説明

操作入力装置

【課題】 操作パネルに複数配設されたワンタッチキー等の操作キーのいずれかが操作された場合に、操作パネルに回動可能に設けられたシートの状態に応じて異なるキーコードを出力する操作入力装置において、シートの状態を検出する検出キーがその検出信号を出力するための検出キー専用の信号線を設ける必要のない操作入力装置を提供する。
【解決手段】 複数の出力信号線X1乃至X5と複数の入力信号線Y1乃至Y4とが交差する各交差部に、操作キー19とシート20乃至22の状態を検出する検出キー23乃至25が各々配設されたキーマトリクスKMを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力装置に関し、詳しくは、ファクシミリ装置やコピー機、これらの複合機等が備える操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能やファクシミリ機能を有する複合機は、ユーザが複合機を使用する際に複合機に対する動作指示や設定等の入力を行うための操作入力装置を具備している。操作入力装置には、原稿の読取り開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号やコピー部数等を入力するためのテンキー、予め登録されたファクシミリ番号を指定するためのワンタッチキー等の多数のキーが配設されている。このような操作入力装置を具備する複合機において、従来は操作パネルに複数配設されたワンタッチキーに対応付けて登録できるファクシミリ番号の数を増やす場合には、それに応じてワンタッチキーの数を増やす必要があり、操作パネルが大型化するという問題があった。かかる事情を考慮して、操作パネルを大型化させることなくワンタッチキーに登録できるファクシミリ番号の数を増やすことができる操作入力装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の操作入力装置は、図2に示すように、操作パネルPに回動可能に設けられた第1シート20と、第1シート20の閉状態を検出する第1センサ(反射型フォトインタラプタ)28と、第1シート20の下方に第1シート20と同様に設けられた第2シート21と、第2シート21の閉状態を検出する第2センサ29と、第2シート21の下方に第1シート20と同様に設けられた第3シート22と、第3シート22の閉状態を検出する第3センサ30と、を具備している。この操作入力装置は、センサ28乃至30が検出したシート20乃至22の状態に基づいて、ユーザによって押下されたワンタッチキー19のキーコードを生成するものである。例えば、図3(a)に示すように、シート20乃至22が全て閉じられている場合に、第1シート20に記載された番号「01」に対応するワンタッチキー19a(19)をユーザが押下すると、これに対応するキーコードが生成される。また、図3(b)に示すように、第1シート20が開いており、第2シート21及び第3シート22が閉じられている場合に、第2シート21に記載された番号「17」に対応するワンタッチキー19aをユーザが押下すると、これに対応するキーコードが生成される。つまり、同じワンタッチキー19aが押下されたとしても、シート20乃至22の状態に応じて異なるキーコードが生成されるので、1つのワンタッチキー19に対して複数のファクシミリ番号を割当てることができ、ワンタッチキー19の数を増やすことなくワンタッチキー19で指定することができるファクシミリ番号の登録件数を増やすことができる。
【0004】
図8は、上記の操作入力装置においてシート20乃至22の状態を検出する反射型のセンサ28乃至30が、シートの開閉に伴って上下動する被検出体の状態によりシート20乃至22の閉状態を検出する検出キー23乃至25によって構成された操作入力装置の電気的な構成を示した図である。操作入力装置は、図示するように、押下されたワンタッチキー19とシート20乃至22の状態に基づいてキーコードを生成するパネルIC(Integrated Circuit)31と、該パネルIC31からの出力信号線X1乃至X4とパネルIC31への入力信号線Y1乃至Y4とが交差することにより形成されたキーマトリクスKMと、シート20乃至22の状態を検出するための検出キー23乃至25等を具備して構成されている。また、キーマトリクスKMの各交差部には、各ワンタッチキー19が配設されており、ワンタッチキー19が押下された場合に、そのワンタッチキー19が位置する交差部を形成する出力信号線と入力信号線が接続されるようになっている。
【0005】
上記のように構成された操作入力装置において、パネルIC31は、出力信号線X1乃至X4から順次所定の監視信号を出力し、出力した監視信号が入力信号線Y1乃至Y4から入力されたか否かを監視することにより、ワンタッチキー19のキー操作の有無を監視している。例えば、出力信号線X2から出力した監視信号が入力信号線Y4から入力された場合には、パネルIC31は、この出力信号線X2と入力信号線Y4との交差部に配設されているワンタッチキー19b(19)が押下されたことを検出できるようになっている。そして、第3シート22のみが閉じられている場合には、図4(a)に示すように、ワンタッチキー19bの「40」に対応するキーコードを生成して複合機の制御部(メイン基板)32に信号線を介して転送(出力)する。なお、第1シート20及び第2シート21の状態を検出するための第1検出キー24及び第2検出キー25は、信号線(ハーネス)I1及びI2によって制御部32と直接接続されており、制御部32は、上記の場合において第3シート22だけでなく例えば第2シート21も閉じられていると第2検出キー24の検出結果から判断した場合、図3(b)に示すように、ワンタッチキー19bの「24」に対応するファクシミリ番号が指定されたと判断して必要な処理を行う。
【特許文献1】特開2001−236170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の操作入力装置では、検出キー23乃至25の状態を検出するための信号線I3をパネルIC31に接続するとともにパネルIC31に接続することができない残りの信号線I1及びI2を複合機の制御部32に接続する必要がある。すなわち、キーコードを出力するための信号線の他に検出キー専用の信号線を制御部32と接続しなければならなかった。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、操作パネルに複数配設されたワンタッチキー等の操作キーのいずれかが操作された場合に、操作パネルに回動可能に設けられたシートの状態に応じて異なるキーコードを出力する操作入力装置において、シートの状態を検出する検出キーがその検出信号を出力するための検出キー専用の信号線を設ける必要のない操作入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の操作入力装置は、操作パネルに複数配設された操作キーのいずれかが操作された場合に、前記操作パネルに回動可能に設けられたシートの状態に応じて異なるキーコードを出力する操作入力装置において、複数の出力信号線と複数の入力信号線とが交差する各交差部に、前記操作キーと前記シートの状態を検出する検出キーとが各々配設されたキーマトリクスと、前記複数の出力信号線から順次出力した所定の信号が前記複数の入力信号線から入力されるか否かを監視することにより前記操作キーの状態及び前記検出キーの状態を取得する取得手段と、該手段が取得した前記検出キーの状態を記憶する記憶手段と、前記操作キーが操作されたことにより前記取得手段が取得した操作キーの状態が変化した場合に、操作された操作キーを特定して前記記憶手段の前記検出キーの状態に基づいてその操作キーに対応するキーコードを生成するキーコード生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の操作入力装置は、請求項1記載の操作入力装置において、前記取得手段は、所定の周期で前記複数の出力信号線から所定の信号を順次出力して前記操作キーの状態及び前記検出キーの状態を取得し、前記記憶手段は、記憶している検出キーの状態に代えて前記取得手段が新たに取得した検出キーの状態を記憶することを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の操作入力装置は、請求項1又は2記載の操作入力装置において、前記キーコード生成手段は、前記操作キーが操作されることなく前記取得手段が取得した操作キーの状態が変化しなかった場合に、前記操作キーが操作されていない旨のコードを生成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の操作入力装置によれば、シートの状態を検出する検出キーがキーマトリクスに組み込まれているので、自装置を装備する例えば複合機等の装置の制御部と検出キーとを接続するための検出キー専用の信号線を不要にすることができる。
【0012】
請求項2記載の操作入力装置によれば、所定の周期で取得した検出キーの状態に基づいてキーコードを生成するので、ユーザが操作キーを押下した場合に、正しいキーコードを生成することができる。
【0013】
請求項3記載の操作入力装置によれば、操作キーが押下されない場合には、操作キーが押下されていない旨のコードが生成される。したがって、自装置を装備する例えば複合機等の装置は、キー操作の有無を容易に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る操作入力装置をコピー機能及びファクシミリ機能を有する複合機に具体化した一実施形態について図面に基づいて説明する。複合機1は、図1に例示するように、制御部(MPU:Microprocessing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、原稿読取部4、コーデック5、画像メモリ6、記録部7、通信部8、RAM(Random Access Memory)9、及び操作入力装置10を備えたものであって、各部2乃至9はバス11によって通信可能に接続されている。
【0015】
制御部2は、ROM3に格納された制御プログラムに従って、この複合機1を構成する各部を制御するものである。原稿読取部4は、原稿の画像を読取って画像データを出力するものであり、図示しないがCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサや光源等の光学系、フラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)や原稿自動供給装置(ADF:Automatic Document Feeder)等の原稿供給機構等を有して構成されている。
【0016】
コーデック5は、画像データの符号化及び復号を行うものである。具体的には、原稿読取部4で読取られた画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image Group)方式等により符号化し、符号化されている画像データを復号する。また、コンピュータで一般的に使用される画像フォーマットであるTIFF(Tagged Image File Format)形式やPDF(Portable Document Format)形式にも対応して画像データを符号化、復号する。画像メモリ6は、原稿読取部4から直接出力された画像データ、コーデック5において符号化された画像データの他、ファクシミリ送信又はファクシミリ受信した画像データを蓄積する。
【0017】
記録部7は、原稿読取部4において読取られた画像データ、ファクシミリ受信した画像データ等の画像を用紙に記録するものである。この記録部7における記録方式としては、例えば、電子写真方式を用いることができる。
【0018】
通信部8は、モデム12及びNCU(Network Control Unit)13を備えている。モデム12は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従って送受信データを変調又は復調する。NCU13は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)14に接続されている。
【0019】
RAM9は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能し、各種の設定情報を記憶している。また、RAM9は、後述する操作入力装置10が制御部2に転送するキーコード(ワンタッチキーの番号)に対応付けて登録されたファクシミリ番号を記憶している。
【0020】
操作入力装置10は、2本の信号線L1及びL2を介して制御部2に接続されたパネルIC15と、キー入力部16と、各種の設定状態や複合機1の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)17と、点灯又は点滅で表示するLEDランプ18と、を備えている。キー入力部16は、原稿読取部4に原稿の読取開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号やコピー部数等を入力するためのテンキー、RAM9に予め登録されたファクシミリ番号を指定するためのワンタッチキー(操作キー)等を備えている。なお、液晶表示装置17を操作機能を兼ね備えたタッチパネル付きの液晶表示装置として、液晶表示装置17から上記の動作指示等を行うようにしてもよい。
【0021】
また、操作入力装置10は、図2に示すように、複数のワンタッチキー19が配設された操作パネルPに回動可能に設けられた第1シート20と、第1シート20の閉状態を検出する第1検出キー23と、を具備している。第1シート20には、各ワンタッチキー19に対応する位置に孔20aが透設されており、また、第1シート20が閉じた状態で第1検出キー23を押下するタブ20bが設けられている。この第1シート20には、図3(a)に示すように、各孔20aの近傍に「01」〜「16」の番号が表記されている。また、操作入力装置10は、図2に示すように、第1シート20と同様に形成され、第1シート20の下方に回動可能に設けられた第2シート21と、第2シート21の閉状態を検出する第2検出キー24と、第1シート20と同様に形成され、第2シート21の下方に回動可能に設けられた第3シート22と、第3シート22の閉状態を検出する第3検出キー25と、を備えている。なお、第2シート21には、図3(b)に示すように、各孔21aの近傍に「17」〜「32」の番号が表記されており、第3シート22には、図4(a)に示すように、各孔22aの近傍に「33」〜「48」の番号が表記されており、操作パネルPには、図4(b)に示すように、各ワンタッチキー19の近傍に「49」〜「64」の番号が表記されている。
【0022】
上記構成を備える複合機1は、原稿の画像データを読取ってその画像を用紙に記録するコピー機能や、外部の装置との間で原稿の画像データをファクシミリ送受信する機能を有している。この複合機1が備える操作入力装置10は、ユーザによってワンタッチキー19が押下されると、検出キー23乃至25により検出したシート20乃至22の状態に基づいて、押下されたワンタッチキー19に対応するキーコードを生成する。以下、パネルIC15、ワンタッチキー19及び検出キー23乃至25の構成、押下されたワンタッチキー19に対応するキーコードを生成する際のパネルIC15の処理動作について説明する。
【0023】
パネルIC15、ワンタッチキー19及び検出キー23乃至25の構成を図5に示す。パネルIC15は、クロック発生器26で生成したクロック信号で動作し、検出キー23乃至25の状態に基づいて押下されたワンタッチキー19に対応するキーコードを生成する。また、パネルIC15は、クロック発生器26で生成したクロック信号で動作し、信号線L1を介して制御部2から受信した表示用データを液晶表示装置17に表示させたりLEDランプ18を点灯させるとともに、信号線L2を介して制御部2にキーコードを転送する。クロック発生器26は、クロック信号を生成するものであり、パネルIC15に直接接続されている。なお、クロック発生器26には、水晶発振子、セラミック発振子、或いは、RC発振を使用することができる。また、パネルIC15は、レジスタ27を備えており、このレジスタ27は、パネルIC15が取得した検出キー23乃至25の状態を記憶する記憶手段として機能する。なお、パネルIC15は、ワンタッチキー19及び検出キー23乃至25の監視等に使用するためにクロック信号を必要とする。
【0024】
ワンタッチキー19と検出キー23乃至25は、パネルIC15からの出力信号線X1乃至X5とパネルIC15への入力信号線Y1乃至Y4が交差することにより形成されたキーマトリクスKMの各交差部に配設されている。具体的には、出力信号線X1乃至X5と入力信号線Y1乃至Y4とが交差する各交差部で出力信号線X1乃至X5と入力信号線Y1乃至Y4が接続されるようになっている。そして、各ワンタッチキー19は、出力信号線X1乃至X4と入力信号線Y1乃至Y4とが交差する各交差部に配設されており、各ワンタッチキー19がユーザに押下されることによってその交差部で交差している出力信号線と入力信号線とが接続されるようになっている。また、第1検出キー23は、出力信号線X5(検出キー23乃至25専用の出力信号線)と入力信号線Y1とが交差する交差部に配設されており、第1検出キー23が第1シート20のタブ20bにより押下されることによって出力信号線X5と入力信号線Y1とが接続される。なお、第2検出キー24は、出力信号線X5と入力信号線Y2とが交差する交差部に、第3検出キー25は、出力信号線X5と入力信号線Y3とが交差する交差部に、それぞれ第1検出キー23と同様に配設されている。なお、本実施形態では、ワンタッチキー19の数は16個であるか、ワンタッチキー19の数はこれに限定されるものではなく、出力信号線と入力信号線の本数を減少又は増加させて、ワンタッチキー19の数を変更することも可能である。
【0025】
次に、押下されたワンタッチキー19のキーコードを生成する際のパネルIC15の処理動作について説明する。パネルIC15は、出力信号線X1乃至X5から順次出力した所定の信号が入力信号線Y1乃至Y4から入力されるか否かを監視することによりワンタッチキー19の状態及び検出キー23乃至25の状態を取得する(取得手段)。具体的には、パネルIC15は、出力信号線X1、出力信号線X2、出力信号線X3、出力信号線X4、出力信号線X5の順にいずれか1つの信号線から所定の信号を出力する。このとき、キーマトリクスKMのいずれかのキーが押下されている場合、いずれかの入力信号線から所定の信号がパネルIC15に入力される。パネルIC15は、上記した出力信号線X1から出力信号線X5までの所定の信号の出力を所定の周期で繰り返している。
【0026】
なお、パネルIC15は、出力信号線X5(検出キー23乃至25専用)に所定の信号を出力して検出キー23乃至25の状態を取得した際には、取得した検出キー23乃至25の状態をレジスタ27に記憶する。ここで、図6及び図7は、パネルIC15が検出キー23乃至25の状態を取得する際の所定の信号の流れと検出キー23乃至25の状態を示した図であり、図中においてパネルIC15が所定の信号を出力する出力信号線を「H」とし、所定の信号を出力しない出力信号線を「L」とする。また、パネルIC15に所定の信号が入力された入力信号線を「H」とし、所定の信号が入力されていない入力信号線を「L」とする。パネルIC15が出力信号線X5に所定の信号を出力した際に、例えばシート20乃至22が全て閉じられている場合(図3(a))、図6(a)に示すように、出力信号線X5と入力信号線Y1乃至Y3が接続されるので、入力信号線Y1乃至Y3からパネルIC15に所定の信号が入力される。この場合、パネルIC15は、検出キー23乃至25(図中の黒丸)が全て押下されていることを示す情報を取得し、これをレジスタ27に記憶する。また、第1シート20が開いており、第2シート21及び第3シート22が閉じられている場合(図3(b))、図6(b)に示すように、入力信号線Y2及びY3からパネルIC15に所定の信号が入力されるので、パネルIC15は、第2検出キー24及び第3検出キー25(図中の黒丸)が押下されていることを示す情報を取得し、これをレジスタ27に記憶する。
【0027】
また、第1シート20及び第2シート21が開いており、第3シート22のみが閉じられている場合(図4(a))、図7(a)に示すように、入力信号線Y3からパネルIC15に所定の信号が入力されるので、パネルIC15は、第3検出キー25(図中の黒丸)が押下されていることを示す情報を取得し、これをレジスタ27に記憶する。また、シート20乃至22が全て開いている場合(図4(b))、図7(b)に示すように、入力信号線Y1乃至Y3から所定の信号は入力されないので、パネルIC15は、全ての検出キー23乃至25が押下されていないことを示す情報を取得し、これをレジスタ27に記憶する。なお、レジスタ27は、パネルIC15が新たな検出キー23乃至25の状態を取得した場合には、記憶している検出キー23乃至25の状態に代えてパネルIC15が新たに取得した検出キー23乃至25の状態を記憶する。なお、所定の信号を出力する順序は特に限定されるものではなく、出力信号線X5に所定の信号を出力した後に、出力信号線X1乃至X4に所定の信号を順次出力するようにしてもよい。
【0028】
パネルIC15は、ワンタッチキー19が操作されたことにより、ワンタッチキー19の状態が変化した場合に、操作されたワンタッチキー19を特定し、レジスタ27の検出キー23乃至25の状態に基づいて操作されたワンタッチキー19に対応するキーコードを生成する(キーコード生成手段)。例えば、出力信号線X1から出力した所定の信号が入力信号線Y1から入力された場合には、この出力信号線X1と入力信号線Y1との交差部に配設されているワンタッチキー19a(19)が押下されたことを特定する。このとき、レジスタ27に全ての検出キー23乃至25が押下されていることを示す情報が記憶されている場合(図3(a)の状態)には、「01」に対応するキーコードを生成する。また、例えば、出力信号線X1と入力信号線Y1との交差部に配設されたワンタッチキー19aが押下されたことを特定し、レジスタ27に第2検出キー24及び第3検出キー25が押下されていることを示す情報が記憶されている場合(図3(b)の状態)には、「17」に対応するキーコードを生成する。なお、いずれのワンタッチキー19も押下されていない場合には、パネルIC15は、ワンタッチキー19が操作されていない旨のコードを生成する。
【0029】
以上説明したように、パネルIC15は、同じワンタッチキー19が押下されてもレジスタ27に記憶している検出キー23乃至25の状態によって異なるキーコードを生成する。パネルIC15は、クロック発生器26が生成したクロック信号で動作して、上記のように複数の出力信号線X1乃至X5から順次出力した所定の信号が複数の入力信号線Y1乃至Y4から入力されるか否かを監視する処理を所定の周期、すなわち、クロック信号を受信する周期で行って、ワンタッチキー19が操作されていない場合にはその旨のコードを、ワンタッチキー19が操作された場合にはレジスタ27の検出キー23乃至25の状態に基づいてキーコードを生成し、生成したキーコードを、信号線L2を介して制御部2に転送する。
【0030】
これに対して、制御部2は、パネルIC15から転送されたキーコードに対応するファクシミリ番号の表示用データをRAM9から読み出して、このファクシミリ番号の表示用データを信号線L1を介してパネルIC15に転送する。例えば、「01」に対応するキーコードが転送されてきた場合、制御部2は、RAM9に記憶されている「01」に対応付けて登録されたファクシミリ番号の表示用データを読み出してパネルIC15に転送する。パネルIC15は、制御部2から転送されてきたファクシミリ番号のデータを液晶表示装置17に出力し、液晶表示装置17は、このファクシミリ番号を表示する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、例えば、コピー機やファクシミリ装置、これらの複合機等が備える操作入力装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】複合機の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る操作入力装置のワンタッチキーを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る操作入力装置のワンタッチキーを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る操作入力装置のワンタッチキーを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る操作入力装置のパネルIC、ワンタッチキー及び検出キーの電気的な構成を示す図である。
【図6】パネルICが検出キーの状態を取得する際の所定の信号の流れと検出キーの状態を示した図である。
【図7】パネルICが検出キーの状態を取得する際の所定の信号の流れと検出キーの状態を示した図である。
【図8】従来例に係る操作入力装置のパネルIC、ワンタッチキー及び検出キーの電気的な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 複合機
2 制御部
3 ROM
9 RAM
10 操作入力装置
15 パネルIC
19 ワンタッチキー
20 第1シート
21 第2シート
22 第3シート
23 第1検出キー
24 第2検出キー
25 第3検出キー
27 レジスタ
KM キーマトリクス
X1、X2、X3、X4、X5 出力信号線
Y1、Y2、Y3、Y4 入力信号線
P 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルに複数配設された操作キーのいずれかが操作された場合に、前記操作パネルに回動可能に設けられたシートの状態に応じて異なるキーコードを出力する操作入力装置において、
複数の出力信号線と複数の入力信号線とが交差する各交差部に、前記操作キーと前記シートの状態を検出する検出キーとが各々配設されたキーマトリクスと、前記複数の出力信号線から順次出力した所定の信号が前記複数の入力信号線から入力されるか否かを監視することにより前記操作キーの状態及び前記検出キーの状態を取得する取得手段と、該手段が取得した検出キーの状態を記憶する記憶手段と、前記操作キーが操作されたことにより前記取得手段が取得した操作キーの状態が変化した場合に、操作された操作キーを特定して前記記憶手段の前記検出キーの状態に基づいてその操作キーに対応するキーコードを生成するキーコード生成手段と、を備えることを特徴とする操作入力装置。
【請求項2】
前記取得手段は、所定の周期で前記複数の出力信号線から順次出力した所定の信号が前記複数の入力信号線から入力されるか否かを監視することにより前記操作キーの状態及び前記検出キーの状態を取得し、
前記記憶手段は、記憶している検出キーの状態に代えて前記取得手段が新たに取得した検出キーの状態を記憶することを特徴とする請求項1記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記キーコード生成手段は、前記操作キーが操作されることなく前記取得手段が取得した操作キーの状態が変化しなかった場合に、前記操作キーが操作されていない旨のコードを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の操作入力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−23874(P2006−23874A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200075(P2004−200075)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】