説明

放射線検出装置

【課題】放射線を検出する放射線検出装置において、放射線検出体の材料や構造に関わらず、応答の方向依存性を少なくすることができる放射線検出装置を提供する。
【解決手段】放射線量を測定する放射線検出装置7は、回転軸1を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体2と、放射線検出体2を回転軸1周りに回転させる放射線検出体回転機構3と、放射線検出体2の回転速度を制御する回転速度制御機構4とを備えている。出力機構5は、放射線検出体2の指示値と放射線検出体2の回転速度とに基づいて放射線検出体2の回転速度を考慮した放射線量を算出し、この放射線量を出力する。これにより、放射線検出体2の材料や構造に関わらず、放射線検出体2の応答の方向依存性を少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出体が検出した放射線量の指示値を放射線検出体の方向依存性を考慮して補正し、この補正された放射線量を出力機構を通じて出力する放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より放射線を検出する放射線検出装置において、放射線検出体の材料や構造などに由来する応答の方向依存性が問題となっている。ここで、放射線検出体の応答の方向依存性とは、同じ強度の放射線が放射線検出体に入射しても、放射線検出体への放射線の入射する方向によって放射線検出体が示す放射線量の指示値が異なることをいう。応答の方向依存性が悪い放射線検出体は、放射線の発生場において放射線検出体を向ける角度を変えると放射線量の指示値が変化するため、放射線検出体を向ける角度によっては放射線量が正確に測定できない。
【0003】
そこで、この問題を解決するために、放射性検出体の周囲に放射性検出体の方向により厚みが異なり、かつ固定された遮蔽体を設ける方法がとられている。すなわち、放射性検出体の応答を高めたい位置においては遮蔽体の厚さを薄くし、逆に放射性検出体の応答を低めたい位置においては遮蔽体の厚さを厚くする方法がとられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−85250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような厚みが場所によって異なる遮蔽体を放射線検出体の周囲に設ける場合、放射線のエネルギーに対する応答特性が変化するため、仮に放射線量が同じであっても放射線量の指示値が異なり、放射線量を正確に測定できないという問題が発生する。
【0006】
また、上述のような遮蔽体を放射線検出体の周囲に設ける方法は、遮蔽体の厚みに限界があるため、放射線量の補正ができる範囲が狭く、応答の方向依存性が比較的悪い放射線検出体には適用できないという問題も生じている。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、放射線検出体の材料や構造に関わらず、放射線検出体の応答の方向依存性を考慮して精度良く放射線量を求めることができる放射線検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、放射線量を測定する放射線検出装置において、回転軸を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、放射線検出体の回転を回転速度が一定となるよう制御する回転速度制御機構と、放射線検出体の指示値と放射線検出体の回転位置とに基づいて、放射線検出体の回転位置を考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0009】
本発明は、放射線量を測定する放射線検出装置において、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、放射線検出体の周囲に配置され、移動可能な遮蔽体と、遮蔽体を応答を高めたい位置では高速で移動させ、応答を低めたい位置では低速で移動させる遮蔽体移動機構と、放射線検出体の指示値と遮蔽体の移動位置とに基づいて、遮蔽体の移動位置を考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0010】
本発明は、放射線量を測定する放射線検出装置において、回転軸を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、放射線検出体の回転を回転速度が一定となるよう制御する回転速度制御機構と、放射線検出体の周囲に配置され、移動可能な遮蔽体と、遮蔽体を応答を高めたい位置では高速で移動させ、応答を低めたい位置では低速で移動させる遮蔽体移動機構と、放射線検出体の指示値と、遮蔽体の移動位置とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、遮蔽体の移動位置とを考慮した放射線量を算出し、これを出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0011】
本発明は、放射線検出体回転機構は、放射線検出体に回転軸を介して連結された放射線検出体回転機構本体と、放射線検出体回転機構の放射線検出体側の面に設けられ、回転軸を中心とする環形状を有し、放射線検出体の一部と電気的に接触する1以上の電極とを有することを特徴とする放射線検出装置である。
【0012】
本発明は、放射線検出体は、電磁波または光の信号を送受信する第1送受信機を有し、回転速度制御機構は、電磁波または光の信号を送受信する第2送受信機を有し、第1送受信機と第2送受信機との間で電磁波または光の信号を送受信することを特徴とする放射線検出装置である。
【0013】
本発明は、放射線検出体は、放射線検出体とともに回転する電源装置を有し、電源装置は放射線検出体の動作に必要な電力を供給することを特徴とする放射線検出装置である。
【0014】
本発明は、遮蔽体は、形状または材質の異なる複数の遮蔽体部分からなり、遮蔽体移動機構は各々の遮蔽体部分を移動させることを特徴とする放射線検出装置である。
【0015】
本発明は、遮蔽体移動機構は、放射線検出体の向きに基づいて遮蔽体の移動速度を決定し、この決定に従って遮蔽体を移動させることを特徴とする放射線検出装置である。
【0016】
本発明は、放射線検出装置の最外部に、放射性検出装置の全体または一部を覆いかつ固定されたケースを更に備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0017】
本発明は、放射線量を測定する放射線検出装置において、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、放射線検出体の周囲において放射線検出体を覆い、隣接する殻の間の間隙に貯蔵体を形成するよう配置された2つ以上の殻と、前記貯蔵体の内部に充填された放射線に対する遮蔽効果を有する液体またはゲル状物質と、前記貯蔵体の内部に、放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質より弱い気体を噴出する噴出口と、前記気体を噴出口を通して噴出させる気体供給装置と、前記気体供給装置を制御して噴出口からの気体の噴出量を調整し、放射線検出の応答を高めたい位置には多量の気体を噴出し、応答を低めたい位置には少量の気体を噴出する気体噴出量制御装置とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0018】
本発明は、放射線量を測定する放射線検出装置において、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、放射線検出体の周囲において放射線検出体を覆い、隣接する殻の間の間隙に貯蔵体を形成するよう配置された2つ以上の殻と、前記貯蔵体の内部に充填された液体またはゲル状物質と、前記貯蔵体の内部に、前記液体またはゲル状物質に容易に溶解せず液体またはゲル状物質と比重が異なるとともに放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質と異なる追加液体を噴出する噴出口と、前記比重の異なる追加液体を、噴出口を通して噴出させる液体供給装置と、前記液体供給装置を制御して、噴出口からの前記比重の異なる追加液体の噴出量を調整し、放射線検出の応答を高めたい位置と放射線検出の応答を低めたい位置とで前記比重の異なる追加液体を噴出する量を変える液体噴出量制御装置と、前記比重の異なる液体を回収する回収装置とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0019】
本発明は、放射線検出体は回転軸を中心として回動するようになっており、更に放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、放射線検出体の回転を制御する回転速度制御機構と、放射線検出体の指示値と、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの気体の噴出状況とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの気体の噴出状況とを考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【0020】
本発明は、放射線検出体は回転軸を中心として回動するようになっており、更に放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、放射線検出体の回転を制御する回転速度制御機構と、放射線検出体の指示値と、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの追加液体の噴出状況とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの追加液体の噴出状況とを考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、放射線を検出する放射線検出装置において、放射線検出体の材料や構造に関わらず、放射線検出体の応答の方向依存性を考慮して放射線量を正確に検出することができる。
【0022】
また、本発明によれば、回転する放射線検出体に対し放射線検出体の動作に必要な電力を継続的に供給することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、放射線検出体が回転軸を中心として回転している間、放射線検出体と放射線検出体回転機構との間で間断なく信号の送受信を行うことができる。
【0024】
さらにまた、本発明によれば、放射性検出装置の全体または一部を覆いかつ固定されたケースを放射線検出装置の最外部に備えることで、人が放射線検出体などの可動部に接触することを防止し、放射線検出装置の安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。
【0026】
まず、図1により本発明の概略について述べる。後述のように放射線検出装置7は放射線検出体2を有しており、この放射線検出体2は応答の方向依存性を持っている。このため、同じ強度の放射線が放射線検出体2に入射した場合であっても、放射線検出体2への放射線の入射方向によって放射線検出体2の指示値が変化する。また、放射線検出装置7は、放射線検出体2を放射線検出体回転機構3により回転軸1を中心に一定速度で回転させ、これにより、放射線検出体2の方向依存性を補正し、放射線の入射方向によらず正確な放射線量を出力機構5を介して出力するものである。
【0027】
すなわち図1に示すように、このような本発明による放射線検出装置7は、放射線量を測定するものであり、上述のように回転軸1を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体2と、放射線検出体2を回転軸1周りに回転させる放射線検出体回転機構3と、放射線検出体2の回転を制御する回転速度制御機構4と、放射線検出体2の指示値と放射線検出体2の回転位置に基づいて、放射線検出体2の回転位置を考慮した放射線量を算出する出力機構5とを備えている。
このうち回転速度制御機構4は、放射線検出体回転機構3の回転速度を制御するものであり、放射線検出体回転機構3および回転軸1を介して放射線検出体2の回転速度を制御する。さらに、出力機構5は上述のように放射線検出体2から送信された放射線検出体2の指示値と放射線検出体2の回転位置とに基づいて、放射線検出体2の回転位置を考慮して指示値を補正し、正確な放射線量を算出するものである。また、出力機構5は更にこの算出された放射線量を観測者に認識できるような形式で出力する。
【0028】
また、放射線検出体2は、電磁波または光の信号を送受信する第1送受信機2aを有し、回転速度制御機構4は、電磁波または光の信号を送受信する第2送受信機4aを有し、第1送受信機2aと第2送受信機4aとの間で電磁波または光の信号を送受信して、放射線検出体2と回転速度制御機構4との間で信号のやりとりをしている。
【0029】
また、放射線検出体2は、放射線検出体2とともに回転する電源装置を有し、当該電源装置から放射線検出体2の動作に必要な電力が供給される。このような電源装置としては、例えば太陽電池やマイクロ波受信機のように電磁波もしくは光を受けて電気に変換する装置、または燃料電池のような電池が考えられる。
【0030】
なお、本実施の形態において、上記電源装置を放射線検出体2に設ける代わりに、放射線検出体2の近傍に磁力を発生する磁力発生体(図示せず)を設け、放射線検出体2は、放射線検出体2とともに回転するコイルを有し、放射線検出体2の回転中当該コイルが磁力発生体からの磁力により起電力を生じ、放射線検出体2の動作に必要な電力を供給してもよい。
【0031】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
まず、回転速度制御機構4に所望の一定の回転速度を入力すると、回転速度制御機構4は放射線検出体回転機構3の回転速度を制御し、これにより、放射線検出体回転機構3は回転軸1を一定の回転速度でR方向に回転させる。これに伴い、放射線検出体2は回転軸1周りに回転軸1の回転速度と同一の一定の回転速度でR方向に回転する。このとき、回転速度制御機構4は放射線検出体2の回転速度および回転位置を出力機構5に送信する。
【0032】
この間、放射線検出体2は大気中の放射線量を測定し、測定した指示値を回転速度制御機構4を経て送信ケーブル6を介して出力機構5に送信する。放射線検出体2は応答の方向依存性を持ち、放射線検出体2により測定された指示値は放射線検出体2の配置方向により変化する。このため、放射線検出体2により測定された指示値は出力機構5により補正される。
【0033】
以下、放射線検出体2により測定された指示値を出力機構5により補正する方法について述べる。出力機構5は、一定時間内に計測された放射線検出体2の指示値と、放射線検出体2の回転位置とに基づき、放射線検出体2の回転位置を考慮して補正された放射線量を算出する。次に、出力機構5は、この算出した放射線量を観測者に認識できるような形式で出力する。このような、回転位置を考慮した放射線量は、回転位置に対する放射線量の積分値として求めることができる。
【0034】
このように、本実施の形態によれば、放射線検出体2が応答の方向依存性を持っていても、放射線検出体2により検出した指示値を応答の方向依存性を少なくするように放射線検出体2の回転位置に対応して補正をすることができ、放射線の入射方向にかかわらず大気中の放射線量を正確に算出でき、また大気中の放射線量を観測者に認識できるような形式で出力することができる。
【0035】
第2の実施の形態
次に図2により本発明による放射線検出装置の第2の実施の形態について説明する。なお、図2は、本発明による放射線検出装置の第2の実施の形態を示す平面図である。
図2において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の部号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
図2に示すように、応答の方向依存性を持っている放射線検出体2の周囲に移動可能な遮蔽体10が配置され、この遮蔽体10は遮蔽体移動機構11により回転自在に保持されている。このとき遮蔽体10は遮蔽体移動機構11により回転軸1aを中心に回転速度を変えながら回転し、これにより、放射線検出体2の方向依存性を補正し、放射線の入射方向によらず正確な放射線量を出力機構5を介して出力することができる。
【0037】
すなわち図2に示すように、放射線検出装置7は、応答の方向依存性を持った放射線検出体2と、放射線検出体2の周囲に配置された遮蔽体10とを備えている。このうち、遮蔽体10は遮蔽体アーム10aにより保持され、遮蔽体アーム10aは回転軸1aを中心として遮蔽体移動機構11により回転する。このように遮蔽体移動機構11は、回転軸1aおよび遮蔽体アーム10aを介して遮蔽体10を回転軸1aを中心に回転させる。また、遮蔽体移動機構11は、回転軸1aおよび遮蔽体アーム10aを介して遮蔽体10の回転速度を制御することもできる。
一方、出力機構5は、放射線検出体2に遮蔽体移動機構11を経て伝送ケーブル6を介して接続され、出力機構5に放射線検出体2の指示値と、遮蔽体10の回転位置と、遮蔽体10の回転速度とが入力される。出力機構5は、放射線検出体2から送られた放射線検出体2の指示値と、遮蔽体10の回転位置および回転速度とに基づいて、遮蔽体10の回転位置および回転速度を考慮して放射線検出体2からの指示値を補正し、放射線量を算出する。また、出力機構5は、この算出された放射線量を観測者に認識可能な形式で出力する。
【0038】
次に、本実施の形態の作用について述べる。
まず、遮蔽体10の回転速度をあらかじめ遮蔽体移動機構11に入力する。ここで、遮蔽体移動機構11に入力される遮蔽体10の回転速度は、放射線検出体2の応答の方向依存性が補正されるように遮蔽体10の回転位置を変化させる回転速度である。すなわち、放射線検出体2の応答が低いためこの応答を高めたい方向に関しては、遮蔽体10の回転速度を速めて、なるべく遮蔽体10により放射線検出体2を遮蔽しないようにし、放射線検出体2の応答が高いためこの応答を低めたい方向に関しては、遮蔽体10の回転速度を遅くして、なるべく遮蔽体10により放射線検出体2を遮蔽する。遮蔽体移動機構11は、遮蔽体移動機構11に入力された上述の回転速度に従って回転軸1aを中心として遮蔽体アーム10aを介して遮蔽体10を回転させる。同時に遮蔽体移動機構11は遮蔽体10の回転位置および回転速度を伝送ケーブル6を介して出力機構5に送信する。また、放射線検出体2は大気中の放射線量を測定し、測定した指示値を遮蔽体移動機構11を経て送信ケーブル6を介して出力機構5に送信する。ここで、放射線検出体2は応答の方向依存性を持ち、測定した指示値は放射線検出体2の配置方向により変化する。このため、放射線検出体2により測定された指示値は出力機構5により補正される。
以下、放射線検出体2により測定された指示値を出力機構5により補正する方法について述べる。
【0039】
出力機構5は、一定時間内に計測された放射線検出体2の指示値と、遮蔽体10の回転速度および回転位置に基づき、遮蔽体10の回転速度および回転位置を考慮して補正された放射線量を所定の方法に基づいて算出する。また、出力機構5は、この算出した放射線量を観測者に認識できるような形式で出力する。
【0040】
次に、遮蔽体10の回転速度および回転位置を考慮して放射線検出体2の指示値を補正する方法について更に詳述する。
放射線検出体2は上述のように応答の方向依存性を持っている。そして放射線検出体2の方向依存性により、放射線検出体2の応答が低いためこの応答を高めたい方向に関しては、遮蔽体10の回転速度を速めて、なるべく遮蔽体10により放射線検出体2を遮蔽しないようにし、放射線検出体2の応答が高いためこの応答を低めたい方向に関しては、遮蔽体10の回転速度を遅くして、なるべく遮蔽体10により放射線検出体2を遮蔽する。
そして、放射線検出体2の指示値を、上述のように制御した遮蔽体10の回転位置に対応して合算することにより、放射線量を算出することができる。
この場合、遮蔽体10の回転速度および回転位置を考慮して補正された放射線量は、回転位置に対する放射線量の積分値として求めることができる。
【0041】
このように、本実施の形態による放射線検出装置7によれば、放射線検出体2が応答の方向依存性を持っているものであっても、応答の方向依存性を少なくするような補正をすることができる。また、放射線の入射方向にかかわらず大気中の放射線量を正確に算出でき、大気中の放射線量を観測者に認識できるような形式で出力することができる。
【0042】
なお、本実施の形態において、放射線検出体2は第1の実施の形態に示すような回転可能な放射線検出体2であってもよい。この場合、放射線量を測定する放射線検出装置7の遮蔽体移動機構11は、放射線検出体2を回転軸1周りに回転させる放射線検出体回転機構3と、放射線検出体2の回転速度を制御する回転速度制御機構4の機能も合わせもつ。この場合、出力機構5は放射線検出体2の指示値を、放射線検出体2の回転位置と、遮蔽体10の回転速度および回転位置とに基づいて、放射線検出体2の回転位置と、遮蔽体10の回転速度および回転位置とを考慮した放射線量を算出し、これを出力する。
【0043】
また、本実施の形態において、遮蔽体10は、形状または材質の異なる複数の遮蔽体部分からなっていてもよく、遮蔽体移動機構11は各々の遮蔽体部分を移動させるものとなっている。
【0044】
前記複数の遮蔽体部分は、例えば元素番号の異なる材質からなる複数の遮蔽体部分であってもよく、大きさの異なる複数の遮蔽体部分であってもよい。
【0045】
また、前記遮蔽体部分は、遮蔽体部分の一部に貫通穴を有し、遮蔽体部分の一部に凹部を有し、もしくは遮蔽体部分の一部に厚みの異なる箇所を有し、または当該3つの特徴のうち複数の特徴を併有する遮蔽体部分であってもよい。
【0046】
第3の実施の形態
次に図3により本発明による放射線検出装置の第3の実施の形態について説明する。なお、図3(a)は、本発明の第3の実施の形態を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。図3(a)(b)による第3の実施の形態は、放射線検出体2と放射線検出体回転機構3との間の信号の送受信方法が異なるものであり、他の構成は図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図3(a)(b)に示す第3の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は一部省略する。
【0047】
まず、図3(a)(b)により本発明による放射線検出装置の概略について述べる。
図3(a)(b)に示す第3の実施の形態において、応答の方向依存性を持った放射線検出体2は回転軸1を介して放射線検出体回転機構3により回動自在に保持されている。放射線検出体回転機構3は回転軸1を介して放射線検出体2を回転軸1周りに回動させる。また、回転速度制御機構4は、放射線検出体回転機構3の回転速度を制御する。
【0048】
このうち、放射線検出体回転機構3は、放射線検出体2に回転軸1を介して連結された放射線検出体回転機構本体3aと、放射線検出体回転機構3の放射線検出体2側の面に設けられた電極3bとを有している。この電極3bは放射線検出体回転機構本体3a上に設けられ、回転軸1を中心とする環形状を有し、放射線検出体2の放射線検出体回転機構3側に設けられた接触部分2bと電気的に接触するようになっている。ここで接触部分2bは導電性を有しており、放射線検出体2が回転軸1を中心に回転すると、接触部分2bもこれに伴って回動し、接触部分2bと電極3bとは常時電気的に接触する。
【0049】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図3(a)(b)に示す放射線検出装置7において、第1の実施の形態と同様に、放射線検出体回転機構3は回転軸1を介して、応答の方向依存性を持つ放射線検出体2を回転軸1を中心に一定速度で回転させる。
【0050】
放射線検出体2は、回転軸1周りに一定の回転速度でR方向に回転する。同時に回転速度制御機構4は、放射線検出体2の回転速度を伝送ケーブル6を介して出力機構5に送信する。また、放射線検出体2は大気中の放射線量を測定し、測定した指示値を接触部分2b、電極3b、放射線検出体回転機構3、回転速度制御機構4、および送信ケーブル6を介して出力機構5に送信する。
【0051】
続いて、出力機構5は、図1に示す第1の実施の形態と同様に、放射線検出体2の指示値と放射線検出体2の回転速度とに基づいて、放射線検出体2の回転速度を考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する。
【0052】
また、放射線検出体回転機構3は、放射線検出体2の動作に必要な電力を電極3bおよび接触部分2bを介して放射線検出体2に供給する。
【0053】
このように、本実施の形態による放射線検出装置によれば、放射線検出体回転機構3は、放射線検出体2と回転軸1を介して連結された放射線検出体回転機構本体3aと、放射線検出体回転機構3aの放射線検出体2側の面に設けられた環形状を有する1以上の電極3bとを有するので、回転する放射線検出体2と放射線検出体回転機構3との間で間断なく信号の送受信を行うことができる。また、放射線検出体回転機構3は電極3bおよび接触部分2bを介して回転する放射線検出体2に対し継続的に電力を供給することができる。
【0054】
第4の実施の形態
次に図4により本発明による放射線検出装置の第4の実施の形態について説明する。図4は、本発明による放射線検出装置の第4の実施の形態を示す正面断面図である。
【0055】
まず、図4により本発明による放射線検出装置の概略について述べる。
図4に示す第4の実施の形態において、放射線検出装置7は、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体2と、放射線検出体2の周囲において放射線検出体2を覆う2つの隣接する殻32a、32bとを備え、殻32a、32bの間の間隙に貯蔵体31が形成されている。また放射線検出体2は殻32a、32bの略中心部に配置されている。
上述のように隣接する殻32a、32bは、放射線検出体2の周囲において放射線検出体2を覆い、殻32a、32bの間の間隙に形成された貯蔵体31の内部には放射線に対する遮蔽効果を有する液体またはゲル状物質34が充填されている。また、殻32a、32b間の下方には、貯蔵体31の内部に充填されている液体またはゲル状物質34に放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質34より弱い気体37を噴出する噴出口36が設けられ、噴出口36の下部には気体37を噴出口36を通して噴出させる気体供給装置35と、気体供給装置35を制御して噴出口36から噴出される気体37の噴出量を調整する気体噴出量制御装置30とが配置されている。
【0056】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図4に示す放射線検出装置7において、殻32a、32bの間の間隙に形成された貯蔵体31の内部には、液体またはゲル状物質34が充填されている。まず、気体供給装置35は、噴出口36を通して気体37を液体またはゲル状物質34の中に噴出させる。このとき気体37は気泡状となり液体またはゲル状物質34の内部を上方に移動し、開口38から大気中に放出される。
【0057】
ここで、液体またはゲル状物質34は上述のように放射線に対する遮蔽効果を有するものとなっている。このため液体またはゲル状物質34は殻32bの外部から放射線検出体2に入射する放射線の強度を低下させる。また、気体37は放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より弱いものとなっており、気体37を液体またはゲル状物質34の内部に噴出することにより、上述した液体またはゲル状物質34の遮蔽効果を低減することができる。
【0058】
この間、気体噴出量制御装置30は気体供給装置35を制御して、気体供給装置35が噴出口36を通して気体37を液体またはゲル状物質34の中に噴出する量を調整する。すなわち、気体噴出量制御装置30は、応答の方向依存性を持つ放射線検出体2の周囲において、放射線検出体2の応答を高めたい位置には噴出口36を通して多量の気体37を噴出し、多量の気体37によって放射線に対する遮蔽効果を弱めるよう気体供給装置35を制御する。
反対に、気体噴出量制御装置30は、放射線検出体2の応答を低めたい位置には噴出口36を通して少量の気体37を噴出し、少量の気体37によって放射線に対する遮蔽効果を強めるよう気体供給装置35を制御する。
このように、気体37が噴出口36から噴出される量を制御することで、放射線検出体2の応答の方向依存性を低減することができる。
【0059】
このように、本実施の形態によれば、放射線検出体2が応答の方向依存性を持っているものであっても、応答の方向依存性を少なくするような補正をすることができる。
【0060】
第5の実施の形態
次に図5(a)により本発明による放射線検出装置の第5の実施の形態について説明する。なお、図5(a)は、本発明の第5の実施の形態のうち、追加液体41の比重が液体またはゲル状物質34の比重より小さい場合を示す正面断面図である。図5(a)に示す実施の形態は、気体の代わりに液体を供給する点が異なるのみであり、他の構成は図4に示す第4の実施の形態と略同一である。図5(a)に示す第5の実施の形態において、図4に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
まず、図5(a)により本発明による放射線検出装置の概略について述べる。
図5(a)に示す第5の実施の形態において、隣接する殻32a、32bは、放射線検出体2の周囲において放射線検出体2を覆い、殻32a、32bの間の間隙に形成された貯蔵体31の内部には液体またはゲル状物質34が充填されている。
また、殻32a、32b間の下方には貯蔵体31の内部の液体またはゲル状物質34に液体またはゲル状物質34に容易に溶解せず、かつ液体またはゲル状物質34より比重が小さい追加液体41を噴出する噴出口36が設けられ、噴出口36の下部には追加液体41を噴出口36を通して噴出させる液体供給装置40と、液体供給装置40を制御して噴出口36から噴出される追加液体41の噴出量を調整する液体噴出量制御装置43とが配置されている。
【0062】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図5(a)に示す放射線検出装置7において、液体供給装置40は、噴出口36を通して追加液体41を液体またはゲル状物質34の中に噴出させる。このとき追加液体41は液体またはゲル状物質34より比重が小さいため、追加液体41は液体またはゲル状物質34の内部を上方へ移動し、回収装置44により回収される。
【0063】
ここで、図5(a)に示す放射線検出装置7において、液体またはゲル状物質34は放射線に対する一定の遮蔽効果を有するものとなっている。このため液体またはゲル状物質34は殻32bの外部から放射線検出体2に入射する放射線の強度を低下させる。この場合、追加液体41の遮蔽効果は液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より弱ければ、追加液体41を液体またはゲル状物質34の内部に噴出することにより、上述した液体またはゲル状物質34による遮蔽効果を低減することができる。
反対に、追加液体41の遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より高ければ、追加液体41を液体またはゲル状物質34の内部に噴出することにより、上述した液体またはゲル状物質34による遮蔽効果を増大することができる。
【0064】
この間、液体噴出量制御装置43は液体供給装置40を制御して、液体供給装置40が噴出口36を通して追加液体41を液体またはゲル状物質34の中に噴出する量を調整する。
例えば、追加液体41の遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より弱い場合、液体噴出量制御装置43は、応答の方向依存性を持つ放射線検出体2の周囲において、放射線検出体2の応答を高めたい位置には噴出口36を通して多量の追加液体41を噴出するよう液体供給装置40を制御する。反対に、液体噴出量制御装置43は、放射線検出体2の応答を低めたい位置には噴出口36を通して少量の追加液体41を噴出するよう液体供給装置40を制御する。
このように、追加液体41が噴出口36から噴出される量を制御することで、放射線検出体2の応答の方向依存性を低減することができる。
【0065】
このように、本実施の形態によれば、放射線検出体2が応答の方向依存性を持っているものであっても、応答の方向依存性を少なくするような補正をすることができる。
【0066】
次に、図5(b)により、本発明による放射線検出装置の変形例について説明する。
図5(b)に示す変形例は追加液体41の比重が液体またはゲル状物質34の比重より大きくなっている点が異なるものであり、他は図5(a)に示す実施の形態と略同一である。
【0067】
まず、図5(b)により本発明による放射線検出装置の概略について述べる。
図5(b)に示す第5の実施の形態の変形例において、隣接する殻32a、32bは、放射線検出体2の周囲において放射線検出体2を覆い、殻32a、32bの間の間隙に形成された貯蔵体31の内部には液体またはゲル状物質34が充填されている。また、殻32a、32b間の上方には貯蔵体31の内部の液体またはゲル状物質34に液体またはゲル状物質34に容易に溶解せず、かつ液体またはゲル状物質34より比重が大きい追加液体41を噴出する噴出口36が設けられている。また噴出口36の上部には追加液体41を噴出口36を通して噴出させる液体供給装置40と、液体供給装置40を制御して噴出口36から噴出される追加液体41の噴出量を調整する液体噴出量制御装置43とが配置されている。
【0068】
次に、このような構成からなる本実施の形態の変形例の作用について述べる。
すなわち、図5(b)に示す放射線検出装置7において、液体供給装置40は、噴出口36を通して追加液体41を液体またはゲル状物質34の中に噴出させる。このとき追加液体41は液体またはゲル状物質34より比重が大きいため、追加液体41は液体またはゲル状物質34の内部を下方へ移動し、回収装置44により回収される。
【0069】
ここで、図5(b)に示す放射線検出装置7において、液体またはゲル状物質34は放射線に対する遮蔽効果を有するものとなっている。このため液体またはゲル状物質34は殻32bの外部から放射線検出体2に入射する放射線の強度を低下させる。したがって、追加液体41の遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より弱ければ、追加液体41を液体またはゲル状物質34の内部に噴出することにより、上述した液体またはゲル状物質34による遮蔽効果を低減することができる。
反対に、追加液体41の遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より高ければ、追加液体41を液体またはゲル状物質34の内部に噴出することにより、上述した液体またはゲル状物質34による遮蔽効果を増大することができる。
【0070】
この間、液体噴出量制御装置43は液体供給装置40を制御して、液体供給装置40が噴出口36を通して追加液体41を液体またはゲル状物質34の中に噴出する量を調整する。
例えば、追加液体41の遮蔽効果が液体またはゲル状物質34の遮蔽効果より弱い場合、液体噴出量制御装置43は、応答の方向依存性を持つ放射線検出体2の周囲において、放射線検出体2の応答を高めたい位置には噴出口36を通して多量の追加液体41を噴出するよう液体供給装置40を制御する。反対に、液体噴出量制御装置43は、放射線検出体2の応答を低めたい位置には噴出口36を通して少量の追加液体41を噴出するよう液体供給装置40を制御する。
このように、追加液体41が噴出口36から噴出される量を制御することで、放射線検出体2の応答の方向依存性を低減することができる。
【0071】
このように、本実施の形態によれば、放射線検出体2が応答の方向依存性を持っているものであっても、応答の方向依存性を少なくするような補正をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明による放射線検出装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明による放射線検出装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図3】本発明による放射線検出装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明による放射線検出装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明による放射線検出装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
【0073】
1 回転軸
1a 回転軸
2 放射線検出体
2a 放射線検出体取付部
2b 接触部分
3 放射線検出体回転機構
3a 放射線検出体回転機構本体
3b 電極
4 回転速度制御機構
5 出力機構
6 送信ケーブル
7 放射線検出装置
10 遮蔽体
10a 遮蔽体アーム
11 遮蔽体移動機構
30 気体噴出量制御装置
31 貯蔵体
32a 殻
32b 殻
34 液体またはゲル状物質
35 気体供給装置
36 噴出口
37 気体
38 開口
40 液体供給装置
41 追加液体
43 液体噴出量制御装置
44 回収装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線量を測定する放射線検出装置において、
回転軸を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、
放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、
放射線検出体の回転を回転速度が一定となるよう制御する回転速度制御機構と、
放射線検出体の指示値と放射線検出体の回転位置とに基づいて、放射線検出体の回転位置を考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項2】
放射線量を測定する放射線検出装置において、
放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、
放射線検出体の周囲に配置され、移動可能な遮蔽体と、
遮蔽体を応答を高めたい位置では高速で移動させ、応答を低めたい位置では低速で移動させる遮蔽体移動機構と、
放射線検出体の指示値と遮蔽体の移動位置とに基づいて、遮蔽体の移動位置を考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項3】
放射線量を測定する放射線検出装置において、
回転軸を中心として回動し、放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、
放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、
放射線検出体の回転を回転速度が一定となるよう制御する回転速度制御機構と、
放射線検出体の周囲に配置され、移動可能な遮蔽体と、
遮蔽体を応答を高めたい位置では高速で移動させ、応答を低めたい位置では低速で移動させる遮蔽体移動機構と、
放射線検出体の指示値と、遮蔽体の移動位置とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、遮蔽体の移動位置とを考慮した放射線量を算出し、これを出力する出力機構とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項4】
放射線検出体回転機構は、放射線検出体に回転軸を介して連結された放射線検出体回転機構本体と、放射線検出体回転機構の放射線検出体側の面に設けられ、回転軸を中心とする環形状を有し、放射線検出体の一部と電気的に接触する1以上の電極とを有することを特徴とする請求項1または3に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
放射線検出体は、電磁波または光の信号を送受信する第1送受信機を有し、
回転速度制御機構は、電磁波または光の信号を送受信する第2送受信機を有し、
第1送受信機と第2送受信機との間で電磁波または光の信号を送受信することを特徴とする請求項1または3に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
放射線検出体は、放射線検出体とともに回転する電源装置を有し、
電源装置は放射線検出体の動作に必要な電力を供給することを特徴とする請求項1または3に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
遮蔽体は、形状または材質の異なる複数の遮蔽体部分からなり、遮蔽体移動機構は各々の遮蔽体部分を移動させることを特徴とする請求項2または3に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
遮蔽体移動機構は、放射線検出体の向きに基づいて遮蔽体の移動速度を決定し、この決定に従って遮蔽体を移動させることを特徴とする請求項2または3に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
放射線検出装置の最外部に、放射性検出装置の全体または一部を覆いかつ固定されたケースを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線検出装置。
【請求項10】
放射線量を測定する放射線検出装置において、
放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、
放射線検出体の周囲において放射線検出体を覆い、隣接する殻の間の間隙に貯蔵体を形成するよう配置された2つ以上の殻と、
前記貯蔵体の内部に充填された放射線に対する遮蔽効果を有する液体またはゲル状物質と、
前記貯蔵体の内部に、放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質より弱い気体を噴出する噴出口と、
前記気体を噴出口を通して噴出させる気体供給装置と、
前記気体供給装置を制御して噴出口からの気体の噴出量を調整し、放射線検出の応答を高めたい位置には多量の気体を噴出し、応答を低めたい位置には少量の気体を噴出する気体噴出量制御装置とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項11】
放射線量を測定する放射線検出装置において、
放射線を検出するとともに応答の方向依存性を持った放射線検出体と、
放射線検出体の周囲において放射線検出体を覆い、隣接する殻の間の間隙に貯蔵体を形成するよう配置された2つ以上の殻と、
前記貯蔵体の内部に充填された液体またはゲル状物質と、
前記貯蔵体の内部に、前記液体またはゲル状物質に容易に溶解せず液体またはゲル状物質と比重が異なるとともに放射線に対する遮蔽効果が液体またはゲル状物質と異なる追加液体を噴出する噴出口と、
前記比重の異なる追加液体を、噴出口を通して噴出させる液体供給装置と、
前記液体供給装置を制御して、噴出口からの前記比重の異なる追加液体の噴出量を調整し、放射線検出の応答を高めたい位置と放射線検出の応答を低めたい位置とで前記比重の異なる追加液体を噴出する量を変える液体噴出量制御装置と、
前記比重の異なる追加液体を回収する回収装置とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
【請求項12】
放射線検出体は回転軸を中心として回動するようになっており、
更に放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、
放射線検出体の回転を制御する回転速度制御機構と、
放射線検出体の指示値と、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの気体の噴出状況とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの気体の噴出状況とを考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする請求項10に記載の放射線検出装置。
【請求項13】
放射線検出体は回転軸を中心として回動するようになっており、
更に放射線検出体を回転軸周りに回転させる放射線検出体回転機構と、
放射線検出体の回転を制御する回転速度制御機構と、
放射線検出体の指示値と、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの追加液体の噴出状況とに基づいて、放射線検出体の回転位置と、噴出口からの追加液体の噴出状況とを考慮した放射線量を算出するとともに、この放射線量を出力する出力機構とを備えたことを特徴とする請求項11に記載の放射線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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