放射線コンピュータ断層撮影装置、医用画像発生装置及び呼吸位相計測装置
【課題】 呼吸動作と呼吸位相とのズレを軽減すること。
【解決手段】 本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集する架台100を有する。呼吸計測部120は、被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する。この呼吸波形の波高値に基づいて、投影データセット抽出部119は画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを投影データから抽出する。
【解決手段】 本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集する架台100を有する。呼吸計測部120は、被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する。この呼吸波形の波高値に基づいて、投影データセット抽出部119は画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを投影データから抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線コンピュータ断層撮影装置、医用画像発生装置及び呼吸位相計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある放射線コンピュータ断層撮影装置(CT)は、呼吸に同期した投影データを収集し、また呼吸に同期した画像を生成するために、呼吸センサを装備する。呼吸センサは、例えば吸気のピークでトリガ信号を出力する。呼吸同期ヘリカルスキャンでは、トリガ信号から特定した呼吸周期に応じてヘリカルピッチが決定される。呼吸同期再構成では、隣り合うトリガ信号の期間を100等分して、各時刻に0%〜100%の呼吸位相を割り当てる。任意の呼吸位相が指定され、その指定された呼吸位相を中心とした期間に収集された投影データから3次元画像が再構成される。複数、例えば10位相を指定した場合、4次元画像を得ることができる。3次元に加えて、呼吸位相という次元を加えて4次元画像を得る。
【0003】
呼吸は、呼吸する毎にその深さが異なる。特に吸気のレベルはばらつきが大きい。トリガの出力された位相(0%)で再構成したとしても、呼吸の深さが異なるため、再構成された画像は、不連続部が生じる。この不連続部は位相が0%でなくとも起こる。呼吸の深さが同じでない限り、この不連続部は避けられないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−136668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、呼吸動作と呼吸位相とのズレを軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集するデータ収集部を有する。呼吸計測部は、被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する。この呼吸波形の波高値に基づいて、データ抽出部は画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを投影データから抽出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。
【図2】図1の架台内部を示す図である。
【図3】被検体の呼吸動作に伴う変位を示す図である。
【図4】図1の呼吸センサの一例を示す図である。
【図5】図1の呼吸センサにより検出される呼吸波形を示す図である。
【図6】図1の呼吸ピーク/ボトム特定部により特定される呼吸ピーク/ボトムを示す図である。
【図7】図1の呼吸位相決定部により波高値に対して割り当てられる呼吸位相に基づいた指定位相に対する同定時刻を示す図である。
【図8】図1の呼吸位相決定部により波高値に対して呼気期間と吸気期間とを識別するときの指定位相に対する同定時刻を示す図である。
【図9】図1のホストコントローラのスキャン制御によるヘリカルスキャンを示す図である。
【図10】図1のホストコントローラのスキャン制御による呼吸同期下のダイナミックスキャンを示す図である。
【図11】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期のタイミングを示す図である。
【図12】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期の他のタイミングを示す図である。
【図13】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期のさらに他のタイミングを示す図である。
【図14】本実施形態による撮影条件設定のためのユーザインタフェースの画面例を示す図である。
【図15】本実施形態による再構成位相設定のためのユーザインタフェースの画面例を示す図である。
【図16】本実施形態によるピッチファクタ決定の概念を示す図である。
【図17】検出器のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる放射線コンピュータ断層撮影装置、医用画像発生装置及び呼吸位相計測装置を説明する。医用画像発生装置は、被検体に関するデータを放射線、超音波又は高周波磁場を用いて収集し、この収集したデータに基づいて医用画像のデータを発生する。医用画像発生装置には、放射線コンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)、超音波診断装置、磁気共鳴映像装置(MRI)が含まれる。放射線コンピュータ断層撮影装置として以下説明する。
【0009】
図1に、本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置の構成をブロック図により示している。図2には図1の架台の内部を示している。架台部100は、Z軸を中心として回転自在に支持される回転フレーム102を有する。回転フレーム102は架台駆動部107により駆動され、回転する。回転フレーム102にはコーンビーム形X線管101と2次元検出器103とが、Z軸を中心とした撮影領域Sを挟んで対向して搭載される。撮影領域Sには図示しないが寝台の天板に載置された被検体が配置される。天板はZ軸方向に任意の速度で移動可能に設けられる。X線管101は、高電圧発生器109から高電圧の印加を受けて、X線を四角錐形に放射する。2次元検出器103は、同時に複数スライス分の投影データを検出できるようにX線焦点Fを中心として円弧状に複数のX線検出素子が配列され、さらにこのX線検出素子列がZ軸方向に複数並列される。
【0010】
2次元検出器103には一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集装置104が接続されている。データ収集装置104には、2次元検出器103の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。
【0011】
データ収集装置104には光学的又は磁気的要素を媒介させる非接触データ伝送装置105を介して前処理装置106が接続される。前処理装置106は、データ収集装置104で検出されたデータに対して、チャンネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正する等の前処理を実行する。前処理装置106で前処理を受けたデータ(投影データ)は投影データ記憶部112に記憶される。投影データには、データ収集時刻に対応するタイムコード、チャンネル番号コード、ビュー角コード、回転回数コード、天板位置コードなどのデータ収集に係る位置及びタイミングに関する属性情報がホストコントローラ110の制御のもとで関連付けられる。
【0012】
投影データセット抽出部119は、操作者が入力装置115を介して入力した所望の心拍位相に対応する投影データセットを、投影データ記憶部112に記憶された投影データから抽出する。投影データセットは、1枚又は1ボリュームの断層画像のデータを再構成するのに要する投影データの1単位である。ヘリカルスキャンでは、補間処理を要するので、典型的には720°分の投影データから投影データセットが構成される。ヘリカルスキャン以外の通常のスキャンでは、360°分の投影データ、ハーフ再構成では180°+ファン角分の投影データから投影データセットが構成される。表示装置116は、再構成された断層画像を表示するために設けられる。
【0013】
スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117は、操作者がスキャン条件/再構成条件を設定する作業を支援するためのスキャン条件/再構成条件の設定画面を生成する。スキャン条件/再構成条件の設定画面は、図14、図15に例示されており、詳細は後述する。
【0014】
ホストコントローラ110は、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117の支援のもとで設定されたスキャン条件にしたがってスキャンを実行するように架台駆動部107、高電圧発生装置109、データ収集回路104、前処理部106等を制御する。ホストコントローラ110は、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117の支援のもとで設定された再構成条件にしたがって断層画像を再構成するように投影データセット抽出部117、再構成処理部118等を制御する。
【0015】
上記スキャン及び再構成処理は、特定のスキャン条件、特定の再構成条件のもとでは、呼吸位相に同期した処理がなされる。被検体の呼吸位相を計測するために呼吸位相計測装置が設けられる。呼吸位相計測装置は、呼吸センサ120を有する。呼吸センサ120は、図3、図5に示す被検体の呼吸動作を測定する機能を有する。周知の通り、呼吸動作は、横隔膜の往復運動に伴なう肺野の拡張収縮である。肺野の拡張収縮に伴って腹部が前後に往復移動をする。図4に示すように、呼吸センサ120は、例えば腹部の往復移動を検出するために、天板などに設置された多関節アーム130に支持されるレーザ測長器128と、レーザ測長器128はレーザ発生器と受光器とからなる。レーザ測長器128が被検体の腹部が往復移動する方向と略平行にレーザを照射する位置及び向きになるよう多関節アーム130の各関節の角度は操作者により調整される。レーザ制御部129はレーザ測長器128のレーザ発生器と受光器とを動作させるとともに、被検体の腹部表面からの反射光の信号を処理してレーザ照射から反射光受光までの時間又は反射光信号の位相変化に基づいてレーザ発生器と被検体の腹部表面との間の距離をリアルタイムでまた繰り返し演算する。
【0016】
なお、この呼吸センサ120は、腹部にバンド状のものを巻き、バンドと腹部の間に圧力センサーを取り付け、圧力の変化により、呼吸の状態を観測するものでもよい。また、腹部上に載せた光反射材を取り付けたものを、カメラで撮影し、光反射材の部分の動きにより、呼吸の状態を観測するものでもよい。ここでは、上記以外のどのようなものであっても呼吸の吸気と呼気の状態を観測するものであればよい。
【0017】
呼吸波形記憶部121は、レーザ制御部129から繰り返し出力されるレーザ発生器と被検体の腹部表面との間の距離を波高値として表している信号のデータ(波高値データ)をタイムコードとともに繰り返し記憶する。この波高値の時間変化は、被検体の呼吸の周期的な動作を反映している。計測期間中の波高値データセットを、以下、単に呼吸波形データと称する。図5、図6には呼吸波形を例示している。当該距離は、図6に示すように吸気では波高値が高くなり、呼気では波高値が低くなるものとして表しているが、呼吸と波高値との関係はそれに限定されない。ここでは吸気では波高値が高くなり、呼気では波高値が低くなるものとして説明する。また呼吸波形としては、距離の絶対値の変化ではなく、例えば測定開始時の距離を基準として当該基準距離からの変位の時間的変動であってもよい。
【0018】
図6に示すように、最大値/最小値選択部125は、呼吸波形から特定した複数のピークからその最小値を選択し、呼吸波形から特定した複数のボトムからその最大値を選択する。呼吸位相決定部127は、ボトムの最大値からピークの最小値までの範囲を百等分した波高値各々に対して、0%から100%までの各呼吸位相を対応付ける。
【0019】
以下、本実施形態の動作を説明する。本実施形態の動作としては、スキャン終了後に所望の呼吸位相を指定するポスト処理と、呼吸同期のもとでスキャンを実行するリアルタイム処理との大別される。まず、ポスト処理について説明する。
【0020】
図14には、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117により生成され、表示装置116に表示されるスキャン条件/再構成条件設定画面を例示している。事前に撮影されたスキャノグラムが、撮影範囲(投影データ収集範囲)を表す四角の枠とともに表示される。操作者は入力装置115を操作して四角の枠のいずれかの辺や頂点をマウスでドラッグした状態で拡大、縮小、移動可能である。ここで示したZ軸方向の範囲、つまり体軸方向の撮影範囲は、画面右下のスキャンの撮影範囲に、自動的に数値で表示される。逆に撮影範囲を数値で入力することで、スキャノグラム上の四角の枠の位置が動く。また、X方向の範囲、つまり被検体の左右方向の撮影範囲は、X線のファン角に依存しており、右下のスキャンウインドウのFOV(Field of View)に自動的に数値で表示される。同じくFOVを数値入力することで、スキャノグラム上の四角の枠の位置が動く。管電圧、管電流はCTスキャンでの一般入力項目である。更にその下(右下)は、再構成条件の設定ウインドウが表示される。再構成範囲、再構成モード、呼吸位相が再構成条件として入力可能である。
【0021】
スキャン前に被検体の平均又は最大の呼吸周期を得るために、呼吸周期取得ボタンが画面中央左側に配置される。このボタンをクリックすることで、ホストコントローラ110は呼吸センサ120、呼吸波形記憶部121等を制御して、スキャン前に例えば5呼吸分の平均又は最大の呼吸周期を得て、これを表示する。
【0022】
例えばヘリカルスキャンモードでは、平均又は最大の呼吸周期に従って図9に示すヘリカルピッチがスキャン条件/再構成条件設定支援処理部117により決められる。ヘリカルピッチは一般的には例えば図9に示すようにX線管101が1回転する時間(t1sec)に天板が移動する距離(V・t1、Vmmは天板の秒速)、または1回転する時間(t1秒)に、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm、図17参照)に対して天板が移動する比率(ピッチファクタPF)として定義される。ピッチファクタPFは、1回転する時間(t1秒)に天板が移動する距離が、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm)より小さくなるように設定される。典型的には、呼吸周期の間に天板が移動する距離が、検出器103のZ軸方向の感度幅の0.8倍となるようにピッチファクタPFが決定される(図16参照)。1呼吸周期をt2sec(t2>t1)とすると、天板移動速度Vは、例えば次のように示すことができる。
【0023】
V[mm/s]=(0.8×W1[mm])/t2[s] (1)
上記の通りピッチファクタPFは1回転する時間(t1秒)に、W1に対して天板が移動する比率として定義されるので、
PF=(V[mm/s]×t1[s])/W1[mm] (2)
よって、(1)式を(2)式に単純に代入すると、
PF=( 0.8×W1[mm] ×t1[s])/(t2[s]×W1[mm])
=0.8× (t1[s])/(t2[s])
つまり、ピッチファクタPFは架台の回転速度と、呼吸周期により求まる。この回転速度と呼吸速度の比は、呼吸周期に対する時間分解能といえる。
【0024】
この回転速度と呼吸速度の比を、例えば、高時間分可能モードでは15、低時間分解能モードでは最大10として、ユーザがこの撮影モードを任意に選択することができる。または、例えばこの比は予め10というように、システム中に設定しておくことで、システムが得られた呼吸周期から最も適した架台の回転速度を求める方法としてもよい。
【0025】
ここまでの設定操作が完了すると、スキャン実行ボタンがクリック可能とされる。スキャン実行ボタンのクリックにより、ホストコントローラ110の制御のもとでスキャンの準備が開始され、キーボードについているハードスイッチである曝射ボタンが点灯後、曝射ボタンを押すことでX線の照射をともなってスキャンが実際に開始される。
【0026】
例えば指定された撮影範囲を上述の通り呼吸周期に応じたヘリカルピッチでヘリカルスキャンが実行される。ヘリカルスキャンに代えて、天板位置が固定した状態で連続的にスキャンが繰り返されるいわゆるダイナミックスキャンであってもよい。スキャン期間中、収集された投影データは投影データ記憶部112に記憶される。それとともに、呼吸センサ120で繰り返し測定された腹部表面の距離変化を反映した経時的な波高値データ、つまり呼吸波形データが呼吸波形記憶部121に記憶される。
【0027】
スキャン完了後、またはスキャン前に事前に、画像再構成に対応する所望の呼吸位相が指定される。図7、図15に示すように、記憶された呼吸波形が表示装置116に表示される。表示された呼吸波形には、所望の呼吸位相を指定するためのカーソルが重ねられる。カーソルの移動及び確定処理により所望の呼吸位相が指定される。指定された所望の呼吸位相に対応する波高値が特定される。
【0028】
なお、呼吸位相決定部127は、吸気と呼気を区別して、吸気から呼気への変化期間(呼気期間)には−100%から0%を割り当て、呼気から吸気への変化期間(吸気期間)には0%から+100%を割り当てるようにしても良い。この場合、図8に示すように、所望の呼吸位相は、呼気期間と吸気期間とを区別して指定される。通常、呼吸に伴って関心部位、例えば腫瘍は往復移動を繰り返すが、その移動経路は往路と復路とで相違する。従って呼気期間と吸気期間とを区別することは有効である。
【0029】
呼吸位相の割り当て設定条件、例えば開始位相、終了位相、位相間隔の初期設定は任意である。例えば、開始0%、終了100%、間隔10%と入力されれば、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%の呼吸位相が割り当てられ、それらの呼吸位相から指定された呼吸位相に対応する画像が再構成される。吸気と呼気を分けて、−100%、−80、−60、−40、−20、0、20、40、60又は80%の所望の呼吸位相が指定されると、指定された呼吸位相に対応する波高値を示す時刻を中心として投影データセットが抽出され、所望の呼吸位相に対応する断層画像が再構成されることとなる。ヘリカルスキャンでは、補間処理を要するので、典型的には720°分の投影データから投影データセットが構成される。
【0030】
このように本実施形態では、所望の呼吸位相は、それに対応する波高値として指定される。この波高値による指定方法は、従来の所望の呼吸位相の指定方法である時間位相指定とは明確に区別される。従来の所望の呼吸位相の指定方法では、波高値ピークから次の呼吸周期の波高値ピークまでの期間を百等分して、それぞれに0%から+100%の呼吸位相を割り当てる。そして所望の呼吸位相に対応する時刻を中心として投影データセットが抽出され、抽出された投影データセットから断層画像が再構成される。
【0031】
それに対して本実施形態による波高値指定方法では、図7に示すように、呼吸位相が呼吸波形上のボトムの最大値とピークの最小値との間に割り当てられ、所望の呼吸位相に対応する波高値に一致した時刻を中心として、画像再構成に必要な角度分の投影データセットが抽出され、抽出された投影データセットから断層画像が再構成される。
【0032】
なお、図15に示すように、本実施形態では再構成モードを従来の時間位相指定方法と波高値指定方法とから選択的に指定することができるようになっている。下半分に呼吸波形が示され、ここに前記で自動設定された0%と100%が示される。この0%と100%の波高値は、CTが設定した波高値をオペレータが変更可能とする。これにより、人の目で呼吸波形を見て0%と100%を設定できるので、オペレータの妥当とする波高値の基準が設定できる。
【0033】
例えば、0%と100%のラインを呼吸波形中に示し、これをマウスでつまんで、動かすことで、オペレータは任意の位置にラインを設定できる。ここではラインとマウスで実現される方法を示したが、0%と100%ラインを波高値で入力しても構わないし、0%や100%のラインを選択して、キーボードの上下キーを使って上下に移動させる方法もある。呼吸波形は詳細に観察し、0%や100%の位置を調整する部分(図15の左下)と、スキャン中の一連の呼吸波形が全て示され、全体が見れる部分(図15の右下)とに分けられる。前者の画面はいずれの呼吸波形も詳細に観察可能なように、スクロールバーがついており、これを移動させることで、全体の呼吸波形の中のどの部分を表示するかを選択できる。
【0034】
次に、呼吸同期のもとでスキャンを実行するリアルタイム処理の代表的な例として、呼吸同期ダイナミックスキャンについて説明する。もちろん、ヘリカルスキャンをリアルタイムに呼吸同期させるようにしてもよい。当該呼吸同期ダイナミックスキャンでは、図10、図11に示すように、スキャンと寝台の天板移動とが交互に繰り返される。1回の天板移動距離(単位距離)は、投影データがZ軸方向に連続的に繋がって、投影データにギャップ(空白区間)が生じないように、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm)に設定される。
【0035】
ホストコントローラ110では、呼吸センサ120から出力される波高値データに従って、波高値が吸気ピークを過ぎて最初に呼吸位相の例えば100%に対応する波高値に達する時刻から、波高値が呼気ボトムを過ぎて最初に同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの期間中にX線照射を伴ってスキャンを繰り返す。そしてX線照射を停止した状態で天板を移動させる。典型的には天板移動期間中もX線管101の回転は継続される。上記単位距離を天板が移動して停止した以後、最初に波高値が呼吸位相の100%に対応する波高値に達した時刻から、次に波高値が同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの呼吸周期の期間中にX線照射を伴ってスキャンを繰り返す。このように呼吸同期のもとで、スキャンと天板移動とを交互に繰り返しながら、撮影領域全域にわたる投影データを収集する。
【0036】
画像再構成のための投影データセットの抽出処理に関しては、ヘリカルスキャンの場合と同様であり、再構成のために指定された呼吸位相に応じた波高値を示す時刻を中心として360°、又は180°+ファン角分の投影データが投影データセットとして抽出される。
【0037】
なお、図12に示すように、スキャン期間端部のここでは呼吸位相100%の時刻を中心として360°、又は180°+ファン角分の投影データが揃うように、スキャン期間を前後に図11のそれに比較して拡大することも可能である。拡大期間は、X線管101が180°又は90°+(ファン角/2)の角度を回転するのに要する時間Δtである。
【0038】
スキャン期間の拡大方法はこれに限定されず、例えば図13に示すように呼気ボトムを過ぎて波高値が最初に呼吸位相の例えば100%に対応する波高値に達する時刻から、次に波高値が2回目の吸気ピークを過ぎて最初に同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの期間に拡大することができる。
【0039】
なお、被検体の前面と背面からはX線を弱く、側面からはX線を強くすることにより、同じ画質(画像標準偏差(SD))を得るように被曝量を低減させる機能が装備される。この機能は、ホストコントローラ110がX線官101の回転角度に従って高電圧発生装置109を動的に制御して管電流を、患者の体位により、例えば、サイン波状に変化させることにより実現する。適切な管電流を求めるために、スキャノ画像を使う。呼吸同期ヘリカルスキャン、呼吸同期ダイナミックスキャンの両方に適用する。再構成された3次元画像を、呼吸位相を時間として、MPRや立体表示として、4次元表示する機能を持つ。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
100…架台、101…X線管、102…回転フレーム、103…2次元検出器、104…データ収集回路、105…非接触データ伝送装置、106…前処理装置、107…架台駆動部、108…スリップリング、109…高電圧発生装置、110…ホストコントローラ、112…投影データ記憶部、115…入力装置、116…表示装置、118…ボリューム再構成処理部、119…投影データセット抽出部、121…呼吸波形記憶部、123…呼吸ピーク/ボトム特定部、125…最大値/最小値選択部、127…呼吸位相決定部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線コンピュータ断層撮影装置、医用画像発生装置及び呼吸位相計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある放射線コンピュータ断層撮影装置(CT)は、呼吸に同期した投影データを収集し、また呼吸に同期した画像を生成するために、呼吸センサを装備する。呼吸センサは、例えば吸気のピークでトリガ信号を出力する。呼吸同期ヘリカルスキャンでは、トリガ信号から特定した呼吸周期に応じてヘリカルピッチが決定される。呼吸同期再構成では、隣り合うトリガ信号の期間を100等分して、各時刻に0%〜100%の呼吸位相を割り当てる。任意の呼吸位相が指定され、その指定された呼吸位相を中心とした期間に収集された投影データから3次元画像が再構成される。複数、例えば10位相を指定した場合、4次元画像を得ることができる。3次元に加えて、呼吸位相という次元を加えて4次元画像を得る。
【0003】
呼吸は、呼吸する毎にその深さが異なる。特に吸気のレベルはばらつきが大きい。トリガの出力された位相(0%)で再構成したとしても、呼吸の深さが異なるため、再構成された画像は、不連続部が生じる。この不連続部は位相が0%でなくとも起こる。呼吸の深さが同じでない限り、この不連続部は避けられないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−136668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、呼吸動作と呼吸位相とのズレを軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集するデータ収集部を有する。呼吸計測部は、被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する。この呼吸波形の波高値に基づいて、データ抽出部は画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを投影データから抽出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。
【図2】図1の架台内部を示す図である。
【図3】被検体の呼吸動作に伴う変位を示す図である。
【図4】図1の呼吸センサの一例を示す図である。
【図5】図1の呼吸センサにより検出される呼吸波形を示す図である。
【図6】図1の呼吸ピーク/ボトム特定部により特定される呼吸ピーク/ボトムを示す図である。
【図7】図1の呼吸位相決定部により波高値に対して割り当てられる呼吸位相に基づいた指定位相に対する同定時刻を示す図である。
【図8】図1の呼吸位相決定部により波高値に対して呼気期間と吸気期間とを識別するときの指定位相に対する同定時刻を示す図である。
【図9】図1のホストコントローラのスキャン制御によるヘリカルスキャンを示す図である。
【図10】図1のホストコントローラのスキャン制御による呼吸同期下のダイナミックスキャンを示す図である。
【図11】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期のタイミングを示す図である。
【図12】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期の他のタイミングを示す図である。
【図13】図10のダイナミックスキャンにおける呼吸同期のさらに他のタイミングを示す図である。
【図14】本実施形態による撮影条件設定のためのユーザインタフェースの画面例を示す図である。
【図15】本実施形態による再構成位相設定のためのユーザインタフェースの画面例を示す図である。
【図16】本実施形態によるピッチファクタ決定の概念を示す図である。
【図17】検出器のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる放射線コンピュータ断層撮影装置、医用画像発生装置及び呼吸位相計測装置を説明する。医用画像発生装置は、被検体に関するデータを放射線、超音波又は高周波磁場を用いて収集し、この収集したデータに基づいて医用画像のデータを発生する。医用画像発生装置には、放射線コンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)、超音波診断装置、磁気共鳴映像装置(MRI)が含まれる。放射線コンピュータ断層撮影装置として以下説明する。
【0009】
図1に、本実施形態に係る放射線コンピュータ断層撮影装置の構成をブロック図により示している。図2には図1の架台の内部を示している。架台部100は、Z軸を中心として回転自在に支持される回転フレーム102を有する。回転フレーム102は架台駆動部107により駆動され、回転する。回転フレーム102にはコーンビーム形X線管101と2次元検出器103とが、Z軸を中心とした撮影領域Sを挟んで対向して搭載される。撮影領域Sには図示しないが寝台の天板に載置された被検体が配置される。天板はZ軸方向に任意の速度で移動可能に設けられる。X線管101は、高電圧発生器109から高電圧の印加を受けて、X線を四角錐形に放射する。2次元検出器103は、同時に複数スライス分の投影データを検出できるようにX線焦点Fを中心として円弧状に複数のX線検出素子が配列され、さらにこのX線検出素子列がZ軸方向に複数並列される。
【0010】
2次元検出器103には一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集装置104が接続されている。データ収集装置104には、2次元検出器103の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。
【0011】
データ収集装置104には光学的又は磁気的要素を媒介させる非接触データ伝送装置105を介して前処理装置106が接続される。前処理装置106は、データ収集装置104で検出されたデータに対して、チャンネル間の感度不均一を補正し、またX線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下又は信号脱落を補正する等の前処理を実行する。前処理装置106で前処理を受けたデータ(投影データ)は投影データ記憶部112に記憶される。投影データには、データ収集時刻に対応するタイムコード、チャンネル番号コード、ビュー角コード、回転回数コード、天板位置コードなどのデータ収集に係る位置及びタイミングに関する属性情報がホストコントローラ110の制御のもとで関連付けられる。
【0012】
投影データセット抽出部119は、操作者が入力装置115を介して入力した所望の心拍位相に対応する投影データセットを、投影データ記憶部112に記憶された投影データから抽出する。投影データセットは、1枚又は1ボリュームの断層画像のデータを再構成するのに要する投影データの1単位である。ヘリカルスキャンでは、補間処理を要するので、典型的には720°分の投影データから投影データセットが構成される。ヘリカルスキャン以外の通常のスキャンでは、360°分の投影データ、ハーフ再構成では180°+ファン角分の投影データから投影データセットが構成される。表示装置116は、再構成された断層画像を表示するために設けられる。
【0013】
スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117は、操作者がスキャン条件/再構成条件を設定する作業を支援するためのスキャン条件/再構成条件の設定画面を生成する。スキャン条件/再構成条件の設定画面は、図14、図15に例示されており、詳細は後述する。
【0014】
ホストコントローラ110は、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117の支援のもとで設定されたスキャン条件にしたがってスキャンを実行するように架台駆動部107、高電圧発生装置109、データ収集回路104、前処理部106等を制御する。ホストコントローラ110は、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117の支援のもとで設定された再構成条件にしたがって断層画像を再構成するように投影データセット抽出部117、再構成処理部118等を制御する。
【0015】
上記スキャン及び再構成処理は、特定のスキャン条件、特定の再構成条件のもとでは、呼吸位相に同期した処理がなされる。被検体の呼吸位相を計測するために呼吸位相計測装置が設けられる。呼吸位相計測装置は、呼吸センサ120を有する。呼吸センサ120は、図3、図5に示す被検体の呼吸動作を測定する機能を有する。周知の通り、呼吸動作は、横隔膜の往復運動に伴なう肺野の拡張収縮である。肺野の拡張収縮に伴って腹部が前後に往復移動をする。図4に示すように、呼吸センサ120は、例えば腹部の往復移動を検出するために、天板などに設置された多関節アーム130に支持されるレーザ測長器128と、レーザ測長器128はレーザ発生器と受光器とからなる。レーザ測長器128が被検体の腹部が往復移動する方向と略平行にレーザを照射する位置及び向きになるよう多関節アーム130の各関節の角度は操作者により調整される。レーザ制御部129はレーザ測長器128のレーザ発生器と受光器とを動作させるとともに、被検体の腹部表面からの反射光の信号を処理してレーザ照射から反射光受光までの時間又は反射光信号の位相変化に基づいてレーザ発生器と被検体の腹部表面との間の距離をリアルタイムでまた繰り返し演算する。
【0016】
なお、この呼吸センサ120は、腹部にバンド状のものを巻き、バンドと腹部の間に圧力センサーを取り付け、圧力の変化により、呼吸の状態を観測するものでもよい。また、腹部上に載せた光反射材を取り付けたものを、カメラで撮影し、光反射材の部分の動きにより、呼吸の状態を観測するものでもよい。ここでは、上記以外のどのようなものであっても呼吸の吸気と呼気の状態を観測するものであればよい。
【0017】
呼吸波形記憶部121は、レーザ制御部129から繰り返し出力されるレーザ発生器と被検体の腹部表面との間の距離を波高値として表している信号のデータ(波高値データ)をタイムコードとともに繰り返し記憶する。この波高値の時間変化は、被検体の呼吸の周期的な動作を反映している。計測期間中の波高値データセットを、以下、単に呼吸波形データと称する。図5、図6には呼吸波形を例示している。当該距離は、図6に示すように吸気では波高値が高くなり、呼気では波高値が低くなるものとして表しているが、呼吸と波高値との関係はそれに限定されない。ここでは吸気では波高値が高くなり、呼気では波高値が低くなるものとして説明する。また呼吸波形としては、距離の絶対値の変化ではなく、例えば測定開始時の距離を基準として当該基準距離からの変位の時間的変動であってもよい。
【0018】
図6に示すように、最大値/最小値選択部125は、呼吸波形から特定した複数のピークからその最小値を選択し、呼吸波形から特定した複数のボトムからその最大値を選択する。呼吸位相決定部127は、ボトムの最大値からピークの最小値までの範囲を百等分した波高値各々に対して、0%から100%までの各呼吸位相を対応付ける。
【0019】
以下、本実施形態の動作を説明する。本実施形態の動作としては、スキャン終了後に所望の呼吸位相を指定するポスト処理と、呼吸同期のもとでスキャンを実行するリアルタイム処理との大別される。まず、ポスト処理について説明する。
【0020】
図14には、スキャン条件/再構成条件設定支援処理部117により生成され、表示装置116に表示されるスキャン条件/再構成条件設定画面を例示している。事前に撮影されたスキャノグラムが、撮影範囲(投影データ収集範囲)を表す四角の枠とともに表示される。操作者は入力装置115を操作して四角の枠のいずれかの辺や頂点をマウスでドラッグした状態で拡大、縮小、移動可能である。ここで示したZ軸方向の範囲、つまり体軸方向の撮影範囲は、画面右下のスキャンの撮影範囲に、自動的に数値で表示される。逆に撮影範囲を数値で入力することで、スキャノグラム上の四角の枠の位置が動く。また、X方向の範囲、つまり被検体の左右方向の撮影範囲は、X線のファン角に依存しており、右下のスキャンウインドウのFOV(Field of View)に自動的に数値で表示される。同じくFOVを数値入力することで、スキャノグラム上の四角の枠の位置が動く。管電圧、管電流はCTスキャンでの一般入力項目である。更にその下(右下)は、再構成条件の設定ウインドウが表示される。再構成範囲、再構成モード、呼吸位相が再構成条件として入力可能である。
【0021】
スキャン前に被検体の平均又は最大の呼吸周期を得るために、呼吸周期取得ボタンが画面中央左側に配置される。このボタンをクリックすることで、ホストコントローラ110は呼吸センサ120、呼吸波形記憶部121等を制御して、スキャン前に例えば5呼吸分の平均又は最大の呼吸周期を得て、これを表示する。
【0022】
例えばヘリカルスキャンモードでは、平均又は最大の呼吸周期に従って図9に示すヘリカルピッチがスキャン条件/再構成条件設定支援処理部117により決められる。ヘリカルピッチは一般的には例えば図9に示すようにX線管101が1回転する時間(t1sec)に天板が移動する距離(V・t1、Vmmは天板の秒速)、または1回転する時間(t1秒)に、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm、図17参照)に対して天板が移動する比率(ピッチファクタPF)として定義される。ピッチファクタPFは、1回転する時間(t1秒)に天板が移動する距離が、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm)より小さくなるように設定される。典型的には、呼吸周期の間に天板が移動する距離が、検出器103のZ軸方向の感度幅の0.8倍となるようにピッチファクタPFが決定される(図16参照)。1呼吸周期をt2sec(t2>t1)とすると、天板移動速度Vは、例えば次のように示すことができる。
【0023】
V[mm/s]=(0.8×W1[mm])/t2[s] (1)
上記の通りピッチファクタPFは1回転する時間(t1秒)に、W1に対して天板が移動する比率として定義されるので、
PF=(V[mm/s]×t1[s])/W1[mm] (2)
よって、(1)式を(2)式に単純に代入すると、
PF=( 0.8×W1[mm] ×t1[s])/(t2[s]×W1[mm])
=0.8× (t1[s])/(t2[s])
つまり、ピッチファクタPFは架台の回転速度と、呼吸周期により求まる。この回転速度と呼吸速度の比は、呼吸周期に対する時間分解能といえる。
【0024】
この回転速度と呼吸速度の比を、例えば、高時間分可能モードでは15、低時間分解能モードでは最大10として、ユーザがこの撮影モードを任意に選択することができる。または、例えばこの比は予め10というように、システム中に設定しておくことで、システムが得られた呼吸周期から最も適した架台の回転速度を求める方法としてもよい。
【0025】
ここまでの設定操作が完了すると、スキャン実行ボタンがクリック可能とされる。スキャン実行ボタンのクリックにより、ホストコントローラ110の制御のもとでスキャンの準備が開始され、キーボードについているハードスイッチである曝射ボタンが点灯後、曝射ボタンを押すことでX線の照射をともなってスキャンが実際に開始される。
【0026】
例えば指定された撮影範囲を上述の通り呼吸周期に応じたヘリカルピッチでヘリカルスキャンが実行される。ヘリカルスキャンに代えて、天板位置が固定した状態で連続的にスキャンが繰り返されるいわゆるダイナミックスキャンであってもよい。スキャン期間中、収集された投影データは投影データ記憶部112に記憶される。それとともに、呼吸センサ120で繰り返し測定された腹部表面の距離変化を反映した経時的な波高値データ、つまり呼吸波形データが呼吸波形記憶部121に記憶される。
【0027】
スキャン完了後、またはスキャン前に事前に、画像再構成に対応する所望の呼吸位相が指定される。図7、図15に示すように、記憶された呼吸波形が表示装置116に表示される。表示された呼吸波形には、所望の呼吸位相を指定するためのカーソルが重ねられる。カーソルの移動及び確定処理により所望の呼吸位相が指定される。指定された所望の呼吸位相に対応する波高値が特定される。
【0028】
なお、呼吸位相決定部127は、吸気と呼気を区別して、吸気から呼気への変化期間(呼気期間)には−100%から0%を割り当て、呼気から吸気への変化期間(吸気期間)には0%から+100%を割り当てるようにしても良い。この場合、図8に示すように、所望の呼吸位相は、呼気期間と吸気期間とを区別して指定される。通常、呼吸に伴って関心部位、例えば腫瘍は往復移動を繰り返すが、その移動経路は往路と復路とで相違する。従って呼気期間と吸気期間とを区別することは有効である。
【0029】
呼吸位相の割り当て設定条件、例えば開始位相、終了位相、位相間隔の初期設定は任意である。例えば、開始0%、終了100%、間隔10%と入力されれば、0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%の呼吸位相が割り当てられ、それらの呼吸位相から指定された呼吸位相に対応する画像が再構成される。吸気と呼気を分けて、−100%、−80、−60、−40、−20、0、20、40、60又は80%の所望の呼吸位相が指定されると、指定された呼吸位相に対応する波高値を示す時刻を中心として投影データセットが抽出され、所望の呼吸位相に対応する断層画像が再構成されることとなる。ヘリカルスキャンでは、補間処理を要するので、典型的には720°分の投影データから投影データセットが構成される。
【0030】
このように本実施形態では、所望の呼吸位相は、それに対応する波高値として指定される。この波高値による指定方法は、従来の所望の呼吸位相の指定方法である時間位相指定とは明確に区別される。従来の所望の呼吸位相の指定方法では、波高値ピークから次の呼吸周期の波高値ピークまでの期間を百等分して、それぞれに0%から+100%の呼吸位相を割り当てる。そして所望の呼吸位相に対応する時刻を中心として投影データセットが抽出され、抽出された投影データセットから断層画像が再構成される。
【0031】
それに対して本実施形態による波高値指定方法では、図7に示すように、呼吸位相が呼吸波形上のボトムの最大値とピークの最小値との間に割り当てられ、所望の呼吸位相に対応する波高値に一致した時刻を中心として、画像再構成に必要な角度分の投影データセットが抽出され、抽出された投影データセットから断層画像が再構成される。
【0032】
なお、図15に示すように、本実施形態では再構成モードを従来の時間位相指定方法と波高値指定方法とから選択的に指定することができるようになっている。下半分に呼吸波形が示され、ここに前記で自動設定された0%と100%が示される。この0%と100%の波高値は、CTが設定した波高値をオペレータが変更可能とする。これにより、人の目で呼吸波形を見て0%と100%を設定できるので、オペレータの妥当とする波高値の基準が設定できる。
【0033】
例えば、0%と100%のラインを呼吸波形中に示し、これをマウスでつまんで、動かすことで、オペレータは任意の位置にラインを設定できる。ここではラインとマウスで実現される方法を示したが、0%と100%ラインを波高値で入力しても構わないし、0%や100%のラインを選択して、キーボードの上下キーを使って上下に移動させる方法もある。呼吸波形は詳細に観察し、0%や100%の位置を調整する部分(図15の左下)と、スキャン中の一連の呼吸波形が全て示され、全体が見れる部分(図15の右下)とに分けられる。前者の画面はいずれの呼吸波形も詳細に観察可能なように、スクロールバーがついており、これを移動させることで、全体の呼吸波形の中のどの部分を表示するかを選択できる。
【0034】
次に、呼吸同期のもとでスキャンを実行するリアルタイム処理の代表的な例として、呼吸同期ダイナミックスキャンについて説明する。もちろん、ヘリカルスキャンをリアルタイムに呼吸同期させるようにしてもよい。当該呼吸同期ダイナミックスキャンでは、図10、図11に示すように、スキャンと寝台の天板移動とが交互に繰り返される。1回の天板移動距離(単位距離)は、投影データがZ軸方向に連続的に繋がって、投影データにギャップ(空白区間)が生じないように、検出器103のZ軸方向に関する感度幅のX線コーン角に応じたZ軸上の相対距離(W1mm)に設定される。
【0035】
ホストコントローラ110では、呼吸センサ120から出力される波高値データに従って、波高値が吸気ピークを過ぎて最初に呼吸位相の例えば100%に対応する波高値に達する時刻から、波高値が呼気ボトムを過ぎて最初に同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの期間中にX線照射を伴ってスキャンを繰り返す。そしてX線照射を停止した状態で天板を移動させる。典型的には天板移動期間中もX線管101の回転は継続される。上記単位距離を天板が移動して停止した以後、最初に波高値が呼吸位相の100%に対応する波高値に達した時刻から、次に波高値が同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの呼吸周期の期間中にX線照射を伴ってスキャンを繰り返す。このように呼吸同期のもとで、スキャンと天板移動とを交互に繰り返しながら、撮影領域全域にわたる投影データを収集する。
【0036】
画像再構成のための投影データセットの抽出処理に関しては、ヘリカルスキャンの場合と同様であり、再構成のために指定された呼吸位相に応じた波高値を示す時刻を中心として360°、又は180°+ファン角分の投影データが投影データセットとして抽出される。
【0037】
なお、図12に示すように、スキャン期間端部のここでは呼吸位相100%の時刻を中心として360°、又は180°+ファン角分の投影データが揃うように、スキャン期間を前後に図11のそれに比較して拡大することも可能である。拡大期間は、X線管101が180°又は90°+(ファン角/2)の角度を回転するのに要する時間Δtである。
【0038】
スキャン期間の拡大方法はこれに限定されず、例えば図13に示すように呼気ボトムを過ぎて波高値が最初に呼吸位相の例えば100%に対応する波高値に達する時刻から、次に波高値が2回目の吸気ピークを過ぎて最初に同じ呼吸位相に対応する波高値に達する時刻までの期間に拡大することができる。
【0039】
なお、被検体の前面と背面からはX線を弱く、側面からはX線を強くすることにより、同じ画質(画像標準偏差(SD))を得るように被曝量を低減させる機能が装備される。この機能は、ホストコントローラ110がX線官101の回転角度に従って高電圧発生装置109を動的に制御して管電流を、患者の体位により、例えば、サイン波状に変化させることにより実現する。適切な管電流を求めるために、スキャノ画像を使う。呼吸同期ヘリカルスキャン、呼吸同期ダイナミックスキャンの両方に適用する。再構成された3次元画像を、呼吸位相を時間として、MPRや立体表示として、4次元表示する機能を持つ。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
100…架台、101…X線管、102…回転フレーム、103…2次元検出器、104…データ収集回路、105…非接触データ伝送装置、106…前処理装置、107…架台駆動部、108…スリップリング、109…高電圧発生装置、110…ホストコントローラ、112…投影データ記憶部、115…入力装置、116…表示装置、118…ボリューム再構成処理部、119…投影データセット抽出部、121…呼吸波形記憶部、123…呼吸ピーク/ボトム特定部、125…最大値/最小値選択部、127…呼吸位相決定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に関する投影データを収集するデータ収集部と、
前記被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいて、画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを前記投影データから抽出するデータ抽出部と、
前記抽出された投影データセットに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記特定された複数のピーク値から最小値を選択し、前記特定された複数のボトム値から最大値を選択する最小値/最大値選択部と、
前記選択された最大値と最小値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記呼吸波形を、前記特定された複数のピーク値の位置を表す複数のピークマークと前記特定された複数のボトム値の位置を表す複数のボトムマークとともに表示する表示部と、
前記表示された複数のピークマークから任意のピークマークを指定し、前記表示された複数のボトムマークから任意のボトムマークを指定するための指定操作部と、
前記指定されたピークマークに対応するピーク値と前記指定されたボトムマークに対応するボトム値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記ピーク/ボトム特定部は、前記呼吸波形から呼吸周期ごとにピーク値とボトム値とを特定することを特徴とする請求項2又は3記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記呼吸波形を表示する表示部と、
前記表示された呼吸波形上に任意の波高値範囲を指定するための指定操作部と、
前記指定された波高値範囲内の複数の波高値に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】
前記データ抽出部は、操作者により指定された呼吸位相に対応する波高値を示す時刻を中心として前記投影データセットを抽出することを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項7】
前記データ収集部は、前記呼吸波形の波高値に基づいて前記投影データの収集と停止とを繰り返すことを特徴とする請求項6記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項8】
前記収集した投影データから前記投影データセットが揃わないとき、所定のメッセージを表示することを特徴とする請求項7記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項9】
被検体に関する投影データを収集するデータ収集部と、
前記被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいて前記投影データの収集と停止とが繰り返されるように前記データ収集部を制御する制御部と、
前記収集された投影データに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項10】
被検体に関するデータを放射線、超音波又は高周波磁場を用いて収集するデータ収集部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいてデータセットを前記データから抽出するデータ抽出部と、
前記抽出されたデータセットに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする医用画像発生装置。
【請求項11】
被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記特定された複数のピーク値から最小値を選択し、前記特定された複数のボトム値から最大値を選択する最小値/最大値選択部と、
前記選択された最大値と最小値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とを具備することを特徴とする呼吸位相計測装置。
【請求項1】
被検体に関する投影データを収集するデータ収集部と、
前記被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいて、画像再構成に要する角度範囲に対応する投影データセットを前記投影データから抽出するデータ抽出部と、
前記抽出された投影データセットに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記特定された複数のピーク値から最小値を選択し、前記特定された複数のボトム値から最大値を選択する最小値/最大値選択部と、
前記選択された最大値と最小値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記呼吸波形を、前記特定された複数のピーク値の位置を表す複数のピークマークと前記特定された複数のボトム値の位置を表す複数のボトムマークとともに表示する表示部と、
前記表示された複数のピークマークから任意のピークマークを指定し、前記表示された複数のボトムマークから任意のボトムマークを指定するための指定操作部と、
前記指定されたピークマークに対応するピーク値と前記指定されたボトムマークに対応するボトム値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記ピーク/ボトム特定部は、前記呼吸波形から呼吸周期ごとにピーク値とボトム値とを特定することを特徴とする請求項2又は3記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記呼吸波形を表示する表示部と、
前記表示された呼吸波形上に任意の波高値範囲を指定するための指定操作部と、
前記指定された波高値範囲内の複数の波高値に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項6】
前記データ抽出部は、操作者により指定された呼吸位相に対応する波高値を示す時刻を中心として前記投影データセットを抽出することを特徴とする請求項1記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項7】
前記データ収集部は、前記呼吸波形の波高値に基づいて前記投影データの収集と停止とを繰り返すことを特徴とする請求項6記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項8】
前記収集した投影データから前記投影データセットが揃わないとき、所定のメッセージを表示することを特徴とする請求項7記載の放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項9】
被検体に関する投影データを収集するデータ収集部と、
前記被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいて前記投影データの収集と停止とが繰り返されるように前記データ収集部を制御する制御部と、
前記収集された投影データに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする放射線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項10】
被検体に関するデータを放射線、超音波又は高周波磁場を用いて収集するデータ収集部と、
前記呼吸波形の波高値に基づいてデータセットを前記データから抽出するデータ抽出部と、
前記抽出されたデータセットに基づいて画像データを再構成する再構成部と、
前記画像データを表示する表示部とを具備することを特徴とする医用画像発生装置。
【請求項11】
被検体の呼吸動作を計測して、呼吸波形を発生する呼吸計測部と、
前記呼吸波形から複数の呼吸周期にわたって複数のピーク値と複数のボトム値とを特定するピーク/ボトム特定部と、
前記特定された複数のピーク値から最小値を選択し、前記特定された複数のボトム値から最大値を選択する最小値/最大値選択部と、
前記選択された最大値と最小値との間の波高値範囲に複数の呼吸位相を割り当てる呼吸位相割当部とを具備することを特徴とする呼吸位相計測装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−19892(P2012−19892A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159048(P2010−159048)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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