説明

放射線硬化性化合物

本発明は、放射線硬化性化合物、その製造方法、その使用および該化合物を含有する、高い耐引掻性を有する被覆材料に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線硬化性化合物、その製造方法、その使用および該化合物を含有する、高い耐引掻性を有する被覆材料に関する。
【0002】
WO00/39183は、アロファネート基を含有し、ラジカル重合可能な活性化されたC=C二重結合を有するポリイソシアネートを記載している。
【0003】
前記のポリイソシアネートにおける欠点は、塗料として硬化させるために、イソシアネートに対して反応性の基を有していなくてはならない結合剤を必要とすることである。このような別の成分は、正確な化学量論比で計量供給しなくてはならず、このことは計量を誤った場合に、不十分な効果のきっかけとなりうる。
【0004】
DE10246512は、WO00/39183に記載されている化合物と同一の化合物の異なった製造方法、ならびに該化合物から得られる種々の生成物を記載しており、これは部分的に同様に遊離イソシアネートを含有し、かつ従って同様に結合剤の計量供給により正確な化学量論比で硬化させなくてはならない。部分的には遊離イソシアネート基を含有していない、後続の生成物も開示されいてる(例21)が、これはもっぱら、放射線硬化により硬化することができる。しかし、ここに開示されている後続の生成物は、得られる被覆の不十分な硬度および耐引掻性を有している。DE10246512の例2は、ヒドロキシエチルアクリレートと高度に反応したポリイソシアネートに関し、これは実質的にアクリレート基を硬化作用のある基として含有している。
【0005】
本発明の課題は、主として放射線により硬化可能であり、かつ他の硬化メカニズムによる硬化はせいぜい副次的なものである、低粘度の放射線硬化性化合物を提供することであった。これは、高い硬度および耐引掻性を有する被覆を得るために、2成分系において最適な化学量論比が維持されない場合の、誤った計量の可能性を排除するために、1成分の被覆材料であるべきである。
【0006】
上記課題は、構成成分として、
(a)有機脂肪族、芳香族または脂環式ジイソシアネートまたはポリイソシアネートを、少なくとも1種類、
(b)それぞれが、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも1つ有する、異なった化合物(b1)および(b2)を、少なくとも2種類、
(c)イソシアネートに対して反応性の基を正確に2つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類、
(d)イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも3つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類および
(e)イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類
含有する、アロファネート基含有ポリウレタンにより解決された。
【0007】
本発明によれば、該ポリウレタンはアロファネート基を有しており、有利にはこのような本発明によるポリウレタンにおけるアロファネート基の含有率は(C22HO3=101g/モルとして計算して)、1〜28質量%、有利には3〜25質量%である。
【0008】
本発明の有利な1実施態様では、本発明によるポリウレタンの構成成分を形成する、それぞれが、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも1つ有する、化合物(b1)および(b2)のうち、少なくとも20モル%、有利には少なくとも25モル%、特に有利には少なくとも30モル%、とりわけ有利には少なくとも35モル%、特に少なくとも40モル%、およびとりわけ少なくとも50モル%が、アロファネート基と結合している。
【0009】
本発明によるポリウレタンを製造する際に得られる反応混合物は、通常、10000g/モルよりも少ない、有利には5000g/モルよりも少ない、特に有利には4000g/モルよりも少ない、およびとりわけ有利には2000g/モルよりも少ない数平均分子量Mn(標準液としてポリスチレンおよびテトラヒドロフランを用いてゲル透過クロマトグラフィーにより測定)を有している。
【0010】
オキサジアジントリオン基の含有率を低減するために、たとえばDE−A110246512には、ポリイソシアネートの高価な後処理、たとえば真空下での、場合によりガス流を用いたストリッピングで補助しながらの数時間にわたる加熱が必要であることが記載されている。従って、本発明によれば、オキサジアジントリオン基の含有率は、最初からオキサジアジントリオン基含有率の低い、またはオキサジアジントリオン基不含のイソシアネートを使用することに低く維持することが有利であり、たとえば使用されるイソシアネート中で(C324=128g/モルとして計算)オキサジアジントリオン基の含有率は、15質量%より少なく、有利には10質量%より少なく、特に有利には8質量%より少なく、とりわけ有利には5質量%より少なく、殊に2.5質量%より少なく、かつ特に1質量%より少ない。
【0011】
有利な1実施態様では、本発明によるポリウレタンは、できる限り低いオキサジアジントリオン基の含有率を有し、たとえば0.7質量%より少なく(C324=128g/モルとして計算)、有利には0.6質量%より少なく、特に有利には0.5質量%より少なく、とりわけ有利には0.3質量%より少なく、殊に有利には0.2質量%より少なく、特に0.1質量%より少なく、かつとりわけ0.05質量%より少ない。このことは特に、完成した被覆材料中に、本発明によるポリウレタンと並んで、イソシアネートに対して反応性の基を有する結合剤も含有されている場合に重要である。というのも、イソシアネートに対して反応性の基と、オキサジアジントリオン基との反応により、ここからCO2が遊離しうるからであり、CO2は被覆材料中で気泡を形成し、従って塗料の欠陥につながりうるからである。
【0012】
もう1つの有利な実施態様では、本発明によるポリウレタンにとって、該ポリウレタンが、0.2〜0.6質量%、有利には0.3〜0.5質量%、特に有利には0.35〜0.45質量%のオキサジアジントリオン基の含有率(C324=128g/モルとして計算)を有していれば十分である。このことは特に、完成した被覆材料中に本発明によるポリウレタンと並んで、イソシアネートに対して反応性の基を有する別の結合剤が含有されていない場合に重要である。この場合、通常、CO2を放出しうる上記の反応が生じる可能性は存在しないので、オキサジアジントリオン基のこのような含有率は通常、認容可能である。
【0013】
その他の、イソシアネート基から形成される基、特にイソシアヌレート基、ビウレット基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジントリオン基および/またはカルボジイミド基の割合は、本発明によれば副次的な役割を果たす。
【0014】
本発明の有利な1実施態様では、本発明によるポリウレタンは実質的に遊離のイソシアネート基を有していない、つまり、遊離のイソシアネート基の含有率は、0.5質量%より少なく、有利には0.3質量%より少なく、特に有利には0.2質量%より少なく、とりわけ有利には0.1質量%より少なく、特に0.05質量%より少なく、かつ特に0質量%である。
【0015】
成分(a)としてたとえば少なくとも1.8、有利には1.8〜5および特に有利には2〜4のNCO官能価を有する脂肪族、芳香族および脂環式のジイソシアネートおよびポリイソシアネート、ならびにこれらのイソシアヌレート、ビウレット、アロファネートおよびウレトジオン、有利にはしかし、モノマーの形のジイソシアネートが考えられる。
【0016】
イソシアネート基の含有率は、NCO=42g/モルとして計算して、通常は5〜25質量%である。
【0017】
ジイソシアネートは、有利には4〜20個の炭素原子を有するイソシアネートである。通常のジイソシアネートの例は、脂肪族ジイソシアネート、たとえばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートの誘導体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートまたはテトラメチルヘキサンジイソシアネートまたは3(もしくは4),8(もしくは9)−ビス(イソシアナトメチル)−トリシクロ−[5.2.1.02.6]デカン−異性体混合物、脂環式ジイソシアネート、たとえば1,4−、1,3−または1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4′−または2,4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンまたは2,4−または2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンならびに芳香族ジイソシアネート、たとえば2,4−または2,6−トルイレンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、2,4′−または4,4′−ジイソシアナトジフェニルメタンおよびこれらの異性体混合物、1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジイソシアナト−3,3′−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼンまたはジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネートである。
【0018】
前記のジイソシアネートの混合物が存在していてもよい。
【0019】
有利であるのはヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートおよびジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンであり、特に有利であるのはヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0020】
ポリイソシアネートとして、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、ウレトジオンジイソシアネート、ビウレット基を有するポリイソシアネート、ウレタンまたはアロファネート基を有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基を有するポリイソシアネート、ウレトンイミン変性された直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C20−アルキレンジイソシアネートのポリイソシアネート、合計して6〜20個の炭素原子を有する脂環式ジイソシアネートまたは合計して8〜20個の炭素原子を有する芳香族ジイソシアネートまたはこれらの混合物が考えられる。
【0021】
使用可能なジイソシアネートおよびポリイソシアネートは有利には、ジイソシアネートおよびポリイソシアネート(の混合物)に対して、(NCOとして計算、分子量=42)10〜60質量%、好ましくは15〜60質量%および特に有利には20〜55質量%の、イソシアネート基の含有率を有する。
【0022】
有利であるのは、脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネートおよびポリイソシアネートであり、たとえば前記の脂肪族もしくは脂環式ジイソシアネートまたはこれらの混合物である。
【0023】
さらに有利であるのは、
1)芳香族、脂肪族および/または脂環式ジイソシアネートの、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート。特に有利であるのはこの場合、相応する脂肪族および/または脂環式イソシアナト−イソシアヌレートおよび特にヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートをベースとするものである。その際に存在するイソシアヌレートは、特にトリス−イソシアナトアルキル−もしくはトリス−イソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレートであり、これはジイソシアネートの環状三量体であり、または該イソシアネートと、1より多くのイソシアヌレート環を有する高級同族体との混合物である。イソシアナト−イソシアヌレートは一般に、10〜30質量%、特に15〜25質量%のNCO含有率および3〜4.5の平均NCO官能価を有する。
【0024】
2)芳香族、脂肪族および/または脂環式結合イソシアネート基を有するウレトジオンジイソシアネート、有利には脂肪族および/または脂環式結合した、および特にヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導されたものである。ウレトジオンジイソシアネートは、ジイソシアネートの環状二量化生成物である。ウレトジオンジイソシアネートは、組成物中で単独の成分として、またはその他のポリイソシアネート、特に1)に記載したポリイソシアネートとの混合物として使用することができる。
【0025】
3)ビウレット基を有し、芳香族、脂環式または脂肪族結合した、有利に脂環式または脂肪族結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート、特にトリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレットまたはその高級同族体との混合物。これらのビウレット基を有するポリイソシアネートは一般に、18〜25質量%のNCO含有率および3〜4.5の平均NCO官能価を有する。
【0026】
4)ウレタン基および/またはアロファネート基を有し、芳香族、脂肪族または脂環式結合した、有利には脂肪族または脂環式結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート、たとえば過剰量のヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートと、多価アルコール、たとえばトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリット、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,2−ジヒドロキシプロパンまたはこれらの混合物との、または有利には少なくとも1の化合物(b)、有利には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるもの。これらのウレタン基および/またはアロファネート基を有するポリイソシアネートは、一般に12〜20質量%のNCO含有率および少なくとも2、有利には少なくとも2.1および特に有利には2.5〜3の平均NCO官能価を有する。
【0027】
5)オキサジアジントリオン基を有するポリイソシアネート、有利にはヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導されたもの。このようなオキサジアジントリオン基を有するポリイソシアネートは、ジイソシアネートおよび二酸化炭素から製造することができる。しかしその際、場合により上記のオキサジアジントリオン基の含有率を考慮すべきである。
【0028】
ウレトンイミン変性されたポリイソシアネート。
【0029】
ポリイソシアネート1)〜6)は、混合物として、場合によりジイソシアネートとの混合物としても使用することができる。
【0030】
成分(b)として本発明によれば、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な基を少なくとも1つ有する、少なくとも2種類の異なった化合物(b1)および(b2)が考えられる。
【0031】
本発明の有利な1実施態様では、化合物(b1)は、イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を正確に1つ有する化合物であり、かつ化合物(b2)は、イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも2つ、有利には2〜5つ、特に有利には2〜4つおよびとりわけ有利には2つ、または3つ有する化合物である。
【0032】
有利には成分(b)は、10000g/モル未満、特に有利には5000g/モル未満、とりわけ有利には4000g/モル未満および特に3000g/モル未満の分子量を有する。特別な化合物(b)は、1000g/モル未満あるいは600g/モル未満の分子量を有する。
【0033】
イソシアネートに対して反応性の基は、たとえば−OH、−SH、−NH2および−NHR1であってよく、その際、R1は、水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、s−ブチルまたはt−ブチルを表す。
【0034】
成分(b)は、たとえばα,β−不飽和カルボン酸のモノエステル、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドグリコール酸、メタクリルアミドグリコール酸または有利に2〜20個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するジオールもしくはポリオール、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,1−ジメチル−1,2−エタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリット、ジトリメチロールプロパン、エリトリット、ソルビット、162〜2000の分子量を有するポリ−THF、134〜400の分子量を有するポリ−1,3−プロパンジオールまたは238〜458の分子量を有するポリエチレングリコールとのビニルエーテルであってよい。さらに、アミノアルコール、たとえば2−アミノエタノール、2−(メチルアミノ)−エタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノールまたは2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−メルカプトエタノールまたはポリアミノアルカン、たとえばエチレンジアミンまたはジエチレントリアミンとの(メタ)アクリル酸またはビニル酢酸とのエステルまたはアミドを使用することができる。
【0035】
さらに、2〜10の平均OH官能価を有する不飽和ポリエーテル−またはポリエステロールまたはポリアクリレートポリオールもまた、それほど有利ではないが、適切である。
【0036】
エチレン性不飽和カルボン酸とアミノアルコールとのアミドの例は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、たとえばN−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチル−メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキルクロトンアミド、たとえばN−ヒドロキシメチル−クロトンアミドまたはN−ヒドロキシアルキルマレインイミド、たとえばN−ヒドロキシエチルマレイミドである。
【0037】
有利には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットモノ−、−ジ−および−トリ(メタ)アクリレートならびに4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、4−アミノブチル(メタ)アクリレート、6−アミノヘキシル(メタ)アクリレート、2−チオエチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、2−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドまたは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドを使用する。特に有利であるのは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレート、3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル−(メタ)アクリレートならびに106〜238の分子量を有するポリエチレングリコールのモノアクリレートである。
【0038】
有利な実施態様では成分(b1)は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび1,4−ブタンジオールモノアクリレートからなる、有利には2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなる群から選択されており、特に有利には2−ヒドロキシエチルアクリレートであり、かつ成分(b2)は、グリセリンの1,2−または1,3−ジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレートおよびジペンタエリトリットペンタアクリレートからなる群から選択されている。
【0039】
特に有利な1実施態様では、成分(b2)は、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジトリメチロールプロパンまたはジペンタエリトリットのアクリル化の工業的な混合物である。これは多くの場合、完全に、または不完全にアクリル化されたポリオールの混合物である。とりわけ有利であるのは、化合物(b2)として、ペンタエリトリットのアクリル化の工業的な混合物であり、これは多くの場合、99〜115mgKOH/gのDIN53240によるOH価を有し、かつ主としてペンタエリトリットトリアクリレートおよびペンタエリトリットテトラアクリレートからなり、ならびに副次的な量のペンタエリトリットジアクリレートを含有していてよい。これは、ペンタエリトリットテトラアクリレートが本発明によるポリウレタン中に組み込まれずに、同時に反応性希釈剤として機能するという利点を有する。
【0040】
成分(c)として、イソシアネートに対して反応性の基を正確に2つ有する化合物、たとえば−OH、−SH、−NH2または−NHR2が考えられ、その際、R2は、相互に無関係に水素、メチル、エチル、イソ−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、s−ブチルまたはt−ブチルを表してもよい。
【0041】
これらは有利には2〜20個の炭素原子を有するジオール、たとえばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,1−ジメチルエタン−1,2−ジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、ノルボルナンジオール、ピナンジオール、デカリンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−オクタン−1,3−ジオール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB,ビスフェノールS、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、162〜2000の分子量を有するポリ−THF、134〜1178の分子量を有するポリ−1,2−プロパンジオールまたはポリ−1,3−プロパンジオールまたは106〜2000の分子量を有するポリエチレングリコールならびに脂肪族ジアミン、たとえばメチレン−、およびイソプロピリデン−ビス−(シクロヘキシルアミン)、ピペラジン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン)など、ジチオールまたは多官能価アルコール、第2級または第1級アミノアルコール、たとえばエタノールアミン、モノプロパノールアミン等またはチオアルコール、たとえばチオエチレングリコールである。
【0042】
特に適切であるのはここで脂環式ジオール、たとえばビス−(4−ヒドロキシ−シクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタンジオールまたはノルボルナンジオールである。
【0043】
任意の成分(d)は、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも3つ有する少なくとも1種類の化合物である。
【0044】
たとえば成分(d)は、イソシアネートに対して反応性の基を、3〜6個、有利には3〜5個、特に有利には3〜4個およびとりわけ有利には3個有していてよい。
【0045】
成分(d)の分子量は通常、2000g/モル以下、有利には1500g/モル以下、特に有利には1000g/モル以下およびとりわけ有利には500g/モル以下である。
【0046】
これは有利に2〜20個の炭素原子を有するポリオール、たとえばトリメチロールブタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリット、グリセリンジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリット、ソルビット、マンニット、ジグリセロール、トレイト、エリトリット、アドニット(ライビット)、アラビット(リキシット)、キシリット(ガラクチット)、マルチット、イソマルトであり、とりわけ有利であるのは、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットおよびグリセリンおよび殊に有利であるのはトリメチロールプロパンである。
【0047】
任意の成分(e)は、場合により少なくとも1種の、イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つ有する化合物を含有するものである。
【0048】
これは、有利にはモノオール、特に有利にはアルカノールであり、かつとりわけ有利には1〜20個、好ましくは1〜12個、特に有利には1〜6個、殊に有利には1〜4個およびとりわけ1〜2個の炭素原子を有するアルカノールである。
【0049】
このための例は、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールモノメチルエーテルであり、有利であるのは、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールおよびシクロドデカノールであり、特に有利であるのはメタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールおよびt−ブタノールであり、とりわけ有利であるのは、メタノールおよびエタノール、殊にメタノールである。
【0050】
有利な1実施態様では、モノオールは、前記の脂環式アルコールであってよく、有利にはシクロペンタノールまたはシクロヘキサノール、特に有利にはシクロヘキサノールである。
【0051】
もう1つの有利な実施態様では、モノオールは6〜20個の炭素原子を有する前記脂肪族アルコールであり、特に有利であるのは8〜20個の炭素原子、とりわけ有利であるのは10〜20個の炭素原子を有するものである。
【0052】
特に有利な実施態様では、モノオールは、前記の脂肪族アルコールであってよく、とりわけ有利であるのは1〜4個の炭素原子を有するもの、特にメタノールである。
【0053】
本発明により使用することができるポリウレタンは、成分(a)、(b1)および(b2)ならびに場合により(c)および/または(d)および/または(e)の相互の反応により得られる。
【0054】
その際、(a)中の反応性イソシアネート基1モルあたりの(a):(b1):(b2):(c):(d):(e)のモル組成は通常、以下のとおりである:
(b1)イソシアネートに対して反応性の基を、1〜50モル%、有利には5〜40モル%、特に有利には10〜37.5モル%、および特に15〜33モル%、
(b2)イソシアネートに対して反応性の基を、1〜50モル%、有利には5〜40モル%、特に有利には10〜33モル%、および特に15〜25モル%、
(c)イソシアネートに対して反応性の基を、0〜50モル%、有利には0〜30モル%、特に有利には0〜25モル%、および特に0〜20モル%、
(d)イソシアネートに対して反応性の基を、0〜10モル%、有利には0〜5モル%、特に有利には0〜3モル%、および特に0〜2モル%、
(e)イソシアネートに対して反応性の基を、0〜5モル%、有利に0〜4モル%、特に有利には0〜3モル%、および特に0〜2モル%
ただしその際、イソシアネートに対して反応性の基の合計は、(a)中のイソシアネート基の数に相応する。
【0055】
イソシアネート基を含有する化合物およびイソシアネート基に対して反応性の基を有する化合物からなる付加物の形成は通常、任意の順序で、場合により高めた温度で成分を混合することにより行う。その際、イソシアネート基に対して反応性の基を有する化合物を、イソシアネート基含有化合物に、有利には複数の工程で添加することが有利である。
【0056】
特に有利には、イソシアネート基含有化合物を装入し、かつイソシアネート基に対して反応性の基を有する化合物を添加する。特に、イソシアネート基含有化合物(a)を装入し、ここへ(b1)および/または(b2)、有利には(b1)に添加する。その後、場合により所望される別の成分を添加することができる。
【0057】
通常、反応は5〜100℃、有利には20〜90℃、および特に有利には40〜80℃、およびとりわけ60〜80℃の温度で実施する。
【0058】
その際、有利には無水の条件下で作業する。無水とはこの場合、反応系中の含水率が、5質量%を超えない、有利には3質量%を超えない、および特に有利には1質量%を超えない、とりわけ有利には0.75質量%を超えない、および殊には0.5質量%を超えないことを意味している。
【0059】
有利には反応を少なくとも1種の酸素含有気体、たとえば空気または空気と窒素との混合物または酸素または酸素を含有する気体と、反応条件下で不活性の気体であって、15体積%未満、有利には12体積%未満、特に有利には10体積%未満、とりわけ有利には8体積%未満、および特に6体積%未満の酸素含有率を有する気体とからなる混合物の存在下に実施する。
【0060】
反応は不活性溶剤、たとえばアセトン、イソ−ブチル−メチルケトン、トルエン、キシレン、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテートまたはエトキシエチルアセテートの存在下で実施することもできる。しかし有利には、溶剤の非存在下で反応を実施する。
【0061】
有利な1実施態様では、(a)と(b1)および/または(b2)との反応、有利には(a)と(b1)との反応をアロファネート化条件下で実施する。
【0062】
もう1つの有利な実施態様では、WO00/39183、第4頁第3行目〜第10頁第19行目に記載されているような化合物を使用し、該明細書の開示をここで本出願の構成とする。特に有利であるのは、これらの中で、構成成分として少なくとも1のアロファネート基を有する(環式)脂肪族イソシアネートおよび少なくとも1のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを有する化合物であり、とりわけ有利であるのは、WO00/39183の第24頁第1表の第1〜9番の生成物である。
【0063】
本発明によるポリウレタンは、種々の支持体、たとえば木材、単板、紙、厚紙、ボール紙、テキスタイル、皮革、フリース、プラスチック表面、ガラス、セラミック、鉱物質建築材料、金属または被覆された金属を被覆するために使用することができる。
【0064】
被覆剤中で使用する場合、本発明によるポリウレタンは、自動車の補修用または大規模な自動車塗装の分野で、特にプライマー、サーフェイサー、着色トップコートおよびクリアコート中で使用することができる。特に好適であるのは、特に高い適用安全性、屋外での耐候性、外観、耐溶剤性、耐薬品性および耐水性が要求される適用のための、たとえば自動車の補修および大規模な自動車塗装における被覆剤である。
【0065】
本発明のもう1つの対象は、
本発明によるポリウレタンを、少なくとも1種類、
1以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物を、場合により少なくとも1種類、
光開始剤を、場合により少なくとも1種類および
場合により、塗料において一般的なその他の添加剤
を含有する、放射線硬化性被覆材料である。
【0066】
本発明によるポリウレタンは、単独の結合剤としても、別のラジカル重合可能な化合物との混合物としても使用することができる。
【0067】
1以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物はたとえば、1〜6個、有利には1〜4個、および特に有利には1〜3個のラジカル重合可能な基を有する化合物である。
【0068】
ラジカル重合可能な基はたとえば、ビニルエーテル基または(メタ)アクリレート基、有利には(メタ)アクリレート基および特に有利にはアクリレート基である。
【0069】
ラジカル重合可能な化合物はしばしば、一官能価の重合可能な化合物(ラジカル重合可能な二重結合を1つ有する化合物)と、多官能価の重合可能な化合物(ラジカル重合可能な二重結合を1つより多く有する化合物とに分類される。
【0070】
一官能価の重合可能な化合物は、ラジカル重合可能な基を正確に1つ有する化合物であり、多官能価の重合可能な化合物は、ラジカル重合可能な基を1つより多く、有利には少なくとも2つ有する化合物である。
【0071】
一官能価の重合可能な化合物はたとえば(メタ)アクリル酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルコールとのエステル、たとえば(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、ビニル芳香族化合物、たとえばスチレン、ジビニルベンゼン、α,β−不飽和ニトリル、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α,β−不飽和アルデヒド、たとえばアクロレイン、メタクロレイン、ビニルエステル、たとえばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ハロゲン化されたエチレン不飽和化合物、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、共役不飽和化合物、たとえばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、モノ不飽和化合物、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ−ブテン、環式のモノ不飽和化合物、たとえばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロドデセン、N−ビニルホルムアミド、アリル酢酸、ビニル酢酸、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和カルボン酸、ならびにこれらの水溶性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、クロトン酸、フマル酸、メサコン酸およびイタコン酸、マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、たとえばN−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−アルキル−カルボン酸アミドまたはN−ビニル−カルボン酸アミド、たとえばN−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミドおよびN−ビニル−N−メチルアセトアミドまたはビニルエーテル、たとえばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソ−プロピルビニルエーテル、n−ブチル−ビニルエーテル、s−ブチルビニルエーテル、イソ−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−ブチルビニルエーテル、ならびにこれらの混合物である。
【0072】
これらの中で有利であるのは、(メタ)アクリル酸のエステル、特に有利であるのは、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート、特に有利であるのは(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび特に2−ヒドロキシエチルアクリレートである。
【0073】
(メタ)アクリル酸は、本明細書ではメタクリル酸およびアクリル酸、有利にはアクリル酸を表す。
【0074】
多官能価の、重合可能な化合物は有利には、1個より多くの、有利には2〜10個、特に有利には2〜6個、とりわけ有利には2〜4個および特に2〜3個の(メタ)アクリレート基、有利にはアクリレート基を有する多官能価の重合可能な(メタ)アクリレートである。
【0075】
これはたとえば(メタ)アクリル酸と、相応して少なくとも二価のポリアルコールとのエステルであってよい。
【0076】
このようなポリアルコールはたとえば少なくとも2、有利には3〜10の平均OH官能価を有する少なくとも二価のポリオール、ポリエーテロールまたはポリエステロールまたはポリアクリレートポリオールが適切である。
【0077】
多官能価の重合可能な化合物の例は、エチレングリコールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ−または−ヘキサアクリレート、ペンタエリトリットトリ−または−テトラアクリレート、グリセリンジアクリレートまたは−トリアクリレート、ならびに糖アルコールのジアクリレートおよびポリアクリレート、たとえばソルビット、マンニット、グリセロール、トレイト、エリトリット、アドニット(リビット)、アラビット(リキシット)、キシリット、ダルサイト(ガラクチット)、マルチットまたはイソマルト、あるいはポリエステルポリオール、ポリエーテロール、162〜2000の分子量を有するポリ−THF、134〜1178の分子量を有するポリ−1,3−プロパンジオール、106〜898の分子量を有するポリエチレングリコール、ならびにエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートまたはポリカーボネート(メタ)アクリレートである。
【0078】
別の例は、式(VIIIa)〜(VIIIc)の化合物の(メタ)アクリレートである:
【化1】

[式中、
7およびR8は、相互に無関係に水素を表すか、または場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子および/または複素環により置換されたC1〜C18−アルキルを表し、
k、l、m、qは、相互に無関係に1〜10、有利には1〜5および特に有利には1〜3の整数を表し、
それぞれのX1は、i=1〜k、1〜l、1〜mおよび1〜qに関して、相互に無関係に、−CH2−CH2−O−、−CH2−CH(CH3)−O−、−CH(CH3)−CH2−O−、−CH2−C(CH32−O−、−C(CH32−CH2−O−、−CH2−CHVin−O−、−CHVin−CH2−O−、−CH2−CHPh−O−および−CHPh−CH2−O−の群から、有利には−CH2−CH2−O−、−CH2−CH(CH3)−O−および−CH(CH3)−CH2−O−の群から選択されていてよく、かつ特に有利であるのは、−CH2−CH2−O−であり、
その際、Phはフェニルを表し、かつVinはビニルを表す]。
【0079】
式中で、場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子および/または複素環により置換されたC1〜C18−アルキルは、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、有利にはメチル、エチルまたはn−プロピル、とりわけ有利にはメチルまたはエチルを表す。
【0080】
これは有利には、1〜20回、および特に有利には3〜10回エトキシ化されているか、プロポキシ化されているか、または混合してエトキシ化およびプロポキシ化されているか、かつ特にもっぱらエトキシ化されているネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンまたはペンタエリトリットの(メタ)アクリレートである。
【0081】
有利な多官能価の重合可能な化合物は、エチレングリコールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ポリエステルポリオールアクリレート、ポリエーテロールアクリレートおよび1〜20回アルコキシ化されている、特に有利にはエトキシ化されているトリメチロールプロパンのトリアクリレートである。
【0082】
特に有利な多官能価の重合可能な化合物は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレートおよび1〜20回エトキシ化されているトリメチロールプロパンのトリアクリレートである。
【0083】
ポリエステルポリオールはたとえばUllmanns Encyklopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、第62〜65頁から公知である。有利には、二価のアルコールと、二価のカルボン酸との反応により得られるポリエステルポリオールを使用する。遊離のポリカルボン酸の代わりに、相応するポリカルボン酸無水物、または低級アルコールの相応するポリカルボン酸エステルまたはこれらの混合物もまた、ポリエステルポリオールの製造のために使用することができる。ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族脂肪族、芳香族または複素環式であってよく、かつ場合によりたとえばハロゲン原子により置換されているか、かつ/または不飽和であってよい。このための例として以下のものが挙げられる:
シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはテトラヒドロフタル酸、コルク酸、アゼライン酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸無水物、脂肪酸二量体、これらの異性体および水素化生成物ならびにエステル化可能な誘導体、たとえば前記の酸の無水物またはジアルキルエステル、たとえばC1〜C4−アルキルエステル、有利にはメチルエステル、エチルエステルまたはn−ブチルエステルを使用することができる。有利には一般式HOOC−(CH2y−COOHのジカルボン酸(式中、yは1〜20の数、有利には2〜20の整数である)、特に有利にはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸を使用する。
【0084】
ポリエステロールを製造するための多価アルコールとして考えられるのは、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,4−ジエチルオクタン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、162〜2000の分子量を有するポリ−THF、134〜1178の分子量を有するポリ−1,3−プロパンジオール、134〜898の分子量を有するポリ−1,2−プロパンジオール、106〜458の分子量を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチロールブタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリット、グリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリット、ソルビット、マンニット、ジグリセロール、トレイト、エリトリット、アドニット(リビット)、アラビット(リキシット)、キシリット、ダルサイト(ガラクチット)、マルチットまたはイソマルトであり、これらは場合により上記のとおり、アルコキシル化されていてもよい。
【0085】
有利であるのは、一般式HO−(CH2x−OH(式中、xは、1〜20の数、有利には2〜20の整数である)のアルコールである。有利であるのはエチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオールおよびドデカン−1,12−ジオールである。さらに有利であるのは、ネオペンチルグリコールである。
【0086】
さらにポリカーボネートジオール、たとえばホスゲンと、ポリエステルポリオールのための構成成分としてあげた低分子アルコール過剰との反応により得られるものが考えられる。
【0087】
ラクトンベースのポリエステルジオールもまた適切であり、これは、ラクトンのホモポリマーまたはコポリマー、有利には適切な二官能性の出発分子へラクトンが付加した、末端のヒドロキシル基を有する付加生成物である。ラクトンとして有利には、一般式HO−(CH2z−COOHの化合物から誘導される化合物が考えられ、その際、zは1〜20であり、かつメチレン単位のH原子は、C1〜C4−アルキル基により置換されていてもよい。たとえばε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトンおよび/またはメチル−ε−カプロラクトン、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタリン酸またはピバロラクトンならびにこれらの混合物である。適切な出発成分はたとえば前記でポリエステルポリオールのための構成成分としてあげた低分子の二価のアルコールである。ε−カプロラクトンの相応するポリマーは特に有利である。低級ポリエステルジオールまたはポリエーテルジオールもまた、ラクトン−ポリマーを製造するための開始剤として使用することができる。ラクトンのポリマーの代わりに、ラクトンに相応するヒドロキシカルボン酸の相応する化学的に等価の重縮合物を使用することができる。さらに、多官能価の重合可能な化合物は、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートまたはカーボネート(メタ)アクリレートであってよい。
【0088】
ウレタン(メタ)アクリレートはたとえば、ポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは−ビニルエーテルおよび場合により鎖長延長剤、たとえばジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミンまたはジチオールまたはポリチオールとの反応により得られる。水中で乳化剤を添加しないで分散可能なウレタン(メタ)アクリレートは、付加的にさらにイオン性および/または非イオン性の親水基を含有しており、該基は、たとえばヒドロキシカルボン酸のような構成成分によってウレタンに導入される。
【0089】
このようなウレタン(メタ)アクリレートは、構成成分として実質的に以下のものを含有している:
(a)少なくとも1種の有機脂肪族、芳香族または脂環式ジイソシアネートまたはポリイソシアネート、
(b)イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも1つ有する少なくとも1種の化合物、
(c)場合により、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つ有する少なくとも1種の化合物。
【0090】
成分(a)、(b)及び(c)は、本発明によるポリウレタンに関して上に記載した成分と同じものであってよい。
【0091】
ウレタン(メタ)アクリレートは、有利に500〜20000、特に500〜10000、特に有利には600〜3000g/モル(標準液としてポリスチレンおよびテトラヒドロフランを使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定)の数平均分子量Mnを有する。
【0092】
ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタン(メタ)アクリレート100gあたり、有利には1〜5、特に有利には2〜4モルの(メタ)アクリレート基の含有率を有する。
【0093】
エポキシド(メタ)アクリレートは、エポキシドと(メタ)アクリル酸との反応により得られる。エポキシドとして考えられるのは、たとえばエポキシド化されたオレフィン、芳香族グリシジルエーテルまたは脂肪族グリシジルエーテル、有利には芳香族または脂肪族グリシジルエーテルのエポキシドである。
【0094】
エポキシ化されたオレフィンはたとえばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソ−ブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリン、有利であるのはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソ−ブチレンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリン、特に有利であるのは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエピクロロヒドリンおよび特に有利であるのは、エチレンオキシドおよびエピクロロヒドリンである。
【0095】
芳香族グリシジルエーテルはたとえばビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−B−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、フェノール/ジシクロペンタジエンのアルキル化生成物、たとえば2,5−ビス[(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン(CAS番号[13446−85−0])、トリス[4−2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]メタン異性体(CAS番号[66072−39−7])、フェノールベースのエポキシノボラック(CAS番号[9003−35−4])およびクレゾールベースのエポキシノボラック(CAS番号[37382−79−9])である。
【0096】
脂肪族グリシジルエーテルはたとえば1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリットテトラグリシジルエーテル、1,1,2,2−テトラキス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エタン(CAS番号[27043−37−4])、ポリプロピレングリコール(α,ω−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ポリ(オキシプロピレン)(CAS番号[16096−30−3])の、および水素化ビスフェノールA(2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン(CAS番号[13410−58−7])のジグリシジルエーテルである。
【0097】
エポキシド(メタ)アクリレートおよび−ビニルエーテルは、有利に200〜20000、特に有利には200〜10000g/モル、およびとりわけ有利には250〜3000g/モルの数平均分子量Mnを有し、(メタ)アクリル−もしくはビニルエーテル基の含有率は、エポキシド(メタ)アクリレートまたはビニルエーテルエポキシド1000gあたり、有利に1〜5、特に有利には2〜4である(標準液としてポリスチレンを使用し、かつ溶離剤としてテトラヒドロフランを使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定)。
【0098】
カーボネート(メタ)アクリレートは、平均して有利に1〜5、特に2〜4、特に有利には2〜3の(メタ)アクリル基およびとりわけ有利には2の(メタ)アクリル基を有する。
【0099】
カーボネート(メタ)アクリレートの数平均分子量Mnは、有利には3000g/モル未満、特に有利には1500g/モル未満、とりわけ有利には800g/モル未満である(標準液としてポリスチレン、溶剤としてテトラヒドロフランを使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定)。
【0100】
カーボネート(メタ)アクリレートは、炭酸エステルと多価、有利には二価のアルコール(ジオール、たとえばヘキサンジオール)とのエステル交換、およびその後の、(メタ)アクリル酸による遊離OHのエステル化またはたとえばEP−A92269に記載されているような(メタ)アクリル酸エステルを用いたエステル交換によって容易に得られる。これらはホスゲン、尿素誘導体と多価の、たとえば二価のアルコールとの反応によっても得られる。
【0101】
同様にして、ヒドロキシアルキルビニルエーテルと炭酸エステルならびに場合により二価のアルコールとを反応させることにより、ビニルエーテルカーボネートもまた得られる。
【0102】
(メタ)アクリレートまたはポリカーボネートポリオールのビニルエーテル、たとえば前記のジオールまたはポリオールと、炭酸エステルならびにヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートまたはビニルエーテルからなる反応生成物もまた考えられる。
【0103】
適切な炭酸エステルは、たとえばエチレン−、1,2−または1,3−プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル−、−ジエチル−または−ジブチルエステルである。
【0104】
適切なヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートはたとえば2−ヒドロキシエチル−(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレートならびにペンタエリトリットモノ−、−ジ−および−トリ(メタ)アクリレートである。
【0105】
適切なヒドロキシ基含有ビニルエーテルはたとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0106】
特に有利なカーボネート(メタ)アクリレートは、式:
【化2】

[式中、Rは、HまたはCH3を表し、Xは、C2〜C18−アルキレン基を表し、かつnは、1〜5、有利には1〜3の整数を表す]のものである。
【0107】
Rは、有利にはHを表し、かつXは、有利にはC2〜C10−アルキレン、たとえば1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレンまたは1,6−ヘキシレン、特に有利にはC4〜C8−アルキレンを表す。特に有利にはXはC6−アルキレンを表す。
【0108】
有利にはカーボネート(メタ)アクリレートは脂肪族カーボネート(メタ)アクリレートである。
【0109】
多官能価の重合可能な化合物の中で、ウレタン(メタ)アクリレートが特に有利である。
【0110】
本発明のもう1つの対象は、
− 遊離イソシアネートがそのなかに含まれている本発明によるポリウレタン少なくとも1種、
− 1以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物少なくとも1種、
− 場合により光開始剤少なくとも1種、
− 1より多くのヒドロキシ基および/またはアミノ基を有する化合物少なくとも1種、
− 場合により、ヒドロキシ基またはアミノ基を1つ有する化合物少なくとも1種、
− 場合により、有機金属スズ化合物少なくとも1種またはセシウム化合物少なくとも1種および
− 場合により別の塗料に典型的な添加剤
を含有する、放射線硬化性被覆材料である。
【0111】
光開始剤はたとえば当業者に公知の光開始剤、たとえば"Advances in Polymer Science"、第14巻、Springer Berlin、1974年またはK.K.Dietliker、Chemistry and Technology of UV−およびEB−Formulation for Coatings、Inks and Paints、第3巻、Photoiniriators for Free Radical and Cationic Polynerization、P.K.T.Oldring(編)、SITA Technology Ltd.、Londonに記載されているような光開始剤であってよい。
【0112】
考えられるのはたとえば、モノ−またはビスアシルホスフィンオキシド、たとえばEP−A7508、EP−A57474、DE−A19618720、EP−A495751またはEP−A615980に記載されているもの、たとえば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF AG社のLucirin(登録商標)TPO)、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(BASF AG社のLucirin(登録商標)TPO L)、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(Ciba Spezialitaetenchemie社のIrgacure(登録商標))、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、フェニルグリオキシル酸およびその誘導体またはこれらの光開始剤の混合物である。例としてベンゾフェノン、アセトフェノン、アセトナフトキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メトキシアセトフェノン、β−メチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、アントラキノンカルボン酸エステル、ベンズアルデヒド、α−テトラオール、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,4−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジ−イソ−プロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾイン−イソ−ブチルエーテル、クロロキサンテノン、ベンゾインテトラヒドロピラニルエーテル、ベンゾイン−メチルエーテル、ベンゾイン−エチルエーテル、ベンゾイン−ブチルエーテル、ベンゾイン−イソ−プロピルエーテル、7−H−ベンゾイン−メチルエーテル、ベンズ[de]アントラセン−7−オン、1−ナフトアルデヒド、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、1−ベンゾイルシクロヘキサン−1−オール、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、アセトフェノンジメチルケタール、o−メトキシベンゾフェノン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、ベンズ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルケタール、たとえばベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、アントラキノン、たとえば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンおよび2,3−ブタンジオンである。
【0113】
適切であるのはまた、黄変しないか、またはほとんど黄変しないフェニルグリオキサル酸エステルタイプの光開始剤、たとえばDE−A19826712、DE−A19913353またはWO98/33761に記載されているものである。
【0114】
これらの光開始剤の中で有利であるのは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、1−ベンゾイルシクロヘキサン−1−オール、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノンおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンである。1より多くのヒドロキシ基および/またはアミノ基を有する化合物はたとえば上記のポリエステロール、ポリエーテロールまたはポリアクリレートポリオールである。
【0115】
さらにポリアミンが考えられる。このために適切なアミンは、少なくとも2つの第1級、2つの第2級または1つの第1級および1つの第2級アミノ基を有し、一般に32〜500g/モル、有利には60〜300g/モルの分子量範囲の多官能価アミンである。このための例は、ジアミン、たとえばジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA)、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジンヒドレートまたはトリアミン、たとえばジエチレントリアミンまたは1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンまたは高級アミン、たとえばトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンまたはそれぞれ2000まで、有利には1000g/モルまでの分子量を有するポリマーのアミン、たとえばポリエチレン−アミン、水素化されたポリアクリロニトリルまたは少なくとも部分的に加水分解されたポリ−N−ビニルホルムアミドである。
【0116】
さらに、鎖長を中断するために、ヒドロキシ基またはアミノ基を1つ有する化合物を副次的な量で使用することができる。これらは主として分子量を限定するために役立つ。モノアルコールのための例は、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,3−プロパンジオールモノメチルエーテル、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール(ラウリルアルコール)および2−エチルヘキサノールである。モノアミンのための例は、メチルアミン、エチルアミン、イソ−プロピルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソ−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ステアリルアミン、セチルアミンまたはラウリルアミンである。
【0117】
別の塗料に典型的な添加剤として、たとえば酸化防止剤、安定剤、活性化剤(促進剤)、充填剤、顔料、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、増粘剤、チキソトロープ剤、表面活性剤、粘度調節剤、可塑剤またはキレート形成剤を使用することができる。
【0118】
さらに、1以上の熱により活性化可能な開始剤、たとえばペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化ジベンゾイル、過酸化シクロヘキサノン、ジ−t−ブチルペルオキシド、アゾビス−イソ−ブチロニトリル、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、ジ−イソ−プロピルペルカーボネート、t−ブチルペルオクトエートまたはベンズピナコール、ならびにたとえば80℃での半減期が100時間以上である熱による活性化可能な開始剤、たとえばジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、スチリル化ピナコール、たとえば商品名ADDID 600でWacker社から市販されているもの、またはヒドロキシ基を有するアミン−N−オキシド、たとえば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等を添加することができる。
【0119】
その他の適切な開始剤の例は、"Polymer Handbook"、第2版、Wiley&Sons、New Yorkに記載されている。
【0120】
増粘剤としてラジカル(共)重合された(コ)ポリマー以外に、通常の有機および無機増粘剤、たとえばヒドロキシメチルセルロールまたはベントナイトが考えられる。
【0121】
キレート形成剤としてたとえばエチレンジアミン酢酸およびこれらの塩ならびにβ−ジケトンを使用することができる。
【0122】
適切な充填剤はシリケート、たとえば四塩化ケイ素の加水分解により得られるシリケート、たとえばDegussa社のAerosil(登録商標)、珪土、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等を含む。
【0123】
適切な安定剤は典型的なUV吸収剤、たとえばオキシアニリド、トリアジンおよびベンゾトリアゾール(後者はTinuvin(登録商標)としてCiba Spezialitaetenchemieから入手可能)およびベンゾフェノンを含む。これらは単独で、または適切な遊離基捕捉剤、たとえば立体障害アミン、たとえば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,6−ジ−t−ブチルピペリジンまたはこれらの誘導体、たとえばビス−(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)セバシネートと一緒に使用することができる。安定剤は通常、調製物中に含有されている固体成分に対して、0.1〜5.0質量%の量で使用される。
【0124】
本発明による被覆材料による支持体の被覆は、通常の、当業者に公知の方法で行い、その際、本発明による被覆材料または該被覆材料を含有する塗料組成物は、被覆すべき支持体上に、所望の厚さで施与し、かつ場合により乾燥させる。この工程は所望の場合には、1回または数回繰り返すことができる。支持体上への施与は、公知の方法で、たとえば噴霧塗布、へらでの塗布、ナイフ塗布、刷毛塗り、ローラー塗り、ロールコート、流し塗り、積層、バックスプレー(Hinterspritzen)または同時押出により行うことができる。被覆剤の施与は、粉末の形で(粉体塗料)静電噴霧により行うこともできる。被覆の厚さは通常、約3〜1000g/m2の範囲であり、有利には10〜200g/m2である。
【0125】
さらに、支持体を被覆するための方法が開示され、この場合、本発明による被覆材料または該被覆材料を含有する塗料組成物を、場合により別の、塗料に典型的な添加剤および熱により、化学的に、もしくは放射線により硬化可能な樹脂を添加し、支持体上に施与し、かつ場合により乾燥させ、電子線またはUV線により酸素含有雰囲気下で、または有利には不活性ガス下で、場合により乾燥温度の高さまでの温度で、および引き続き160℃まで、有利には60〜160℃までの温度で熱処理する。
【0126】
放射線硬化は、高エネルギーの光、たとえばUV光または電子線により行う。放射線硬化は、高い温度で行うことができる。この場合、有利には温度は、放射線硬化性結合剤のTgより高い温度である。
【0127】
放射線硬化とはここでは、電磁線および/または粒子線、有利にはλ=200〜700nmの波長範囲のUV光および/または150〜300keVの範囲の電子線により、特に有利には少なくとも80、有利には80〜3000mJ/cm2の線量で行われる、重合可能な化合物のラジカル重合を意味する。
【0128】
放射線硬化とならんで、さらに別の硬化メカニズム、たとえば熱、水分、化学的および/または酸化によるメカニズムが関与してもよい。
【0129】
被覆剤は種々の噴霧法で、たとえば空気圧、エアレスまたは静電噴霧法を、1成分または2成分噴霧装置の使用下に、あるいはまた噴霧塗布、へら塗り、ナイフ塗布、刷毛塗り、ローラー塗り、ロールコート、流し塗り、積層、バックスプレーまたは同時押出により1回または数回適用することができる。
【0130】
被覆の厚さは通常、約3〜1000g/m2および有利には10〜200g/m2である。
【0131】
被覆の乾燥および硬化は、一般に通常の温度条件下に、つまり被覆を加熱しないで行う。しかし本発明による混合物は、適用後に高めた温度、たとえば40〜250℃で、有利には40〜150℃で、およびとりわけ40〜100℃で乾燥させ、かつ硬化させた被覆を製造するためにも使用することができる。これは支持体の熱安定性により限定される。
【0132】
さらに本発明による被覆材料または該被覆材料を含有する塗料調製物を、場合により熱硬化性の樹脂を添加し、支持体上に施与し、乾燥させ、かつ引き続き電子線またはUV光により酸素含有雰囲気下で、または有利には不活性ガス下で硬化させ、場合により乾燥温度の高さまでの温度で硬化させる、支持体の被覆法を開示する。
【0133】
支持体を被覆するための方法は、本発明による被覆材料または塗料調製物を施与した後に、まず電子線またはUV光により、酸素下または有利には不活性ガス下に照射し、前硬化させ、引き続き、160℃までの温度で、有利には60〜160℃で、熱処理し、かつ引き続き、電子線またはUV光により酸素下に、または有利に不活性ガス下に最終的に硬化させるようにも実施することができる。
【0134】
場合により、被覆剤の複数の層を重ねて施与する場合、それぞれの被覆工程に応じて、乾燥および/または放射線硬化を行うことができる。
【0135】
放射線硬化のための放射線源として、たとえば低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプを高圧水銀ランプと共に、ならびに蛍光管(Leuchtstoffrohren)、インパルス照射装置(Impulsstrahler)、メタルハライドランプ、電子フラッシュ装置(Elektronenblitzeinrichtungen)が適切であり、これらにより光開始剤を用いなくても放射線硬化が可能であり、またはエキシマレーザーが適切である。放射線硬化は、高エネルギー線の作用により、つまり紫外線または昼光、有利にはλ=200〜700nm、特に有利にはλ=200〜500nm、およびとりわけ有利にはλ=250〜400nmの波長範囲の光により照射するか、または高エネルギーの電子による照射(電子線;150〜300keV)により行う。放射線源としてたとえば高圧水銀蒸気ランプ、レーザー、パルス化したランプ(フラッシュライト)、ハロゲンランプまたはエキシマレーザーを使用する。通常、架橋のために十分な線量は、UV硬化の場合、80〜3000mJ/cm2の範囲である。
【0136】
当然のことながら、複数、たとえば2〜4つの放射線源を硬化のために使用することもできる。
【0137】
これらはそのつど異なった波長範囲で放射することもできる。
【0138】
乾燥および/または熱処理は、熱処理に加えて、または熱処理に代えて、NIR線により行うこともでき、その際、ここでは、760nm〜2.5μm、有利には900〜1500nmの波長範囲の電磁線をNIR線とよぶ。
【0139】
照射は場合により、酸素の排除下で、たとえば不活性ガス雰囲気下で実施することもできる。不活性ガスとして、有利に窒素、希ガス、二酸化炭素、または燃焼ガスが適切である。さらに被覆材料を透明な媒体で覆うことによって照射を行うこともできる。透明な媒体はたとえばプラスチックシート、ガラスまたは水のような液体である。特に有利であるのは、DE−A119957900に記載されている方法での照射である。
【0140】
付加的な熱による架橋をもたらす架橋剤、たとえばイソシアネートも含有されている場合、たとえば同時に、または放射線硬化の後に、温度を150℃まで、有利には130℃まで高めることにより熱による架橋を実施することができる。
【0141】
本発明によるポリウレタンは、高い耐引掻性を有しており、これは機械的付加の後での高い光沢率においても明らかである。耐引掻性に対する要求が低く設定されている場合には、代替的に、または付加的に、可とう性を、成分(c)の選択により、所望の値に設定することができる。
【0142】
本発明のもう1つの利点は、放射線硬化性被覆材料を施与する際に生じる、オーバースプレーをほぼ完全に返送し、かつ改めて使用することができ、これに対してデュアル・キュア被覆材料は、限定されたポットライフに基づいて、限定的に返送可能であるにすぎない。
【0143】
この明細書中で使用されるppmおよびパーセントの記載は、その他の記載がない限り、質量%および質量ppmである。
【0144】
以下の例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0145】
実施例
ポリイソシアネートとして、以下の実施例では、未反応のモノマー1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート15.1質量%を蒸留により分離した後(残留モノマー含有率<0.5質量%)に、23℃で940mPasの粘度および約800g/モルの平均分子量および1H−NMRにより測定した二重結合密度2モル/gを有するNCO含有ポリイソシアネートが得られるように、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとから、アロファネート基を有するポリイソシアネートを、WO00/39183の例1と同様に製造した。
【0146】
例1
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート54.54g、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社の市販品、OH価=99mgKOH/g)113.35g、メチルヒドロキノン0.08gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.17gを、室温で混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.03gを添加した。反応混合物のNCO値が、0.08%になるまで、反応混合物を70℃で15時間攪拌した。
【0147】
例2
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート354.54g、Sartomer(登録商標)SR444D(CrayValley Sartomer社からの市販品、OH価=120mgKOH/gを有するペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート混合物)607.84g、メチルヒドロキノン0.48gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.96gを、室温で混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.19gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は約30℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、0.4%になるまで、反応混合物を70℃で8時間攪拌した。
【0148】
例3
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート709.07g、ヒドロキシプロピルメタクリレート374.76g、メチルヒドロキノン0.54gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.08gを、室温で混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.22gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は約40℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、0.16%になるまで、反応混合物を75℃で10.5時間攪拌した。
【0149】
例4
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート81.82g、CAPA(登録商標)212(Solvay社のポリカプロラクトンジオール、OH価=112mgKOH/g)50.00g、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)108.95g、メチルヒドロキノン0.12gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.24gを、室温でブチルアセテート80.26gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.10gを良好に混合した装入物に添加した。反応混合物のNCO値が、0.26%になるまで、反応混合物を75〜86℃で7時間攪拌した。残りのNCO基を反応させるために、メタノール1gを添加した。さらに75〜85℃で90分間攪拌した後、NCO値は0%となった。
【0150】
例5
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート81.82g、CAPA(登録商標)231(Solvay社のポリカプロラクトンジオール、OH価=38.5mgKOH/g)145.74g、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)108.95g、メチルヒドロキノン0.17gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.34gを、室温でブチルアセテート112.16gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.13gを良好に混合した装入物に添加した。反応混合物のNCO値が、0.26%になるまで、反応混合物を75〜86℃で6時間攪拌した。残りのNCO基を反応させるために、メタノール1gを添加し、かつブチルアセテート33.00gで希釈した。さらに75〜85℃で90分間攪拌した後、NCO値は0%となった。
【0151】
例6
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート40.91g、CAPA(登録商標)240(Solvay社のポリカプロラクトンジオール、OH価=28mgKOH/g)100.19g、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)54.47g、メチルヒドロキノン0.10gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.20gを、室温でブチルアセテート83.82gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.08gを良好に混合した装入物に添加した。反応混合物のNCO値が、0.2%になるまで、反応混合物を75〜86℃で6時間攪拌した。残りのNCO基を反応させるために、メタノール1gを添加し、かつブチルアセテート21.49gで希釈した。さらに75〜85℃で90分間攪拌した後、NCO値は0%となった。
【0152】
例7
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、ブタンジオール32.18g、メチルヒドロキノン0.41gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.82gを、室温でブチルアセテート206.00gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.17gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は20分以内に、約50℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、4.28%になるまで、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09gおよびジブチルスズジラウレート0.16gを添加した。75℃で6時間攪拌した後、NCO値は0.44%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール3.50gを添加した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0153】
例8
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、PolyTHF(登録商標)1000(BASF社のポリテトラヒドロフラン、OH価=112.21mgKOH/g)357.14g、メチルヒドロキノン0.57gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.15gを、室温でブチルアセテート287.00gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.30gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は30分以内に約40℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、2.70%になるまで、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09gおよびジブチルスズジラウレート0.16gを添加した。75℃で7時間攪拌した後に、NCO値は、0.27%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール3.00gを添加し、かつブチルアセテート205.00gで希釈した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は、0%となった。
【0154】
例9
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、PolyTHF(登録商標)2000(BASF社のポリテトラヒドロフラン、OH価=56.11mgKOH/g)714.30g、メチルヒドロキノン0.75gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.51gを、室温で混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.45gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は10分以内に、約66℃に上昇した。反応混合物をブチルアセテート279.00gで希釈し、反応混合物のNCO値が、1.90%になるまで、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09g、ジブチルスズジラウレート0.16gおよびブチルアセテート223.00gを添加した。75℃で7時間攪拌した後に、NCO値は0.15%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール2.30gを添加した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0155】
例10
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート338.40g、CAPA(登録商標)212(Solvay社のポリカプロラクトンジオール、OH価=112mgKOH/g)300.00g、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)326.84g、メチルヒドロキノン0.48gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.97gを、室温でブチルアセテート321.75gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.39gを良好に混合した装入物に添加した。反応混合物のNCO値が、0.25%になるまで、反応混合物を75〜86℃で6時間攪拌した。残りのNCO基を反応させるために、メタノール4.0gを添加した。75℃でさらに90分間攪拌し、室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0156】
例11
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、ヘキサンジオール42.22g、メチルヒドロキノン0.42gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.83gを、室温で混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.18gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は20分以内に、約30℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、6.55%になるまで、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いでペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社からの市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09g、ブチルアセテート208.5gおよびジブチルスズジラウレート0.16gを添加した。75℃で6時間攪拌した後で、NCO値は、0.24%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール1.9gを添加し、かつ75℃で2時間攪拌した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0157】
例12
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、イソプロピリデンジシクロヘキサノール90.36g、メチルヒドロキノン0.44gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.88gを、室温でブチルアセテート220.58gと混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.20gを良好に混合した装入物に添加した。反応混合物のNCO値が、3.70%になるまで、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社の市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09gおよびジブチルスズジラウレート0.16gを添加した。75℃で7時間攪拌した後に、NCO値は0.15%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール1.3gを添加し、ブチルアセテート158.00gで希釈し、75℃でさらに2時間攪拌した。室温で一夜貯蔵した後、NCO値は0%となった。
【0158】
例13
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール51.50g、メチルヒドロキノン0.41gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.84gを、室温でブチルアセテート210.90gと混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.18gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は20分以内に約48℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、4.21%になるまで、反応混合物を75℃で1時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社の市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09gおよびジブチルスズジラウレート0.18gを添加した。75℃で7時間攪拌した後に、NCO値は0.32%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール2.6gを添加し、かつ75℃でさらに2時間攪拌した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0159】
例14
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中で、アロファネート基を有するポリイソシアネート402.86g、ネオペンチルグリコール37.14g、メチルヒドロキノン0.41gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.83gを、室温でブチルアセテート207.30gに混合した。触媒として、ジブチルスズジラウレート0.18gを良好に混合した装入物に添加した。その際、弱い発熱反応が開始され、内部温度は20分以内に約30℃に上昇した。反応混合物のNCO値が、4.38%になるまで、反応混合物を75℃で1時間攪拌した。次いで、ペンタエリトリットトリ/テトラアクリレート(UCB社の市販品、OH価=103mgKOH/g)389.09gおよびジブチルスズジラウレート0.16gを添加した。75℃で7時間攪拌した後に、NCO値は0.40%となった。残りのNCO基を反応させるために、メタノール3.2gを添加し、かつ75℃でさらに2時間攪拌した。室温で一夜貯蔵した後に、NCO値は0%となった。
【0160】
例15(比較例)
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中に、アロファネート基を有するポリイソシアネート681.75g、ヒドロキシエチルアクリレート290.00g、メチルヒドロキノン0.49gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.97gを室温で混合した。触媒としてジブチルスズジラウレート0.19gを添加した。反応混合物を75℃で20時間攪拌し、反応混合物のNCO値は、<0.1%となった。
【0161】
例16
還流冷却器および攪拌機を有する三口フラスコ中に、アロファネート基を有するポリイソシアネート681.75g、ヒドロキシブチルアクリレート360.00g、メチルヒドロキノン0.52gおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.04gを室温で混合した。触媒としてジブチルスズジラウレート0.21gを添加した。反応混合物を75℃で20時間攪拌し、反応混合物のNCO値は、<0.1%となった。
【0162】
適用例
適用技術的な特性である振り子の減衰、エリクセン深さおよび耐引掻性の測定
振り子の減衰の測定は、DIN53157と同様に行った。このために、湿潤膜厚400μmを有する放射線硬化性の組成物をガラス状に施与した。湿潤フィルムは、まず室温で15分間フラッシュオフ、かつ引き続き100℃で20分間乾燥させた。このようにして得られたフィルムの硬化は、IST被覆装置(M40 2×1−R−IR−SLC−So inert)を用いて、2つのUVランプ(M400U2HタイプおよびM400U2HCタイプの高圧水銀ランプ)により、および搬送速度10m/分で、窒素雰囲気下(O2の含有率≦500ppm)で行った。線量は約1900mJ/cm2であった。
【0163】
エリクセン深さの測定は、DIN53156と同様に行った。このために、スリット状のノズル(Kastenrakel)を用いてそれぞれの本発明による調製物を湿潤膜厚200μmでBONDERボード132上に施与した。硬化のために、上記の方法で照射した。引き続きボードの被覆されていない側に押し込んでエリクセン深さを測定した。高い値は、高い可とう性を意味している。
【0164】
耐引掻性の測定は、調温調湿室中で7日間貯蔵した後にスコッチ・ブライト試験(Scotch-Brite-Test)を用いて行った。スコッチ・ブライト試験では、試験体として3×3cmの寸法の炭化ケイ素変性された繊維フリース(Scotch Brite SUFN、3M社)をシリンダに固定した。該シリンダは、被覆750gを有する繊維フリースをプレスし、かつ空気圧により被覆上を移動した。傾斜の行程長さは7cmであった。10往復もしくは50往復(DH)の後で、負荷の中心領域において、光沢(8回の測定)をDIN67530と同様に、20゜の入射角度で測定した。残留光沢度(%)は当初の光沢度に対する負荷後の光沢度の比率から生じる。50往復後に、ドライクリーニング用ベンジン(Waschbenzin)を含ませた柔らかい布で、軽く2回拭き取り、かつ再度、残留光沢率を測定した。引き続き、乾燥室中80℃で2時間後のリフローを残留光沢率の測定により測定した。
【0165】
放射線硬化性材料の製造は、例1〜16で得られたウレタンアクリレート100質量部と、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(Ciba Spezialitaetenchemie社の市販の光開始剤Irgacure(登録商標)184)4質量部とを強力に混合することにより行った。
【0166】
【表1】

【0167】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成成分として、
(a)有機脂肪族、芳香族または脂環式ジイソシアネートまたはポリイソシアネートを、少なくとも1種類、
(b)それぞれが、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも1つ有する、異なった化合物(b1)および(b2)を、少なくとも2種類、
(c)イソシアネートに対して反応性の基を正確に2つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類、
(d)イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも3つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類および
(e)イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つ有する化合物を、場合により少なくとも1種類
含有する、アロファネート基含有ポリウレタン。
【請求項2】
アロファネート基の含有率が(C22HO3=101g/モルとして計算して)、1〜28質量%であることを特徴とする、請求項1記載のポリウレタン。
【請求項3】
本発明によるポリウレタンの構成成分を形成する、それぞれが、イソシアネートに対して反応性の基を少なくとも1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも1つ有する、化合物(b1)および(b2)のうち、少なくとも20モル%が、アロファネート基に結合していることを特徴とする、請求項1または2記載のポリウレタン。
【請求項4】
使用されるイソシアネート中でオキサジアジントリオン基の含有率が(C324=128g/モルとして計算して)、15質量%より少ないことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項5】
使用されるイソシアネート中でオキサジアジントリオン基の含有率が(C324=128g/モルとして計算して)、0.7質量%より少ないことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項6】
使用されるイソシアネート中でオキサジアジントリオン基の含有率が(C324=128g/モルとして計算して)、0.2〜0.6質量%であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項7】
遊離のイソシアネート基の含有率が、NCO=42g/モルとして計算して、0.5質量%より少ないことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項8】
成分(a)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートおよびジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項9】
成分(b1)が、イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を正確に1つ有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項10】
成分(b2)が、イソシアネートに対して反応性の基を正確に1つと、ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも2つ有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項11】
成分(b1)が、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび1,4−ブタンジオールモノアクリレートからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項12】
成分(b2)が、グリセリンの1,2−ジアクリレートまたは1,3−ジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレートおよびジペンタエリトリットペンタアクリレートからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項13】
成分(c)が、脂環式アルコールであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項14】
成分(c)が、6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項15】
成分(c)が、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項16】
(a)中の反応性イソシアネート基1モルあたりの(a):(b1):(b2):(c):(d):(e)のモル組成が、
(b1)イソシアネートに対して反応性の基1〜50モル%、
(b2)イソシアネートに対して反応性の基1〜50モル%、
(c)イソシアネートに対して反応性の基0〜50モル%、
(d)イソシアネートに対して反応性の基0〜10モル%、
(e)イソシアネートに対して反応性の基0〜5モル%
であり、ただしその際、イソシアネートに対して反応性の基の合計は、(a)中のイソシアネート基の数に相応することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載のポリウレタン。
【請求項17】
− 請求項1から16までのいずれか1項記載のポリウレタンを、少なくとも1種類、
− 1以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物を、場合により少なくとも1種類、
− 光開始剤を、場合により少なくとも1種類および
− 場合により、塗料において一般的なその他の添加剤
を含有する、放射線硬化性被覆材料。
【請求項18】
− 遊離のイソシアネート基がその中に含有されている、請求項1から16までのいずれか1項記載のポリウレタンを、少なくとも1種類、
− 1以上のラジカル重合可能な二重結合を有する化合物を、少なくとも1種類、
− 光開始剤を、場合により少なくとも1種類、
− 1より多くのヒドロキシ基および/またはアミノ基を有する化合物を、少なくとも1種類、
− ヒドロキシル基またはアミノ基を有する化合物を、場合により少なくとも1種類、
− 有機金属スズ化合物またはセシウム化合物を、場合により少なくとも1種類および
− 場合により、塗料において一般的なその他の添加剤
を含有する、放射線硬化性被覆材料。
【請求項19】
木材、単板、紙、厚紙、ボール紙、テキスタイル、皮革、フリース、プラスチック表面、ガラス、セラミック、鉱物質建築材料、金属または被覆された金属を被覆するための、請求項1から16までのいずれか1項記載のポリウレタンの使用。
【請求項20】
自動車補修用または大規模な自動車塗装の分野で使用される、プライマー、サーフェイサー、着色トップコートおよびクリアコート中での被覆剤中での、請求項1から16までのいずれか1項記載のポリウレタンの使用、その際特に適切であるのは、特に高い適用安全性、屋外での耐候性、外観、耐溶剤性、耐薬品性および耐水性が要求される適用、たとえば自動車補修用および大規模な自動車塗装における被覆剤である。

【公表番号】特表2008−524412(P2008−524412A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547331(P2007−547331)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013763
【国際公開番号】WO2006/069690
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】