説明

操作補助部材および該操作補助部材を備えた噴射装置

【課題】 指押し式の噴射部材を装着した噴射装置に対して簡易な部品を取り付けるだけで、噴射部材をトリガー式に変更できる操作補助部材を提供する。
【解決手段】 指押し操作により内容物を噴射する噴射部材6を備えた噴射装置に脱着自在に装着できる操作補助部材であって、前記噴射装置に装着するための装着部5aと、その装着部5aに設けられる連結部5bと、その連結部5bにより一端が支持される腕部5cとを備え、その腕部5cの他端に指を掛けて引くことができる操作部5dを備えている操作補助部材5。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は噴射装置に脱着自在に装着できる操作補助部材に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平11−208749
【特許文献2】特開2001−315871
【0003】
従来からある指押し式の噴射部材は、側面に噴射孔を備え、エアゾールバルブやポンプのステム(弁棒)に嵌合して用いられる。このような指押し式の噴射部材を装着した噴射装置は、例えばエアゾール装置の場合は、人差し指で噴射部材の天面を上方から押動させる簡単な操作で、噴射が可能である。また、その指押し式の噴射部材は、エアゾール容器上部のスペースを占有しないので、簡易なキャップを被せるだけで不意な噴射を防止でき、搬送、梱包あるいは陳列も行いやすい。また、構造が簡易なため、用途に応じて種々の噴射孔を備えたものが提供されている。しかし、使用時には、エアゾールバルブの弾発力に逆らって噴射部材を押し下げるため、ある程度の力を必要とし、また、長く噴射するためには押し下げた状態を維持する必要があり、指が疲れる。一方、ポンプ式噴射装置の場合は、噴射可能となるまで噴射部材を何度も押し下げなければならず、さらに押し下げのストロークが長いため、指が疲れやすい。
【0004】
特許文献1には、トリガー式の噴射部材を用いたエアゾール装置が開示されている。そのトリガー式の噴射部材は、操作部分であるトリガーと、そのトリガーにより内容物を噴射する噴射ノズルとが一体に成形されている。そして、そのトリガーを引くとテコの原理により小さな力でステムを押し下げることができるので、力の弱い老人や子供でも楽に使用することができ、噴射孔の狙いもつけやすい。このような、使用時に効果のあるトリガーを後で付け替えることができると、使用者に有利な点が多い。しかしながら、指押し式の噴射部材をトリガーに変更するには、まず、噴射部材をステムから抜き去り、その後トリガーを装着しなければならない。そのため、交換作業が煩雑で、噴射部材が無駄になる。
【0005】
また、トリガー式の噴射部材は、噴射の狙いを付け易い利点がある反面、目標物に向かって噴射孔を向けると、自ずとトリガーを操作する持ち手の握りも決まってしまう。このように、人差し指の位置と噴射孔の向きに自由度がないと、例えば、自身に向かって内容物を噴射したいときには、噴射孔を自分に向けると、それに併せてトリガーに掛けている指をも自分の方に向けなければならず、手首を無理な体勢で捻ることになる。そのような無理な体勢で手首を捻ると噴射の方向もままならず、思うような操作が期待できない。さらに、トリガー式の噴射部材には、そのノズル形状が長いため、ステムから噴射孔までの通路が長くなり、噴射操作停止時に通路内に残っている内容物量が多く、噴射操作停止後に噴射されるという問題と、噴射孔の構造が限定されるため、所望の噴射形態が得られにくいという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、指押し式の噴射部材を備えた噴射装置に装着するだけでトリガー式の噴射装置に容易にすることができ、無駄を少なくしうる操作補助部材を提供すること、およびその操作補助部材を装着し、持ち手の位置と噴射孔の向きに自由度を持たせることができる噴射装置を提供することを技術課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の操作補助部材(請求項1)は、指押し操作により内容物を噴射する噴射部材を備えた噴射装置に脱着自在に装着できる操作補助部材であって、前記噴射装置に装着するための装着部と、その装着部に設けられる連結部と、その連結部により一端が支持される腕部とを備え、その腕部の他端に指を掛けて引くことができる操作部を備えていることを特徴とする。
【0008】
このような操作補助部材では、前記操作補助部材の腕部に、噴射部材と当接する突起が設けられているものが好ましい(請求項2)。また、前記操作補助部材の腕部に、噴射部材の上端部分を突出させることができる開口部が形成されているものが好ましい(請求項3)。さらに、前記腕部に、噴射装置の弁棒を挿入する弁棒挿入部と、噴射部材を装着する噴射部材装着部とを有するものが好ましい(請求項4)。
【0009】
本発明の操作補助部材付エアゾール装置(請求項5)は、エアゾール装置と、そのエアゾール装置に装着した請求項1記載の操作補助部材とからなることを特徴とする。また、本発明の操作補助部材付ポンプ式装置(請求項6)は、ポンプ式噴射装置と、そのポンプ式噴射装置に装着された請求項1記載の操作補助部材とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の操作補助部材(請求項1)は、指押し式の噴射部材を備えた噴射装置に装着するだけで、指で引く操作により噴射操作ができるようになり、テコの作用により小さな力で噴射操作することができる。そのため、力が弱く手の小さな女性や子供、さらには、手先の動作が鈍くなった老人も容易に噴射装置を操作することができる。また、従来からある種々のタイプの指押し式の噴射部材に使用できるため、噴射孔の構造の選択肢が広くなり、所望の噴射形態が得られやすい。さらに、噴射装置内の内容物が空になった後は、新しい噴射装置に付け替えて再利用することができる。そのため、操作補助部材が無駄にならず、資源保護に適している。特に、操作補助部材と噴射部材とは別体であるため、噴射装置を把持する手、操作部を操作する指に対して、噴射部位に応じて噴射方向を自由に変えることができる。そのため、使用者が使いやすい位置で噴射操作することができる。
【0011】
操作補助部材の腕部に噴射部材と当接する突起が設けられている場合(請求項2)は、指で引く操作による操作力を噴射部材に噴射装置の軸線下方に伝達しやすく、確実に弁棒を押し下げることができる。また、前記操作補助部材の腕部に、噴射部材の上端部分を突出させることができる開口部が形成されている場合(請求項3)は、開口部より噴射部材の上端を突出させて、そのまま噴射装置に装着することができるので、容易にトリガー機構を付加することができる。また、噴射部材の天面を指で操作することができるため、指押し式、トリガー式の両方の操作方法が可能になる。前記腕部が、噴射装置の弁棒を挿入する弁棒挿入部と、噴射部材を装着する噴射部材装着部とを有する場合(請求項4)は、噴射部材の大きさや形状に関係なく本発明の操作補助部材を適用することができる。
【0012】
本発明の操作補助部材付エアゾール装置(請求項5)は、エアゾール装置と、そのエアゾール装置に装着した前述の操作補助部材とからなる。そのため、噴射の狙いが付けやすく、余分な噴射を防止できる。また、本発明の操作補助部材付ポンプ式噴射装置(請求項6)は、ポンプ式噴射装置と、そのポンプ式噴射装置に装着された前述の操作補助部材とからなる。そのため、蓄圧し噴射するまでのストロークが長いポンプであっても噴射操作が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎに、図面を参照しながら本発明の操作補助部材および操作補助部材を装着した噴射装置の実施形態を説明する。図1aは本発明の操作補助部材を装着したエアゾール装置の一実施形態を示す斜面図、図1bは図1aの一部側面断面図、図2a、図2b、図2cはそれぞれ本発明のエアゾール装置に共通の操作補助部材を噴射部材との向きを変えて装着した様子を示す概略上面図、図3は本発明の操作補助部材を装着したエアゾール装置の他の実施形態を示す斜面図、図3bは図3aの一部側面断面図、図4aは操作補助部材を装着したエアゾール装置の他の実施形態を示す上面図、図4bは図4aの一部側面断面図、図4cはエアゾール装置全体の斜視図、図5aは本発明の操作補助部材を装着したポンプ式噴射装置の実施形態を示す斜視図、図5bは図5aの一部側面断面図である。
【0014】
図1を用いて本発明の操作補助部材を装着したエアゾール装置について説明する。図1に示すエアゾール装置1は、容器本体2とその容器本体の開口部に固着されるエアゾールバルブ3とからなるエアゾール容器4と、そのエアゾール容器4の上端に装着することができる操作補助部材5と、前記エアゾールバルブ3のステム(弁棒)に装着されてエアゾールバルブの開閉を操作するための指押し式噴射部材6とからなり、前記エアゾール容器4の内部には内容物(エアゾール組成物)7が充填されている。
【0015】
前記容器本体2は、たとえば、アルミニウムやブリキなどの金属、合成樹脂、耐圧ガラスなどからなる耐圧性を有する有底筒状の形態を有する公知のものを用いることができる。図1a、図1bに示すように容器本体2は上端に肩部2aが設けられ、その肩部2aからさらに上方の開口部にはビード部2bが形成されている。前記エアゾールバルブ3は、ビード部2bにクリンプされるマウンティングカップ8と、そのマウンティングカップ8によって保持されるハウジング9と、ハウジング9内に上下動または傾動自在に設けられるステム10と、そのステム10を常時上向きに付勢するバネとを有する公知のものを用いることができる。
【0016】
エアゾールバルブ3は、マウンティングキャップ8の上端に形成された被せ部8aと側壁8bとを容器本体2のビード部2bにクリンプすることにより容器本体2に取り付けられる。前記噴射部材6は、円柱状の形状を呈しており、側面に噴射孔6aが形成されている。その噴射部材6はステム装着部をステム10に装着して、ステム10と噴射孔6aとが噴射部材内の通路6cを介して連通する。なお、このような噴射部材6としては、噴霧用のノズル(例えば、メカニカルブレークアップ機構、フォワードテーパー状の噴射孔、リバーステーパー状の噴射孔、ストレート形状の噴射孔など)を備えたもののほか、フォーム状に噴出するスパウト、広範囲に噴射するためのワイド噴射用ノズル、複数方向に噴射するための多方向噴射ノズル、狭い空間に挿入して噴射するためのロングノズルなどがある。
【0017】
前記操作補助部材5はエアゾール容器4の上端に装着する環状の装着部5aと、その装着部5aの後端に設けられるヒンジ(連結部)5bと、そのヒンジ5bに一端が支持され、エアゾール容器4の上方を通って延びている腕部5cと、その腕部5cの先端から連続して下方に延びるトリガー(操作部)5dとからなる。前記装着部5aは、円筒状の部材であり、その下端でマウンティングキャップ8の被せ部8aを弾力的に挟持する。その装着部5aの円筒状の下端には、上方に向かって切り欠き5hが形成されている。操作補助部材5をエアゾール容器4から取り外す際、環状の装着部5aが切り欠き5hにより変形しやすくなり、装着部5aと被せ部8aとの嵌合が弱くなって取り外しやすくなる。
【0018】
前記ヒンジ5bは、装着部5aの外周から外側に延びる左右一対のL字状の係合片によって形成される。前記腕部5cは、平板状の部材であり、その中央付近に略円状の部分を有する。その平板状の部材の一端の両側からは、前記ヒンジ5bの係合片によって回動自在に支持される係合突起5e、5eが左右に延びている。その係合突起5eは、前記ヒンジ5bの係合片に引っ掛けて係止される。腕部5cの中央の円形状の部分には、略円形の開口部5fが形成され、その開口部5fから噴射部材6の上部が突出するように配置される。そのため、腕部5cが係合突起5e、5eを軸心として揺動しても干渉しない。さらに、腕部5cの下面からは、噴射部材6を挟んで両側から下方に向かって延びる突起5g、5gが形成されている。その突起5gはトリガー5dの引き操作により腕部5cが揺動する際に、噴射部材6の後述する鍔部と当接して下向きに押動する。腕部5cの他端からは、トリガー5dが下向きに延びている。そのトリガー5dは、内側に向けて窪んで、外側に向けて次第に広がる略円弧状の形状を呈しているので、人差し指を引っ掛けやすい。このように成形されるトリガー部材5は、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミドあるいはポリエステルなどの合成樹脂で成形される。
【0019】
前記噴射部材6の下端部には、外側に広がった鍔部6bが形成されており、トリガー5dを人差し指で引いて前記腕部5cが下方に揺動すると、その腕部5cの下面から延びる突起5g、5gが前記鍔部6bと当接して下方に押動する。そして、突起5gにより押動された噴射部材はステム10を押し下げ、内容物7が噴射される。なお、噴射部材6を直接押し下げることによっても噴射することができる。
【0020】
このようなエアゾール容器1に充填される内容物としては、例えば、スタイリング剤、トリートメント剤、染毛剤、脱色剤、着色剤などの頭髪用の有効成分、保湿剤、鎮痒剤、鎮痛剤、ほてり止め、制汗剤、害虫忌避剤、清涼化剤、クレンジング剤、育毛剤などの皮膚用の有効成分、殺虫剤、消臭剤、芳香剤などの家庭用の有効成分を配合した原液と、該原液を噴射させるための液化ガスあるいは圧縮ガスなどの噴射剤とからなる。
【0021】
前記操作補助部材5は、通常の指押し式のエアゾール製品の付属物として同梱して販売することもでき、別売りにすることもできる。通常のエアゾール装置に取り付ける場合には、操作補助部材5の開口部5fから噴射部材6を突出させて、被せ部8aに操作補助部材5の下端の装着部5aを弾力的に装着する。この状態で、トリガー5dを引くと、腕部5cがヒンジ5bを支点として揺動できる。このように、既存のトリガー式の噴射部材を有していないエアゾール装置1に対して、なんら変更を加えることなく、操作補助部材5をエアゾール容器4に取り付けるだけでトリガー式のエアゾール装置に変更することができる。また、エアゾール装置1から操作補助部材5を取り外すときは、装着部5aに設けた切り欠き5hにより、容易に引き抜くことができる。
【0022】
次いで、本発明の操作補助部材5を装着したエアゾール装置1の様子を図2a〜cを用いて説明する。まず、図2aに示す上面図に示すように、噴射部材6の噴射孔6aと操作補助部材5のトリガー5dの位置は、重なり合って同じ方向を向いている。この場合は、従来のトリガー式の噴射部材と同様である。
【0023】
図2bに示すように被せ部8aを挟持している操作補助部材5の装着部5aを回動させる。そうすると、トリガー5dと噴射孔6aの向きに角度をつけることができる(図2bの角度X参照)。また、図2cに示すようにトリガー5dと噴射孔6aの向きを正反対にすることもできる。その場合はトリガー5dを引く指の配置はそのままで、自分の方に向かって内容物6を噴射することができる。例えば、化粧水などを自分の顔に向かって噴射したい場合でも、無理に手首を自分の顔の方に折り曲げて、トリガーを引く指と噴射孔6aを顔面付近に配置しなくてもよく、噴射孔6aとトリガー5dの作る角度を自由に取り決めた後に、手首に無理がかからない体勢で、トリガー5dを引いて、所望の噴射をする。なお、噴射部材6を回転させて、トリガー5dと噴射孔6aの角度を調節してもよい。
【0024】
図3に本発明の操作補助部材を装着したエアゾール装置の他の実施形態を示す。図3aおよび図3bに示すエアゾール装置20は図1のエアゾール装置1とほぼ同様であるので、同じものには同じ符号を付して、その説明を省略する。エアゾール装置20の操作補助部材21も同様に装着部5aを有しているが、装着部5a後端のヒンジ5bに支持され、エアゾール容器上方を通って前方へ延びる腕部21aは、その下面側の中央付近にステム(弁棒)10を挿入するための挿入孔21b(ステム挿入部)が形成されている。そして上面側には、挿入孔21bと連通する凸状の装着部材21c(噴射部材装着部)が突出している。この凸状の装着部材21cの先端部には、噴射部材22が装着され、ステム10から挿入孔21b、凸状の装着部材21c、噴射部材22内の通路6cおよび噴射孔6aが連通する。挿入孔21bには、ステム10の直径やステム10の高さが異なるエアゾールバルブにも用いることができるように、また、繰り返し使用により挿入孔21bが変形するなど劣化しないように合成ゴム、天然ゴム、シリコンゴム、エストラマーなどの弾性体21dを挿入することが好ましい。また、凸状の装着部21cの先端部は、噴射部材22を装着し、噴射操作したときに装着部分からエアゾール組成物7が漏れないように、噴射部材22のステム挿入孔とほぼ同じ直径であることが好ましい。また、装着部分をシールするために先端部の外周に弾性体21dを装着してもよい。
【0025】
前記操作補助部材21を通常の指押し式の噴射部材を備えたエアゾール容器4に装着するには、まず、既存の噴射部材22をステム10から上方に引き抜き取り外す。次いで、操作補助部材21をエアゾール容器4に装着して挿入孔21bにステム10を挿入する。その後、噴射部材22を操作補助部材21の凸状の装着部材21cに装着する。本発明における操作補助部材21を用いると、指押し式のエアゾール装置に対して噴射部材22を無駄にせずに簡単にトリガー式に変更することができる。なお、このようなエアゾール装置20に使用する噴射部材22は、その下端部が外側に広がった鍔部分を備えていなくてもよく、操作補助部材21の上に噴射部材22を装着するので、どのような噴射部材22の形状および大きさにも対応することができる。また、操作補助部材21のトリガー5dと噴射部材22の噴射孔6aの向きを自由に変えることができるため、使用者が噴射しやすい。
【0026】
さらに、本発明の操作補助部材を備えたエアゾール装置の他の実施形態を図4を用いて説明する。図4a、図4bおよび図4cに示すエアゾール装置24は、図2で説明したエアゾール装置20の操作補助部材21に一対の側壁23を設けたものである。その側壁23は噴射部材22の両側面を覆うように装着部5aの両側から垂直上方に延びており、その高さは使用していないときに噴射部材22を誤って押し下げないように、噴射部材22の天面より高くなっている。この場合、噴射部材22とトリガー5dの角度は180°反対方向にしか変更できないが、側壁23により、噴射部材22が誤って押し下げられることを防止することができ、噴射した内容物7が予想以上に飛び散ったり、自分の指にまで飛散してくるのを防止することができる。
【0027】
図5に本発明の操作補助部材を備えたポンプ式噴射装置の実施形態を示す。図5に示すポンプ式噴射装置25は、図1に示したエアゾール装置1とほぼ同じであるので、同じ箇所には同じ符号を付してその説明を省略する。図5に示すポンプ式噴射装置25は、容器本体2とその容器本体の開口部に装着されるチェックバルブ26とからなるポンプ式噴射装置容器27と、そのポンプ式噴射装置容器27の上端に装着することができる操作補助部材28と、前記チェックバルブ26のステム(弁棒)10に装着されてチェックバルブ26の開閉を操作するための噴射部材6とからなる。
【0028】
ポンプ式の噴射装置では、一回当りの内容物の噴射量は、ステムのストローク量により決定される。そのため、多量の噴射量を望む場合には、ストロークを大きくしなければならない。そうすると、噴射部材を大きく上下動させる必要があり、指で操作しにくくなる。そこで、そのようなポンプ式の噴射装置に、操作補助部材28を設けると、ストロークの長いポンプであっても、トリガー5dを指で引き操作するだけで容易に噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1aは本発明の操作補助部材を備えたエアゾール装置の一実施形態を示す斜面図、図1bは図1aの一部側面断面図である。
【図2】図2a、図2b、図2cはそれぞれ本発明の操作補助部材をエアゾール装置に装着した様子を示す概略上面図である。
【図3】図3は本発明の操作補助部材を備えたエアゾール装置の他の実施形態を示す斜面図、図3bは図3aの一部側面断面図である。
【図4】図4aは本発明の操作補助部材を備えた他の実施形態を示す上面図、図4bは図4aの一部側面断面図、図4cはエアゾール装置全体の斜視図を示す。
【図5】図5aは本発明の操作補助部材を装着したポンプ式噴射装置の実施形態を示す斜視図、図5bは図5aの一部側面断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 エアゾール装置
2 容器本体
2a 肩部
2b ビード部
3 エアゾールバルブ
4 エアゾール容器
5 操作補助部材
5a 装着部
5b ヒンジ
5c 腕部
5d トリガー
5e 係合突起
5f 開口部
5g 突起
5h 切り欠き
6 噴射部材
6a 噴射孔
6b 鍔部
6c 通路
7 内容物
8 マウンティングキャップ
8a 被せ部
8b 側壁部
9 ハウジング
10 ステム
20 エアゾール装置
21 操作補助部材
21a 腕部
21b 挿入孔
21c 凸状の装着部材
21d 弾性体
22 噴射部材
23 側壁
24 エアゾール装置
25 ポンプ式噴射装置
26 チェックバルブ
27 ポンプ式噴射装置容器
28 操作補助部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指押し操作により内容物を噴射する噴射部材を備えた噴射装置に脱着自在に装着できる操作補助部材であって、
前記噴射装置に装着するための装着部と、その装着部に設けられる連結部と、その連結部により一端が支持される腕部とを備え、その腕部の他端に指を掛けて引くことができる操作部を備えている操作補助部材。
【請求項2】
前記操作補助部材の腕部に、噴射部材と当接する突起が設けられている請求項1記載の操作補助部材。
【請求項3】
前記操作補助部材の腕部に、噴射部材の上端部分を突出させることができる開口部が形成されている請求項1記載の操作補助部材。
【請求項4】
前記操作補助部材の腕部が、噴射装置の弁棒を挿入する弁棒挿入部と、噴射部材を装着する噴射部材装着部とを有する請求項1記載の操作補助部材。
【請求項5】
前記噴射装置がエアゾール装置であって、そのエアゾール装置に請求項1記載の噴射補助部材を装着した操作補助部材付エアゾール装置。
【請求項6】
前記噴射装置がポンプ式噴射装置であって、そのポンプ式噴射装置に請求項1記載の操作補助部材を装着した操作補助部材付ポンプ式噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−36335(P2006−36335A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222642(P2004−222642)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】