説明

操作つまみ、電気機器及び検出センサ

【課題】 電気機器に簡単に取り付けたり抜き取ることができるとともに、電気機器に常に取り付けて誤って抜けることを防止することができる操作つまみ、当該操作つまみを備えた電気機器及び検出センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 電気機器の被操作部15に先端部を連結して回転させることで被操作部15の操作を行うための操作つまみ50であって、先端部に設けられて被操作部15に連結された状態で被操作部15に係止可能な弾性突起60と、弾性突起60が被操作部15との係止を解除する方向に変形することを許容する非ロック状態と弾性突起60が被操作部15との係止を解除する方向に変形することを規制するロック状態とに変化するロック部材80と、ロック部材80を案内して前記非ロック状態から前記ロック状態に変化させるロック部材ガイド部90とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作つまみ、電気機器及び検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気機器のパネルに固定された可変抵抗器に接続されて該可変抵抗器を回転操作する操作つまみの取付構造が知られている。この取付構造においては、操作つまみは、可変抵抗器の回転軸に嵌合され、当該操作つまみの突起を、パネルに設けられたヒンジ部をたわませて押し込み、復元したヒンジ部の裏面に係止させてパネルに取り付けられる。
【0003】
また、この取付構造においては、操作つまみの突起を通過させることができる溝部をパネルに設けており、操作つまみは、突起を溝部と一致するように回転させることにより、当該突起を溝部を通過させてパネルから抜き取ることができる。
【特許文献1】特開平5−240972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、操作つまみは、使用する頻度が低い場合には、可変抵抗器を操作する必要があるときのみ電気機器のパネルに簡単に取り付け、簡単に抜き取ることができるようにすることが望ましい。一方、操作つまみは、使用する頻度が高い場合には、パネルに常に取り付けて簡単に抜き取ることができないようにすることが望ましい。
【0005】
しかしながら、上記の操作つまみは、突起をヒンジ部をたわませてパネルに押し込まなければならないこと、当該突起を溝部と一致させるために回転させなければならないことから、簡単に取り付けたり抜き取ったりすることができるものであるとは言い難かった。
【0006】
さらに、この操作つまみは、回転させて突起が溝部と一致したときに、誤ってパネルから抜けてしまうおそれもあった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、電気機器に簡単に取り付けたり抜き取ることができるとともに、電気機器に常に取り付けて誤って抜けることを防止することができる操作つまみ、当該操作つまみを備えた電気機器及び検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、電気機器の被操作部に先端部を連結して回転させることで前記被操作部の操作を行うための操作つまみであって、前記先端部に設けられて前記被操作部に連結された状態で当該被操作部に係止可能な弾性突起と、前記弾性突起が前記被操作部との係止を解除する方向に変形することを許容する非ロック状態と前記弾性突起が前記被操作部との係止を解除する方向に変形することを規制するロック状態とに変化するロック部材と、前記ロック部材を案内して前記非ロック状態から前記ロック状態に変化させるロック部材ガイド部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の操作つまみにおいて、前記ロック部材を前記ロック部材ガイド部によって前記弾性突起側にスライドさせることにより、前記ロック部材を前記弾性突起が前記被操作部との係合を解除する方向において当該弾性突起と当接させて前記ロック状態にすることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の操作つまみにおいて、前記非ロック状態のときは前記ロック部材が前記ロック部材ガイド部から突出しないことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係る電気機器は、請求項1ないし3のいずれかに記載の操作つまみと、当該操作つまみの弾性突起が連結される被操作部とを備えたものであって、前記被操作部を前記電気機器の表面から突出しないように配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明に係る検出センサは、請求項4において、前記電気機器が、所定の条件によって被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定する設定手段とを備えるものであって、前記設定手段が、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
<請求項1の発明>
本発明によれば、ロック部材が非ロック状態のときは、弾性突起を被操作部に着脱させることによって、操作つまみを電気機器に簡単に取り付けたり抜き取ることができる。また、本発明によれば、ロック部材がロック状態のときは、弾性突起が被操作部から抜けることを防ぐことができ、操作つまみを、電気機器に常に取り付けて誤って抜けることを防止することができる。
【0014】
<請求項2の発明>
本発明によれば、ロック状態にすることにより、弾性突起が被操作部と係合を解除する方向に変形することがなく、操作つまみが、電気機器に常に取り付けられて誤って抜けることを防止することができる。
【0015】
<請求項3の発明>
本発明によれば、非ロック状態のときはロック部材がロック部材ガイド部から突出することがなく、ロック部材が操作つまみを回転させるときに誤って操作されてロック状態となることを防止することができる。
【0016】
<請求項4及び請求項5の発明>
本発明によれば、被操作部を電気機器(検出センサ)の表面から突出しないように配置したことから、被操作部に触れて電気機器(検出センサ)が誤って操作されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8を参照しつつ説明する。
1.検出センサの構成
本実施形態のファイバセンサ1(検出センサ)は、受光量に応じた検出信号の大きさ(レベル)を閾値と比較することにより、被検出物Wの有無を検出するものである。このファイバセンサ1は、直方体に形成された本体ケース10を備え、CPU30等が当該ケース10内に設けられている。なお、図示しないが、投光用及び受光用の光ファイバの差込孔が本体ケース10の前面に形成され、電線が本体ケース10の裏面から引き出されている。
【0018】
図1に示すように、本体ケース10の上面10Aには、L/Dスイッチ11、モード切替スイッチ12、回転操作子15(被操作部に相当する。)、デジタル表示器20が設けられている。
【0019】
L/Dスイッチ11は、左右にスライド可能となるように設けられており、一方にスライドさせると、閾値よりも大きい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定する。これに対し、L/Dスイッチ11は、他方にスライドさせると、閾値よりも小さい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定する。なお、本実施形態では、L/Dスイッチ11は、閾値よりも大きい受光量が検出されたときに被検出物Wを検出したと判定するように設定している。
【0020】
モード切替スイッチ12は、検出モードと、第一設定モードと、第二設定モードとに切換可能となっており、初期状態のときは検出モードに設定されている。このモード切替スイッチ12は、検出モードに設定された状態から、所定時間だけ押し込む操作をする毎に切換信号をCPU30に送信する。CPU30は、この切換信号を受信し、第一設定モード、第二設定モード、検出モードの順に設定するように制御する。なお、第一設定モード、第二設定モードに設定されているときは、モード切替スイッチ12が所定時間以上押されなかったときに、自動的に検出モードに戻される。このため、通常は検出モードに設定されている。
【0021】
検出モードは、被検出物Wの検出動作が可能となるモードである。デジタル表示器20は、検出モードのときに、検出信号の大きさ(レベル)を比較するための基準値(閾値)を表示する。この閾値(所定の条件)は回転操作子15を操作つまみ50によって回転させることにより変更され、検出感度が調整される。なお、回転操作子15及び操作つまみ50は、本発明の設定手段に相当する。
【0022】
第一設定モードは、被検出物Wの検出動作を行わないとき(例えば製品の出荷前)に選択されるモードである。デジタル表示器20は、第一設定モードのときに、CPU30の出力信号のタイミング,出力時間等を表示する。この出力信号のタイミングや出力時間等は、回転操作子15を操作つまみ50によって回転させることにより変更される。例えば、図4に図示するように、回転操作子15を回転させることにより、CPU30の出力信号(パルス信号)のパルス幅を所定時間Tだけ延長する(オンディレイ)。これにより、通常の出力時間では被検出物Wを検出できない場合であっても、出力時間を検出可能な時間(パルス幅)に延長し、当該被検出物Wを検出することができる。
【0023】
第二設定モードは、第一設定モードと同様に、被検出物Wの検出動作を行わないとき(例えば製品の出荷前)に選択されるモードである。デジタル表示器20は、第二設定モードのときに、投光素子の投光周期を表示する。この投光周期は、回転操作子15を操作つまみ50によって回転させることにより変更される。例えば、投光周期は、回転操作子15を操作つまみ50によって回転させることにより、予め記憶された3種類の周期から選択されて変更される。
【0024】
回転操作子15は、図3に図示するように、上端15Aが本体ケース10の上面10Aから突出して設けられており、時計周り及び反時計周りに回転する。この回転操作子15は、図示するように、凹部16を有する。
【0025】
この回転操作子15は、図示しない回転軸が下方(本体ケース10の内部)に延出されている。この回転軸は、図3から理解できるように、ロータリーエンコーダ17(以下エンコーダ17という。)と接続されている。エンコーダ17は、回転操作子15を操作つまみ50によって回転させることにより、位相の異なる2種類のパルス信号をCPU30に出力する。CPU30は、受信したパルス信号のトリガの数から回転操作子15の回転速度(操作速度)を検出し、検出した回転速度に応じた変化量で閾値(検出感度)等を変更する。
【0026】
デジタル表示器20は、図1に図示するように、本体ケース10の上面10Aに設けられており、第一表示部21と第二表示部22とを有する。第一及び第二表示部21,22は、4桁の7セグメントLEDによって構成される。
【0027】
第一表示部21は、各モードにおける設定値(検出モードでは閾値、第一設定モードではCPU30の出力信号の出力時間の延長時間T[s]、第二設定モードでは投光素子の投光周期[s])を表示する。
【0028】
第二表示部22は、検出モードのときは、光の受光量の大きさ(レベル)を表示し、第一設定モード及び第二設定モードのときは、当該モードであること識別する文字を表示する。例えば、第一設定モードのときは「DELY」の文字、第二設定モードのときは「SPED」の文字を、それぞれ第二表示部22に表示する。
【0029】
第一表示部21は、表示する文字の色が第二表示部22とは異なる。例えば、第一表示部21は緑色の文字、第二表示部22は赤色の文字をそれぞれ表示する。これにより、作業者は、第一設定モード又は第二設定モードに設定されていることを容易に識別することができる。
【0030】
さらに、動作表示灯34,安定動作表示灯35が、本体ケース10の左端部(図1のデジタル表示器20の左方)に設けられている。動作表示灯34は、被検出物Wを検出したときに点灯し、被検出物Wを検出しないときは点灯しない。作業者等は、動作表示灯34が点灯することにより、被検出物Wが検出されたか否かを目視して確認することができる。
【0031】
安定動作表示灯35は、被検出物Wが安定して検出されたときに点灯する。メモリ(図示せず。)は、閾値を被検出物Wの検出が安定した精度で行うことができる安定レベルにシフトさせるシフトレベルを記憶している。安定動作表示灯35は、受光回路32(図2参照。)から出力される検出信号の大きさ(レベル)が安定レベルよりも大きいときに、CPU30が被検出物Wを高い精度で検出していると判断して点灯する。作業者等は、安定動作表示灯35の点灯により、被検出物Wが安定して検出されているか否かを目視して確認することができる。
【0032】
2.検出センサの電気的構成
ファイバセンサ1のブロック図を図2に示す。図示するように、L/Dスイッチ11及びモード切替スイッチ12が、CPU30に接続されている。CPU30は、モード切替スイッチ12から切換信号を受信する毎に、前記検出モード、前記第一設定モード、前記第二設定モードの順に設定するように制御する。
【0033】
エンコーダ17は、図示するように、CPU30に接続されている。CPU30は、回転操作子15を回転させると、エンコーダ17からパルス信号を受信し、このパルス信号の立ち上がり及び立下りをトリガ信号として、トリガ信号の数とトリガ間隔を求める。
【0034】
CPU30は、求めたトリガ間隔をメモリに記憶された所定時間と比較する。CPU30は、トリガ間隔が所定時間よりも短いときは、トリガを検出する毎に、設定されたモード(検出モード等)における設定値を1だけ変更する。
【0035】
一方、CPU30は、トリガ間隔が前記所定時間よりも長いときは、例えば、トリガを4回検出する(4倍の回転角度)毎に、設定されたモードにおける設定値を1だけ変更する。
【0036】
デジタル表示器20はCPU30に接続されている。CPU30は、設定値を変更すると、変更された設定値を第一表示部21に表示するように制御する。
【0037】
さらに、投光回路31及び受光回路32がCPU30に接続されている。CPU30は、投光回路31の投光素子を、所定の周期で被検出物Wに投光させるように制御する。このCPU30は、被検出物Wに反射して受光回路32の受光素子によって受光された光量の大きさ(レベル)に応じた検出信号(パルス信号)を、受光回路32から受信する。なお、CPU30,投光回路31,受光回路32は、本発明の検出手段に相当する。
【0038】
CPU30は、検出信号を受光回路32から受信すると、当該検出信号の大きさ(レベル)を前記第二表示部22に表示するように制御するとともに、検出信号のパルス幅(出力時間)を所定時間Tだけ延長し、前記検出信号の大きさと設定された閾値とを比較する。そして、CPU30は、検出信号の大きさが閾値を超過したと判断すると、閾値超過報知信号を出力回路33に送信するとともに動作表示灯34が点灯するように制御する。
【0039】
このCPU30は、所定時間Tだけ延長したときの検出信号の大きさ(レベル)と前記安定レベルとを比較し、当該検出信号の大きさが当該安定レベルを超過していると判断するときは、安定動作表示灯35を点灯させるように制御する。
【0040】
3.操作つまみの構成
操作つまみ50は、回転操作子15を回転させ、閾値(検出モード)、CPU30の出力信号のパルス幅(第一設定モード)、投光素子の投光周期(第二設定モード)を変更するために用いられる。この操作つまみ50は、回転操作子15と連結される一端側の外径が拡径された円筒体を有する。この拡径された部分は抑止部65、外径が当該抑止部65の外径よりも小さい部分が把持部70をそれぞれ構成する。抑止部65には、二つの突起部60が、回転操作子15との連結側に向けて円筒体の中心軸を挟んで平行に対向するように突設されている。そして、この操作つまみ50は、ロック部材80を前記円筒体に収容している。
【0041】
各突起部60は、図6に図示するように、抑止部65と一体に形成されている。各突起部60は、操作つまみ50の中心軸を挟んで対向する面(内面)が、当該中心軸と平行に形成されている。各突起部60は、内面とは異なる外面が、回転操作子15との連結側とは反対側の非連結側から当該連結側に向けて傾斜するように形成され、当該非連結側がくびれている。各突起部60は、回転操作子15との連結側とは反対側の非連結側から当該連結側に向けて傾斜するテーパ面とされた第一頭部61と、当該テーパ面から突設された第二頭部62とを有するように形成されている。各突起部60は、弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成される。
【0042】
抑止部65は、図示するように、外径が、回転操作子15の外径よりも大きく形成され、円筒状の弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成される。この抑止部65は、突起部60の先端が、回転操作子15の凹部16(図3参照。)の底面に到達したときに、回転操作子15の上端15Aに当接するように形成されている。
【0043】
また、図5に図示するように、ロック部材誘導部66が、回転操作子15との連結側に向けて抑止部65から二つ突設されている。このロック部材誘導部66は、操作つまみ50の中心軸を回転軸として二つの突起部60をそれぞれ90度回転させた位置に、当該中心軸を挟んで対向するように形成されている。二つのロック部材誘導部66は、それぞれ弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成され、ロック部材80を、操作つまみ50の中心軸を挟んで対応する面67によって、回転操作子15との連結側へスライドさせる。符号68は爪部である。
【0044】
把持部70は、円筒状の弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成される。この把持部70は、作業者等が持って時計方向又は反時計方向に回すことにより、操作つまみ50を時計方向又は反時計方向に回転させるものである。図中の符号72は窓部である。
【0045】
ロック部材80は、抑止部65,把持部70等と同様に、弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成される。ロック部材80は、突起部60よりも硬質の合成樹脂によって構成される。このロック部材80は、図示するように、前記非連結側が拡径された膨出部81を有する棒状部材である。膨出部81には、第一突部82と第二突部83がそれぞれ二つずつ形成されている。第一突部82は、膨出部81の中心軸に対して対称な位置であって前記非連結側に形成され、第二突部83は、膨出部81の中心軸に対して対称な位置であって前記連結側に形成されている。また、第二突部83には、接着材によって、合成樹脂性のストッパ部材84が固着されている。
【0046】
ロック部材ガイド部90は、二つの突起部60と二つのロック部材誘導部66とによって囲まれた空間及び抑止部65と把持部70とを連通する連通孔によって構成される。このロック部材ガイド部90は、ロック部材80を収容して前記連結側(突起部60側)に案内(スライド)させる。このロック部材ガイド部90は、ロック部材80の第一突部82を係止する第一段部91と、ストッパ部材84の進行を停止させる第二段部92とを有する。なお、図8に図示するように、ロック部材ガイド部90の内径L1は、各第二突部83の最大突出部同士を結ぶ寸法L2より小さい。
【0047】
4.操作つまみの着脱方法
次に、操作つまみ50をファイバセンサ1に着脱する方法について説明する。突起部60を、回転操作子15の凹部16に挿入する。この突起部60を、先端が凹部16の底面に到達するまで連結側に押し下げる。このとき、突起部60は、弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成されていることから、変形して凹部16に圧入される。
【0048】
回転操作子15は、弾性部材(例えば合成樹脂)によって構成され側面15B(図3参照。)が本体ケース10の凹部19に押さえられていることから、凹部16の側壁16Aが、突起部60が圧入されるときに変形し、当該突起部60の先端が凹部16の底面に到達すると復元して突起部60と密着する。操作つまみ50は、図6に図示するように、突起部60(第一頭部61,第二頭部62)が凹部16の側壁16Aと密着するとともに、抑止部65が上端15Aと当接し、回転操作子15に連結される。
【0049】
ロック部材80は、図6及び図8に図示するように、非ロック状態とロック状態とに変化する。図6は非ロック状態、図8はロック状態をそれぞれ示す。
【0050】
ロック部材80は、非ロック状態のときは、膨出部81の第一突部82が、ロック部材ガイド部90の第一段部91によって、連結側へ移動することが規制される。このとき、第二突部83の非連結側の面が、窓部72の内面73と当接する。このロック部材80は、非ロック状態のときは、図6に図示するように、膨出部81がロック部材ガイド部90に収容されて把持部70から突出することがない。
【0051】
ロック部材80は、非ロック状態のときは、図示するように、膨出部81側とは反対側の連結側の先端が、抑止部65のロック部材ガイド部90に収容されている。このロック部材80は、前記第一段部91によって膨出部81が連結側へ移動することが規制されるため、突起部60の近傍のロック部材ガイド部90に進出することがない。突起部60は、ロック部材80の連結側が突起部60のロック部材ガイド部90に位置しないため、当該ロック部材80の連結側によって、外方及び内方に変形することが妨げられることがない。このため、突起部60(第一頭部61,第二頭部62)は、側壁16Aとの密着状態を解除する方向に変形させることができる。操作つまみ50は、作業者等が把持部70を持って非連結側へ引くことにより、突起部60(第一頭部61,第二頭部62)と側壁16Aを変形させて密着状態を解除し、回転操作子15から抜き取られる。
【0052】
一方、ロック部材80は、ロック状態のときは、図8に図示するように、作業者等が膨出部81を連結側へ押すことにより、第一突部82が変形して第一段部91を通過する。その後、ロック部材80は、ロック部材ガイド部90及びロック部材誘導部66の一面67に沿って、ストッパ部材84がロック部材ガイド部90の第二段部92に当接するまでスライドさせることができる。
【0053】
ロック部材80は、ストッパ部材84が第二段部92に当接することによりスライドすることが規制され、連結側が突起部60の近傍のロック部材ガイド部90に位置する。このとき、ロック部材80の連結側は、突起部60の内面(突起部60と側壁16Aとの密着を解除する方向)に当接する。突起部60(第一頭部61)は、ロック部材80の連結側によって外方に押されて側壁16Aに押し当てられる。これにより、突起部60と側壁16Aとの密着状態を解除する方向に変形させることが規制され、突起部60(第一頭部61,第二頭部62)を外方及び内方に変形させることができなくなる。操作つまみ50は、作業者等が把持部70を持って非連結側へ引くことがあっても、突起部60と側壁16Aを変形させて密着状態を解除することができず、回転操作子15から抜き取ることができない。
【0054】
5.実施形態1の効果
(1)操作つまみ50は、ロック部材80が前記非ロック状態のときは、当該ロック部材80の連結側が、突起部60の近傍のロック部材ガイド部90に位置せず、突起部60の内面と当接することがなく、合成樹脂性の突起部60(第一頭部61,第二頭部62)を、当該ロック部材80の連結側によって外方及び内方に変形させることが妨げられず、凹部の側壁16Aとの密着状態を保つ方向又は解除する方向に変形させることができる。これによって、操作つまみ50は、突起部60を回転操作子15に着脱させて、ファイバセンサ1に簡単に取り付けたり抜き取られる。
(2)一方、操作つまみ50は、ロック部材80が前記ロック状態のときは、当該ロック部材80の連結側が、突起部60の近傍のロック部材ガイド部90に位置して突起部60の内面と当接し、合成樹脂性の突起部60(第一頭部61)を、当該ロック部材80の連結側によって外方に押して凹部の側壁16Aに押し当て、側壁16Aとの密着状態を解除する方向に変形させることを規制する。これによって、操作つまみ50は、突起部60(第一頭部61,第二頭部62)が回転操作子15から抜けることを防ぎ、ファイバセンサ1に常に取り付けることができる。
【0055】
(3)操作つまみ50は、ロック部材80を、ロック部材ガイド部90及びロック部材誘導部66の一面67に沿って、ストッパ部材84がロック部材ガイド部90の第二段部92に当接するまでスライドさせ、前記ロック部材80の連結側を、突起部60の近傍のロック部材ガイド部90に位置させ、突起部60の内面と当接させることができる。この操作つまみ50は、突起部60(第一頭部61)が、ロック部材80の連結側によって外方に押されて側壁16Aに押し当てられ、側壁16Aとの密着状態を解除する方向に変形することを規制する。これによって、ロック部材80を操作つまみ50に収容して移動(スライド)させることができ、操作つまみ50は、ロック部材80によって操作を妨げられることなく、ファイバセンサ1に常に取り付けられて誤って抜けることが防止される。
(4)この操作つまみ50は、前記非ロック状態のときは、ロック部材80の膨出部81がロック部材ガイド部90に収容されて把持部70から突出することがない。膨出部81は、非ロック状態のときは、把持部70から突出することがなく、膨出部81が操作つまみ50を回転させるときに誤って操作されることがない。このため、操作つまみ50が誤ってロック状態となることを防止することができる。
【0056】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図9を参照しつつ説明する。ここでは、実施形態1と同一の装置等は同一の符号を付しその説明を省略する。
1.検出センサの構成
図9は、本実施形態のファイバセンサ2の部分断面図である。このファイバセンサ2は、実施形態1のファイバセンサ1と同様に、回転操作子25が設けられている。この回転操作子25は、実施形態1と同様に、操作つまみ50が連結され、時計周り又は反時計周りに回転する。この実施形態では、回転操作子25は、上端26Aが本体ケース10の上面10Aから突出しないようにして設けられている。閾値(検出感度)、CPU30の出力信号のタイミング,出力時間等、投光素子の投光周期は、この回転操作子25を回転させることによって、変更される。なお、図中の符号26は、回転操作子25の凹部である。
【0057】
2.実施形態2の効果
実施形態2のファイバセンサ2は、回転操作子25の上端26Aが、本体ケース10の上面10Aから突出しないようにして設けられている。これによって、このファイバセンサ2は、回転操作子25が、操作つまみ50を連結しなければ回転することがなく、作業者等によって本体ケース10の上面10Aから触れられることがないため、誤って操作されることを防止することができる。
【0058】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施することができる。
(1)例えば、図10に示すように、操作つまみ50Aは、回転操作子27に係止される突起部60Aを備えた固定部65Aと、当該固定部65Aを収容する収容部90Aを有し前記固定部65Aの外面に沿って移動して把持部70Aとロック部材80Aとを一体に形成した移動部95とを備えるものであってもよい。この操作つまみ50Aは、同図(a)に示す非ロック状態のときは、回転操作子27を、突起部60Aを係止し、把持部70Aを持って時計周り又は反時計周りに回すことにより、回転させることができる。
(2)また、この操作つまみ50Aは、図10(b)に示すロック状態のときは、移動部95を固定部65Aの外面に沿って移動(スライド)させて本体ケース10の上面10Aに当接させると、突起部60Aが外方へ移動することが妨げられ、ファイバセンサの本体ケース10に取り付けられる。この操作つまみ50Aは、突起部60Aが回転操作子27から外れることを防ぎ、回転させることができる。
(3)操作つまみ50は、ロック部材80が、ロック部材ガイド部90の開放端94(図6参照。)から露出する膨出部81の非連結側の面84(図6参照。)の面積を極小(例えば3.14mm2)としたものであってもよい。これによって、治具等を用いなければ非連結側の面84を操作することができず、操作つまみ50が誤って操作されてロック状態となることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態1に係るファイバセンサの上面図
【図2】ファィバセンサの電気的な構成を示すブロック図
【図3】ファィバセンサの部分断面図
【図4】CPUの出力信号のパルス幅を延長した状態の説明図
【図5】非ロック状態のときの操作つまみの斜視図
【図6】非ロック状態のときの操作つまみと回転操作子の連結状態図
【図7】ロック状態のときの操作つまみの斜視図
【図8】ロック状態のときの操作つまみと回転操作子の連結状態図
【図9】実施形態2に係るファィバセンサの部分断面図
【図10】(a)図は他の実施形態に係る非ロック状態のときの操作つまみと回転操作子の連結状態図、(b)図はロック状態のときの操作つまみと回転操作子の連結状態図
【符号の説明】
【0060】
1,2…ファイバセンサ
10A…本体ケースの上面
15,25,27…回転操作子(被操作部,設定手段)
30…CPU(検出手段)
31…投光回路(検出手段)
32…受光回路(検出手段)
50,50A…操作つまみ(設定手段)
60,60A…突起部(弾性突起)
80…ロック部材
81…ロック部材の膨出部
90…ロック部材ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の被操作部に先端部を連結して回転させることで前記被操作部の操作を行うための操作つまみであって、
前記先端部に設けられて前記被操作部に連結された状態で当該被操作部に係止可能な弾性突起と、
前記弾性突起が前記被操作部との係止を解除する方向に変形することを許容する非ロック状態と前記弾性突起が前記被操作部との係止を解除する方向に変形することを規制するロック状態とに変化するロック部材と、
前記ロック部材を案内して前記非ロック状態から前記ロック状態に変化させるロック部材ガイド部と
を備えたことを特徴とする操作つまみ。
【請求項2】
前記ロック部材を前記ロック部材ガイド部によって前記弾性突起側にスライドさせることにより、前記ロック部材を前記弾性突起が前記被操作部との係合を解除する方向において当該弾性突起と当接させて前記ロック状態にすることを特徴とする請求項1に記載の操作つまみ。
【請求項3】
前記非ロック状態のときは前記ロック部材が前記ロック部材ガイド部から突出しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の操作つまみ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の操作つまみと、当該操作つまみの弾性突起が連結される被操作部とを備えた電気機器であって、
前記被操作部を前記電気機器の表面から突出しないように配置したことを特徴とする電気機器。
【請求項5】
前記電気機器は、所定の条件によって被検出物を検出する検出手段と、前記所定の条件を設定する設定手段とを備える検出センサであって、
前記設定手段が、前記操作つまみと前記被操作部とによって構成されることを特徴とする請求項4に記載の検出センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−338969(P2006−338969A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160659(P2005−160659)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】