説明

操作用基板を備えた記録再生装置

【課題】
DVD、HDDなどの記録再生装置や、これらと表示装置との複合機において、装置デザインの自由度を向上させ、ノイズや不要輻射の相互干渉を防止することが出来る操作用基板を備えた記録再生装置を提供する。
【解決手段】
操作用基板はそこに実装する機能部品ごとに、リモコン受光部と電源スイッチ用基板30、操作用スイッチ基板31、および表示管用基板32に分割し、それぞれの部品の大きさに対応するようにフロントキャビネット16内に相互に段差状に配置して収納する。また、DVD記録再生装置10の筐体シャーシ11前面に該筐体シャーシ11の一部を延設して立設したシールド壁11aを一体形成し、前記各操作用基板30、31、32を前記フロントキャビネット16と該シールド壁11aで挟み込むように配置してノイズや不要輻射の相互干渉を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disk Drive)、DVD−VIDEO対応のDVDなどの記録再生装置やこれらと表示装置との複合機の操作用基板設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯情報端末に用いられる電子機器の意匠ケースに段差状に形成されたキー操作面部にキーを段差状に配置する方法として特許文献1には「キー操作機構」などがあり、この従来技術によれば、意匠ケースの高位操作面部と低位操作面部にそれぞれキーを実装し、それぞれのキーに対応するスイッチが実装されたプリント基板を意匠ケース内に収納し、高位操作面部とプリント基板との間にスペーサを設け、このスペーサ内にキー操作伝達手段となる連動押圧子を設ける方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−6483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の従来技術において、例えば特許文献1においては、意匠ケースの高位操作面部と低位操作面部とでキー操作方向に段差があっても、1枚のプリント基板上に段差状に形成されたキー操作面部にキーを段差状に配置することが可能なことから、高位操作面部と低位操作面部のそれぞれにプリント基板を配置することによる組立工数を抑え、軽量化が可能でコストを抑えた装置を実現可能な方法であるが、段差状にキーを配置することによりキー操作面部とプリント基板との間に生ずる隙間にはスペーサや連動押圧子を設けるなどと押圧機構が複雑な構成になっている。また、液晶表示部と、操作用スイッチの配置を1枚のプリント基板で対応しているので、プリント基板の面積が大きくなり、フロントキャビネットの前面と平行に縦型に配置される場合は、装置の厚さ方向に対してプリント基板が高くなってしまうことから、薄型装置の実現は困難と言わざるを得ない。また、意匠ケースの高位操作面部と低位操作面部形状や、ここに配置されるスペーサ、連動押圧子、及び液晶表示部を収納する液晶ホルダなどによる配置制約などから、液晶表示部や操作用スイッチが配置される位置の移動が困難なため、装置のデザインの自由度が少なくなってしまうといったことが懸念される。また、こうした1枚のプリント基板にノイズが発生し易い表示管やリモコン受光部などを配置すると、これらの周囲に配置され、比較的ノイズ干渉の影響を受け易い電源回路部やGND回路に対してノイズ対策が別途必要となるといった問題がある。本発明は従来技術における表示管やリモコン受光部、操作用スイッチといった部品を実装する操作用基板の設置方法における問題点や懸念材料を改善して、操作用基板内のノイズ干渉を防止し、併せて操作用基板と記録再生装置間におけるノイズや不要輻射の相互干渉を防止することが出来る操作用基板を備えた記録再生装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の操作用基板を備えた記録再生装置は、フロントキャビネットの前面に複数配置した操作ボタンの機能及び情報入出力機能に対応した各種部品の実装される操作用基板を、前記フロントキャビネット内に収容する操作用基板を備えた記録再生装置において、前記操作ボタンの機能及び情報入出力機能ごとに前記操作用基板を分割して配置し、前記フロントキャビネットの内側に分割配置した各操作用基板を、前記部品の大きさに対応させ、平行且つ相互に段差状に配置したことを特徴とする。
【0006】
請求項1の構成によれば、この記録再生装置は、フロントキャビネットの前面に複数配置した操作ボタンの機能及び情報入出力機能に対応した各種部品の実装される操作用基板が、前記フロントキャビネット内に収容される。この操作用基板は操作ボタンの機能及び情報入出力機能ごとに分割されてフロントキャビネットの内側に配置される。さらに、分割された各操作用基板は操作ボタンの機能及び情報入出力機能に対応した各種部品の大きさに対応させ、平行且つ相互に段差状に配置される。
【0007】
請求項2の操作用基板を備えた記録再生装置は、請求項1記載の操作用基板を備えた記録再生装置において、前記記録再生装置は、前記フロントキャビネットとリアキャビネットからなる筐体を備え、前記フロントキャビネットと前記リアキャビネットとを間仕切りするシールド壁を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の構成によれば、この記録再生装置は、前記フロントキャビネットとリアキャビネットからなる筐体を備えており、前記フロントキャビネットと前記リアキャビネットとを間仕切りするシールド壁が設けられるので、分割された前記各操作用基板はフロントキャビネットの前面と該シールド壁によって挟み込まれるように配置される。
【0009】
請求項3の操作用基板を備えた記録再生装置は、請求項1又は2記載の操作用基板を備えた記録再生装置において、前記記録再生装置に映像を表示する表示部を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の構成によれば、記録再生装置に映像を表示する表示部が備えられたことにより記録媒体に記録された録画ファイルの再生映像が該表示部に表示される。
【0011】
請求項4の操作用基板を備えた記録再生装置は、請求項1から3の何れか1項記載の操作用基板を備えた記録再生装置において、前記各操作用基板をコネクタケーブルで電気的に接続可能に構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の構成によれば、前記各操作用基板は、コネクタケーブルにより電気的に接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、記録再生装置のフロントキャビネットの内側に、操作ボタンの機能及び情報入出力機能ごとに分割されて配置される各操作用基板は、そこに実装される各種部品の大きさが異なることにより、これらの部品の大きさに対応させて、平行且つ相互に段差状に配置することが出来るので、これらの部品と各操作用基板との間には不要な隙間が生ずることもなく、且つフロントキャビネットの前面に複数配置される操作ボタンの機能及び情報入出力機能に対応した各種部品は、フロントキャビネットの前面の所定位置に対応して各操作用基板に実装することが出来る。これにより、従来のように、これら大きさの異なる部品をフロントキャビネットの前面に揃えて1枚の操作用基板に実装するには、一番大きな部品に合わせて操作用基板を後退配置し、小さな部品は操作用基板との間に隙間が生じてしまうこととなり、こうした時は隙間に応じたスペーサを設けて調整するとか、隙間部が操作スイッチ部であればこの隙間にキー操作力伝達手段となる連動押圧子を設けるなどにより、スイッチの押圧機構が複雑な構成になってしまうといった問題は解消することが出来る。また、意匠ケースの高位操作面部と低位操作面部の段差形状や、ここに配置されるスペーサ、連動押圧子、及び液晶表示部を収納する液晶ホルダなどによる配置制約などから、液晶表示部や操作用スイッチが配置される位置の移動が困難となるといった構造設計上の問題も大幅に軽減することが出来る。同様にこれらの配置制約を軽減することが出来るので装置デザインの自由度も確保することが出来る。
【0014】
請求項2の発明によれば、この記録再生装置は、前記フロントキャビネットとリアキャビネットからなる筐体を備えており、前記フロントキャビネットと前記リアキャビネットとを間仕切りするシールド壁が設けられるので、分割された前記各操作用基板はフロントキャビネットの前面と該シールド壁によって挟み込まれるように配置されることにより、各操作用基板に実装される部品によって生ずる各操作用基板間のノイズ干渉を防止することが可能となると共に、記録再生装置内に配置されるメイン回路基板や記録再生ユニット部と隔離されることにより、各操作用基板と記録再生装置内のメイン回路基板や記録再生ユニット部とのノイズや不要輻射の相互干渉を防止することが出来る。
【0015】
請求項3の発明によれば、記録再生装置に映像を表示する表示部が備えられたことにより、記録媒体に記録された録画ファイルが再生されて該表示部に表示される再生映像を視聴することが出来るので、視聴者にとって利便性を向上させることが出来る。
【0016】
請求項4の発明によれば、前記各操作用基板は、コネクタケーブルにより電気的に接続することが可能となるので、各操作基板は互いにコネクタケーブルによって電気的に接続されると共に、代表する何れかの操作用基板と記録再生装置のメイン回路基板とは少なくとも1個のコネクタケーブルによって電気的に接続することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以上のように、本発明は、前面に配置されるフロントキャビネットに操作用基板が収納配置されるDVDやHDDなどの記録再生装置において、装置デザインの自由度を向上させ、ノイズや不要輻射の相互干渉を防止するものであるが、以下の実施例の説明において、実施例1はDVD記録再生装置であり、実施例2はDVDユニットを内蔵したテレビである。これらにより本発明の詳細について説明する。
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図6により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反さない範囲で、実施例において説明した以外のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明における実施例1を示すDVD記録再生装置のフロントキャビネットに分割された各操作用基板が収納配置された状態を示す背面図であり、図2はフロントキャビネットに表示管用基板が収納配置された状態を示すa−a断面図である。図3はフロントキャビネットに操作用スイッチ基板が収納配置された状態を示すb−b断面図であり、図4はフロントキャビネットにリモコン受光部と電源スイッチ用基板が収納配置された状態を示すc−c断面図である。図5はDVD記録再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【0020】
図5により、DVD記録再生装置の概略構成について説明する。図5はDVD記録再生装置10を組み立て途中にあり、このDVD記録再生装置10の外観は筐体シャーシ11と筐体カバー12によるリアキャビネット、及びフロントキャビネット16で構成されていることを示している。また、前記筐体シャーシ11にはDVD記録再生装置10を構成する3つの機能ブロックが横方向に分割配置されている。その概ね中央には記録媒体であるDVDディスク50を装置内に搬送するディスクトレイ13aを備えたDVDユニット13が配置され、その左方側にはこのDVD記録再生装置10のメイン回路基板を構成するアナログ系回路基板14が配置され、DVDユニット13の右方側には同様にメイン回路基板を構成するデジタル系回路基板15が配置されている。このアナログ系回路基板14には、DVD記録再生装置10に電力を供給する図示しない電源回路や、受信電波をチューナで処理した映像音声信号をモニタなどの表示装置に表示可能に処理する映像音声処理回路などが配置されている。また、前記デジタル系回路基板15には前記映像音声信号を記録媒体であるDVDディスク50に記録し再生するための符号化と複合化処理回路、及びアナログ信号をデジタル変換する、或いはデジタル信号をアナログ変換するアナログ/デジタル変換処理回路などが配置されている。これらアナログ系回路基板14、DVDユニット13、デジタル系回路基板15を実装する前記筐体シャーシ11は、その前面側に立設したシールド壁11aを筐体シャーシ11と一体形成している。
【0021】
前記筐体シャーシ11の前面にはフロントキャビネット16が配置され、このフロントキャビネット16には、略中央に前記DVDユニット13のディスクトレイ13aにDVDディクス50を装填する、或いはDVDディスク50を取り出す度に開閉するシャッター19があり、その下方に図示しない操作スイッチを押圧する操作ボタン20が配列されている。DVDディスク50に記録された録画ファイルを再生する、再生を早送りする、或いは再生を停止するなどの視聴者による指示は、この操作ボタン20の押下操作により前記操作スイッチを押圧して動作させるものである。また、前記シャッター19と操作ボタン20の左方側には電源スイッチ17とリモコン受光部18が配置され、視聴者の操作によるリモコン送信機51の指示信号を受信するこのリモコン受光部18の表面には透明の化粧板16aが配置されている。一方、前記シャッター19の右方には略矩形の表示管22が横長に配置され、表示管22の表面には透明の化粧板16aが配置されている。また、前記筐体シャーシ11の上方には筐体カバー12が配置され、DVD記録再生装置10の背面と両側面からビス40により前記筐体シャーシ11に筐体カバー12がビス締めされて固定される。
【0022】
続いて図1により、DVD記録再生装置のフロントキャビネットに分割された各操作用基板が収納配置された状態について説明する。図1はフロントキャビネット16をDVD記録再生装置10の内側から見た背面図であり、このフロントキャビネット16は前記シャッター19の可動アーム19aなどにより横方向に3つに仕切られている。仕切られたその左方側はDVD記録再生装置10を正面から見たときには右方側に相当し、ここにはDVD記録再生装置10のカウンター表示やモード表示、時刻表示などを行なう横長で略矩形の表示管22(図5参照)が実装された表示管用基板32が配置されている。また、仕切られた中央にはその上方にDVD記録再生装置10にDVDディスク50を装填する、或いはDVDディスク50を取り出す度に開閉するシャッター19が配置されている。また、このシャッター19の下方には、図5で示した操作ボタン20が配置されており、この操作ボタン20の押下操作により押圧されて動作する図示しない操作スイッチが実装された操作用スイッチ基板31が配置されている。さらに、前記シャッター19の右方側には図5で示した電源スイッチ17とリモコン受光部18が実装されたリモコン受光部と電源スイッチ用基板30が配置されている。このリモコン受光部と電源スイッチ用基板30は、DVD記録再生装置10を図5により正面から見たときに左方側となる。これら表示管用基板32と操作スイッチ用基板31、及びリモコン受光部と電源スイッチ用基板30は、各ケーブル引き出し部41aから引き出されたコネクタケーブル41によって電気的に接続されている。また、表示管用基板32のケーブル引き出し部41aからは図1で示したデジタル系回路基板15とコネクタケーブル41で接続される。
【0023】
次に図2により、フロントキャビネットに表示管用基板を収納配置する概略構造について説明する。図2において、フロントキャビネット16には表示管収納部32aの前面に透明な化粧板16aが配置されている。また、フロントキャビネット16の背面側から表示管用基板32が取り付けられており、ここには、コネクタケーブル41を表示管用基板32と接続する接続コネクタ42が実装されている。この表示管用基板32は傾斜を持たせて取り付けてあり、この表示管用基板32に取り付けられる表示管22の取り付け角度を少し上向きにして視聴者が視認し易いように配置してある。また、この表示管用基板32の下端位置はフロントキャビネット16の後端部からの距離Xが10ミリの位置にあり、表示管32の大きさに合わせてこの配置寸法が設定されている。
【0024】
続いて図3により、フロントキャビネットに操作用スイッチ基板を収納配置する概略構造について説明する。図3において、フロントキャビネット16の前面には上方に図1、及び、図5で示したDVDディスク50を装填する、或いはDVDディスク50を取り出す度に開閉するシャッター19が配置されている。その下方には、図示しない操作ボタンと操作用スイッチが収納配置される操作ボタンと操作スイッチの収納部31aがある。操作用スイッチ基板31はフロントキャビネット16の背面側から取り付けられており、ここには、コネクタケーブル41を操作用スイッチ基板31と接続する接続コネクタ42が実装されている。また、この操作用スイッチ基板31の下端位置はフロントキャビネット16の後端部からの距離Yが15ミリの位置にあり、前記操作ボタンと操作用スイッチの大きさに合わせてこの配置寸法が設定されている。
【0025】
次に図4により、フロントキャビネット16にリモコン受光部と電源スイッチ用基板30を収納配置する概略構造について説明する。図4において、フロントキャビネット16にはリモコン受光部18と電源スイッチ17の収納部30aがあり、図示しないリモコン受光部18の前面に透明な化粧板16aが配置されている。また、フロントキャビネット16の背面側からリモコン受光部と電源スイッチ用基板30が取り付けられており、ここには、図示しないコネクタケーブル41をリモコン受光部と電源スイッチ用基板30と接続する接続コネクタ42(図示略)が実装される。また、このリモコン受光部と電源スイッチ用基板30の下端位置はフロントキャビネット16の後端部からの距離Zが12ミリの位置にあり、前記リモコン受光部18と電源スイッチ17の大きさに合わせてこの配置寸法が設定されている。また、図1におけるc-c断面図であるこの図4には、図3で説明したシャッター19の開閉動作を可能とする可動アーム19aの一部が確認可能である。
【0026】
以上のように実施例1によれば、本発明の操作用基板を備えた記録再生装置は、DVD記録再生装置10のフロントキャビネット16内に機能ごとに分割されて収納配置される操作用基板30、31、32は、そこに実装される図示しない操作用スイッチや表示管22、リモコン受光部18など部品の大きさが異なることにより操作用基板30、31、32とフロントキャビネット16の前面との距離は、これらの部品22、18の大きさに対応する距離を隔てて各操作用基板30、31、32を配置している。図2から図4においてはフロントキャビネット16の後端部からの距離がそれぞれX=10ミリ、Y=15ミリ、Z=12ミリであり、フロントキャビネット16の前面からこれらの部品22、18の大きさに対応する距離を隔てて相互に段差状に配置した結果である。これにより、これらの部品22、18と各操作用基板30、31、32との間には不要な隙間が生ずることもなく、且つフロントキャビネット16の前面の所定位置に操作用スイッチを押下する操作ボタン20、及び表示管22やリモコン受光部18を配置することが出来る。これにより、従来のように、これら図示しない操作用スイッチや表示管22、リモコン受光部18など大きさの異なる部品をフロントキャビネット16の前面に揃えて1枚の操作用基板に実装するために、一番大きな部品である表示管用基板32に合わせて前記操作用基板を後退配置すると、前記操作用スイッチやリモコン受光部18などの小さな部品は前記操作用基板との間に隙間が生じてしまうこととなり、こうした時は、前記隙間に応じたスペーサを設けて調整するとか、隙間部が操作スイッチの収納部31aであればこの隙間にキー操作力伝達手段となる連動押圧子を設けるなどの対応が行われていたが、これらの方法ではスイッチの押圧機構が複雑な構成になってしまうといった問題は、前記1枚の操作用基板を機能ごとに分割し、分割された各操作用基板に実装される部品の大きさに対応して相互に段差状に配置することにより解消することが出来る。また、意匠ケースの高位操作面部と低位操作面部の段差形状や、ここに配置されるスペーサ、連動押圧子、及び液晶表示部を収納する液晶ホルダなどによる配置制約などから、液晶表示部や操作用スイッチが配置される位置の移動が困難となるといった構造設計上の問題も大幅に軽減することが出来る。同様にこれらの配置制約を軽減することが出来るので装置デザインの自由度も確保することが出来る。
【0027】
また、各操作用基板30、31、32は機能ごとに3枚に分割配置され、フロントキャビネット16の前面と、筐体シャーシ11の一部を延設して立設したシールド壁11aによって挟み込まれるように配置されることにより、各操作用基板30、31、32に実装されるリモコン受光部18が受光したパルス信号や、表示管22からのによって生ずる各操作用基板30、31、32間のノイズ干渉を防止することが可能となると共に、シールド壁11aでDVD記録再生装置10内のメイン回路基板14、15やDVDユニット13と隔離されることにより、各操作用基板30、31、32とDVD記録再生装置10内のメイン回路基板14、15やDVDユニット13とのノイズや不要輻射の相互干渉を防止することが出来る。
【0028】
前記操作用基板30、31、32は少なくとも、リモコン受光部18が実装されるリモコン受光部と電源スイッチ用基板30と、操作用スイッチが実装される操作用スイッチ基板31と、表示管22が実装される表示管用基板32とに分割されて配置されたことにより、分割された各操作用基板30、31、32はその機能と操作性に適した角度で前記フロントキャビネット16に配置することが出来るので、本実施例に示したように、視聴者が表示管22に表示された内容を最適に視認可能な表示管用基板32の取り付け角度とすることが出来る。この他にも、例えば、リモコン受光部と電源スイッチ用基板30においてはDVD記録再生装置10と視聴者が操作するリモコン送信機51との位置関係を考慮しながらリモコン受光部18の取り付け角度の基準となるリモコン受光部と電源スイッチ用基板30の角度を変更するとか、操作用スイッチ基板31においては、同様に操作ボタン20を押下する操作性を考慮した操作用スイッチ基板31の取り付け角度とするなど、各操作用基板30、31、32に最適な取り付け角度に設定することが出来る。また、コネクタケーブル41により各操作用基板30、31、32は電気的に接続されるので、各操作基板30、31、32は互いにコネクタケーブル41によって電気的に接続されると共に、代表する何れかの操作用基板30、31、32とDVD記録再生装置10のメイン回路基板15とは少なくとも1個のコネクタケーブル41によって電気的に接続することが出来る。また、操作用スイッチ基板31はDVDディスク50の挿脱口となるシャッター19の下方または上方に配置することが出来るので、DVDディスク50の挿脱時に表示管22に表示される表示内容がDVDディスク50や挿脱動作を行う視聴者の手によって視界が遮られることはない。
【0029】
また、リモコン受光部と電源スイッチ用基板30と操作用スイッチ基板31、表示管用基板32に分割されたことにより、これら各基板30、31、32間において前記リモコン受光部18が受光したパルス信号や、表示管22からのノイズの干渉を防止することが出来る。さらに、各操作用基板30、31、32はシールド壁11aでDVD記録再生装置10内のメイン回路基板14、15やDVDユニット部13と隔離されるので、ノイズや不要輻射の相互干渉を防止することが出来る。これらより、従来は組立作業の効率化や部品点数の削減を目的に操作用基板の分割配置は極力減らし、1枚の操作用基板に表示管22やリモコン受光部18、操作スイッチなどを配置することが多用されていたが、前述のとおり、これらノイズを発生し易い表示管22やリモコン受光部18の周囲にこの操作用基板の内部におけるノイズ対策が必要となる。或いは、ノイズを発生し易い1枚の操作用基板の周囲に、干渉の防止比較的ノイズ干渉の影響を受け易いメイン回路基板14の電源回路部やGND回路部が配置されるときは、前記1枚の操作用基板やメイン回路基板14に対してノイズ対策が別途必要となるといった問題を回避することが出来る。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例2により表示部を備えた記録再生装置の一実施例としてDVDユニットを内蔵したテレビについて説明する。
【0031】
図6は本発明の実施例2を示すDVDユニットを内蔵したテレビの概観を示す斜視図である。
【0032】
図6に示すテレビ60は、前面にフロントキャビネット61を配置し、その前面には表示部62が配置されている。表示部62の下方には横方向に操作ボタン66が配列され、その下方にはDVDディスク50を装填する、或いはDVDディスクを取り出すときに開閉するシャッター65が配置されている。また、前記操作ボタン66が配列された左方側にはテレビ60の電源をON/OFFさせる電源スイッチ63と、リモコン送信機51から送信される指示信号を受光するリモコン受光部64が配置されている。このテレビ60は、実施例1で詳述したDVD記録再生装置10とは異なり、番組放送の受信映像やDVDディスク50に記録された録画ファイルの再生映像を表示する表示部62を備えてあり、この表示部62は前記映像表示の他に、テレビ60の音量やチャンネルなどを文字表示する。及び、番組放送の録画設定操作を行うための文字表示機能を備えていることから、表示管22は備えていない。
【0033】
前記テレビ60のフロントキャビネット61には、実施例1で詳述したDVD記録再生装置10と同様に、分割して前記操作ボタン66の背面には図示しない操作用スイッチが実装された操作用スイッチ基板68が収納配置されている。また、同様に、電源スイッチ63とリモコン受光部64が実装されたリモコン受光部と電源スイッチ用基板67が収納配置されている。このリモコン受光部と電源スイッチ用基板67と操作用スイッチ基板68は、前記シャッター65の図示しない可動アームなどによって仕切られている。また、テレビ60には図示しない筐体シャーシを延設して立設したシールド壁を形成してあり、リモコン受光部と電源スイッチ用基板67と操作用スイッチ基板68は、フロントキャビネット61の前面と、前記シールド壁によって挟み込まれるように配置される。
【0034】
以上のように実施例2によれば、本発明の操作用基板を備えた記録再生装置は、DVD記録再生装置10に表示部62を備えた、即ちDVDユニット13を内蔵したテレビ60としたことにより、DVDディスク50に記録された録画ファイルが再生されて該表示部62に表示される再生映像を視聴することが出来るので、視聴者にとって利便性を向上させることが出来る。また、前記表示部62を備えたことにより、表示管22の配置は不要となったが、その他の基本的な構成は、概ね実施例1と同様としており、実施例1で得られた効果は本実施例においてもその概ねが継承される。
【0035】
以上、本実施例を詳述したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、DVD記録再生装置10やDVDユニットを内蔵するテレビ60に限定されず、HDD、DVDとHDDの複合機、DVD−VIDEOなどの記録再生装置や、これらと表示装置との複合機であればよく、また、フロントキャビネット16に収納配置される各操作用基板はリモコン受光と電源スイッチ用基板30、操作用スイッチ基板31、表示管用基板32などに限定されず、記録再生装置の機能によって他の部品を実装した操作用基板でもよく、また、これら各操作用基板の配置はフロントキャビネット16の前面と平行に縦型配置するだけでなく、記録再生装置の構造設計や視聴者による操作性を考慮して横型配置に変更するなど、適宜選定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1を示すDVD記録再生装置のフロントキャビネットに分割された各操作用基板が収納配置された状態を示す背面説明図である。
【図2】本発明におけるフロントキャビネットに表示管用基板が収納配置された状態を示すa−a断面説明図である。
【図3】本発明におけるフロントキャビネットに操作用基板が収納配置された状態を示すb−b断面説明図である。
【図4】本発明におけるフロントキャビネットにリモコン受光部と電源スイッチ用基板が収納配置された状態を示すc−c断面説明図である。
【図5】本発明におけるDVD記録再生装置の概略構成を示す斜視説明図である。
【図6】本発明の実施例2を示すDVDユニットを内蔵したテレビの概観を示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10 DVD記録再生装置
11 筐体シャーシ
11a シールド壁
16 フロントキャビネット
18 リモコン受光部
19 シャッター
20 操作ボタン
22 表示管
30 リモコン受光部と電源スイッチ用基板
31 操作用スイッチ基板
32 表示管用基板
41 コネクタケーブル
50 DVDディスク
60 テレビ
62 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントキャビネットの前面に複数配置した操作ボタンの機能及び情報入出力機能に対応した各種部品の実装される操作用基板を、前記フロントキャビネット内に収容する操作用基板を備えた記録再生装置において、前記操作ボタンの機能及び情報入出力機能ごとに前記操作用基板を分割して配置し、前記フロントキャビネットの内側に分割配置した各操作用基板を、前記部品の大きさに対応させ、平行且つ相互に段差状に配置したことを特徴とする操作用基板を備えた記録再生装置。
【請求項2】
前記記録再生装置は、前記フロントキャビネットとリアキャビネットからなる筐体を備え、前記フロントキャビネットと前記リアキャビネットとを間仕切りするシールド壁を設けたことを特徴とする請求項1記載の操作用基板を備えた記録再生装置。
【請求項3】
前記記録再生装置に映像を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の操作用基板を備えた記録再生装置。
【請求項4】
前記各操作用基板をコネクタケーブルで電気的に接続可能に構成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の操作用基板を備えた記録再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−237533(P2006−237533A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53994(P2005−53994)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】