説明

放射線センサ、ウエハ、センサモジュールおよび放射線センサの製造方法

放射線センサ(10)は、支持体(1)と、支持体の一表面に形成される凹部または貫通孔であってもよいキャビティ(2)と、キャビティの上方に、好適にはキャビティ(2)を覆う薄膜(3)上に形成されるセンサ素子(4,4a,4b)と、センサ素子(4,4a,4b)の電気端子(5,5a,5b)とを含む。支持体(1)の表面のキャビティは、完全にまたは部分的に丸い外形を有している。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部分に従う放射線センサ、ウエハ、センサモジュールおよび放射線センサの製造方法に関する。
【0002】
放射線センサ類は、入射光、たとえば赤外線(λ>700nm)が、温度または温度変化に従って電気信号を生成するセンサ素子を加熱することによって、変化を起こすように設計され得る。温度変化はしばしば相対的に小さいので、比較的低い入射熱量の非感熱領域への拡散(熱短絡)を最小限まで制限するために、実際のセンサ素子の充分な断熱が要求される。フレーム上に薄膜を設けて、前記薄膜上にセンサ素子を形成することは周知であるので、センサ素子自体は大型のヒートシンクに直接接触しないであろう。典型的な実施の形態が図11において示されている。たとえばシリコンから成るフレーム111は、貫通孔であってもよい矩形キャビティ112を取り囲んでいる。薄膜113はキャビティ122の上方に引き伸ばされて固定され、センサ素子104は薄膜上に取り付けられているので、電気的に有効な領域は大型のヒートシンク上ではなく、薄膜上に配置される。接点105はセンサ素子114の極の下に達し、結果として生じる電気信号を電気的に抽出するために使用できる。接点のボンディングパット115a,bはフレーム上、通常フレームの幅の広いバー101a上に配置されるので、薄膜113はボンディング工程の間損傷を受けない。通常センサ素子の寸法は、数mmの辺長さ、センサ素子の辺長さ50〜90%のキャビティの直径および数μmの膜厚を含む。この構造の不利な点は、キャビティ112の角部のために薄膜の懸架が前記角部において不連続になり、歪みおよびしわが起こり得ることである。前記比較的幅の広いバーが接点115のボンディングパッドのために設けられる必要があるので、全体構造は比較的「大きく」なる。
【0003】
さらに、ほぼ丸い孔が基板に形成される圧力センサが周知である。孔は薄膜によって完全に被覆されており、薄膜は前面と後面との間の圧力差に従って変化して、たとえば容量的に、直流的に、またはピエゾ抵抗的に評価可能である。そのようなセンサの幾何学的寸法は、放射線センサの幾何学的寸法よりも通常相当大きいので、孔の形成に関する製造精度の要求はあまり厳しくされない。小型の気圧センサの場合、孔を被覆する薄膜は(機械力にも耐えなければならないので)放射線センサの薄膜よりも厚く、耐久性があり、この点においても孔の形成は異なる、特に粗い方法で行われ得る。
【0004】
基板表面からの材料の選択的な除去は、除去しない表面領域をマスクすることによって、および残余の露光領域をエッチング剤にさらすことによって通常行われ得る。マスクしていない部分から始めるので、材料は基板の深さまで除去されるであろう。しかしながら、これに関していくつかの問題に直面するおそれがある。
【0005】
・エッチング剤は露光された表面領域だけでなく、マスク材料までエッチングするであろう。作用時間に応じて、マスクの浸食または完全な除去、その後に保護すべき基板表面の除去が起こり得る。
・アンダエッチングが起こり得る。これはマスクの下で、側面エッチングが形成されるキャビティの側壁から起こることを意味するので、マスク層の下の辺縁は不規則で不明瞭である。そのうえ、結果として生じるキャビティの壁は滑らかではない。
・基板上の1つのキャビティ内の、および/または複数のキャビティにわたる不均一なエッチングレートによって、規定できない深さとなる。
・エッチングされた材料の望ましくない再堆積。エッチングで除かれた基板および/もしくはマスクの材料は、望ましくない方法で堆積し、または基板上および/もしくはエッチング装置上の好ましくない位置において堆積し、実用にならない結果、またはもはや機能しないエッチング装置の原因となり得る。
・深いキャビティ(深さT>200μm)の製造中、エッチングレートが低くなりすぎて、経済的に有益な結果となり得ない。
【0006】
エッチング工程は、等方性(すなわち、すべての方向に同じ効果がある)または異方性(特定の方向において、その他の方向よって効果的である)であり得る。ウエットエッチングは通常等方性エッチング工程であるが、相対的に遅く、より深いキャビティのエッチング、たとえばシリコンウエハにおいては適していない。異方性ウエットエッチングは工業的にキャビティをエッチングするために使用されているが、空間の損失または幾何学的に不利となる傾斜角の欠点を有している。この工程も相対的に遅いが、複数のウエハが同時に処理され得る。
【0007】
ドライエッチングはエッチングレート(時間単位あたりの除去)がさらに高い。ここでエッチングプラズマ(たとえばSF6)が準備され、エッチングされるべき領域に適用される。ここで「プラズマ」は、凝集の高イオン化状態(完全イオン化ではない)とも考えられる。RIE(反応性イオンエッチング)とも呼ばれる。深いキャビティを作製するときにドライエッチングが使用される場合、DRIE(ディープ反応性イオンエッチング)と呼ばれる。この場合、エッチング工程の均一性、およびマスク材料のロバスト性のために、特別な要求が課される。エッチングレートのさらなる向上は、ICPエッチングによって得られ得る。ここで高イオン化プラズマは、誘導エネルギ結合によって発生する(ICP=誘導結合プラズマ)。エッチングレートはこの場合非常に高いので、マスク層が基板とともにエッチングされる前に、ポリマまたは酸化物の通常のマスク層を用いても浅いキャビティの深さにしか到達できない。
【0008】
一方、金属材料、特にアルミニウム、を含むまたはから完全に成る(>98重量%)マスク層の使用が周知である。それらは薄膜層の場合でも非常に頑丈なので、マスク層が早期に除去されることなく深いキャビティが製造され得る。しかしながら、マスク層由来の材料もエッチングされる。該材料はとりわけエッチング装置において、ならびに誘電結合を行う管上および管内において堆積する。それらは金属導電性となるので、誘電結合、したがって、エッチングレートが初めに低下し、最終的に崩壊するであろう。その結果、費用がかかり複雑な装置の洗浄となる。
【0009】
マスク層のアンダエッチングは、米国特許第5501893号明細書から周知の方法によって防がれる。簡単に説明すると、エッチングガスと不動態化ガスのエッチングされる表面への(数秒の間隔の)交番供給が、この場合行われる。適切な配置の場合、不動態化ガス中の不動態化剤はキャビティの側壁上に設けられるので、エッチングガスはキャビティの底だけをエッチングし、したがって、アンダエッチングが避けられてほぼ垂直な壁が形成される。
【0010】
本発明の目的は、比較的小さくて機械的に安定な放射線センサを結果として生じる、放射線センサ、ウエハ、センサアレイ、センサモジュール、および放射線センサの製造方法を提供することである。
【0011】
前記目的は、独立請求項の特徴によって解決される。従属請求項は、本発明の好適な実施の形態に関する。
【0012】
放射線センサは、一表面に凹部または貫通孔の形状でキャビティが形成される支持体を含む。キャビティの上方に完全にまたは部分的にキャビティを被覆する薄膜が形成され、薄膜は支持体に固定されている。薄膜の上に実際のセンサ素子が設けられる。支持体の表面上のキャビティは、完全にまたは部分的に丸い外形を有する。外形は特に丸、円形または長円であってもよい。角部も有していてもよい。直線で規定される必要はない。
【0013】
放射線センサの支持体におけるキャビティは完全にまたは部分的に丸い外形を有するが、支持体の外形は好適には矩形、または正方形である。しかしながら、たとえばひし形、三角形もしくは六角形の外形、および長円孔なども適している。放射線センサの角部において電気接点、特にそれらのボンディングパッドが設けられてもよい。ボンディングパッドは特に放射線センサの対角線上に向かい合った角部に配置され、少なくとも部分的または完全にキャビティの上方ではなく、大型の支持体上に、特にキャビティの丸い外形と支持体の外形の角部との間の角度で設けられてもよい。キャビティは後面からのエッチング、特に反応性イオンエッチング(RIE)またはDRIE(ディープ反応性イオンエッチング)によって製造されてもよい。ICPエッチングも使用されてもよい(ICP=誘導結合プラズマ)。ここで高いエッチングレートが得られる。
【0014】
センサ素子は、特に熱接点および冷接点を有し、熱接点が薄膜上のキャビティの上方に設けられるサーモパイルであってもよい。
【0015】
放射線センサの製造の間、複数のセンサがウエハ上に形成され、キャビティのエッチング後にウエハ、個々の放射線センサもしくは複数の放射線センサを含む放射線アレイに分離され、または切り分けられる。ウエハ上、もしくはセンサアレイにおける放射線センサ、または放射線センサのブランクの配置は矩形、好適には正方形グリッドまたはひし形グリッドに従ってもよい。
【0016】
センサモジュールは、上述のように形成される放射線センサまたは上述のように形成されるセンサアレイと、さらに、放射線センサまたはセンサアレイが配置されるハウジングと、ハウジングにおいて光学窓と、電気端子とを含む。
【0017】
本発明の個々の実施の形態は、図面を参照して以下に説明されている。
図1は、本発明に従った放射線センサ素子の斜視図である。支持体1の表面上に薄膜3が形成される。前記薄膜はキャビティ2を完全にまたは部分的に被覆しており、図2の断面図において明確に示される。支持体1はキャビティ2が貫通孔であればフレームの形状を有し、薄膜3はその主面のうちの1つでフレームを覆って完全にまたは部分的に引き伸ばされる。これに関して、フレームはすべての側面で閉じられる必要はなく、たとえば1つの側面で開き断面も有していてもよいことに注目すべきである。
【0018】
キャビティ2は、支持体1の表面で完全にまたは部分的に丸い外形2aを有している。図1において、外形2aは薄膜3によって被覆されていて、図1の斜視図では見えないので、破線で示されている。図1において、キャビティ2が完全に丸い外形2aの特別な場合が示されている。外形は円形あるいは楕円形であってもよい。しかしながら、支持体1自体は少なくとも部分的または完全に直線によって規定される外形1a、特にひし形、矩形または正方形を有していてもよい。したがって、支持体の角の6a〜dの部分において、比較的「大きな(massive)」領域が形成され、すなわち支持体1はここで空洞化されない。前記領域上にはボンディングパッド、または通常、端子5,5a,5bの電気接点が設けられてもよい。電気端子5,5a,5bのボンディングパッドがフレーム1の大きな部分上に配置される場合、ボンディングワイヤへの前記領域のその後の接続は、機械的にあまり重要でないであろう。
【0019】
実際のセンサ素子4,4a,4bは、温度もしくは温度変化およに電気値、たとえば電圧量に関する所定の特性を有し、薄膜3上、特に部分的にキャビティ2の上方に配置される。センサ素子はサーモパイルであってもよい。センサ素子の感熱領域は完全にまたは部分的に薄膜上、およびキャビティ2の上方に配置される。したがって、感熱領域はヒートシンクに対して断熱される。断熱されない場合、特に支持体1自体がヒートシンクとして作用し、したがって信号強度を激減させるであろう。
【0020】
キャビティ2は、完全に支持体1を貫通する貫通孔であってもよく、または表面上で完全にまたは部分的に丸い外形を有し、薄膜3によって完全にまたは部分的に被覆される、単に平鍋型の凹部であってもよい。
【0021】
図1および図2は、センサ素子4自体が複数の構成部品4a,4bから成っていてもよいことを示している。電気端子5は適切に形成され、たとえばアルミニウムまたは銅層の金属層に配置されてもよく、金属層は一方では外側から到達できる領域、たとえばボンディングパッドを、他方では実際のセンサ素子4,4a,4bに接続される端子を有する。
【0022】
支持体の材料は、シリコンおよび/もしくはヒ化ガリウムならびに/またはその他の潜在的な半導体材料から成る。薄膜の材料は、たとえば二酸化ケイ素および/もしくは窒化ケイ素を含む1つまたはそれ以上の誘電層、または完全にこれらの材料の一方もしくは両方から成る。
【0023】
放射線センサの寸法は、以下の仕様を1つまたはそれ以上満たすことができる。
・支持体の高さH:(断面図において)>50μm、好適には>200μmであり、<1500μm、好適には<600μm
・支持体の一方または両方の辺長さL:L<3mm、好適にはL<1.5mm、さらに好適にはL<1mm
・キャビティの直径D:D>支持体の辺長さLの55%、好適にはD>Lの65%、D<Lの90%、好適にはD<Lの80%
・薄膜の厚さ:<3μm、好適には<2μm、さらに好適には<1μm
【0024】
図3は、上述の放射線センサ10を製造中のウエハ30の一部分を示している。ウエハは、後に放射線センサ10の底面となる側、すなわち図1および図2に従う「底面」から示されている。図3において、多数のキャビティ2がマトリクス状に形成される、またはエッチング工程の間マトリクス状にする方法で形成されるであろうことがわかる。各キャビティは、後の各放射線センサ2に対応する。エッチング工程の前であっても、続いて薄膜3を形成する層がウエハの他の側面上に形成されてもよく、おそらくは、ウエハの表面と薄膜層との間に、エッチング剤が薄膜層またはエッチング停止層に「底面から」到達するとき、エッチング工程を停止するための追加のエッチング停止層が形成されてもよい。
【0025】
好適には長円もしくは丸い、および特に円形のキャビティ2が、矩形または正方形グリッドにおいて、好適に配置されているのがわかる。各キャビティ2に従うエッチングされるべき位置の判断は、後述する適切なマスキングによって達成される。個々の放射線センサ10に対応するキャビティ2のマトリクス状の配置は、ウエハ30上の列31および行32に沿って達成される。
【0026】
図4はセンサアレイ40を、再び上方から概略的に示している。アレイ40は複数の放射線センサ10を含み、4つの列41および4つの行42に沿って配列されている4×4の放射線センサが、一例として示されている。これら放射線センサは実際のセンサ素子4、および適切に取り付けられる接点表面5をそれぞれ含む。それらは上述のように個々にそれぞれ形成される。しかしながら、それらは同一である必要はない。図示される光学系とともにこのようなセンサアレイを用いて、放射線センサによって検出されるべき放射線源に関する位置分解能が可能となる。全体としてセンサアレイ40は、図3において示されるようなウエハ30から切り離されてもよい。図4と対照的に、アレイ40の放射線センサ10の個々のセンサ素子4の電気端子5は、アレイ40の外周領域に配置されてもよい。全ての放射線センサの接点表面は、特にセンサ素子10の外側の領域に設けられてもよい。
【0027】
図5はセンサモジュール50を示している。センサモジュールには、放射線センサ10、またはセンサアレイ40が設けられる。また、モジュール50には、複合デバイスもしくはアナログ/デジタル変換装置、ならびにデジタルメモリおよび信号を処理して送信するプロセッサなどのさらなる回路部品が設けられてもよい。モジュールはさらに電気端子53を含み、該電気端子はハウジングから突出して、センサ素子もしくは放射線センサまたはセンサアレイもしくは関連の電子デバイスに、たとえばボンディングパッド54を通じて、ほぼ直接接続している。
【0028】
モジュールは、たとえば底板51bおよびその上を滑るカップ51aから成るハウジング51a,51bを含む。ハウジングは標準的なハウジングであり、たとえばTO5などであってもよい。さらに、検出されるべき放射線を衝突させる放射線窓52が、ハウジングに設けられる。また、放射線センサまたはアレイの表面上に衝突する放射線を集束させるための光投影素子が設けられてもよい。たとえば、放射線の透過および集束/投影を実現するために作用するレンズ52が設けられてもよい。しかしながら、たとえばセンサアレイの基板に焦点を有するミラーも設けられていてもよい。
【0029】
放射線センサ10を製造する方法は、以下の工程を含んでいてもよい。
基板ウエハの製造。ウエハは、放射線センサの支持体を構成することになる材料から成る。ウエハは、マトリックスアレイに配置される複数の放射線センサを、同時に生産できる大きさであってもよい。ウエハは、得られる放射線センサの高さHに相当する厚さを有していてもよい。したがって、後の上面(図1および図2に従う上面)にエッチング停止層が付与され、その上に後で薄膜3を形成する機械的に安定な層が付与される。
【0030】
ウエハの他の表面に、基板1におけるキャビティ2の所望の外形2aに一致する外形の開口部を有する、エッチングマスクが付与される。したがって、エッチングマスクも完全にまたは部分的に丸い外形の開口部を含む。
【0031】
その後、ウエハはエッチングマスクで覆われるウエハの側部から、ウエハが貫通するまで、すなわちウエハの他の表面上のエッチング停止層に到達するまで、好適にはドライエッチングでエッチングされる。
【0032】
製造工程中に適切な時点で、電気端子5の金属層が付与され、実際のセンサ素子4が取り付けられ、ウエハが個々の放射線センサまたは複数の放射線センサを含むセンサアレイに切り分けられる。
【0033】
以下において、上述のウエハなどの基板のマスク材料、およびそのようなマスク材料を含む基板もしくはウエハとともに、除去工程についても述べられるであろう。ここで述べられる技術は、すでに述べられた放射線センサの製造に使用され得る。
【0034】
シリコンもしくはゲルマニウム、または半導体もしくは半導体基板に通常適している材料において深い構造とすることに特に関する。
【0035】
キャビティの製造のために、たとえば上述のような放射線センサの基板において、ここではドライエッチング法が使用される。エッチング方向は結晶方向に影響されないので、完全にまたは部分的に丸い外形を有するキャビティの形成に特に適している。除去が始められる前に、ウエハは完全にまたは部分的に、好適にはアルミニウムまたは特定の合金の金属性材料でマスキングされる。最後にエッチングされたマスク材料(金属)が、特にエッチング装置の上に再堆積することを防ぐために対策がとられる。好適には誘導エネルギは、エッチング工程(IPC)の間エッチング媒体に結合される。ここで装置の感度部品の上での再堆積は、基板を誘導結合から充分に遠ざけることによって防止され得る。距離は少なくとも8cm、好適には10cm、さらに好適には13cmにすべきである。距離は同様にプラズマ原子の平均自由経路長の少なくとも2倍、好適には少なくとも3倍であってもよい。製造されるキャビティの深さは、好適には少なくとも80μm、さらに好適には少なくとも150μm、さらに好適には少なくとも300μmである。エッチングはウエハ全体を通じて(ウエハの他の側部上のエッチング停止層まで)行われてもよい。
【0036】
図6はエッチング工程中の状態を示している。68はエッチング工程の間、真空にされる真空容器を表している。エッチング工程の間、圧力は好適には5Pa未満であり、さらに好適には3Pa未満である。開口部68aは、マスク61を担持するウエハ30の搬入、およびその後の除去のために設けられる。マスク61を担持するウエハ30は、コンデンサの基板62aとして概略的に示されているテーブルの上に置かれており、コンデンサの対向基板62bは真空容器68の上部に取り付けられる。エッチング工程の間、好適には20〜100Vの直流電圧65および交流電圧66が(たとえば周波数13.56MHzで)コンデンサに印加される。71は、一方ではエッチングガスを、他方ではおそらく不動態化ガスを基板62aと62bとの間に導入するガス導入口を表している。このために、対応する貯蔵容器73および74から導入口71へガスを交互に供給する流れ制御器72が提供される。
【0037】
誘導エネルギ結合は、巻線(巻線の数n<6、好適にはn<4)を有するコイル63によって行われる。前記コイルはたとえば管状基板64上に配置され、管状基板は酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、石英、シリカガラス、石英ガラス、または1つもしくはそれ以上の前記材料を含む混合物から成っていてもよく、交流電圧はたとえば13.56MHzもしくは通常4MHz〜41MHzの周波数、かつ0.5〜5KWの電力でコイルに供給され得る。エッチングレートは、好適には1μm/分以上、さらに好適には2μm/分以上である。
【0038】
基板64は、コンデンサの基板62bの真上、または真下に設けられてもよい。複数の永久磁石が、N極とS極とが交互になるように直列に接続して設けられてもよい。複数の永久磁石(図示せず)は、支持体64の外周上に、好適には一定の間隔をおいて、さらに好適には支持体64の外側に設けられてもよい。永久磁石によって発生する磁界の極は、基板64の軸方向において、間隔をおいて配置されてもよい。永久磁石は矩形であり、基板64の軸方向またはガス流の方向に延びてもよい。この場合永久磁石は矩形であり、交互のパターンで周方向に逆並列(N−S,S−N,N−Sの繰り返し)となるように配置されてもよい。永久磁石は、イオンおよび電子の誘起効果を均一にし、かつウエハにおける電子温度の絶対値を小さくする機能を有する。
【0039】
69は、真空容器68内の他の部品、たとえば取扱装置などを示している。制御または調整装置75は、各部品を制御または調整する。工程中容器を真空にするポンプは図示されていない。
【0040】
ウエハ30のマスク61は、金属性材料、もしくは好適にはアルミニウム含有の合金、を含むまたはから完全に成る(>98重量%)。エッチングされる表面とコイル基板64の下縁、またはコイル63自体との間の距離Aは少なくとも8cmであり、好適には少なくとも10cmであり、さらに好適には少なくとも12cmである。またはエッチング原子の平均自由経路長の少なくとも2倍であり、さらに好適には少なくとも3倍である。これは、コイル基板64の内壁の上へのエッチングされたアルミニウムの再堆積を確実に防止する。したがって、それは導電性にならず、結合磁界をさえぎらないであろう。
【0041】
マスクは、アルミニウムの代替として、またはアルミニウムに加えて主成分としてCrまたはNiまたはPtまたはAuまたはFeをも含む(>90重量%、好適には>96重量%)。アルミニウムまたはニッケルの合金も使用されてもよい。たとえば、AlCu,AlSi,AlTi,NiFe,NiCrまたはクロム合金CrAuである。特に以下の合金がマスク材料として適している:
AlNiFe,たとえば11〜13のAl、21〜23のNi、残部はFe、“AlNi 090”、
AlNiFe、たとえば13〜15のAl、27〜29のNi、残部はFe、“AlNi 120”、
AlNiCo、たとえば9〜11のAl、19〜21のNi、14〜16のCo、CuTi>1、 残部はFe、“AlNiCo 160”、
AlNiCo、たとえば11〜13のAl、18〜20のNi、14〜16のCo、3〜5のCu、残部は好適にはFe、“AlNiCo 190”、
AlCu、たとえば0.5〜2のCu、残部はAl、
AlSi、たとえば0.5〜2のSi、残部はAl、
AlTi、たとえば最大3、好適には1.5のTi、残部はAl、
NiFe、たとえば35〜37のNi、残部はFe、“Hyperm36M”、
NiFe、たとえば49〜51のNi、残部はFe、“Hyperm52k”、
NiCr、たとえば78〜82のNi、残部はCr、
CrAu、たとえば45〜55のCr、残部はAu。
【0042】
上述の単位のない数字は、重量または体積パーセント値である。特に好適には、表示される範囲のそれぞれの平均値である。
【0043】
図7は、ウエハ30の拡大概略断面図である。マスク61はウエハ30上に配置される。マスク61は、金属もしくは合金または金属含有の複合材料、を含むまたはから完全に成る。好適な材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金である。合金は金属またはアルミニウムを少なくとも90重量%含有してもよい。2は、所定の深さまでエッチングされた、作製されたキャビティを表している。瞬間深さは、Tで規定されている。ウエハの厚さDは数百μm、たとえば150〜600μmであってもよい。マスク層61の高さHは1μm未満であり、好適には500nm未満である。壁は実質的に直角で形成されてもよい。1つの壁またはすべての壁の底面に対する角度αは、85°〜95°の範囲にあってもよい。所望であれば、該角度は90度よりも小さくてもよい。したがって、キャビティは底面に対して広くなるであろうし、薄い隔壁が底面に向かってキャビティ間に残り、たとえば貫通エッチングが目的とされ、キャビティ2の間のバーがセンサ(特に赤外線検出器)の断熱支持のために薄膜を保持しなければならないときに有利であり得る。
【0044】
エッチングおよび不動態化ガスの交番供給が、ウエハの深さへのICPエッチングの間に達成され得る。これは、流れ制御器72によって、おそらく上位制御器75に依存して達成され得る。ガスはエッチングガスの貯蔵器73および不動態化ガスの貯蔵器74から供給される。個々の気相がそれぞれ数秒続いて(それぞれ特に10秒未満、好適には6秒未満)、互いに直接交互となり得る。真空化は連続して行われてもよい。
【0045】
図8はウエハの一部の概略平面図を示している。凹部の繰り返しパターンが示されており、パターンの各素子は行95および列94に沿って配列されている。破線は視覚化のためだけで、実際には存在していない。図8は四角いキャビティの外形を示している。しかしながら、上述のエッチング方法に関連して、これらも本発明の主題である。四角い外形の代わりに、完全にまたは部分的に丸い外形も、図3において示されるようにエッチングされてもよい。
【0046】
異なる凹部91,92および93は、パターン毎に提供される。それらはマスク96における除去部に一致し、該マスクは好適には残余のウエハ表面を、好適にはウエハ30の(垂直な)外周部をも完全に被覆する。このようにして、凹部の形成後に互いに切り離される、複数の均一な凹部パターンは、一製造工程においてウエハ上で同時に形成可能である。
【0047】
エッチングされるべき領域は、基板表面の少なくとも8%、好適には少なくとも20%、さらに好適には35%を超えて及んでもよい。基板自体はディスク状ウエハであり、たとえば少なくとも10cm、好適には少なくとも15cmの直径を有する略円形であってもよい。ウエハ自体はシリコンを含む、またはシリコンから完全に成る。好適には結晶性シリコンから成る。
【0048】
図9は基板、またはウエハ30が貫通エッチングされる間の状態を示している。図示されている状態において、ウエハは上面から底面までほぼ完全にエッチングされている。本実施の形態に従えば、エッチング停止層108は、エッチング工程の前に他の基板表面(図9における底表面)へ孔の通路の部分において付与されており、薄膜109は前記エッチング停止層上に設けられ、後で(または直ちに)薄膜上には、支持されるべき断熱された電子部品107が形成されてもよい。
【0049】
上述のエッチング工程は、キャビティ2の中心が比較的滑らかな表面103を有するエッチング停止層に向かってエッチングされるが、基板の角部102において材料がかなり残り、比較的粗い表面を有するという結果になる。マスク粒子の再堆積のために、時々針104の形成が起こり得る。
【0050】
図9において示されるような状態は、深さセンサ105,106によって認識され得る。該センサは、好適にはキャビティ2の中心(辺縁からの距離E>交差寸法Q(直径または辺長さ)の20%、好適にはE>Qの40%)に照射する、たとえば光源であり、特にレーザー光源105であってもよい。センサ106は反射光を評価する。光経路は破線によって概略的に示されている。レーザー光が、エッチングによってこれから除去される基板の(102によって概略的に示されるような)比較的粗い表面によって反射される限り、反射は比較的方向性がなく、したがってセンサ106によって受光される反射光は弱い。一方、エッチング停止層108が通常中心から開始して露光されるとき、次第に方向性を有する光がより滑らかな表面103によって反射され、センサ106によって受光される強度は増加する。
【0051】
したがって、たとえば受光した反射光の強度は、閾値に対して検査可能である。閾値の一次導関数(受信した信号の変化)を調べることも可能である。一次導関数は離散時間で与えられ得る。深さ測定は通常反射光の評価によって行われ得る。
【0052】
エッチング停止層がすでに部分的に露光されている場合、別のエッチング方法が実施されてもよい。すなわち、一方ではエッチング停止層108を保護するために、他方ではエッチングによって角部102における針104を除去するために、好適には等方性エッチング工程が使用される。これは依然としてICPによって達成され得る。しかしながら、ガス圧は増加されてもよく、かつ/または印加バイアス電圧は減少されてもよい。圧力を増加させることによって自由経路長は減少するであろうし、イオンの移動方向は印加直流電圧場の磁力線と厳密には一致してないので、エッチング工程はさらに等方的になる。印加直流電圧を減少させることによって、類似の工程、すなわちより等方的なエッチング工程が達成されるであろう。
【0053】
前記第2エッチング工程の後、印加バイアス電圧が好適には0である第3エッチング工程が、最後に実施されてもよい。しかしながら、ドライエッチングおよび/または誘導エネルギ結合プラズマを用いるエッチングが再び行われてもよい。第3エッチング工程は、好適には等方性である。
【0054】
エッチング工程の終了後、マスク61が除去される。これはウエットエッチングによって行われてもよい。その前に、マスク上に設けられた残留不動態化剤(残留ポリマ)が除去されてもよい。これは、たとえば酸素プラズマによって達成されてもよい。マスク自体はウエットケミカル工程において、たとえばリン酸エッチング混合物によって除去されてもよい。代わりに、またはその後にTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム、好適には水溶液TMAHWで)を用いる処理が行われてもよい。
【0055】
除去されるべき材料自体の材料は、好適には少なくとも10cm、さらに好適には少なくとも15cmの直径を有する円形の結晶性ウエハである。
【0056】
マスク材料は、主成分として、好適にはアルミニウムを含む(比:>90重量%、好適には>95重量%)。さらなる成分、たとえば銅(量:0.5〜2重量%、好適には1重量%未満)および/またはシリコン(量:0.5〜2重量%)および/またはチタン(量:3重量%未満、好適には1.5重量%未満)が添加されてもよい。マスク材料は、本発明の独立部分とみなされる。そのようなマスク材料で完全にまたは部分的に被覆されるウエハもまた、本発明の独立部分とみなされる。
【0057】
本発明は、通常、マイクロメカニクスにおいて深い構造とすること、たとえば可動質量を有する加速度センサ、または断熱されるIRセンサの製造に使用されてもよい。
【0058】
図10は、別の実施の形態を概略的に示している。図1、図3および図4の実施の形態において、常に1つのキャビティおよび1つの薄膜が、1つのセンサ素子にそれぞれ設けられているが、1つのキャビティ122(1)〜(8)の上方で、信号を別々に発することができる複数のセンサ素子124(1)〜(8)を設けることもできる。センサ素子のグリッドが同じ大きさの場合、個々のキャビティは上述のものよりも大きくなる。したがって、個々の端子125(1)〜(8)もまた個々のセンサ素子にそれぞれ設けられる。複数のセンサ素子は、たとえば信号強度を増加させるために、設計された同じキャビティの上方に、特に直列で接続されてもよい。120は仮想(実際は存在しない)グリッドの列であり、該列に従ってセンサ素子が配列される。この場合もまた、端子の接続表面が、辺または角部において設けられてもよい。
【0059】
以下の矩形グリッドとは異なり、センサ素子もまた三角形グリッド(60°)または六角形グリッド(120°)に配列されてもよい。この場合、1つのキャビティの上に複数のセンサ素子が取り付けられてもよい。矩形グリッドの場合、特に2つ(図10参照)または4つのセンサ素子が、1つのキャビティの上方に設けられてもよい。特に三角形グリッド(60°)の場合、2つ(2つの三角形のひし形の中に1つのキャビティ)、4つ(4つの小さな三角形から成る大きな三角形の中に1つのキャビティ)または6つ(6つの小さな三角形の六角形の中に1つのキャビティ)であり、六角形グリッドの場合、特に6つである。
【0060】
いくつかのセンサ素子が1つのキャビティの上方に配置される場合、それらは好適には物理的に接続された状態であり、したがって複数のセンサ素子を含む1つのセンサモジュールにおいて、好適には使用されるであろう。
【0061】
センサ素子を接続するための導体経路は、個々のセンサ素子間の領域に延びるように設計され、それらは電気的な側面からのみ要求されるよりも大きく(広く、高く)なってもよい。それらは、一方では個々のセンサ素子間の熱伝達および信号の改ざんを防ぐ熱容量を形成し、他方では導体経路に沿って熱をそらし、センサ素子から遠ざけることによるセンサ素子間の断熱として作用することができ、これは同様の効果を有する。
【0062】
キャビティは、1以上の支柱(「アイランド」)がその上に配置される薄膜のために、キャビティに残るであろうように、形成されてもよい。特に、大きなキャビティおよびそれ対応する、複数のセンサ素子のための薄膜の場合、該支柱の形成には意味がある。このような支柱126は、図10に示されている。
【0063】
キャビティを形成するため基板の表面から選択的に材料を除去する方法は、所望の選択的除去に従って基板の表面にマスクを付与する工程、および基板をエッチングする工程を含み、金属、好適にはアルミニウムがマスクの形成に使用されることを特徴とする。ドライエッチングの間、エネルギはエッチング媒体と誘導結合される。基板は誘導結合から、プラズマ原子の平均自由経路長の少なくとも2倍、好適には少なくとも3倍で、間隔をおいて配置されてもよい。基板と誘導結合との間の距離は、少なくとも10cmに保たれ得る。圧力は、エッチング工程の間5Pa未満、好適には3Pa未満に保たれ得る。キャビティの側壁に対して、交互にエッチング工程および不動態化工程が行われ得る。材料は少なくとも80μm、好適には少なくとも300μmの深さまで除去され得る。材料の除去は基板の反対側に向かって行われ得る。1.5μm以下の、好適には0.6μm以下の厚さを有するマスクが形成され得る。基板は辺縁までマスクされ得る。マスクの付与は、金属、好適にはアルミニウムの蒸着またはスパッタリングによって達成され得る。マスクが付与されるとき、金属層は所望の選択的除去に従ってエッチングされ得る。使用される金属は少なくともAlを90重量%含む。深さ方向におけるエッチング位置(T)は繰り返し判定され、所定の位置に到達すると、エッチング工程は終了する、または第2エッチング工程に切り替えられる。第2エッチング工程は、前のエッチング工程とは質的に異なる、または前のエッチング工程とは別の操作パラメータで操作する。深さは、底面からの反射の後に、特に検出信号からの一次導関数を参照してその特性が評価されるレーザー光を使用して決定され得る。上述の第2エッチング工程の間、ガス圧が高い、および/または印加バイアス電圧が低い誘電エネルギ結合プラズマを用いるドライエッチングが行われてもよい。第2エッチング工程の後で、質的に異なる、または異なる操作パラメータに従って機能する第3エッチング工程が実施されてもよい。第3エッチング工程において、好適には誘電エネルギ結合プラズマを用いる等方性ドライエッチングが行われ、印加バイアス電圧は0であってもよい。マスクが除去される前に、マスク上の残留ポリマの灰化工程が、好適にはウエットエッチングによって行われてもよい。灰化は酸素プラズマを用いて行われ得る。灰化後、リン酸エッチング混合物、および/または水酸化テトラメチルアンモニウムを用いる処理が行われてもよい。上述の方法は、以下の特徴を1以上有する。
【0064】
・基板はSiを、好適には結晶性シリコンを含有する。
・材料の除去は基板表面の8%を超え、好適には20%を超えて行われる。
・基板はディスク状ウエハであり、少なくとも10cm、好適には少なくとも15cmの直径を有する。
【0065】
また、誘導エネルギ結合プラズマでドライエッチングされるべき基板のマスク材料として、アルミニウム、または少なくとも90重量%のAlを含有するアルミニウム合金、もしくは少なくとも90重量%のAlを含有する複合材料の使用が述べられた。
【0066】
マスク材料はエッチングされるウエハをマスクするために、アルミニウムを90重量%を超える、好適には95重量%を超える比率で含有し、銅は0.5〜2重量%の比率で、好適には1重量%以下で添加され、および/またはケイ素は0.5〜2重量%の比率で、および/またはチタンは0.2〜3重量%の比率で、好適には1.5重量%以下で添加される。
【0067】
マスク層を有するウエハは、上述のようなマスク材料から成る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】放射線センサ素子の斜視図である。
【図2】図1に従う配置の断面図である。
【図3】ウエハの概略底面図である。
【図4】センサアレイの概略平面図である。
【図5】センサモジュールの断面図である。
【図6】エッチング工程の説明図である。
【図7】エッチング工程の説明図である。
【図8】エッチング工程の説明図である。
【図9】エッチング工程の説明図である。
【図10】別の実施の形態を示す。
【図11】周知の放射線センサの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(1)と、
前記支持体(1)の一表面に形成される凹部または貫通孔であってもよいキャビティ(2)と、
前記キャビティ(2)の上方、好適にはキャビティ(2)を被覆する薄膜(3)上に形成されるセンサ素子(4,4a,4b)と、
前記センサ素子(4,4a,4b)の電気端子(5,5a,5b)とを含み、
前記支持体(1)の表面における前記キャビティ(2)は、完全にまたは部分的に丸い外形(2a)を有することを特徴とする放射線センサ(10)。
【請求項2】
前記支持体(1)が矩形および特に正方形の外形(1a)を有することを特徴とする請求項1記載の放射センサ(10)。
【請求項3】
前記キャビティ(2)が長円または丸い外形(2a)を有することを特徴とする請求項1または2記載の放射線センサ(10)。
【請求項4】
前記センサ(10)の角部(6,6a〜6d)に、1以上の電気端子(5,5a,5b)が設けられることを特徴とする請求項2および3記載の放射線センサ(10)。
【請求項5】
前記キャビティ(2)の側壁が支持体表面に対して、少なくとも部分的に垂直であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項6】
前記キャビティ(2)がドライエッチングによって製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項7】
前記センサ素子(4,4a,4b)がサーモパイルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項8】
複数のセンサ素子が1つのキャビティの上方に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項9】
前記支持体(1)の表面における前記キャビティ(2)が、直線のみによって規定されるものではない外形(2a)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項10】
前記放射線センサ(10)は、
薄膜材料が誘電体、特にシリカおよび/または窒化シリコンを含むこと、
薄膜の下に酸化物、特にシリカを含むエッチング停止層が設けられること、および
支持体の材料がシリコンおよび/もしくはGaAsならびに/または半導体材料を含むことのうちの少なくとも1つを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項11】
前記放射線センサ(10)は、以下の寸法、
支持体の高さH:50μmよりも大きい、好適には200μmよりも大きい、1500μm未満、好適には600μm未満、
支持体の辺長さL:2mm未満、好適には1.5mm未満、
キャビティの直径D:支持体の辺長さの55%よりも大きい、好適には65%よりも大きい、かつ/または90%未満、好適には80%未満、
薄膜の厚さD:3μm未満、好適には0.1μmよりも大きい、のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)ための複数のブランクを含むウエハ(30)であって、該ウエハ(30)上に前記ブランクが矩形、ひし形、三角形または六角形のグリッド(31)で配列されることを特徴とするウエハ(30)。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の複数の放射線センサ(10)を含むことを特徴とするセンサアレイ(40)。
【請求項14】
複数の放射線センサ(10)が2以上の行(41)および2以上の列(42)で配列されることを特徴とする請求項13記載のセンサアレイ(40)。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)、または請求項13もしくは14に記載のセンサアレイ(20)と、
放射線センサ(10)またはセンサアレイ(20)が収容されるハウジング(51)と、
前記ハウジング(51)における光学窓(52)と、
前記ハウジング(51)から突出し、端子(5,5a、5b)に接続される電気端子(53)とを含むことを特徴とするセンサモジュール(50)。
【請求項16】
光投影素子、特にレンズ(52)またはミラーを含むことを特徴とする請求項15記載のセンサモジュール(50)。
【請求項17】
放射線センサ(10)の製造方法であって、
平らなウエハを製造する工程と、
ウエハの第1の表面上にエッチング停止層を付与し、その上に機械的に安定な薄膜を形成する工程と、
ウエハの第2の表面上に、少なくとも部分的に丸い外形を備えた1以上の開口部を有するエッチングマスクを付与する工程と、
第2の表面からエッチング停止層に向かう方向に、ウエハのキャビティのドライエッチングを行う工程とを含むことを特徴とする製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体(1)と、
前記支持体(1)の一表面に形成される凹部または貫通孔であってもよいキャビティ(2)と、
前記キャビティ(2)の上方、好適にはキャビティ(2)を被覆する薄膜(3)上に形成されるセンサ素子(4,4a,4b)と、
前記センサ素子(4,4a,4b)の電気端子(5,5a,5b)とを含み、
前記支持体(1)の表面における前記キャビティ(2)は、丸または長円の外形(2a)を有し、
前記キャビティの側壁が支持体表面に対して垂直であり、
前記キャビティはドライエッチングによって形成されることを特徴とする放射線センサ(10)。
【請求項2】
前記支持体(1)が矩形および特に正方形の外形(1a)を有することを特徴とする請求項1記載の放射センサ(10)。
【請求項3】
前記センサ(10)の角部(6,6a〜6d)に、1以上の電気端子(5,5a,5b)が設けられることを特徴とする請求項2記載の放射線センサ(10)。
【請求項4】
前記センサ素子(4,4a,4b)がサーモパイルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項5】
複数のセンサ素子が1つのキャビティの上方に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項6】
前記放射線センサ(10)は、
薄膜材料が誘電体、特にシリカおよび/または窒化シリコンを含むこと、
薄膜の下に酸化物、特にシリカを含むエッチング停止層が設けられること、および
支持体の材料がシリコンおよび/もしくはGaAsならびに/または半導体材料を含むことのうちの少なくとも1つを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項7】
前記放射線センサ(10)は、以下の寸法、
支持体の高さH:50μmよりも大きい、好適には200μmよりも大きい、1500μm未満、好適には600μm未満、
支持体の辺長さL:2mm未満、好適には1.5mm未満、
キャビティの直径D:支持体の辺長さの55%よりも大きい、好適には65%よりも大きい、かつ/または90%未満、好適には80%未満、
薄膜の厚さD:3μm未満、好適には0.1μmよりも大きい、のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)ための複数のブランクを含むウエハ(30)であって、該ウエハ(30)上に前記ブランクが矩形、ひし形、三角形または六角形のグリッド(31)で配列されることを特徴とするウエハ(30)。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の複数の放射線センサ(10)を含むことを特徴とするセンサアレイ(40)。
【請求項10】
複数の放射線センサ(10)が2以上の行(41)および2以上の列(42)で配列されることを特徴とする請求項9記載のセンサアレイ(40)。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線センサ(10)、または請求項9もしくは10に記載のセンサアレイ(20)と、
放射線センサ(10)またはセンサアレイ(20)が収容されるハウジング(51)と、
前記ハウジング(51)における光学窓(52)と、
前記ハウジング(51)から突出し、端子(5,5a、5b)に接続される電気端子(53)とを含むことを特徴とするセンサモジュール(50)。
【請求項12】
光投影素子、特にレンズ(52)またはミラーを含むことを特徴とする請求項11記載のセンサモジュール(50)。
【請求項13】
放射線センサ(10)の製造方法であって、
平らなウエハを製造する工程と、
ウエハの第1の表面上にエッチング停止層を付与し、その上に機械的に安定な薄膜を形成する工程と、
ウエハの第2の表面上に、長円または丸い外形を備えた1以上の開口部を有するエッチングマスクを付与する工程と、
キャビティの側壁が支持体表面に垂直となるように、第2の表面からエッチング停止層に向かう方向に、ウエハのキャビティのドライエッチングを行う工程とを含むことを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−525657(P2006−525657A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505391(P2006−505391)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004841
【国際公開番号】WO2004/099063
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505411424)パーキンエルマー オプトエレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コー. カーゲー (10)
【氏名又は名称原語表記】PerkinElmer Optoelectronics GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Wenzel−Jaksch−Strasse 31, Wiesbaden Germany
【Fターム(参考)】