説明

放射線画像検出装置及び放射線画像撮影システム

【課題】操作者が、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる放射線画像検出装置及び放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】被写体に向けて照射された放射線を検出する放射線画像検出装置6において、被写体像が適正に検出されているかを判断する制御部21を設けるとともに、外部機器との通信を行う通信部26を設け、制御部21は、被写体像が適正に検出されているかの判断結果を外部機器に対して送信するように通信部26を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線画像に代表される放射線画像を検出する放射線画像検出装置及び放射線画像検出装置を用いて放射線画像を撮影する放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療診断にあっては、被写体にX線等の放射線を照射し、当該被写体を透過した放射線の強度分布を検出して得られた放射線画像が広く利用されており、近年では、撮影に際し放射線を検出して電気信号に変換し、放射線画像情報として検出するFPD(Flat Panel Detector)を用いた放射線画像撮影システムが提案されている。
【0003】
この放射線画像撮影システムにあっては、システム構成の自由度を向上させる上で、撮影室に配設されたFPDを所定の通信回線を介して操作するためのPC(Personal Computer)等の所定のコンソールと接続して使用するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、FPDの運搬性・取扱い性の向上を目的としたカセッテ型FPDも開発されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、カセッテ型FPDとコンソールとが無線方式により放射線画像の画像データ等の各種情報を通信可能にシステム構成されたものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
ところで、例えば被写体に照射された放射線の線量が少ないため放射線画像にノイズが含まれ、当該放射線画像を用いて診断を行うことが困難である等、放射線画像の撮影が不適正であった場合には、再撮影を行う必要があるため、放射線画像撮影システムにあっては、撮影された放射線画像をコンソールの表示部等に表示するようになっている。例えば、上記特許文献1におけるFPDとコンソールとがシステム専用の通信回線を介して接続された放射線画像撮影システムでは、検出された放射線画像の画像データをFPDからコンソールに送信して、コンソールにて受信された画像データに基づいて作成されたサムネイル画像等の縮小画像を画像表示装置に表示することにより、撮影状態の確認を行うことができるようになっている。
【0006】
ここで、FPDとコンソールとが例えばケーブル等の有線方式により通信を行う構成とすると、システム構成の自由度が低くなってしまうため、システム構成の自由度を向上させるためには、FPDとコンソールとの間で無線方式により画像データを通信することが好ましいが、この場合、画像データの通信に時間がかかる。すると、撮影状態の確認を撮影後即座に行うことができず、撮影状態によっては再撮影を行う必要があることから、その間例えば被写体である患者を待たせることになってしまう。
【0007】
そこで、画像データの信号値の頻度分布であるヒストグラムの解析結果から撮影の良否を判定して、撮影が不良であると判定された場合には、その旨を表示部に表示したり、あるいは光や音で操作者に報知するFPDが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2003−199736号公報
【特許文献2】特開平6−342099号公報
【特許文献3】特開2003−210444号公報
【特許文献4】特開2003−172783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、操作者である放射線技師は、撮影時には、FPDが装着されている放射線画像撮影装置から離れた位置で、放射線画像撮影装置を操作する撮影操作装置又は放射線画像検出装置を操作するコンソールを操作しているため、上記従来のFPD(特許文献4)を適用した放射線画像撮影システムでは、放射線技師が、表示部に撮影が不良である旨が表示されているか否かを確認するためには、FPDの配置位置まで移動しなければならなかった。
【0009】
また、FPDが装着された放射線撮影装置は、放射線が外部に漏れないように遮蔽されて設置されているため、光や音で報知しても、放射線技師が報知に気付かないおそれがあった。
【0010】
そこで、本発明は、操作者が、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる放射線画像検出装置及び放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、被写体に向けて照射された放射線を検出する放射線画像検出装置において、被写体像が適正に検出されているかを判断する画像判断手段と、外部機器との通信を行う通信部と、前記画像判断手段による判断結果を前記外部機器に対して送信するように前記通信部を制御する通信部制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、操作者である放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、被写体像が適正に検出されているかの判断結果を確認することが可能となる。また、外部機器に対して送信されるのは、判断結果であるから、通信に時間がかかることもない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像検出装置において、前記画像判断手段は、検出された放射線画像を解析し、該解析結果に基づいて、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、検出された放射線画像の解析結果に基づいて被写体像が適正に検出されているかが判断され、この判断結果が外部機器に対して送信されるため、放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、撮影された放射線画像の適否を確認することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放射線画像検出装置において、前記画像判断手段は、撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかが判断され、この判断結果が外部機器に対して送信されるため、放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、撮影された放射線画像の適否を確認することが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の放射線画像検出装置において、前記画像判断手段は、予め定められた基準ヒストグラム中の所定位置における基準値と、検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラム中の所定位置における値とを比較することにより、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、基準ヒストグラム中の所定位置における基準値と、検出した放射線画像のヒストグラム中の所定位置における値とを比較することにより、被写体像が適正に検出されているかが判断され、この判断結果が外部機器に対して送信されるため、放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、撮影された放射線画像の適否を確認することが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の放射線画像検出装置において、前記画像判断手段は、検出された放射線画像から、前記撮影部位毎に定められる特定領域を認定し、認定された特定領域について解析を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、検出された放射線画像中の特定領域における解析結果に基づいて被写体像が適正に検出されているかが判断され、この判断結果が外部機器に対して送信されるため、放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、撮影された放射線画像の適否を確認することが可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置において、前記画像判断手段は、前記外部機器から前記撮影部位に関する情報を受信することを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、外部機器から受信した撮影部位に関する情報に基づいて、被写体像が適正に検出されているかが判断される。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6に記載の放射線画像検出装置において、操作者からの指示を入力する入力操作部と、前記入力操作部からの入力指示に基づいて、被写体像が適正に検出されているかの判断を行うか否かを決定する判断決定手段とを設けたことを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、放射線技師が、必要に応じて放射線画像検出装置により自動的に被写体像が適正に検出されているかの判断を行わせるか否かを選択することができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7に記載の放射線画像検出装置において、前記通信部は、無線信号により通信することを特徴とする。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、放射線画像検出装置の持ち運びが容易になったり、一つのコンソールにより複数の放射線画像検出装置を操作するのが容易になる等、システム構成上の自由度が高くなる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置は、被写体に向けて照射された放射線を検出し、当該放射線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積された電気信号を読み出して前記被写体の放射線画像情報を取得するカセッテ型フラットパネルディテクタ(FPD)であることを特徴とする。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、FPDがカセッテ型FPDであるため、持ち運びに便利である。
【0029】
請求項10に記載の発明による放射線画像撮影システムは、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置と、前記放射線画像検出装置を操作するコンソールとを有し、前記コンソールは、外部機器と通信を行う通信部を備え、前記放射線画像検出装置から前記判断結果を受信することを特徴とする。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、放射線技師が、放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、撮影された放射線画像の適否を確認することが可能となる。
【0031】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の放射線画像撮影システムにおいて、前記コンソールは、情報を表示する表示部を備え、前記放射線画像検出装置から受信された前記判断結果を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、放射線技師が、コンソールの表示部に表示された判断結果を見ることにより、撮影された放射線画像の適否を最終的に判断することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項10又は請求項11に記載の放射線画像撮影システムにおいて、前記放射線画像検出装置は、検出された放射線画像の画像データを記憶する記憶手段を備えるとともに、前記コンソールは、操作者からの指示を入力する入力操作部と、前記放射線画像検出装置による画像データ転送処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力操作部からの入力指示に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記画像データの転送を行わせることを特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、画像データを記録手段に記憶しておき、任意のタイミングで転送を行うことができるため、画像データを転送している間、例えば患者等の被写体を待たせることなく、効率よく連続して放射線画像の撮影を行うことが可能となる。
【0035】
請求項13に記載の発明は、請求項10又は請求項11に記載の放射線画像撮影システムにおいて、前記放射線画像検出装置は、検出された放射線画像の画像データを記憶する記憶手段を備えるとともに、前記コンソールは、操作者からの指示を入力する入力操作部と、前記記憶手段に記憶されている画像データの削除処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力操作部からの入力指示に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記画像データの削除を行わせることを特徴とする
【0036】
請求項13に記載の発明によれば、記録手段に記憶されている画像データを放射線技師の判断に応じて削除することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
請求項1に記載の発明によれば、被写体像が適正に検出されているかの判断結果が外部機器に対して送信されることから、通信に時間がかかることがなく、また、放射線技師が判断結果を確認するために、放射線画像検出装置の配設位置まで移動する必要がないため、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、検出された放射線画像の解析結果に基づいて被写体像が適正に検出されているかが判断され、その判断結果が外部機器に対して送信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかが判断され、その判断結果が外部機器に対して送信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0040】
請求項4基準ヒストグラム中の所定位置における基準値と、検出した放射線画像のヒストグラム中の所定位置における値とを比較することにより、被写体像が適正に検出されているかが判断に記載の発明によれば、され、その判断結果が外部機器に対して送信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明によれば、検出された放射線画像中の特定領域における解析結果に基づいて被写体像が適正に検出されているかが判断され、その判断結果が外部機器に対して送信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば、外部機器から受信した撮影部位に関する情報に基づいて、被写体像が適正に検出されているかが判断され、その判断結果が外部機器に対して送信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0043】
請求項7に記載の発明によれば、放射線技師が、必要に応じて放射線画像検出装置により自動的に被写体像が適正に検出されているかの判断を行わせるか否かを選択することができる。
【0044】
請求項8に記載の発明によれば、放射線画像検出装置の持ち運びが容易になったり、一つのコンソールにより複数の放射線画像検出装置を操作するのが容易になる等、システム構成上の自由度が高くなる。
【0045】
請求項9に記載の発明によれば、FPDがカセッテ型FPDであるため、持ち運びに便利である。
【0046】
請求項10に記載の発明によれば、被写体像が適正に検出されているかの判断結果がコンソールにより受信されることから、放射線技師が放射線画像検出装置の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認することができる。
【0047】
請求項11に記載の発明によれば、放射線技師が、コンソールの表示部に表示された判断結果を見ることにより、撮影された放射線画像の適否を最終的に判断することができる。
【0048】
請求項12に記載の発明によれば、画像データを記録手段に記憶しておき、任意のタイミングで転送を行うことができるため、画像データを転送している間、例えば患者等の被写体を待たせることなく、効率よく連続して放射線画像の撮影を行うことが可能となる。
【0049】
請求項13に記載の発明によれば、記録手段に記憶されている画像データを放射線技師の判断に応じて削除することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態を、図1から図4を参照して説明する。
【0051】
図1は、本発明による放射線画像検出装置を適用した放射線画像撮影システム1の一実施形態の概略構成を示す図である。
【0052】
本実施形態による放射線画像撮影システム1は、図1に示すように、放射線画像撮影に関する情報を管理するサーバ2と、放射線画像撮影に関する操作を行う撮影操作装置4と、例えば無線LAN(Local Area Network)等の無線通信方式による通信を行うための基地局5と、放射線画像検出装置6を操作するコンソール7とがネットワーク8を通じて接続されている。撮影操作装置4にはケーブル4を介して、被写体に放射線を照射して放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置3が接続されている。ここで、ネットワーク8は、当該システム専用の通信回線であっても良いが、システム構成の自由度が低くなってしまう等の理由のため、イーサネット(Ethernet;登録商標)等の既存の回線である方が好ましい。
【0053】
サーバ2は、コンピュータで構成されており、サーバ2には、サーバ2を構成する各部を制御する制御部、各種情報や操作者の指示を入力する入力操作部、及び、各種情報を記憶する外部記憶装置等が設けられている(いずれも図示しない)。
【0054】
制御部は、入力操作部から入力された患者情報や撮影情報等をそれぞれ対応付けた状態で、外部記憶装置に記憶させるようになっている。患者情報とは、患者11の氏名、年齢、性別、生年月日、患者11を特定するための患者ID番号等の患者11に関する情報である。また、撮影情報とは、撮影部位(被撮影者の身体上の撮影する部分)、撮影する方向や方法等の撮影を行うために必要な情報である。
【0055】
なお、サーバ2に代えて、IDカードに予め書き込まれた患者情報や撮影情報を読み取るカードリーダ等の情報読取装置を設けるようにしてもよい。
【0056】
放射線画像撮影装置3は、放射線源9を有しており、この放射線源9に管電圧が印加されることによって、放射線を発生するようになっている。放射線源9の放射線照射口には、放射線照射野を調節する絞り装置10が、開閉自在に設けられている。放射線源9の下方であって放射線照射範囲には、患者11を載置させる寝台12が設けられている。
【0057】
撮影操作装置4は、情報を表示する表示部や操作者である放射線技師からの指示を入力する入力操作部(いずれも図示せず)等を備えるコンピュータで構成されており、撮影条件に対応する管電圧値、放射線の線量及び照射野絞り値により撮影が行われるように、放射線画像撮影装置3の放射線源9及び絞り装置10等を制御するようになっている。
【0058】
コンソール7は、図2に示すように、制御部14、RAM15、ROM16、表示部17、入力操作部18、通信部19等を備えて構成されており、各部はバス20により接続されている。
【0059】
表示部17は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、制御部14から出力され入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示するようになっている。
【0060】
入力操作部18は、例えば、キーボードやマウス等から構成されており、キーボードで押下操作されたキーの押下信号やマウスによる操作信号を入力信号として制御部14に対して出力するようになっている。
【0061】
特に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム1においては、入力操作部18は、所定操作に基づいて放射線画像検出装置6により検出された放射線画像の画像データの転送指示に係る信号を制御部14に対して出力するようになっている。具体的には、一つの放射線画像の撮影が終了する毎に画像データの転送を行わせるか、一人の患者11について放射線画像の撮影が終了する毎に当該患者11の画像データの転送をまとめて行わせるか、あるいは、当該放射線画像撮影装置3にて撮影を行うことになっている全ての放射線画像の撮影終了後に、まとめて全ての画像データの転送を行わせるかが、放射線技師により選択可能に構成されている。
【0062】
また、入力操作部18は、所定操作に基づいて放射線画像検出装置6に記憶されている放射線画像の画像データの削除指示に係る信号を制御部14に対して出力するようになっている。
【0063】
通信部19は、無線LAN等の無線通信方式により、基地局5を介して、放射線画像検出装置6との間で各種情報の通信を行うものである。
【0064】
制御部14は、例えば、CPU等から構成され、ROM16に格納される所定のプログラムを読み出してRAM15の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0065】
特に、制御部14は、操作対象である放射線画像検出装置を用いて撮影することが予定されている患者情報及び撮影情報をネットワーク8を通じてサーバ2より受信し、受信した複数の情報を撮影順に並べたリストを作成し、図示しないメモリに記憶させておくようになっている。なお、患者情報及び撮影情報は、診察室等に設置されネットワーク8に接続された他のパーソナルコンピュータ等の端末から入力されたものを受信するようにしてもよい。また、コンソール7にケーブル等で接続されたカードリーダ等の情報読取装置により、IDカードに予め書き込まれた患者情報や撮影情報を読み出し、読み出したものを入力するようにしてもよい。
【0066】
また、制御部14は、受信した撮影情報の中から撮影部位に関する情報を、基地局5を介して無線で放射線画像検出装置6に対して送信するようになっている。
【0067】
また、制御部14は、後述の放射線画像検出装置6による放射線画像検出装置6による被写体像が適正に検出されているか否かの判断結果を放射線画像検出装置6より受信し、これを表示部17に表示させるとともに、再撮影を行うか否かの判断を促すメッセージを表示部17に表示させるようになっている。
【0068】
入力操作部18より再撮影を行わない旨の入力がなされた場合には、当該放射線画像の画像データを放射線画像検出装置6より転送させるタイミングを入力操作部18より選択するように促すメッセージを表示させるようになっている。
【0069】
そして、画像データの転送タイミングが入力操作部18より選択されると、上記リストに基づいて、次に行われる撮影に係る患者情報及び撮影情報を表示部17に表示させるようになっている。
【0070】
なお、画像データの転送タイミングは、予め入力操作部18より選択して設定しておくようにしてもよい。この場合、入力操作部18より再撮影を行わない旨の入力がなされたときには、次に行われる撮影に係る患者情報及び撮影情報を表示部17に表示させるとよい。
【0071】
さらに、制御部14は、前記入力操作部18からの入力指示に基づいて、放射線画像検出装置6に画像データの転送を行わせるようになっている。
【0072】
また、制御部14は、前記入力操作部18からの入力指示に基づいて、放射線画像検出装置6に記憶されている画像データの削除を行わせるようになっている。
【0073】
放射線画像検出装置6は、例えばカセッテ型FPDであり、放射線画像検出装置6は、図3に示すように、制御部21、RAM22、ROM23、放射線検出部である平面検出部24、記憶手段である画像メモリ25、通信部26、電源部27、入力操作部28等を備えて構成されており、各部はバス29により接続されている。
【0074】
平面検出部24は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置には、放射線源9から照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。
【0075】
ここで、平面検出部24としては、図示は省略するが、例えば、放射線を蛍光(光)に変換する放射線光変換層と、放射線光変換層により変換された蛍光を検出して電気信号に変換する光電変換層とを備える間接型のもの、また、放射線光変換層及び光電変換層に替えて、放射線を直接電気信号に変換する放射線受部を有する放射線電気信号変換層を備える直接型のもの等が挙げられる。
【0076】
画像メモリ25は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成され、平面検出部24に蓄積された電気信号が読み取られることにより取得された放射線画像の画像データを記憶するようになっている。
【0077】
通信部26は、無線LAN等の無線通信方式により、基地局5を介して、コンソール7との間で各種情報の通信を行うものである。
【0078】
電源部27は、放射線画像検出装置6を構成する各部に電源を供給する充電池30を有し、当該放射線画像検出装置6の所定位置に設けられた充電用端子(図示略)を介して充電可能に構成されている。
【0079】
放射線画像検出装置6の筐体の一面には、放射線技師からの指示を入力する入力操作部28が設けられており、放射線画像検出装置6により被写体像が適正に検出されているかの判断を自動的に行う自動判断モードと、被写体像が適正に検出されているかの判断を行わない判断不要モードとが選択可能とされている。なお、自動判断モードと判断不要モードの選択は、コンソール7の入力操作部18により行う構成としてもよい。
【0080】
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等から構成され、ROM23に格納される所定のプログラムを読み出してRAM22の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0081】
具体的には、例えば、制御部21は、平面検出部24の各画素を構成する例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、平面検出部24に蓄積された電気信号を読み取ることにより、平面検出部24から放射線画像の画像データを取得するようになっている。
【0082】
また、特に本実施形態に係る放射線画像撮影システム1においては、制御部21は、判断決定手段として、入力操作部からの入力指示に基づいて、被写体像が適正に検出されているかの判断を行うか否かを決定し、判断を行うことが決定された場合には、画像判断手段として、撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかを判断するようになっている。
【0083】
具体的には、ROM23には、各撮影部位毎についての基準画像の基準ヒストグラムにおける基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0が記憶されているとともに、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0との差の許容範囲を示した適正範囲情報が記憶されている。
【0084】
ここで、信号レンジA及び中央信号値Scの算出方法について、図4を参照して説明する。図4は、横軸に画像信号レベル(濃度、放射線透過率に対応する)、縦軸に信号レベルに対応する頻度がとられたヒストグラムであり、放射線が被写体を透過した被写体透過部の放射線量について各信号値の頻度が示され、最高信号レベル位置に、放射線が被写体を透過しなかった素抜け部の放射線量に相当する一つの極大部分が現れる。
【0085】
ヒストグラムの形状に基づいて素抜け部と被写体透過部とを区別し、被写体透過部の最小信号値Sminから最大信号値Smaxまでの幅を信号レンジAして求め、該信号レンジAの中央に位置する中央信号値Sc(Sc−Smin=Smax−Sc)を算出する。被写体透過部と素抜け部との区別は、例えば、ヒストグラムを高画像信号レベル側から走査して最初の頻度の山を越えた後頻度が所定の閾値以下になったところを素抜け部と被写体透過部との境界とすることにより行うことができる。また、信号レンジAは、例えば、ヒストグラムを低画像信号レベル側から走査して頻度が最初に所定の閾値を超えた点をSminとし、素抜け部と被写体透過部との境界をSmaxとすることにより算出可能である。
【0086】
ヒストグラムは、各撮影部位の特性に応じて標準的な信号レベルの分布が定まっているため、各撮影部位毎に、ノイズが少なく最適な画像のヒストグラムを基準ヒストグラムとして作成し、作成した基準ヒストグラムから上記方法により信号レンジA及び中央信号値Scを算出し、それぞれ基準信号レンジA0、基準中央信号値Sc0としてROM23に記憶させる。
【0087】
被写体に照射された放射線量が最適量よりも少ない場合には、ヒストグラムにおける信号レベルの分布は、図4において左側にずれる。基準ヒストグラムとノイズが診断に影響を及ぼさないように撮影された放射線画像のヒストグラムとの左側へのずれを許容される最大のずれとして、このヒストグラムにおける信号レンジA1及び中央信号値Sc1を予め求め、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0と信号レンジA1及び中央信号値Sc1との差を、適正範囲として定め、適正範囲情報としてROM23に記憶させる。
【0088】
また、ROM23には、各撮影部位毎に当該撮影部位の撮影について照射野が存在するか否かを対応付けた撮影部位−照射野テーブルが記憶されおり、制御部21は、撮影部位−照射野テーブルに基づいて、コンソール7から受信した撮影部位情報に係る撮影について照射野が存在するか否かを判断するようになっている。一般に、撮影部位の特性から標準的な照射野が定まるものであるため、この標準的な照射野と使用する放射線画像検出装置6の大きさとの関係で、当該撮影部位について照射野が存在するか否かを予め決定しておき、各撮影部位毎に対応付けることにより、撮影部位−照射野テーブルが作成される。
【0089】
なお、撮影部位−照射野テーブルをコンソール7のROM16に記憶させておき、コンソール7の制御部14が、撮影部位−照射野テーブルに基づいて、撮影部位情報に係る撮影について照射野が存在するか否かを判断し、その結果を放射線画像検出装置6に対して送信するようにしてもよい。
【0090】
放射線画像検出装置6の制御部21は、照射野が存在する場合においては、検出された放射線画像から照射野に相当する部分を認定し、認定された照射野に相当する部分について、統計解析であるヒストグラム解析を行い、照射野が存在しない場合には、検出された放射線画像全体についてヒストグラム解析を行って、ヒストグラムを作成するようになっている。
【0091】
なお、撮影部位−照射野テーブルは、コンソール7のROM16に記憶させておき、コンソール7の制御部14が、撮影部位−照射野テーブルに基づいて、撮影部位情報に係る撮影について照射野が存在するか否かを判断し、その結果を放射線画像検出装置6に対して送信するようにしてもよい。
【0092】
ここで、放射線画像における照射野の認定方法としては、例えば、以下のような方法を適用することができる。すなわち、撮像面上の所定の位置から撮像面の端部側に向かう線分上の画像データを用いて微分処理を行う。この微分処理によって得られた微分信号は、照射野エッジ部で信号レベルが大きくなるため、微分信号の信号レベルを判別して1つの照射野エッジ候補点が求められる。この照射野エッジ候補点を求める処理を、撮像面上の所定の位置を中心として放射状に行うことにより複数の照射野エッジ候補点が求められる。このようにして得られた複数の照射野エッジ候補点を直線あるいは曲線で結ぶことにより得られた照射野エッジ部を放射線画像における照射野として認定する。
【0093】
制御部21は、作成したヒストグラムに基づいて、上記方法により信号レンジA及び中央信号値Scを算出するとともに、コンソール7から受信した撮影部位情報に示される撮影部位に対応する基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0並びに適正範囲情報を取得して、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0と信号レンジA及び中央信号値Scとの差が適正範囲情報に示される範囲内であるかを判断するようになっている。
【0094】
そして、制御部21は、基準信号レンジA0と信号レンジAとの差及び基準中央信号値Sc0と中央信号値Scとの差の双方が適正範囲内に入っていれば、放射線画像が適正に検出されていると判断し、いずれか一方でも適正範囲に入っていなければ、放射線画像が適正に検出されていないと判断するようになっている。
【0095】
なお、制御部21は、中央信号値Scを求めて基準中央信号値Sc0と比較することなく、基準信号レンジA0と信号レンジAとの差が適正範囲に入っているか否かの判断のみにより、放射線画像が適正に検出されているかを判断するようにしてもよく、また、基準信号レンジA0と信号レンジAとを比較することなく、基準中央信号値Sc0と中央信号値Scとの差が適正範囲に入っているか否かの判断のみにより、放射線画像が適正に検出されているかを判断するようにしてもよい。
【0096】
また、制御部21は、通信部制御手段として、被写体像が適正に検出されているか否かの判断結果をコンソール7に対して送信するように通信部を制御するようになっている。
【0097】
なお、過度の放射線が被写体に対して照射され放射線画像が撮影された場合には、当該 放射線画像の画質の面では問題はないが、人体に悪影響を及ぼすおそれがあり、この点を後々のために記録しておく必要があるため、放射線量が過大であった旨をコンソール7に対して送信するようにしてもよい。具体的には、被写体に照射された放射線量が最適量よりも多い場合には、ヒストグラムにおける信号レベルの分布は、図4において右側にずれる。そこで、この右側へのずれが、人体に悪影響を及ぼすおそれがあるとして許容範囲を超える場合には、放射線量が過大であったと判断し、この旨をコンソール7に対して送信するようにするとよい。
【0098】
さらに、制御部21は、コンソール7からの要求に応じて、検出された放射線画像の画像データをコンソール7に対して送信するように通信部を制御するようになっている。
【0099】
次に、放射線画像撮影システム1の作用について説明する。
【0100】
放射線画像の撮影が行われる際には、サーバ2から撮影操作装置4に対して、患者情報や撮影情報が送信される。撮影操作装置4は受信したこれらの情報を適宜表示部に表示し、放射線技師はこれらの情報を確認しながら放射線画像の撮影を行う。
【0101】
撮影操作装置4は、受信した撮影情報に含まれる管電圧値、線量及び照射野絞り値に基づいて、放射線画像撮影装置3の放射線源9及び絞り装置10を制御し、放射線画像撮影装置3は、これらの条件下で放射線を患者11に対して照射する。
【0102】
このとき、放射線画像検出装置6が、寝台12上であって患者11の下に差しこまれており、患者11を透過する放射線量を検出し、検出した放射線を電気信号に変換して画像データを取得し、取得した画像データを画像メモリ25に記憶する。
【0103】
また、放射線画像検出装置6に設けられた入力操作部28から放射線技師により自動判断モードが選択されている場合には、放射線画像検出装置6は、被写体像が適正に検出されているかの判断を行い、その判断結果をコンソール7に対して送信する。そして、コンソール7は、受信した判断結果を表示部17に表示する。これにより、放射線技師は、放射線画像検出装置6の配設位置まで移動することなく、判断結果を見ることができ、撮影条件や被写体の体形等を考慮して撮影された放射線画像の適否を最終的に判断し、再撮影の要否を決定することができる。以下、被写体像が適正に検出されているかの判断及び判断後の処理に関する動作について、図5を用いて詳細に説明する。
【0104】
放射線画像の撮影が行われる際には、予め、コンソール7は、当該撮影に係る撮影部位情報を、ネットワーク8を通じてサーバ2より受信する(S1)。放射線画像が検出されると、放射線画像検出装置6の制御部21は、通信部26及び基地局5を介して無線によりコンソール7から撮影部位情報を取得する(S2)。そして、撮影部位−照射野テーブルに基づいて、取得した撮影部位情報に係る撮影について照射野が存在するか否かを判断する(S3)。
【0105】
照射野が存在すると判断した場合には(S3=Y)、放射線画像検出装置6の制御部21は、検出された放射線画像から照射野に相当する部分を認定し(S4)、認定された照射野に相当する部分について、ヒストグラムを作成する(S5)。一方、照射野が存在しないと判断した場合には(S3=N)、検出された放射線画像全体について、ヒストグラムを作成する(S6)。
【0106】
その後、作成したヒストグラムに基づいて、制御部21により信号レンジA及び中央信号値Scを算出する(S7)。そして、制御部21は、コンソール7から受信した撮影部位情報に係る撮影部位に対応する基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0取得し(S8)、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0と信号レンジA及び中央信号値Scとの差を算出する(S9)。
【0107】
その後、制御部21は、コンソール7から受信した撮影部位情報に係る撮影部位に対応する適正範囲情報を取得し(S10)、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0と信号レンジA及び中央信号値Scとの差が適正範囲情報に示される範囲内であるかを判断する(S11)。
【0108】
含まれている場合には(S11=Y)、制御部21は、被写体像が適正に検出されていると判断し(S12)、その旨の判断結果を通信部26及び基地局5を介して無線によりコンソール7に対して送信する(S13)。この判断結果を受信したコンソール7は、この判断結果を及び再撮影を行うか否かの判断を促すを表示部17に表示する(S14)。
【0109】
放射線技師は、放射線画像検出装置6による自動判断の結果を確認して、診断用の画像として使用できると判断した場合には、再撮影を行わない旨を入力操作部18より行う。一方、放射線画像検出装置6により被写体画像が適正に検出されていると判断された場合であっても、放射線技師は、撮影状況等の諸般の事情により当該放射線画像が診断に用いることができないと判断することがあり、この場合には、再撮影の指示を入力操作部18より行う。
【0110】
コンソール7の制御部14は、入力操作部18より再撮影を指示する入力がなされたか否かを判定しており(S15)、再撮影指示入力があった場合には(S15=Y)、再撮影処理がなされる(S16)。
【0111】
一方、再撮影を指示しない旨の入力があった場合には(S15=N)、すぐに画像データの転送を行わせるか、同一患者11の撮影終了後に当該患者11の画像データの転送をまとめて行わせるか、あるいは、当該放射線画像撮影装置3にて撮影を行うことになっている全ての放射線画像の撮影終了後に、まとめて全ての画像データの転送を行わせるかの選択を促すメッセージを表示部17に表示する(S17)。
【0112】
制御部14は、入力操作部18より画像データの転送タイミングを選択する入力がなされたか否かを判定しており(S18)、選択入力があった場合には(S18=Y)、制御部14により次に行われる撮影に係る患者情報及び撮影情報を表示部17に表示する(S19)。
【0113】
その後、制御部14は、選択された画像データの転送タイミングに応じて、放射線画像検出装置6の画像メモリ25に記憶されている画像データを転送させる(S20)。
【0114】
一方、適正範囲情報に示される所定の範囲に、基準信号レンジA0及び基準中央信号値Sc0と信号レンジA及び中央信号値Scとの差が含まれていない場合には(S11=N)、放射線画像検出装置6の制御部21は、被写体像が適正に検出されていないと判断する(S21)。そして、被写体像が適正に検出されていない旨の判断結果を通信部26及び基地局5を介して無線によりコンソール7に対して送信する(S22)。この判断結果を受信したコンソール7は、この判断結果及び再撮影を行うか否かの判断を促すメッセージを表示部17に表示する(S23)。
【0115】
コンソール7の表示部17に表示された判断結果及び撮影条件、患者の体形等に基づいて、放射線技師は、検出された放射線画像が診断用の画像として使用できるか否かを判断することが可能となり、放射線画像検出装置6により被写体画像が適正に検出されていないと判断された場合であっても、放射線技師が診断用の画像として使用できると判断した場合には、再撮影を行わない旨を入力操作部18より行う。一方、放射線技師が診断用の画像として使用できないと判断した場合には、再撮影の指示を入力操作部18より行う。
【0116】
コンソール7の制御部14は、入力操作部18より再撮影を指示する入力がなされたか否かを判定しており(S15)、再撮影指示入力があった場合には(S15=Y)、再撮影処理がなされる(S16)。
【0117】
一方、再撮影指示入力がなかった場合には(S15=N)、すぐに画像データの転送を行わせるか、同一患者11の撮影終了後に当該患者11の画像データの転送をまとめて行わせるか、あるいは、当該放射線画像撮影装置3にて撮影を行うことになっている全ての放射線画像の撮影終了後に、まとめて全ての画像データの転送を行わせるかの選択を促すメッセージを表示部17に表示する(S17)。
【0118】
制御部14は、入力操作部18より画像データの転送タイミングを選択する入力がなされたか否かを判定しており(S18)、選択入力があった場合には(S18=Y)、制御部14により次に行われる撮影に係る患者情報及び撮影情報を表示部17に表示する(S19)。
【0119】
その後、放射線画像検出装置6の画像メモリ25に記憶されている放射線画像の画像データが、通信部26及び基地局5を介して無線によりコンソール7へ送信される(S20)。
【0120】
コンソール7は、通信部19を介して受信した画像データと患者情報等と関連付けて、サーバ2に対して送信する。その後、各画像データは、サーバ2より画像処理がなされた後、適宜出力され、放射線画像として医師による診断に供される。
【0121】
以上より、本実施形態に係る放射線画像撮影システム1によれば、被写体像が適正に検出されているかの判断結果が、放射線画像検出装置6からコンソール7に対して送信され、コンソール7の表示部17に表示されることから、放射線技師が放射線画像検出装置6の配設位置まで移動することなく、即時かつ確実に被写体像が適正に検出されているかを確認し、放射線画像の適否を最終的に判断することができる。
【0122】
なお、本実施形態においては、制御部21により撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかを判断するようにしたが、基準ヒストグラム中の所定位置における基準値と、検出した放射線画像のヒストグラム中の所定位置における値とを比較することにより、被写体像が適正に検出されているかが判断するようにしてもよい。具体的には、ROM23に、例えば撮影部位毎の基準ヒストグラムにおいて頻度が最大となる信号値を基準値として記憶しておき、制御部21により検出された放射線画像のヒストグラムにおいて頻度が最大となる信号値を求めて基準値との差が一定の範囲内であれば、被写体像が適正に検出されていると判断するとよい。なお、比較する信号値は、頻度が最小となる信号値であってもよいし、平均頻度となる信号値であってもよい。さらには、最小信号レベル側から走査していき2番目に頻度がピークとなる信号値等であってもよい。
【0123】
また、撮影部位毎の基準画像に代えて、撮影部位毎に定められる特定領域の基準ヒストグラムと検出した放射線画像の特定領域のヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかを判断するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明を適用した第一の実施の形態として例示する放射線画像撮影システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の放射線画像撮影システムを構成するコンソールの要部構成示すブロック図である。
【図3】図1の放射線画像撮影システムを構成する放射線画像検出装置の要部構成示すブロック図である。
【図4】図1の放射線画像撮影システムを構成する放射線画像検出装置により作成される放射線画像のヒストグラムの一例を示す図である。
【図5】図1の放射線画像撮影システムによる撮影処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0125】
1 放射線画像撮影システム
2 サーバ
3 放射線画像撮影装置
4 撮影操作装置
5 基地局
6 放射線画像検出装置
7 コンソール
18 入力操作部
21 制御部
25 画像メモリ(記憶手段)
26 通信部
28 入力操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に向けて照射された放射線を検出する放射線画像検出装置において、
被写体像が適正に検出されているかを判断する画像判断手段と、
外部機器との通信を行う通信部と、
前記画像判断手段による判断結果を前記外部機器に対して送信するように前記通信部を制御する通信部制御手段と、
を備えることを特徴とする放射線画像検出装置。
【請求項2】
前記画像判断手段は、検出された放射線画像を解析し、該解析結果に基づいて、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出装置。
【請求項3】
前記画像判断手段は、撮影部位毎の基準ヒストグラムと検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラムとのずれから、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出装置。
【請求項4】
前記画像判断手段は、予め定められた基準ヒストグラム中の所定位置における基準値と、検出した放射線画像を解析することにより得られたヒストグラム中の所定位置における値とを比較することにより、被写体像が適正に検出されているかを判断することを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出装置。
【請求項5】
前記画像判断手段は、検出された放射線画像から、前記撮影部位毎に定められる特定領域を認定し、認定された特定領域について解析を行うことを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出装置。
【請求項6】
前記画像判断手段は、前記外部機器から前記撮影部位に関する情報を受信することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項7】
操作者からの指示を入力する入力操作部と、
前記入力操作部からの入力指示に基づいて、被写体像が適正に検出されているかの判断を行うか否かを決定する判断決定手段と
を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6に記載の放射線画像検出装置。
【請求項8】
前記通信部は、無線信号により通信することを特徴とする請求項1から請求項7に記載の放射線画像検出装置。
【請求項9】
被写体に向けて照射された放射線を検出し、当該放射線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積された電気信号を読み出して前記被写体の放射線画像情報を取得するカセッテ型フラットパネルディテクタ(FPD)であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像検出装置と、前記放射線画像検出装置を操作するコンソールとを有し、前記コンソールは、外部機器と通信を行う通信部を備え、前記放射線画像検出装置から前記判断結果を受信することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項11】
前記コンソールは、情報を表示する表示部を備え、前記放射線画像検出装置から受信された前記判断結果を前記表示部に表示することを特徴とする請求項10に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項12】
前記放射線画像検出装置は、検出された放射線画像の画像データを記憶する記憶手段を備えるとともに、前記コンソールは、操作者からの指示を入力する入力操作部と、前記放射線画像検出装置による画像データ転送処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力操作部からの入力指示に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記画像データの転送を行わせることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項13】
前記放射線画像検出装置は、検出された放射線画像の画像データを記憶する記憶手段を備えるとともに、前記コンソールは、操作者からの指示を入力する入力操作部と、前記記憶手段に記憶されている画像データの削除処理を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力操作部からの入力指示に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記画像データの削除を行わせることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の放射線画像撮影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−42967(P2006−42967A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225309(P2004−225309)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】