支保用構造部材の定着方法及び定着構造
【課題】開削予定部位を支保可能で、かつ、定着部位がコンパクトで容易に施工可能な支保用構造部材の定着方法及び定着構造を提供する。
【解決手段】並設されたシールドトンネル2、4内のセグメント12に鞘鋼管10を取り付け、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2へ架設用鋼管6が鞘鋼管10内を挿通するように掛け渡し、支保用構造部材18を架設用鋼管6内に挿通して、この支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から突出させ、この先端に蓋プレート22を接続し、この蓋プレート22を鞘鋼管10内の所定の位置に固定し、鞘鋼管10と支保用構造部材18との間に固化剤26を充填する。
【解決手段】並設されたシールドトンネル2、4内のセグメント12に鞘鋼管10を取り付け、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2へ架設用鋼管6が鞘鋼管10内を挿通するように掛け渡し、支保用構造部材18を架設用鋼管6内に挿通して、この支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から突出させ、この先端に蓋プレート22を接続し、この蓋プレート22を鞘鋼管10内の所定の位置に固定し、鞘鋼管10と支保用構造部材18との間に固化剤26を充填する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設された2つのシールドトンネル同士を連通するために、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置される支保用構造部材の定着方法及び定着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄の駅構内や地下道の分岐・合流部の構築等に際して、シールドトンネルを並設し、それらシールドトンネル間の地山を開削して連通させ、その断面をメガネ状等の複合形態のシールドトンネルに一体化させて形成する工法が用いられる。ここで、シールドトンネル間の地山を開削する際にシールドトンネル間に設置する連結材の定着方法として、連結材を一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルへ掛け渡し、この端部をセグメントに定着する方法が用いられる。
【0003】
例えば、図11に示すように、内周面にジベル101aを有する鞘鋼管102をセグメント103に取り付け、外周面にジベル101bを有するとともに、端部に抜け止め防止用のリブ105が取り付けられた連結材104を一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルへ推進装置等を用いて鞘鋼管102内を挿通するように掛け渡し、鞘鋼管102内にモルタル又はコンクリート等の固化剤106を充填して連結材105とセグメント103とを定着する方法が用いられている。
【0004】
また、特許文献1には、図12に示すように、外周面にジベル101cを有する内挿管110をセグメント103端部に取り付け、両シールドトンネル間の連通部の上部に配置される連結材107の端部には、内周面にジベル101dを有し、かつ内挿管110を遊挿可能な鞘管108を設け、内挿管110を鞘管108内に挿入して内挿管110と鞘管108との間にグラウト材109を充填して定着する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−169474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、鞘鋼管102内に固化剤106を充填して連結材104とセグメント103とを定着する方法では、連結材104に大きな軸力が作用した場合に固化剤106が破損してしまう可能性がある。そこで、固化剤106の破損を防止するために、図13に示すように、固化剤106に接する連結材105の端面109の面積を大きくする方法も用いられているが、この方法では鞘鋼管102の径が大きくなり、定着部の機構が大型化してしまうという問題点があった。
【0006】
また、一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルに連結材104を掛け渡す際に施工上の誤差が生じるため、連結材104を鞘鋼管102内に挿通させることは非常に困難で手間及び時間がかかるという問題点があった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の方法は、シールドトンネル間を開削して連通部を構築し、この連通部の空間を利用して連結材107をシールドトンネル間に掛け渡して連結材107とセグメント103とを接続するものであって、シールドトンネル間の地山を開削する前の開削予定部位を支保する場合には適用できないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、開削予定部位を支保可能で、かつ、定着部位がコンパクトで容易に施工可能な支保用構造部材の定着方法及び定着構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の支保用構造部材の定着方法は、並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着方法において、一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする(第1の発明)。
【0010】
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、他方のシールドトンネルから一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を掛け渡し、この架設用鋼管内に支保用構造部材を挿通させて、それらシールドトンネル間に掛け渡すために、支保用構造部材を確実に鞘鋼管内に導くことができる。したがって、支保用構造部材を短時間で容易に挿通させることが可能となる。
【0011】
また、支保用構造部材の先端を鞘鋼管からシールドトンネル内に突出させ、この先端にプレートを取り付け、このプレートが鞘鋼管内の所定の位置に達するまで支保用構造部材を他方のシールドトンネル側へ後退させてプレートを鞘鋼管に固定するために、支保用構造部材を鞘鋼管内の所定の位置に正確に設置することができるとともに、支保用構造部材に作用する軸力に抵抗することができる。さらに、プレートを鞘鋼管に固定した定着部位は主に軸力に抵抗すればよいので、この定着部位を小さくすることが可能となる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填することにより前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする。
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、鞘鋼管と支保用構造部材との間に固化剤を充填して固化させ、支保用構造部材とセグメントとを強固に定着するために、支保用構造部材に作用する曲げモーメントに抵抗することが可能となる。さらに、固化剤を充填した定着部位は主に曲げモーメントに抵抗すればよいので、この定着部位を小さくすることが可能となる。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記支保用構造部材は、H型、I型等の型鋼であることを特徴とする。
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、支保用構造部材は、一般的なH型鋼、I型鋼等の型鋼であり、入手が容易である。
【0014】
第4の発明の支保用構造部材の定着構造は、並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着構造であって、一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填する方法にて、前記支保用構造部材が前記セグメントに定着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の支保用構造部材の定着方法及び定着構造を用いることにより、支保用構造部材をセグメントに短時間で強固に定着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される並設されたシールドトンネルを示す図である。図1に示すように、大きい円形断面の第1シールドトンネル2と、この第1シールドトンネル2の側方に近接する小さい円形断面の第2シールドトンネル4とが隣接して並設されている。このように隣接して並設された2つの円形断面のシールドトンネル2、4間の地山を開削して連通させることで断面がメガネ状のトンネルを形成する。なお、シールドトンネル2、4の断面形状は図示する真円状のものに限定されるものではなく、楕円状のものであってもよい。
【0017】
以下に、本発明に係る支保用構造部材の定着方法について、施工手順に従い説明する。本実施形態では、支保用構造部材を、第2シールドトンネル4側から第1シールドトンネル2側へ掛け渡す場合について説明する。
【0018】
まず、支保用構造部材の到達側である第1シールドトンネル2の覆工体を形成するセグメント12に鞘鋼管10を取り付ける。
図2及び図3は、第1シールドトンネル2のセグメント12に鞘鋼管10を取り付けた状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
図2及び図3に示すように、セグメント12の所定の位置に鞘鋼管10を取り付ける。本実施形態では、セグメント12として、幅方向中央部に円周方向に延びる補強リブ14が立設された、例えば、幅1.2mの鋼製のセグメントを用いた。この補強リブ14の両側に鞘鋼管10が取り付けられ、鞘鋼管10の内径は、例えば、縦740mm、横455mmである。
【0019】
次に、シールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に架設用鋼管6を挿入する。
図4は、地山8の開削予定部位の上方及び下方に架設用鋼管6を設置した状態を示す図である。また、図5及び図6は、図4の架設用鋼管6が鞘鋼管10に到達した部分を拡大した状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
図4〜図6に示すように、架設用鋼管6をシールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2に向けて、曲線ボーリング装置を用い、架設用鋼管6である円弧状の鋼製曲管の先端が鞘鋼管10内に到達するように掛け渡す。ここでは、架設用鋼管6を推進工法により順次地山8中に押し込んで掛け渡す。本実施形態では、架設用鋼管6として、例えば、縦606mm、横306mm、厚さ15mmの矩形鋼管を用いた。架設用鋼管6を掛け渡す際に、施工上の誤差が多少生じても、鞘鋼管10の内径に対して架設用鋼管6の外径が十分に小さいために、架設用鋼管6は容易に鞘鋼管10内に到達する。なお、架設用鋼管6として矩形鋼管を用いる場合について説明したが、この形状に限定されるものではなく、丸形等の円管を用いてもよい。
【0020】
次に、各架設用鋼管6の周囲の地盤を改良する。
図7は、開削予定部位の上方及び下方の地山8を地盤改良した状態を示す図である。図7に示すように、各架設用鋼管6の周囲に薬液16を注入して地盤を改良する。
次に、シールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に支保用構造部材18を挿入する。
【0021】
図8及び図9は、地山8の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材18を設置した状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
まず、架設用鋼管6と同一の曲率半径を有する円弧状の支保用構造部材18を推進装置にて第2シールドトンネル4側より第1シールドトンネル2側へ架設用鋼管6内を挿通させて、支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から突出させる。本実施形態では、支保用構造部材18として、例えば、高さ400mm、幅200mm、板厚40mmのH型鋼を用いた。このH型鋼の端部には蓋プレート22を取り付けるためのリブ20が溶接にて固着されている。なお、架設用鋼管6内に支保用構造部材18を挿通させることにより、支保用構造部材18は確実に鞘鋼管10内に到達する。
【0022】
次に、鞘鋼管10から突出した支保用構造部材18の先端のリブ20に蓋プレート22をボルト24で接続する。ここで、蓋プレート22のほぼ中央にリブ20が位置するように接続する。本実施形態では、蓋プレート22として、鞘鋼管10内に挿通でき、かつ、鞘鋼管10の内周面に溶接にて取り付けができるように鞘鋼管10の横断面と略同一形状で、鞘鋼管10の内径よりもやや小さい、例えば、縦735mm、横450mm、板厚40mmの板状プレートを用いた。なお、蓋プレート22をリブ20に接続する方法はボルト24に限定されるものではなく、溶接等で接続してもよい。
【0023】
そして、蓋プレート22が接続された支保用構造部材18を第2シールドトンネル4側に後退させることにより、図8及び図9に示すように、蓋プレート22を鞘鋼管10の端面10aから所定の長さだけ中に入った所定の位置に収容して、この位置で蓋プレート22を鞘鋼管10に溶接で固定する。なお、蓋プレート22を鞘鋼管10に固定する方法は溶接に限定されるものではなく、ボルト等で固定してもよい。これにより、支保用構造部材18が鞘鋼管10に対して固定され、軸方向への移動が阻止されることになる。また、鞘鋼管10と略同一形状で、鞘鋼管10内径よりもやや小さい蓋プレート22を鞘鋼管10内に挿入することにより、支保用構造部材18は鞘鋼管10の中央に配置されることになる。なお、蓋プレート22を鞘鋼管10内に位置決めする方法として、例えば、鞘鋼管10内の所定の位置に予めストッパー(突起等)を設けておき、蓋プレート22がこのストッパーに当接するまで移動させることとしてもよい。
【0024】
次に、鞘鋼管10内にモルタルやコンクリート等の固化剤26を充填して、支保用構造部材18をセグメント12に定着する。
図10は、支保用構造部材18をセグメント12に定着した状態を示す図である。図10に示すように、支保用構造部材18と鞘鋼管10との間に固化剤26を鞘鋼管10に設けられた充填用穴28から充填して固化させ、支保用構造部材18をセグメント12に定着させる。支保用構造部材18と鞘鋼管10との間を固化剤26で固化することにより、支保用構造部材18が強固にセグメント12に定着されるとともに、支保用構造部材18のねじれや曲げが阻止されることになる。
そして、固化剤26が固化すると、開削予定部位を開削したときにシールドトンネル2、4に変形が生じることを防止するための内部支保工等を両シールドトンネル2、4内に設置し、開削予定部位を開削して、シールドトンネル2、4間を連結する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の支保用構造部材18の定着方法によれば、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2へ架設用鋼管6を掛け渡し、この架設用鋼管6内に支保用構造部材18を挿通させてシールドトンネル2、4間に掛け渡すために、支保用構造部材18を確実に所定の鞘鋼管10内に導くことができる。したがって、支保用構造部材18を短時間で容易に挿通させることが可能となる。
【0026】
また、支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から第1シールドトンネル2内に突出させ、この先端に蓋プレート22を取り付け、この蓋プレート22が鞘鋼管10内の所定の位置に達するまで支保用構造部材18を第2シールドトンネル4側へ後退させて蓋プレート22を鞘鋼管10に固定するために、支保用構造部材18を鞘鋼管10内の所定の位置に正確に設置することが可能となるとともに、支保用構造部材18に作用する軸力に抵抗することが可能となる。
【0027】
また、鞘鋼管10と支保用構造部材18との間に固化剤26を充填して固化させ、支保用構造部材18とセグメント12とを強固に定着するために、支保用構造部材18に作用する曲げモーメントに抵抗することが可能となる。
【0028】
そして、このように軸力、曲げモーメントに対する抵抗を異なる部位に受け持たせるために、それぞれに必要な大きさは小さくてすみ、定着部位を小さくすることが可能となる。
【0029】
また、支保用構造部材18は、一般的なH型鋼、I型鋼等の型鋼であり、入手が容易である。
【0030】
なお、本実施形態においては、第2シールドトンネル4側から第1シールドトンネル2側へ架設用鋼管6及び支保用構造部材18を掛け渡す方法について説明したが、これに限定されるものではなく、第1シールドトンネル2側から第2シールドトンネル4側へ掛け渡してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明が適用される並設されたシールドトンネルを示す図である。
【図2】第1シールドトンネルのセグメントに鞘鋼管を取り付けた状態を示す側断面図である。
【図3】第1シールドトンネルのセグメントに鞘鋼管を取り付けた状態を示す平面図である。
【図4】地山の開削予定部位の上方及び下方に架設用鋼管を設置した状態を示す図である。
【図5】図4の架設用鋼管が鞘鋼管に到達した部分を拡大した状態を示す側断面図である。
【図6】図4の架設用鋼管が鞘鋼管に到達した部分を拡大した状態を示す平面図である。
【図7】開削予定部位の上方及び下方の地山を地盤改良した状態を示す図である。
【図8】地山の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材を設置した状態を示す側断面図である。
【図9】地山の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材を設置した状態を示す平面図である。
【図10】支保用構造部材をセグメントに定着した状態を示す図である。
【図11】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【図12】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【図13】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
2 第1シールドトンネル
4 第2シールドトンネル
6 架設用鋼管
8 地山
10 鞘鋼管
10a 鞘鋼管の端面
12 セグメント
14 補強リブ
16 薬液
18 支保用構造部材
20 リブ
22 蓋プレート
24 ボルト
26 固化剤
28 充填用穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、並設された2つのシールドトンネル同士を連通するために、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置される支保用構造部材の定着方法及び定着構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄の駅構内や地下道の分岐・合流部の構築等に際して、シールドトンネルを並設し、それらシールドトンネル間の地山を開削して連通させ、その断面をメガネ状等の複合形態のシールドトンネルに一体化させて形成する工法が用いられる。ここで、シールドトンネル間の地山を開削する際にシールドトンネル間に設置する連結材の定着方法として、連結材を一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルへ掛け渡し、この端部をセグメントに定着する方法が用いられる。
【0003】
例えば、図11に示すように、内周面にジベル101aを有する鞘鋼管102をセグメント103に取り付け、外周面にジベル101bを有するとともに、端部に抜け止め防止用のリブ105が取り付けられた連結材104を一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルへ推進装置等を用いて鞘鋼管102内を挿通するように掛け渡し、鞘鋼管102内にモルタル又はコンクリート等の固化剤106を充填して連結材105とセグメント103とを定着する方法が用いられている。
【0004】
また、特許文献1には、図12に示すように、外周面にジベル101cを有する内挿管110をセグメント103端部に取り付け、両シールドトンネル間の連通部の上部に配置される連結材107の端部には、内周面にジベル101dを有し、かつ内挿管110を遊挿可能な鞘管108を設け、内挿管110を鞘管108内に挿入して内挿管110と鞘管108との間にグラウト材109を充填して定着する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−169474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、鞘鋼管102内に固化剤106を充填して連結材104とセグメント103とを定着する方法では、連結材104に大きな軸力が作用した場合に固化剤106が破損してしまう可能性がある。そこで、固化剤106の破損を防止するために、図13に示すように、固化剤106に接する連結材105の端面109の面積を大きくする方法も用いられているが、この方法では鞘鋼管102の径が大きくなり、定着部の機構が大型化してしまうという問題点があった。
【0006】
また、一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルに連結材104を掛け渡す際に施工上の誤差が生じるため、連結材104を鞘鋼管102内に挿通させることは非常に困難で手間及び時間がかかるという問題点があった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の方法は、シールドトンネル間を開削して連通部を構築し、この連通部の空間を利用して連結材107をシールドトンネル間に掛け渡して連結材107とセグメント103とを接続するものであって、シールドトンネル間の地山を開削する前の開削予定部位を支保する場合には適用できないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、開削予定部位を支保可能で、かつ、定着部位がコンパクトで容易に施工可能な支保用構造部材の定着方法及び定着構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の支保用構造部材の定着方法は、並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着方法において、一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする(第1の発明)。
【0010】
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、他方のシールドトンネルから一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を掛け渡し、この架設用鋼管内に支保用構造部材を挿通させて、それらシールドトンネル間に掛け渡すために、支保用構造部材を確実に鞘鋼管内に導くことができる。したがって、支保用構造部材を短時間で容易に挿通させることが可能となる。
【0011】
また、支保用構造部材の先端を鞘鋼管からシールドトンネル内に突出させ、この先端にプレートを取り付け、このプレートが鞘鋼管内の所定の位置に達するまで支保用構造部材を他方のシールドトンネル側へ後退させてプレートを鞘鋼管に固定するために、支保用構造部材を鞘鋼管内の所定の位置に正確に設置することができるとともに、支保用構造部材に作用する軸力に抵抗することができる。さらに、プレートを鞘鋼管に固定した定着部位は主に軸力に抵抗すればよいので、この定着部位を小さくすることが可能となる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填することにより前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする。
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、鞘鋼管と支保用構造部材との間に固化剤を充填して固化させ、支保用構造部材とセグメントとを強固に定着するために、支保用構造部材に作用する曲げモーメントに抵抗することが可能となる。さらに、固化剤を充填した定着部位は主に曲げモーメントに抵抗すればよいので、この定着部位を小さくすることが可能となる。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記支保用構造部材は、H型、I型等の型鋼であることを特徴とする。
本発明による支保用構造部材の定着方法によれば、支保用構造部材は、一般的なH型鋼、I型鋼等の型鋼であり、入手が容易である。
【0014】
第4の発明の支保用構造部材の定着構造は、並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着構造であって、一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填する方法にて、前記支保用構造部材が前記セグメントに定着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の支保用構造部材の定着方法及び定着構造を用いることにより、支保用構造部材をセグメントに短時間で強固に定着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される並設されたシールドトンネルを示す図である。図1に示すように、大きい円形断面の第1シールドトンネル2と、この第1シールドトンネル2の側方に近接する小さい円形断面の第2シールドトンネル4とが隣接して並設されている。このように隣接して並設された2つの円形断面のシールドトンネル2、4間の地山を開削して連通させることで断面がメガネ状のトンネルを形成する。なお、シールドトンネル2、4の断面形状は図示する真円状のものに限定されるものではなく、楕円状のものであってもよい。
【0017】
以下に、本発明に係る支保用構造部材の定着方法について、施工手順に従い説明する。本実施形態では、支保用構造部材を、第2シールドトンネル4側から第1シールドトンネル2側へ掛け渡す場合について説明する。
【0018】
まず、支保用構造部材の到達側である第1シールドトンネル2の覆工体を形成するセグメント12に鞘鋼管10を取り付ける。
図2及び図3は、第1シールドトンネル2のセグメント12に鞘鋼管10を取り付けた状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
図2及び図3に示すように、セグメント12の所定の位置に鞘鋼管10を取り付ける。本実施形態では、セグメント12として、幅方向中央部に円周方向に延びる補強リブ14が立設された、例えば、幅1.2mの鋼製のセグメントを用いた。この補強リブ14の両側に鞘鋼管10が取り付けられ、鞘鋼管10の内径は、例えば、縦740mm、横455mmである。
【0019】
次に、シールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に架設用鋼管6を挿入する。
図4は、地山8の開削予定部位の上方及び下方に架設用鋼管6を設置した状態を示す図である。また、図5及び図6は、図4の架設用鋼管6が鞘鋼管10に到達した部分を拡大した状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
図4〜図6に示すように、架設用鋼管6をシールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2に向けて、曲線ボーリング装置を用い、架設用鋼管6である円弧状の鋼製曲管の先端が鞘鋼管10内に到達するように掛け渡す。ここでは、架設用鋼管6を推進工法により順次地山8中に押し込んで掛け渡す。本実施形態では、架設用鋼管6として、例えば、縦606mm、横306mm、厚さ15mmの矩形鋼管を用いた。架設用鋼管6を掛け渡す際に、施工上の誤差が多少生じても、鞘鋼管10の内径に対して架設用鋼管6の外径が十分に小さいために、架設用鋼管6は容易に鞘鋼管10内に到達する。なお、架設用鋼管6として矩形鋼管を用いる場合について説明したが、この形状に限定されるものではなく、丸形等の円管を用いてもよい。
【0020】
次に、各架設用鋼管6の周囲の地盤を改良する。
図7は、開削予定部位の上方及び下方の地山8を地盤改良した状態を示す図である。図7に示すように、各架設用鋼管6の周囲に薬液16を注入して地盤を改良する。
次に、シールドトンネル2、4間の開削予定部位の上方及び下方の地山8中に支保用構造部材18を挿入する。
【0021】
図8及び図9は、地山8の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材18を設置した状態を示し、それぞれ側断面図、平面図である。
まず、架設用鋼管6と同一の曲率半径を有する円弧状の支保用構造部材18を推進装置にて第2シールドトンネル4側より第1シールドトンネル2側へ架設用鋼管6内を挿通させて、支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から突出させる。本実施形態では、支保用構造部材18として、例えば、高さ400mm、幅200mm、板厚40mmのH型鋼を用いた。このH型鋼の端部には蓋プレート22を取り付けるためのリブ20が溶接にて固着されている。なお、架設用鋼管6内に支保用構造部材18を挿通させることにより、支保用構造部材18は確実に鞘鋼管10内に到達する。
【0022】
次に、鞘鋼管10から突出した支保用構造部材18の先端のリブ20に蓋プレート22をボルト24で接続する。ここで、蓋プレート22のほぼ中央にリブ20が位置するように接続する。本実施形態では、蓋プレート22として、鞘鋼管10内に挿通でき、かつ、鞘鋼管10の内周面に溶接にて取り付けができるように鞘鋼管10の横断面と略同一形状で、鞘鋼管10の内径よりもやや小さい、例えば、縦735mm、横450mm、板厚40mmの板状プレートを用いた。なお、蓋プレート22をリブ20に接続する方法はボルト24に限定されるものではなく、溶接等で接続してもよい。
【0023】
そして、蓋プレート22が接続された支保用構造部材18を第2シールドトンネル4側に後退させることにより、図8及び図9に示すように、蓋プレート22を鞘鋼管10の端面10aから所定の長さだけ中に入った所定の位置に収容して、この位置で蓋プレート22を鞘鋼管10に溶接で固定する。なお、蓋プレート22を鞘鋼管10に固定する方法は溶接に限定されるものではなく、ボルト等で固定してもよい。これにより、支保用構造部材18が鞘鋼管10に対して固定され、軸方向への移動が阻止されることになる。また、鞘鋼管10と略同一形状で、鞘鋼管10内径よりもやや小さい蓋プレート22を鞘鋼管10内に挿入することにより、支保用構造部材18は鞘鋼管10の中央に配置されることになる。なお、蓋プレート22を鞘鋼管10内に位置決めする方法として、例えば、鞘鋼管10内の所定の位置に予めストッパー(突起等)を設けておき、蓋プレート22がこのストッパーに当接するまで移動させることとしてもよい。
【0024】
次に、鞘鋼管10内にモルタルやコンクリート等の固化剤26を充填して、支保用構造部材18をセグメント12に定着する。
図10は、支保用構造部材18をセグメント12に定着した状態を示す図である。図10に示すように、支保用構造部材18と鞘鋼管10との間に固化剤26を鞘鋼管10に設けられた充填用穴28から充填して固化させ、支保用構造部材18をセグメント12に定着させる。支保用構造部材18と鞘鋼管10との間を固化剤26で固化することにより、支保用構造部材18が強固にセグメント12に定着されるとともに、支保用構造部材18のねじれや曲げが阻止されることになる。
そして、固化剤26が固化すると、開削予定部位を開削したときにシールドトンネル2、4に変形が生じることを防止するための内部支保工等を両シールドトンネル2、4内に設置し、開削予定部位を開削して、シールドトンネル2、4間を連結する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の支保用構造部材18の定着方法によれば、第2シールドトンネル4から第1シールドトンネル2へ架設用鋼管6を掛け渡し、この架設用鋼管6内に支保用構造部材18を挿通させてシールドトンネル2、4間に掛け渡すために、支保用構造部材18を確実に所定の鞘鋼管10内に導くことができる。したがって、支保用構造部材18を短時間で容易に挿通させることが可能となる。
【0026】
また、支保用構造部材18の先端を鞘鋼管10から第1シールドトンネル2内に突出させ、この先端に蓋プレート22を取り付け、この蓋プレート22が鞘鋼管10内の所定の位置に達するまで支保用構造部材18を第2シールドトンネル4側へ後退させて蓋プレート22を鞘鋼管10に固定するために、支保用構造部材18を鞘鋼管10内の所定の位置に正確に設置することが可能となるとともに、支保用構造部材18に作用する軸力に抵抗することが可能となる。
【0027】
また、鞘鋼管10と支保用構造部材18との間に固化剤26を充填して固化させ、支保用構造部材18とセグメント12とを強固に定着するために、支保用構造部材18に作用する曲げモーメントに抵抗することが可能となる。
【0028】
そして、このように軸力、曲げモーメントに対する抵抗を異なる部位に受け持たせるために、それぞれに必要な大きさは小さくてすみ、定着部位を小さくすることが可能となる。
【0029】
また、支保用構造部材18は、一般的なH型鋼、I型鋼等の型鋼であり、入手が容易である。
【0030】
なお、本実施形態においては、第2シールドトンネル4側から第1シールドトンネル2側へ架設用鋼管6及び支保用構造部材18を掛け渡す方法について説明したが、これに限定されるものではなく、第1シールドトンネル2側から第2シールドトンネル4側へ掛け渡してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明が適用される並設されたシールドトンネルを示す図である。
【図2】第1シールドトンネルのセグメントに鞘鋼管を取り付けた状態を示す側断面図である。
【図3】第1シールドトンネルのセグメントに鞘鋼管を取り付けた状態を示す平面図である。
【図4】地山の開削予定部位の上方及び下方に架設用鋼管を設置した状態を示す図である。
【図5】図4の架設用鋼管が鞘鋼管に到達した部分を拡大した状態を示す側断面図である。
【図6】図4の架設用鋼管が鞘鋼管に到達した部分を拡大した状態を示す平面図である。
【図7】開削予定部位の上方及び下方の地山を地盤改良した状態を示す図である。
【図8】地山の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材を設置した状態を示す側断面図である。
【図9】地山の開削予定部位の上方及び下方に支保用構造部材を設置した状態を示す平面図である。
【図10】支保用構造部材をセグメントに定着した状態を示す図である。
【図11】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【図12】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【図13】従来の連結材を定着した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
2 第1シールドトンネル
4 第2シールドトンネル
6 架設用鋼管
8 地山
10 鞘鋼管
10a 鞘鋼管の端面
12 セグメント
14 補強リブ
16 薬液
18 支保用構造部材
20 リブ
22 蓋プレート
24 ボルト
26 固化剤
28 充填用穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着方法において、
一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、
他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、
前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、
前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、
前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする支保用構造部材の定着方法。
【請求項2】
前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填することにより前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする請求項1に記載の支保用構造部材の定着方法。
【請求項3】
前記支保用構造部材は、H型、I型等の型鋼であることを特徴とする請求項1又は2に記載の支保用構造部材の定着方法。
【請求項4】
並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着構造であって、
一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填する方法にて、前記支保用構造部材が前記セグメントに定着されることを特徴とする支保用構造部材の定着構造。
【請求項1】
並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着方法において、
一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、
他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、
前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、
前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、
前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする支保用構造部材の定着方法。
【請求項2】
前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填することにより前記支保用構造部材と前記セグメントとを定着することを特徴とする請求項1に記載の支保用構造部材の定着方法。
【請求項3】
前記支保用構造部材は、H型、I型等の型鋼であることを特徴とする請求項1又は2に記載の支保用構造部材の定着方法。
【請求項4】
並設された2つのシールドトンネルを連通させるべく、それらシールドトンネル間の地山を開削する際に予め開削予定部位の上方及び下方の地山中に設置する支保用構造部材の定着構造であって、
一方のシールドトンネル内のセグメントに鞘鋼管を取り付け、他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ架設用鋼管を前記鞘鋼管内に到達するように掛け渡し、前記他方のシールドトンネルから前記一方のシールドトンネルへ、支保用構造部材をその先端が前記鞘鋼管から突出するまで前記架設用鋼管内に挿通し、前記支保用構造部材の先端にプレートを固定し、前記プレートが前記鞘鋼管内の所定の位置に達するまで前記支保用構造部材を前記他方のシールドトンネル側へ後退させ、前記所定の位置で前記プレートを前記鞘鋼管に固定し、前記鞘鋼管と前記支保用構造部材との間に固化剤を充填する方法にて、前記支保用構造部材が前記セグメントに定着されることを特徴とする支保用構造部材の定着構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−75385(P2008−75385A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257450(P2006−257450)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
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