改良された大動脈バルーンカテーテルおよび挿入シース
【課題】治療の完了の際にその挿入シースを通って引出すことができる大動脈バルーンカテーテルを製造する。
【解決手段】改良された大動脈バルーンカテーテルシステムは拡張可能な遠端部(70)を有する挿入シース(20)と、治療の完了の際に前記挿入シース(20)を通って除去可能なテーパされたバルーン膜(40)とを含む。巻付けられた状態でのバルーン膜(40)の外径は外管(30)の外径よりも小さい。
【解決手段】改良された大動脈バルーンカテーテルシステムは拡張可能な遠端部(70)を有する挿入シース(20)と、治療の完了の際に前記挿入シース(20)を通って除去可能なテーパされたバルーン膜(40)とを含む。巻付けられた状態でのバルーン膜(40)の外径は外管(30)の外径よりも小さい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
この発明は大動脈バルーン(IAB)カテーテルに関する。特に、この発明はその挿入シースを通して除去することが可能なIABカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
大動脈バルーン(IAB)カテーテルは左心疾患の患者の心臓のポンプ作用を増強するのに用いられる。カテーテルは、約1mの長さで、遠端部に膨張収縮可能なバルーンを有する。カテーテルは典型的には大腿動脈に挿入されて、バルーンの遠端先端が左鎖骨下動脈のすぐ下またはその遠位に位置付けられるまで、下行胸部大動脈を上に移動させられる。カテーテルの近端部は患者の体外にとどまる。バルーンを膨張および収縮させるための通路がカテーテルを通って延び、その近端部で外部ポンプと接続される。バルーンのタイミングを合せるために患者の中央大動脈圧が用いられ、また患者の心電図を用いて、患者の心拍と同期したカウンタパルセーションでバルーンの膨張を引き起こしてもよい。
【0003】
大動脈バルーン療法は冠状動脈灌流を増加させ、左心室の負荷を減じ、傷付いた心筋を癒すことを可能にする。理想的には、バルーンは大動脈弁が閉じたすぐ後に膨張し、収縮期の開始の直前に収縮すべきである。適切に調子を合せることができれば、バルーンの膨張が患者の拡張期圧を上昇させ、心筋への酸素の供給を増し、収縮期の開始直前のバルーンの収縮は患者の拡張期圧を下げ、心筋の酸素需要を減じる。
【0004】
大動脈バルーンカテーテルはまた、大動脈圧を測定するのに使用可能な中央通路またはルーメンを有していてもよい。この二重ルーメン構造では、中央ルーメンはまたカテーテルの配置を容易にするためのガイドワイヤを収納するのに用いてもよく、また流体を注入したり、血液のサンプリングのために用いてもよい。
【0005】
典型的な二重ルーメン大動脈バルーンカテーテルは、膨張および収縮用ガス通路として働く外部の柔軟プラスチック管と、プラスチック管、ステンレススチール管またはプラスチック管に埋込まれたワイヤコイルで形成された、その中を通る中央管とを有する。バルーンを形成するにはポリウレタン化合物が用いられる。
【0006】
IABカテーテルの外径を減じるために多くの努力がなされてきた。サイズの減少が望ましいのは、動脈開口のサイズを最小にし、大動脈へのカテーテルの挿入を容易にし、挿入されたカテーテルをを過ぎて通る血流を最大にし、さらに遠位の流れを最大にするためにより小さな挿入シースの使用を可能にするためである。確かに進歩があった。現在市場にあるIABカテーテルの外径は、わずか数年前の10.0Frと比較して、8.0Frまで下がっている。
【0007】
カテーテルサイズが劇的に減少したにもかかわらず、IAB処置を受ける患者は依然として、IABカテーテルの外径と比較して比較的大きな動脈開口を受けなければならない。IABカテーテルは、バルーン膜が内管にきつく巻付けられた状態で体内に挿入される。バルーン膜は一般に、巻付けられたバルーンの外径がカテーテルの外径と等しいかまたはそれよりわずかに大きくなるように、きつく巻付けられる。しかしながら、IABカテーテルを患者から除去する際には、バルーン膜はもはや内管上に巻付けられてはおらず、挿入シースを通して簡単に除去することはできない。すなわち、IABカテーテルの除去は、挿入シースの除去と、IABカテーテルを直接動脈開口を通して引出すこととを必要
とする。この過程で、血管を損傷したり、IABカテーテルの挿入の間に作られた動脈開口を拡大させるおそれがある。このため、挿入に用いたのと同じシースを通して除去可能なIABカテーテルの必要性がある。
【0008】
IABカテーテルを患者から除去する前にバルーン膜のサイズを最小にするために一般に用いられる方法の1つは、バルーン膜内に真空を生じさせることを含む。しかしながら、この方法によって生じるサイズの減少は、挿入シースを通してIABカテーテルを引出すには不十分である。
【0009】
同様の除去の問題が、血管形成用バルーンカテーテルの分野でも注目されており、いくつかの解決策が提案されている。
【0010】
米国特許第5,087,246号、5,195,970号、5,226,887号、5,456,666号および5,458,572号はより容易に除去可能な小さく収縮した形状に潰れるバルーンを有するバルーンカテーテルを開示している。
【0011】
米国特許第5,681,522号はバルーンのプラスチックにメモリ部品を導入するようにアニールされて、収縮の際に他の方法で得られるよりも小さい形状をとるようにさせたバルーンを有するバルーンカテーテルを開示している。
【0012】
米国特許第4,608,984号は第1のバルーン上に第2のバルーンを配置したバルーンカテーテルを開示している。前記第2のバルーンは、カテーテルの除去を容易にするために、第1のバルーンの室を圧縮し排気するように用いられる。
【0013】
挿入のために用いたのと同じ挿入シースを通して除去することが可能なカテーテルは、動脈の開口サイズを最小にすることのほかに、別の理由でも価値がある。すなわち、このようなカテーテルにより、外科医は、IABカテーテルの除去後も挿入シースを定位置に残しておくことが可能になる。治療の完了後、外科医は、さらなる処置が必要でないと確信するまで、挿入シースを定位置に残しておきたいと願うかもしれない。同様に、治療の間に、外科医は異なるサイズのIABカテーテルに切換えたい、またはうまく動作しないIABカテーテルをすっかり取替えたい、と望むかもしれない。この発明は、これらの状況で、挿入シースを再挿入する必要をなくす。
【0014】
さらに、動脈挿入箇所の出血量を最小にするIABカテーテルの必要性も存在する。現在市場にあるカテーテルの巻付けられたバルーン膜の外径は一般にカテーテルの外管の外径よりも大きい。IABカテーテルを挿入すると、巻付けられたバルーン膜は組織経路と動脈の挿入箇所とを、カテーテルの外管の外径を超えて過大に拡張する。この過大な拡張により、挿入シースの外表面と組織経路との間に、またはシースなしの処置の際には挿入されたカテーテルの外管の外表面と組織経路との間に、環状のギャップを生じさせ、そこから処置の間に血液が流出する。したがって、挿入の際に、その巻付けられたバルーン膜がカテーテルの外管の外径を超えて組織経路および動脈開口を過大に拡張することのないIABカテーテルの必要性がある。
【0015】
さらに、シースなしで挿入されたIABカテーテルであって、動脈開口を大きく拡大することなく除去可能なものの必要性も存在する。シースを組入れた経皮処置と同様に、シースなしの処置もまた、広げられたバルーン膜の除去を含む。
【特許文献1】米国特許第5,087,246号
【特許文献2】米国特許5,195,970号
【特許文献3】米国特許5,226,887号
【特許文献4】米国特許5,456,666号
【特許文献5】米国特許5,458,572号
【特許文献6】米国特許第5,681,522号
【特許文献7】米国特許第4,608,984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、この発明の目的は、治療の完了の際にその挿入シースを通って引出すことができる大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0017】
この発明の別の目的は、広げられた大動脈バルーン膜をそこを通して引出すことができる挿入シースを製造することである。
【0018】
この発明のさらなる目的は、動脈開口のサイズをあまり拡大することなしに動脈から引出すことができる、シースなしで挿入可能な大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0019】
この発明のさらなる目的は、挿入箇所での動脈出血を最小にする、大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0020】
この発明のさらなる目的は、外科医が大動脈バルーンカテーテルの除去にもかかわらず動脈内に挿入シースを残しておく柔軟性を可能にし、治療の再開の際に、または大動脈バルーンカテーテルの取替えの際に、挿入シースを再挿入する必要性をなくす、大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明は改良されたバルーンカテーテルシステムであって、拡張可能な遠端部を有する挿入シースと、治療の完了の際に前記挿入シースを通って除去可能なテーパされたバルーン膜とを含む。巻付けられた状態でのバルーン膜の外径は外管の外径よりも小さい。
【0022】
上述の目的および関連の目的を達成するために、この発明は添付の図面に示された形で具体化され得る。しかしながら、図面は例示のためのみであることに注意されたい。変形もまたこの発明の一部であると考えられ、これは請求の範囲によってのみ限定される。
【0023】
図面では同様の要素は同じ参照番号で示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
大動脈バルーンカテーテルの一般的な構造が、二重ルーメン先行技術大動脈バルーンカテーテルを例示する図1および図1Aに関連して最もよく説明される。カテーテル1は、図1Aで最もよく見られるように、ガス通路ルーメン3を形成するプラスチックの外管2と、外管2内に配置され中央通路またはルーメン5を作る別のプラスチック中央管4とから構成される。
【0025】
バルーン8はカテーテル1の遠端部に配置される。中央管4の遠端部分7は外管2の遠端部10を超えて延びる。バルーン8の遠端部8Aは、中央管4の遠端部7上に形成される先端部9に装着される。バルーン8の近端部8Bは、重ね継ぎにより、外管2の遠端部10に装着される。中央管4の遠端部分7がバルーン8を支持する。前記遠端部分7はバルーン8が動脈圧力下で膨張収縮する際に裏返るのを防ぐのに十分な強度を有していなければならないが、同時に、挿入シースを通って安全に挿入され、動脈枝を通って動き、胸部大動脈に維持される得るように、十分柔軟でなければならない。
【0026】
バルーン8はポリウレタン等の抗血栓性柔軟性材料で形成され、バルーン8を中央管4に巻付けてカテーテル1の挿入を容易にする結果形成される折り目11を有してもよい。バルーン8は3ないし6ミルの単一壁厚さを有する。カテーテル1の遠端部の放射線不透過のバンド20が下行大動脈内でバルーン8を位置付けるのを支援する。
【0027】
バルーンの膨張収縮はガス通路ルーメン3を通して達成される。中央通路またはルーメン5はカテーテル1の配置または再位置付けのためのガイドワイヤを収納することができる。ガイドワイヤが中央ルーメン5内に配置されない場合には、中央ルーメン5は下行大動脈内の血圧測定に用いてもよい。この圧力測定は、心臓のポンプ動作とバルーン8の膨張収縮の調子を合せるのに用いてもよいが、患者の心電図を使用する方が好ましい。加えて、中央ルーメン5は下行大動脈に流体を注入したり、血液のサンプリングのために用いてもよい。
【0028】
カテーテル1の遠端部12には、外管2の近端部14上にハブ13が形成される。中央通路またはルーメン3はハブ13を通って延び、中央通路またはルーメン3の近端部15(または出口)にコネクタ16が設けられる。大動脈圧の測定および血液のサンプリングは、中央通路3の近端部15を通して行なわれてもよい。
【0029】
ガス通路またはルーメン3の近端部18は、コネクタ19が設けられたハブ13の側部アーム17を通って出る。ガス通路またはルーメン3の近端部18は大動脈バルーンポンプと接続されてもよい。
【0030】
この発明は図2に例示されるような、改良された大動脈バルーン(IAB)カテーテル10と、図3に例示されるような改良された挿入シース20とを組入れた、改良された大動脈バルーンカテーテルシステムを含む。図2は、外管30と、近端部および遠端部を有するバルーン膜40と、先端部50と、近端部および遠端部を有する内管(図示せず)とを含む、改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部分の側面図である。バルーン膜40の遠端部と内管の遠端部とは先端部50に装着される。バルーン膜40の近端部は外管30の遠端部に装着される。この発明のバルーン膜40と先行技術のバルーンのバルーン膜とは、どちらもバルーン膜40のいずれの側にもテーパを有する点で類似している。この発明のバルーン膜40は、しかしながら、広げられた状態で挿入シース20の遠端部分を通って引張ることができる近端部の漸進的なテーパを有する。この特徴は重要である。なぜならこれは挿入シース20を通して患者の体から広げられたバルーン膜40を引出す処理を容易にし、IABカテーテル10をその広げられたバルーン膜40とともに引出す際に患者の動脈開口を拡大することを防ぐからである。バルーン膜40の近端部のテーパの度合いは、広げられたバルーン膜40をそこを通して引出す挿入シース20の遠端部のサイズ、形状および構造に依存するであろう。
【0031】
この発明の好ましい実施例では、巻付けられたバルーン膜40の外径は外管30の外径よりも小さくなければならない(図2Aを参照)。外管30に対する巻付けられたバルーン膜40の径のこの差が、広げられたバルーン膜40と挿入シース20との間、またはシースなしの処置では動脈開口との間の隙間をより大きくすることを可能にする。一般に、IABカテーテルは巻付けられたバルーン膜40の外径が外管30の外径と同じかまたは大きくなるように設計されている。この設計スキームは、最小有効外径を備えたIABカテーテルを作るという目標に合致し、さらに径の減じられた巻付けられたバルーン膜40を有するIABカテーテル10を設計するよりも、径の減じられた外管30を設計する方が普通は容易であるという事実にも合致するものである。一般に、巻付けられたバルーンの外径を減じる技術が利用可能になるや否や、IABカテーテルは等しいまたはより小さい外径を備えた外管を有するように設計されてきた。したがって、より小さな外管が利用可能であることを考えれば、巻付けられたバルーン膜40よりも外径の大きな外管30を
用いることは、典型的には考えられない。しかしながら、上で示したように、このような構成を用いることで、治療の完了の際に広げられたバルーン膜40を引き戻すことが容易になる。
【0032】
挿入シース20の遠端部は前記端部が拡張して広げられたバルーン膜40を挿入シース20に送り込むことを可能にする拡張可能材料から形成されてもよい。図3、5および6は挿入シースの3つの具体的な実施例を例示している。
【0033】
図3は第2端部70を有する切れ目を付けた管6を含む改良された挿入シース20の側面を例示する。前記切れ目を付けられた端部70はその周に沿って放射状に間隔をあけられた長手方向の切れ目80を有する。図3Aは切れ目を付けた端部70の正面図を示す。切れ目を付けた端部70にしきい値圧力を加えると、これは図3Bに示されるように拡開する。上述のとおり、挿入シース20は拡張可能な材料からできていてもよく、したがって挿入シース20は遠端部の拡開によって可能となるものを超えて拡張し得る。
【0034】
図4および4Aは挿入シース20を通した改良されたIABカテーテル10の引出しを例示する。図4はバルーン膜40の近端部が挿入シース20の遠端部を通って引かれる様子を例示する。矢印はIABカテーテル10が引張られる方向を示す。この点で、切れ目を付けられた端部70とバルーン膜40との間には接触がない。広げられたテーパされたバルーン膜40を挿入シース20の切れ目を付けた端部を通ってさらに引くと、切れ目を付けた管60の切れ目を付けた端部70が徐々に拡張する。図4AはIABカテーテル10が挿入シース20を通ってさらに引張られた後の挿入シース20を例示する。バルーン膜40は切れ目を入れた管60の切れ目を入れた端部70と接触し、切れ目を入れた端部70を図3Aに示された形状にする。こうして、切れ目を入れた端部70は漏斗として作用し、広げられたバルーン膜が挿入シース20の遠端部に引っかかるのを防ぐ。挿入シース20を患者から引出すと、患者の血管系が切れ目80を図3Aに示されるような元の形状に戻し、挿入シース20の円滑な除去を可能にする。
【0035】
切れ目を入れた管60の切れ目80は、切れ目を入れた管60を貫通する長手方向のスロットを含んでもよい。これに代えて、切れ目80は、バルーン膜40によって切れ目を入れた端部70に十分な内圧が加えられた際に、切れ目を入れた端部70が図3Bに示されるような形状をとることを可能にする、切れ目を入れた管60の内表面90または外表面100内の深い溝であってもよい。
【0036】
図5はリップ110を有する挿入シース20の別の実施例を示す。リップ110は開いたテーパされたバルーン膜40を、患者からIABカテーテル10を引き抜く際に挿入シースへと導く。上述のとおり、挿入シース20は拡張可能材料で作られてもよく、このため挿入シース20はリップ110の外径よりも大きな外径まで拡張し得る。
【0037】
図6は挿入シース20の第3の具体的な実施例を示す。挿入シース20の遠端部の内表面90は、図6に示されるような切頭円錐形状を有して、広げられたバルーン膜が挿入シース20に入るのを容易にしてもよい。
【0038】
この発明の挿入シース20は、体内ルーメンの開口部を通して広げられたバルーン膜を引出すことを必要とする他の医療用装置とともに用いることもできることが注目される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】先行技術の大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図1A】線1A−1Aに沿った先行技術の大動脈バルーンカテーテルの横断面図である。
【図2】テーパされたバルーン膜を有する改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部分の側面図である。
【図2A】バルーンが折り畳まれた/コンパクトな状態の改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部の側面図である。
【図3】切れ目を入れた端部を有する改良された挿入シースの側面図である。
【図3A】改良された挿入シースの切れ目を入れた端部の正面図である。
【図3B】図3Aの改良された挿入シースの切れ目を入れた端部の、拡開した状態の正面図である。
【図4】処置の完了の際に挿入シースを通って引出される大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図4A】挿入シースの遠端部の切れ目が拡開を始める時点まで挿入シースを通って引出された大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図5】リップを有する挿入シースの側面図である。
【図6】遠端部の内表面が切頭円錐形状である、挿入シースの長手方向断面図である。
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
この発明は大動脈バルーン(IAB)カテーテルに関する。特に、この発明はその挿入シースを通して除去することが可能なIABカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術の説明
大動脈バルーン(IAB)カテーテルは左心疾患の患者の心臓のポンプ作用を増強するのに用いられる。カテーテルは、約1mの長さで、遠端部に膨張収縮可能なバルーンを有する。カテーテルは典型的には大腿動脈に挿入されて、バルーンの遠端先端が左鎖骨下動脈のすぐ下またはその遠位に位置付けられるまで、下行胸部大動脈を上に移動させられる。カテーテルの近端部は患者の体外にとどまる。バルーンを膨張および収縮させるための通路がカテーテルを通って延び、その近端部で外部ポンプと接続される。バルーンのタイミングを合せるために患者の中央大動脈圧が用いられ、また患者の心電図を用いて、患者の心拍と同期したカウンタパルセーションでバルーンの膨張を引き起こしてもよい。
【0003】
大動脈バルーン療法は冠状動脈灌流を増加させ、左心室の負荷を減じ、傷付いた心筋を癒すことを可能にする。理想的には、バルーンは大動脈弁が閉じたすぐ後に膨張し、収縮期の開始の直前に収縮すべきである。適切に調子を合せることができれば、バルーンの膨張が患者の拡張期圧を上昇させ、心筋への酸素の供給を増し、収縮期の開始直前のバルーンの収縮は患者の拡張期圧を下げ、心筋の酸素需要を減じる。
【0004】
大動脈バルーンカテーテルはまた、大動脈圧を測定するのに使用可能な中央通路またはルーメンを有していてもよい。この二重ルーメン構造では、中央ルーメンはまたカテーテルの配置を容易にするためのガイドワイヤを収納するのに用いてもよく、また流体を注入したり、血液のサンプリングのために用いてもよい。
【0005】
典型的な二重ルーメン大動脈バルーンカテーテルは、膨張および収縮用ガス通路として働く外部の柔軟プラスチック管と、プラスチック管、ステンレススチール管またはプラスチック管に埋込まれたワイヤコイルで形成された、その中を通る中央管とを有する。バルーンを形成するにはポリウレタン化合物が用いられる。
【0006】
IABカテーテルの外径を減じるために多くの努力がなされてきた。サイズの減少が望ましいのは、動脈開口のサイズを最小にし、大動脈へのカテーテルの挿入を容易にし、挿入されたカテーテルをを過ぎて通る血流を最大にし、さらに遠位の流れを最大にするためにより小さな挿入シースの使用を可能にするためである。確かに進歩があった。現在市場にあるIABカテーテルの外径は、わずか数年前の10.0Frと比較して、8.0Frまで下がっている。
【0007】
カテーテルサイズが劇的に減少したにもかかわらず、IAB処置を受ける患者は依然として、IABカテーテルの外径と比較して比較的大きな動脈開口を受けなければならない。IABカテーテルは、バルーン膜が内管にきつく巻付けられた状態で体内に挿入される。バルーン膜は一般に、巻付けられたバルーンの外径がカテーテルの外径と等しいかまたはそれよりわずかに大きくなるように、きつく巻付けられる。しかしながら、IABカテーテルを患者から除去する際には、バルーン膜はもはや内管上に巻付けられてはおらず、挿入シースを通して簡単に除去することはできない。すなわち、IABカテーテルの除去は、挿入シースの除去と、IABカテーテルを直接動脈開口を通して引出すこととを必要
とする。この過程で、血管を損傷したり、IABカテーテルの挿入の間に作られた動脈開口を拡大させるおそれがある。このため、挿入に用いたのと同じシースを通して除去可能なIABカテーテルの必要性がある。
【0008】
IABカテーテルを患者から除去する前にバルーン膜のサイズを最小にするために一般に用いられる方法の1つは、バルーン膜内に真空を生じさせることを含む。しかしながら、この方法によって生じるサイズの減少は、挿入シースを通してIABカテーテルを引出すには不十分である。
【0009】
同様の除去の問題が、血管形成用バルーンカテーテルの分野でも注目されており、いくつかの解決策が提案されている。
【0010】
米国特許第5,087,246号、5,195,970号、5,226,887号、5,456,666号および5,458,572号はより容易に除去可能な小さく収縮した形状に潰れるバルーンを有するバルーンカテーテルを開示している。
【0011】
米国特許第5,681,522号はバルーンのプラスチックにメモリ部品を導入するようにアニールされて、収縮の際に他の方法で得られるよりも小さい形状をとるようにさせたバルーンを有するバルーンカテーテルを開示している。
【0012】
米国特許第4,608,984号は第1のバルーン上に第2のバルーンを配置したバルーンカテーテルを開示している。前記第2のバルーンは、カテーテルの除去を容易にするために、第1のバルーンの室を圧縮し排気するように用いられる。
【0013】
挿入のために用いたのと同じ挿入シースを通して除去することが可能なカテーテルは、動脈の開口サイズを最小にすることのほかに、別の理由でも価値がある。すなわち、このようなカテーテルにより、外科医は、IABカテーテルの除去後も挿入シースを定位置に残しておくことが可能になる。治療の完了後、外科医は、さらなる処置が必要でないと確信するまで、挿入シースを定位置に残しておきたいと願うかもしれない。同様に、治療の間に、外科医は異なるサイズのIABカテーテルに切換えたい、またはうまく動作しないIABカテーテルをすっかり取替えたい、と望むかもしれない。この発明は、これらの状況で、挿入シースを再挿入する必要をなくす。
【0014】
さらに、動脈挿入箇所の出血量を最小にするIABカテーテルの必要性も存在する。現在市場にあるカテーテルの巻付けられたバルーン膜の外径は一般にカテーテルの外管の外径よりも大きい。IABカテーテルを挿入すると、巻付けられたバルーン膜は組織経路と動脈の挿入箇所とを、カテーテルの外管の外径を超えて過大に拡張する。この過大な拡張により、挿入シースの外表面と組織経路との間に、またはシースなしの処置の際には挿入されたカテーテルの外管の外表面と組織経路との間に、環状のギャップを生じさせ、そこから処置の間に血液が流出する。したがって、挿入の際に、その巻付けられたバルーン膜がカテーテルの外管の外径を超えて組織経路および動脈開口を過大に拡張することのないIABカテーテルの必要性がある。
【0015】
さらに、シースなしで挿入されたIABカテーテルであって、動脈開口を大きく拡大することなく除去可能なものの必要性も存在する。シースを組入れた経皮処置と同様に、シースなしの処置もまた、広げられたバルーン膜の除去を含む。
【特許文献1】米国特許第5,087,246号
【特許文献2】米国特許5,195,970号
【特許文献3】米国特許5,226,887号
【特許文献4】米国特許5,456,666号
【特許文献5】米国特許5,458,572号
【特許文献6】米国特許第5,681,522号
【特許文献7】米国特許第4,608,984号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、この発明の目的は、治療の完了の際にその挿入シースを通って引出すことができる大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0017】
この発明の別の目的は、広げられた大動脈バルーン膜をそこを通して引出すことができる挿入シースを製造することである。
【0018】
この発明のさらなる目的は、動脈開口のサイズをあまり拡大することなしに動脈から引出すことができる、シースなしで挿入可能な大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0019】
この発明のさらなる目的は、挿入箇所での動脈出血を最小にする、大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【0020】
この発明のさらなる目的は、外科医が大動脈バルーンカテーテルの除去にもかかわらず動脈内に挿入シースを残しておく柔軟性を可能にし、治療の再開の際に、または大動脈バルーンカテーテルの取替えの際に、挿入シースを再挿入する必要性をなくす、大動脈バルーンカテーテルを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明は改良されたバルーンカテーテルシステムであって、拡張可能な遠端部を有する挿入シースと、治療の完了の際に前記挿入シースを通って除去可能なテーパされたバルーン膜とを含む。巻付けられた状態でのバルーン膜の外径は外管の外径よりも小さい。
【0022】
上述の目的および関連の目的を達成するために、この発明は添付の図面に示された形で具体化され得る。しかしながら、図面は例示のためのみであることに注意されたい。変形もまたこの発明の一部であると考えられ、これは請求の範囲によってのみ限定される。
【0023】
図面では同様の要素は同じ参照番号で示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
大動脈バルーンカテーテルの一般的な構造が、二重ルーメン先行技術大動脈バルーンカテーテルを例示する図1および図1Aに関連して最もよく説明される。カテーテル1は、図1Aで最もよく見られるように、ガス通路ルーメン3を形成するプラスチックの外管2と、外管2内に配置され中央通路またはルーメン5を作る別のプラスチック中央管4とから構成される。
【0025】
バルーン8はカテーテル1の遠端部に配置される。中央管4の遠端部分7は外管2の遠端部10を超えて延びる。バルーン8の遠端部8Aは、中央管4の遠端部7上に形成される先端部9に装着される。バルーン8の近端部8Bは、重ね継ぎにより、外管2の遠端部10に装着される。中央管4の遠端部分7がバルーン8を支持する。前記遠端部分7はバルーン8が動脈圧力下で膨張収縮する際に裏返るのを防ぐのに十分な強度を有していなければならないが、同時に、挿入シースを通って安全に挿入され、動脈枝を通って動き、胸部大動脈に維持される得るように、十分柔軟でなければならない。
【0026】
バルーン8はポリウレタン等の抗血栓性柔軟性材料で形成され、バルーン8を中央管4に巻付けてカテーテル1の挿入を容易にする結果形成される折り目11を有してもよい。バルーン8は3ないし6ミルの単一壁厚さを有する。カテーテル1の遠端部の放射線不透過のバンド20が下行大動脈内でバルーン8を位置付けるのを支援する。
【0027】
バルーンの膨張収縮はガス通路ルーメン3を通して達成される。中央通路またはルーメン5はカテーテル1の配置または再位置付けのためのガイドワイヤを収納することができる。ガイドワイヤが中央ルーメン5内に配置されない場合には、中央ルーメン5は下行大動脈内の血圧測定に用いてもよい。この圧力測定は、心臓のポンプ動作とバルーン8の膨張収縮の調子を合せるのに用いてもよいが、患者の心電図を使用する方が好ましい。加えて、中央ルーメン5は下行大動脈に流体を注入したり、血液のサンプリングのために用いてもよい。
【0028】
カテーテル1の遠端部12には、外管2の近端部14上にハブ13が形成される。中央通路またはルーメン3はハブ13を通って延び、中央通路またはルーメン3の近端部15(または出口)にコネクタ16が設けられる。大動脈圧の測定および血液のサンプリングは、中央通路3の近端部15を通して行なわれてもよい。
【0029】
ガス通路またはルーメン3の近端部18は、コネクタ19が設けられたハブ13の側部アーム17を通って出る。ガス通路またはルーメン3の近端部18は大動脈バルーンポンプと接続されてもよい。
【0030】
この発明は図2に例示されるような、改良された大動脈バルーン(IAB)カテーテル10と、図3に例示されるような改良された挿入シース20とを組入れた、改良された大動脈バルーンカテーテルシステムを含む。図2は、外管30と、近端部および遠端部を有するバルーン膜40と、先端部50と、近端部および遠端部を有する内管(図示せず)とを含む、改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部分の側面図である。バルーン膜40の遠端部と内管の遠端部とは先端部50に装着される。バルーン膜40の近端部は外管30の遠端部に装着される。この発明のバルーン膜40と先行技術のバルーンのバルーン膜とは、どちらもバルーン膜40のいずれの側にもテーパを有する点で類似している。この発明のバルーン膜40は、しかしながら、広げられた状態で挿入シース20の遠端部分を通って引張ることができる近端部の漸進的なテーパを有する。この特徴は重要である。なぜならこれは挿入シース20を通して患者の体から広げられたバルーン膜40を引出す処理を容易にし、IABカテーテル10をその広げられたバルーン膜40とともに引出す際に患者の動脈開口を拡大することを防ぐからである。バルーン膜40の近端部のテーパの度合いは、広げられたバルーン膜40をそこを通して引出す挿入シース20の遠端部のサイズ、形状および構造に依存するであろう。
【0031】
この発明の好ましい実施例では、巻付けられたバルーン膜40の外径は外管30の外径よりも小さくなければならない(図2Aを参照)。外管30に対する巻付けられたバルーン膜40の径のこの差が、広げられたバルーン膜40と挿入シース20との間、またはシースなしの処置では動脈開口との間の隙間をより大きくすることを可能にする。一般に、IABカテーテルは巻付けられたバルーン膜40の外径が外管30の外径と同じかまたは大きくなるように設計されている。この設計スキームは、最小有効外径を備えたIABカテーテルを作るという目標に合致し、さらに径の減じられた巻付けられたバルーン膜40を有するIABカテーテル10を設計するよりも、径の減じられた外管30を設計する方が普通は容易であるという事実にも合致するものである。一般に、巻付けられたバルーンの外径を減じる技術が利用可能になるや否や、IABカテーテルは等しいまたはより小さい外径を備えた外管を有するように設計されてきた。したがって、より小さな外管が利用可能であることを考えれば、巻付けられたバルーン膜40よりも外径の大きな外管30を
用いることは、典型的には考えられない。しかしながら、上で示したように、このような構成を用いることで、治療の完了の際に広げられたバルーン膜40を引き戻すことが容易になる。
【0032】
挿入シース20の遠端部は前記端部が拡張して広げられたバルーン膜40を挿入シース20に送り込むことを可能にする拡張可能材料から形成されてもよい。図3、5および6は挿入シースの3つの具体的な実施例を例示している。
【0033】
図3は第2端部70を有する切れ目を付けた管6を含む改良された挿入シース20の側面を例示する。前記切れ目を付けられた端部70はその周に沿って放射状に間隔をあけられた長手方向の切れ目80を有する。図3Aは切れ目を付けた端部70の正面図を示す。切れ目を付けた端部70にしきい値圧力を加えると、これは図3Bに示されるように拡開する。上述のとおり、挿入シース20は拡張可能な材料からできていてもよく、したがって挿入シース20は遠端部の拡開によって可能となるものを超えて拡張し得る。
【0034】
図4および4Aは挿入シース20を通した改良されたIABカテーテル10の引出しを例示する。図4はバルーン膜40の近端部が挿入シース20の遠端部を通って引かれる様子を例示する。矢印はIABカテーテル10が引張られる方向を示す。この点で、切れ目を付けられた端部70とバルーン膜40との間には接触がない。広げられたテーパされたバルーン膜40を挿入シース20の切れ目を付けた端部を通ってさらに引くと、切れ目を付けた管60の切れ目を付けた端部70が徐々に拡張する。図4AはIABカテーテル10が挿入シース20を通ってさらに引張られた後の挿入シース20を例示する。バルーン膜40は切れ目を入れた管60の切れ目を入れた端部70と接触し、切れ目を入れた端部70を図3Aに示された形状にする。こうして、切れ目を入れた端部70は漏斗として作用し、広げられたバルーン膜が挿入シース20の遠端部に引っかかるのを防ぐ。挿入シース20を患者から引出すと、患者の血管系が切れ目80を図3Aに示されるような元の形状に戻し、挿入シース20の円滑な除去を可能にする。
【0035】
切れ目を入れた管60の切れ目80は、切れ目を入れた管60を貫通する長手方向のスロットを含んでもよい。これに代えて、切れ目80は、バルーン膜40によって切れ目を入れた端部70に十分な内圧が加えられた際に、切れ目を入れた端部70が図3Bに示されるような形状をとることを可能にする、切れ目を入れた管60の内表面90または外表面100内の深い溝であってもよい。
【0036】
図5はリップ110を有する挿入シース20の別の実施例を示す。リップ110は開いたテーパされたバルーン膜40を、患者からIABカテーテル10を引き抜く際に挿入シースへと導く。上述のとおり、挿入シース20は拡張可能材料で作られてもよく、このため挿入シース20はリップ110の外径よりも大きな外径まで拡張し得る。
【0037】
図6は挿入シース20の第3の具体的な実施例を示す。挿入シース20の遠端部の内表面90は、図6に示されるような切頭円錐形状を有して、広げられたバルーン膜が挿入シース20に入るのを容易にしてもよい。
【0038】
この発明の挿入シース20は、体内ルーメンの開口部を通して広げられたバルーン膜を引出すことを必要とする他の医療用装置とともに用いることもできることが注目される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】先行技術の大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図1A】線1A−1Aに沿った先行技術の大動脈バルーンカテーテルの横断面図である。
【図2】テーパされたバルーン膜を有する改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部分の側面図である。
【図2A】バルーンが折り畳まれた/コンパクトな状態の改良された大動脈バルーンカテーテルの遠端部の側面図である。
【図3】切れ目を入れた端部を有する改良された挿入シースの側面図である。
【図3A】改良された挿入シースの切れ目を入れた端部の正面図である。
【図3B】図3Aの改良された挿入シースの切れ目を入れた端部の、拡開した状態の正面図である。
【図4】処置の完了の際に挿入シースを通って引出される大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図4A】挿入シースの遠端部の切れ目が拡開を始める時点まで挿入シースを通って引出された大動脈バルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図5】リップを有する挿入シースの側面図である。
【図6】遠端部の内表面が切頭円錐形状である、挿入シースの長手方向断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管とバルーン膜とを含むバルーンカテーテルであって、少なくともバルーン膜の近端部が前記外管に装着され、前記バルーン膜はコンパクトな状態で体内ルーメンに挿入され、コンパクトな状態でのバルーン膜の外径は外管の外径よりも小さい、バルーンカテーテル。
【請求項2】
バルーン膜はそのコンパクトな状態では巻付けられている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
バルーン膜は挿入シースの遠端部を通って引くことが可能な、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
バルーン膜は、収縮した状態のバルーン膜を挿入シースの遠端部を通って引くことが可能なようにテーパを有する、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
バルーンカテーテルは大動脈バルーンカテーテルである、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
外管内に配置された内管と先端部とを含み、先端部、バルーン膜の遠端部および内管の遠端部が接続されている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
挿入シースの遠端部が拡張可能である、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
挿入シースの遠端部が1個または2個以上の切れ目を有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
挿入シースが内表面を有し、前記内表面の遠端部が切頭円錐形状を有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
挿入シースの遠端部が外向きのリップを有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項11】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は体内ルーメンにコンパクトな状態で挿入され、当初挿入されたときのコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができるバルーン膜を有し、前記挿入シースは近端部分、中間部分および遠端部分を有し、前記中間部分は実質的に拡張不可能であり、前記遠端部分は拡張可能である、挿入シース。
【請求項12】
遠端部に1個または2個以上の切れ目を有する管を含む、請求項11に記載の挿入シース。
【請求項13】
〔大動脈〕バルーンカテーテルを、前記バルーンカテーテルの使用後に体内ルーメンから除去する方法であって、前記バルーンカテーテルは挿入シースを通して血管に挿入され、
前記バルーンカテーテルは外管およびバルーン膜を含み、前記バルーン膜の少なくとも近端部が外管に装着され、
前記挿入シースは近端部分、中間部分および遠端部分を有し、前記中間部分は実質的に拡張不可能であり、前記遠端部分は拡張可能であり、
前記方法は、バルーンカテーテルを挿入シースの遠端部分を拡張するに十分な力で引くステップと、挿入シースの中間部分を通ってバルーンカテーテルを引くステップとを含む、方法。
【請求項14】
バルーン膜は近端部分にテーパを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
バルーンカテーテルが大動脈バルーンカテーテルである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
挿入シースは遠端部に1個または2個以上の切れ目を有する管を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
バルーンカテーテルはさらに外管内に配置された内管と先端部とを含み、先端部、バルーン膜の遠端部および内管の遠端部が接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は外管と
前記外管に少なくとも部分的に装着されたバルーン膜とを含み、前記医療用装置は体内ルーメンにコンパクトな状態で挿入され当初挿入されたコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができ、挿入シースの遠端部の内表面が切頭円錐形状を有する、挿入シース。
【請求項19】
医療用装置が大動脈バルーンカテーテルであり、挿入シースが管状であり、バルーン膜がコンパクトな状態では折り畳まれる、請求項18に記載の挿入シース。
【請求項20】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は外管と前記外管に少なくとも部分的に装着されたバルーン膜とを有し、前記医療用装置はコンパクトな状態で体内ルーメンに挿入され当初挿入されたコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができ、挿入シースの遠端部が外向きのリップを有する、挿入シース。
【請求項21】
医療用装置は大動脈バルーンカテーテルであり、挿入シースは管状であり、バルーン膜はコンパクトな状態で管状である、請求項20に記載の挿入シース。
【請求項1】
外管とバルーン膜とを含むバルーンカテーテルであって、少なくともバルーン膜の近端部が前記外管に装着され、前記バルーン膜はコンパクトな状態で体内ルーメンに挿入され、コンパクトな状態でのバルーン膜の外径は外管の外径よりも小さい、バルーンカテーテル。
【請求項2】
バルーン膜はそのコンパクトな状態では巻付けられている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
バルーン膜は挿入シースの遠端部を通って引くことが可能な、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
バルーン膜は、収縮した状態のバルーン膜を挿入シースの遠端部を通って引くことが可能なようにテーパを有する、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
バルーンカテーテルは大動脈バルーンカテーテルである、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
外管内に配置された内管と先端部とを含み、先端部、バルーン膜の遠端部および内管の遠端部が接続されている、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
挿入シースの遠端部が拡張可能である、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
挿入シースの遠端部が1個または2個以上の切れ目を有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
挿入シースが内表面を有し、前記内表面の遠端部が切頭円錐形状を有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
挿入シースの遠端部が外向きのリップを有する、請求項3に記載のバルーンカテーテル。
【請求項11】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は体内ルーメンにコンパクトな状態で挿入され、当初挿入されたときのコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができるバルーン膜を有し、前記挿入シースは近端部分、中間部分および遠端部分を有し、前記中間部分は実質的に拡張不可能であり、前記遠端部分は拡張可能である、挿入シース。
【請求項12】
遠端部に1個または2個以上の切れ目を有する管を含む、請求項11に記載の挿入シース。
【請求項13】
〔大動脈〕バルーンカテーテルを、前記バルーンカテーテルの使用後に体内ルーメンから除去する方法であって、前記バルーンカテーテルは挿入シースを通して血管に挿入され、
前記バルーンカテーテルは外管およびバルーン膜を含み、前記バルーン膜の少なくとも近端部が外管に装着され、
前記挿入シースは近端部分、中間部分および遠端部分を有し、前記中間部分は実質的に拡張不可能であり、前記遠端部分は拡張可能であり、
前記方法は、バルーンカテーテルを挿入シースの遠端部分を拡張するに十分な力で引くステップと、挿入シースの中間部分を通ってバルーンカテーテルを引くステップとを含む、方法。
【請求項14】
バルーン膜は近端部分にテーパを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
バルーンカテーテルが大動脈バルーンカテーテルである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
挿入シースは遠端部に1個または2個以上の切れ目を有する管を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
バルーンカテーテルはさらに外管内に配置された内管と先端部とを含み、先端部、バルーン膜の遠端部および内管の遠端部が接続される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は外管と
前記外管に少なくとも部分的に装着されたバルーン膜とを含み、前記医療用装置は体内ルーメンにコンパクトな状態で挿入され当初挿入されたコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができ、挿入シースの遠端部の内表面が切頭円錐形状を有する、挿入シース。
【請求項19】
医療用装置が大動脈バルーンカテーテルであり、挿入シースが管状であり、バルーン膜がコンパクトな状態では折り畳まれる、請求項18に記載の挿入シース。
【請求項20】
医療用装置のための挿入シースであって、前記医療用装置は外管と前記外管に少なくとも部分的に装着されたバルーン膜とを有し、前記医療用装置はコンパクトな状態で体内ルーメンに挿入され当初挿入されたコンパクトな状態よりも大きい状態で挿入シースの遠端部を通って引くことができ、挿入シースの遠端部が外向きのリップを有する、挿入シース。
【請求項21】
医療用装置は大動脈バルーンカテーテルであり、挿入シースは管状であり、バルーン膜はコンパクトな状態で管状である、請求項20に記載の挿入シース。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2008−149172(P2008−149172A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−59829(P2008−59829)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2000−587680(P2000−587680)の分割
【原出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(500180101)データスコープ・インベストメント・コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59829(P2008−59829)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2000−587680(P2000−587680)の分割
【原出願日】平成11年12月13日(1999.12.13)
【出願人】(500180101)データスコープ・インベストメント・コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
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