説明

攪拌機

【課題】 小型で安全に使用できる攪拌機を提供すること。
【解決手段】 各々の内部の状態は、上部の容器6には内側の底に攪拌用磁性体円盤3cと、これを駆動及び保持するための永久磁石円盤3bを外側の底に有する。下部の駆動部筐体1は容器6の磁石円盤3bと攪拌用磁性体円盤3cを駆動するための永久磁石円盤3aと、この円盤3aを駆動するモータ2がシャフト2aで接続されている。そして、モータ制御用電子回路4と、電源回路及び蓄電池5を内蔵する攪拌機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
食品等の攪拌等に用いる卓上サイズの調理用攪拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の攪拌機に属するものにはミキサー、ブレンダー、フードプロセッサなどが開発されている。にいずれの装置も高速で回転するブレードを有し、細かく切り刻む手法をとるのが一般的である。
また、電磁調理器用のもの(例えば特許文献1及び2参照)が開発されているが、調理の準備段階で、ただ攪拌するだけの簡易なものが開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2004−55507
【特許文献2】 特開2004−087503
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
簡単で安全に使用でき、使用後の洗浄も容易な小型調理用攪拌機が要望されている。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、小型で、容易で安全に使用できる攪拌機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、攪拌動力装置部と攪拌容器とを分離し、攪拌作業時には前記撹拌動力装置部の動力を、永久磁力を介して攪拌容器に伝達する。そのため前記容器の内底に自制他の材料に装着した突起を有する円盤を置き、容器の外底面には内側の円盤の駆動と保持を目的とする永久磁石の円盤を取り付ける。内底と外底面の前記円盤は磁力の作用で通常状態では取れることはない。
容器を乗せて使用する攪拌動力装置部は、上記の2つの円盤を駆動するための永久磁石円盤を、上記容器の底の形状に整合させた円形台の内部に有し、下部のモータに接続している。このモータは回転数可変型で、被攪拌材料に適応した回転が選択できる攪拌装置が提供される。
前記モータは、市販されているブラシレスDCモータのラジアルギャップ・インナーローター型を想定しているが、アキシャルギャップ型でもよいし、制作費を考慮してブラシ付DCモータでもよいが、いずれの型でも容器の円盤を駆動する動力部の円盤下部にフィンを設け、攪拌動力装置の内部温度の局部的上昇を防ぐ。
また、外部から100V、AC電源を取ることになるが、接続はマグネットコードを用いる。例えばコードに何かが絡まっても、容易にコードが攪拌動力装置の筐体から離脱する。筐体は防滴構造とし台所などで安心にして使用できる。
さらにDCモータの特長を生かし、内部に2次電池を保有し、コードレスでも攪拌機を使用できる装置でもよい。
【0007】
前記攪拌容器と前記攪拌動力装置部が分離しているため、容器の取扱いが容易な上、攪拌用容器内底の磁性体円盤と外底の永久磁石円盤は簡単に引き離せるため、洗浄が容易な構造の攪拌容器が提供される。
容器の底で攪拌のために回転する2つの円盤形の永久磁石は、回転による摩擦抵抗を減ずるため容器の材質を考慮した材質で覆うのが好ましい。また、容器は非磁性体でなければならない。また、非磁性体であれば、通常使用している容器を攪拌用容器として流用できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の容器の内底に取り付ける攪拌用の円盤は、頂部が半球の突起が回転するだけなので安全であるうえ回転数も低速から中速までにしているので安心して使用できる。容器は単独で使用できるうえ円盤は容器の外底永久磁石で保持されているだけなので、簡単に取り外すことができ洗浄が容易である。そのため日常の用途に使用できる。
また、容器が非磁性のもの、例えば陶磁器、ガラス器、プラスチック容器などであれば、そのまま攪拌容器として流用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 攪拌機全体の説明に用いる(a)外観図、(b)断面図。
【図2】 容器の(a)縦断面図、(b)横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の好ましい実施形態による攪拌機を示す。図中、同様な部位には同様な符号を付してある。
図1(a)によると、攪拌機は、上部に注ぎ口6a、蓋6b、取手6cを有する容器6と、下部にマグネットコードの接続器4a、電源スイッチ1a、回転数設定器1bが取り付けられた撹拌動力装置部の駆動部筐体1で構成される。
駆動部筐体1の形状は、上部に専用の容器6以外のものを使用できるよう、専用容器6の底の形状である円形に整合した円形台1cの周囲に、この円形台と同じ高さにした台1dを有するので、通常使用している非磁性の容器、例えば陶磁器、ガラス器、プラスチック容器などを攪拌容器として流用できる。
また、駆動部筐体1には開口部をなくしている。電源スイッチ1aは柔軟な素材で覆われているし、回転数設定器1bのノブ1baは筐体の外側ではレール1bb内をスライドし、どこにも接続されていない。ノブ1ba本体が磁性体で、筐体内部にあるモータの回転数を設定する同様の磁性体のスライドスイッチ1bcを外側から操作する仕組みとなっている。
図1(b)によると、内部の状態は、上部の容器6には内側の底に攪拌用磁性体円盤3cと、これを駆動及び保持するための永久磁石円盤3bを外側の底に有する。下部の駆動部筐体1は容器6の磁石円盤3bと攪拌用磁性体円盤3cを駆動するための永久磁石円盤3aと、この円盤3aを駆動するモータ2がシャフト2aで接続されている。そして、モータ制御用電子回路4と、電源回路及び蓄電池5を内蔵する。
駆動用筐体1の内部は、電子部品とモータによる発熱と、容器6に温度の高い材料を入れた場合の伝導熱とで、温度が上昇する虞がある。そこで、駆動部筐体1の材質は熱伝導のよいもので放熱するのが好ましい。また、内部に局部的な温度上昇部が発生しないよう、永久磁石円盤3aの下部に空気を攪拌するためのフィン3aaを装着する。
【0011】
モータは放熱性、耐久性、回転数が可変であることなどを考慮してブラシレスDCモータ・ラジアルギャップ・インナーローター型を電子制御回路で駆動することを想定しているが、モータ上部の磁石円盤を駆動する構造なのでアキシャルギャップ型でもよいし、制作費を考慮してブラシ付DCモータでもよい。
電源はモータに合わせて交流から直流に変換する。攪拌機を使用する環境によっては電源コードが邪魔になるので、直流電源はモータと蓄電池に供給し、攪拌機を蓄電池でも使用できるものとする。
【0012】
図2は容器についての説明図である。図2(a)によると、攪拌用磁石円盤3cの頂部は3ccに示すように半球型で、手が触れても怪我をしないような形状である。
内部の底の攪拌用磁性体円盤3cと外側の底の駆動用永久磁石円盤3bは、磁力で保持されているので、洗浄する時などは容易に取り外すことが出来る。そして、使用に際して取り付ける位置が容易に分かるよう、容器の内外の底の中心が半球形の凸形3fをしている。
一方、攪拌用磁性体円盤3cと駆動用永久磁石円盤3bには上記の半球形の凸部が収まるよう円盤の中心部に半球形の凹みを持っている。また、これらの円盤は、容器6との摩擦抵抗の少ない、熱にも強い樹脂などの材質で覆われるのが好ましい。
図2(b)によると、攪拌するための半球形突起は3e方向と、これに直角に交差する3d方向の列となっている。それぞれの列の突起の位置は互いを補完するようピッチをずらしているので、攪拌がより効果的になる。
【符号の説明】
【0013】
1 駆動部筐体
2 モータ
3a 永久磁石円盤
3b 駆動用永久磁石円盤
3c 攪拌用磁性体円盤
4 制御用電子回路
5 電源回路及び蓄電池
6 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌動力装置部と攪拌容器とを分離し、攪拌作業時には動力を永久磁力で伝達する。そのため容器の内底に磁性体の材料に装着された突起を有する円盤を置き、容器の外底面には内側の円盤の駆動と保持を目的とする永久磁石の円盤を取り付ける。内底と外底面の円盤は磁力の作用で通常状態では取れることはない。これらの円盤は、攪拌動力装置に内蔵しているモータに接続された永久磁石の回転で駆動されることを特徴とする攪拌機。
【請求項2】
前記攪拌容器と前記攪拌動力装置部が分離しているため、容器の取扱いが容易な上、攪拌用容器内底の磁性体円盤と外底の永久磁石円盤は簡単に引き離せるため、洗浄が容易な構造であることを特徴とする攪拌容器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−228681(P2012−228681A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109863(P2011−109863)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(310020518)Amity Energy Solution 株式会社 (11)
【Fターム(参考)】