説明

放射線測定装置およびその測定方法

【課題】簡単な構成で、中性子等の放射線の強度を効率よく能率的に測定することができるもの。
【解決手段】この放射線測定装置10は、測定対象物11を設置する測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13内に設置され、中性子と反応して電離性粒子を生成する電離性粒子生成手段15と、電離性粒子が付着した支持手段16と、測定チャンバ13内に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、生成された電離性粒子が電離して生成されるイオン対を、測定チャンバ13内の気体とともに案内されるイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集されたイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定された電流値をデータ処理し、換算定数から中性子の強度を測定するデータ処理手段25と、測定チャンバ13内の気体をイオン収集手段21に輸送する気体輸送手段21とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線による電離作用を利用して電流測定により、放射線測定物から放出される放射線を測定する放射線測定技術に係り、特に、中性子等の放射線を効率よく測定でき、簡素化された放射線測定装置およびその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の放射線測定装置は、測定対象物から放出される放射線により、その近傍の気体が電離されてイオン対が生成され、生成されるイオンは数秒から数10秒の寿命をもち、その間は測定対象物の近傍に存在する。放射線による電離作用で生成されるイオン対のイオン数は、放射線の強度に比例するので、生成されるイオン数を測定すれば、放射線の強度を求めることができる。
【0003】
この種の放射線測定装置として、BF比例計数管、ホウ素被覆比例計数管、He比例計数管等の中性子検出器がある。
【0004】
BF比例計数管は10Bと熱中性子の(n,α)反応の断面積が大きいことを利用した中性子検出器であり、この中性子検出器1は図9に示すように金属の円筒2内にBFガスを充填し、円筒2を陰極として中心の芯線3を絶縁体4a,4bを介し支持し、陽極とした電極構造に構成される。
【0005】
中性子検出器1は、金属の円筒の直径15cmφ、長さ180cmまでの製作例が存在するが、一般には、直径2.5cmφ、長さ数10cmである。そのため、大型の中性子検出器が必要な場合には、直径2.5cmφ、長さ数10cmの市販のBF比例計数管を複数本組み合せて使用している。
【0006】
また、ホウ素被覆比例計数管は、10B(B−10)の薄膜を円筒内面に被覆したものであり、中性子と10Bの反応で生成したLiとα粒子の電離性粒子(荷電粒子)がガス中を走る際に電離して電気信号を発生させ、この電気信号を測定することで中性子を検出している。中性子は電荷を持たないので、何らかの原子核反応により生成された電離性粒子(荷電粒子)を測定することにより、間接的に計数している。
【0007】
中性子検出器としてのホウ素被覆比例計数管は金属の円筒内面にホウ素(B)を被覆したものであり、He比例計数管はHeと熱中性子の(n,p)反応を利用した反跳陽子比例計数管であり、いずれの中性子検出器も、BF比例計数管と同じ課題を有する。
【0008】
また、この種の放射線測定装置として、特許文献1に示されたものがある。この放射線測定装置aは、図10に示すように、測定容器b内の測定チャンバcに測定対象物dを収納し、電極eに電源fで電圧を印加したイオン収集手段としてのイオン検出器g、イオン検出器gで収集したイオンを電流として計測する電流測定手段h、測定チャンバc内部の気体を輸送配管iを通してイオン検出器gに輸送する気体輸送手段(吸引手段)jとから主に構成される。この放射線測定装置aは、測定対象物d内に収容された放射線源から放出された放射線により気体が電離され、イオンが生成される。
【0009】
測定チャンバ内の気体は、気体輸送手段jでイオン検出器gまで吸引され、気体中のイオンとともに移送されて電極に収集され、電流測定手段hで電流値として測定される。なお、符号kはデータ処理手段であり、符号lは気体浄化手段である。
【特許文献1】特開2006−105872号公報
【特許文献2】特開2006−46972号公報
【特許文献3】特開2005−134239号公報
【特許文献4】特開2004−239762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の放射線測定装置aにおいて、測定対象物dの寸法が短い場合、例えば1m以下であれば、測定対象物を測定チャンバ内に収納させることができるので、問題ないが、制御棒や燃料棒のような長さ数mの測定対象物や、測定チャンバc内に設置できない大型の測定対象物の場合には、測定できないという課題がある。
【0011】
また、従来の中性子検出器としてBF比例計数管等を採用した放射線測定装置においては、熱中性子との反応、例えば(n,α)反応を起して生成した電離性粒子が、気体中を走って電離させ生成したイオンをその生成装置の電場で収集していた。
【0012】
従来の放射線検出装置では、熱中性子との反応場所と電場のイオン収集場所とが同一場所である。しかも、イオンを効率よく収集するためには、強い電場が必要となり、金属の円筒の直径を大きくすると、電場の強度を保持して電極間に印加する電圧も強度を増加する必要がある。
【0013】
ところが、電極間に印加する電圧は電極を保持する絶縁材の耐電圧等に制限があるので、放射線検出装置の大型化には寸法上の制約がある。
【0014】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、測定対象物から放出される中性子等の放射線の強度を、簡素な構成で、効率的に精度よく、しかも能率的に測定することができる放射線測定装置およびその測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、測定対象物を設置する測定チャンバを形成した測定容器と、前記測定チャンバ内に設置され、中性子と反応して電離性粒子生成手段が付着した支持手段と、前記測定チャンバ内に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段と、生成された電離性粒子が電離して生成されるイオンが、前記測定チャンバ内の気体とともに案内されるイオン収集手段と、上記イオン収集手段の電極に電源を供給する電源供給手段と、前記イオン収集手段で収集されたイオンを電流として測定する電流測定手段と、測定された電流値をデータ処理し、中性子強度の換算定数から中性子を測定するデータ処理手段と、前記測定チャンバ内の気体を前記イオン収集手段に輸送する気体輸送手段とを有することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る放射線測定方法は、上述した課題を解決するために、測定対象物から放出される中性子と電離性粒子生成手段との間の(n,α)反応、(n,p)反応および(n,f)反応の少なくとも1種類の反応で電離性粒子を生成し、生成された電離性粒子が測定チャンバ内の気体を電離させてイオン対を生成し、生成されたイオン対をイオン収集手段に輸送して収集されるイオンを電流または電気量として測定し、この電流値から換算定数を用いて放射線の強度を測定することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る放射線測定装置およびその測定方法は、簡素な構成で測定対象物から放出される中性子等の放射線強度を効率的に精度よく、しかも、能率的に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る放射線測定装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態を示す概略構成図を示すものである。
【0020】
図1に示された放射線測定装置10は、例えば238Uや240Puの自発核分裂中性子や、α線と酸素等の軽元素との(α,n)反応で゛発生した中性子を測定する中性子測定装置であり、測定対象物11からの中性子を測定する中性子測定装置である。測定対象物11は、中性子を放出する放射線源12を備えている。
【0021】
この放射線測定装置10は、測定対象物11を収納する測定チャンバ13を形成した本体ケーシングとしての測定容器14と、測定チャンバ13内に設置され、例えば(n,α)反応で電離性粒子を生成する10B(B−10)のような電離性粒子生成手段15と、電離性粒子付着手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、測定チャンバ13内で放射線を放出する測定対象物11を設けた設置台(架台)18と、放射線源12を含む測定対象物11からの放射線による電離性粒子生成手段15との反応で生成した電離性粒子が電離させてイオン対を形成し、このイオン対を測定チャンバ13内の気体とともに絞り込んで案内する気体収束手段20と、気体とともに案内されるイオン対を導く気体通過断面積の狭いイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13内の気体を気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで移送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過した気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0022】
イオン収集手段21は、陰極を構成するステンレス鋼等の金属製の円筒28内の中心に陽極22を構成する芯線29が設けられ、この芯線29の電極22に測定チャンパ13から気体とともに輸送されるイオンが収集される。なお、イオン収集手段21を通過した気体を気体輸送手段26により図示しない気体循環経路を経て気体浄化手段17に案内し、イオンを除去して測定チャンパ13内に導くようにしてもよい。この場合、気体浄化手段27の設置は不要になる。
【0023】
また、放射線測定装置10の電離性粒子生成手段15は、10B(B−10)の他に、熱中性子と(n,t)反応を起こすLiや(n,p)反応を起こす例えばHe,(n,f)反応を起こす例えばTh,U,Puおよびこれらの同位体でもよい。
【0024】
なお、電離性粒子生成手段15は、例えば10Bで構成され、支持手段16を構成する対のステンレス製の支持プレート16a,16bの表面に塗布され、装着される。電離性粒子生成手段15(15a,15b)は、支持手段16の表面に薄い被膜、例えば10Bの被膜を施して構成される。イオン収集手段は、ベルマウス状あるいはラッパ状に収集させる構造としてもよい。
【0025】
次に、放射線測定装置10の作用を説明する。
【0026】
測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は、測定対象物11および周囲の物体で減速され、熱中性子となる。この熱中性子は、電離性粒子生成手段15が10Bの場合には、以下の反応式で励起状態のLi,α粒子が放出される。
【0027】
[化1]
10B+n → LiHe 2.31MeV
ここで、Liは0.84MeV、α粒子は1.47MeVのエネルギを有しており、これらのエネルギの電離性粒子が生成した電離性粒子生成手段15の内部で消滅しないように、電離性粒子生成手段15は、支持手段16の表面に施された10Bの薄い被膜で構成される。
【0028】
電離性粒子生成手段15によって生成した電離性粒子は、測定チャンバ13内の気体を電離し、イオン対を生成する。生成されたイオンは数秒から数10秒程度の寿命を有し、測定チャンバ13内の気体と共存する。
【0029】
ここで、α粒子の空気のW値は35.1eVであるので、この値を用いて生成イオン対を概算すると、前述の反応式で生成されたエネルギ2.31MeVの50%が空気の電離に寄与するものと仮定した場合、約33000個のイオン対が生成される。このイオン対を電荷に変換すると、5.3E−15C(5.3×10−15C)となる。この電荷換算エネルギは1個のイオン対の反応当りの生成電荷である。2個の反応では12−14Cとなり、このレベルはエレクトロメータで電気的に測定が可能となる。通常複数個の反応を対象とするので、充分に測定可能なレベルである。
【0030】
この放射線測定装置10において、測定対象物11に含まれる放射線源12から放出され中性子により、測定チャンバ13内に生成されたイオンは、吸引手段としての気体輸送手段26により、測定チャンバ13内の気体とともに、気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで輸送される。
【0031】
このイオン収集手段21を通過中に気体中に含まれるイオンは、電極(陽極)22に収集され、電流測定手段24により電流値として測定される。電流測定手段24は、例えばエレクトロメータである。
【0032】
ここで、測定対象物11に含まれる放射線源12を、中性子のみを放出する放射線源とすると、測定対象物11が測定チャンバ13に存在しない場合の電流を電流測定手段24で事前に測定し、この電流値をバックグラウンド電流値とする。
【0033】
また、測定対象物11が測定チャンバ13内にある場合に、電流測定手段24で測定した電流値をグロス電流値として設定し、データ処理手段25によりグロス電流値からバックグラウンド電流値を減算し、この減算値をネット電流値として算出する。このネット電流値を測定し、このネット電流値から中性子強度の換算定数を用いて中性子強度を簡単に求めることができる。
【0034】
図1に示された放射線測定装置10によれば、測定チャンバ13および電離性粒子生成手段15は、電離性粒子の生成場所に電場を不要としたので、測定対象物11の寸法や目標とする中性子検出効率に応じて大型化することができる。
【0035】
一方、この放射線測定装置10では、中性子との原子核反応で生成する電離性粒子の生成場所と、測定チャンパ13内の気体が電離され、収集されるイオン収集場所とを分離させることができるので、イオン収集手段21の寸法を測定チャンバの寸法と同一とすることなく小型化することができる。小型化しても、イオン収集手段21は適切な強さの電場を作ることができる寸法に製作することができる。
【0036】
放射線測定装置10として中性子測定効率の高い中性子測定装置が要求される場合、多数の小型中性子検出器を組み合せて使用することなく、1個の大型中性子検出器で中性子測定効率を向上させることができる。また、大型中性子検出器を採用しても、イオン収集手段21は大型化することなく、従来の放射線検出装置より小型化が図れるので、簡素な構成で中性子を高効率に測定することができる。
【0037】
[第2の実施形態]
図2は、本発明に係る放射線測定装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【0038】
第2実施形態に示された放射線測定装置10Aは、中性子を放出する放射線源12を含む測定対象物11を測定チャンバ13の外部に設置して中性子を測定する装置である。
【0039】
この放射線測定装置10Aは、測定対象物11から放出される中性子を高感度に検出できるように測定対象物11の寸法および形状を考慮して測定チャンバ13の寸法等の条件が決定される。
【0040】
第2実施形態に示された放射線測定装置10Aを説明するに当り、第1実施形態に示された放射線測定装置10と同じ構成には、同一符号付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0041】
図2に示された放射線測定装置10Aは、測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13の外部近傍に設置され、放射線源12を備えた測定対象物11と、測定チャンバ13内に設置され、熱中性子と反応する(n,α)反応で電離性粒子を生成する10B(B−10)のような電離性粒子生成手段15と、電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、電離性粒子が電離する気体とともに気体輸送経路30を介して輸送されるイオンを収集するイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13内の気体をイオン収集手段21まで輸送する吸引手段を兼ねる気体輸送手段26と、イオン収集手段21通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とで構成される。気体輸送経路30は気体収束手段のようにベルマウス状あるいはラッパ状の気体収束構造を構成してもよい。
【0042】
なお、電離性粒子生成手段15は、支持手段16の対をなす支持プレート16a,16bに被膜した10Bで構成した例を示したが、電離性粒子生成手段15は測定容器14の内面に被膜させてもよい。また、電離性粒子生成手段15を被膜した支持手段16の被膜していない面を測定チャンバ13の内面に向けて設置してもよい。さらに、電離性粒子生成手段15が被膜された支持手段16を電離性粒子生成手段15の表面の気体が流動するようにして測定チャンバ13内に多層にあるいは格子状に配置してもよい。
【0043】
次に、第2実施形態に示された放射線測定装置10Aの作用を説明する。
【0044】
この放射線測定装置10Aは、測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は、測定対象物11あるいは周囲の物体で減速されて熱中性子となる。この熱中性子は測定チャンバ13の内部に入射されて、測定チャンバ13内部の電離性粒子生成手段15と反応する。電離性粒子生成手段15が10Bの場合には、熱中性子と10Bが(n,α)反応(原子核反応)を起こし、励起状態のLiとα粒子が放出される。α粒子はヘリウムの原子核で陽子2個と中性子2個とからなり、電離性粒子を構成している。
【0045】
生成された電離性粒子は、測定チャンバ13内の気体を電離し、この電離作用で生成されたイオン対には、気体輸送手段(吸引手段)26の作動により、測定チャンバ13内の気体とともに気体輸送経路30を経てイオン収集手段21に輸送される。輸送されたイオン対は、イオン収集手段21を通過中にイオンは電極29に収集され、電流測定手段24によりグロス電流値として測定される。
【0046】
一方、電流測定手段24では、測定対象物11が測定チャンバ13の外部近傍に存在せず、測定対象物11が測定チャンバ13内に影響を及ぼさない状態で測定した電流値をバックグラウンド電流値とする。データ処理手段25は、グロス電流値からバックグラウンド電流値を減算して、ネット電流値を算出する。このネット電流値と前もって得られた中性子強度の換算定数から、測定対象物11の中性子強度を求めることができる。
【0047】
図2に示された放射線測定装置10Aは、例えば測定対象物11が大きく、測定チャンバ13に収納できない場合にも、測定チャンバ13および電離性粒子生成手段15は、要求される検出効率に応じて測定することができるように大型化することができる。一方、イオン収集手段21の寸法は測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、適切な電場を作るような寸法・空間に設置可能である。
【0048】
放射線測定装置10Aに要求される中性子検出効率に応じて、放射線測定装置10Aの簡素化・大型化を図ることができ、複数の中性子検出器と組み合せなくても、中性子を簡便に、しかも高効率に測定することができる。
【0049】
[第3の実施形態]
図3は、本発明に係る放射線測定装置10Bの第3実施形態を示す概略構成図である。
【0050】
第3実施形態に示された放射線測定装置10Bを説明するに当り、図1に示された放射線測定装置10と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0051】
第3実施形態に示された放射線測定装置10Bは、測定チャンバ13の内部に測定対象物11、電離性粒子生成手段15および中性子減速材33を収納し、中性子を測定する中性子測定装置である。
【0052】
放射線測定装置10Bは、測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13内に収納され、放射線源12を備えた測定対象物11と、測定チャンバ13の内部に設置され熱中性子と反応して例えば(n,α)反応で電離性粒子を生成する10Bのような電離性粒子生成手段15と、電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13の内部に設置され測定対象物11から放出された中性子を減速して熱中性子を生成する例えばポリエチレンのような中性子減速手段としての中性子減速材33と、この中性子減速材18の帯電を防止するために周囲を覆った例えばステンレス製のカバー34の帯電防止手段と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、前記熱中性子と荷電粒子生成手段15で生成した電離性粒子が電離する気体を気体通過断面積の狭いイオン収集手段21に絞る気体収束手段20と、中心に電極22を有し気体とともに輸送されるイオンを収集するイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体を気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0053】
また、測定チャンバ13内に設置される中性子減速材33は、中性子を減速して熱中性子を生成する熱中性子生成手段を構成し、ステンレス製のカバー34は、中性子減速材33への帯電を防止する帯電防止を構成している。
【0054】
第3実施形態に示された放射線測定装置10Bの作用を説明する。
【0055】
図3に示された放射線測定装置10Bにおいて、測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は、中性子減速材33で減速されて熱中性子となる。この熱中性子は、例えばステンレス製の支持手段16を透過して10Bの電離性粒子生成手段15に到達すると、10Bは熱中性子との(n,α)反応により電離性粒子(荷電粒子)を生成する。
【0056】
生成された電離性粒子は測定チャンバ13内の近傍の気体を電離させ、イオン対が生成される。生成されたイオンは数秒から数10秒程度、気体中に存在し、共存する。
【0057】
熱中性子により、測定チャンバ13の内部で生成したイオン対は、気体輸送手段26の吸引作用により、測定チャンバ13内の気体とともに気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで案内され、輸送される。案内されたイオン対のイオンはイオン収集手段21を通過中に電極22に収集され、収集されたイオンは電流測定手段24にグロス電流値として測定される。
【0058】
電流測定手段21により電流として測定されたグロス電流値は、第1実施形態と同様なデータ処理をデータ処理手段25で行なうことで、中性子強度を求めることができる。
【0059】
第3実施形態に示された放射線測定装置10Bによれば、測定チャンバ13、10Bのような電離性粒子生成手段15およびポリエチレンのような中性子減速材33は、要求される中性子検出効率に応じて大型化することができる。一方、イオン収集手段は測定チャンバ13とは異なり小型化することができ、適切な電場を形成するような寸法に設定できる。したがって、多数の小型中性子検出器を組み合せて複雑な放射線測定装置をすることはなく、簡便で簡素な大型の放射線測定装置を構成することができ、この放射線測定装置10Bで中性子を高効率に精度よく測定することができる。
【0060】
[第4の実施形態]
図4は、本発明に係る放射線測定装置の第4実施形態を示す概略構成図である。
【0061】
この実施形態に示された放射線測定装置10Cを説明するに当り、第1実施形態の放射線測定装置10と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0062】
図4に示された放射線測定装置10Cは、放射線源12を含む測定対象物11を測定チャンバ13の外部に設置し、測定チャンバ13の内部に電離性粒子生成手段15および中性子減速材33を収納した中性子測定装置である。
【0063】
この放射線測定装置10Cは、測定対象物11を内在させず、外部近傍に設置した測定チャンバ13を有する測定容器14と、測定チャンバ13の内部に設置され、中性子を減速して熱中性子を生成する中性子減速材33と、この中性子減速材33の帯電を防止するために周囲を覆った、例えばステンレス製のカバー34と、熱中性子と(n,α)反応で電離性粒子を生成する10Bのような電離性粒子生成手段15と、この電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、電離性粒子が電離する例えば空気のような気体とともに輸送されるイオンを収集するイオン収集手段21と、このイオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体をイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27で構成される。
【0064】
中性子減速材33は、ポリエチレン等からなり、熱中性子生成手段を構成しており、ステンレス製のカバー34は中性子減速材33への帯電を防止する帯電防止手段を構成している。
【0065】
次に、放射線測定装置10Cの作用を説明する。
【0066】
この放射線測定装置10Cにおいて、測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は測定容器14の壁を透過して、測定チャンバ13の内部に入射し、中性子減速材33で減速され熱中性子となる。この熱中性子は、測定チャンバ13内に設置された電離性粒子生成手段15と原子核反応が生じる。電離性粒子生成手段15が10Bの場合には、熱中性子は10Bと(n,α)反応を起こして電離性粒子が放出される。内部の気体を電離し、その結果、イオン対を生成する。生成されたイオンは、第1実施形態の場合と同様、気体輸送手段26により測定チャンバ13内の気体とともに輸送され、イオン収集手段21に案内される。イオン収集手段21では、気体とともに輸送されるイオンを電極22にて収集し、収集されたイオンを電流として電流測定手段24で測定する。測定されたイオンの電流値は、データ処理手段25でデータ処理を行なえば、中性子強度を求めることができる。
【0067】
第4実施形態に示された放射線測定装置10Cにおいては、測定チャンバ13、電離性粒子生成手段15および中性子減速材33は、要求される中性子検出効率に応じて大型化することができる。一方、イオン収集手段21の寸法も測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、適切な電場を作るような寸法に設定可能である。したがって、要求される中性子検出効率に応じて、簡便にしかも高効率で中性子を測定できる放射線測定装置10Cを得ることができる。
【0068】
[第5の実施形態]
図5は、本発明に係る放射線測定装置の第5実施形態を示す概略構成図である。
【0069】
この放射線測定装置10Dを説明するに当り、第1実施形態の放射線測定装置10と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0070】
図5に示された放射線測定装置10Dは、測定容器14内に形成される測定チャンバ13の内部に測定対象物11および電離性粒子生成手段15をそれぞれ収納し、測定容器14の周囲に熱中性子生成手段としての中性子減速材35(35a,35b,35c)を設置した中性子測定装置である。
【0071】
この放射線測定装置10Dは、測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13内の設置台18上に設けられ、放射線源12を備えた測定対象物11と、測定チャンバ13の内部に設置され、熱中性子と反応して例えば(n,α)反応で電離性粒子を生成する10Bのような電離性粒子生成手段5と、電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13の周囲に配置した中性子減速材35と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、前記熱中性子と電離性粒子生成手段15で生成した電離性粒子が電離する例えば空気のような気体をベルマウス状あるいはラッパ状に絞り込む気体収束手段20と、中心に電極22を有し気体とともに輸送されるイオンを収集する気体通過断面積の狭いイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体を気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0072】
次に、放射線測定装置10Dの作用を説明する。
【0073】
図5に示された放射線測定装置10Dにおいて、測定チャンバ13の内部に設置された測定対象物11の放射線源12から中性子が放出され、放射線源12から放出された中性子は、測定容器14の壁を通過する一方、周囲の中性子減速材35により減速され、熱中性子となる。
【0074】
この熱中性子は測定容器14の壁を透過し、測定チャンバ13の内部の電離性粒子生成手段15に到達する。電離性粒子生成手段15が例えば10B(B−10)である場合、10Bは熱中性子と(n,α)反応が生じ、電離性粒子を生成する。
【0075】
この電離性粒子は、測定チャンバ13内の気体をイオン化エネルギで電離し、イオン対を生成させる。生成されたイオンは、測定チャンバ13内の気体とともに吸引手段である気体輸送手段26で吸引され、気体収束手段20で絞り込まれてイオン収集手段21に輸送される。イオン収集手段21に輸送されたイオン対のうちイオン(陰イオン)は、イオン収集手段20の電極(陽極)22に積極的に収集され、収集されたイオンによる電流は、電流測定手段24で測定され、グロス電流値が算出される。
【0076】
このグロス電流値は、測定チャンバ13内に測定対象物がない場合のバックグラウンド電流値と比較され、データ処理手段25にてグロス電流値からバックグラウンド電流値が減算されてネット電流値が算出される。このネット電流値から中性子の換算定数を用いるデータ処理を行なって中性子強度を求めることができる。
【0077】
図5に示された放射線測定装置10Dによれば、測定チャンバ13、電離性粒子生成手段15および中性子減速材35は、要求される中性子検出効率に応じて大型化することができる。一方、イオン収集手段21の寸法は、測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、イオン収集手段21が適切な電場を作るような寸法に設定可能である。
【0078】
したがって、測定対象物11の3D寸法に応じて測定容器14等の大きさ、形状を適宜設定して大型化することで、大型でも簡素な構造の放射線測定装置10Dを提供することができる。要求される中性子検出効率に応じて、多数の中性子検出器を組み合せて使用することを必要とせず、簡便にしかも高効率で中性子を測定できる放射線測定装置10Dが得られる。
【0079】
[第6の実施形態]
図6は、本発明に係る放射線測定装置の第6実施形態を示す概略構成図である。
【0080】
この放射線測定装置10Eを説明するに当り、第1実施形態に示した放射線測定装置10と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡便化する。
【0081】
第6実施形態で示された放射線測定装置10Eは、放射線源12を含む測定対象物11を測定容器14の外部に設置するとともに、測定容器14の周囲に中性子減速材35を配置し、測定チャンバ13の内部に電離性粒子生成手段15を収納した中性子測定装置である。
【0082】
この放射線測定装置10Eは、測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定容器14の周囲に設置された中性子減速材35と、測定容器14の外部近傍に設置された放射線源12を有する測定対象物11と、測定チャンバ13の内部に設置され、熱中性子と(n,α)反応で電離性粒子を生成する10Bのような電離性粒子生成手段15と、この電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、電離性粒子が電離する例えば空気のような測定チャンバ13内の気体が、気体輸送経路30を介して輸送されるイオン収集手段21と、このイオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段で21収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体をイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0083】
イオン収集手段21は陰極を構成する金属製円筒の中心に同心状に配設された芯線からなる電極(陽極)22が設けられ、イオン収集手段21の電極間に、電源供給手段23により所定の電圧が印加される。
【0084】
第6実施形態に示された放射線測定装置10Eにおいて、測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は、測定容器14周囲の中性子減速材35(35a,35b,35c)で減速されて熱中性子(低速中性子)となる。この熱中性子は測定容器14の壁を透過して測定チャンバ13内に入射される。入射された熱中性子は電離性粒子生成手段15と衝突して原子核反応を生じさせる。電離性粒子生成手段15が、10Bの場合、熱中性子は10Bと(n,α)反応を起こし、電離性粒子が放出される。
【0085】
放出される電離性粒子は、測定チャンバ13内部の気体を電離し、その結果、イオン対(正イオンと負イオン)を生成する。測定チャンバ13内に生成されたイオン対は、気体輸送手段26の吸引作用により、測定チャンバ13内の気体とともに気体輸送経路30を介してイオン収集手段21に輸送される。イオン収集手段21に輸送されたイオン対のうち陽イオンは、イオン収集手段21の電極(負極)22に収集される。収集されたイオンによる電流は、電流測定手段24により測定され、グロス電流値が計測される。
【0086】
このグロス電流値は、第1実施形態に示された放射線測定装置10と同様なデータ処理がデータ処理手段25で行なわれ、予め算出されたバックグラウンド電流値とからネット電流値を算出する。このネット電流値と中性子強度への換算定数を用いて測定対象物の中性子強度を求めることができる。
【0087】
この放射線測定装置10Eによれば、測定チャンバ13を形成した測定容器14、電離性粒子生成手段15および中性子減速材35は、要求される中性子検出効率に応じて大きな測定対象物11を効率的に測定できるように、大型化することができる。
【0088】
一方、イオン収集手段21の寸法は測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、適切な電場を作るような寸法に設定可能である。したがって、測定チャンバ13に測定対象物11や中性子減速材35を収納しない場合についても、簡便にしかも高効率で中性子を測定できる放射線測定装置10Eを得ることができる。
【0089】
[第7の実施形態]
図7は、本発明に係る放射線測定装置の第7実施形態を示す概略構成図である。
【0090】
この実施形態の放射線測定装置10Fを説明するに当り、第1実施形態の放射線測定装置10と同じ構成には同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0091】
第7実施形態の放射線測定装置10Fは、測定チャンバ13の内部に放射線源12を備えた測定対象物11を収納し、この測定対象物11から放出される中性子を測定する中性子測定装置である。この中性子測定装置は、測定対象物11が中性子の他に、例えばα線を検出している場合にも、精度よく中性子を測定することができる。
【0092】
この放射線測定装置10Fは、測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13内に設置された放射線源12を有する測定対象物11と、測定チャンバ13の内部に設置され、熱中性子と反応して例えば(n,α)反応で電離性粒子を生成する10Bのような電離性粒子生成手段15と、電離性粒子生成手段15を付着した支持手段16と、電離性粒子生成手段15と気体との間に設置して電離性粒子生成手段15で生成した電離性粒子を遮蔽して気体を電離しないようにする電離性粒子遮蔽手段36と、この電離性粒子遮蔽手段36を駆動する遮蔽手段駆動手段37と、測定チャンバ13に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段17と、電離性粒子が電離する例えば空気のような気体を絞り込むように案内する気体収束手段20と、測定チャンバ13内の気体ともに輸送されるイオンを収集するイオン収集手段21と、イオン収集手段21の電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体を気体収束手段20を経てイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0093】
次に、放射線測定装置10Fの作用(測定方法)を説明する。
【0094】
この放射線測定装置10Fにおいて、測定対象物11の放射線源12から放出された中性子は、測定対象物11や周囲の物体で減速させて熱中性子となり、この熱中性子は電離性粒子生成手段15と原子核反応が生じる。電離性粒子生成手段15が10Bの場合、この10B(B−10)は熱中性子と(n,α)反応が生じて7Liとα粒子が生成され、電離性粒子が放出される。
【0095】
生成された電離性粒子は、測定チャンバ13内の気体を電離させ、イオン対を生成する。このとき、電離性粒子遮断手段37は遮蔽手段駆動手段38により駆動され、電離性粒子生成手段15の前面に移動し、電離性粒子を遮蔽した状態にセットする。電離性粒子が遮蔽した状態で測定チャンバ13内部の気体は気体輸送手段26により輸送され、気体収束手段20を介してイオン収集手段21に導かれる。
【0096】
イオン収集手段20は、測定チャンバ13内の気体とともに移送されるイオンを収集し、収集されたイオンによる電流値を電流測定手段24でグロス電流値として測定する。グロス電流値は、データ処理手段25により、予め測定されたバックグラウンド電流値を減算してネット電流値を算出し、このネット電流値から中性子強度への換算定数を用いて測定対象物11の中性子強度を求めることができる。
【0097】
第7実施形態に示された放射線測定装置10Fによれば、測定チャンバ13を形成した測定容器14および電離性粒子生成手段15は、要求される中性子検出効率に応じて大型化することができる。一方、イオン収集手段21の寸法も測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、適切な電場を作るような寸法に設定可能である。したがって、中性子以外の放射線を放出する測定対象物11についても、簡便にしかも高効率で中性子を測定できる放射線測定装置10Fを得ることができる。
【0098】
なお、本発明に係る放射線測定装置の第2実施形態から第7実施形態の説明では、電離性粒子生成手段15は10B(B−10)で構成し、この10Bが中性子と(n,α)反応して電離性粒子を生成する例を示したが、電離性粒子生成手段15は中性子と(n,t)反応を起こすLiであっても、中性子と(n,α)反応を起こすLiであっても、中性子と(n,p)反応を起こすLHeを収納した物体であっても、さらに、中性子と(n,f)反応を起こす235U,U同位体,Pu同位体、およびTh同位体であってもよく、また、これらの元素およびその同位体の少なくとも1種類を含むものであってもよい。
【0099】
また、第3実施形態ないし第6実施形態に示された放射線測定装置10B〜10Eにおいて、中性子減速材の周囲を囲む熱中性子吸収手段(図示せず)と、測定した電流値から熱外中性子の強度を算出するデータ処理手段25を備え、このデータ処理手段25により熱外中性子を測定してもよい。
【0100】
[第8の実施形態]
本発明に係る放射線測定装置の第8実施形態について説明する。
【0101】
第8実施形態に示された放射線測定装置10Gは、図7に示された放射線測定装置10Fに、中性子強度測定手段と放射線源分離手段(共に図示せず)とを備えた放射線測定装置である。
【0102】
中性子強度測定手段は、電離性粒子を遮蔽した状態で測定したバックグラウンド電流値を、電離性粒子の遮蔽がない状態で測定したグロス電流値から減算してネット電流値を算出し、中性子強度への換算定数が測定対象物11のチャンバ強度を求める手段である。また、放射線源分離手段は、測定対象物11の中性子強度と中性子以外の強度とから、測定対象物11の放射線源をウラン(U)、プルトニウム(Pu)、TRUに分類する手段である。
【0103】
ここで、U,Pu,TRUの代表として、244Cmの1g当りの自発核分裂中性子の放出率や、U,Pu,TRUの酸化物を仮定した場合に、軽元素の酸素とα線の(α,n)反応で生成した中性子の放出率、およびα線放出率の一例を計算すると以下の放出率表面で表わされる。
【表1】

【0104】
放出率表で対象とする放射線源において、Uは天然ウラン、Puは239Puが約75wt%、240Puが約18wt%の存在比として計算した。また、放出率表では、α線に対する中性子の放出率比をUを基準として表した。放出率比はUが1.0、Puが0.138、244Cmが7.95であり、U,Pu,244Cmの対象によって大きく異なる。
【0105】
したがって、中性子強度とα線強度から中性子/α線の強度比を計算し、この強度比を予め求めたU,Pu,244Cmの中性子/α線の強度比と比較することにより、放射線源の対象の書類を容易に求めることができる。
【0106】
第8実施形態に示される放射線測定装置10Gは、測定容器14の測定チャンバ13内に、電離性粒子生成手段15で生成した電離性粒子を遮蔽して測定チャンバ13の気体の電離化を部分的に防止する電離性粒子遮蔽手段37と、電離性粒子遮蔽手段37を駆動する遮蔽手段駆動手段38と、電離性粒子を遮蔽した状態でバックグラウンド電流値を、電離性粒子の遮蔽がない状態で測定したグロス電流値から減算してネット電流値を算出する手段と、このネット電流値から中性子強度への換算定数を用いて中性子強度を算出する手段とを構成され、このネット電流値算出手段と中性子強度算出手段とからデータ処理装置25が構成される。
【0107】
また、この放射線測定装置10Gは、電離性粒子を遮蔽した状態で測定したバックグラウンド電流値を電離性粒子の遮蔽がない状態で測定したグロス電流値から減算してネット電流値を算出し中性子強度を求める手段と、測定対象物がない状態で電離性粒子を遮蔽した状態で測定した測定対象物の電流値を前記バックグラウンド電流値から減算して中性子以外の強度を求める手段と、前記中性子強度と中性子以外の強度から測定対象物の放射線源をウラン,プルトニウム,TRUに分類する手段とを有するものである。
【0108】
また、放射線源の対象が2種類で既知ならば、混在率と中性子/α線放出率比の関係を前もって求めておけば、測定された前記放出率比から混在率も求めることができる。
【0109】
第8実施形態に示された放射線測定装置10Gによれば、中性子のみでなく、その中性子を放出する発生源(放射線源12)の対象をU、Pu、244Cmと区別することができ、さらに混在が2種類の場合には混在率まで求めることができる。簡便にしかも中性子を高効率に測定できる放射線測定装置を得ることができる。
【0110】
[第9の実施形態]
図8は、本発明に係る放射線測定装置の第9実施形態を示す概略構成図である。
【0111】
この放射線測定装置10Hは、放射線源12から中性子だけでなく、α線、β線およびγ線をも放出している測定対象物11から、放射線強度を精度よく効率的に測定する放射線測定装置である。
【0112】
図8に示された放射線測定装置10Hを説明するに当り、図1に示された放射線測定装置10と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
【0113】
この放射線測定装置10Hは、測定容器14内に形成される測定チャンバ13を第1ないし第4の測定室13a,13b,13c,13dに区画し、測定対象物11を収納する第1の測定室13aでα線による電離イオンを生成させ、第1の測定室13aを囲む第2の測定室13bでβ線による電離イオンを生成させ、第2の測定室13bを囲む第3の測定室13cで中性子線に起因する電離イオンを生成させ、第3の測定室13cを囲む第4の測定室13dでγ線による電離イオンを生成させている。放射線源12から放出される放射線(α線,β線,中性子線,γ線)の特性を利用して第1〜第4の測定室13a〜13dを略同心形状の多層構造に構成したものである。
【0114】
測定容器14内の測定チャンバ13を同心状に仕切る第1〜第4の測定室13a〜13dには、流入する気体のイオンを浄化する気体浄化手段17が設けられる。気体浄化手段17(17a〜17d)は、第1〜第4の測定室13a〜13dに流入する気体のイオンを除去するために、各測定室毎にそれぞれ設けられる。
【0115】
測定チャンバ13の各測定室13a〜13dに流入する気体のイオンは第1〜第4の気体浄化手段17a〜17dにより除去され、浄化される一方、各測定室13a〜13dの気体を流出する通路として同心状の第1〜第4の気体輸送経路40a〜40dと、各気体輸送経路40a〜40dを切り替える輸送経路切替手段41とが設けられ、この輸送経路切替手段41とが設けられ、この輸送経路切替手段41を介してイオン収集手段21に接続される。
【0116】
この放射線測定装置10Hは、測定容器14の測定チャンバ13、例えば第1測定室13a内に、放射線源12を備えた測定対象物11が設置される一方、第3測定室13cに仕切る壁に、電離性粒子生成手段15が設置される。
【0117】
第4実施形態に示された放射線測定装置10Hは、同心状に多層の測定チャンバ13を形成した測定容器14と、測定チャンバ13内の第1測定室13aに設置された放射線源12を有する測定対象物11と、測定チャンバ13の第3測定室13cを仕切る壁に設置された電離性粒子生成手段15と、測定チャンバ13の第1〜第4測定室13a〜13dにそれぞれ流入する気体のイオンを除去する第1〜第4の気体浄化手段17(17a〜17d)と、測定チャンバ13内の第1〜第4測定室13a〜13dの気体を第1〜第4の気体輸送経路40a〜40dを介して案内する輸送経路切替手段41と、輸送経路切替手段41で選択的に切り替えられた第1〜第4の気体輸送経路40a〜40dからの気体を絞り込んで案内されるイオン収集手段21と、イオン収集手段21に気体とともに導かれるイオンを収集する電極22に電源を供給する電源供給手段23と、イオン収集手段21で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段24と、測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段25と、測定チャンバ13の気体をイオン収集手段21まで輸送する気体輸送手段26と、イオン収集手段21を通過後の気体を浄化する気体浄化手段27とから構成される。
【0118】
なお、気体輸送手段26の下流側に気体浄化手段27を設けた例を示したが、気体浄化手段26通過後の気体を測定チャンバ13や測定チャンバ13の各測定室13a〜13dに循環される気体輸送経路(図示せず)を設け、この気体輸送経路の途中あるいは測定チャンバ13に流入する前に気体中のイオンを除去する。気体輸送手段を設けて気体循環系を構成してもよい。
【0119】
ところで、図8に示された放射線測定装置10Hは、測定対象物11の放射線源12からα線、β線、γ線および中性子線が放出されている。測定チャンバ13の第1の測定室13aではα線、第2の測定室13bではβ線、第3の測定室13cでは中性子線の(n,α)反応に起因する電離性粒子、第4の測定室13dではγ線の影響で電離したイオン数からそれぞれの放射能を求める。ここで、第2の測定室13bの壁はβ線を遮蔽しγ線を透過するような材質および厚さが選定される。
【0120】
測定容器14の測定チャンバ13内の各測定室13a〜13dを上述のように設定すれば、第4の測定室13dはγ線のみ、第3の測定室13cは中性子およびγ線、第2の測定室13bはβ線およびγ線、第1の測定室13aはα線、β線およびγ線である。
【0121】
第9実施形態に示された放射線測定装置10Hにおいて、第1に、輸送経路切替手段41により第4の気体輸送経路40dを選択する。第4の測定室13d内の気体を気体輸送経路40dおよび輸送経路切替手段41を介してイオン収集手段21に輸送し、このイオン収集手段21にて第1実施形態に示されたものと同様に、第4の測定室13d内の気体中に含まれるイオンを収集し、このイオンの収集で得られる電流をグロス電流値として電流測定手段24にて測定する。
【0122】
以後、順次輸送経路切替手段41により第3〜第1の気体41c〜41aを順次選択し、第3〜第1の測定室13c〜13aの気体をイオン収集手段21に輸送し、第1実施形態のものと同様に、各測定室13c〜13aの気体中のイオンをイオン収集手段21にて収集し、第3〜第1の測定室13c〜13a内の気体中のイオンをイオン収集手段21にて収集し、第3〜第1の測定室13c〜13aの気体中に含まれるイオンによるグロス電流値を測定する。
【0123】
次に、測定チャンバ13内の第1の測定室13aに測定対象物11がない場合の各測定室13a〜13dのバックグラウンド電流値をイオン収集手段21を介して電流測定手段24で測定し、続いてデータ処理手段25によりグロス電流値からバックグラウンド電流値を減算してネット電流値を求めるデータ処理を行なう。このデータ処理から第1〜第4の測定室13a〜13dのネット電流値をそれぞれ得ることができる。
【0124】
第4の気体輸送経路13dの電流値は主にγ線に起因し、第3の測定室13cは中性子、第2の測定室13bはβ線、第1の測定室13aは主にα線にそれぞれ起因したものであり、測定により求めたこれらのネット電流値と前もって求めたそれぞれの換算定数を使用して、測定対象物11のα線、β線、中性子線、γ線の強度を求めることができる。
【0125】
この場合、第3と第2の測定室13c,13bの電流にはγ線も混入し、第1の測定室13aの電流にはβ線とγ線も混入する。そこで、第3と第2測定室13c,13bの電流は第4の測定室13dのネット電流値を基に混入したγ線を補正し、第1の測定室13aのネット電流値は第4の測定室13dのネット電流値とγ線を補正した第2の測定室1bのネット電流値で補正すれば、さらに精度よく放射線の強度を求めることができる。
【0126】
この放射線測定装置10Hにおいては、測定チャンバ13内の第1の測定室13aは、要求される放射線検出効率に応じて大型化することができ、一方、イオン収集手段21の寸法も測定チャンバ13の寸法と同一とすることなく小型化でき、適切な電場を作るような寸法に設定可能である。さらに、γ線の影響を補正して中性子を求めたり、同一の放射線計測系(イオン収集手段21、電流測定手段24およびデータ処理手段25)を使用してα線、β線およびγ線も簡便に求めることができる。
【0127】
したがって、簡便にしかも高効率で放射線(α線、β線、γ線および中性子線)を測定できる放射線測定装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る放射線測定装置の第2実施形態を示す構成図。
【図3】本発明に係る放射線測定装置の第3実施形態を示す構成図。
【図4】本発明に係る放射線測定装置の第4実施形態を示す構成図。
【図5】本発明に係る放射線測定装置の第5実施形態を示す構成図。
【図6】本発明に係る放射線測定装置の第6実施形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る放射線測定装置の第7および第8実施形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る放射線測定装置の第9実施形態を示す構成図。
【図9】従来の中性子検出器の一例を説明する図。
【図10】従来の放射線測定装置を示す構成図。
【符号の説明】
【0129】
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H 放射線測定装置
11 測定対象物
12 放射線源
13 測定チャンバ(測定室)
14 測定容器(本体ケーシング)
15 電離性粒子生成手段
16 支持手段
17 気体浄化手段
18 設置台(架台)
20 気体収束手段
21 イオン収集手段
22 電極
23 電源供給手段
24 電流測定手段
25 データ処理手段
26 気体輸送手段
27 気体浄化手段
28 円筒
29 芯線(電極)
30 気体輸送経路
33 中性子減速材(熱中性子生成手段)
34 カバー(帯電防止手段)
35 中性子吸収材
36 電離性粒子遮蔽手段
37 遮蔽手段駆動手段
40a,40b,40c,40d 気体輸送経路
41 輸送経路切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を設置する測定チャンバを形成した測定容器と、
前記測定チャンバ内に設置され、中性子と反応して電離性粒子を生成する電離性粒子生成手段と、
上記電離性粒子生成手段が付着した支持手段と、
前記測定チャンバ内に流入する気体中のイオンを除去する気体浄化手段と、
生成された電離性粒子が電離して生成されるイオンが、前記測定チャンバ内の気体とともに案内されるイオン収集手段と、
上記イオン収集手段の電極に電源を供給する電源供給手段と、
前記イオン収集手段で収集されたイオンを電流として測定する電流測定手段と、
測定された電流値をデータ処理し、中性子強度の換算定数から中性子を測定するデータ処理手段と、
前記測定チャンバ内の気体を前記イオン収集手段に輸送する気体輸送手段とを有することを特徴とする放射線測定装置。
【請求項2】
前記測定容器の測定チャンバ内あるいは測定チャンバの外側近傍に、放射線源を備えた測定対象物を設置する一方、前記イオン収集手段通過後の気体を浄化する気体浄化手段を備えた請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項3】
前記測定対象物から放出された中性子を減速させる中性子減速手段と、この中性子減速手段への帯電を防止するために、周囲を覆ったカバー等の帯電防止手段とを、前記測定容器の測定チャンバ内に設けた請求項1または2記載の放射線測定装置。
【請求項4】
前記測定対象物を測定容器の外側近傍に設置するとともに、前記測定容器の測定チャンバに、中性子と反応して電離性粒子を生成する電離性粒子生成手段および前記測定対象物が放出される中性子を減速させる中性子減速手段を設けた請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項5】
前記測定容器の周囲に配置され、前記測定対象物から放出された中性子を減速する中性子減速手段を備えた請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項6】
前記中性子減速手段の周囲を囲む熱中性子回収手段と、前記電流測定手段で測定した電流値から熱外中性子の強度を算出するデータ処理手段とをさらに設けた請求項3ないし6のいずれか記載の放射線測定装置。
【請求項7】
前記測定容器の周囲に配置され、前記測定対象物から放出された中性子を減速する中性子減速手段を備えるとともに、上記中性子減速手段の外側に放射線源を備えた測定対象物を設置した請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項8】
前記電離性粒子生成手段は、中性子と(n,t)反応を起こすLi、前記中性子と(n,α)反応を起こすLiあるいは10B、前記中性子と(n,p)反応を起こすHeを収納した物体、ならびに、前記中性子と(n,f)反応を起こす235U,U同位体、Pu同位体およびTh同位体の少なくとも一種類が選択されたものである請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項9】
前記測定容器の測定チャンバ内に、前記電離性粒子生成手段で生成された電離性粒子を遮蔽して気体の電離を防止する電離性粒子遮蔽手段と、
この電離性粒子遮蔽手段を駆動する遮蔽駆動手段とを備えた請求項1記載の放射線測定装置。
【請求項10】
前記電離性粒子遮蔽手段で遮蔽した状態で電離性粒子を測定したバックグラウンド電流値を、電離性粒子の遮蔽がない状態で測定したグロス電流値から減算してネット電流値を算出し、中性子強度の換算定数から中性子強度を求める手段と、
前記測定対象物がなく、電離性粒子を遮蔽した状態で測定した電流値を前記バックグラウンド電流値から減算して中性子以外の強度を求める手段と、
前記中性子強度と中性子以外の強度から測定対象物の放射線域をU,Pu,TRUに分類する手段を有する請求項9記載の放射線測定装置。
【請求項11】
測定容器の測定チャンバ内に、測定対象物を囲みα線による電離イオンを生成する第1の測定室と、この測定量を囲みβ線による電離イオンを生成する第2の測定室と、第2の測定室を囲み中性子線に起因する電離イオンを生成する第3の測定室と、第3の測定室を囲みγ線による電離イオンを生成する第4の測定室とを設け、
前記第3の測定室に設置した電離性粒子生成手段と、
前記測定チャンバの第1〜第4の測定室の気体を輸送する第1〜第4の気体輸送経路と、
上記各気体輸送経路を経て輸送される気体中のイオンを収集するイオン収集手段と、
このイオン収集手段の電極に電源を供給する電源供給手段と、
前記イオン収集手段で収集したイオンを電流として測定する電流測定手段と、
測定した電流値のデータ処理を行なうデータ処理手段と、
前記測定チャンバの各測定室内の気体をイオン収集手段に輸送する気体輸送手段とをさらに備え、
前記データ処理手段は、前記気体チャンバの各測定室の気体中に含まれるイオンの電流値から、α線、β線、γ線および中性子線の強度を測定することを特徴とする放射線測定装置。
【請求項12】
前記気体輸送手段通過後の気体を測定容器内の測定チャンバに循環させる気体輸送経路と、
循環した気体が前記測定チャンバに流入する前に気体中のイオンを除去する気体浄化手段を備えた請求項1または11記載の放射線測定装置。
【請求項13】
測定対象物から放出される中性子と電離性粒子生成手段との間の(n,α)反応、(n,p)反応および(n,f)反応の少なくとも1種類の反応で電離性粒子を生成し、
生成された電離性粒子が測定チャンバ内の気体を電離させてイオン対を生成し、
生成されたイオン対をイオン収集手段に輸送して収集されるイオンを電流または電気量として測定し、
この電流値から換算定数を用いて放射線の強度を測定することを特徴とする放射線測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−89310(P2008−89310A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267011(P2006−267011)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】