説明

撮影装置、撮影方法、撮影プログラム及び携帯端末装置

【課題】画像の確認機能を向上させ、撮影機能の利便性を高める。
【解決手段】被写体から得た画像を表示する表示部(LCD26)に、フォーカス状態に応じて接写撮影画面(68)を表示する。接写撮影画面(68)では、その画像の一部(拡大エリア80)を抽出してディジタル処理によって拡大画像(82)を生成し、その拡大画像(82)が接写撮影画面(68)の画像(72)に代えて表示される。この拡大画像から接写撮影画面の画像の細部が確認可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮影し、その画像を取得する撮影技術に関し、例えば、画像の拡大等の処理を拡充する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影機能は、専用機としてのカメラのみならず、携帯電話機等の携帯端末装置やパーソナルコンピュータ等の電子情報を扱う電子機器に搭載されている。この撮影機能には、風景等の撮影モードや人物等を撮影するポートレート撮影モードの通常撮影モードの他、近接撮影を行う接写撮影モードがある。接写撮影モードは、手紙や新聞等を撮像し、その画像を画像情報として記録、保存する等の用途に用いられる等、各種の用途に向けられている。
【0003】
この撮影機能に関し、携帯電話機に文字又はバーコードを撮影対象とするOCR機能モードが知られている(例えば、特許文献1)。また、ディジタルカメラにロゴマークを付し、このロゴマークの発光状態を変化させて動作状態を利用者に報知することが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−94782号公報
【特許文献2】特開2008−134438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、手紙や新聞等、被写体が小さい文字等では、小さい画面に表示される画像は小さく、その画像を表示画面から視認できないという不都合がある。メール等のテキスト文書では、文字フォントを大きくすれば、画面に大きく表示できるが、ズーム機能により画像を拡大した場合には記録する画像自体が拡大されてしまい、確認目的だけの画像拡大には適さない。このようなズーム機能と記録画像との関係は、接写撮影モードに限らず、風景等の遠距離撮影やポートレート撮影でも同様である。ズーム機能を用いた拡大画像で被写体や画像を確認した後、ズームアップ前の画像を記録するには、ズームアップ前の画像に戻す操作が必要である。
【0006】
このようなズーム操作を行えば、それが撮影時間に加わる。この場合、撮影可能な画像を表示していても、画像確認のためにズームモードに移行させ、ズーム解除の後、撮影に移行させるという操作が必要となる。このため、利用者の操作性や画像取得の迅速性が損なわれるという課題がある。
【0007】
また、通常撮影モードから接写撮影モードへの切替えは手動操作で行われる。表示中の画像やその被写体が接写可能であるか否かに拘わらず接写撮影モードに切り替えられると、取得画像が利用者の予定するものと異なってしまうという問題がある。その場合、再撮影を余儀なくされる等の面倒があり、また、被写体によっては撮影時期を逸し、撮影できないという課題がある。
【0008】
このような課題は既述の特許文献1、2に開示も示唆もされておらず、その解決手段の提示もない。
【0009】
そこで、本開示の撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置は、上記課題に鑑み、画像の確認機能を向上させ、撮影機能の利便性を高めることを目的とする。
【0010】
また、本開示の撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置の他の目的として、上記課題に鑑み、画像取込みに際し、画像の一部又は全部の拡大画像を前置表示し、その拡大画像から画像確認の容易化及び利便性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本開示の撮影装置は、被写体から画像を取得する撮影装置であって、表示部と、画像記録部と、拡大画像生成部と、表示制御部とを備えればよい。表示部は、被写体から得られる画像を表示し、画像記録部は、その画像を記録する。拡大画像生成部は、前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成し、表示制御部は、前記画像記録部への前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する。これにより、画像取込み前の画像をその拡大画像によりフォーカス状態等を確認することができる。
【0012】
また、本開示の撮影方法は、被写体から画像を取得する撮影方法であって、画像の表示と、拡大画像の生成と、拡大画像の表示とを含む。画像の表示では、被写体から得られる画像を表示し、拡大画像の生成では、表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する。そして、拡大画像の表示では、前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する。これにより、本開示の撮影方法によっても、画像取込み前の画像をその拡大画像を用いて確認することができる。
【0013】
また、本開示の撮影プログラムは、コンピュータによって実行させる撮影プログラムであって、画像の表示機能と、拡大画像の生成機能と、拡大画像の表示機能とを含んでいる。画像の表示機能では、被写体から得られる画像を表示し、拡大画像の生成機能能では、表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する。そして、拡大画像の表示機能では、前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する。これにより、本開示の撮影プログラムによっても、画像取込み前の画像をその拡大画像を用いて確認することができる。
【0014】
また、本開示の携帯端末装置は、撮影機能を備える携帯端末装置であって、表示部と、画像記録部と、拡大画像生成部と、表示制御部とを備えればよい。表示部は、被写体から得られる画像を表示し、画像記録部は、画像を記録する。拡大画像生成部は、前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成し、表示制御部は、前記画像記録部への前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する。これにより、本開示の携帯端末装置によっても、画像取込み前の画像をその拡大画像を用いて確認することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 被写体から得られた画像から拡大画像を生成させ、この拡大画像を画像取込み前の画像に代え又はその画像に重ねて表示するので、その拡大画像によって取込み画像の状態又は細部を確認できる。
【0017】
(2) 被写体から得られた画像から拡大画像が取込み前の画像の一部又は全部から生成され、その確認の後、拡大前の画像を取り込むことができる。
【0018】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態に係るカメラ機能部の一例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る携帯電話機を示す図である。
【図3】メモリの一例を示す図である。
【図4】携帯電話機の前面部を示す図である。
【図5】携帯電話機の背面部を示す図である。
【図6】接写撮影画面を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図7】拡大画像を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図8】取込み画像の一例を示す図である。
【図9】拡大鏡機能を含む接写撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る拡大鏡機能を含む接写撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態に係るカメラ機能部の一例を示す図である。
【図12】第4の実施の形態に係る携帯電話機の一例を示す図である。
【図13】第5の実施の形態に係る拡大画像表示の一例を示す図である。
【図14】第6の実施の形態に係る遠距離撮影画面を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図15】第6の実施の形態に係る拡大画像を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図16】第6の実施の形態に係る拡大鏡機能を含む遠距離撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第7の実施の形態に係るポートレート撮影画面を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図18】第7の実施の形態に係る拡大画像を表示した携帯電話機の一例を示す図である。
【図19】第7の実施の形態に係る拡大鏡機能を含むポートレート撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】第8の実施の形態に係るメニュー表示画面を示す図である。
【図21】第9の実施の形態に係る拡大倍率の異なる拡大鏡機能を示す図である。
【図22】他の実施の形態に係るPDAを示す図である。
【図23】他の実施の形態に係るパーソナルコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1の実施の形態〕
【0021】
第1の実施の形態は、被写体を撮影する撮影装置、撮影方法、撮影プログラム及び携帯端末装置の一例であって、被写体から得た画像を表示する表示部に、フォーカス状態に応じて接写撮影画面を表示する。接写撮影画面では、その画像の一部(拡大エリア)を抽出してディジタル処理によって拡大画像を生成し、その拡大画像が接写撮影画面の画像に代えて表示される。この拡大画像から接写撮影画面の画像の細部が確認可能である。
【0022】
また、この実施の形態では、接写撮影機能の使用が可能となった場合に接写撮影機能に切り替えるためのソフトキーが表示され、接写撮影機能への切り替え操作が行えるように利用者を誘導する。
【0023】
また、この実施の形態では、被写体から得られている画像内容例えば、そのフォーカス状態から自動的に判断し、接写撮影機能への切り替えを行うことができる。
【0024】
従って、この第1の実施の形態によれば、文書、バーコードリーダ、手書きメモ等を撮影する接写撮影機能で得られた画像の一部を拡大鏡機能により拡大して拡大画像を生成することができ、その拡大画像から接写撮影画像の細部を確認できる等、撮影機能の利便性を高めることができる。
【0025】
この第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は、第1の実施の形態に係るカメラ機能部の一例を示す図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0026】
このカメラ機能部2Aは、撮影フレームに被写体から得られる画像上の拡大エリアから画像を抽出し、その画像から拡大画像を生成し、撮影フレームの画像の取込み前に、その拡大画像を表示する機能部の一例である。撮影フレームは被写体の撮影可能範囲である。拡大エリアは、撮影フレームの画像上に設定される拡大領域であって、前記画像の一部又は全部であり、撮影フレームの中心部でもよく、その中心部から外れた位置でもよい。
【0027】
このカメラ機能部2Aは、図1に示すように、拡大鏡機能付き接写撮影部4と、フォーカス状態通知部6と、メニューキー制御部8と、通常モード撮影部10と、接写撮影モード切替え部12と、画面表示制御部14とを備える。
【0028】
拡大鏡機能付き接写撮影部4は、被写体から得られた画像の一部(拡大エリア)の画像を抽出し、その画像から拡大画像を生成する拡大画像生成部、接写撮影を行う撮影機能部、画像記録制御部の一例である。この拡大鏡機能付き接写撮影部4は、フォーカス状態通知部6からの通知情報に基づいて、接写撮影が可能な画像が得られているか否かを判定する。接写撮影が可能な画像が得られていれば、接写撮影モード切替え部12を通じて接写撮影モードに切り替えられる。拡大鏡機能は、被写体から得られた画像から抽出された画像を例えば、8倍に拡大する機能である。
【0029】
フォーカス状態通知部6は、被写体から得られた画像のフォーカス状態を通知する機能部の一例であって、カメラピント情報としてフォーカス状態を拡大鏡機能付き接写撮影部4に通知する。フォーカス状態の通知はフォーカス状態にある画像に対する例えば、焦点距離情報である。
【0030】
メニューキー制御部8は、拡大鏡、接写撮影等のメニューの選択制御を実行する機能部であって、メニューキーの選択操作に基づき、メニューの実行制御を行う。
【0031】
通常モード撮影部10は、接写撮影モード以外の撮影モードである通常撮影モード、遠距離撮影モード、ポートレート撮影モードを実行する機能部の一例である。ズーム機能は、接写撮影モードだけでなく、通常撮影モード、遠距離撮影モード又はポートレート撮影モードにも備えられ、接写撮影モードに限定されるものではない。遠距離撮影モードは、望遠撮影を含むモードである。
【0032】
接写撮影モード切替え部12は、通常撮影モードから接写撮影モードへの切り替え、接写撮影を実行する機能部の一例であって、この接写撮影モードには、ズーム機能モードと、拡大鏡機能モードとを備えている。ズーム機能モードは、画像の倍率をキー操作により段階的に拡大又は縮小する機能である。拡大鏡機能モードは、撮影フレームの中心部の拡大エリアを抽出して所定の倍率の拡大画像を生成する機能である。
【0033】
画面表示制御部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示部の制御部の一例であって、被写体から得られた画像の表示、その画像の拡大画像の表示、通常画像から拡大画像への切替え、拡大画像から通常画像への切替え等の制御を行う。
【0034】
次に、このカメラ機能部2Aを実現するハードウェアについて、図2及び図3を参照する。図2は、第1の実施の形態に係る携帯電話機を示す図、図3は、メモリを示す図である。図2及び図3に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図2及び図3において、同一部分には同一符号を付してある。
【0035】
この携帯電話機16は、撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置の一例であって、この実施の形態では、既述のカメラ機能部2Aを実現する。そこで、この携帯電話機16には、図2に示すように、カメラ装置部18と、CPU(Central Processing Unit )20と、メモリ22と、キー部24と、LCD26と、音声入出力部28とを備える。その他、図示しないが、電話機能部等を備える。
【0036】
カメラ装置部18は、被写体から画像を取得する機能部の一例であって、被写体から画像を取得するための光学系、フォーカス機構、撮像素子として例えば、CCD(Charge Coupled Device )、その他の機能部等を備え、被写体に対し光学系をフォーカス状態に制御し、被写体から画像を取得する。
【0037】
CPU20は、画像情報の処理部、各種機能部の制御部の一例であって、拡大画像生成部、表示制御部、画像記録制御部を構成する。このCPU20では、メモリ22にあるOS(Operating System)やアプリケーションプログラムを実行して既述のカメラ機能部2Aの実現、カメラ装置部18、キー部24、LCD26等の各種機能部の制御や情報の取込み等を行う。
【0038】
メモリ22は、OSやアプリケーションプログラムを格納し、取得した画像を記録する記録部の一例であって、記録媒体で構成される。
【0039】
キー部24は、入力操作部の一例であって、撮影のためのシャッターキー、拡大鏡機能、接写機能等の選択キー、LCD26に画像で表示されたソフトキーに対応する機能キーであり、これら機能キーには、拡大倍率指示手段、拡大指示手段又は画像取込み指示手段の何れか又は2以上の機能が割り当てられる。ここで、拡大倍率指示手段は、拡大倍率の指示をする手段である。拡大指示手段は、拡大画像を生成するための指示をする手段である。また、画像取込み指示手段は、撮像している画像の取込み、撮影の指示をする手段である。
【0040】
LCD26は、画像を表示する表示部の一例であって、被写体から得られた画像、その画像の一部又は全部を拡大した拡大画像、機能を選択するためのソフトキー、そのソフトキーには、拡大倍率指示手段、拡大指示手段、画像取込み指示手段としての機能が割り当てられ、それらを画像で表示する。
【0041】
音声入出力部28は、音声を入力又は出力する機能部の一例であって、音声増幅器の他、スピーカ30R、30L、レシーバ32、マイクロフォン34等を備え、機能切替えを表す音やガイド音声の出力や、通話音声の入出力を行う。
【0042】
また、メモリ22は、図3に示すように、プログラム記憶部222と、画像記憶部224と、データ記憶部226と、RAM(Random-Access Memory)228とを備える。プログラム記憶部222は、ROM(Read-Only Memory)の一例であって、既述のOSやアプリケーションプログラムとして撮影プログラム、画像の抽出やその拡大、縮小のためのサブルーチン等の各種のプログラムが格納されている。
【0043】
画像記憶部224は、被写体から得られた画像を記録する画像記録部の一例であって、フラッシュメモリ等の記録媒体で構成される。データ記憶部226は、取得された各種のデータの格納部の一例であって、フラッシュメモリ等の記録媒体で構成される。
【0044】
また、RAM228は、OSやアプリケーションプログラムを展開するワークエリアを構成する。既述のカメラ機能部2Aは、このRAM228、CPU20等によって実現される。
【0045】
次に、この携帯電話機16の詳細について、図4及び図5を参照する。図4は、携帯電話機の前面部を示す図、図5は、携帯電話機の背面部を示す図である。図4及び図5に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図4及び図5において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0046】
この携帯電話機16は、図4に示すように、第1の筐体部36と、第2の筐体部38とをヒンジ部40によって開閉可能に連結したものである。筐体部36は固定側筐体部を構成し、筐体部38は可動側筐体部を構成する。筐体部36の前面部には、キー部24、マイクロフォン34等が設置され、このキー部24はハードキーの一例であって、利用者によって情報入力や選択等の操作に供される入力操作部を構成する。
【0047】
このキー部24には既述の機能が割り当てられたハードキーが配置されている。このハードキーには、メニューキー42、電話帳キー44、カーソルキー46、決定キー48、開始キー50、終了/電源キー52、クリアキー54、記号キー56が含まれる。カーソルキー46は上カーソルキー46U、左カーソルキー46L、右カーソルキー46R、下カーソルキー46D(図6)(以下、単に「上キー46U、左キー46L、右キー46R、下キー46D」と称する。)を備え、上キー46U、左キー46L、右キー46R、下キー46Dには、LCD26の表示画面58に表示されたカーソルの移動操作や、その他の機能が割り当てられる。
【0048】
筐体部38の前面部には、スピーカ30L、30R、レシーバ32、第1の表示部であるLCD26の表示画面58、インカメラ60が配置されている。
【0049】
また、筐体部38の背面部には、図5に示すように、第2の表示部であるLCD62の表示画面64、カメラ装置部18のカメラ部66が設置されている。
【0050】
次に、接写撮影モードについて、図6、図7及び図8を参照する。図6は、接写撮影モードの画面表示の一例を示す図、図7は、拡大画像表示の一例を示す図、図8は、取込み画像の一例を示す図である。図6〜図8に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図6〜図8において、図4と同一部分には同一符号を付してある。
【0051】
接写撮影モードの場合、図6に示すように、LCD26の表示画面58に接写撮影画面68が表示される。この接写撮影画面68には、第1ないし第5の表示領域681、682、683、684、685が設定されている。表示領域681には電話機能や時刻等が表示され、表示領域682にはモードを示すタイトル等が表示され、この場合、「接写撮影」と表示され、現在動作中の機能が接写撮影モードであることを示している。
【0052】
表示領域683は主表示領域であって、撮影フレームの画像が表示され、接写撮影モードを表すマーク70aと、接写撮影された画像72が表示されている。表示領域684には撮影サイズの大きさ情報とともに、その撮影サイズに対応した撮影枚数の残量情報が表示される。
【0053】
そして、表示領域685はソフトキー表示領域であって、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76、拡大鏡キー78がその機能情報「メニュー」、「撮影」、「拡大鏡」とともに表示される。メニューキー74の操作は、ハードキーであるメニューキー42に割り当てられ、撮影キー76の操作は、ハードキーである決定キー48に割り当てられ、拡大鏡キー78の操作は、ハードキーである電話帳キー44に割り当てられている。そこで、拡大鏡キー78は発光表示とし、電話帳キー44は点滅表示とすることにより、利用者に操作を促す構成としてもよい。
【0054】
この表示状態において、拡大鏡キー78が割り当てられた電話帳キー44を押下すれば、拡大鏡機能モードに移行する。この拡大鏡機能モードでは、電話帳キー44の押下を契機に、拡大鏡機能が実行される。この拡大鏡機能では、撮影フレームの画像72の中央に設定された拡大エリア80の画像(画像72の一部)が抽出され、その拡大画像82(図7)が生成される。この拡大画像82は、図7に示すように、表示領域682、683の全域に表示される。このとき、表示領域685には、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76が表示されるとともに、既述の拡大鏡キー78に代え、接写撮影キー83が表示される。これらのソフトキーを表す機能情報として、「メニュー」、「撮影」、「接写撮影」が表示される。
【0055】
この拡大画像82の表示状態から撮影キー76を押下すれば、接写撮影モードの画像72の表示状態に戻り(図6)、図8に示す画像84が画像記憶部224に取り込まれる。この画像84は、拡大画像82の表示前の画像72と同一である。
【0056】
次に、接写撮影モードを含む撮影の処理手順について、図9を参照する。図9は、拡大鏡機能を含む接写撮影モードの処理手順を示すフローチャートである。図9に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0057】
この処理手順は、撮影方法又は撮影プログラムの一例である。撮影は、携帯電話機16のメニュー画面からカメラ機能を起動させる。この撮影では、被写体から得られる画像情報によりフォーカス状態がフォーカス状態通知部6で検知される。このフォーカス状態通知部6からフォーカス状態通知が発せられ、拡大鏡機能付き接写撮影部4に通知され(ステップS11)、その通知情報から接写機能が使用可能であるか否かが判定される(ステップS12)。この判定は、接写撮影が可能であるか否かの判定である。
【0058】
接写機能が使用可能であれば(ステップS12のYES)、接写撮影モードに移行し、接写撮影画面68(図6)が表示され(ステップS13)、このとき、既述の拡大鏡キー78が表示される(ステップS14)。
【0059】
この接写撮影画面68の表示状態では、キー操作により、写真撮影、拡大鏡機能又はズーム機能の各機能が選択可能である(ステップS15)。そこで、この状態から、撮影キー76を押下すれば、写真撮影に移行し(ステップS16)、現在の接写撮影画面68に表示されている画像84(図8)が取り込まれる。この場合、ズームによる画像拡大及び縮小や、拡大鏡機能には無関係となる。
【0060】
また、拡大鏡キー78を押下すれば、拡大エリア80(図6)の画像から拡大画像82(図7)が生成され、その拡大画像82の倍率は例えば、8倍である(ステップS17)。この拡大画像82が拡大前の画像72に代えて拡大鏡画面として表示される(ステップS18)。利用者は、拡大画像82から接写撮影画面68の画像72(図6)の細部を確認することができる。
【0061】
この拡大画像82の表示状態では、既述の接写撮影キー83が表示され(ステップS19)、この接写撮影キー83に対応する電話帳キー44の押下により、接写撮影キー83を操作すれば(ステップS20のYES)、ステップS13に戻る。
【0062】
また、ステップS15において、ズーム機能の選択は、ハードキーである上キー46U又は下キー46Dによって実行される。上キー46Uは画像を拡大するための拡大キー、下キー46Dは画像を縮小するための縮小キーに設定されている。そこで、上キー46Uが押下されると、倍率を1レベル上昇(ステップS21)、また、下キー46Dが押下されると、倍率を1レベル下降(ステップS22)の処理が連続的に行える。この場合、1レベルは、例えば、倍率で2倍程度とすればよい。このズーム機能は、拡大鏡機能と異なり、拡大又は縮小された画像が取込み画像となり、任意に設定された倍率の画像状態で撮影キー76を押下すれば、表示されている画像が画像記憶部224に取り込まれる。
【0063】
この実施の形態では、ソフトキーの表示により、利用者にその操作を誘導することができるが、切り替えるソフトキーが画面上に表示された場合、音声入出力部28を音声発生部として機能させ、機能切替えが可能な状態になったことを表すガイド音声で通知してもよい。このような通知を受けた利用者は操作が促され、ソフトキーやハードキーの表示とともに、その操作を誘導でき、操作の利便性が高められる。
【0064】
上記した第1の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を列挙する。
【0065】
(1) 以上述べたように、撮影機能に拡大鏡機能を追加している。この実施の形態では、フォーカス状態通知部6よりフォーカス状態の通知を受け、接写撮影機能の利用可能状態になったことをフォーカス状態で判断し、接写撮影画面68を表示する。この接写撮影画面68では、拡大鏡キー78を表示し、ワンタッチ操作により、画像(標準画像)の例えば、8倍の拡大画像82を表示する。接写撮影画面68では、キー操作によって、次のような操作を行うことができる。
【0066】
接写撮影画面68からズーム機能を起動することができ、拡大キー例えば、上キー46Uを押し続けた場合、1レベル単位でズームアップが行え、また、縮小キー例えば、下キー46Dを押し続けた場合、1レベル単位でズームダウンが行える。
【0067】
また、ソフトキーである拡大鏡キー78を押下した場合、拡大鏡機能が起動し、中心部の8倍ズームを行い、拡大鏡画面を表示することができる。
【0068】
撮影キー(例えば、決定キーや実行キー)を押下した場合、写真の撮影が行える。この場合、拡大鏡画面を表示した後は、ソフトキーである接写撮影キーを画面に表示する。また、拡大鏡画面で接写撮影キーを押下した場合には、拡大鏡キーの押下前の拡大率の画面が表示される。
【0069】
(2) 拡大鏡、バーコードリーダ、手書きメモ等、接写状態にて使用する接写機能への切替えを適切な状態で且つ容易に実行することが可能である。
【0070】
(3) 接写撮影状態になったときに、自動的に利用者に使用可能な接写機能への切替えをソフトキー表示と画面点滅、ハードキー点滅により、誘導することを可能とする。また、音声による通知によって、視覚障害のある利用者への利便性を拡大できる。
【0071】
(4) 切り替える機能をカメラが写している映像の内容から自動で判断できる構成としてもよく、この自動判断で切り替える機能を選択又は起動させれば、使用したい機能を意識せず、機能を切り替えることが可能となる。
【0072】
(5) ところで、携帯電話機を高齢者が利用する場合には、携帯電話機の小さな表示画面に、文章を大きな文字で表示したいという要求がある。メールのテキスト文章については、文字フォントを大きくすることが可能だったが、従前の接写撮影では、小さな文字を撮影しようとした場合、小さな画面に表示される文字が小さく表示されるため、利用者が写したい文書が、画面に表示されているか否かを確認することができないという問題があった。
【0073】
この課題について、従来の接写撮影機能では、カーソルキーを押し続けることにより、文字のズームアップをすることが可能であったが、撮影時には、ズームアップした画面を元に戻して撮影することが必要となり、撮影するまでにズーム操作の時間が余計にかかるとともに、利用者の操作性を損なうという課題があった。
【0074】
これに対し、第1の実施の形態に係る携帯電話機等の携帯端末装置では、小さな文字を接写で撮影しようとした場合、自動的に拡大鏡機能を利用可能なメニューキーを表示させ、その表示を点滅させる等により誘導し、そのキーを押下することで、一時的に撮影画面の中心部の拡大画像(例えば、8倍ズーム)を生成表示することにより、接写部分の位置の確認後に、接写撮影に戻し、そのまま撮影することができる。即ち、上記課題が解決されたのである。
【0075】
(6) 図9に示すフローチャートにおいて、ステップS20の接写撮影キー83の押下により、拡大前の画像84(図8)が画像記憶部224に取り込まれる構成としてもよい。
【0076】
〔第2の実施の形態〕
【0077】
次に、第2の実施の形態は、フォーカス状態を表す情報として焦点距離から接写撮影機能が可能であるか否かを判断する機能を含む構成である。
【0078】
この第2の実施の形態について、図10を参照する。図10は、第2の実施の形態に係る拡大鏡機能を含む接写撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。図10に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0079】
この処理手順は、撮影方法又は撮影プログラムの一例である。第1の実施の形態と同様に、撮影は、携帯電話機16のメニュー画面からカメラ機能を起動させる。この撮影では、被写体から得られる画像情報によりフォーカス状態がフォーカス状態通知部6で検知される。このフォーカス状態通知部6から拡大鏡機能付き接写撮影部4にフォーカス状態が通知され(ステップS31)、焦点距離が通知される(ステップS32)。そこで、この焦点距離と接写機能使用距離とを比較し(ステップS33)、接写機能が使用可能であるか否かが判定される(ステップS34)。既述したように、この判定は、接写撮影が可能であるか否かの判定である。
【0080】
接写機能が使用可能であれば(ステップS34のYES)、自動的に機能選択として接写撮影モードに移行し、接写撮影画面68が表示され(ステップS35)、このとき、既述の拡大鏡キー78が表示される(ステップS36)。
【0081】
この接写撮影画面68の表示状態では、キー操作により、写真撮影、拡大鏡機能又はズーム機能の各機能が選択可能である(ステップS37)。そこで、この状態から、撮影キー76を押下すれば、写真撮影に移行し(ステップS38)、現在の接写撮影画面68に表示されている画像84(図8)が取り込まれる。この場合、ズームによる画像拡大及び縮小や、拡大鏡機能には無関係となる。
【0082】
また、拡大鏡キー78を押下すれば、撮影フレームの中心部の拡大エリア80を抽出し、例えば、倍率を8倍にしたものを拡大画像82(図7)として生成し、これを拡大鏡の映像として画像記憶部224に記録する(ステップS39)。この拡大画像82を画像72に代えて拡大鏡画面として表示する(ステップS40)。利用者は、拡大画像82から接写撮影画面68の画像72(図6)の細部を確認することができる。
【0083】
この拡大画像82の表示状態では、既述の接写撮影キー83が表示される(ステップS41)。この表示状態から撮影か接写撮影画面68に復帰するかの機能選択が行われ、選択されたキー操作を判定する(ステップS42)。撮影キー76を操作すれば、ステップS38と同様に、写真撮影に移行し(ステップS43)、接写撮影画面68に表示されていた画像84(図8)が取り込まれる。即ち、拡大前の画像が取り込まれる。
【0084】
また、接写撮影キー83が押下された場合には、ステップS35に戻り、拡大画像表示前の接写撮影画面68の表示に戻る。
【0085】
また、ステップS37において、ズーム機能の選択は、ハードキーである上キー46U又は下キー46Dによって実行される。上キー46Uは画像を拡大するための拡大キー、下キー46Dは画像を縮小するための縮小キーに設定されている。そこで、上キー46Uが押下されると、倍率を1レベル上昇(ステップS44)、また、下キー46Dが押下されると、倍率を1レベル下降(ステップS45)の処理が連続的に行える。この場合、1レベルは、例えば、倍率で2倍程度とすればよい。このズーム機能は、拡大鏡機能と異なり、拡大又は縮小された画像が取込み画像となり、任意に設定された倍率の画像状態で撮影キー76を押下すれば、表示されている画像が画像記憶部224に取り込まれる。
【0086】
この実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果や利点がある。
【0087】
〔第3の実施の形態〕
【0088】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態にソフトキーの点滅制御を付加し、ソフトキーの点滅表示によって機能切替え等に利用者を誘導する構成である。
【0089】
この第3の実施の形態について、図11を参照する。図11は、第3の実施の形態に係るカメラ機能部の一例を示す図である。図11に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図11において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0090】
このカメラ機能部2Bは既述のメニューキー制御部8とともにソフトキー点滅制御部86を備える。このソフトキー点滅制御部86は、接写撮影モードにおいて、拡大鏡キー78(図6)が表示された際に、この拡大鏡キー78を点滅させ、拡大鏡機能の切替えに利用者を誘導する。
【0091】
また、拡大画像82(図7)が表示され、接写撮影キー83が表示されると、その表示に対応し、この接写撮影キー83を点滅させ、接写撮影モードの切替えに利用者を誘導する。
【0092】
斯かる構成とすれば、切り替えるソフトキー、画面上のソフトキーを示す位置を点滅させ、操作すべきソフトキーを他のソフトキーやハードキーと区別することが容易になり、また、機能切替えやモード切替えに利用者が誘導され、的確かつ迅速な操作を行え、撮影機能の利便性が高められる。
【0093】
このように、小さな文字を接写撮影する場合には、自動的に拡大鏡機能を利用可能な拡大鏡キーが点滅を始め、そのキーを押下することで、一時的に接写撮影画面の中心部を拡大表示(例えば、8倍ズーム)することができ、接写部分の位置の確認後に、接写撮影に戻り、そのまま撮影することができる。
【0094】
その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
〔第4の実施の形態〕
【0096】
第4の実施の形態は、第1の実施の形態にソフトキーの点滅制御を付加し、ハードキーの発光表示によって機能切替え等に利用者を誘導する構成である。
【0097】
この第4の実施の形態について、図12を参照する。図12は、第4の実施の形態に係る携帯電話機の一例を示す図である。図12に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図12において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0098】
この携帯電話機16にはハードキー発光部88を備える。このハードキー発光部88は、利用者にハードキーの選択を促すための発光機能部の一例であって、CPU20の制御により、特定の機能動作中に機能選択や操作のための機能が割り当てられているハードキーを発光させ、利用者の操作を誘導する。
【0099】
このハードキー発光部88は例えば、接写撮影モードにおいて、拡大鏡キー78(図6)が表示された際に、この拡大鏡キー78に対応するハードキーである電話帳キー44を発光させ、その発光により、拡大鏡機能の切替えに利用者を誘導する。電話帳キー44の内側に例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を設置すれば、その点灯により電話帳キー44を発光させることができる。
【0100】
また、拡大画像82(図7)が表示され、接写撮影キー83が表示されると、その表示に対応し、この接写撮影キー83に対応する電話帳キー44を同様に発光させ、接写撮影モードの切替えに利用者を誘導する。この発光にも同様にLED等の発光素子を用いればよい。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0101】
斯かる構成とすれば、切り替えるハードキーを発光させ、操作すべきハードキーを他のソフトキーやハードキーと区別することができ、また、機能切替えやモード切替えに利用者が誘導され、的確かつ迅速な操作を行え、撮影機能の利便性が高められる。
【0102】
〔第5の実施の形態〕
【0103】
この第5の実施の形態は、接写撮影画面に拡大画像を重ねて表示し、接写撮影画像と拡大画像とを併せて視認可能としたものである。
【0104】
この第5の実施の形態について、図13を参照する。図13は、第5の実施の形態に係る拡大表示を示す図である。図13に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図13において、図4、図6、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0105】
既述の第1ないし第4の実施の形態では、被写体から得られた画像72(図6)に代えて拡大画像82(図7)を表示しているのに対し、図13に示すように、拡大前の画像72に拡大画像82を重ねることにより、拡大前の画像72と拡大画像82とを同時に表示してもよい。この場合、拡大画像82の倍率は第1ないし第4の実施の形態の倍率より小さく設定すればよい。
【0106】
斯かる構成とすれば、拡大前の画像72と拡大画像82とを同時に確認できる。換言すれば、取り込むための画像84(図8)と拡大画像82とを同時に確認できる。
【0107】
〔第6の実施の形態〕
【0108】
第6の実施の形態は遠方にある被写体を撮影する場合等に用いられる遠距離撮影モードに拡大鏡機能を適用したものである。
【0109】
この第6の実施の形態について、図14及び図15を参照する。図14は、第6の実施の形態に係る遠距離撮影モードの画面表示の一例を示す図、図15は、拡大表示画面の一例を示す図である。図14及び図15に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図14及び図15において、図4、図6、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0110】
遠距離撮影モードの場合、図14に示すように、LCD26の表示画面58に遠距離撮影画面168が表示される。この遠距離撮影画面168にも同様に第1ないし第5の表示領域681、682、683、684、685が設定される。表示領域681には電話機能や時刻等が表示され、表示領域682にはモードを示すタイトル等が表示され、この場合、「遠距離撮影」と表示され、現在動作中の機能が遠距離撮影モードであることを示している。
【0111】
表示領域683は主表示領域であって、撮影フレームの画像が表示され、遠距離撮影モードを表すマーク70bと、遠距離撮影された遠距離画像172が表示されている。表示領域684には撮影サイズの大きさ情報とともに、その撮影サイズに対応した撮影枚数の残量情報が表示される。
【0112】
そして、表示領域685はソフトキー表示領域であって、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76、拡大鏡キー78がその機能情報「メニュー」、「撮影」、「拡大鏡」とともに表示される。メニューキー74の操作は、ハードキーであるメニューキー42に割り当てられ、撮影キー76の操作は、ハードキーである決定キー48に割り当てられ、拡大鏡キー78の操作は、ハードキーである電話帳キー44に割り当てられている。そこで、拡大鏡キー78は発光表示とし、電話帳キー44は点滅表示とすることにより、利用者に操作を促す構成としてもよい。
【0113】
この表示状態において、拡大鏡キー78が割り当てられた電話帳キー44を押下すれば、拡大鏡機能モードに移行する。この拡大鏡機能モードでは、電話帳キー44の押下を契機に、拡大鏡機能が実行される。この拡大鏡機能では、撮影フレームの画像172の中央に設定された拡大エリア80の画像(画像172の一部)が抽出され、その拡大画像182(図15)が生成される。この拡大画像182は、図15に示すように、表示領域682、683の全域に表示される。このとき、表示領域685には、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76が表示されるとともに、既述の拡大鏡キー78に代え、遠距離撮影キー183が表示される。これらのソフトキーを表す機能情報として、「メニュー」、「撮影」、「遠距離撮影」が表示される。
【0114】
この拡大画像182の表示状態から遠距離撮影キー178を押下すれば、遠距離撮影モードの画像172の表示状態に戻る(図14)。この場合、拡大前の画像172が画像記憶部224に取り込まれる。また、拡大前の画像172の表示の後、再度、撮影キー76を押下し、画像取込みを行う構成でもよい。
【0115】
次に、遠距離撮影モードを含む撮影の処理手順について、図16を参照する。図16は、拡大鏡機能を含む遠距離撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0116】
この実施の形態では、カメラ機能部2Aに既述の拡大鏡機能付き接写撮影部4(図1)に代えて拡大鏡機能付き遠距離撮影部、接写撮影モード切替え部12に代えて遠距離撮影モード切替え部を備える構成とすればよい。この場合、拡大鏡機能付き遠距離撮影部は、遠距離画像をその取込み前に拡大鏡機能によって拡大画像を表示させる機能部であり、遠距離撮影モード切替え部は、遠距離撮影モードに切り替え、遠距離撮影モードを実行させるための機能部である。
【0117】
そこで、この遠距離撮影モードを含む撮影の処理手順は、撮影方法又は撮影プログラムの一例である。この処理手順においても、第1の実施の形態と同様に、撮影は、携帯電話機16のメニュー画面からカメラ機能を起動させる。この撮影では、被写体から得られる画像情報によりフォーカス状態がフォーカス状態通知部6で検知される。このフォーカス状態通知部6から既述の拡大鏡機能付き遠距離撮影部にフォーカス状態が通知され(ステップS51)、焦点距離が通知される(ステップS52)。そこで、この焦点距離と遠距離機能使用距離とを比較し(ステップS53)、遠距離機能が使用可能であるか否かが判定される(ステップS54)。この判定は、遠距離撮影が可能であるか否かの判定である。
【0118】
遠距離機能が使用可能であれば(ステップS54のYES)、遠距離撮影モードに移行し、遠距離撮影画面168が表示され(ステップS55)、このとき、既述の拡大鏡キー78が表示される(ステップS56)。
【0119】
この遠距離撮影画面168の表示状態では、キー操作により、写真撮影、拡大鏡機能又はズーム機能の各機能が選択可能である(ステップS57)。そこで、この状態から、撮影キー76を押下すれば、写真撮影に移行し(ステップS58)、現在の遠距離撮影画面168に表示されている画像172(図14)が取り込まれる。この場合、ズームによる画像拡大及び縮小や、拡大鏡機能には無関係となる。
【0120】
また、拡大鏡キー78を押下すれば、撮影フレームの中心部の拡大エリア80を抽出し、例えば、倍率を8倍にしたものを拡大画像182(図15)として生成し、これを拡大鏡の映像として画像記憶部224に記録する(ステップS59)。この拡大画像182を画像172に代えて表示する(ステップS60)。利用者は、拡大画像182から遠距離撮影画面168の画像172の細部を確認することができる。
【0121】
この拡大画像182の表示状態では、既述の遠距離撮影キー183が表示される(ステップS61)。この表示状態から撮影か遠距離撮影画面168に復帰するかの機能選択が行われ、選択されたキー操作を判定する(ステップS62)。撮影キー76を操作すれば、ステップS58と同様に、写真撮影に移行し(ステップS63)、遠距離画像172(図14)が取り込まれる。即ち、拡大前の画像が取り込まれる。
【0122】
また、遠距離撮影キー183が押下された場合には、ステップS55に戻り、拡大画像表示前の遠距離撮影画面168の表示に戻る。
【0123】
また、ステップS57において、ズーム機能の選択は、ハードキーである上キー46U又は下キー46Dによって実行される。上キー46Uは画像を拡大するための拡大キー、下キー46Dは画像を縮小するための縮小キーに設定されている。そこで、上キー46Uが押下されると、倍率を1レベル上昇(ステップS64)、また、下キー46Dが押下されると、倍率を1レベル下降(ステップS65)の処理が連続的に行える。この場合、1レベルは、例えば、倍率で2倍程度とすればよい。このズーム機能は、拡大鏡機能と異なり、拡大又は縮小された画像が取込み画像となり、任意に設定された倍率の画像状態で撮影キー76を押下すれば、表示されている画像が画像記憶部224に取り込まれる。
【0124】
以上説明したように、遠距離撮影においても、拡大鏡機能により拡大画像を生成して表示し、画像取込み前の遠距離画像の細部を確認でき、撮影機能の利便性を高めることができる。
【0125】
〔第7の実施の形態〕
【0126】
第7の実施の形態は近距離にいる人物や動物等の被写体を撮影する場合等に用いられるポートレート撮影モードに拡大鏡機能を適用したものである。
【0127】
この第7の実施の形態について、図17及び図18を参照する。図17は、第7の実施の形態に係るポートレート撮影モードの画面表示の一例を示す図、図18は、拡大表示画面の一例を示す図である。図17及び図18に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図17及び図18において、図4、図6、図7と同一部分には同一符号を付してある。
【0128】
ポートレート撮影モードの場合、図17に示すように、LCD26の表示画面58にポートレート撮影画面268が表示される。このポートレート撮影画面268にも同様に第1ないし第5の表示領域681、682、683、684、685が設定される。表示領域681には電話機能や時刻等が表示され、表示領域682にはモードを示すタイトル等が表示され、この場合、「ポートレート撮影」と表示され、現在動作中の機能がポートレート撮影モードであることを示している。
【0129】
表示領域683は主表示領域であって、撮影フレームの画像が表示され、ポートレート撮影モードを表すマーク70cと、ポートレート撮影されたポートレート画像272が表示されている。表示領域684には撮影サイズの大きさ情報とともに、その撮影サイズに対応した撮影枚数の残量情報が表示される。
【0130】
そして、表示領域685はソフトキー表示領域であって、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76、拡大鏡キー78がその機能情報「メニュー」、「撮影」、「拡大鏡」とともに表示される。メニューキー74の操作は、ハードキーであるメニューキー42に割り当てられ、撮影キー76の操作は、ハードキーである決定キー48に割り当てられ、拡大鏡キー78の操作は、ハードキーである電話帳キー44に割り当てられている。そこで、拡大鏡キー78は発光表示とし、電話帳キー44は点滅表示とすることにより、利用者に操作を促す構成としてもよい。
【0131】
この表示状態において、拡大鏡キー78が割り当てられた電話帳キー44を押下すれば、拡大鏡機能モードに移行する。この拡大鏡機能モードでは、電話帳キー44の押下を契機に、拡大鏡機能が実行される。この拡大鏡機能では、撮影フレームの画像272の中央に設定された拡大エリア80の画像(画像272の一部)が抽出され、その拡大画像282(図18)が生成される。この拡大画像282は、図18に示すように、表示領域682、683の全域に表示される。このとき、表示領域685には、ソフトキーとしてメニューキー74、撮影キー76が表示されるとともに、既述の拡大鏡キー78に代え、ポートレート撮影キー283が表示される。これらのソフトキーを表す機能情報として、「メニュー」、「撮影」、「ポートレート撮影」が表示される。
【0132】
この拡大画像282の表示状態からポートレート撮影キー283を押下すれば、ポートレート撮影モードの画像272の表示状態に戻る(図17)。この場合、拡大前の画像272が画像記憶部224に取り込まれる。また、拡大前の画像272の表示の後、再度、撮影キー76を押下し、画像取込みを行う構成でもよい。
【0133】
次に、ポートレート撮影モードを含む撮影の処理手順について、図19を参照する。図19は、拡大鏡機能を含むポートレート撮影モードの処理手順の一例を示すフローチャートである。図19に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0134】
この実施の形態では、カメラ機能部2Aに既述の拡大鏡機能付き接写撮影部4(図1)に代えて拡大鏡機能付きポートレート撮影部、接写撮影モード切替え部12に代えてポートレート撮影モード切替え部を備える構成とすればよい。この場合、拡大鏡機能付きポートレート撮影部は、ポートレート画像をその取込み前に拡大鏡機能によって拡大画像を表示させる機能部であり、ポートレート撮影モード切替え部は、ポートレート撮影モードに切り替え、ポートレート撮影モードを実行させるための機能部である。
【0135】
そこで、このポートレート撮影モードを含む撮影の処理手順は、撮影方法又は撮影プログラムの一例である。この処理手順においても、第1の実施の形態と同様に、撮影は、携帯電話機16のメニュー画面からカメラ機能を起動させる。この撮影では、被写体から得られる画像情報によりフォーカス状態がフォーカス状態通知部6で検知される。このフォーカス状態通知部6から既述の拡大鏡機能付きポートレート撮影部にフォーカス状態が通知され(ステップS71)、焦点距離が通知される(ステップS72)。そこで、この焦点距離とポートレート機能使用距離とを比較し(ステップS73)、ポートレート機能が使用可能であるか否かが判定される(ステップS74)。この判定は、ポートレート撮影が可能であるか否かの判定である。
【0136】
ポートレート機能が使用可能であれば(ステップS74のYES)、ポートレート撮影モードに移行し、ポートレート撮影画面268が表示され(ステップS75)、このとき、既述の拡大鏡キー78が表示される(ステップS76)。
【0137】
このポートレート撮影画面268の表示状態では、キー操作により、写真撮影、拡大鏡機能又はズーム機能の各機能が選択可能である(ステップS77)。そこで、この状態から、撮影キー76を押下すれば、写真撮影に移行し(ステップS78)、現在のポートレート撮影画面268に表示されている画像272が取り込まれる。この場合、ズームによる画像拡大及び縮小や、拡大鏡機能には無関係となる。
【0138】
また、拡大鏡キー78を押下すれば、撮影フレームの中心部の拡大エリア80を抽出し、例えば、倍率を8倍にしたものを拡大画像282(図18)として生成し、これを拡大鏡の映像として画像記憶部224に記録する(ステップS79)。この拡大画像282を画像272に代えて表示する(ステップS80)。利用者は、拡大画像282からポートレート撮影画面268の画像272の細部を確認することができる。
【0139】
この拡大画像282の表示状態では、既述のポートレート撮影キー283が表示される(ステップS81)。この表示状態から撮影かポートレート撮影画面268に復帰するかの機能選択が行われ、選択されたキー操作を判定する(ステップS82)。撮影キー76を操作すれば、ステップS78と同様に、写真撮影に移行し(ステップS83)、ポートレート撮影画面268に表示されていたポートレート画像272(図17)が取り込まれる。即ち、拡大前の画像が取り込まれる。
【0140】
また、ポートレート撮影キー283が押下された場合には、ステップS75に戻り、拡大画像表示前のポートレート撮影画面268の表示に戻る。
【0141】
また、ステップS77において、ズーム機能の選択は、ハードキーである上キー46U又は下キー46Dによって実行される。上キー46Uは画像を拡大するための拡大キー、下キー46Dは画像を縮小するための縮小キーに設定されている。そこで、上キー46Uが押下されると、倍率を1レベル上昇(ステップS84)、また、下キー46Dが押下されると、倍率を1レベル下降(ステップS85)の処理が連続的に行える。この場合、1レベルは、例えば、倍率で2倍程度とすればよい。このズーム機能は、拡大鏡機能と異なり、拡大又は縮小された画像が取込み画像となり、任意に設定された倍率の画像状態で撮影キー76を押下すれば、表示されている画像が画像記憶部224に取り込まれる。
【0142】
以上説明したように、ポートレート撮影においても、拡大鏡機能により拡大画像を生成して表示し、画像取込み前のポートレート画像例えば、顔等の画像の細部を確認でき、撮影機能の利便性を高めることができる。
【0143】
〔第8の実施の形態〕
【0144】
第8の実施の形態は各表示画面からメニュー切替えのために移行させるメニュー表示画面を構成した場合である。
【0145】
この第8の実施の形態について、図20を参照する。図20は、第8の実施の形態に係るメニュー画面の表示を示す図である。図20に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0146】
上記実施の形態では、接写撮影画面68(図6)、遠距離撮影画面168(図14)、ポートレート撮影画面268(図17)、これらの拡大表示画面(図7、図13、図15、図18)にはメニューキー74が表示される。このメニューキー74を操作した場合には、メニュー表示画面を表示する。
【0147】
このメニュー表示画面90には、図20に示すように、機能切替えのためのガイド表示92とともに、切替え可能な機能表示94として、拡大鏡、接写撮影、手書きメモ、バーコード読取り、メニュー画面の終了等が表示される。1.拡大鏡、2.接写撮影、3.手書きメモ、4.バーコード読取り、5.終了するの何れかにカーソルを重ね、決定キー48(図4等)を押下すれば、カーソルで選択された機能が実行される。
【0148】
この場合、接写撮影に代え又は接写撮影の他、遠距離撮影、ポートレート撮影等、他の撮影モードの選択メニューを表示し、それらの選択を可能にしてもよい。
【0149】
斯かる構成とすれば、画像を切り替える機能として、機能一覧表示から選択し、最適な機能を自動的にメニュー表示し、また、優先的に行えるメニューにカーソルを重ねて表示する機能を備えるので、撮影機能の利便性を高めることができる。
【0150】
また、この実施の形態において、自動的にフォーカスを合わせる動作を行い、接写撮影状態になった場合は、接写撮影メニューの点滅表示を開始し、右ソフトキー(右側に表示されるソフトキー)となる電話帳キー44を光で点滅させてもよいし、そのタイミングでキー表示された旨を音声にて通知してもよい。この場合、接写撮影状態でない場合には、接写撮影メニューを非表示とすればよい。接写撮影メニューの押下によって表示されるメニューはカメラが写している映像の状態により異ならせる構成としてもよい。
【0151】
被写体から得られた映像(画像)の内容から自動で判断し、例えば、バーコードが映っていると判断した場合はバーコードリーダに優先的に切替え可能なメニューを表示してもよい。
【0152】
カメラが写している映像の内容が通常の画面であった場合、従来の機能一覧が表示されている接写撮影メニューと同等の画面を表示してもよい。
【0153】
このような多様な画面表示とすれば、撮影機能をより拡充し、利便性を高めることができる。
【0154】
〔第9の実施の形態〕
【0155】
第9の実施の形態では拡大鏡機能に拡大画像の倍率切替え機能を付加した構成である。
【0156】
この第9の実施の形態について、図21を参照する。図21は、第9の実施の形態に係る倍率切替えを示す図である。図21に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図21において、図6と同一部分には同一符号を付してある。
【0157】
第1〜第8の実施の形態では、拡大画像の倍率は一例として8倍に固定したが、図21に示すように、2倍〜8倍に変更可能にしてもよく、倍率についても8倍を超える倍率に設定してもよい。
【0158】
このように倍率を変更した場合には設定される例えば、倍率2〜8に応じ、拡大対象の画像面積を変更することができ、この場合、拡大エリア80として、拡大倍率を2倍とした場合には拡大エリア802、拡大倍率を4倍とした場合には拡大エリア804、拡大倍率を8倍とした場合には拡大エリア808に設定することができる。これら拡大エリア802、804、808に対応し、拡大画像822、824、828が得られる。
【0159】
斯かる構成とすれば、拡大画像の倍率と、拡大対象に応じて拡大エリア802、804、808を選択することができるので、効率良く画面表示を行え、画像確認の容易化等、撮影機能の利便性が高められる。この場合、接写撮影、遠距離撮影、ポートレート撮影に応じて拡大エリア802、804、808を選択し、拡大画像の拡大倍率を設定し、変更可能としてもよい。
【0160】
〔他の実施の形態〕
【0161】
(1) 上記実施の形態では、撮影装置、撮影方法、撮影プログラム及び携帯端末装置の一例として携帯電話機16を例示したが、本開示に係る撮影装置、撮影方法、撮影プログラム及び携帯端末装置は、例えば、カメラ機能を備える携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)96(図22)に適用してもよく、また、カメラ機能を備えるパーソナルコンピュータ(PC)98(図23)に適用してもよく、カメラ機能を搭載した電子機器であればどのようなものでもよく、携帯電話機16に限定されない。
【0162】
(2) PDA96では、図22に示すように、筐体100に表示部102、カメラ部104、複数のハードキー106等を備えており、既述の携帯電話機16と同様に接写撮影画面68等を表示し、拡大鏡機能を搭載することにより、被写体から得られた画像の取込み前に拡大画像を表示部102の画面に表示し、画像確認を行え、撮影機能の拡充によってPDA96の利便性を高めることができる。また、既述のソフトキーの表示、その点滅表示、ハードキーの発光又は点滅等により、利用者に操作を誘導し、場合によっては、音声によって操作を誘導することにより、撮影機能の利便性に加え、使い勝手の良い撮影装置としてのPDAを提供することができる。
【0163】
(3) PC98においても、図23に示すように、可動側の筐体108に表示部110、カメラ部112を備えるとともに、筐体108をヒンジ部109で回動可能に支持する固定側の筐体111に複数のハードキー114等を備えており、既述の携帯電話機16と同様に接写撮影画面68等を表示し、拡大鏡機能を搭載することにより、被写体から得られた画像の取込み前に拡大画像を表示部110に表示し、画像確認を行え、撮影機能の拡充によってPC98においても利便性を高めることができる。また、PC98においても、既述のソフトキーの表示、その点滅表示、ハードキーの発光又は点滅等により、利用者に操作を誘導し、場合によっては、音声によって操作を誘導することにより、撮影機能の利便性に加え、使い勝手の良い撮影装置としてのPCを提供することができる。
【0164】
(4) 上記実施の形態では、画面ピクト表示、ハードキーのLED発光・点滅、音声又は音によるガイドを行うことができ、また、画面ソフトキー表示、その点滅(ハードキーと対となっている画面上に表示されるソフトキー)、音声によるガイダンス、ハードキーの点滅を行っているが、ソフトキーやハードキーの識別のための表示は上記の発光、点滅又は音声に限定されるものではない。
【0165】
(5) 上記実施の形態では、被写体から得た画像の一部から拡大画像をディジタル処理で生成させているが、拡大画像は、被写体から得た画像の全部から生成させ、表示部に表示する構成としてもよいし、拡大対象の画像を抽出する拡大エリアの位置も画像の中央である必要はなく、上部、下部又は左右の何れでもよいし、その位置を任意に変更するようにしてもよい。斯かる構成とすれば、撮影機能の利便性及び自由度をより高めることができる。
【0166】
(6) 上記実施の形態において、カーソルキー46を拡大画像の拡大倍率指示手段として機能させ、即ち、カーソルキー46の上キー46U及び下キー46Dに拡大倍率指示機能を割り当ててもよい。その場合、拡大画像が表示されている際に、カーソルキー46の上キー46U及び下キー46Dの入力操作を有効にする。そこで、その拡大倍率の指示により、拡大画像生成部としての拡大鏡機能付き接写撮影部4が、指示された拡大倍率に基づき、画像を拡大又は縮小する構成としてもよい。
【0167】
(7) 上記実施の形態において、カーソルキー46を拡大画像の拡大倍率指示手段として機能させ、係る拡大倍率指示手段、即ち、カーソルキー46の上キー46U及び下キー46Dが拡大画像の表示の際に点滅する構成としてもよい。このような点滅表示により利用者に対し、必要な操作を促すことができる。
【0168】
次に、以上述べた実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0169】
(付記1) 被写体を撮影する撮影装置であって、
被写体から得られる画像を表示する表示部と、
画像を記録する画像記録部と、
前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記画像記録部に対する前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【0170】
(付記2) 画像取込み指示を受け、前記拡大画像の抽出前の前記画像を前記画像記録部に記録させる画像記録制御部を備えることを特徴とする付記1記載の撮影装置。
【0171】
(付記3) 前記画像のフォーカス状態を前記拡大画像生成部に通知するフォーカス状態通知手段を備え、前記拡大画像生成部は、前記フォーカス状態に基づき、前記画像から前記拡大画像の対象である画像を抽出することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
【0172】
(付記4) 前記画像の拡大指示を表す拡大指示手段を備え、該画像の拡大指示により、前記拡大画像生成部が前記画像の前記拡大画像への処理を行い、前記表示制御部が前記拡大画像生成部で生成した前記拡大画像を前記表示部に表示させることを特徴とする付記1記載の撮影装置。
【0173】
(付記5) 前記拡大指示手段は、装置筐体に配置されたキー及び/又は前記表示部に表示されたキーであることを特徴とする付記4記載の撮影装置。
【0174】
(付記6) 前記画像取込み指示は、装置筐体に配置されたキー及び/又は前記表示部に表示されたキーの操作に基づくことを特徴とする付記2記載の撮影装置。
【0175】
(付記7) 前記拡大画像に対する拡大倍率を指示する拡大倍率指示手段を備え、該拡大倍率指示手段の拡大倍率の指示により、前記拡大画像生成部は、指示された拡大倍率に基づき前記画像を拡大又は縮小することを特徴とする付記1記載の撮影装置。
【0176】
(付記8) 前記拡大倍率指示手段は、前記拡大画像が表示されている際に有効となり、その拡大倍率の指示により、前記拡大画像生成部が、指示された拡大倍率に基づき前記画像を拡大又は縮小することを特徴とする付記7記載の撮影装置。
【0177】
(付記9) 前記拡大倍率指示手段は、前記拡大画像が表示されている際に点滅することを特徴とする付記7記載の撮影装置。
【0178】
(付記10) 前記拡大倍率指示手段は、装置筐体に配置されたキー及び/又は前記表示部に表示されたキーであることを特徴とする付記7記載の撮影装置。
【0179】
(付記11) 被写体から画像を取得する撮影方法であって、
被写体から得られる画像を表示するステップと、
表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成するステップと、
前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示するステップと、
を含むことを特徴とする撮影方法。
【0180】
(付記12) コンピュータによって実行させる撮影プログラムであって、
被写体から得られる画像を表示する機能と、
表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する機能と、
前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する機能と、
を含み、前記コンピュータに実現させる撮影プログラム。
【0181】
(付記13) 撮影機能を備える携帯端末装置であって、
被写体から得られる画像を表示する表示部と、
画像を記録する画像記録部と、
前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記画像記録部に対する前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【0182】
以上説明したように、撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本開示の撮影装置、撮影方法、撮影プログラム又は携帯端末装置は、被写体から得た画像のフォーカス状態から接写撮影モード等の機能を切り替え、また、被写体から得た画像の一部又は全部から拡大画像を生成させ、この拡大画像を被写体から得られている画像に代え又は重ねて表示し、記録する画像のフォーカス状態等、画像の細部を確認することができ、撮影機能を備える携帯端末装置の利便性を高めることができ、有用である。
【符号の説明】
【0184】
2A、2B カメラ機能部
4 拡大鏡機能付き接写撮影部
6 フォーカス状態通知部
8 メニューキー制御部
10 通常モード撮影部
12 接写撮影モード切替え部
14 画面表示制御部
16 携帯電話機
18 カメラ装置部
20 CPU
22 メモリ
24 キー部
26 LCD
28 音声入出力部
30L、30R スピーカ
32 レシーバ
34 マイクロフォン
36 第1の筐体部
38 第2の筐体部
40 ヒンジ部
42 メニューキー
44 電話帳キー
46 カーソルキー
46U 上カーソルキー
46D 下カーソルキー
46L 左カーソルキー
46R 右カーソルキー
48 決定キー
50 開始キー
52 終了/電源キー
54 クリアキー
56 記号キー
58 表示画面
60 インカメラ
62 LCD
64 表示画面
66 カメラ部
222 プログラム記憶部
224 画像記憶部
226 データ記憶部
228 RAM
68 接写撮影画面
681、682、683、684、685 表示領域
72 画像
172 遠距離画像
272 ポートレート画像
282、182、282 拡大画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影装置であって、
被写体から得られる画像を表示する表示部と、
画像を記録する画像記録部と、
前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記画像記録部に対する前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
画像取込み指示を受け、前記拡大画像の抽出前の前記画像を前記画像記録部に記録させる画像記録制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
被写体から画像を取得する撮影方法であって、
被写体から得られる画像を表示するステップと、
表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成するステップと、
前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示するステップと、
を含むことを特徴とする撮影方法。
【請求項4】
コンピュータによって実行させる撮影プログラムであって、
被写体から得られる画像を表示する機能と、
表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する機能と、
前記画像を記録手段に取り込む前に、前記拡大画像を表示中の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する機能と、
を含み、前記コンピュータに実現させる撮影プログラム。
【請求項5】
撮影機能を備える携帯端末装置であって、
被写体から得られる画像を表示する表示部と、
画像を記録する画像記録部と、
前記表示部に表示されている前記画像から一部又は全部の画像を抽出し、該画像から拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記画像記録部に対する前記画像の取込み前に、前記拡大画像を前記表示部の前記画像に代え又は前記画像に重ねて表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−187331(P2010−187331A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31660(P2009−31660)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】