインを切換えを実行しない。ステップS403の処理が終了したら、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで処理を待機する。
【0045】
次に、ステップS402の判断結果がステップS404へ進んだ場合(yes)の説明をする。ステップS404では、制御ゲイン201のゲイン変動量が所定値以上か否かを判断している。これは、所定期間、例えば、垂直同期信号周期期間(以下、V周期期間)でのゲイン変動量が所定値以上か否かによって輝度変化のレベルの大小を判断しているのである。この判断は、第1及び第2のゲインの切換えによる輝度変化による輝度ちらつきが、輝度変化のレベルが大きい場合より小さい場合の方が目立ちやすいためで、第1及び第2のゲインの切換えを輝度変化のレベルが大きい時に行い、輝度ちらつきが目立つことを低減するためである。ここで設定するゲイン変動量の所定値は検討などから導き出した値を閾値として設定すればよい。ステップS404でゲインの変動量が所定値以上の場合は(yes)、ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0046】
ここで、図5に入射光量に基づく制御ゲイン201のV周期期間におけるゲイン変化量を説明するための模式図を示す。図5において、横軸は時間であるV周期期間を、縦軸はゲインをとっている。201a、201bは入射光量に基づく制御ゲインであり、201aは入射光量が急激に減少した場合を、202bは入射光量が緩やかに変化した場合を示している。501、502は制御ゲイン201a、201bのV周期期間におけるゲイン変化量であり、この変化量501、変化量502が予め設定されるゲイン変化量の閾値と比較されることになる。gainTH1とgainTH2は第1のゲイン202の切換えをするための閾値である。
【0047】
図4のフローチャートに戻り、ステップS404の判断結果がステップS406へ進んだ場合(no)の説明をする。ステップS406では、ステップS404での制御ゲイン201が第1のゲイン切換え閾値であるgainTH2以下か否かを判断している。これは、ステップS404での判断が、輝度変化のレベルが小さいとなったため、前述の通り、撮影画像の輝度ちらつきが目立つことを低減するために、第1及び第2のゲイン切換えを第1のゲイン切換え閾値gainTH2以上となるまで遅らせる処理である。第1及び第2のゲイン切換えを可能な限り遅らせることで、撮影画像の輝度ちらつきの発生頻度を低減させようとするものである。
【0048】
ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以下であれば(yes)、ステップS401に進み、ステップS401、ステップS402、ステップS404の処理を繰り返す。ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以上であれば(no)、ステップS405へ進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0049】
こうして、露出制御部120によって入射光量の変化に基づく適正な露出制御が施されたデジタル画像信号を画像信号処理部113へ出力する。
【0050】
次に、露出制御部120によって適正な露出制御が施されたデジタル画像信号は画像信号処理部113へ入力される。
【0051】
次に、画像信号処理部113では、入力されたデジタル画像信号にγ・アパーチャ・カラーバランス等の各画像処理を施し所望の動画フォーマットに変換して後段の信号処理部へ出力する。出力された画像処理後の画像信号は、不図示の表示部にモニター画像として表示されたり、不図示の記録部に記録されることとなる。
【0052】
以上、説明したように第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮像装置本体のブレが所定以上のパンニング状態である時に行うこととした。そうすることで、被写体輝度が低下した撮影での第1のゲインと第2のゲインの各々のゲイン切換えで生じる撮影画像の輝度ちらつきが目立つ頻度を低減することが可能となった。また、撮像装置の動きがない場合でも、入射光量のV周期期間中の制御ゲイン変化量に基づいて第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えのポイントを二つの閾値の範囲内で行うようにした。そうすることで輝度変化のレベルが大きい場合は、ゲイン切換えを素早く行え、輝度変化のレベルが小さい場合は、可能な限りゲイン切換えを遅らせることで、ゲイン切換え時の輝度ちらつきの発生頻度を低減することが可能となった。
【0053】
<第2の実施形態>
前述第1の実施形態では、第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部115に設定される第1のゲインと第2の増幅部119に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮像装置本体がパンニング状態である時に行うようにした。そうすることで、ゲイン切換えで生じる撮影画像の輝度ちらつきが目立つ頻度を低減可能なことについて説明した。また、撮像装置の動きがない場合は、入射光量のV周期期間中の制御ゲイン変化量に基づいて第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えのポイントを二つのゲイン閾値の範囲内で行うようにした。そうすることで、輝度変化のレベルが大きい場合はゲイン切換えを素早く行え、輝度変化のレベルが小さい場合は可能な限りゲイン切換えを遅らせることを可能とし、ゲイン切換え時の輝度ちらつきの発生頻度を低減可能なことについて説明した。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態では、第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮像装置の撮影画角の変更に伴い行うようにしたものである。第2の実施形態に係わる構成は第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0055】
次に、マイコン117の全体の処理内におけるゲイン制御部122での画角変更に伴うゲイン切換えの処理について図2のグラフと図6のフローチャートを用いて説明する。説明にあたり、第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。
【0056】
図6において、処理が開始されるとまずステップS401にて制御ゲイン201が設定されたgainTH1以上かつgainTH1とgainTH2の二つのゲイン閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この二つのゲイン閾値は、図2に記載の6[dB]と9[dB]に設定された閾値を指している。これは、第1および第2のゲインの切換えを設定された二つのゲイン閾値の範囲内で動的に切換えるためである。制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にある場合は(yes)、ステップS601へ進み、制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にない場合は(no)、ステップS403へ進む。ステップS601へ進んだ場合は、撮影レンズ101に備えるズームレンズ位置検出センサ104によってズームレンズ位置を検出し、ズームレンズの位置から焦点距離を算出し、焦点距離の変化から、画角変更が実行されたか否かを判断する。これは、撮影者のズーム操作によって画角が変更されたことを検出したら第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、各々のゲインを切換えたことによる撮影画像の輝度のちらつきを低減するために行う判断処理である。画角変更の実行がされたか否かに関しては、焦点距離検出位置に所定の不感帯を設定し、所定の焦点距離以上の変化があった場合に、画角変更がされたと判断する。つまり、少しの画角変更がされた程度による頻繁なゲイン切換えによる撮影画像の輝度ちらつきを生じさせないためである。ステップS401では、制御ゲイン201が第1のゲイン202を切換えが可能な範囲内にあると判断されているため画角変更操作が検出されれば(yes)ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0057】
次に、ステップS401の判断結果がステップS403進んだ場合(no)を説明する。ステップS403では、制御ゲイン201が第2のゲイン203のみで画像信号のゲイン設定が可能な状態であるので、第2のゲインによるゲイン調節を行い、第1のゲインを切換えを実行しない。ステップS403の処理が終了したら、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで処理を待機する。
【0058】
次に、ステップS601の判断結果がステップS404へ進んだ場合(yes)の説明をする。ステップS404では、制御ゲイン201のゲイン変動量が所定値以上か否かを判断している。これは、所定期間、例えば、垂直同期信号周期期間(以下、V周期期間)でのゲイン変動量が所定値以上か否かによって輝度変化のレベルの大小を判断しているのである。この判断は、第1及び第2のゲインの切換えによる輝度変化による輝度ちらつきが、輝度変化のレベルが大きい場合より小さい場合の方が目立ちやすいためで、第1及び第2のゲインの切換えを輝度変化のレベルが大きい時に行い、輝度ちらつきが目立つことを低減するためである。ここで設定するゲイン変動量の所定値は検討などから導き出した値を閾値として設定すればよい。ステップS404でゲインの変動量が所定値以上の場合は(yes)、ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。入射光量に基づく制御ゲイン201のV周期期間におけるゲイン変化量に関しては、第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0059】
ここで、撮影時に撮影者による画角変更が行われた一例を図7(a)、図7(b)、図7(c)に、画角変更による輝度レベルの変化の状態の一例を図8に示す。図7(a)、図7(b)、図7(c)において、図7(a)は、撮像装置のテレ端での撮影画像である。図7(b)は、テレ端からワイド端への画角変更途中の任意の撮影画像である。図7(c)は、ワイド端の撮影画像である。また、図8において、701は輝度レベルであり、図7(a)、図7(b)、図7(c)のように画角変更がされた場合の輝度レベルの変化状態の一例を示している。輝度レベルの変化の仕方は、画角変更のスピードや撮影画角内の被写体輝度によっては異なることになる。
【0060】
フローチャートに戻り、ステップS404の判断結果がステップS406へ進んだ場合(no)の説明をする。ステップS406では、ステップS404での制御ゲイン201が第1のゲイン切換え閾値であるgainTH2以下か否かを判断している。これは、ステップS404での判断が、輝度変化のレベルが小さいとなったため、前述の通り、撮影画像の輝度ちらつきが目立つことを低減するために、第1及び第2のゲイン切換えを第1のゲイン切換え閾値gainTH2以上となるまで遅らせる処理である。第1及び第2のゲイン切換えを可能な限り遅らせることで、撮影画像の輝度ちらつきの発生頻度を低減させようとするものである。
【0061】
ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以下であれば(yes)、ステップS401に進み、ステップS401、ステップS601、ステップS404の処理を繰り返す。ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以上であれば(no)、ステップS405へ進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0062】
こうして、露出制御部120によって入射光量の変化に基づく適正な露出制御が施されたデジタル画像信号を画像信号処理部113へ出力する。画像信号処理部113に入力された後の信号処理に関しては、第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0063】
以上、説明したように第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮影者の意図的なズーム操作による画角変更がされた時に行うこととした。そうすることで、被写体輝度が低下した撮影での第1のゲインと第2のゲイン各々のゲイン切換えで生じる撮影画像の輝度ちらつきが目立つ頻度を低減することが可能となった。また、撮像装置に画角の変化がない場合でも、入射光量のV周期期間中の制御ゲイン変化量に基づいて第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えのポイントを二つの閾値の範囲内で行うようにした。そうすることで輝度変化のレベルが大きい場合は、ゲイン切換えを素早く行え、輝度変化のレベルが小さい場合は、可能な限りゲイン切換えを遅らせることで、ゲイン切換え時の輝度ちらつきの発生頻度を低減することが可能となった。
【0064】
<第3の実施形態>
前述第1の実施形態、前述第2の実施形態では、第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部115に設定される第1のゲインと第2の増幅部119に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮像装置本体が撮影者の意図的な操作が行われた時に行うようにした。撮影者の意図的な操作とは、パンニングや画角変更のことであり、そうしたことによって撮影画像に動きがあった時にゲイン切換えで生じる輝度ちらつきが目立つ頻度を低減することについて説明した。また、撮像装置が撮影者による意図的な操作がされなかった場合は、入射光量のV周期期間中の制御ゲイン変化量に基づいて第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えのポイントを二つのゲイン閾値の範囲内で行うようにした。そうしたことで、輝度変化のレベルが大きい場合はゲイン切換えを素早く行え、輝度変化のレベルが小さい場合は可能な限りゲイン切換えを遅らせることを可能とし、ゲイン切換え時の輝度ちらつきの発生頻度を低減することについて説明した。本発明の第3の実施形態では、第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮影画像の輝度レベルが低下した場合にオートフォーカス機能の撮影画像の鮮鋭度が大きく損なわれた場合に行うようにしたものである。第3の実施形態に係わる構成は第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0065】
次に、マイコン117の全体の処理内におけるゲイン制御部122での焦点調節機能による撮影画像の鮮鋭度が大きく損なわれた場合に伴うゲイン切換えの処理について図2のグラフと図9のフローチャートを用いて説明する。説明にあたり、第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。
【0066】
図9において、処理が開始されるとまずステップS401にて制御ゲイン201が設定されたgainTH1以上かつgainTH1とgainTH2の二つのゲイン閾値の範囲内にあるか否かを判断する。この二つのゲイン閾値は、図2に記載の6[dB]と9[dB]に設定された閾値を指している。これは、第1および第2のゲインの切換えを設定された二つのゲイン閾値の範囲内で動的に切換えるためである。制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にある場合は(yes)、ステップS901へ進み、制御ゲイン201が二つのゲイン閾値の範囲内にない場合は(no)、ステップS403へ進む。ステップS901へ進んだ場合は、撮影レンズ101に備えるフォーカスレンズの位置が合焦点の位置から所定以上移動したか否かを判断する。これは、被写体の輝度レベルが低下して撮影画像のコントラストが低くなり、フォーカスレンズが合焦位置の再検索を開始するので、フォーカスレンズ位置が所定以上移動したことを検出したら第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、各々のゲインを切換えたことによる撮影画像の輝度のちらつきを合焦していない間に行うための判断処理である。ステップS401では、制御ゲイン201が第1のゲイン202を切換えが可能な範囲内にあると判断されているためフォーカスレンズ位置が所定以上合焦位置から外れていれば(yes)ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0067】
ここで、被写体の輝度レベルが低下した場合のフォーカスレンズ位置と撮影画像から抽出される焦点調節信号(以下、オートフォーカス信号)の関係について図10を用いて説明する。図10において、横軸にフォーカスレンズ位置を、縦軸にオートフォーカス信号をとっており、通常、被写体を撮影した場合図10をのようなオートフォーカス信号が最大となる点が合焦位置となる。1001、1002はオートフォーカス信号であり、1001は輝度レベルが低下する前を、1002は輝度レベルが低下した後を示している。また、後述するが、合焦位置の再検索動作のレンズ移動閾値1とレンズ移動閾値2が設定されている。図10から分かるようにフォーカスレンズ位置が移動していないにもかかわらず、オートフォーカス信号が低下している。このような状態になると、撮像装置は非合焦状態と判定し、輝度レベル低下前のフォーカスレンズ移動方向が無限側から至近側への移動で合焦となっていれば、フォーカスレンズを無限側から至近側へ移動させ合焦位置の再検索動作に移行するのである。この時の、フォーカスレンズの移動量をゲイン切換えの閾値として設定すればよく(前述のレンズ移動閾値1とレンズ移動閾値2)、その値は、検討によって適宜決定すればよい。
【0068】
フローチャートに戻り、ステップS401の判断結果がステップS403進んだ場合(no)を説明する。ステップS403では、制御ゲイン201が第2のゲイン203のみで画像信号のゲイン設定が可能な状態であるので、第2のゲインによるゲイン調節を行い、第1のゲインを切換えを実行しない。ステップS403の処理が終了したら、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで処理を待機する。
【0069】
次に、ステップS901の判断結果がステップS404へ進んだ場合(yes)の説明をする。ステップS404では、制御ゲイン201のゲイン変動量が所定値以上か否かを判断している。これは、所定期間、例えば、垂直同期信号周期期間(以下、V周期期間)でのゲイン変動量が所定値以上か否かによって輝度変化のレベルの大小を判断しているのである。この判断は、第1及び第2のゲインの切換えによる輝度変化による輝度ちらつきが、輝度変化のレベルが大きい場合より小さい場合の方が目立ちやすいためで、第1及び第2のゲインの切換えを輝度変化のレベルが大きい時に行い、輝度ちらつきが目立つことを低減するためである。ここで設定するゲイン変動量の所定値は検討などから導き出した値を閾値として設定すればよい。ステップS404でゲインの変動量が所定値以上の場合は(yes)、ステップS405に進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。入射光量に基づく制御ゲイン201のV周期期間におけるゲイン変化量に関しては、第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0070】
ステップS404の判断結果がステップS406へ進んだ場合(no)の説明をする。ステップS406では、ステップS404での制御ゲイン201が第1のゲイン切換え閾値であるgainTH2以下か否かを判断している。これは、ステップS404での判断が、輝度変化のレベルが小さいとなったため、前述の通り、撮影画像の輝度ちらつきが目立つことを低減するために、第1及び第2のゲイン切換えを第1のゲイン切換え閾値gainTH2以上となるまで遅らせる処理である。第1及び第2のゲイン切換えを可能な限り遅らせることで、撮影画像の輝度ちらつきの発生頻度を低減させようとするものである。
【0071】
ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以下であれば(yes)、ステップS401に進み、ステップS401、ステップS601、ステップS404の処理を繰り返す。ステップS406の判断結果が、制御ゲイン201がgainTH2以上であれば(no)、ステップS405へ進み、ステップS405では、第1のゲイン及び第2のゲインを切換えて、制御ゲイン201の設定処理を終了し、次の処理タイミングまで待機する。
【0072】
こうして、露出制御部120によって入射光量の変化に基づく適正な露出制御が施されたデジタル画像信号を画像信号処理部113へ出力する。画像信号処理部113に入力された後の信号処理に関しては、第1の実施形態と同様なのでその説明は省略する。
【0073】
以上、説明したように第1の増幅部115の出力と、第2の増幅部119の出力との合計が入射光量に基づく露出制御部120の出力である制御ゲインによって決定され、第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えを、撮影画像の輝度レベルが低下した時のオートフォーカス機能による撮影画像が非合焦となった場合に行うこととした。そうすることで、被写体輝度が低下した撮影での第1のゲインと第2のゲイン各々のゲイン切換えで生じる撮影画像の輝度ちらつきがあっても撮影画像に及ぼす影響を低減することが可能となった。また、撮像画像の合焦状態に変化がない場合でも、入射光量のV周期期間中の制御ゲイン変化量に基づいて第1の増幅部に設定される第1のゲインと第2の増幅部に設定される第2のゲインの各々のゲイン切換えのポイントを二つの閾値の範囲内で行うようにした。そうすることで輝度変化のレベルが大きい場合は、ゲイン切換えを素早く行え、輝度変化のレベルが小さい場合は、可能な限りゲイン切換えを遅らせることで、ゲイン切換え時の輝度ちらつきの発生頻度を低減することが可能となった。
【0074】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0076】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0077】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0078】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0079】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0080】
101‥‥撮影レンズ
102‥‥固定レンズ
103‥‥ズームレンズ
104‥‥ズームレンズ位置検出センサ
105‥‥絞り
106‥‥絞り位置検出センサ
107‥‥固定レンズ
108‥‥フォーカスレンズ
109‥‥フォーカスレンズ位置検出センサ
110‥‥レンズドライバ
111‥‥ブレ検出部
112‥‥操作部
113‥‥撮像素子
114‥‥撮像素子内部の光電変換部
115‥‥撮像素子内部の第1の増幅部
116‥‥AFE
117‥‥マイコン
118‥‥センサ補正部
119‥‥第2の増幅部
120‥‥露出制御部
121‥‥画像信号処理部
122‥‥ゲイン制御部
123‥‥レンズ制御部
124‥‥パン/チルト判定部
125‥‥絞り位置検出部
126‥‥焦点距離算出部
127‥‥合焦判定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学手段と、
前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、
前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、
装置本体のぶれを検出するブレ検出手段と、
前記ブレ検出手段の出力から装置本体がパンニング状態あるいはチルティング状態であるかをの判定するパン/チルト判定手段と、
前記露出制御手段の出力と前記パン/チルト判定手段の出力に基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、
前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記パン/チルト判定手段によってパンニング状態あるいはチルティング状態であると判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ゲイン制御手段は、前記第1のゲイン切換えのゲイン幅があらかじめ設定されており、前記制御ゲインに基づくゲイン設定変更ポイントが該ゲイン幅の範囲内にあるときは、前記パン/チルト判定手段による判定結果がパンニング状態あるいはチルティング状態でないと判定された場合は、前記露出制御手段の出力変化量の大きさに基づいて、前記第1のゲインを切換えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
ズームレンズを含む撮像光学手段と、
前記ズームレンズを駆動するレンズ駆動手段と
前記ズームレンズの位置を検出しズームレンズの位置から焦点距離を算出する焦点距離算出手段と、
前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、
前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、
前記露出制御手段の出力と前記焦点距離算出手段の出力とに基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、
前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記ズームレンズ位置検出手段の出力変化によって画角変更操作がなされたと判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記ゲイン制御手段は、前記第1のゲイン切換えのゲイン幅があらかじめ設定されており、前記制御ゲインに基づくゲイン設定変更ポイントが該ゲイン幅の範囲内にあるときは、前記ズームレンズ位置検出手段の出力変化によって画角変更操作がされていないと判定された場合は、前記露出制御手段の出力変化量の大きさに基づいて、前記第1のゲインを切換えることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
フォーカスレンズを含む撮像光学手段と、
前記フォーカスレンズを駆動するレンズ駆動手段と、
前記フォーカスレンズによって調節される焦点の合焦状態を検出する合焦判定手段と、
前記撮像光学手段によって集光される入射光を電気信号へ変換する撮像手段と、
前記電気信号を第1のゲインで増幅する第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力を前記第1のゲインより細かい刻み幅の第2のゲインで増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と、前記第2の増幅手段の出力の合計が、前記撮像素子への入射光量に基づいて決定する制御ゲインを算出する露出制御手段と、
前記露出制御手段の出力と前記合焦判定手段の出力とに基づいて前記第1の増幅手段と前記第2の増幅手段の各々のゲイン設定を制御するゲイン制御手段と、を備え、
前記ゲイン制御手段は、前記露出制御手段の所定時間毎の出力変化量を算出し、該出力変化量が所定値以上と判断された場合及び前記合焦判定手段の出力に基づき合焦位置の再検出動作がなされたと判定された場合に、第1の増幅手段のゲイン設定を切換えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
前記ゲイン制御手段は、前記第1のゲイン切換えのゲイン幅があらかじめ設定されており、前記制御ゲインに基づくゲイン設定変更ポイントが該ゲイン幅の範囲内にあるときは、前記合焦判定手段の出力に基づき合焦位置の再検出動作がされていないと判定された場合は、前記露出制御手段の出力変化量の大きさに基づいて、前記第1のゲインを切換えることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−106227(P2013−106227A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249329(P2011−249329)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】