説明

操作装置および操作方法

【課題】携帯端末の操作性を操作装置側で再現することで、操作装置におけるより良い操作性と利便性の向上を図ることが可能となる。
【解決手段】操作装置210は、携帯端末110とデータ通信を行うデータ通信部268と、端末表示部112の表示画面を撮像して画面データを生成する撮像部252と、生成された画面データに基づく画像を装置表示部258に表示させる表示制御部256と、装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネル260と、ユーザによる装置タッチパネル260への操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置を算出する位置変換部264と、算出された対応位置を示す情報を、データ通信部を介して携帯端末に送信する送信部266とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を操作することが可能な操作装置および操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクや半導体メモリ等の小型化、高密度化により、大量の音楽データや映像データを保持しうる、携帯性を有する携帯端末が広く普及しており、この携帯端末を、例えば車載装置に接続し、携帯端末に含まれる音楽や映像といったコンテンツを車載装置のスピーカを通じて出力できるものもある。こうすることで、携帯端末のコンテンツを乗車中にも楽しむことができる。
【0003】
また、制御線を介して、外部の操作装置からこのような携帯端末を直接制御することもできるが、互換性のある機能しか利用できないため、携帯端末が有する全てのアプリケーションを車載装置から自由に制御することはできない。
【0004】
また、このような携帯端末では、ユーザや、第三者が作成したアプリケーションをダウンロードしたりして使用することができるものもあるが、携帯端末のメーカが作成したものではないこれらのアプリケーションは、車載装置から遠隔操作できるように構成されていない場合も多い。したがって、外部の操作装置を介して携帯端末を操作する場合は、携帯端末を直接操作する場合と同等の操作をすることはできなかった。
【0005】
他の装置を操作できる操作装置として、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCと称する)で動作中の複数のアプリケーションを、タッチパネルを用いて操作する操作装置が存在する(例えば、特許文献1)が、PC上の1つのアプリケーションを操作装置に表示させているに過ぎず、PCに含まれる全てのアプリケーションを、PCを直接操作する場合と同様に操作装置から操作することは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009―122727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、携帯端末は、表示面が大きく形成されており、ユーザは、その表示面に設けられたタッチパネルを操作することで、快適な操作を行うことができる。しかしながら、従来の操作装置では、使い勝手等が綿密に計算された携帯端末のユーザインターフェースを直接操作するような高い操作性を得ることはできなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、携帯端末の操作性を操作装置側で再現することで、より良い操作性と利便性を有する操作装置および操作方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、端末表示部と、端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する、本発明の操作装置は、携帯端末とデータ通信を行うデータ通信部と、端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成する撮像部と、生成された画面データに基づく画像を装置表示部に表示させる表示制御部と、装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルと、ユーザによる装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出する位置変換部と、算出された対応位置を示す情報を、データ通信部を介して携帯端末に送信する送信部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、端末表示部と、端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する、本発明の他の操作装置は、端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成する撮像部と、生成された画面データに基づく画像を装置表示部に表示させる表示制御部と、装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルと、ユーザによる装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出する位置変換部と、算出された対応位置に操作入力を行う疑似操作入力部とを備えることを特徴とする。
疑似操作入力部は、複数の電極を有して構成されてもよい。
疑似操作入力部は、対応位置に対応した電極を含む複数の電極に対して電圧を印加することで、対応位置に操作入力を行ってもよい。
上記課題を解決するために、端末表示部と、端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する、本発明の操作方法は、端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成し、生成した画面データに基づく画像を装置表示部に表示させ、ユーザによる、装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出し、算出した対応位置を示す情報を、携帯端末に送信することを特徴とする。
上記課題を解決するために、端末表示部と、端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する、本発明の他の操作方法は、端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成し、生成した画面データに基づく画像を装置表示部に表示させ、ユーザによる、装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出し、算出された対応位置に操作入力を行うことを特徴とする。
上述した操作装置の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該操作方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の操作装置および操作方法によれば、携帯端末の操作性を操作装置側で再現することで、より良い操作性と利便性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態にかかる遠隔操作システムを説明するための説明図である。
【図2】第1の実施形態にかかる操作装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図3】操作装置の使用形態を説明するための説明図である。
【図4】対応検知範囲の設定を説明するための説明図である。
【図5】装置表示部に表示された画面データを利用した、ユーザの操作入力に応じた撮像制御部の処理について説明する説明図である。
【図6】固定ケースを説明するための説明図である。
【図7】固定ケースを利用する場合の携帯端末と撮像部の使用形態を説明するための説明図である。
【図8】第1の実施形態にかかる操作方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2の実施形態にかかる操作装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図10】第2の実施形態にかかる疑似操作入力部を説明するための説明図である。
【図11】第2の実施形態にかかる疑似操作入力部を説明するための説明図である。
【図12】第2の実施形態にかかる操作方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
(第1の実施形態:遠隔操作システム100)
図1は、第1の実施形態にかかる遠隔操作システム100を説明するための説明図である。特に、図1(a)は、遠隔操作システム100を構成する各装置の概略的な関係を示し、図1(b)は、携帯端末110の外観斜視図を示す。図1(a)に示すように、遠隔操作システム100は、携帯端末110と、操作装置210とを含んで構成される。
【0014】
携帯端末110は、図1(b)に示すように、端末表示部112と、端末表示部112に重ねて配置された端末タッチパネル114とを含んで構成されたユーザインターフェースを備えており、ユーザが、端末タッチパネル114に指で触れて操作することで、携帯端末110に含まれるアプリケーションを機能させることができる。本実施形態では、端末表示部112の表示範囲と、端末タッチパネル114における操作入力を検知する範囲(以下、単に入力検知範囲と略す)とが一致しているものとする。
【0015】
本実施形態では、操作装置210の操作対象である携帯端末110として、通話機能や、ネットワーク通信機能、スケジュール管理等の情報処理機能等を備えたスマートフォンを例に挙げて説明するが、これに限定されず、ポータブルメディアプレーヤ、音楽プレーヤ、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、PC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ポータブルテレビ、ゲーム機器等、表示部と表示部に重ねて配置されたタッチパネルを有する様々な電子機器を操作装置210の操作対象とすることもできる。ユーザは、操作装置210を通じて、これらの操作対象を操作することができる。
【0016】
携帯端末110は、USB(Universal Serial Bus)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11a/b(WiFi)、IEEE802.11g/j/n、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、赤外線通信等により操作装置210とデータ通信を行う端末通信部116も備える。ここでは、図1(a)に示すように、USBやUARTといった有線で接続されている例を示す。
【0017】
操作装置210は、例えば、カーナビゲーションシステム等の車載装置であり、操作装置210に設けられた、後述する装置タッチパネル260を通じたユーザの操作入力を受けて、操作装置210に設けられたオーディオ再生機能やカーナビゲーション機能等様々な機能を操作することができる。また、操作装置210は、制御線を介して、別体の携帯端末110と接続し、ユーザの操作入力を受けて、携帯端末110を遠隔操作することもできる。
【0018】
具体的に、操作装置210は、操作装置210の、後述する操作部250や装置タッチパネル260へのユーザによる操作入力に応じて、操作モードを、操作装置210自体を操作する通常モードから携帯端末110を遠隔操作する遠隔モードに切り換える。そして、ユーザが、例えば、携帯端末110に含まれる音楽コンテンツを再生させるために、装置タッチパネル260へコンテンツの再生を指示する操作入力を行うと、操作装置210はその操作入力に応じた制御信号を携帯端末110に送信する。そして、携帯端末110は音楽コンテンツの再生を開始する。
【0019】
そして、携帯端末110上で再生された音楽コンテンツの音声信号は、端末通信部116を通じて操作装置210に送信される。操作装置210は、音楽コンテンツの音声信号を受信して、操作装置210のスピーカまたは操作装置210に接続されたスピーカを通じて出力する。こうして、ユーザは、操作装置210を操作することで、携帯端末110に含まれる音楽コンテンツを楽しむことが可能となる。
【0020】
本実施形態にかかる操作装置210は、さらに、携帯端末110の表示画面をそのまま操作装置210側で、ユーザに視認させることができ、ユーザは携帯端末110の表示画面であるかのように、操作装置210の表示画面を視認しながら、携帯端末110を遠隔操作することができるため、操作性を向上させることが可能となる。以下、操作装置210を構成する各機能部について説明し、その後、当該操作装置210を用いた携帯端末110の操作方法について説明する。
【0021】
(操作装置210)
図2は、第1の実施形態にかかる操作装置210の概略的な機能を示した機能ブロック図であり、図3は、操作装置210の使用形態を説明するための説明図である。図2に示すように、操作装置210は、操作部250と、撮像部252と、撮像制御部254と、表示制御部256と、装置表示部258と、装置タッチパネル260と、装置メモリ262と、位置変換部264と、送信部266と、データ通信部268と、スピーカ270とを含んで構成される。
【0022】
操作部250は、操作キー、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。ユーザによる、操作部250への操作入力や、装置タッチパネル260への操作入力に応じて、操作装置210の操作モードは、操作装置210自体を操作する通常モードと、携帯端末110を遠隔操作する遠隔モードとに切り換えられる。本実施形態では、特に遠隔モードについて言及する。なお、通常モードを有さずに、常に遠隔モードで動作するような操作装置210にしてもよい。
【0023】
撮像部252は、操作装置210の本体212と有線または無線で接続されている。また、撮像部252は、撮像レンズを通じて入射した光を電気信号に光電変換する撮像素子等を含んで構成され、携帯端末110の端末表示部112の表示画面を撮像し、その表示画面を含む画像の画面データを生成する。
【0024】
撮像制御部254は、ユーザによる操作部250や装置タッチパネル260への操作入力に応じて、撮像部252の撮像範囲や倍率を変更(調整)する。
【0025】
表示制御部256は、操作モードが遠隔モードである場合、撮像部252が撮像した、端末表示部112の表示画面を含む画像と、装置タッチパネル260の対応検知範囲を示す指標とを重畳して装置表示部258に表示させる。
【0026】
上記装置タッチパネル260の対応検知範囲は、携帯端末110の端末タッチパネル114における入力検知範囲に対応させるための、装置タッチパネル260の範囲を示すものであり、ここでは、予め設定されているものとする。
【0027】
図4は、対応検知範囲の設定を説明するための説明図である。なお、一例として、図4に示すように、端末タッチパネル114における入力検知範囲内の点pは、端末タッチパネル114における原点であり、点Qは、装置タッチパネル260における原点であるとする。ここで、点pを装置タッチパネル260の任意の点P(K,M)に対応させて、装置タッチパネル260の対応検知範囲の横幅を端末タッチパネル114の入力検知範囲の横幅wのa倍、装置タッチパネル260の対応検知範囲の縦幅を端末タッチパネル114の入力検知範囲の縦幅hのb倍、装置タッチパネル260の任意の点Sの座標を(S,T)とした場合、その点Sに対応する端末タッチパネル114上の点sのX座標sは以下の式(1)で算出され、点sのY座標tは以下の式(2)で算出される。
【0028】
s=(S−K)/a・・・式(1)
t=(T―M)/b・・・式(2)
なお、点Pは、対応検知範囲の頂点の内、原点Qに最も近い頂点であるとする。また、Kは点PのX座標であり、Mは点PのY座標である。
【0029】
後述する位置変換部264は、式(1)及び式(2)である変換式を用いて、ユーザが装置タッチパネル260に接触した際に、その接触位置(例えば点S)の座標を、携帯端末110の端末タッチパネル114における、接触位置に対応した位置である対応位置(例えば点s)の座標へと変換する。
【0030】
なお、対応検知範囲(図4(b)中一点鎖線で示す範囲)の位置、大きさ、形は任意であるが、入力検知範囲と相似な形であることが好ましい。
【0031】
また、対応検知範囲の設定は、例えば、操作装置210の出荷前に行ってもよいし、ユーザが、装置タッチパネル260または操作部250に操作入力を行うことによって設定できるようにしてもよい。また、後述するように、表示制御部256が自動的に設定するようにしてもよい。
【0032】
装置表示部258は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、表示制御部256の制御指令に応じて、撮像部252が撮像した、端末表示部112の表示画面を含む画像と、指標とを重畳して表示する。
【0033】
ユーザは、初期設定の際、装置表示部258を視認しながら、装置タッチパネル260の対応検知範囲を示す指標と、撮像部252が出力する画面データに基づいた画像に含まれる、端末表示部112の表示画面とが一致するように操作部250や装置タッチパネル260への操作入力を行うことで、撮像制御部254に撮像部252の撮像範囲を変更させる。なお、端末表示部112の表示画面と、端末タッチパネル114における入力検知範囲とは一致しているものとする。
【0034】
また、撮像部252の撮像範囲を変更する代わりに、ユーザによる操作部250や装置タッチパネル260への操作入力に基づいて、表示制御部256が、撮像部252が生成した画面データの切り取り範囲を変更したり、切り取った後に拡大縮小の処理(所謂電子ズーム機能)を遂行したりすることで、装置タッチパネル260の対応検知範囲を示す指標と、撮像部252が出力する画面データに基づいた画像に含まれる、端末表示部112の表示画面(端末タッチパネル114における入力検知範囲)とを一致させてもよい。
【0035】
また、表示制御部256は、公知の画像認識技術を用いて、入力検知範囲に対応する範囲280を自動的に検出し、入力検知範囲と対応検知範囲とが一致するように、画像を表示させるようにしてもよい。
【0036】
また、表示制御部256は、公知の画像認識技術を用いて、入力検知範囲に対応する範囲280を自動的に検出し、その入力検知範囲に対応する部分を対応検知範囲として自動的に設定するようにしてもよい。この場合、対応検知範囲は、画像内の入力検知範囲に対応する範囲280の位置に応じて、変わることとなる。
【0037】
図5は、ユーザの操作入力に応じた撮像制御部254の処理について説明する説明図である。図5(a)に示すように、装置表示部258が表示する画像における、入力検知範囲に対応する範囲280が、指標282と一致しない場合、ユーザは、操作部250や装置タッチパネル260へ操作入力を行うことで、撮像制御部254に撮像部252の撮像範囲や倍率を変更させ、図5(b)に示すように、指標282を目安に、入力検知範囲に対応する範囲280が対応検知範囲に一致するように調整する。こうすることで、上述した変換式を利用して装置表示部258に重ねて配置される装置タッチパネル260の位置を端末タッチパネル114の位置に対応させることができる。このとき、携帯端末110の端末表示部112の対角する少なくとも2つの角にマークを表示させることで、上記指標282との一致度を高めることもできる。本実施形態において、入力検知範囲は、端末表示部112の表示画面に対応しているため、装置表示部258に表示された端末表示部112の表示画面を目安に、入力検知範囲に対応する範囲280と、対応検知範囲とが一致するように調整することができる。
【0038】
また、装置タッチパネル260の対応検知範囲と、装置表示部258が表示する画像における、入力検知範囲に対応する範囲280とを容易に一致させるように、携帯端末110と撮像部252を固定可能な固定ケースを利用することもできる。
【0039】
図6は、固定ケース290を説明するための説明図であり、図7は、固定ケース290を利用する場合の携帯端末110と撮像部252の使用形態を説明するための説明図である。特に、図6(a)は、固定ケース290の上面図を、図6(b)は、第1収納部292に携帯端末110を収納した様子を説明するための説明図を、図6(c)は、Z−Z断面図を、図6(d)は、V−V断面図を示す。
【0040】
図6に示すように、固定ケース290は、携帯端末110を収納する第1収納部292と、撮像部252を固定する第2収納部294とで構成される。第2収納部294には、第1収納部292に収納された携帯端末110をさらに押圧固定するための固定部296が設けられている。
【0041】
固定ケース290の第1収納部292と294は、シリコンゴム等の弾性体や、プラスチックや金属等で形成することが好ましい。また固定部296は、シリコンゴム等の弾性体で形成されるとよい。固定部296を弾性体で形成することにより、携帯端末110を傷つけることなく確実に固定することができる。なお、固定部296は、携帯端末110を固定ケース290に収納した場合に、端末表示部112を覆わない位置に配されるとよい。これにより、撮像部252が端末表示部112を撮像する際に固定部296が妨げになるおそれを回避することができる。
【0042】
また、図6に示すように、固定ケース290は、第1収納部292に携帯端末110を、第2収納部294に撮像部252を固定すれば、装置タッチパネル260の対応検知範囲に、入力検知範囲に対応する範囲280が一致して表示されるように形成されている。固定ケース290では、撮像部252に対して携帯端末110の端末表示部112が位置決めされるようになっており、携帯端末110が固定されることで、装置表示部258が表示する画像における、入力検知範囲に対応する範囲280と、装置タッチパネル260の対応検知範囲と、が一致する。なお、第2収納部294は、固定ケース290に携帯端末110を収納した場合に、撮像部252を固定する位置が端末表示部112の略中央と対向する位置となるように、形成される。
【0043】
固定ケース290を利用する場合、図7(a)に示すように、まず第1収納部292に携帯端末110を収納し、その後図7(b)に示すように、撮像部252を固定した第2収納部294を第1収納部292に固定する。このような、簡単な手順を経るだけで、図7(c)に示すように、携帯端末110を固定ケース290に収納することができる。
【0044】
かかる構成により、予め撮像部252を固定ケース290に固定させておけば、ユーザは、固定ケース290に携帯端末110を収納するだけで、装置タッチパネル260の対応検知範囲と、入力検知範囲に対応する範囲280と、を一致させることできる。
【0045】
なお、図6に示すような固定ケース290を利用して、携帯端末110と撮像部252を固定する場合、撮像部252を構成する撮像レンズは、魚眼レンズ(円周魚眼レンズ)で構成するとよい。これにより、一般的なレンズを用いる場合と比較して、携帯端末110の端末表示部112と、撮像部252の撮像レンズとの距離を短くすることができ、固定ケース290を小型化することが可能となる。なお、魚眼レンズを採用する場合、表示制御部256は、等距離射影方式等で撮像された画面データを、端末表示部112の表示画面と同等の中心射影方式等による画面データに加工して、加工した画面データに基づく画像を装置表示部258に表示させるとよい。
【0046】
固定ケース290を利用した場合、撮像部252と表示制御部256とを接続する接続線と、携帯端末110とデータ通信部268とを接続する接続線のみが、固定ケース290から延出することになる。したがって、携帯端末110と撮像部252を固定ケース290に梱包し、固定ケース290ごとグローブボックス等に収納することができる。
【0047】
また、操作装置210が、車載装置である場合、ダッシュボード付近に、携帯端末110の端末表示部112が鉛直上方向になるように固定する挿入口を設け、挿入口の上部に撮像部252を配置して携帯端末110の端末表示部112が撮像されるようにしてもよい。さらに、ダッシュボード上に、携帯端末110を立設する構成にしてもよい。
【0048】
このように、装置表示部258は、撮像部252が撮像した端末表示部112の表示画面を示す画面データに基づく画像をそのまま表示するため、ユーザは、装置表示部258を通じて、遠隔にある携帯端末110の表示画面の画像をリアルタイムに認識することができる。
【0049】
また、入力検知範囲に対応する範囲280と指標282とが、わずかにずれている場合、表示制御部256は、装置表示部258の対応検知範囲を移動して校正することもできる。その際、表示制御部256は、対応検知範囲の移動に対応させて、指標282も移動させることが好ましい。
【0050】
図2の説明に戻り、装置タッチパネル260は、装置表示部258に重ねて配置されており、ユーザの操作入力を受付ける。本実施形態において装置タッチパネル260は、静電容量式で構成される。静電容量式のタッチパネルは、ユーザの指がタッチパネルへ接触することによる、タッチパネルの導電膜の静電容量の変化を捉えて、タッチパネルに対する指の接触位置を割り出す。装置タッチパネル260は、静電容量式に限定されず、抵抗膜方式等他の方式を利用することもできる。
【0051】
装置メモリ262は、装置タッチパネル260の対応検知範囲と、端末表示部112の入力検知範囲との対応関係を示す位置情報および上述した変換式を保持する。
【0052】
位置変換部264は、装置メモリ262に保持された位置情報および変換式に基づいて、ユーザによる装置タッチパネル260への操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置を算出する。すなわち、ユーザ(ユーザの指)が、装置タッチパネル260の対応検知範囲内に接触すると、位置変換部264は、その接触した位置に対応する、携帯端末110の端末タッチパネル114上の位置である対応位置を導出する。例えば、ユーザが、装置タッチパネル260の点F(f,g)に接触した場合、位置変換部264は、上述した変換式に基づいて、((f−K)/a,(g−M)/b)を示す対応位置を算出する。そして、後述するデータ送信部266は、位置変換部264が算出した対応位置を示す情報である対応位置情報を携帯端末110に送信する。
【0053】
なお、装置タッチパネル260に抵抗膜方式を採用する場合、位置変換部264は、ユーザが装置タッチパネル260に接触してさらに押下した(押し下げた)場合に、その押下された位置を検出することになるが、各実施形態において、そのような押下された位置も、接触位置と呼ぶこととする。すなわち装置タッチパネル260が、操作入力があったと判定する位置を接触位置として扱う。
【0054】
送信部266は、位置変換部264が算出した対応位置を示す対応位置情報を、携帯端末110とデータ通信を行うデータ通信部268を介して携帯端末110に送信する。
【0055】
そして、携帯端末110は、受信した対応位置情報に基づき、携帯端末110に含まれるアプリケーションの機能を実行する。例えば、携帯端末110が、受信した対応位置情報に基づいて音楽コンテンツの再生を開始すると、携帯端末110は、再生した音楽コンテンツに基づいた、アナログ信号やPCM(pulse code modulation)信号を操作装置210に出力する。操作装置210は、携帯端末110が出力した信号を、データ通信部268を介して受信し、その受信した信号に基づいた音声を、操作装置210のスピーカ270を通じて出力したり、操作装置210に接続された車載のスピーカを通じて出力したりする。
【0056】
以上説明したように、本実施形態にかかる操作装置210は、撮像部252が撮像した携帯端末110の端末表示部112の表示画面を表示することで、装置表示部258を通じて、ユーザに携帯端末110の表示画面をそのまま認識させることができ、あたかも携帯端末110を直接操作しているような操作をさせることが可能となる。また、ユーザによる、操作装置210の装置タッチパネル260への操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置を算出し、算出した対応位置を示す情報を携帯端末110に送信する構成により、操作装置210を介して、操作性を向上させて、携帯端末110を遠隔操作することができる。
【0057】
(操作方法)
また、上述した操作装置210を用いた操作方法も提供される。図8は、第1の実施形態にかかる操作方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、操作装置210が、携帯端末110に含まれる音楽コンテンツを再生する例について説明する。
【0058】
図8に示すように、操作装置210の撮像部252は、携帯端末110の端末表示部112の表示画面を撮像して端末表示部112の表示画面を示す画面データを生成する(S300)。そして、ユーザによる操作部250や装置タッチパネル260への操作入力に応じて、操作装置210の操作モードが遠隔モードに切り換わると(S302におけるYES)、表示制御部256は、撮像ステップS300において撮像部252が生成した画面データに基づく画像と、指標282とを装置表示部258に表示させる。(S304)。ここでは、上述した固定ケース290によって、入力検知範囲に対応する範囲280が、指標282と既に一致しているとする。
【0059】
そして、ユーザによる装置タッチパネル260への操作入力があると(S306におけるYES)、位置変換部264は、ユーザによる装置タッチパネル260への操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置を算出する(S308)。送信部266は、変換ステップS308で算出された対応位置を示す情報(対応位置情報)を、データ通信部268を介して携帯端末110に送信する(S310)。
【0060】
携帯端末110は、受信した対応位置情報に応じた位置が接触された(操作入力された)とみなし、その操作入力に対応した機能(例えば音楽コンテンツの再生)を実行して(S312)、端末通信部116を通じて、音楽コンテンツの音声信号を操作装置210に出力する(S314)。
【0061】
そして操作装置210は、データ通信部268を介して音声信号を受信し(S316)、かかる音声信号を操作装置210のスピーカ270、または、操作装置210に接続されたスピーカを通じて出力する(S318)。
【0062】
以上説明したように、本実施形態にかかる操作方法においても、携帯端末110の表示画面をそのまま操作装置210側で視認させることができ、ユーザは携帯端末110の表示画面であるかのように視認しながら遠隔操作することでユーザの操作性を向上させることが可能となる。
【0063】
(第2の実施形態:操作装置410)
上述した第1の実施形態では、ユーザによる装置タッチパネル260への操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置を示す対応位置情報を、携帯端末110にデータ通信部268を通じて送信することで、携帯端末110に、対応位置情報に基づいてアプリケーションの機能を実行させることができる操作装置210について説明した。
【0064】
しかし、互換性がないアプリケーションもあるため、アプリケーションによっては、対応位置情報に基づいて機能を実行できないものもある。また、近年の携帯端末110は、携帯端末110のメーカが準備しているAPI(Application Programming Interface)等のインターフェースを利用して、ユーザが個々に作成したアプリケーションや、第三者が作成したアプリケーションをダウンロードしたりして使用できるものもある。このような、携帯端末のメーカが作成したものではないアプリケーションは、操作装置から遠隔操作できるように構成されているという保証はない。
【0065】
また、たとえ、アプリケーションが遠隔操作できたとしても、許容される処理には限界があり、携帯端末110における利便性の高い処理(タッチパネルを通じたユーザインターフェース)を操作装置210で実現できないことがある。さらに、将来的に携帯端末110の利便性と同等の高い処理がデータ通信部268を通じて可能になったとしても、複雑なプログラミングや仕様変更によるプログラム変更を余儀なくされる。
【0066】
そこで、本実施形態では、操作装置410によって擬似的に携帯端末110を操作することで、外部から入力される情報(操作装置210から送信される対応位置情報)に基づいてアプリケーション等を実行する機能が携帯端末110に予め備わっていない場合であっても、確実に携帯端末110のアプリケーションの機能を実行させることのできる操作装置410について説明する。
【0067】
図9は、第2の実施形態にかかる操作装置410の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図9に示すように、操作装置410は、操作部250と、撮像部252と、撮像制御部254と、表示制御部256と、装置表示部258と、装置タッチパネル260と、装置メモリ262と、位置変換部264と、疑似操作入力部450と、データ通信部268と、スピーカ270とを含んで構成される。第1の実施形態における構成要素として既に述べた操作部250、撮像部252、撮像制御部254、表示制御部256、装置表示部258、装置タッチパネル260、装置メモリ262、位置変換部264、データ通信部268、スピーカ270は、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する疑似操作入力部450を主に説明する。
【0068】
疑似操作入力部450は、位置変換部264が算出した対応位置に操作入力を行う。
【0069】
図10および図11は、第2の実施形態にかかる疑似操作入力部450の一例を説明するための説明図である。図10(a)に示すように、疑似操作入力部450は、携帯端末110の端末タッチパネル114に重ねて配置するように設置されて用いられる。疑似操作入力部450は、このように設置された状態で、端末タッチパネル114に近い順に、第1絶縁層452、複数の電極454を含んだ電極層456、第2絶縁層458の順で積層された操作シート部材460と、電圧印加部470とを含んで構成される。なお、操作シート部材460は、第1絶縁層452および第2絶縁層458を含まない構成とすることも可能であるが、第1絶縁層452および第2絶縁層458を含む構成とすることで、誤動作を防ぐことができる。
【0070】
図10(b)に示すように、操作シート部材460は、端末タッチパネル114の四隅と操作シート部材460の四隅が一致するように、ユーザによって端末タッチパネル114に重ねて配置される。操作シート部材460の四隅と端末タッチパネル114の四隅がずれている場合、上述した表示制御部256が、装置表示部258の対応検知範囲を移動して校正することもできる。
【0071】
第1絶縁層452は、10μm程度の厚さの絶縁体で構成され、電極454に電圧を印加しない状態において、端末タッチパネル114と電極454とを絶縁する機能を有する。
【0072】
電極層456に含まれる電極454は、端末タッチパネル114の最小反応面積(例えば、7×7mm程度)程度の面積であり(図10(b)参照)、電極層456は、0.1〜0.2mm程度の厚さで構成されている。また、各電極454同士は、離隔し電気的に絶縁されている。第2絶縁層458は、1mm程度の厚さの絶縁体で構成され、電極454と電圧印加部470とを接続する接続線をそれぞれ絶縁する機能を有する。なお、最小反応面積は、例えば、1つのアイコンが表示されている範囲に対応する面積であってもよい。
【0073】
第1絶縁層452、電極層456、第2絶縁層458を含んで構成される操作シート部材460は、透明な物質で構成するとよい。これにより、操作装置410の装置表示部258に表示された端末表示部112の表示画面の視認性を確保することができる。
【0074】
電圧印加部470は、位置変換部264が算出した対応位置に対応した電極454に、例えば、50Hz、30V程度の交流電圧を印加する。これにより、電圧が印加された電極454の付近の端末タッチパネル114の領域に静電容量の変化を起こすことができる。
【0075】
端末タッチパネル114に用いられる、例えば静電容量方式のタッチパネルは、ユーザ(人)の指が接触することによる静電容量の変化を捉えることで、ユーザの指の接触(または押下)を検知している。ここでは、ユーザの指の代わりに電極454を用い、この電極454に電圧を印加することで、端末タッチパネルの静電容量に変化を与え、あたかもユーザの指が接触したように端末タッチパネル114に判定させる。
【0076】
例えば、図10(b)に示すように、電圧印加部470が、位置変換部264が算出した対応位置に対応した電極454aに交流電圧を印加すると、端末タッチパネル114は、電極454aの直下の端末タッチパネル114の領域にユーザの指が接触したと判定する。したがって、ユーザは、操作装置410を通じて、携帯端末110の端末タッチパネル114を操作しているように、携帯端末110を遠隔操作することが可能となる。
【0077】
ここでは、電圧印加部470が電極454に交流電圧を印加しているが、これに限定されず、端末タッチパネル114にユーザの指が接触したと判定させることができれば様々な方式を採用することができる。
【0078】
また、疑似操作入力部450は、対応位置に対応した電極を含む複数の電極に対して、一斉に交流電圧を印加してもよい。携帯端末110は、アプリケーションや使用形態によって、アイコンの形状や表示位置が異なる場合がある。したがって、端末タッチパネル114の操作面に対向して、小さい電極を数多く配置すれば、様々な形状や、様々な大きさのアイコンに対応することができる。しかし、電極を小さくしすぎると、端末タッチパネル114に、ユーザの指が接触したと判定させることができなくなるおそれがある。
【0079】
そこで、図11(a)に示すように、疑似操作入力部450を、上述した電極454よりも小さい電極480(例えば、2mm×2mm)を複数並置して構成し、対応位置に対応した電極480を含む複数の電極480に対して操作入力があったと判定させる。こうすることで、より確実に、携帯端末110にユーザの指が接触したと判定させることができる。例えば、図11(b)に示すように、疑似操作入力部450を最小反応面積よりも小さい電極480を並置して構成し、携帯端末110に、対応位置に対応した電極480を含む複数の電極480に対して操作入力があったと判定させることで、携帯端末110の使用形態によって、端末表示部112に表示されるアイコンの大きさが異なる場合であっても、確実に携帯端末110のアプリケーションの機能を実行させることができる。
【0080】
また、本実施形態において疑似操作入力部450は、複数の電極を含んで構成されているが、これに限定されず、X−Yプロッタのような構造や、携帯端末110の表示画面と水平方向に回動する2軸を有するアーム等の、実際の動作を伴う駆動体で構成されてもよい。この場合、疑似操作入力部450は、駆動体の一部で、実際に位置変換部264が算出した対応位置に接触する。ここで、端末タッチパネル114と接触する駆動体の一部は、導電体で形成するとよい。また、上述した駆動体で疑似操作入力部450を構成する場合、駆動体を透明な物質で構成すれば、操作装置410の装置表示部258に表示された端末表示部112の表示画面の視認性を確保することができる。なお、疑似操作入力部450は、固定ケースと一体に構成することがより好ましい。そのようにすることで、端末タッチパネル114と疑似操作入力部450の各電極454を対応させることが容易になる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態にかかる操作装置410は、撮像部252が撮像した携帯端末110の表示画面をそのまま装置表示部258に表示することで、ユーザに携帯端末110の表示画面をそのまま認識させることができる。また、疑似操作入力部450を備える構成により、ユーザが操作装置410の装置タッチパネル260を接触すると、接触位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置に操作入力を行うので、外部から入力される情報(対応位置情報)に基づいてアプリケーション等を実行する機能が携帯端末110に予め備わっていない場合においても、ユーザに、あたかも携帯端末110を直接操作しているような遠隔操作をさせることが可能となる。
【0082】
(操作方法)
また、上述した操作装置410を用いた操作方法も提供される。図12は、第2の実施形態にかかる操作方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。なお、上述した第1の実施形態にかかる操作方法と実質的に等しい処理については、同一の符号を付して説明を省略する。またここでも、第1の実施形態と同様に、操作装置410が、携帯端末110に含まれる音楽コンテンツを再生する例について説明する。
【0083】
図12に示すように、疑似操作入力部450は、変換ステップS308で算出された対応位置に対応する電極454に交流電圧を印加する(S500)。そうすると、印加ステップS500で、電圧が印加された電極454の付近の端末タッチパネル114の領域に静電容量の変化が起きる。
【0084】
携帯端末110は、印加ステップS500で電圧が印加された電極454付近の端末タッチパネル114の領域に操作入力があったと判定し(S502)、その操作入力に対応した機能を実行して(S312)、端末通信部116を通じて、音楽コンテンツの音声信号を操作装置410に出力する(S314)。
【0085】
そして操作装置410は、データ通信部268を介して音声信号を受信し(S316)、かかる音声信号に基づいた音声を、操作装置410のスピーカ270、または、操作装置410に接続されたスピーカを通じて出力する(S318)。
【0086】
以上説明したように本実施形態にかかる操作方法においても、携帯端末110の表示画面をそのまま操作装置410側で視認させることができ、ユーザは携帯端末110の表示画面であるかのように視認しながら遠隔操作することでユーザの操作性を向上させることが可能となる。また、ユーザが操作装置410の装置タッチパネル260を接触すると、疑似操作入力部450が、接触位置に対応する、端末タッチパネル114上の位置である対応位置に操作入力を行うので、外部から入力される情報(対応位置情報)に基づいてアプリケーション等を実行する機能が携帯端末110に予め備わっていない場合においても、ユーザに、あたかも携帯端末110を直接操作しているような遠隔操作をさせることが可能となる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
なお、本明細書の操作方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。また、操作装置210、410が車載装置であることは、一例であり、これに限らない。また、本発明は操作装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、携帯端末を操作することが可能な操作装置および操作方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
110 …携帯端末
112 …端末表示部
114 …端末タッチパネル
210、410 …操作装置
250 …操作部
252 …撮像部
256 …表示制御部
258 …装置表示部
260 …装置タッチパネル
264 …位置変換部
266 …送信部
268 …データ通信部
450 …疑似操作入力部
454 …電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末表示部と、前記端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する操作装置であって、
前記携帯端末とデータ通信を行うデータ通信部と、
前記端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成する撮像部と、
生成された前記画面データに基づく画像を装置表示部に表示させる表示制御部と、
前記装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルと、
ユーザによる前記装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、前記端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出する位置変換部と、
算出された前記対応位置を示す情報を、前記データ通信部を介して前記携帯端末に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
端末表示部と、前記端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する操作装置であって、
前記端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成する撮像部と、
生成された前記画面データに基づく画像を装置表示部に表示させる表示制御部と、
前記装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルと、
ユーザによる前記装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、前記端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出する位置変換部と、
算出された前記対応位置に操作入力を行う疑似操作入力部と、
を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
前記疑似操作入力部は、複数の電極を有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記疑似操作入力部は、前記対応位置に対応した電極を含む複数の電極に対して電圧を印加することで、前記対応位置に操作入力を行うことを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
端末表示部と、前記端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する操作方法であって、
前記端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成し、
生成した前記画面データに基づく画像を装置表示部に表示させ、
ユーザによる、前記装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、前記端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出し、
算出した前記対応位置を示す情報を、前記携帯端末に送信することを特徴とする操作方法。
【請求項6】
端末表示部と、前記端末表示部に重ねて配置された端末タッチパネルとを有する携帯端末を操作する操作方法であって、
前記端末表示部の表示画面を撮像して画面データを生成し、
生成した前記画面データに基づく画像を装置表示部に表示させ、
ユーザによる、前記装置表示部に重ねて配置された装置タッチパネルへの操作入力があると、その操作入力が行われた位置に対応する、前記端末タッチパネル上の位置である対応位置を算出し、
算出された前記対応位置に操作入力を行うことを特徴とする操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−3374(P2012−3374A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135919(P2010−135919)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(508209990)J&Kカーエレクトロニクス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】