説明

改善された溶解プロファイルを有する錠剤

本発明は、少なくとも5重量%の希釈剤および極僅溶性薬物を含む顆粒を含む混合物の打錠によって得られる錠剤であって、該顆粒が150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる錠剤、ならびに該錠剤の製造方法、ならびに、顆粒および少なくとも5重量%の希釈剤を含む混合物の打錠によって錠剤を製造するための、150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる顆粒の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤中に含まれる極僅溶性薬物の良好な溶解および吸収を特徴とする錠剤、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤の早い崩壊が、その中に含まれる極僅溶性薬物の速い溶解を保証するのに十分でないことが観察されている。事実、比較的極僅溶性の薬物を用いて、直接打錠または湿式打錠によって錠剤を形成した場合、得られた錠剤は、しばしば不十分な溶解プロファイルを示し、すなわちそれらは溶解するのが遅すぎる。
【0003】
錠剤がすばやく溶解することがその中に含まれる薬物の吸収の良好なプロファイルを達成する必須条件であるために、このことは欠点となる。
【発明の開示】
【0004】
本発明の概要
従って、本発明の目的は、極僅溶性薬物の良好な溶解を特徴とする極僅溶性薬物を含む錠剤を提供することである。
【0005】
以上の事情を考慮して、本発明者らは、極僅溶性薬物を含み、かつ良好な溶解プロファイルを有する錠剤を得ることを目的として、広く研究を行った。
【0006】
結果として、良好な溶解プロファイルおよび/または吸収性を有する錠剤は、少なくとも5重量%の希釈剤および極僅溶性薬物を含む顆粒を含む混合物の直接打錠によって得られること、該顆粒は150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層(好ましくは単層コーティング層)からなることを見出した。
【0007】
従って、一つの態様において、本発明は、少なくとも5重量%の希釈剤および極僅溶性薬物を含む顆粒を含む混合物の打錠によって得られる錠剤であって、該顆粒が150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる錠剤を提供する。該ショ糖ビーズは単層コーティング層でコートされることが望ましい。
【0008】
本発明はまた、極僅溶性薬物を含む錠剤を製造する方法であって、
極僅溶性薬物を、少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質の溶液に分散させ、溶液または懸濁液を形成すること;
150μより大きい平均粒子径のショ糖ビーズを、上記薬物分散液でコーティングすること;
所望によりコートされたビーズを乾燥すること;
コートされたビーズを少なくとも5重量%の希釈剤を含む打錠用の標準的成分と混合すること;および
該混合物を錠剤化し、錠剤を形成すること;
を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、顆粒と少なくとも5重量%の希釈剤を含む混合物の打錠によって錠剤を製造するための、150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる顆粒の使用である。
【0010】
本発明による製造方法を用いて得られた錠剤は良好な溶解性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の詳細な説明および望ましい態様
上記のように、本発明の錠剤は、少なくとも5%の希釈剤およびコートされたショ糖ビーズを含む混合物の打錠によって製造される。該コートされたショ糖ビーズは、150μより大きい平均粒子径を有するショ糖ビーズを、少なくとも1種のフィルム形成物質の溶液中の極僅溶性薬物の溶液または懸濁液でコートすることによって製造される。該ショ糖ビーズは何れかの慣用のコーティング方法、例えば流動床コーティング、コーティング・パン・コーティングなどを用いてコートされ得る。
【0012】
本明細書中で使用するとき、ショ糖ビーズという用語は、the US Pharmacopoeia (Sugar Spheresの項)で定義されるショ糖の球体を示し、これは62.5重量%から91.5重量%までのショ糖を含む(乾燥重量を基に計算)。該ビーズは、しばしば、その第2の主要な成分として澱粉を含む。該ビーズは180から1700ミクロンの範囲の種々の粒子径で市販されている。150μより大きい、特に200から425μの、最も好ましくは250から355μの粒子径を有するショ糖ビーズが、特に本発明の錠剤の製造によく適合することが見出された。
【0013】
好ましくは、ショ糖ビーズは重量で極僅溶性薬物の5〜20倍で用いられることが可能であり、重量で8〜18倍が望ましく、重量で11〜14倍が特に望ましい。
【0014】
本発明の一つの態様において、該ショ糖ビーズは200から400μの範囲の平均粒子径を有する。
別の態様において、ショ糖ビーズの極僅溶性薬物に対する重量比は8と18の間である。
本発明のさらに別の態様において、該コーティング層が水溶性セルロース誘導体を含む。
【0015】
本明細書中で使用するとき、極僅溶性薬物という用語は、the European Pharmacopoeia 5.0の5.11節で定義された条件で、0.1mg/ml以下の水への溶解度を有する薬物を示す。
【0016】
上記のように、該ショ糖ビーズは、フィルム形成物質の溶液中に分散されたまたは溶解された極僅溶性薬物でコートされる。該溶液は水溶液であることが望ましい。
【0017】
本明細書中で使用されるとき、フィルム形成物質という用語は、コーティングフィルムを形成し得る水溶性高分子量物質を示す。高分子量とは300ダルトンより大きい分子量であると理解される。用いられるフィルム形成物質は極僅溶性薬物の溶解を有意に遅延させないことが望ましい。従って、腸溶性コーティングフィルム形成物質を使用しないことが非常に望ましい。同じ理由で、最適のショ糖ビーズのコーティング層が、該フィルム形成物質の溶液中に分散されたまたは溶解された極僅溶性薬物を含むコーティング組成物によって得られるものであることが望ましい。
【0018】
ショ糖ビーズをコーティングするために用いられる組成物を得るために、フィルム形成物質は、極僅溶性薬物を分散させるまたは溶解させるのに用いられる溶液に加えられる。フィルム形成物質の例は、アカシアゴム(acacia gum)、アラビアゴム(arabic gum)、ペクチン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉(ペーストおよびゼラチン化前(pre-gelatinized))、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸誘導体、トラガカントゴム、可溶性セルロース、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース;ポリエチレングリコール類;ポリビニルアルコール・ポリマー、例えばポリビニルアルコール、およびポリ酢酸ビニル、およびアクリル・ポリマー、例えばポリメタクリレートである。望ましい態様において、該溶液は0.1から30%wt.のフィルム形成物質を含む。該フィルム形成溶液は1種以上のフィルム形成物質を含んでよい。該溶液が1種のみのフィルム形成物質を含むことが望ましい態様である。
【0019】
フィルム形成物質に加えて、極僅溶性薬物を分散させたまたは溶解させた溶液は、付着性でプラスチック性のコーティング層の形成を助けるフィルム・アジュバントを含んでもよい。該アジュバントの例は、可塑剤、例えば液体ポリエチレングリコールおよびクエン酸トリエチルである。
【0020】
フィルム形成物質およびフィルム・アジュバントに加えて、極僅溶性薬物を分散させるまたは溶解させるのに用いられる溶液は、望ましいときはまた、界面活性剤、例えばソルビタン 脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン 脂肪酸エステル類(すなわちPEG-40 水素化ヒマシ油(Cremophor(登録商標) RH40))、脂肪酸硫酸エステル類(すなわちラウリル硫酸ナトリウム)およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;顔料、例えば二酸化チタンおよび酸化鉄類;抗粘着剤または滑剤(glidant)、例えばタルクおよびステアリン酸マグネシウム、および抗泡剤、例えばシリコン油を含んでもよい。
【0021】
該コーティング溶液を製造するための溶媒として水を用いることが望ましいが、薬学的に許容され、かつ水溶性高分子量物質を溶解させ得る限り、特に制限されることなく、他の何れの溶媒もこの目的のために用いられ得る。該溶媒の例は、有機溶媒、例えばエタノール、イソプロパノールおよび塩化メチレンを含む。これらのうち最終生成物が医薬であるという点を考慮すると、水およびエタノールが特に望ましい。
【0022】
本発明による錠剤を製造するために、該コートされたショ糖ビーズは希釈剤および残りの選択可能な成分と混合される。本発明に用いられる希釈剤には特に制限はない。用いられ得る希釈剤の例は、有機物質、例えば糖類、セルロース粉末、微晶性セルロース、澱粉など、ならびに無機物質、例えば無水リン酸カルシウム、沈殿炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウムなどである。ショ糖ビーズと希釈剤の混合は、好ましくは、タンブラー、撹拌型ミキサー、例えば垂直型造粒機、または2筒型ミキサー中で行われ得る。
【0023】
前の段落で記載した希釈剤に加えて、他の慣用の成分を、得られた混合物を錠剤化する前に、コートされたショ糖ビーズに加えてもよい。これらの成分の非制限的な例は、滑沢剤、例えばタルクおよびステアリルフマル酸ナトリウム;崩壊剤、例えばクロスポビドン;結合剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよび澱粉;風味剤;味覚マスキング剤;着色料などである。
【0024】
次に、得られた混合物は、打錠(compression)を行い、それにより本発明の錠剤が得られる。直接打錠を用いることが望ましい。
【0025】
本発明に用いられる極僅溶性薬物については、薬学的に活性な成分として用いられる物質であり、かつ the European Pharmacopoeia 5.0の5.11節で定義された条件で0.1mg/ml未満の水への溶解度を有する限り特に制限はない。薬学的に活性な成分の例は、鎮静剤、催眠薬、睡眠導入剤、抗不安剤、抗癲癇剤、抗鬱剤、抗パーキンソン病剤、精神神経薬、中枢神経系作用薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩剤、自律神経系薬、抗熱鎮痛剤、抗炎症剤、抗痙攣剤、抗眩暈剤(anit-vertigenous drug)、心臓病薬、不整脈用薬、利尿剤、血圧低下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、循環器用薬、高脂血症薬、呼吸刺激剤、鎮咳去痰薬、気管支拡張剤、止瀉薬、消化性潰瘍薬、胃消化剤、制酸剤、下剤、利胆薬、消化器用薬、副腎性ホルモン剤、ホルモン剤、尿路薬、ビタミン類、止血剤、肝臓薬、痛風処置薬、糖尿病用薬、抗ヒスタミン剤、抗生物質、抗菌剤、抗悪性腫瘍剤、化学療法薬、多目的風邪薬、強壮剤、骨粗鬆症薬などを含む。本発明で使用されるのに望ましい極僅溶性薬物は、3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(4−メタンスルホニルフェニル)−6−メチルピラン−4−オン、4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジン、3−(4−クロロフェニル)−1−プロピルキサンチン、3−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(ピロリジン−1−イルスルホニルメチル)−1H−インドール、および2−[4−[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチリル]フェニル]−2−メチルプロピオン酸からなる群から選択される。
【0026】
本発明で用いられる希釈剤の量は5%より多く、そして薬物の量および/または錠剤の大きさによって必要とされる量に調節される。添加量は、例えば薬物の用量が少ないときは添加量を増大させることによって、薬物の用量が多いときは添加量を減少させることによって、望ましいサイズの錠剤が得られるように必要とされる量に調節され、通常、錠剤の重量当たり5から99.5(w/w)%、好ましくは20から95(w/w)%である。
【実施例】
【0027】
本発明は下記の実施例によって詳細に記載される。しかしながら、この発明は決して実施例に限定されず、また実施例によって制限されないこと銘記べきである。
【0028】
下記の実施例に用いられる成分を以下に記載する。
極僅溶性薬物1:3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(4−メタンスルホニルフェニル)−6−メチルピラン−4−オン
極僅溶性薬物2:エバスチン(4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジン)
ショ糖:180から250ミクロンの粒子径分布を有するショ糖/トウモロコシ澱粉の球体
Sepifilm 003 (SEPPICにより市販):45〜55% HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、35〜45% MCC(微晶性セルロース)および8〜12% Macrogol-40-ステアレートを含む水性コーティング用前造粒化(pregranulate)特製品
ポリグリコール 6000 P:平均分子量6000を有する固体ポリエチレングリコール
Cremophor RH 40 (BASFにより市販):1molのヒマシ油を40〜45molのエチレンオキシドと反応させることによって製造される非イオン性乳化剤
AVICEL PH 102 (FMCにより市販):微晶性セルロース
EMCOMPRESS (JRS Pharmaにより市販):二塩基性リン酸カルシウム二水和物
Poliplasdone XL (ISPにより市販):Ph Eur pharmacopeial Monographを満たすクロスポビドン
Pruv (JRS Pharmaにより市販):ステアリルフマル酸ナトリウム
【0029】
製剤1
【表1】

【0030】
実施例1
手順
上記の成分のうち、ポリグリコール 6000PおよびCremophor RH40を水に溶解させた。極僅溶性薬物1およびSepifilm 003を混合し、上記の溶液に加えた。得られた懸濁液を、4000r.p.mで作動するUltra-Turraxホモジナイザー中で1分間均一化した。得られた懸濁液を下記のベッド・コーティング工程に用いるまで撹拌し続けた。
【0031】
Wuersterシステムを有する Uni-Glatt流動床コーターに0.8mmのノズルを付けた。前もって温めるために該装置を空のまま5分間作動させた。次いで該装置を停止させ、ショ糖ビーズをバスケットに入れた。該装置を再度始動し、先に製造した懸濁液を用いて、下記の作業条件下でコーティングを行った。
スプレー圧:1.25bar
吸引率(Aspiration floodgate):35%
入口温度:35〜45℃
出口温度:45〜55℃
蠕動ポンプ流速:10.4g/分/kg
【0032】
コートされたビーズを3分間40℃で乾燥し、次いで30 ASTMのメッシュを用いて篩過した。378.2mgの篩過した顆粒および成分6から10をタンブラー中で混合し、次いで17×17.5mm 両凹パンチを備えたKORSCH機で60〜80Nの硬度で打錠した。
【0033】
比較例2
一旦ショ糖ビーズを成分3から5からなる組成物でコートしてから極僅溶性薬物1を成分6から10と共に該ショ糖ビーズに一度に加える点で操作を変更する以外、実施例1と同一の成分および割合を用いる。
【0034】
比較例3
ショ糖ビーズを30μの平均粒子径まで粉砕し、次いで成分1、3、4および5と共に Loedige造粒機中で造粒する以外、実施例1と同一の成分および割合を用いる。
【0035】
比較例4
一旦ショ糖ビーズを成分3、4および5でコートしてから、残りの成分と混合する前に該ショ糖ビーズを30μの平均粒子径まで粉砕する以外、実施例1と同一の成分、割合、および手順を用いる。
【0036】
比較例5
一旦ショ糖ビーズを成分3から5からなる組成物でコートしてから極僅溶性薬物1を該ショ糖ビーズと混合する以外、実施例1と同一の成分および割合を用いる。続いて成分6から10を得られた組成物と混合する。
【0037】
実施例1に従う操作でのみ、150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコア、極僅溶性薬物と高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる顆粒が得られる。残りの比較例においては、該ショ糖ビーズが壊れているか、または、該極僅溶性薬物が該ビーズをコーティングする層の一部を形成していない。
【0038】
製剤2
【表2】

【0039】
実施例6
製剤2を用いて、実施例1に記載された方法に従って錠剤を製造した。
【0040】
比較例7
一旦ショ糖ビーズを成分3から5からなる組成物でコートしてから極僅溶性薬物2を成分6から10と共に該ショ糖ビーズに加える点で操作を変更する以外、実施例6と同一の成分および割合を用いる。
【0041】
溶解試験
溶解試験は、下記の条件下、the US Pharmacopeiaの711章(溶解)に記載された装置2を用いて試験される錠剤について行われる。
撹拌速度:50r.p.m.
温度:37℃±0.5℃
溶媒:酢酸緩衝液(pH=3.8, 該極僅溶性薬物が3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(4−メタンスルホニルフェニル)−6−メチルピラン−4−オンであるとき0.25% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含み、そして該極僅溶性薬物が4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジンであるときHCl 0.01Nを含む)
溶媒の体積:該極僅溶性薬物が3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(4−メタンスルホニルフェニル)−6−メチルピラン−4−オンであるとき900ml、あるいは、4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジンであるとき1000ml
総時間:60分
サンプリング間隔:5分
【0042】
崩壊プロファイルを確立するために、5分間隔で定期的に容器からアリコートを取り、その中の極僅溶性薬物の濃度を、該極僅溶性薬物が3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(4−メタンスルホニルフェニル)−6−メチルピラン−4−オンであるとき280nm、そして該極僅溶性薬物が4−ジフェニルメトキシ−1−[3−(4−tert−ブチルベンゾイル)プロピル]ピペリジンであるとき258nmの波長を用いたスペクトロメトリーによって測定する。
【0043】
崩壊試験
崩壊試験は、the EP Pharmacopeia 5.0の2.9章(錠剤およびカプセルの崩壊)に記載された操作に従って行われる。
【0044】
結果
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも5重量%の希釈剤および極僅溶性薬物を含む顆粒を含む混合物の打錠(compression)によって得られる錠剤であって、該顆粒が150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる錠剤。
【請求項2】
該ショ糖ビーズが200から400μの範囲の平均粒子径を有する、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
ショ糖ビーズの極僅溶性薬物に対する重量比が8と18の間である、請求項1から2の何れか1項に記載の錠剤。
【請求項4】
該コーティング層が水溶性セルロース誘導体を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の錠剤。
【請求項5】
i) 極僅溶性薬物を、少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含む溶液に分散するまたは溶解する;
ii) 150μより大きい平均粒子径のショ糖ビーズを、上記の薬物の分散液または溶液でコーティングする;
iii) 所望によりコートされたビーズを乾燥する;
iv) コートされたビーズを、少なくとも5重量%の希釈剤を含む打錠用の標準的成分と混合する;および
v) 該混合物を錠剤化し、錠剤を形成する;
各段階を含む、錠剤の製造方法。
【請求項6】
該ショ糖ビーズが200から400μの範囲の平均粒子径を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ショ糖ビーズの極僅溶性薬物に対する重量比が8と18の間である、請求項5または6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
該コーティング層が水溶性セルロース誘導体を含む、請求項5から7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
顆粒および少なくとも5重量%の希釈剤を含む混合物の打錠によって錠剤を製造するための、150μより大きい平均粒子径(コーティング前)を有するショ糖ビーズのコアおよび極僅溶性薬物と少なくとも1種の高分子量フィルム形成物質を含むコーティング層からなる顆粒の使用。
【請求項10】
該ショ糖ビーズが200から400μの範囲の平均粒子径を有する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
ショ糖ビーズの極僅溶性薬物に対する重量比が8と18の間である、請求項9または10の何れか1項に記載の使用。
【請求項12】
該コーティング層が水溶性セルロース誘導体を含む、請求項9から11の何れか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2009−502823(P2009−502823A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523169(P2008−523169)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006718
【国際公開番号】WO2007/017028
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(598032139)ラボラトリオス・アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Laboratorios Almirall,S.A.
【Fターム(参考)】