説明

撮影システム

【課題】自動撮影時、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化した撮影システムを提供する。
【解決手段】事前準備撮影時、音声・操作情報同期部8は、話者の音声と操作情報を、同期して音声・操作情報記憶部9に記憶する。本番の撮影時、音声同期操作情報識別部11は、話者の音声に同期して、音声・操作情報記憶部9に記憶した操作情報を用いて自動撮影を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動撮影機能を有する撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局の番組撮影において、自動撮影を行うシステムが提案されている。
特許文献1には、話者の認識情報、話者の発するキーワード、時間経過情報を取得し、予め規定した遷移確率情報や割当確率情報に基づいて自動撮影を実施する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−295431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、遷移確率情報や割当確率情報を予め規定する必要があり、完成度の高い自動撮影を実施するには、前準備の負荷が多いという課題があった。また、予め規定した情報に不都合がある場合や、話者の違いによる発声の誤認識があった場合、本番の撮影中に意図しない動作を行う可能性もあった。
【0005】
本発明は、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化した撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の撮影システムは、音声を入力し、単音、又は単語を基本単位とした、単位音声を認識する音声認識手段と、撮影レンズとカメラを有し、映像を撮影する撮像手段と、該撮像手段を保持し、方向・位置を変更する懸架台と、該撮像手段の設定や、該懸架台の方向・位置といった操作情報を取得する操作情報取得手段と、該単位音声と該操作情報を同期する音声・操作情報同期手段と、該音声・操作情報同期手段で同期した情報を記憶する音声・操作情報記憶手段と、該撮像手段の設定の変更や、該懸架台の方向・位置を制御する制御手段と、該単位音声を保存する単位音声保存手段と、該音声認識手段で認識した該単位音声と、該音声・操作情報記憶手段に記憶された該単位音声と該操作情報から、該制御手段を制御する音声同期操作情報識別手段を有している事を特徴とする。
【0007】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施形態等によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、事前準備撮影時に話者の音声と操作情報を同期して記憶し、本番の撮影時に話者の音声に同期して、記憶した操作情報を用いて自動撮影を行う。それにより、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1で用いる記憶処理を行うブロック図
【図2】実施形態1で用いるAF有効枠の構成を示す図
【図3】実施形態1で用いる記憶処理を行うフローチャート
【図4】実施形態1で用いる音声・操作情報記憶部に記憶される情報の一例
【図5】実施形態1、2で用いる自動撮影処理を行うブロック図
【図6】実施形態1で用いる自動撮影処理を行うフローチャート
【図7】実施形態2で用いる記憶処理を行うブロック図
【図8】実施形態2で用いる音声・操作情報記憶部に記憶される情報の一例
【図9】実施形態2で用いる記憶処理を行うフローチャート
【図10】実施形態2で用いる自動撮影処理を行うフローチャート
【図11】実施形態3で用いる記憶処理を行うブロック図
【図12】実施形態3で用いる記憶処理を行うフローチャート
【図13】実施形態3で用いる自動映像切換え処理を行うブロック図
【図14】実施形態3で用いる自動映像切換え処理を行うフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
《第1の実施形態》
図1には、本発明の実施形態1である撮影システムの、記憶処理を行うブロック図を示す。図1において、1は被写体、2はマイク、6は音声認識部である。被写体1が話す音声は、マイク2を介して、音声認識部6に入力される。音声認識部6では、入力された音声から、単音、又は単語を基本単位とした、単位音声の認識を行う。
【0012】
5は操作者、3はレンズやカメラを含む撮像装置、4は撮像装置3のパン・チルト角度の変更や位置の移動が可能な懸架台、7は操作情報取得部である。操作者5は懸架台4を操作して撮像装置3の向きや位置を変更すると共に、撮像装置3を操作してレンズ位置やオートフォーカス有効/無効等の各種設定を変更する。操作情報取得部7には、懸架台4のパン・チルト角度や位置の情報と、撮像装置3の各種設定が、操作情報として入力される。
【0013】
8は音声・操作情報同期部、9は音声・操作情報記憶部である。音声認識部6、操作情報取得部7、音声・操作情報記憶部9は、音声・操作情報同期部8に接続されている。音声認識部6で認識した単位音声や、操作情報取得部で取得した操作情報は、音声・操作情報同期部8で取得し、処理を行った後、音声・操作情報記憶部9に記憶される。
【0014】
図2には、撮像装置3の各種設定の1つであるAF有効枠について示す。21は撮像装置3で撮影された撮影映像、20は枠の内部の映像のみをオートフォーカスの対象とするAF有効枠である。AF有効枠20は、撮像映像21の範囲で各種位置への配置や、大きさの変更を行う事が可能であり、操作者5が任意に設定可能である。また、不図示のAF ON/OFFスイッチにより、撮像装置3のオートフォーカスの有効/無効を、操作者5は設定可能である。
【0015】
図3のフローチャートには、音声・操作情報同期部8で行われる記憶処理の動作、図4には、この記憶処理により、音声・操作情報記憶部9に記憶される情報の一例が示してある。この動作は、音声・操作情報同期部8に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ステップS100にて音声・操作情報同期部8の記憶処理が開始される。この時点の音声・操作情報記憶部9に記憶される時間情報はt0である。
ステップS101では、撮像装置3や、懸架台4の操作情報を取得し、ステップS102に進む。
【0016】
ステップS102では、取得した操作情報を、時間情報に付随した情報として音声・操作情報記憶部9に記憶し、ステップS103に進む。例えば、操作情報としてパン角度αgetを取得した時、時間情報t0に付随する情報として、パン角度αt0=αgetとして音声・操作情報記憶部9に記憶する。また、待ち時間Δや、パン速度β等、取得する操作情報以外の情報は、初期値0が記憶される。ステップS103では、撮像装置3や、懸架台4の操作情報を取得し、ステップS104に進む。
【0017】
ステップS104では、取得した操作情報が変化したか否かを判断し、変化した場合はステップS105に進み、それ以外の場合はステップS106に進む。ステップS105では、音声・操作情報記憶部9に記憶されている時間情報に付随した操作情報を、取得した操作情報に更新し、ステップS106に進む。
【0018】
また例えば、図4においては、ステップS102で記憶した時点から、経過時間を待ち時間Δ、パン角度の変化速度をパン速度β等として記憶する。但し、待ち時間Δの更新は最初の1回のみで、同一の時間情報の時は以後行わなくても良い。また、時間情報t0の時は初期情報とし、待ち時間Δやパン速度β等の更新は行わなくても良い。
ステップS106では、音声認識部6で単位音声の認識されたか否かの確認を行い、認識された場合はステップS107に進み、それ以外の場合はステップS103に進む。
【0019】
ステップS107では時間情報を更新し、ステップS108に進む。例えば時間情報がt0の場合はt1となる。ステップS108では、認識した単位音声を、時間情報に付随した単位音声として音声・操作情報記憶部9に記憶し、ステップS101に進む。この手順により、単位音声と、単位音声を認識してから操作が開始されるまでの待ち時間、パン角度、AF有効枠の情報等を含む操作情報とを、時間情報に付随した情報として同期して記憶する、自動撮影記憶処理を実行する事が可能である。
【0020】
なお、ここで音声・操作情報記憶部9に記憶した図4に示すような情報は、本記憶処理とは別の処理で修正可能なものとする。また、記憶した単位音声と、別途用意される撮影台本とを同期し、音声識別時の誤認識の修正を行えるものとする。
この手順により、自動撮影記録処理により記憶が行えなかった時や、台本と異なる情報が記憶された時に、修正する事が可能である。
【0021】
図5には、本発明の実施形態1である撮影システムの、自動撮影処理を行うブロック図を示す。図5において、10は制御部、11は音声同期操作情報識別部、12は単位音声保存部である。音声識別部6で認識した単位音声を、音声同期操作情報識別部11は取得し、単位音声保存部12に保存する。また、音声同期操作情報識別部11は音声・操作情報記憶部9に記憶されている情報を利用し、制御部10を介して懸架台4や撮像装置3を制御する。
【0022】
図6のフローチャートには、音声同期操作情報識別部11で行われる自動撮影処理の動作が示してある。この動作は、音声同期操作情報識別部11に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ステップS110にて音声同期操作情報識別部11の自動撮影処理が開始される。この時点の音声・操作情報記憶部9から利用する図4に示す時間情報はt0である。ステップS111では、時間情報に付随する操作情報を用いて制御部10を介して懸架台4や撮像装置3を制御し、ステップS112に進む。例えば図4に示す操作情報では、待ち時間Δを待った後、パン角度αまでパン速度βで懸架台のパン動作を制御する。
【0023】
ステップS112では、時間情報を更新し、ステップS113に進む。例えば時間情報がt0の場合はt1となる。ステップS113では、音声認識部6で単位音声の認識されたか否かの確認を行い、認識された場合はステップS114に進み、それ以外の場合はステップS113に進む。ステップS114では、認識した単位音声を、単位音声保存部12に時系列にして保存し、ステップS115に進む。ステップS115では、時間情報に付随する単位音声を、音声・操作情報記憶部9から取得し、ステップS116に進む。
【0024】
ステップS116では、認識した単位音声と、音声・操作情報記憶部9から取得した記憶済みの単位音声を比較する。これらが一致したならばステップS111に進み、それ以外の場合はステップS117に進む。ステップS117では、音声・操作情報記憶部9から、現在の時間情報より進んだ時の複数の記憶している単位音声を取得し、ステップS118に進む。例えば、図4において、時間情報t2で取得数3の時、時間情報t3〜t4の単位音声「う」「あ」「い」を取得する。
【0025】
ステップS118では、単位音声保存部12に時系列に保存した認識した単位音声を、最新のものから、ステップS117で取得した取得数だけ取得する。その認識した複数の単位音声と、音声・操作情報記憶部9から取得した複数の記憶済みの単位音声を比較し、一致したならばステップS119に進み、それ以外の場合はステップS120に進む。
【0026】
ステップS119では、ステップS118利用した時間情報の最後の値に、時間情報を変更し、ステップS111に進む。例えば、図4において、時間情報t3〜t4の単位音声「う」「あ」「い」を利用した場合、時間情報をt4に変更する。ステップS120では、時間情報を更新し、ステップS117に進む。例えば時間情報がt2の場合はt3となる。ステップS120では、時間情報のみを変更したが、同時にステップS117で取得する取得数を変更しても良い。また、その場合はステップS119で取得数を初期値に戻す処理が追加される。
【0027】
この手順により、単位音声を認識してから、記憶した待ち時間が経過した後、同期して記憶したパン角度への懸架台の移動や、AF有効枠の変更等の、自動撮影処理を実行する事が可能である。また、自動撮影処理の時間情報が、実際の撮影の進行と異なった時、保存した単位音声を用いて、時間情報を自動的に補正する事が可能である。
【0028】
また、本実施形態では音声・操作情報記憶部9に記憶される情報として、図4に示すような1つの時間情報を用いた構成としたが、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の操作状態を別々の時間情報を用いて構成し、記憶してもよい。
【0029】
本実施形態によれば、事前準備撮影時に話者の音声と操作情報を同期して記憶し、本番の撮影時に話者の音声に同期して、記憶した操作情報を用いて自動撮影を行う。それにより、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化する効果が得られる。
【0030】
《第2の実施形態》
図7には、本発明の実施形態2である撮影システムの、記憶処理を行うブロック図を示す。本実施形態のブロック図の基本的な構成は、実施形態1の記憶処理を行うブロック図に対し、単位音声保存部12が追加されている。図7において、音声識別部6で認識した単位音声を、音声・操作情報同期部8は取得し、単位音声保存部12に保存する。
【0031】
図9のフローチャートには、音声・操作情報同期部8で行われる記憶処理の動作、図8には、この記憶処理により、音声・操作情報記憶部9に記憶される情報の一例が示してある。この動作は、音声・操作情報同期部8に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ステップS200にて音声・操作情報同期部8の記憶処理が開始される。この時点の音声・操作情報記憶部9に記憶される時間情報はt0である。
ステップS201では、撮像装置3や、懸架台4の操作情報を取得し、ステップS202に進む。
【0032】
ステップS202では、取得した操作情報を、時間情報に付随した情報として音声・操作情報記憶部9に記憶した後、ステップS203に進む。ステップS203では時間情報を更新し、ステップS204に進む。例えば時間情報がt0の場合はt1となる。
ステップS204では、音声認識部6で単位音声の認識されたか否かの確認を行い、認識された場合はステップS205に進み、それ以外の場合はステップS206に進む。ステップS205では、認識した単位音声を、単位音声保存部12に時系列にして保存し、ステップS206に進む。
【0033】
ステップS206では、撮像装置3や、懸架台4の操作情報を取得し、ステップS207に進む。ステップS207では、取得した操作情報が変化したか否かを判断し、変化した場合はステップS208に進み、それ以外の場合はステップS204に進む。
ステップS208では、単位音声保存部12に時系列に保存した認識した単位音声から、最新のものをキーワードに設定し、ステップS209に進む。
【0034】
ステップS209では、設定したキーワードと、音声・操作情報記憶部9にしたキーワードを比較し、一致するものがない場合はステップS210に進み、それ以外の場合はステップS211に進む。ステップS210では、設定したキーワードと取得した操作情報を、時間情報に付随したキーワードと操作情報して、音声・操作情報記憶部9に記憶し、ステップS203に進む。また例えば、図8においては、ステップS205で最後に保存した時点から、経過時間を待ち時間Δ、パン角度の変化速度をパン速度β等として記憶する。
【0035】
ステップS211では、以下のようにキーワードを再設定し、ステップS209に進む。例えば、現在設定中のキーワードK(t)が、単位音声保存部12に時系列に保存した認識した単位音声の、最新のものW(t)を含めて単位音声数[a+1]個前の物までであったとする。その時のキーワードK(t)は、W(t),W(t-1), ,W(t-a)となる。
【0036】
一方、既に設定したキーワードをK(T)とし、K(T)=W(T),W(T-1), ,W(T-a)とする。
ステップS211の処理は、K(t)=K(T)の時、実行される。この時、単位音声数を1つ増やし[a+2]として、現在設定中のキーワードK(t)と、既に設定したキーワードK(T)を再設定する。この手順により、キーワードと、キーワードを認識してから操作が開始されるまでの待ち時間、パン角度、AF有効枠の情報等を含む操作情報とを、時間情報に付随した情報として同期して記憶する、自動撮影記憶処理を実行する事が可能である。
【0037】
また、設定するキーワードが全ての時間情報に対して唯一1つとなるように、自動的に変更して記憶する事が可能である。なお、ここで音声・操作情報記憶部9に記憶した図8に示すような情報は、本記憶処理とは別の処理で修正可能なものとする。また、記憶したキーワードと、別途用意される撮影台本とを同期し、音声識別時の誤認識の修正を行えるものとする。この手順により、自動撮影記録処理により記憶が行えなかった時や、台本と異なる情報が記憶された時に、修正する事が可能である。
【0038】
本実施形態で自動撮影処理を行うブロック図の構成は、実施形態1のブロック図(図5)と同じである。図10のフローチャートには、音声同期操作情報識別部11で行われる自動撮影処理の動作が示してある。この動作は、音声同期操作情報識別部11に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ステップS220にて音声同期操作情報識別部11の自動撮影処理が開始される。この時点の音声・操作情報記憶部9から利用する図4に示す時間情報はt0である。ステップS221では、時間情報に付随する操作情報を用いて制御部10を介して懸架台4や撮像装置3を制御し、ステップS222に進む。
【0039】
例えば図8に示す操作情報では、待ち時間Δを待った後、パン角度αまでパン速度βで懸架台のパン動作を制御する。ステップS222では、時間情報を更新する。
ここで例えば時間情報がt0の場合はt1となる。その後、ステップS223に進む。
ステップS223では、音声・操作情報記憶部9から時間情報に付随する記憶キーワードを取得し、ステップS224に進む。
【0040】
ステップS224では、音声認識部6から取得した単位音声からキーワードを作成するための、認識キーワードを初期化し、ステップS225に進む。
ステップS225では、音声認識部6で単位音声の認識されたか否かの確認を行い、認識された場合はステップS226に進み、それ以外の場合はステップS225に進む。ステップS226では、音声認識部6から取得した単位音声から認識キーワードを作成し、ステップS227に進む。
【0041】
例えば、ステップS226を処理した回数が[a+1]回の場合、ステップS225で認識した単位音声をW(t)とした場合、認識キーワードK(t)は、W(t),W(t-1), ,W(t-a)となる。ステップS227では、認識キーワードと記憶キーワードを比較し、一致したならばステップS221に進み、それ以外の場合はステップS225に進む。
この手順により、キーワードを認識してから、記憶した待ち時間が経過した後、同期して記憶したパン角度への懸架台の移動や、AF有効枠の変更等の、自動撮影処理を実行する事が可能である。
【0042】
本実施形態によれば、事前準備撮影時に話者の音声と操作情報を同期して記憶し、本番の撮影時に話者の音声に同期して、記憶した操作情報を用いて自動撮影を行う。それにより、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化する効果が得られる。
【0043】
《第3の実施形態》
図11には、本発明の実施形態3である撮影システムの、記憶処理を行うブロック図を示す。図11において、31〜33はレンズやカメラを含む撮像装置、34は映像切換え操作部、35は映像切換え部、36はテレビ映像である。撮像装置31〜33で撮影された映像は、映像切換え部35に入力される。映像切換え部35は、映像切換え操作部34で選択された映像をテレビ映像36に出力する。音声・操作情報同期部8は、映像切換え操作部に入力された映像切換え情報を取得する。
【0044】
図12のフローチャートには、図11の構成に示す音声・操作情報同期部8で行われる記憶処理の動作が示してある。この動作は、音声・操作情報同期部8に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。ステップS300にて音声・操作情報同期部8の記憶処理が開始される。ステップS301では、映像切換え情報を取得し、ステップS302に進む。ステップS302では、映像切換え情報を、時間情報に付随した情報として音声・操作情報記憶部9に記憶し、ステップS303に進む。ステップS303では、映像切換え情報を取得し、ステップS304に進む。
【0045】
ステップS304では、取得した映像切換え情報が変化したか否かを判断し、変化した場合はステップS305に進み、それ以外の場合はステップS306に進む。
ステップS305では、音声・操作情報記憶部9に記憶されている時間情報に付随した映像切換え情報を、取得した映像切換え情報に更新し、ステップS306に進む。なお、ステップS102で記憶した時点からの経過時間を待ち時間として、映像切換え情報として音声・操作情報記憶部9に記憶しても良い。
ステップS306〜S308の動作は、図3に示すステップS106〜S108の動作と同様である。
【0046】
この手順により、単位音声と、単位音声を認識してから操作が開始されるまでの待ち時間を含む映像切換え情報とを、時間情報に付随した情報として同期して記憶する、自動撮影記憶処理を実行する事が可能である。
【0047】
図13には、本発明の実施形態3である撮影システムの、自動映像切換え処理を行うブロック図を示す。図13において、音声同期操作情報識別部11は、映像切換え部35を制御して、撮像装置31〜33で撮影された映像の選択を行う。
図14のフローチャートには、音声同期操作情報識別部11で行われる自動撮影処理の動作が示してある。この動作は、音声同期操作情報識別部11に格納されたコンピュータプログラムに従って行われる。
【0048】
ステップS310にて音声同期操作情報識別部11の自動映像切換え処理が開始される。ステップS311では、時間情報に付随する映像切換え情報を用いて、映像切換え部35を制御し、テレビ映像36の選択を行う。なお本処理では、映像切換え情報に記憶した待ち時間経過後、映像切換え部35を制御する映像の切換えを行っても良い。ステップS312〜S320の動作は、図6に示すステップS112〜S120の動作と同様である。
【0049】
この手順により、単位音声を認識してから、記憶した待ち時間が経過した後、同期して記憶した映像切換え情報に従い映像の切換えを行う、自動撮影処理を実行する事が可能である。本実施形態によれば、事前準備撮影時に話者の音声と操作情報を同期して記憶し、本番の撮影時に話者の音声に同期して、記憶した操作情報を用いて自動撮影を行う。それにより、本番の撮影中に意図しない動作を行う恐れをなくし、かつ自動撮影の設定負荷を簡素化する効果が得られる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
2 マイク
3 撮像装置
4 懸架台
6 音声認識部
7 操作情報取得部
8 音声・操作情報同期部
9 音声・操作情報記憶部
10 制御部
11 音声同期操作情報識別部
12 単位音声保存部
20 AF有効枠
31〜33 撮像装置
34 映像切換え操作部
35 映像切換え部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を入力し、単音、又は単語を基本単位とした、単位音声を認識する音声認識手段と、
撮影レンズとカメラを有し、映像を撮影する撮像手段と、
該撮像手段を保持し、方向・位置を変更する懸架台と、
該撮像手段の設定や、該懸架台の方向・位置といった操作情報を取得する操作情報取得手段と、
該単位音声と該操作情報を同期する音声・操作情報同期手段と、
該音声・操作情報同期手段で同期した情報を記憶する音声・操作情報記憶手段と、
該撮像手段の設定の変更や、該懸架台の方向・位置を制御する制御手段と、
該単位音声を保存する単位音声保存手段と、
該音声認識手段で認識した該単位音声と、該音声・操作情報記憶手段に記憶された該単位音声と該操作情報から、該制御手段を制御する音声同期操作情報識別手段
を有している事を特徴とする撮像システム。
【請求項2】
自動撮影記憶処理と、自動撮影処理の二つの処理を有し、
該自動撮影記憶処理の時、該音声・操作情報同期手段を用いて、該単位音声と該操作情報を該音声・操作情報記憶手段に記憶し、
該自動撮影処理の時、該音声同期操作情報識別手段を用いて、該音声識別手段で認識した該単位音声と、該音声・操作情報記憶手段に記憶した該単位音声が一致した時、該音声・操作情報記憶手段に記憶した該操作情報により該制御手段を制御する事を特徴とする請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
該自動撮影処理の時、該単位音声が一致してから、該制御手段を制御するまでの待ち時間を、該自動撮影記憶処理の時に記憶する事を特徴とする請求項1又は2に記載の撮影システム。
【請求項4】
該単位音声と、該操作情報を、該単位音声が認識される毎に、該音声・操作情報記憶手段に記憶する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮影システム。
【請求項5】
該単位音声を1つ以上まとめたキーワードと、該操作情報を、該操作情報が変化する毎に、該キーワードと、該操作情報を同期して、該音声・操作情報記憶手段に記憶する事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮影システム。
【請求項6】
該音声識別手段から得られた該単位音声と、該音声・操作情報記憶手段に記憶した単位音声が一致しなかった時、該単位音声保存手段に保存した1つ以上の単位音声と、
該音声・操作情報記憶手段に記憶した1つ以上の単位音声が一致する個所を検索し、記憶した操作情報により該制御手段を制御する事と特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮影システム。
【請求項7】
該音声・操作情報記憶手段に既に記憶した該キーワードと、
これから記憶を行う該キーワードが一致した時、既に記憶した該キーワードと、
を有し、これから記憶を行う該キーワードを、該単位音声保存手段に保存した該単位音声を用いて変更する事を特徴とする請求項5に記載の撮影システム。
【請求項8】
オートフォーカス有効範囲の位置・大きさ変更する手段と、
オートフォーカス有効/無効を切換える手段を有し、
オートフォーカス有効範囲の位置・大きさと、有効/無効の情報を、該音声・操作情報記憶手段に記憶する該操作情報とする事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮影システム。
【請求項9】
該音声・操作情報記憶手段に記憶した情報を、修正可能な事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮影システム。
【請求項10】
1つ以上の該撮像装置と、
該撮像装置の映像を選択する映像切換え手段と、
該撮像装置の映像切換えを操作する映像切換え操作手段を有し、
該音声識別手段で得られた該単位音声と、該映像切換え操作手段で選択した情報を同期して、該音声・操作情報記憶手段に記憶し、
該音声識別手段から得られた該単位音声と、該音声・操作情報記憶手段に記憶した該単位音声が一致した時、
記憶した該映像切換え操作手段で選択した情報により該映像切換え手段を制御する事を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮影システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−98652(P2012−98652A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248272(P2010−248272)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】