説明

攪拌装置

【課題】均等且つ効率的に粉体を液状体に混合すると共に、攪拌槽内の効率よく洗浄する。
【解決手段】第一仮想軸A1の両側で開口している槽本体51、主開口を塞ぐ取り外し可能な蓋、及び副開口53と連通している投入室形成筒55を有する攪拌槽50と、第二仮想軸回りに揺動可能に攪拌槽を支持する支持脚と、攪拌翼21を有する攪拌機構20と、投入室形成筒55への材料投入位置よりも下側の退避位置P1と槽本体内の主攪拌位置P2との間で攪拌翼21を往復移動可能に攪拌機構20を移動させる昇降機構70と、を備える。攪拌機構20は、攪拌翼21が固定されている攪拌軸22と、攪拌軸に対して垂直な方向に攪拌軸から離れて配置されているモータ23とを有する。昇降機構70の油圧アクチュエータ71は、攪拌軸22に対して垂直な面内での攪拌機構20の重心位置Gに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体に粉体を混合するための攪拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液状体に粉体を混合するための攪拌装置としては、例えば、以下の特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
この攪拌装置は、槽本体及びこの槽本体の開口を塞ぐ蓋を有する攪拌槽と、攪拌槽内で回転する攪拌翼を有する攪拌機構と、攪拌槽の蓋を昇降させる昇降機構と、を備えている。攪拌機構は、攪拌槽の蓋よりも上部に位置しているモータと、蓋を貫通し、一方の端部に攪拌翼が固定され、他方の端部がモータの出力軸に取り付けられている回転軸と、を有している。
【0004】
この攪拌装置を用いて、液状体に粉体を混合する際には、まず、攪拌槽内に液状体を入れる。次に、昇降機構を駆動し、攪拌機構を昇降させることなく、攪拌槽の蓋を槽本体に対して相対的に上昇させ、槽本体から蓋を外す。次に、槽本体の開口から、槽本体内に粉体を落とし入れた後、再び、昇降機構を駆動し、槽本体に対して相対的に蓋を下降させ、槽本体に蓋を取り付ける。そして、槽本体内に液状体及び粉体が入り、且つ槽本体に蓋が取り付けられている状態で、攪拌機構を駆動し、液状体と粉体とを混ぜ合わせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−195802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、粉体は、その種類よっては、粉の塊、つまりダマになり易いものがあり、例えば、粉体の供給過程や液状体との接触時にダマになることがある。上記特許文献1に記載の技術では、紛体がダマになった場合に、ダマのままで液状体と混合を図ることになり、粉体の各粒子が液状体内に拡散されず、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができない、という問題点がある。
【0007】
また、液状体や粉体の種類によっては、攪拌槽内を頻繁に洗浄する必要が生じて、攪拌槽内を効率よく洗浄したい場合がある。これに対して、上記特許文献1に記載の技術では、槽本体から蓋が外れるために、攪拌槽内を洗浄できるものの、攪拌槽内を効率的に洗浄できるとは言い難く、上記の要望に応えることができない。
【0008】
そこで、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合する方法として、槽本体の底に、槽本体の底に連通する筒を設け、この筒の内部と槽本体内との間で攪拌翼を移動させる方法が考えられる。この場合、筒よりも下側に攪拌翼を回転させるモータを設け、攪拌翼及びモータを一体的に上下方向に移動可能な攪拌機構を構成すると共に、筒に、その外周側から内周側に貫通する投入口を形成する。そして、この筒内で投入口よりも下の位置に攪拌翼が位置している状態で、投入口から紛体を投入し、紛体中のダマを粉砕すると共に、ダマ発生を防ぐ。また、槽内の混合物が多くなると、攪拌翼を槽本体内に位置させて、攪拌槽内の全体における混合率の均一化を図る。
【0009】
また、攪拌槽内を効率的に洗浄する方法として、上記特許文献1の攪拌装置のように、槽本体から蓋が外れるようにすると共に、槽本体を傾ける方法が考えられる。この場合、槽本体を通る水平な軸回りで、槽本体を揺動可能に支持脚で支持する。
【0010】
この際、さらに、人手による攪拌槽内の洗浄性を上げるために、攪拌翼の攪拌軸に対して垂直な方向に、モータを攪拌軸から離して、設置面から槽本体までの高さを抑える方法が考えられる。この場合、モータの出力軸と攪拌軸とを動力伝達機構で接続すると共に、モータ、動力伝達機構及び攪拌軸を搭載するベースを設ける。さらに、前述したように、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合するため、モータ、攪拌軸、攪拌翼、動力伝達機構、及びベースを有して構成される攪拌機構を、上下動させるための昇降機構を設ける。この昇降機構は、攪拌機構を上下方向に移動させる昇降駆動機と、攪拌槽に対する攪拌機構のベースの移動方向を規制するベース動作規制機構とを有する。
【0011】
攪拌装置の構成として、以上のような構成を採用することで、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができると共に、攪拌槽内を効率よく洗浄することができる。
【0012】
しかしながら、以上のような構成を採用した場合、攪拌装置における前述の攪拌機構の重心位置は、攪拌軸に垂直な面内において、攪拌軸の位置から比較的大きく離れてしまい、攪拌機構のモータ側が下がる向きに、この攪拌機構が傾く可能性が生じる。このため、ベース動作規制機構の構成によっては、このベース動作規制機構に多大な負荷がかかり、ベース動作規制機構の摺動部が短期間のうちに偏磨耗する等、メンテナンス性が損なわれることが予想される。
【0013】
そこで、本発明は、メンテナンス性を損なうことなく、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができると共に、攪拌槽内を効率よく洗浄することができる攪拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための攪拌装置は、
第一仮想軸の両側で開口している槽本体と、該第一仮想軸の一方側の主開口を塞ぐ取り外し可能な蓋と、該第一仮想軸の他方側の副開口と連通し、該副開口から該他方側に延びている投入室形成筒と、を有する攪拌槽と、前記第一仮想軸に直交する第二仮想軸回りに揺動可能に前記攪拌槽を支持する支持脚と、前記攪拌槽の前記投入室形成筒内に、攪拌材料を投入する材料投入機と、前記第一仮想軸回りに回転する攪拌翼を有する攪拌機構と、前記攪拌槽における、前記材料投入機の前記攪拌材料の投入位置に対して、前記第一仮想軸の前記一方側の退避位置と、前記槽本体内の主攪拌位置との間で、前記攪拌翼を往復移動可能に前記攪拌機構を移動させる昇降機構と、を備え、
前記攪拌機構は、前記第一仮想軸に沿った方向に延び、該第一仮想軸の前記一方側の端部が前記攪拌槽内に入り込んで、該一方側の端部に前記攪拌翼が固定されている攪拌軸と、該攪拌軸に対して垂直な方向に該攪拌軸から離れて配置されているモータと、該モータの出力軸の回転力を該攪拌軸に伝える伝達機構と、該攪拌軸と該モータと該伝達機構とが搭載されているベースと、を備え、前記昇降機構は、前記攪拌翼が前記退避位置と前記主攪拌位置との間で往復移動可能に前記攪拌機構を移動させる昇降駆動機と、第一部及び該第一部に対して相対移動可能な第二部を有し、前記攪拌機構を懸架する懸架機と、を備え、
前記懸架機は、前記攪拌軸に対して垂直な面内での前記攪拌機構の重心位置で、前記第二部の相対移動方向が前記攪拌軸と平行な方向を向き、且つ、該方向で、前記退避位置から前記主攪拌位置側向きの昇降力を発生するよう、該第一部と該第二部とのうち、一方が前記攪拌槽に取り付けられ、他方が前記攪拌機構の前記ベースに取り付けられている、
ことを特徴とする。
【0015】
当該攪拌装置では、投入室形成筒内の退避位置に位置している攪拌翼が回転しているところに、材料投入機により紛体が投入される。投入された紛体のほとんどは、投入室形成筒内の限られた空間内で回転する攪拌翼に接触する。このため、紛体の貯留場所でダマになっていた粉体や、この貯留場所からの供給過程でダマになった粉体が、投入室形成筒内に入ってきても、攪拌翼により、分断、粉砕され、粉体を構成する個々の粒子が、投入室形成筒内で分散する。その後、攪拌槽内に液状体を供給し、これが投入室形成室内に入ると、投入室形成筒内で分散し且つ旋回している紛体に接触する。このため、紛体は、液状体との接触時においてもダマにならず、液状体内で、粉体の各粒子が拡散した状態で、液状体と粉体との攪拌混合が開始される。
【0016】
攪拌槽内への液状体の供給により、攪拌槽内の混合物(紛体と液状体とを合わせたもの)の容積が増加し、この混合物が槽本体内にも満ちてくると、昇降機構の昇降駆動機を駆動し、攪拌機構を移動させ、投入室形成筒内の退避位置で回転している攪拌翼を槽本体内の主攪拌位置に移動させる。この主攪拌位置で攪拌翼を回転させることで、攪拌槽内の全体における混合率の均一化を図ることができる。
【0017】
よって、当該攪拌装置は、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができる。
【0018】
また、当該攪拌装置では、攪拌槽の蓋を取り外し、槽本体を揺動して、例えば、第一仮想軸が水平方向を向く程度にまで、第二仮想軸回りに槽本体を揺動することで、槽本体内等を簡単に洗浄することができる。しかも、当該攪拌装置で、モータを、攪拌軸に対して垂直な方向に攪拌軸から離れた位置に配置しているので、当該攪拌装置の設置面から攪拌槽までの高さが抑えられ、槽本体内等の洗浄時に、人手による作業性を向上させることができる。よって、当該攪拌装置では、攪拌槽内の効率よく洗浄することができる。
【0019】
また、当該攪拌装置では、前述したように、人手による洗浄作業性を向上させるため、攪拌機構のモータを、攪拌軸に対して垂直な方向に攪拌軸から離れた位置に配置している。このため、この攪拌機構の重心位置が、攪拌軸に垂直な面内において、攪拌軸の位置から比較的大きく離れてしまう。この結果、攪拌槽と間で接触する部分が存在する攪拌機構の攪拌軸側を基準として、この攪拌機構のモータ側が下がる向きに、この攪拌機構が傾く可能性が生じる。そこで、当該攪拌装置では、前記攪拌軸に対して垂直な面内での前記攪拌機構の重心位置で、退避位置から主攪拌位置側向きの昇降力を発生するよう、懸架機を設け、この重心位置を基準した、攪拌機構にかかるモーメントの大きさを抑えることで、攪拌槽の第一仮想軸に対する攪拌機構の傾きを抑えている。この結果、昇降駆動機の駆動による攪拌機構の移動過程で摺接する部分の偏磨耗を抑えることができ、この攪拌装置のメンテナンス性を向上させることができる。
【0020】
ここで、攪拌装置において、前記懸架機は、前記第二部の相対移動方向で、前記昇降力としての復元弾性力を発生する弾性力発生器であってもよい。
【0021】
また、前記攪拌装置において、前記昇降駆動機は、固定部と、該固定部に対して相対移動する動作部とを有し、該固定部と該動作部とのうち、一方が前記攪拌槽に取り付けられ、他方が前記攪拌機構の前記ベースに取り付けられていてもよい。この場合、前記昇降駆動機は、前記懸架機を成し、該昇降駆動機の前記固定部が該懸架機の前記第一部を成し、該昇降駆動機の前記動作部が該懸架機の前記第二部を成してもよい。
【0022】
当該攪拌装置では、昇降駆動機が懸架機としても機能するため、別途、懸架機を設ける必要がなく、装置コストを抑えることができる。
【0023】
また、前記攪拌装置において、前記攪拌槽の蓋が前記槽本体の前記主開口を塞いでいる状態と、該槽本体から外されている状態との間で、該蓋を移動させる蓋開閉装置を備えてもよい。
【0024】
当該攪拌装置は、攪拌槽の蓋を蓋開閉装置で開けられるので、人手による蓋開閉の手間を省くことができる。このため、当該攪拌装置では、攪拌槽内の洗浄時の作業効率を高めることができる。
【0025】
また、前記攪拌装置において、前記攪拌翼としての第二攪拌翼よりも、前記第一仮想軸の前記一方側の前記槽本体内で回転する第一攪拌翼を有する第一攪拌機構を備え、前記第一攪拌機構は、一方側が前記攪拌槽の蓋を貫通し、他方側に前記第一攪拌翼が固定されている第一攪拌軸と、前記蓋に固定され、前記第一攪拌軸と共に前記第一攪拌翼を回転させる第一モータと、を有してもよい。
【0026】
当該攪拌装置では、槽本体内の主攪拌位置での第二攪拌翼、及び同じく槽本体内の第一攪拌翼を共に回転させることで、攪拌槽内の全体における混合率の均一化を図ることができる。
【0027】
また、前記攪拌装置において、前記支持脚は、前記第二仮想軸を通り、一方の端部に前記槽本体が取り付けられている揺動軸と、該揺動軸を該第二仮想軸回りに回転させる槽揺動機構と、を有してもよい。
【0028】
当該攪拌装置では、槽本体を槽揺動機構で揺動させることができるので、人手による槽本体の揺動の手間を省くことができる。このため、当該攪拌装置では、攪拌槽内の洗浄時の作業効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明では、攪拌装置のメンテナンス性を損なうことなく、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができると共に、攪拌槽内の効率よく洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る第一実施形態における攪拌装置(第二攪拌翼が退避位置の状態)の斜視図である。
【図2】本発明に係る第一実施形態における攪拌装置の要部切欠側面図である。
【図3】図2におけるIII‐III線断面図である。
【図4】本発明に係る第一実施形態における攪拌装置(第二攪拌翼が主攪拌位置の状態)の斜視図である。
【図5】本発明に係る第一実施形態における攪拌装置(蓋が開いている状態)の斜視図である。
【図6】本発明に係る第一実施形態における攪拌装置(蓋が開き、槽本体が傾いている状態)の斜視図である。
【図7】本発明に係る第二実施形態における攪拌装置の要部側面図である。
【図8】図7におけるVIII‐VIII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る攪拌装置の各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0032】
「第一実施形態」
まず、図1〜図6を用いて、本発明に係る第一実施形態としての攪拌装置について説明する。
【0033】
本実施形態の攪拌装置は、図1に示すように、攪拌材料が投入される攪拌槽50と、攪拌槽50内で回転する第一攪拌翼11を有する第一攪拌機構10と、攪拌槽50内で回転する第二攪拌翼21を有する第二攪拌機構20と、攪拌槽50を支持する支持脚60と、攪拌槽50内に攪拌材料を投入する材料投入機65と、第二攪拌翼21の回転中心となる軸に沿った方向に第二攪拌翼21を移動させる昇降機構70と、攪拌槽50の蓋54を開閉移動させる蓋開閉装置80と、を備えている。
【0034】
攪拌槽50は、第一仮想軸A1を基準にして円筒状を成し、第一仮想軸A1の両側で開口している槽本体51と、第一仮想軸A1の一方側の主開口52(図5)を塞ぐ蓋54と、第一仮想軸A1の他方側の副開口53(図2)と連通し、この副開口53から該他方側に延びている投入室形成筒55と、この投入室形成筒55の外周面に固定されているブラケット58と、を有している。副開口53の開口径は、主開口52の開口径よりも遥かに小さく、この副開口53に投入室形成筒55が嵌め込まれて、槽本体51に固定されている。なお、以下では、特に断りのない限り、第一仮想軸A1の一方側を上側とし、他方側を下側とする。
【0035】
第一攪拌機構10は、第一仮想軸A1回りに回転する前述の第一攪拌翼11と、一方側が攪拌槽50の蓋54を貫通し、他方側に第一攪拌翼11が固定されている第一攪拌軸12と、第一攪拌軸12と共に第一攪拌翼11を回転させる第一モータ13と、を有している。第一モータ13は、回転するモータ出力軸(不図示)と、このモータ出力軸を回転可能に支持するケーシング14とを有し、このモータ出力軸が第一攪拌軸12の一方側の端部と接続され、ケーシング14が攪拌槽50の蓋54に固定されている。
【0036】
支持脚60は、第一仮想軸A1に直交する第二仮想軸A2を通り、一方の端部に槽本体51が取り付けられている揺動軸61と、この揺動軸61を回転可能に支える脚本体62と、揺動軸61を第二仮想軸A2回りに回転させる槽揺動機構63と、を有している。
【0037】
蓋開閉装置80は、第一攪拌機構10の第一モータ13を覆い、攪拌槽50の蓋54に固定されている蓋支持体81と、この蓋支持体81を移動させることで、この蓋支持体81に固定されている蓋54、及び蓋54に取り付けられている第一攪拌機構10を一体的に移動させる蓋移動機構82と、を有している。
【0038】
第二攪拌機構20は、図2及び図3に示すように、前述の第二攪拌翼21と、第一仮想軸A1に沿った方向に延び、その上側端部が攪拌槽50内に入り込んで、上側端部に第二攪拌翼21が固定されている第二攪拌軸22と、第二攪拌軸22の外周を覆って第二攪拌軸22を回転可能に支持する軸筒26と、第二攪拌軸22に対して垂直な方向にこの第二攪拌軸22から離れて配置されている第二モータ23と、第二モータ23のモータ出力軸25の回転力を第二攪拌軸22に伝える伝達機構30と、第二攪拌軸22と軸筒26と第二モータ23と伝達機構30とが搭載されているベース35と、を有している。
【0039】
第二攪拌翼21の外径は、投入室形成筒55の内径よりも僅かに小さいものの、この投入室形成筒55の内径と実質的に同じ寸法である。
【0040】
第二モータ23は、前述のモータ出力軸25と、このモータ出力軸25を回転可能に支持するケーシング24とを有している。この第二モータ23のケーシング24は、第二攪拌軸22に対して垂直な方向に第二攪拌軸22から離れた位置で、モータ出力軸25がベース35側を向き且つ第二攪拌軸22と平行になるよう、ベース35に固定されている。伝達機構30は、モータ出力軸25に固定されているプーリ31と、第二攪拌軸22の下側端部に固定されているプーリ32と、両プーリ31,32に掛け渡されているベルト33とを有している。
【0041】
軸筒26は、その外径が投入室形成筒55の内径よりも僅かに小さく、この軸筒26の上側が投入室形成筒55内に入り込んでいる。投入室形成筒55の内周面であって、軸筒26の外周面と対向する部位には、第二攪拌軸22が延びている方向に軸筒26の相対移動を確保しつつ、この軸筒26の外周面との間での液漏れを防ぐ封止部材56が設けられている。
【0042】
軸筒26の上側であって、軸筒26の内周面と第二攪拌軸22の外周面との間には、この第二攪拌軸22の外周面との間で液漏れを防ぐ封止部材27が設けられている。さらに、軸筒26の内周面と第二攪拌軸22の外周面との間には、封止部材27よりも下側に、第二回転軸22を回転可能に支持する軸受け28が設けられている。
【0043】
材料投入機65は、攪拌槽50の投入室形成筒55に取り付けられている投入弁66と、攪拌材料の一つである粉体の貯留場所と投入弁66との間を繋ぐ材料ライン67と、この材料ライン67及び投入弁66を介して、紛体を貯留場所から投入室形成筒55内へ空気圧を利用して搬送する空気圧調整器(不図示)と、を有している。投入室形成筒55の外周上側には、第一仮想軸A1に対して垂直な方向に貫通した投入口55aが形成されている。投入弁66は、この投入口55aから投入室形成筒55内へ攪拌材料を入れられるよう、投入室形成筒55に取り付けられている。
【0044】
昇降機構70は、投入室形成筒55内であって、この投入室形成筒55の投入口55aよりも下側の退避位置P1と、槽本体51内であって、この槽本体51の下側の主攪拌位置P2との間で、第二攪拌翼21が往復移動できるよう、第二攪拌機構20を移動させる機構である。
【0045】
この昇降機構70は、第二攪拌機構20を持ち上げる昇降力を発生して、第二攪拌機構20を移動させる油圧アクチュエータ(昇降駆動機)71と、投入室形成筒55に対してベース35を第二攪拌軸22回りに相対回転不能に規制するベース動作規制機構77と、を有している。
【0046】
油圧アクチュエータ71は、動作ロッド(動作部)73と、内部にオイルが入っていると共に、この動作ロッド73を相対移動可能に支持するケーシング(固定部)72とを有している。ケーシング72は、第二攪拌軸22に対して垂直な面内での第二攪拌機構20の重心位置Gにおいて、動作ロッド73の相対移動方向が第二攪拌軸22と平行な方向を向くよう、攪拌槽50のブラケット58によりピン支持されている。また、動作ロッド73の端部は、第二攪拌軸22に対して垂直な面内での第二攪拌機構20の重心位置Gで、第二攪拌機構20のベース35に固定されている。
【0047】
ベース動作規制機構77は、第二攪拌軸22と平行に、下側端部が第二攪拌機構20のベース35に固定されている円柱状のガイドロッド78と、ガイドロッド78が摺動可能に挿通される挿通孔が形成され、投入室形成筒55の外周面に固定されているロッド受け79と、を有している。
【0048】
次に、攪拌材料である液状体及び紛体を攪拌混合する手順と共に、この攪拌装置の動作について説明する。なお、液状体には、液体の他、液体中に紛体が混ざっているスラリー等も含んでいる。
【0049】
まず、攪拌装置を初期状態にする。この初期状態において、攪拌槽50は、図1に示すように、槽本体51の第一仮想軸A1が鉛直方向を向き、槽本体51に対して蓋54が閉じられた状態になっている。このため、第一攪拌翼11は槽本体51内に位置しており、第一攪拌軸12は槽本体51の第一仮想軸A1上に位置している。また、第二攪拌翼21は、図2に示すように、退避位置P1に位置している。
【0050】
次に、第二攪拌機構20の第二モータ23を駆動して、退避位置P1の第二攪拌翼21を回転させてから、材料投入機65の空気圧調整器(不図示)を駆動すると共に、投入弁66を開状態にして、貯留場所から、材料ライン67及び投入弁66を介して、攪拌材料である粉体を投入室59内に投入する。なお、投入室59とは、投入室形成筒55の内周面と軸筒26の上側端面とで囲まれた室のことである。
【0051】
粉体が投入された投入室59内では、退避位置P1で第二攪拌翼21が回転している。退避位置P1の第二攪拌翼21は、投入室形成筒55の投入口55aよりも下側であり、この第二攪拌翼21の外径が投入室形成筒55の内径と実質的に同じであり、しかも、紛体が投入される投入室59が槽本体51内の空間よりも遥かに小さい限られた空間であるため、投入室59に投入された粉体は、ほとんど、回転中の第二攪拌翼21に接触する。
【0052】
このため、仮に、紛体の貯留場所でダマになっていた粉体や、この貯留場所からの供給過程でダマになった粉体が投入室59内に入ってきても、第二攪拌翼21により、分断、粉砕され、粉体を構成する個々の粒子が、投入室59内において分散することになる。
【0053】
次に、第二攪拌翼21が退避位置P1で回転している状態を維持したまま、攪拌槽50内に液状体を供給する。液状体の供給方法としては、例えば、槽本体51に液状体の投入口を形成して、ここから液状体を攪拌槽50内に供給してもよい。また、投入弁66に接続されている材料ライン67中に、三方弁を設け、この三方弁の第一口を紛体の貯留場所側のラインに接続し、第二口を液状体の貯留場所側のラインに接続し、第三口を投入弁66側のラインに接続して、液状体の貯留場所から、三方弁及び投入弁66を介して、攪拌槽50の投入室59内に液状体を供給してもよい。
【0054】
液状体が投入室59内に入ると、この液状体は、この投入室59内で分散し、且つ投入室59内で旋回している紛体に接触する。このため、紛体は、液状体との接触時においてもダマにならず、液状体内で、粉体の各粒子が拡散した状態で、液状体と粉体との攪拌混合が開始される。
【0055】
攪拌槽50内の混合物(この場合、紛体と液状体とを合わせたもの)の容積が増加し、攪拌槽50内の混合物レベルが第一攪拌翼11よりも高いレベルになると、又は第一攪拌翼11のレベルになると、第一攪拌機構10の第一モータ13を駆動させ、第一攪拌翼11を回転させる。続いて、昇降機構70の油圧アクチュエータ71を駆動させ、図2中の想像線や図4に示すように、第二攪拌機構20を持ち上げ、退避位置P1の第二攪拌翼21を槽本体51内下側の主攪拌位置P2へ回転している状態のまま移動させる。なお、ここでは、第一攪拌翼11を回転させてから、退避位置P1の第二攪拌翼21を主攪拌位置P2へ移動させているが、退避位置P1の第二攪拌翼21を主攪拌位置P2へ移動させてから、第一攪拌翼11を回転させてもよい。
【0056】
この移動では、第二攪拌機構20の重心位置Gに配置されている油圧アクチュエータ71を駆動し、第二攪拌翼21が退避位置P1から主攪拌位置P2へ向かう方向に、第二攪拌機構20を持ち上げる昇降力を発生させている。このため、油圧アクチュエータ71の位置で、第二攪拌軸22から第二モータ23に向かう方向、及び第二攪拌軸22が延びている方向に対して、垂直な軸回りでのモーメントM(図2)は非常に小さくなり、この軸回りに第二攪拌機構20はほとんど傾かない。
【0057】
よって、この移動過程で摺接する部分、具体的には、投入室形成筒55の内周面に設けられている封止部材56と軸筒26の外周面との接触部分、ガイドロッド78の外周面とロッド受け79の内周面との接触部分に、偏荷重がほとんどかからず、第二攪拌機構20を攪拌槽50に対して極めてスムーズに相対移動させることができる。このように、本実施形態では、第二攪拌機構20を攪拌槽50に対して極めてスムーズに相対移動させることができるため、この移動過程で摺接する前述の部分に偏磨耗が発生せず、この攪拌装置のメンテナンス性を向上させることができる。
【0058】
液状体は、第二攪拌翼21が主攪拌位置P2に移動した後も、場合によっては、攪拌槽50内に所定量供給される。この攪拌槽50内では、第二攪拌翼21及び第一攪拌翼11が回転している。主攪拌位置P2での第二攪拌翼21及び第一攪拌翼11は、主として、攪拌槽50内の全体における、紛体と液状体との混合率の均一化の役目を担っている。なお、第一攪拌翼11の回転方向と第二攪拌翼21の回転方向とは、同じでもよいが、逆向きであってもよい。仮に、第一攪拌翼11の回転方向と第二攪拌翼21の回転方向とが逆向きである場合には、第一攪拌翼11と第二攪拌翼21との間に存在する混合物にせん断力が作用するため、混合物を成す紛体と液状体とをより均一に混合することができる。
【0059】
第一攪拌翼11を回転させてから所定時間が経過し、紛体と液状体とが均一に混ざり合ったと想定される状態になると、第一攪拌翼11及び第二攪拌翼21を停止させる。次に、蓋開閉装置80を駆動し、この蓋開閉装置80により、蓋54及び第一攪拌機構10を移動させる。この際、図5に示すように、第一仮想軸A1の上側に向かって、第一攪拌翼11が槽本体51よりも上側に位置に至るまで、蓋54及び第一攪拌機構10を移動させる。続いて、図6に示すように、この蓋54及び第一攪拌機構10を水平移動させ、水平位置において、蓋54及び第一攪拌機構10を槽本体51の位置からズラす。
【0060】
次に、支持脚60の槽揺動機構63を駆動し、この槽揺動機構63により、槽本体51の第一仮想軸A1が水平方向を向くよう、槽本体51及び第二攪拌機構20等を一体的に揺動させる。
【0061】
この結果、槽本体51内の混合物は、槽本体51の主開口52から排出される。なお、ここでは、槽本体51を傾けて、槽本体51内の混合物を排出しているが、槽本体51に混合物を排出できる排出口が形成されている場合には、攪拌槽50の蓋54を開ける前に、この排出口から混合物を排出してもよい。
【0062】
次に、上記状態のままで、槽本体51内、蓋54の内面、各攪拌翼11,21、各攪拌軸12,22等を水等で洗浄する。この際、攪拌槽50は、蓋54が槽本体51から完全に離れた場所に位置し、槽本体51は、攪拌装置の設置面からあまり高くない位置で、その第一仮想軸A1が水平方向を向いているので、人手により、極めて水洗浄し易く、洗浄に用いた水も極めて容易に槽本体51から排出することができる。
【0063】
ここで、本実施形態では、攪拌槽50内等の洗浄容易性を高めるために、以下の構成を採用している。
【0064】
(1)槽本体51から蓋54が完全に離れた位置まで、この蓋54を移動させる蓋開閉装置80を設ける。
(2)槽本体51の第一仮想軸A1が水平方向を向くよう、槽本体51及びこの槽本体51に接続されている第二攪拌機構20等を一体的に揺動する支持脚60を設ける。
(3)槽本体51及びこの槽本体51に接続されている第二攪拌機構20等を一体的に揺動可能にするために、第二攪拌機構20のベース35を攪拌装置の設置面から離す昇降機構70を設ける。
(4)槽本体51の第一仮想軸A1が水平方向を向いた際、攪拌装置の設置面から槽本体51の第一仮想軸A1の高さを抑えるために、第二モータ23を、第二攪拌軸22に対して垂直な方向に第二攪拌軸22から離れた位置に配置する。
【0065】
特に、(4)の構成を採用することで、図2に示すように、第二攪拌軸22に対して垂直な面内において、第二攪拌機構20の重心位置Gが第二攪拌軸22から比較的大きく離れてしまう。このため、仮に、第二攪拌軸22に対して垂直な面内において、第二攪拌軸22の傍に昇降機構70の油圧アクチュエータ71を設けると、油圧アクチュエータ71の位置で、第二攪拌軸22に垂直な軸回りでのモーメントMが非常に大きくなる。この非常に大きなモーメントMが発生すると、この油圧アクチュエータ71にかかる負荷が大きくなるばかりか、油圧アクチュエータ71の駆動による移動過程で摺接する部分、具体的には、投入室形成筒55の内周面に設けられている封止部材56と軸筒26の外周面との接触部分、ガイドロッド78の外周面とロッド受け79の内周面との接触部分に、大きな偏荷重がかかる。このため、第二攪拌機構20を攪拌槽50に対してスムーズに相対移動させることができず、さらに、この移動過程で摺接する前述部分に偏磨耗が発生し易く、メンテナンス性が損なわれる。
【0066】
そこで、本実施形態では、前述したように、第二攪拌軸22に対して垂直な面内での第二攪拌機構20の重心位置Gに、油圧アクチュエータ71を配置して、第二攪拌機構20の移動過程で摺接する前述部分に偏磨耗が抑え、メンテナンス性の向上を図っている。
【0067】
なお、昇降機構70は、以上のように、攪拌槽50内の洗浄容易性を上げるための構成であるが、紛体のダマ発生を抑える退避位置P1と、混合物の攪拌槽50内全体での混合率の均一化を図る主攪拌位置P2とに、第二攪拌翼21を移動させるための構成でもある。
【0068】
以上、本実施形態では、攪拌装置のメンテナンス性を損なうことなく、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができると共に、攪拌槽50内の効率よく洗浄することができる。
【0069】
「第二実施形態」
次に、図7及び図8を用いて、本発明に係る第二実施形態としての攪拌装置について説明する。なお、本実施形態の攪拌装置は、第一実施形態の攪拌装置と基本的に同一で、昇降機構のみが異なっている。そこで、以下では、本実施形態の昇降機構70aを主として説明する。
【0070】
本実施形態の昇降機構70aは、第二攪拌翼21が退避位置P1と主攪拌位置P2との間で往復移動するよう、第二攪拌機構20を移動させる油圧アクチュエータ71aと、第一実施形態におけるベース動作規制機構77と、第二攪拌機構20を懸架すると共に、退避位置P1から主攪拌位置P2側へ昇降力を発する空気圧ダンパ(懸架機、弾性力発生器)74と、を有している。
【0071】
油圧アクチュエータ71aは、図8に示すように、第二攪拌軸22に対して垂直な面内において、第二攪拌軸22を中心として、第二攪拌軸22から第二攪拌機構20の重心位置Gに向かう方向に対して垂直な方向に、2個設けられている。これら油圧アクチュエータ71aは、図7に示すように、第一実施形態と同様、動作ロッド(動作部)73と、内部にオイルが入っていると共に、この動作ロッド73を相対移動可能に支持するケーシング(固定部)72とを有している。各油圧アクチュエータ71aは、動作ロッド73の相対移動方向が第二攪拌軸22と平行な方向を向くよう、そのケーシング72が攪拌槽50のブラケット58aよりピン支持され、動作ロッド73の端部が第二攪拌機構20のベース35に固定されている。なお、このブラケット58aは、投入室形成筒55の外周面に固定され、第二攪拌軸22に対して垂直な面内において、第二攪拌軸22から第二攪拌機構20の重心位置Gに向かう方向に対して垂直な方向に延びている。
【0072】
空気圧ダンパ74は、動作ロッド(第二部)76と、内部に空気が入っていると共に、この動作ロッド76を相対移動可能に支持するケーシング(第一部)75と、を有している。この空気圧ダンパ74は、外部に対して、動作ロッド76がケーシング75内に入り込む向きに弾性復元力を発生し得る状態で、動作ロッド76の相対移動方向が第二攪拌軸22と平行な方向を向くよう、攪拌槽50のプラケット58bと第二攪拌機構20のベース35との間に設けられている。具体的に、第二攪拌軸22に対して垂直な面内での第二攪拌機構20の重心位置Gにおいて、空気圧ダンパ74のケーシング75が攪拌槽50のブラケット58bによりピン支持され、動作ロッド76の端部が第二攪拌機構20のベース35に固定されている。
【0073】
このため、空気圧ダンパ74が発生する弾性復元力は、第二攪拌翼21が退避位置P1から主攪拌位置P2へ向かう方向へ、第二攪拌機構20を移動させる昇降力として作用する。
【0074】
以上、本実施形態は、第一実施形態と基本構成を同じくしているため、第一実施形態と同様、均等且つ効率的に粉体を液状体に攪拌混合することができると共に、攪拌槽50内の効率よく洗浄することができる。
【0075】
また、本実施形態では、第一実施形態と異なり、第二攪拌軸22に対して垂直な面内において、第二攪拌機構20の重心位置Gに、油圧アクチュエータ71を設けていないものの、代わりに、この重心位置Gに、第二攪拌機構20に対して昇降力を加える空気圧ダンパ74を設けて、第一実施形態と同様、第二攪拌機構20の移動過程で摺接する前述部分の偏磨耗を抑え、メンテナンス性の向上を図っている。なお、第一実施形態の油圧アクチュエータ71は、本実施形態の油圧アクチュエータ71aと空気圧ダンパ74との機能を兼ねたものと言える。
【0076】
ここで、本実施形態では、懸架機として、空気圧ダンパ74を用いているが、この代わりに、昇降力を発生するものであれば、如何なるものを用いてもよく、例えば、バネ、空気室を有して弾性復元力を発生することができる油圧ダンパ等を用いてもよい。
【0077】
また、第一実施形態及び本実施形態の油圧アクチュエータ71,71a、及び本実施形態の空気圧ダンパ74は、いずれも、ケーシングを攪拌槽50のブラケット58に接続し、動作ロッドを第二攪拌機構20のベース35に接続しているが、逆に、動作ロッドを攪拌槽50のブラケットに接続し、ケーシングをベース35に接続してもよい。
【0078】
また、以上の実施形態では、いずれも、昇降駆動機として、油圧アクチュエータ71,71aを用いているが、この代わりに、第二攪拌機構20を移動させることができるアクチュエータであれば、如何なるものでもよく、例えば、電磁アクチュエータ等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10:第一攪拌機構、11:第一攪拌翼、12:第一攪拌軸、13:第一モータ、20:第二攪拌機構、22:第二攪拌軸、23:第二モータ、26:軸筒、30:伝達機構、35:ベース、50:攪拌槽、51:槽本体、52:主開口、53:副開口、55:投入室形成筒、60:支持脚、63:槽揺動機構、65:材料投入機、70,70a:昇降機構、71,71a:油圧アクチュエータ、74:空気圧ダンパ、77:ベース動作規制機構、80:蓋開閉装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一仮想軸の両側で開口している槽本体と、該第一仮想軸の一方側の主開口を塞ぐ取り外し可能な蓋と、該第一仮想軸の他方側の副開口と連通し、該副開口から該他方側に延びている投入室形成筒と、を有する攪拌槽と、
前記第一仮想軸に直交する第二仮想軸回りに揺動可能に前記攪拌槽を支持する支持脚と、
前記攪拌槽の前記投入室形成筒内に、攪拌材料を投入する材料投入機と、
前記第一仮想軸回りに回転する攪拌翼を有する攪拌機構と、
前記攪拌槽における、前記材料投入機の前記攪拌材料の投入位置に対して、前記第一仮想軸の前記一方側の退避位置と、前記槽本体内の主攪拌位置との間で、前記攪拌翼を往復移動可能に前記攪拌機構を移動させる昇降機構と、
を備え、
前記攪拌機構は、前記第一仮想軸に沿った方向に延び、該第一仮想軸の前記一方側の端部が前記攪拌槽内に入り込んで、該一方側の端部に前記攪拌翼が固定されている攪拌軸と、該攪拌軸に対して垂直な方向に該攪拌軸から離れて配置されているモータと、該モータの出力軸の回転力を該攪拌軸に伝える伝達機構と、該攪拌軸と該モータと該伝達機構とが搭載されているベースと、を備え、
前記昇降機構は、前記攪拌翼が前記退避位置と前記主攪拌位置との間で往復移動可能に前記攪拌機構を移動させる昇降駆動機と、第一部及び該第一部に対して相対移動可能な第二部を有し、前記攪拌機構を懸架する懸架機と、を備え、
前記懸架機は、前記攪拌軸に対して垂直な面内での前記攪拌機構の重心位置で、前記第二部の相対移動方向が前記攪拌軸と平行な方向を向き、且つ、該方向で、前記退避位置から前記主攪拌位置側向きの昇降力を発生するよう、該第一部と該第二部とのうち、一方が前記攪拌槽に取り付けられ、他方が前記攪拌機構の前記ベースに取り付けられている、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の攪拌装置において、
前記懸架機は、前記第二部の相対移動方向で、前記昇降力としての復元弾性力を発生する弾性力発生器である、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の攪拌装置において、
前記昇降駆動機は、固定部と、該固定部に対して相対移動する動作部とを有し、該固定部と該動作部とのうち、一方が前記攪拌槽に取り付けられ、他方が前記攪拌機構の前記ベースに取り付けられている、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項4】
請求項3に記載の攪拌装置において、
前記昇降駆動機は、前記懸架機を成し、該昇降駆動機の前記固定部が該懸架機の前記第一部を成し、該昇降駆動機の前記動作部が該懸架機の前記第二部を成す、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の攪拌装置において、
前記攪拌槽の蓋が前記槽本体の前記主開口を塞いでいる状態と、該槽本体から外されている状態との間で、該蓋を移動させる蓋開閉装置を備えている、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の攪拌装置において、
前記攪拌翼としての第二攪拌翼よりも、前記第一仮想軸の前記一方側の前記槽本体内で回転する第一攪拌翼を有する第一攪拌機構を備え、
前記第一攪拌機構は、一方側が前記攪拌槽の蓋を貫通し、他方側に前記第一攪拌翼が固定されている第一攪拌軸と、前記蓋に固定され、前記第一攪拌軸と共に前記第一攪拌翼を回転させる第一モータと、を有している、
ことを特徴とする攪拌装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の攪拌装置において、
前記支持脚は、前記第二仮想軸を通り、一方の端部に前記槽本体が取り付けられている揺動軸と、該揺動軸を該第二仮想軸回りに回転させる槽揺動機構と、を有している、
ことを特徴とする攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−170923(P2012−170923A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37241(P2011−37241)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】