説明

放射線イメージング装置、画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】天板だれが生じた場合でも、画像の重ね合わせが容易に行えるようにすること。
【解決手段】実施の形態の放射線イメージング装置では、算出部は、X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する。決定部は、被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する。位置合わせ部は、算出部により算出された複数のX線CT画像における天板の位置、および決定部により決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、放射線イメージング装置、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体の生体組織における機能診断を行なうことができる医用画像診断装置として、シングルフォトンエミッションCT装置(SPECT装置、SPECT: Single Photon Emission Computed Tomography)や、ポジトロンエミッションCT装置(PET装置、PET:Positron Emission Computed Tomography)などの核医学イメージング装置が知られている。
【0003】
具体的には、核医学イメージング装置は、生体組織に選択的に取り込まれた同位元素または標識化合物から放射されるガンマ線を検出器により検出し、検出したガンマ線の線量分布を画像化した核医学画像を再構成する装置である。
【0004】
また、近年、核医学イメージング装置と、被検体の生体組織における形態情報を画像化するX線CT(CT;Computed Tomography)装置とが一体化された装置(例えば、PET―CT装置やSPECT―CT装置など)が実用化されている。例えば、PET―CT装置では、PET画像とX線CT画像とを重ね合わせたフュージョン(fusion)画像を生成して、身体のどの部分でどのような疾病(例えば、腫瘍など)が起こっているかの検査が行われている。また、X線CT画像を用いた放射線治療計画においては、X線CT画像に加えてPET画像を用いることにより、放射線治療計画の精度が向上することが知られている。
【0005】
ところで、核医学イメージング装置とX線CT装置とが一体化された装置では、それぞれの装置で画像を撮像する際に異なる撮像方式が用いられている。例えば、PET―CT装置においては、被検体を載せた天板を体軸方向に段階的に移動させて、部分ごとに撮像するステップアンドシュート(step and shoot)方式によってPET画像が撮像され、被検体を載せた天板を体軸方向に移動させながら撮像する連続移動方式によってX線CT画像が撮像される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−99396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術においては、天板だれが生じることで、画像の重ね合わせが困難になる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態の放射線イメージング装置は、算出部と、決定部と、位置合わせ部とを備える。算出部は、X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する。決定部は、被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する。位置合わせ部は、算出部により算出された複数のX線CT画像における天板の位置、および決定部により決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係るPET−CT装置の全体構成を説明するための図である。
【図2】図2は、PET用架台装置の構成を説明するための図である。
【図3】図3は、CT用架台装置の構成を説明するための図である。
【図4】図4は、寝台装置3を説明するための図である。
【図5】図5は、コンソール装置の構成を説明するための図である。
【図6】図6は、実施例1に係るPET−CT装置における天板だれを説明するための図である。
【図7】図7は、ベッドごとの画像における天板の位置を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例1に係る補正部の構成を説明するための図である。
【図9】図9は、天板位置算出部による処理の一例を模式的に示す図である。
【図10】図10は、ベッド間の重複領域を説明するための図である。
【図11】図11は、パターンマッチング部による処理の一例を説明するための図である。
【図12】図12は、位置補正部による減弱マップの補正処理の一例を示す図である。
【図13】図13は、位置補正部によるPET画像の補正処理の一例を示す図である。
【図14】図14は、実施例1に係るPET−CT装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例1に係るPET−CT装置による減弱マップの補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施例1に係るPET−CT装置によるPET画像の補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施例1に係るPET−CT装置によるパターンマッチング処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
まず、実施例1に係るPET−CT装置の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施例1に係るPET−CT装置の全体構成を説明するための図である。図1に示すように、実施例1に係るPET−CT装置は、PET用架台装置1と、CT用架台装置2と、寝台装置3と、コンソール装置4とを有する。
【0011】
PET用架台装置1は、被検体Pに投与された陽電子放出核種を取り込んだ生体組織から放出される一対のガンマ線を検出することで、PET画像を再構成するためのガンマ線の投影データ(ガンマ線投影データ)を生成する装置である。図2は、PET用架台装置の構成を説明するための図である。
【0012】
PET用架台装置1は、図2の(A)に示すように、PET検出器11や、同時計数回路12などを有する。PET検出器11は、被検体Pから放出されるガンマ線を検出するフォトンカウンティング(photon counting)方式の検出器である。具体的には、PET検出器11は、複数のPET検出器モジュール111が、被検体Pの周囲をリング状に取り囲むように配置されることで構成される。
【0013】
例えば、PET検出器モジュール111は、図2の(B)に示すように、シンチレータ111aと、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)111cと、ライトガイド111bとを有するアンガー型の検出器である。
【0014】
シンチレータ111aは、被検体Pから放出されて入射したガンマ線を可視光に変換するNaIやBGOなどが、図2の(B)に示すように、2次元に複数個配列されている。また、光電子増倍管111cは、シンチレータ111aから出力された可視光を増倍して電気信号に変換する装置であり、図2の(B)に示すように、ライトガイド111bを介して稠密に複数個配置されている。ライトガイド111bは、シンチレータ111aから出力された可視光を光電子増倍管111cに伝達するために用いられ、光透過性に優れたプラスチック素材などからなる。
【0015】
なお、光電子増倍管111cは、シンチレーション光を受光し光電子を発生させる光電陰極、発生した光電子を加速する電場を与える多段のダイノード、及び電子の流れ出し口である陽極から成っている。光電効果により光電陰極から放出された電子は、ダイノードに向って加速されてダイノードの表面に衝突し、複数の電子を叩き出す。この現象が多段のダイノードに渡って繰り返されることにより、なだれ的に電子数が増倍され、陽極での電子数は、約100万にまで達する。かかる例では、光電子増倍管111cの利得率は、100万倍となる。また、なだれ現象を利用した増幅のためにダイノードと陽極との間には、通常1000ボルト以上の電圧が印加される。
【0016】
このように、PET検出器モジュール111は、ガンマ線をシンチレータ111aにより可視光に変換し、変換した可視光を光電子増倍管111cにより電気信号に変換することで、被検体Pから放出されたガンマ線の数を計数する。
【0017】
そして、図2の(A)に示す同時計数回路12は、複数のPET検出器モジュール111それぞれが有する複数の光電子増倍管111cそれぞれと接続される。そして、同時計数回路12は、PET検出器モジュール111の出力結果から、陽電子から放出された一対のガンマ線の入射方向を決定するための同時計数情報を生成する。具体的には、同時計数回路12は、シンチレータ111aから出力された可視光を同じタイミングで電気信号に変換出力した光電子増倍管111cの位置及び電気信号の強度から重心位置を演算することで、ガンマ線の入射位置(シンチレータ111aの位置)を決定する。また、同時計数回路12は、各光電子増倍管111cが出力した電気信号の強度を演算処理(積分処理及び微分処理)することで、入射したガンマ線のエネルギー値を演算する。
【0018】
そして、同時計数回路12は、PET検出器11の出力結果の中から、ガンマ線の入射タイミング(時間)が一定時間の時間ウィンドウ幅以内にあり、エネルギー値がともに一定のエネルギーウィンドウ幅にある組み合わせを検索(Coincidence Finding)する。例えば、2nsecの時間ウィンドウ幅と、350keV〜550keVのエネルギーウィンドウ幅とが、検索条件として設定される。そして、同時計数回路12は、検索した組み合わせの出力結果を、2つの消滅フォトンを同時計数した情報であるとして同時計数情報(Coincidence List)を生成する。そして、同時計数回路12は、同時計数情報をPET画像再構成用のガンマ線投影データとして図1に示すコンソール装置4に送信する。なお、2つの消滅フォトンを同時計数した2つの検出位置を結ぶ線は、LOR(Line of Response)と呼ばれる。また、同時計数情報は、コンソール装置4にて生成される場合であってもよい。
【0019】
図1に戻って、CT用架台装置2は、被検体Pを透過したX線を検出することで、X線CT画像を再構成するためのX線投影データや、スキャノグラムを生成するためのX線の投影データ(X線投影データ)を生成する装置である。図3は、CT用架台装置の構成を説明するための図である。
【0020】
CT用架台装置2は、図3に示すように、X線管21や、X線検出器22、データ収集部23などを有する。X線管21は、X線ビームを発生し、発生したX線ビームを被検体Pに照射する装置である。X線検出器22は、X線管21に対向する位置にて、被検体Pを透過したX線を検出する装置である。具体的には、X線検出器22は、被検体Pを透過したX線の2次元強度分布のデータ(2次元X線強度分布データ)を検出する2次元アレイ型検出器である。より具体的には、X線検出器22は、複数チャンネル分のX線検出素子を配してなる検出素子列が被検体Pの体軸方向に沿って複数列配列されている。なお、X線管及びX線検出器は、CT用架台装置2の内部にて、図示しない回転フレームにより支持されている。
【0021】
データ収集部23は、DAS(Data Acquisition System)であり、X線検出器22により検出された2次元X線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理などを行なって、X線投影データを生成する。そして、データ収集部23は、X線投影データを図1に示すコンソール装置4に送信する。
【0022】
図1に戻って、寝台装置3は、被検体Pを載せるベッドであり、天板31と、寝台32とを有する。寝台装置3は、コンソール装置4を介して受け付けたPET−CT装置の操作者からの指示に基づいて、CT用架台装置2及びPET用架台装置1それぞれの撮像口に順次移動される。すなわち、PET−CT装置は、寝台装置3を移動させることで、最初に、X線CT画像の撮像を行ない、その後、PET画像の撮像を行なう。図4は、寝台装置3を説明するための図である。
【0023】
寝台装置3は、図示しない駆動機構によって天板31と寝台32とを被検体の体軸方向に移動させる。例えば、PET−CT装置は、CT用架台装置2の回転フレームを回転させながら、図4の(A)に示すように天板31をCT用架台装置2の方向に水平移動させて、被検体Pの撮像部位をX線により螺旋状に連続的にスキャンするヘリカルスキャンによりX線CT画像を撮像する。
【0024】
また、PET−CT装置は、X線CT画像の撮像を行った後、図4の(B)に示すように、天板31が寝台32から繰り出されたままの状態で、寝台32を水平移動させて、被検体Pの撮像部位をPET用架台装置1の撮像口内に挿入させる。ここで、寝台32は、図4の(B)に示すように、PET用架台装置1及びCT用架台装置2それぞれの検出器の中心位置間の距離「a」と同一距離を移動する。すなわち、寝台32が距離「a」を移動することで、X線CT画像の撮像時とPET画像の撮像時とで、被検体Pの体軸方向の同一部位を撮像する際の天板31の寝台32からの繰り出し量を同一にしている。
【0025】
そして、PET−CT装置は、天板31をX線CT画像の撮像時とは逆の方向に水平移動させることで、PET画像を撮像する。かかる場合には、PET−CT装置は、被検体の一部分を撮像した後に、撮像を停止した状態で所定の移動量だけ水平移動して、さらに他の部分を撮像し、かかる移動と撮像とを繰り返すステップアンドシュート方式により被検体の広い範囲を撮像する。
【0026】
図1に戻って、コンソール装置4は、操作者からの指示を受け付けてPET−CT装置における撮像処理を制御する装置である。図5は、コンソール装置の構成を説明するための図である。
【0027】
図5に示すように、コンソール装置4は、X線投影データ記憶部41と、CT画像再構成部42と、減弱マップ生成部43と、ガンマ線投影データ記憶部44と、PET画像再構成部45とを有する。さらに、コンソール装置4は、図5に示すように、制御部48と、補正データ47とを有する。
【0028】
X線投影データ記憶部41は、データ収集部23から送信されたX線投影データを記憶する。具体的には、X線投影データ記憶部41は、X線CT画像を再構成するためのX線投影データを記憶する。CT画像再構成部42は、X線投影データ記憶部41が記憶する再構成用のX線投影データを、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法により逆投影処理することで、X線CT画像を再構成する。
【0029】
例を挙げれば、CT画像再構成部42は、PET−CT装置を用いた全身検査において、撮像計画により決定された撮像条件(例えば、スライス幅など)に基づいて、X線投影データから、被検体Pの体軸方向に直交する複数の断面を撮像した複数のX線CT画像を再構成する。
【0030】
減弱マップ生成部43は、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像を用いて、被検体Pの体内で生じるガンマ線の減弱を補正するための減弱マップを生成する。ガンマ線投影データ記憶部44は、同時計数回路12から送信されたガンマ線投影データを記憶する。PET画像再構成部45は、ガンマ線投影データ記憶部44が記憶するガンマ線投影データから、例えば、逐次近似法によりPET画像を再構成する。
【0031】
補正部46は、減弱マップ生成部43によって生成された減弱マップを用いたPET画像の減弱補正や、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像とPET画像再構成部45によって再構成されたPET画像とを融合する際の補正などを行う。補正データ47は、補正部46の処理結果を記憶する。なお、補正部46の処理内容及び補正データ47については、後に詳述する。
【0032】
制御部48は、PET−CT装置全体の処理を制御する。具体的には、制御部48は、PET用架台装置1、CT用架台装置2、天板31及び寝台32を制御することで、PET−CT装置による撮像を制御する。また、制御部48は、ガンマ線投影データ記憶部44が記憶するデータを用いたPET画像再構成部45の処理を制御する。また、制御部48は、X線投影データ記憶部41が記憶するデータを用いたCT画像再構成部42及び減弱マップ生成部43の処理を制御する。また、制御部48は、補正部46の処理を制御する。なお、制御部48は、図示しない入出力装置から操作者の指示を受け付ける。また、制御部48は、図示しない入出力装置にて、操作者が指示を入力するためのGUI(Graphical User Interface)や、X線CT画像およびPET画像を表示するように制御する。
【0033】
以上、実施例1に係るPET−CT装置の全体構成について説明した。かかる構成のもと、実施例1に係るPET−CT装置は、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像とPET画像再構成部45によって再構成されたPET画像との位置合せに関する補正処理を実行する。
【0034】
具体的には、実施例1に係るPET−CT装置は、被検体Pの加重による天板31の沈み込みに起因するPET画像及びX線CT画像における画像間の位置のずれを補正する補正処理を実行する。なお、以下では、天板31が沈み込んだ状態を天板だれと記載する場合がある。
【0035】
ここで、まず、実施例1に係るPET−CT装置における天板だれについて説明する。図6は、実施例1に係るPET−CT装置における天板だれを説明するための図である。図6においては、寝台32がPET用架台装置1側に移動した後、繰り出されていた天板31をステップアンドシュート方式によって寝台32に戻しながらPET画像を撮像した場合の天板だれについて示している。図6のスキャン領域は、PET用架台装置1のスキャン領域を示している。また、図6に示すベッド1、ベッド2及びベッド3は、ステップアンドシュート方式による画像の撮像位置を示している。なお、図6には被検体が示されていないが、実際には、天板31上には被検体が載せられた場合の天板だれを示している。
【0036】
図6に示すように、天板だれの程度は、寝台32からの天板31の繰り出し量によって異なる。すなわち、図6の(A)に示すように、ベッド1をスキャンする場合には、被検体による加重が天板31に与える影響が大きく、スキャン領域における天板だれの程度も大きくなる。しかしながら、図6の(B)及び(C)に示すように、寝台32からの天板31の繰り出し量が減少するごとに、被検体による加重の天板31に与える影響が低減して、スキャン領域における天板だれの程度も小さくなる。
【0037】
図7は、ベッドごとの画像における天板の位置を示す図である。図7においては、ベッドごとに撮像した画像のサジタル(sagittal;矢状)面を示している。すなわち、図7においては、被検体の体軸方向の断面を示している。図7に示すように、ステップアンドシュート方式でPET画像を撮像した場合には、天板だれが生じることによって、ベッド間、すなわち画像の継ぎ目に段差が生じることとなる。
【0038】
このような画像の継ぎ目の段差は、PET画像とX線CT画像との重ね合わせを困難にすることから、天板の剛性を向上させたり、天板を支える柱やレールを検出器視野中に設けたりして、天板だれを防止する対策が立てられている。しかしながら、天板の剛性を向上させた場合でも、天板だれを完全に防止することにはならない。例えば、体軸方向に検出器視野が拡大した場合には、天板の繰り出し量は、現在よりもさらに増加することとなり、結果として天板だれが発生することとなる。また、天板を支える柱やレールを検出器視野中に設けた場合には、X線やガンマ線の吸収に影響を与えることとなり、アーチファクト(artifact)の原因となる。
【0039】
そこで、本実施例1に係るPET−CT装置は、以下、詳細に説明する補正部46による補正処理を行なうことで、天板だれが生じた場合でも、画像の重ね合わせを容易に行うことを可能にする。図8は、実施例1に係る補正部46の構成を説明するための図である。図8に示すように、補正部46は、天板位置算出部46aと、パターンマッチング部46bと、位置補正部46cとを有している。そして、補正部46は、処理結果を補正データ47に格納する。
【0040】
天板位置算出部46aは、X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する。具体的には、天板位置算出部46aは、天板31を体軸方向に移動させながら、被検体Pの撮像部位をX線により連続的にスキャンする連続移動方式によって撮像された複数の断面画像に描出された天板の位置を用いて、CT画像における天板の位置を算出する。
【0041】
図9は、天板位置算出部46aによる処理の一例を模式的に示す図である。図9においては、連続移動方式によって撮像され、CT画像再構成部42によってX線投影データから再構成された複数の断面画像を用いて生成されたサジタル面の画像を示している。また、図9に示す矢印は、天板31の移動方向を示している。また、図9に示す複数の矩形は、断面画像のスライス幅を示している。
【0042】
天板位置算出部46aは、図9に示すように、各断面画像に描出される天板31に基づいて、CT画像における天板位置L1を算出する。ここで、天板位置算出部46aによる天板位置L1の算出について説明する。連続移動方式によって撮像されたX線CT画像をサジタル面で見た場合のX線CT画像のスライス幅は、実際には、図9に示すような厚みはなく、非常に薄い。そこで、図9に示す各断面画像の幅を限りなく薄くした場合(スライス幅を0に近づけた場合)には、断面画像はX線検出器22の中心に収束することとなる。従って、各断面画像に描出される天板31に基づいてCT画像における天板位置を算出する場合には、図9に示すように、各断面画像に描出される天板31の中心を通る直線L1が天板位置となる。
【0043】
パターンマッチング部46bは、被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する。具体的には、パターンマッチング部46bは、パターンマッチングを行なうことで、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定する。例えば、パターンマッチング部46bは、連続する2つのベッドそれぞれで重複して撮像された領域それぞれに描出される被検体部位のずれを算出し、算出したずれをベッドのずれとして検出する。
【0044】
ここで、まず、ステップアンドシュート方式で撮像されるベッドごとのPET画像について説明する。図10は、ベッド間の重複領域を説明するための図である。図10においては、ステップアンドシュート方式によって撮像され、PET画像再構成部45によってガンマ線投影データから再構成された2つのベッドにおけるPET画像のサジタル面を示している。図10に示すスライスとは、1つのPET画像が撮像される部分を意味している。
【0045】
図10に示すように、ベッドには複数のスライスが含まれており、n番目のベッドで撮像された領域の一部を、(n+1)番目のベッドで再度撮像する。すなわち、ステップアンドシュート方式では、連続するベッド間で所定の領域を重複させるように天板31を水平移動させて複数のPET画像を撮像する。これは、被検体の体軸方向における検出感度が異なるためである。なお、図10に示すR1とは、被検体内のガンマ線が集積した位置を示している。すなわち、R1は、ガンマ線が放出された位置を示している。
【0046】
図11は、パターンマッチング部46bによる処理の一例を説明するための図である。図11の(A)においては、ステップアンドシュート方式によって撮像され、PET画像再構成部45によってガンマ線投影データから再構成された2つのベッドにおけるPET画像のサジタル面を示している。図11の(A)に示すように、パターンマッチング部46bは、n番目のベッドを段階的に上下方向に平行移動させて(n+1)番目のベッドの被検体部位とn番目のベッドの被検体部位との重なりが最大となる位置を算出する。
【0047】
例えば、パターンマッチング部46bは、図11の(B)に示すように、n番目のベッドを段階的に移動させた場合のピクセル移動量及び被検体部位間の距離に放物線を対応付けたパラボラフィッティング法により、ピクセル単位よりも精度の高いサブピクセル単位で被検体部位の重なりが最大となるn番目のベッドの位置を決定する。すなわち、以下に示す式(1)を用いて、被検体部位間の距離が最短となるピクセル移動量をサブピクセルオーダーで算出する。
【0048】
【数1】

【0049】
そして、パターンマッチング部46bは、算出したピクセル移動量を連続するベッド間の段差として決定する。なお、式(1)は、検出部位間の距離が、n番目のベッドのi番目のピクセルと(n+1)番目のベッドにおけるi番目のピクセルの移動量jとの差の総和により求められる。
【0050】
図8に戻って、位置補正部46cは、天板位置算出部46aにより算出された複数のX線CT画像における天板の位置、およびパターンマッチング部46bにより決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう。また、位置補正部46cは、天板位置算出部46aにより算出された複数のX線CT画像における天板の位置、およびパターンマッチング部46bにより決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、各X線CT画像と略同一部位を撮像した核医学画像を補正するための減弱マップを作成する。
【0051】
以下では、実施例1に係るPET−CT装置によるX線CT画像とPET画像との融合画像の生成について説明する。まず、実施例1に係るPET−CT装置においては、被検体Pに対するCT検査及びPET検査が行われると、CT画像再構成部42が、X線投影データ記憶部41に記憶されたX線投影データを用いて、X線CT画像を再構成する。そして、減弱マップ生成部43が、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像を用いて減弱マップを生成する。
【0052】
PET画像再構成部45は、ガンマ線投影データ記憶部44によって記憶されたガンマ線投影データと減弱マップ生成部43によって生成された減弱マップとを用いて、PET画像を再構成する。ここで、PET画像の再構成に用いられた減弱マップは、天板位置算出部46aによって天板位置が算出され、天板位置の情報とともに補正データ47によって記憶される。
【0053】
一方、PET画像再構成部45によって再構成されたPET画像に対しては、パターンマッチング部46bによるパターンマッチングが実行される。すなわち、PET画像再構成部45によって再構成されたPET画像における隣接するベッド間の段差が決定される。
【0054】
ここで、位置補正部46cは、パターンマッチング部46bによってベッド間の段差が決定されたPET画像と、補正データ47によって天板位置の情報とともに記憶された減弱マップとを用いて、減弱マップの補正を実行する。
【0055】
図12は、位置補正部46cによる減弱マップの補正処理の一例を示す図である。図12に示すように、位置補正部46cは、まず、天板位置算出部46aによって算出された減弱マップにおける天板位置L1を、画像の縦横の幅に基づいて、PET画像に配置する。そして、位置補正部46cは、パターンマッチング部46bによって決定された隣接するベッド間の段差を、天板位置L1に基づいて配置する。
【0056】
例えば、位置補正部46cは、図12に示す「b」及び「c」をL1からの距離が等しくなる位置に配置することで、ベッド1とベッド2との間の段差を配置する。同様に、ベッド2とベッド3との間の段差「d−f」を配置する。そして、位置補正部46cは、ベッド1の中心でL1と交差するように、「c」と「g」とを結んだ直線L2を配置してベッド1における天板位置として決定する。ベッド2における天板位置は「b」と「g」とを結ぶ直線によって決定される。ベッド3においても同様に決定される。
【0057】
なお、減弱マップ生成部43によって生成される減弱マップは、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像を用いて生成されていることから、減弱マップにおける天板位置はX線CT画像と同一位置になる。従って、減弱マップにおける天板位置は、図12に示すように、再構成されたX線CT画像から生成された減弱マップをPET画像に重ね合せる補正を実行する場合には、X線CT画像の天板位置であるL1と同一のものとなる。
【0058】
そして、位置補正部46cは、図12に示すように、減弱マップの天板位置L1をPET画像の天板位置L2と一致させるように、スライスごとに減弱マップをスライドさせて、PET画像との位置合わせを実行する。そして、位置補正部46cは、位置合わせが行われた減弱マップを補正データ47に格納する。
【0059】
補正データ47にPET画像との位置合わせが行われた減弱マップが格納されると、PET画像再構成部45は、再度、ガンマ線投影データを用いたPET画像の再構成を行う。ここで、PET画像再構成部45は、補正データ47によって記憶された減弱マップを用いてPET画像の再構成を行う。すなわち、PET画像再構成部45は、PET画像との位置合わせが行われた減弱マップを用いてPET画像の再構成を実行する。
【0060】
そして、パターンマッチング部46bは、PET画像再構成部45によって、再度再構成されたPET画像に対してパターンマッチングを実行する。また、天板位置算出部46aは、CT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像における天板位置を算出する。ここで、位置補正部46cは、天板位置が算出されたX線CT画像を用いて、パターンマッチングが実行されたPET画像の補正を実行する。
【0061】
図13は、位置補正部46cによるPET画像の補正処理の一例を示す図である。位置補正部46cは、図13に示すように、X線CT画像の天板位置L1とPET画像の天板位置L2とを配置する。そして、位置補正部46cは、図13に示すように、スライスごとにPET画像の天板位置L2をX線CT画像の天板位置L1に一致させるように、スライスをスライドさせて、X線CT画像に対するPET画像の位置合わせを実行する。
【0062】
そして、位置補正部46cは、X線CT画像に対する位置合わせが実行されたPET画像を補正データ47に格納する。制御部48は、図示しない入力部から入力されたPET−CT装置の操作者からの指示に基づいて、例えば、補正データ47によって記憶されたX線CT装置に対する位置合わせが実行されたPET画像を読み出し、読み出したPET画像とX線CT画像とを融合した画像を図示しない表示部に表示させる。
【0063】
このように、実施例1に係るPET−CT装置は、X線CT画像及びPET画像それぞれの天板位置を決定して、決定した天板位置の一方を他方に一致させるように画像補正を行うことで、天板だれが発生した場合にでも容易に画像の重ね合わせを実行することができる。
【0064】
次に、図14を用いて、実施例1に係るPET−CT装置の処理について説明する。図14は、実施例1に係るPET−CT装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。なお、図14においては、被検体に対して連続移動方式によるX線CT検査とステップアンドシュート方式によるPET検査が実行された後の処理について示している。図14に示すように、実施例1に係るPET−CT装置においては、CT画像再構成部42がX線投影データ記憶部41によって記憶されたX線投影データを用いてX線CT画像を再構成する(ステップS101)。
【0065】
そして、減弱マップ生成部43がCT画像再構成部42によって再構成されたX線CT画像を用いて減弱マップを生成する(ステップS102)。その後、PET画像再構成部45が、減弱マップ生成部43によって生成された減弱マップと、ガンマ線投影データ記憶部44によって記憶されたガンマ線投影データとを用いてPET画像を再構成する(ステップS103)。そして、補正部46が減弱マップとPET画像とのずれを補正する(ステップS104)。具体的には、補正部46は、減弱マップをPET画像のずれに合せるように補正して、補正データ47に格納する。
【0066】
そして、PET画像再構成部45は、補正した減弱マップを用いてPET画像の減弱補正を実行する(ステップS105)。具体的には、PET画像再構成部45は、補正データ47によって記憶された減弱マップを用いてPET画像の再構成を実行する。そして、補正部46は、減弱補正後のPET画像とX線CT画像とのずれを補正する(ステップS106)。
【0067】
具体的には、補正部46は、PET画像に対して位置合わせが行われた減弱マップを用いて再構成されたPET画像を、X線CT画像のずれに合せるように補正する。その後、制御部48がPET画像のベッド間の重複領域を重ねて(ステップS107)、補正後のPET画像とCT画像再構成部42によって生成されたX線CT画像とを融合させて(ステップS108)、図示しない表示装置に表示させて処理を終了する。
【0068】
次に、図15を用いて、実施例1に係るPET−CT装置による減弱マップの補正処理について説明する。図15は、実施例1に係るPET−CT装置による減弱マップの補正処理の手順を示すフローチャートである。なお、図15に示す処理は、図14のステップS104に対応する。
【0069】
図15に示すように、実施例1に係るPET−CT装置においては、天板位置算出部46aが減弱マップにおける天板の位置をX線CT画像に基づいて描出する(ステップS201)。そして、パターンマッチング部46bが隣接する再構成画像のパターンマッチングによりベッド間の段差を算出する(ステップS202)。
【0070】
そして、位置補正部46cが、PET画像に減弱マップの天板の位置を配置して(ステップS203)、PET画像の天板の位置を決定する(ステップS204)。具体的には、位置補正部46cは、パターンマッチング部46bによって算出されたベッド間の段差と減弱マップの天板位置とを用いてPET画像の天板位置を決定する。その後、位置補正部46cは、スライスごとに減弱マップの天板の位置をPET画像の天板の位置に合せて(ステップS205)、処理を終了する。
【0071】
次に、図16を用いて、実施例1に係るPET−CT装置によるPET画像の補正処理について説明する。図16は、実施例1に係るPET−CT装置によるPET画像の補正処理の手順を示すフローチャートである。なお、図16に示す処理は、図14のステップS106に対応する。
【0072】
図16に示すように、実施例1に係るPET−CT装置においては、天板位置算出部46aがX線CT画像における天板の位置を描出する(ステップS301)。そして、パターンマッチング部46bが隣接する再構成画像のパターンマッチングによりベッド間の段差を算出する(ステップS302)。
【0073】
そして、位置補正部46cが、PET画像にX線CT画像の天板の位置を配置して(ステップS303)、PET画像の天板の位置を決定する(ステップS304)。具体的には、位置補正部46cは、パターンマッチング部46bによって算出されたベッド間の段差とX線CT画像の天板位置とを用いてPET画像の天板位置を決定する。その後、位置補正部46cは、スライスごとにPET画像の天板の位置をX線CT画像の天板の位置に合せて(ステップS305)、処理を終了する。
【0074】
次に、図17を用いて、実施例1に係るPET−CT装置によるパターンマッチング処理について説明する。図17は、実施例1に係るPET−CT装置によるパターンマッチング処理の手順を示すフローチャートである。なお、図17に示す処理は、図15に示すステップ202及び図16に示すステップS302に対応する。
【0075】
図17に示すように、実施例1に係るPET−CT装置においては、まず、パターンマッチング部46bが隣接する再構成画像を抽出する(ステップS401)。具体的には、パターンマッチング部46bは、隣接するベッド間の重複領域を抽出する。そして、パターンマッチング部46bは、重複領域における被検体部位を抽出して(ステップS402)、隣接するベッドを段階的に移動させる(ステップS403)。
【0076】
その後、パターンマッチング部46bは、被検体部位のずれが最小となるピクセルの移動量を算出して(ステップS404)、ピクセルの移動量を隣接するベッド間の段差として決定して(ステップS405)、処理を終了する。
【0077】
上述したように、実施例1によれば、天板位置算出部46aがX線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する。そして、パターンマッチング部46bが、被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する。そして、位置補正部46cが、天板位置算出部46aにより算出された複数のX線CT画像における天板の位置、およびパターンマッチング部46bにより決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう。従って、実施例1に係るPET−CT装置は、天板だれが発生した場合であっても、PET画像とX線CT画像との重ね合わせを容易に実行することを可能にする。
【0078】
また、実施例1によれば、パターンマッチング部46bが、パターンマッチングを行なうことで、撮像部位が隣り合う核医学画像間で被検体の重複部位の位置を決定する。従って、実施例1に係るPET−CT装置は、天板だれの程度を精度よく検出することを可能にする。
【0079】
また、実施例1によれば、位置補正部46cが、天板位置算出部46aにより算出された複数のX線CT画像における天板の位置、およびパターンマッチング部46bにより決定された複数の核医学画像間のずれに基づいて、各X線CT画像と略同一部位を撮像した核医学画像を再構成するための減弱マップを作成する。従って、実施例1に係るPET−CT装置は、高画質のPET画像を再構成することができる。
【0080】
また、実施例1によれば、天板だれが生じた場合であっても、画像の重ね合わせが容易に行えるようになることから、放射線治療天板に合せた位置合わせが可能となり、従来よりも正確な放射線治療計画が可能となる。
【実施例2】
【0081】
さて、これまで実施例1について説明したが、上述した実施例1以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0082】
(1)核医学イメージング装置
上述した実施例1では、核医学イメージング装置としてPET−CT装置を用いる場合について説明した。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、SPECT―CT装置などの他の核医学イメージング装置を用いる場合であってもよい。
【0083】
(2)補正
上述した実施例1では、PET画像をX線CT画像に対して位置合わせする場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、X線CT画像をPET画像に対して位置合わせする場合であってもよい。
【0084】
(3)減弱マップ
上述した実施例1では、減弱マップを生成した後に、PET画像に対して位置合わせを実行する場合について説明したが、本実施例はこれに限定されるものでなく、例えば、X線CT画像をPET画像に対して位置合わせしたのちに、減弱マップを生成してもよい。
【0085】
なお、上記した実施の形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0086】
以上説明したとおり、実施例1、2によれば、天板だれが生じた場合でも、画像の重ね合わせを容易に行えるようにすることを可能にする。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
1 PET用架台装置
2 CT用架台装置
3 寝台装置
4 コンソール装置
31 天板
32 寝台
42 CT画像再構成部
43 減弱マップ生成部
45 PET画像再構成部
46 補正部
46a 天板位置算出部
46b パターンマッチング部
46c 位置補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する算出部と、
前記被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で前記被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する決定部と、
前記算出部により算出された前記複数のX線CT画像における天板の位置、および前記決定部により決定された前記複数の核医学画像間のずれに基づいて、前記被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう位置合わせ部と、
を備えたことを特徴とする放射線イメージング装置。
【請求項2】
前記決定部は、パターンマッチングを行なうことで、前記撮像部位が隣り合う核医学画像間で前記被検体の重複部位の位置を決定することを特徴とする請求項1に記載の放射線イメージング装置。
【請求項3】
前記算出部により算出された前記複数のX線CT画像における天板の位置、および前記決定部により決定された前記複数の核医学画像間のずれに基づいて、各X線CT画像と略同一部位を撮像した核医学画像を再構成するための減弱マップを作成する作成部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線イメージング装置。
【請求項4】
X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する算出部と、
前記被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で前記被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する決定部と、
前記算出部により決定された前記複数のX線CT画像における天板の位置、および前記決定部により決定された前記複数の核医学画像間のずれに基づいて、前記被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう位置合わせ部と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
X線CT装置によって断層撮像された被検体の複数のX線CT画像において、各X線CT画像に描出された天板の位置を算出する算出手順と、
前記被検体を所定の間隔で重複して撮像した複数の核医学画像において、撮像部位が隣り合う核医学画像間で前記被検体の重複部位の位置を決定することで、各核医学画像間のずれを決定する決定手順と、
前記算出手順により算出された前記複数のX線CT画像における天板の位置、および前記決定手順により決定された前記複数の核医学画像間のずれに基づいて、前記被検体の略同一位置を撮像したX線CT画像および核医学画像の位置合わせを行なう位置合わせ手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−45318(P2012−45318A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192636(P2010−192636)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】