説明

支援プログラム、支援プログラム生成プログラム、支援プログラム生成方法、ファイル生成・配布方法、及びインストールサーバ

【課題】インストール後においても正しくインストールされた状態を維持しているか否かの検査に使用するファイルを作成又は配布すること。
【解決手段】メタパッケージは、複数のクラスタそれぞれに、複数のソフトウェアの自動インストールためのインストール設定を生成するとともに、インストール後のソフトウェア管理を支援するためのIDS設定ファイルを生成・配布する。このため、複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とからインストール設定61aを生成し、これに基づき、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用するIDS設定ファイル62aを生成し、このIDS設定ファイル62aを、メタパッケージ生成時に用意されるIDS設定ファイルと共にインストール先に配布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するための支援プログラム及びファイル生成・配布方法、並びに支援プログラム生成プログラム及び支援プログラム生成方法、並びに支援プログラムを利用して自動インストールを実行するインストールサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
図10に一般的なクラスタリングシステム(以下、クラスタという。)の構成を示す。クラスタ100は、多数の計算機(計算ノード)102群をひとつのプライベートネットワーク103上に接続し、ヘッドノード101a、101bと呼ばれる代表ノード経由で計算ジョブ等の実行環境として使用できるようにしたシステム(計算環境)である。なお、図10においては、2つのヘッドノード101a、101bを有する例を示すがヘッドノードは1以上であればよい。各計算ノード102及びヘッドノード101a、101bはそれぞれ一台一台が独立して動作する、OSや各種ソフトウェア類がインストールされた計算機である。ヘッドノード101a、101bは、その他、一般のネットワーク104に接続される。また、プライベートネットワーク103は、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)、大容量記憶装置(Mass Storage Facility)、又は分散ファイルシステム(Parallel file system:PSG)等、その他のコンポーネント105に接続されている場合もある。
【0003】
ここで、ヘッドノード101a、101bはユーザへの窓口として動作する。ユーザは、このヘッドノード101a、101bを通じて計算ノード102へアクセスする。すなわちヘッドノード101a、101bは、計算ノード102の物理的・論理的な詳細をユーザから隠蔽する。このため、ユーザはジョブを投入する際には計算ノード102の構成を意識しなくともヘッドノード101a、101bを通じてジョブを投入し結果を得ることができる。ヘッドノード101a、101bは、ジョブスケジューラを有し、アプリケーションが実行される計算ノード102へのアクセスをコントロールしている。
【0004】
ところで、近時、ネットワーク技術の進歩によって、ギガビットイーサネット(登録商標)や、Myrinet、インフィニバンド(Infiniband)など、高速なネットワーク技術が浸透しつつある。ギガビットイーサネット(登録商標)は、通信速度を1Gbpsに高めた高速なイーサネット(登録商標)規格である。インフィニバンドは、データを10Gbpsで伝送する技術である。このようなネットワーク技術の浸透により、ひとつのクラスタを構成する計算ノードの数は数百〜数千台規模のスケールに拡大しつつある。
【0005】
こうしたノード数の上昇に伴う問題として、クラスタの導入・管理コストの急激な上昇がある。すなわち、クラスタを構築するためには計算ノードすべてにOSやソフトウェアをインストールし、正しく設定する必要がある。このため、第1の問題点として、全てのノードをセットアップするための初期導入コストが大きくなってしまうことが挙げられる(例えば特許文献1参照)。また、第2の問題点として、導入後も正しく動作し続けるようにシステムが壊れていないかどうかを常にチェックし続ける必要があるということが挙げられる。これらクラスタの導入・管理コストは、計算ノード数の増加に比例するため、切実な問題となっている。
【0006】
上記2つの問題点のうち、第1の問題点であるクラスタの初期導入コストを軽減するためのシステムとして、従来手動で行っていたOSやソフトウェアのインストール及び設定処理を自動的に行う、クラスタ自動インストーラが提案されている。図11は、一般的なクラスタ自動インストーラを説明する図である。
【0007】
自動クラスタインストーラは、インストールサーバ202にインストールされる。そして自動クラスタインストーラは、クラスタ203に施す設定情報を記述したファイルであるインストール設定201を入力とし、クラスタ203を構成するそれぞれの計算ノード204のセットアップを自動的に行う。
【0008】
自動クラスタインストーラの主な処理としては、計算ノード204に搭載されたハードディスクドライブの初期化、パーティションの作成、指定されたソフトウェアのインストール、及びソフトウェアや計算ノード204に固有の設定を行なうことである。自動クラスタインストーラは、ユーザによる対話的な入力(キーボード入力やマウス入力)なしに自動的に行う。計算ノード204の全てを手動でセットアップする場合例えば数日〜数週間の時間を要するが、自動クラスタインストーラの使用によりセットアップに要する時間が数分程度となり、手動の場合に比べ劇的に短縮化することができ、初期導入コストを削減することができる。
【0009】
図12に、自動インストーラによって各計算ノード上に自動インストールされる一般的なソフトウェアスタック(ソフトウェアの階層構造)を示す。例としてOSがLinuxの場合を挙げる。
【0010】
各計算ノード上ではOSとしてのLinuxカーネルを底辺として、その上にLinuxシステムが動作する。更にその上層に、ジョブのスケジューリング・起動、クラスタソフトウェアマネジメント、クラスタステートマネジメントなど、ソフトウェアやジョブ、クラスタ状態の管理機構が動作する。そしして、これらの上層にはさらにノード間通信を行うアプリケーション(メッセージパッシング)が動作し、この上にはさらに上位のグリッド(GRID)アプリケーションなどが動作する場合もある。
【0011】
通常、標準的な計算ノードにインストールされるミドルウェア〜アプリケーション層のソフトウェアパッケージは数百〜数千にのぼる。また、特定のアプリケーションは特定の下位ミドルウェア上で動作するといったように、各レイヤー間には厳密な依存関係がある。すなわち、各ソフトウェア間には複雑な依存関係が生じる。また、各ソフトウェアが正しく動作するためには適切な設定ファイルが必要である。
【0012】
したがって、自動インストーラによってインストール自体の速度向上は望めるものの、こうした複雑な依存関係を解決し正しいインストールを行なうための設定ファイルをあらかじめ作成するのはクラスタ管理者の責任である。この場合、ソフトウェア間の依存関係のみならずソフトウェアの設定ファイルもあらかじめ作成しておく必要がある。こうしたソフトウェア間の依存関係を規定したファイル及びソフトウェアの設定ファイルの作成コストは、各計算ノードにインストールするソフトウェアの数が増えるにつれて上昇する。
【0013】
すなわち、自動インストーラによってインストール処理自体の高速化は望めるものの、依存関係問題や設定ファイル問題を解決した、自動インストーラのための設定ファイル(インストール設定)を作成するためのコストは依然として大きいままである。また、上述した第2の問題点であるセットアップ後の安定動作コストも解決されていないままである。
【0014】
そこで、依存関係の解決や設定ファイルの問題を解決するための既存研究としてメタパッケージとよばれるものがある。メタパッケージとは、クラスタやシステム管理のエキスパートによって作成された「自動クラスタインストーラ設定のテンプレート集」である。メタパッケージは、インターネット上に公開されたメタパッケージリポジトリ経由で自由にインストールすることができる。
【0015】
具体的には、メタパッケージはジョブ実行環境一式、モニタリングシステム一式などのような機能をクラスタ上に実現するための自動インストーラ設定をそれぞれひとまとめにし、メタパッケージをダウンロードした各サイト用にカスタマイズが可能なテンプレートとしてパッケージングしたものである。
【0016】
クラスタ管理者は、メタパッケージリポジトリから必要なメタパッケージを機能単位で選択し、ローカルサイトの自動クラスタインストーラへ適用する。それぞれのテンプレート間には適切な依存関係があらかじめ明示的に定義されており、依存関係はメタパッケージ導入ツールによって適切にハンドリングされるため、最終的に計算ノードへインストールされるソフトウェア間の依存関係は自動的に解決される。また、メタパッケージにはソフトウェアごとの設定ファイルのテンプレートも含まれているため、先に述べた自動クラスタインストーラの初期設定コストは大幅に軽減される。すなわち、メタパッケージを導入すると正しい自動インストーラ設定を簡単に生成することができ、依存関係や設定ファイルの問題を解決することができる。
【特許文献1】特開2001−159979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、メタパッケージはこのように自動インストーラへの入力となる設定ファイルのテンプレートを単純にまとめたものであるので、インストール処理の責任は負うがインストール後に関しては何も関知しない。つまり、メタパッケージを用いて正しくインストールした後、あるユーザがクラスタの環境を壊してしまうと正しく動作しなくなってしまう。
【0018】
つまり、上述した第2の問題点である「セットアップ後も常時安定動作させ続けるためのコスト」を削減するための機構が全く含まれていない。すなわち、メタパッケージは「正しいインストール設定を低コストで導入する」ことはできるが、インストール後についてはなんら関知しないという問題点がある。
【0019】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、インストール後においても正しくインストールされた状態を維持しているか否かの検査に使用するファイルを作成又は配布することができる支援プログラム、ファイル作成・配布方法、支援プログラムを生成する支援プログラム作成プログラム、支援プログラムを具備し、自動インストールするためのインストールサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる支援プログラム生成プログラムは、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援する支援プログラムを生成する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラム生成プログラムであって、前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報を抽出するファイル情報抽出工程と、前記ファイル情報に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを生成する第1検査情報ファイル生成工程と、前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき、前記支援プログラムを生成する支援プログラム生成工程とを有し、前記支援プログラム生成工程では、前記第1検査情報ファイルを前記複数のソフトウェアのインストール先に配布する機能を有する前記支援プログラムが生成されることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、支援プログラム作成時に、支援プログラムがインストールするソフトウェアのファイル情報を抽出し、これに基づき、前記複数のソフトウェアを構成するファイルのプロパティやファイルリストなどを含む第1検査情報ファイルを生成する。すなわち、侵入検知システムなどにより、この第1検査情報ファイルを使用して、インストール後においてインストールされたソフトウェアのファイル情報を検査することで、システムが壊されていないか等をチェックすることができる。
【0022】
また、前記ファイル情報抽出工程では、前記複数のソフトウェアのリストに基づき、ソフトウェアのファイル情報が蓄積された情報データベースを参照して前記ファイル情報を抽出することができ、ソフトウェアのファイル情報データベースを参照することで、ファイル情報を抽出することができる。
【0023】
さらに、前記支援プログラム生成工程では、前記複数のソフトウェアのリスト、前記テンプレート、前記テンプレートに記述された設定情報をカスタマイズするためのユーザインターフェース定義及び所定のスペック定義に基づき、前記支援プログラムを生成することができ、例えばメタパッケージの生成と同時に、GUI(Graphical User Interface)やCUI(Character-based User Interface)などのユーザインターフェースを使用して第1検査情報ファイルを生成することができる。
【0024】
本発明にかかる支援プログラムは、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラムであって、前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とから前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、前記インストール設定生成工程にて生成されたインストール設定に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成する第2検査情報ファイル生成工程とを有するものである。
【0025】
本発明においては、インストール設定を自動生成すると共に、このインストール設定に基づき、ソフトウェアをインストールした後において当該ソフトウェアが改ざん等されていないか否かをチェックするための第2検査情報ファイルを生成することができる。
【0026】
また、前記インストール設定生成工程では、ウィザードが起動され、対話式ウィンドウにユーザがカスタマイズ情報を入力することで前記インストール設定を生成することができ、ユーザはインストール設定を簡単に生成することができる。
【0027】
さらに、前記第2検査情報ファイル生成工程では、前記インストール設定に含まれるカスタマイズ情報に基づき前記第2検査情報ファイルが生成される。ここで、前記第2検査情報は、ユーザ情報、シリアルナンバ、及びインストール先のディレクトリ情報のいずれか1以上を含むものとすることができる。これらの情報をチェックすることで、インストール後のソフトウェアを管理することができる。
【0028】
本発明にかかる支援プログラムは、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラムであって、前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを当該複数のソフトウェアのインストール先に配布する配布工程を有するものである。
【0029】
本発明においては、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルをインストール先に配布することができる。
【0030】
また、前記インストール設定生成工程では、前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とから前記インストール設定を生成することができ、このインストール設定を使用して自動インストーラにより複数のソフトウェアを自動インストールさせることができる。
【0031】
さらに、前記インストール設定生成工程にて生成されたインストール設定に基づき、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成するファイル生成工程を更に有し、前記配布工程では、前記第1及び第2検査情報ファイルを配布することができ、これら2つの検査情報ファイルにより、インストール後のソフトウェアの管理を実行させることができる。
【0032】
さらにまた、前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき生成された支援プログラムであって、前記第1検査情報ファイルは、前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報に基づき当該支援プログラムと同時に生成されたものとすることができ、インストール設定を自動生成する支援プログラムと同時に生成した第1検査情報ファイルを、インストール先に配布させることができる。
【0033】
本発明にかかる支援プログラム生成方法は、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援する支援プログラムを生成する支援プログラム生成方法であって、前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報を抽出するファイル情報抽出工程と、前記ファイル情報に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを生成する第1検査情報ファイル生成工程と、前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき、前記支援プログラムを生成する支援プログラム生成工程とを有し、前記支援プログラム生成工程では、前記第1検査情報ファイルを前記複数のソフトウェアのインストール先に配布する機能を有する前記支援プログラムが生成されることを特徴とする。
【0034】
本発明にかかるファイル生成・配布方法は、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布するファイル生成・配布方法であって、前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを当該複数のソフトウェアのインストール先に配布する配布工程を有する。
【0035】
本発明にかかるインストールサーバは、複数のコンピュータそれぞれに対し、複数のソフトウェアを自動インストールするインストールサーバであって、前記複数のソフトウェアのインストール及びインストール後の管理を支援するためのファイルを生成・配布するファイル生成・配布手段と、前記複数のソフトウェアを自動インストールする自動インストーラとを有し、前記ファイル生成・配布手段は、前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成手段と、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを前記複数のコンピュータに配布する配布手段とを有し、前記自動インストーラは、前記インストール設定に従って前記複数のコンピュータのそれぞれに対し、複数のソフトウェアを自動インストールするものである。
【0036】
本発明においては、ファイル生成・配布手段により、ソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する、例えば複数のソフトウェアを構成するファイルのプロパティやファイルリストを含む第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルをインストール先に配布することができるので、インストール先において、当該ファイルを使用してインストール後のソフトウェアの管理を行なうことができる。
【0037】
また、前記インストール設定生手段は、前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とからインストール設定を生成することができる。
【0038】
さらに、前記ファイル生成・配布手段は、前記インストール設定生成手段にて生成されたインストール設定に基づき、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成するファイル生成手段を更に有し、前記配布手段は、前記第1及び第2検査情報ファイルを前記複数のコンピュータに配布することができ、インストール設定を生成すると共に、このインストール設定に基づき第2検査情報ファイルを生成し、第1検査情報ファイルと共にインストール先に配布することができ、より強力にインストール後のシステム管理を行なうことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、インストール後においても正しくインストールされた状態を維持しているか否かの検査に使用するファイルを作成又は配布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態においては、1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援する支援プログラムとしてメタパッケージを例にとって説明する。すなわち、本実施の形態においては、このメタパッケージに対し、各種ソフトウェアをクラスタの各計算ノードにインストールした後において、そのセットアップ後に、侵入検知システム(IDS)により検査することで、ソフトウェアインストール後の管理を支援する。この際、IDSは、インストールした各ソフトウェアがインストール時から変更になっていないか、壊せれていないかの検査を、メタパッケージが生成・配布する検査情報ファイル(以下、IDS設定ファイルという。)を使用して行なうものである。
【0041】
先ず、本発明の実施の形態におけるメタパッケージの生成方法及びメタパッケージによるIDS設定ファイルの生成・配布方法の説明に先立ち、本発明の理解を容易にするため、メタパッケージを使用したクラスタ自動インストールシステムについて説明しておく。図1は、クラスタを自動インストールするためのインストールシステムを示す模式図である。
【0042】
図1に示すように、インストールシステム1は、メタパッケージサーバ2と、インストールサーバ3と、クラスタ(計算ノード又はクラスタノードともいう。)4とを有する。メタパッケージサーバ2には、メタパッケージ開発者6により作成されたメタパッケージがアップロードされている。インストールサーバ3には、クラスタ4をインストールするための自動インストーラ3aが作成される。
【0043】
このようなインストールシステム1においては、パッケージマネージャ5がメタパッケージサーバ2にアクセスしてメタパッケージを検索し、所望の機能を有するメタパッケージをダウンロードする。例えば、メタパッケージサーバ2において、MPI(Message Passing Interface)環境、グローバス(Globus)、Java(登録商標)環境などの中からMPI環境及びJava(登録商標)環境という機能を具備するメタパッケージを検索する。そして、これをインストールサーバ3にダウンロードする。ダウンロードしたメタパッケージは、インストールサーバ3にて展開されるとこの際、図示せぬ表示部にカスタマイズ用のGUI、又はCUIなどのユーザインターフェース(UI)が表示される。クラスタ4の自動インストールを行なわせるユーザは、このUIに従ってインストール設定をカスタマイズして生成し、自動インストーラ3aへ入力する。自動インストーラ3aは、カスタマイズされたインストール設定に従ってクラスタ4の自動インストールを実行する。
【0044】
図2は、インストールサーバ3のハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように、インストールサーバ3は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002及びRAM(Random Access Memory)1003を有し、これらがバス1004を介して相互に接続されている。上述のクラスタ4も少なくともCPU及びメモリを有する。
【0045】
バス1004にはまた、入出力インターフェイス1005も接続されている。入出力インターフェイス1005には、例えば、キーボード、マウスなどよりなる入力部1006、CRT、LCDなどよりなるディスプレイ、並びにヘッドフォンやスピーカなどよりなる出力部1007、ハードディスクなどより構成される記憶部1008、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部1009などが接続されている。
【0046】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているソフトウェアモジュールを構成する各種プログラム、又は記憶部1008からRAM1003にロードされたソフトウェアモジュールを構成する各種プログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0047】
通信部1009は、例えば、図示せぬインターネットを介しての通信処理を行ったり、CPU1001から提供されたデータを送信したり、通信相手から受信したデータをCPU1001、RAM1003、記憶部1008に出力したりする。記憶部1008はCPU1001との間でやり取りし、情報の保存・消去を行う。通信部1009はまた、他の装置との間で、アナログ信号又はディジタル信号の通信処理を行う。
【0048】
入出力インターフェイス1005にはまた、必要に応じてドライブ1010が接続され、例えば、磁気ディスク1011、光ディスク1012、フレキシビルディスク1013、又は半導体メモリ1014などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータ・プログラムが必要に応じて記憶部1008にインストールされる。
【0049】
図3は、メタパッケージに含まれるファイルの具体的な内容とメタパッケージ開発者によるメタパッケージの生成プロセスを説明する図である。メタパッケージの主な構成要素ファイル20としては、パッケージ選択20a、UI定義20b、テンプレート定義20c及びスペック定義20dがある。パッケージ選択20aは、クラスタノードへインストールされるパッケージの集合を示す。また、テンプレート定義20cは、自動インストーラの設定ファイルを生成するためのテンプレートであり、各ソフトウェアの設定情報が記述されている。このテンプレート定義20cは、システムやアプリケーションソフトの設定情報が記録されているデータベース(レジストリ)である。UI定義20bは、メタパッケージ中のテンプレートに記述された設定情報をカスタマイズするために使用される。スペック定義20dは、メタパッケージに使用されるスペックが定義されている。
【0050】
これらが、支援プログラム生成プログラムとしてのメタパッケージ生成ツール10の入力として与えられる。ソフトウェア依存情報データベース30は、メタパッケージに含まれる各ソフトウェアの依存情報が蓄積されたデータベースである。メタパッケージ生成ツール10は、このソフトウェア依存情報データベース30にクエリを渡し、その応答を受け取る。そして、メタパッケージ生成ツール10は、これらの情報に基づきメタパッケージを生成する。
【0051】
次に、本実施の形態におけるメタパッケージの生成方法について詳細に説明する。本実施の形態においては、メタパッケージを使用して構築したシステムが壊れていないか否かを、クラスタへインストール後にも検知するための仕組みをメタパッケージに対し付加するものである。具体的には外部検査プログラム(以下、侵入検知システム(Intrusion detection system:IDS)という。)の入力となるIDS設定ファイルを生成する。
【0052】
ここで、本実施の形態におけるIDS設定ファイルは、メタパッケージの生成段階と、メタパッケージがインストーラのインストール設定を生成する動作段階において、つまり、各段階で1つずつのIDS設定ファイルを生成する。本明細書においては、メタパッケージ生成段階で生成され、メタパッケージに含まれるIDS設定ファイルを、第1検査情報ファイルとしての第1のIDS設定ファイルといい、メタパッケージの動作段階で生成されるIDS設定ファイルを、第2検査情報ファイルとしての第2のIDS設定ファイルということとする。
【0053】
すなわち、本実施の形態においては、先ず、メタパッケージ生成ツール10が、メタパッケージ生成のために入力される情報(ファイル20)のうち、メタパッケージによってクラスタに導入されるパッケージ群(パッケージ選択20a)を利用し、第1のIDS設定ファイルを自動生成する。IDSは、この第1のIDS設定ファイルに基づき、クラスタに導入されたソフトウェア自体が壊れていないか否かを定期的にチェックすることができる。
【0054】
次に、メタパッケージがメタパッケージに含まれる設定テンプレートとユーザ入力とによってインストール設定を生成する動作時において、このインストール設定を利用し、第2のIDS設定ファイルを自動生成する。IDSは、この第2のIDS設定ファイルによってクラスタに導入されたソフトウェアの設定がインストール後に破壊されていないか否かを定期的にチェックすることができる。
【0055】
先ず、第1のIDS設定ファイルの生成方法について説明する。第1のIDS設定ファイルは、メタパッケージの生成時に生成される。図4は、メタパッケージ生成ツールの詳細を示す模式図である。メタパッケージ生成ツール10は、パッケージデータ抽出部11、IDS設定ファイル生成部12、及びメタパッケージ生成部13を有する。なお、ユーザ(メタパッケージ開発者)は、このメタパッケージ生成ツール10を用いてメタパッケージを生成する。
【0056】
ここで、本実施の形態においては、メタパッケージの生成に使用されるパッケージ選択20aに基づき、選択されたパッケージ(ソフトウェア)がインストール後も正しくインストールされた状態を維持しているか否かをチェックするための定義ファイル(IDS設定ファイル)を、このメタパッケージ生成ツール10により、メタパッケージと同時に生成する。生成された第1のIDS設定ファイルはメタパッケージ生成部(メタパッケージビルドツール)13によってメタパッケージに含められる。本実施の形態にかかるメタパッケージは、後述するように、クラスタにインストールするソフトウェアのインストール設定を生成すると共に、この第1のIDS設定ファイルをインストール先の各クラスタに配布する機能を具備する。各クラスにおいては予めIDSがインストールされており、配布されたIDS設定ファイルがIDSの入力となり、パッケージインストール後のクラスタへの侵入を検知する。
【0057】
パッケージ情報データベース50は、パッケージ選択20aに含まれるソフトウェア及びその他のソフトウェアを構成するファイルのファイルリスト11aや各ファイルのプロパティ11bが蓄積されたデータベースである。
【0058】
パッケージデータ抽出部11は、パッケージ情報データベース50から、パッケージ選択20aに含まれるソフトウェアを構成するファイルのファイルリスト11a、及び各ファイルのプロパティ11bを抽出する。図5は、パッケージデータ抽出例を示す図である。図5は、zipソフトウェアパッケージのパッケージデータ抽出例を示している。抽出される情報は、ファイルリスト11aとプロパティ11bとからなり、プロパティ11bには、保護情報111、ファイルサイズ112、及びタイムスタンプ113が含まれている。
【0059】
IDS設定ファイル生成部12は、パッケージデータ抽出部11にて抽出されたファイルリスト11a及び各ファイルのプロパティ11bから、ソフト自体(パッケージの構成)が壊れていないかをチェックするための第1のIDS設定ファイル12aを生成する。すなわち、IDSは、第1のIDS設定ファイル12aに記載されている、例えばプロパティ11bのタイムスタンプ113をチェックし、タイムスタンプが変更されている場合には、当該ファイルに不正アクセスがあったと判断する。
【0060】
メタパッケージ生成部13には、IDS設定ファイル生成部12により生成された第1のIDS設定ファイル12aと、パッケージ選択20a、UI定義20b、テンプレート定義20c、及びメタパッケージスペック定義20dを含むパッケージ構成要素ファイル20とが供給され、これらの部品から、メタパッケージ(メタパッケージ本体)40を生成する。
【0061】
次に、メタパッケージ生成ツール10の動作について説明する。図6は、メタパッケージの生成方法を示すフローチャートである。先ず、メタパッケージ開発者がメタパッケージに含めるパッケージ選択20aを作成する。たとえば、Officeメタパッケージであれば、このパッケージ選択20aは、"Word"、"Excel"、・・・などの一連のソフトのリストを示す。
【0062】
次に、パッケージ選択20aをパッケージデータ抽出部11へ供給する(ステップS1)。パッケージデータ抽出部11はパッケージ情報データベース50を参照し(ステップS2)、パッケージに含まれるファイルリスト11a、及び各ファイル毎のプロパティ11bを抽出する。そして、得られたこれらのデータは、IDS設定ファイル生成部12へ供給され、ファイルリスト11a、及び各ファイル毎のプロパティ11bに基づき第1のIDS設定ファイル12aが生成される(ステップS3)。
【0063】
メタパッケージ生成部13は、上述のように、パッケージ選択20a、UI定義20b、テンプレート定義20c、及びスペック定義20dを有する構成要素ファイル20と、ソフトウェア依存情報データベース30からの情報とから、メタパッケージ40を生成する(ステップS4、S5)。ここで、メタパッケージ生成部13には、第1のIDS設定ファイル12aも供給されており、メタパッケージ生成部13が生成するメタパッケージ40には、第1のIDS設定ファイル12aが含まれる。こうして、クラスタにインストールされたソフトウェアが破壊されていないか否かをチェックするためのIDS設定ファイルがメタパッケージと共に自動生成され、メタパッケージに含められる。
【0064】
ここで自動生成される第1のIDS設定ファイル12aはメタパッケージに含まれているファイルや保護情報が変更されていないか否かをチェックするものである。すなわち、メタパッケージ開発時に静的に把握できる情報のみを使用したものとなっている。
【0065】
次に、第2のIDS設定ファイルの生成方法について説明する。第1のIDS設定ファイルは、メタパッケージのインストール設定生成時に生成される。図7は、メタパッケージの処理の一部を説明する図であって、インストール設定及びIDS設定ファイル(第2のIDS設定ファイル)生成機能60を説明する図である。また、図8は、第2のIDS設定ファイルの生成方法を示すフローチャートである。
【0066】
上述のようにして生成されたメタパッケージは、インストール設定生成部61及びIDS設定ファイル生成部62を有する。インストール設定生成部61は、テンプレート定義20c及びカスタマイズ情報70からインストール設定61aを生成する。このファイルは、自動インストーラ80に入力され、このインストール設定に従って自動インストールが実施される。
【0067】
図9(a)は、テンプレート定義の一例を示す図、図9(b)は、カスタマイズ情報の一例を示す図、図9(c)は、インストール設定の一例を示す図である。図9(a)に示すように、テンプレート定義ファイルはその一部が空欄91となり、この部分にユーザの所望の値等(図9(b)参照)を設定できるように構成される。こうしてテンプレート定義20cの空欄91がカスタマイズ情報70により埋められて、図9(c)に示すインストール設定61aが生成される。
【0068】
この際、メタパッケージによって表示されるUIにしたがってカスタマイズ情報70を入力することができる(ステップS11、12)。UIによりユーザが所望の設定事項を入力していくことで、ユーザ固有のインストール設定61aが生成される(ステップS13)。このカスタマイズ情報70の具体例としては、例えばユーザ情報、シリアルナンバ、インストール先のディレクトリ情報などである。
【0069】
このインストール設定61aは、自動インストーラ80の入力になるのみならず、本実施の形態においては、IDS設定ファイル生成部62の入力になる。IDS設定ファイル生成部62は、インストール設定61aからカスタマイズ情報70などを抽出してIDS設定ファイル(第2のIDS設定ファイル)62aを生成する(ステップS14)。すなわち、例えばインストール設定61aに含まれるユーザ固有の設定であるカスタマイズ情報70や、インストールされるファイルサイズやチェックサムを含むIDS設定ファイル62aを生成する。このIDS設定ファイル62aは、先に説明した第1のIDS設定ファイル12aと共に図示せぬ送信手段を介して、自動インストーラ80が自動インストールを実施する各クラスタに対して配布される。そして、配布されたIDS設定ファイル12a、62aは、IDS90の入力となり検査等に使用される。
【0070】
第2のIDS設定ファイル62aに使用されるカスタマイズ情報70は、ユーザ固有の設定情報であるので、IDS90がこの情報をチェックし、変更された場合には不正アクセスがあったと判断することができる。ここで生成される第2のIDS設定ファイル62aは、ユーザによってカスタマイズされた項目が壊れていないか否かをチェックするものであり、メタパッケージインストール時に動的に設定される情報を使用したものとなっている。つまり、上述の設定ファイル(第1のIDS設定ファイル)12aとは異なる。
【0071】
IDS90は、以上のようにして生成されたIDS設定ファイル12aとIDS設定ファイル62aを使用して、メタパッケージのインストール後においても、インストールされたファイルの管理を行なうことができる。なお、IDS90は、メタパッケージに含まれるソフトウェアであってもよく、予め各クラスタにインストールしてあってもよい。IDS設定ファイル12a、62aは、自動インストーラ80によるクラスタのインストール時に各クラスタに対し、IDS90の入力となるよう配布されるものとする。
【0072】
ここで、本実施の形態においては、2種類のIDS設定ファイル12a、62aがIDS90に供給される。IDS設定ファイル12aは、メタパッケージ開発時に抽出されるメタパッケージ固有の情報に基づくもので、これをチェックすることにより、メタパッケージの構成自体が壊れていないかを検査することができる。一方、IDS設定ファイル62aは、メタパッケージ展開時にユーザから入力されるカスタマイズ情報70が抽出されたもので、これをチェックすることにより、ユーザの設定が変更されていないか否かを検査することができる。
【0073】
また、IDS90の動作方法(検知方法)としては、クラスタにおける計算能力の低下を防ぐため、リスクが小さい場合や、破壊される恐れがない環境である等チェックしなくともよい場合はOFFとしてもよい。また、IDSの監視対象ファイルはクラスタにインストールされているソフトウェア(ファイル)全部とすることもできるし、重要なファイルのみとしてもよい。監視動作のプライオリティを下げれば、IDSを作動させてもクラスタ全体の動作に影響することがない。
【0074】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、本実施の形態においては、クラスタ向けのIDS設定ファイルの自動生成について、メタパッケージを例にとって説明したが、これに限るものではない。すなわち、例えばノートPCのセットアップ用CDや、複数のプログラムをまとめてセットアップするソフト(インストーラ)など、パッケージ情報を有するものであれば、メタパッケージに限らず、IDS設定ファイルを自動生成することが可能である。
【0075】
また、メタパッケージの開発工程及びインストール工程のいずれにおいてもIDS設定ファイルを自動生成する例について説明したが、必要に応じていずれか一方のIDS設定ファイルのみを使用するようにしてもよい。
【0076】
さらに、上述の実施の形態では、IDS設定ファイルを自動生成する処理を、CPUにコンピュータ・プログラムを実行させることにより実現するものして説明したが、この場合、当該コンピュータ・プログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の伝送媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】クラスタを自動インストールするためのインストールシステムを示す模式図である。
【図2】一般的なインストールサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】メタパッケージに含まれるファイルの具体的な内容とメタパッケージ開発者によるメタパッケージの生成プロセスを説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるメタパッケージ生成ツールの詳細を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるパッケージデータ抽出例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかるメタパッケージの生成方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態にかかるメタパッケージの処理の一部を説明する図であって、インストール設定及びIDS設定ファイル(第2のIDS設定ファイル)生成機能60を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる第2のIDS設定ファイルの生成方法を示すフローチャートである。
【図9】(a)は、テンプレート定義の一例を示す図、(b)は、カスタマイズ情報の一例を示す図、(c)は、インストール設定の一例を示す図である。
【図10】一般的なクラスタリングシステム(以下、クラスタという。)の構成を示す図である。
【図11】一般的なクラスタ自動インストーラを説明する図である。
【図12】自動インストーラによって各計算ノード上に自動インストールされる一般的なソフトウェアスタック(ソフトウェアの階層構造)を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 インストールシステム
2 メタパッケージサーバ
3 インストールサーバ
3a 自動インストーラ
4 クラスタ
5 パッケージマネージャ
6 メタパッケージ開発者
10 メタパッケージ生成ツール
11 パッケージデータ抽出部
11a ファイルリスト
11b プロパティ
12 設定ファイル生成部
12a 設定ファイル
13 メタパッケージ生成部
20 構成要素ファイル
20a パッケージ選択
20b UI定義
20c テンプレート定義
20d スペック定義
30 ソフトウェア依存情報データベース
40 メタパッケージ
50 パッケージ情報データベース
60 生成機能
61 インストール設定生成部
61a インストール設定
62 設定ファイル生成部
62a 設定ファイル
70 カスタマイズ情報
80 自動インストーラ
91 空欄
100 クラスタ
101a ヘッドノード
102 計算ノード
103 プライベートネットワーク
104 ネットワーク
105 コンポーネント
111 保護情報
112 ファイルサイズ
113 タイムスタンプ
201 インストール設定
202 インストールサーバ
203 クラスタ
204 計算ノード
1004 バス
1005 入出力インターフェイス
1006 入力部
1007 出力部
1008 記憶部
1009 通信部
1010 ドライブ
1011 磁気ディスク
1012 光ディスク
1013 フレキシビルディスク
1014 半導体メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援する支援プログラムを生成する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラム生成プログラムであって、
前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報を抽出するファイル情報抽出工程と、
前記ファイル情報に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを生成する第1検査情報ファイル生成工程と、
前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき、前記支援プログラムを生成する支援プログラム生成工程とを有し、
前記支援プログラム生成工程では、前記第1検査情報ファイルを前記複数のソフトウェアのインストール先に配布する機能を有する前記支援プログラムが生成される
ことを特徴とする支援プログラム生成プログラム。
【請求項2】
前記ファイル情報抽出工程では、前記複数のソフトウェアのリストに基づき、ソフトウェアのファイル情報が蓄積された情報データベースを参照して前記ファイル情報が抽出される
ことを特徴とする請求項1記載の支援プログラム生成プログラム。
【請求項3】
前記支援プログラム生成工程では、前記複数のソフトウェアのリスト、前記テンプレート、前記テンプレートに記述された設定情報をカスタマイズするためのユーザインターフェース定義及び所定のスペック定義に基づき、前記支援プログラムが生成される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の支援プログラム生成プログラム。
【請求項4】
前記第1検査情報は、前記複数のソフトウェアを構成するファイルのプロパティ及び/又はファイルリストを含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の支援プログラム生成プログラム。
【請求項5】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラムであって、
前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とから前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、
前記インストール設定生成工程にて生成されたインストール設定に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成する第2検査情報ファイル生成工程とを有する支援プログラム。
【請求項6】
前記インストール設定生成工程では、ウィザードが起動され、対話式ウィンドウにユーザがカスタマイズ情報を入力することで前記インストール設定が生成される
ことを特徴とする請求項5記載の支援プログラム。
【請求項7】
前記第2検査情報ファイル生成工程では、前記インストール設定に含まれるカスタマイズ情報に基づき前記第2検査情報ファイルが生成される
ことを特徴とする請求項6記載の支援プログラム。
【請求項8】
前記第2検査情報は、ユーザ情報、シリアルナンバ、及びインストール先のディレクトリ情報のいずれか1以上を含む
こと特徴とする請求項6又は7項記載の支援プログラム。
【請求項9】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布する動作をコンピュータに実行させるための支援プログラムであって、
前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、
前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを当該複数のソフトウェアのインストール先に配布する配布工程を有する支援プログラム。
【請求項10】
前記インストール設定生成工程では、前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とから前記インストール設定が生成される
ことを特徴とする請求項9記載の支援プログラム。
【請求項11】
前記インストール設定生成工程にて生成されたインストール設定に基づき、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成するファイル生成工程を更に有し、
前記配布工程では、前記第1及び第2検査情報ファイルを配布する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の支援プログラム。
【請求項12】
前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき生成された支援プログラムであって、
前記第1検査情報ファイルは、前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報に基づき当該支援プログラムと同時に生成されたものである
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の支援プログラム。
【請求項13】
前記第1検査情報は、前記複数のソフトウェアを構成するファイルのプロパティ及び/又はファイルリストを含む
ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の支援プログラム。
【請求項14】
前記第2検査情報は、ユーザ情報、シリアルナンバ、及びインストール先のディレクトリ情報のいずれか1以上を含む
ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項記載の支援プログラム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援する支援プログラムを生成する支援プログラム生成方法であって、
前記複数のソフトウェアを構成するファイル情報を抽出するファイル情報抽出工程と、
前記ファイル情報に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを生成する第1検査情報ファイル生成工程と、
前記複数のソフトウェアのリスト及び前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートに基づき、前記支援プログラムを生成する支援プログラム生成工程とを有し、
前記支援プログラム生成工程では、前記第1検査情報ファイルを前記複数のソフトウェアのインストール先に配布する機能を有する前記支援プログラムが生成される
ことを特徴とする支援プログラム生成方法。
【請求項16】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布するファイル生成・配布方法であって、
前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、
前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを当該複数のソフトウェアのインストール先に配布する配布工程を有するファイル生成・配布方法。
【請求項17】
1又は複数のコンピュータそれぞれに対する、複数のソフトウェアの自動インストール及びインストール後のソフトウェア管理を支援するためのファイルを生成・配布するファイル生成・配布方法であって、
前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とから前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成工程と、
前記インストール設定生成工程にて生成されたインストール設定に基づき、前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成するファイル生成工程とを有するファイル生成・配布方法。
【請求項18】
複数のコンピュータそれぞれに対し、複数のソフトウェアを自動インストールするインストールサーバであって、
前記複数のソフトウェアのインストール及びインストール後の管理を支援するためのファイルを生成・配布するファイル生成・配布手段と、
前記複数のソフトウェアを自動インストールする自動インストーラとを有し、
前記ファイル生成・配布手段は、
前記複数のソフトウェアを自動インストールするためのインストール設定を生成するインストール設定生成手段と、
前記複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第1検査情報が記述された第1検査情報ファイルを前記複数のコンピュータに配布する配布手段とを有し、
前記自動インストーラは、前記インストール設定に従って前記複数のコンピュータのそれぞれに対し、複数のソフトウェアを自動インストールするインストールサーバ。
【請求項19】
前記インストール設定生手段は、前記複数のソフトウェアの設定情報が記述されたテンプレートと、外部から入力されたカスタマイズ情報とからインストール設定を生成する
ことを特徴とする請求項18記載のインストールサーバ。
【請求項20】
前記ファイル生成・配布手段は、
前記インストール設定生成手段にて生成されたインストール設定に基づき、複数のソフトウェアをコンピュータに自動インストールした後の検査に使用する第2検査情報が記述された第2検査情報ファイルを生成するファイル生成手段を更に有し、
前記配布手段は、前記第1及び第2検査情報ファイルを前記複数のコンピュータに配布する
ことを特徴とする請求項18又は19項記載のインストールサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−193696(P2007−193696A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13022(P2006−13022)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(899000013)財団法人理工学振興会 (81)
【Fターム(参考)】