説明

放射線量(率)測定器の確認校正方法及び確認校正用治具

【課題】放射線管理が不要な法規制対象外の低放射能の線源を用いて、γ線を測定対象に含むサーベイメータなどの放射線量(率)測定器の確認校正を可能とする。
【解決手段】γ線を測定対象に含む放射線量(率)測定器の確認校正に際して、前記放射線量(率)測定器の放射線感知部(電離箱式サーベイメータ本体10、GM計数管プローブ20)がβ線を測定可能な所定位置に確認校正用のβ線線源32、33を配置し、該β線線源32、33から放射されるβ線を、γ線の代わりに前記放射線感知部(10、20)に入射させることにより、前記放射線量(率)測定器の指示値を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線量(率)測定器の確認校正方法及び確認校正用治具に係り、特に、JIS Z4511に規定された照射線量測定器、空気カーマ測定器、空気吸収線量測定器及び線量当量測定器(以下、放射線量(率)測定器と総称する)に用いるのに好適な、電離箱式サーベイメータやGMサーベイメータなどの放射線量(率)測定器の校正を行う必要があるか否かを簡単に判定することが可能な、放射線量(率)測定器の確認校正方法及び確認校正用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質を取り扱う研究所、工場、大学病院などのラジオアイソトープ(RI)使用施設や、原子力発電所、核燃料サイクル施設などに常備しなければならない放射線量(率)測定器の一つに、図1に例示する電離箱式サーベイメータや、図2に例示するGMサーベイメータがある。図1において、10は、放射線感知部である電離箱が内蔵された本体、12は、その後面に配設されたメータ、13は、同じく操作スイッチ、14はグリップ、16は、本体10から着脱可能なβ線遮蔽キャップである。又、図2において、20は、放射線感知部であるGM計数管が内蔵されたプローブ、22は、該プローブ20から着脱可能なβ線遮蔽キャップ、24は、メータ26や操作パネル27が装着された本体、28は、前記プローブ20と本体24を繋ぐケーブルである。
【0003】
このようなサーベイメータは、経時変化や劣化により性能が変化するため、応答(レスポンス)の不変性試験を行ない、校正定数の変化がないことを確認し、引き続きその校正定数を使用できるか調べる必要がある。具体的には、定期点検時に小型の動作点検用小線源(いわゆるチェッキング線源)を用いて動作確認を行い、その結果として測定器の性能と校正定数や換算計数が継続して使用できることを証明する方法がある。そして、引き続きその校正定数を使用することができない場合は、新たな校正定数を求める必要がある。
【0004】
従来、サーベイメータが放射線に対して確実に動作することを判断するために、サーベイメータに添付されたチェッキング線源を用いて放射線測定値が上昇することを確認する手法が一般的であった。
【0005】
ところが、このようなチェッキング線源の紛失が多発することに配慮し、1975年代からサーベイメータにチェッキング線源が添付されなくなった。このため、放射線によるサーベイメータの動作確認を簡単に実施することができなくなった。
【0006】
一方、1995年代には、計量法認定事業者制度(JCSS)が確立され、国家標準とのトレーサビリティが明確になっている標準測定器などを用いた校正の体系が確立され、放射線測定についても体系的に精度が保証できることになった。
【0007】
放射線防護のために使用されているサーベイメータは、日本工業規格JIS Z4333の形式試験及び検査に合格した製品である。購入後の校正は、国家標準に繋がるトレーサビリティ体系の中で、使用者の求めにより、計量法に基づく認定事業者及び認定事業所で校正された基準測定器を所有する事業所で校正できるようになっている。
【0008】
放射線障害防止法の規制対象事業所において使用される外部放射線の測定のためのサーベイメータは、国家標準とのトレーサビリティが明確になっている標準測定器などを用いて、測定を実施する日の1年以内に校正されたものを使用するなどの指導がなされている。
【0009】
しかしながら、校正の頻度については、関連の法令・規則などに記載が無く、現状では、校正費用、校正に要する日数などの関係で、初回の校正後、長時間(例えば数年間)校正されずに使用されているサーベイメータが少なくない。そこで、これらの測定器による測定の信頼性を確保すべく、校正に係る日本工業規格が改正され、実用校正の一環として、JIS Z4511の「付属書2実用測定器の確認校正」に規定される確認校正が追加された。
【0010】
この校正法は、一定の線量率に対するサーベイメータの初期指示値と現状の指示値との比から再校正の是非を判定する方法である。以前は、平成19年まで放射線障害防止法の規制対象外であったCs−137の密封小線源3.7MBqを、特許文献1の図5に示される如く、保持スタンドに取り付け、これを机の上に立て、線源とプローブ間の距離を変えて逆二乗法で校正していた。
【0011】
この校正法は、室内からの散乱線の影響を受けるので、散乱線による線量を補正する必要があり、又、作業中に被曝する問題もある。又、法規制の限度が下がり、現在では、例えばCs−137においては3.7MBqの線源は許認可が必要となり、許認可が不要な線源の放射能は10kBqまで下がっている。このため、法規制対象外の小さな線源では十分な指示値変化量が得られないという問題もある。又、前記したように放射線量(率)測定器にチェッキング線源が添付される場合もあったが、紛失の問題もあり、現在、このようなチェッキング線源は添付されていない。
【0012】
従って、サーベイメータの所有者は、その校正を認定事業所などの校正機関に依頼するか、あるいは、認定事業者から標準供給を受けた自らの校正施設において、許認可を得た密封線源を使いサーベイメータの校正を行う必要があった。
【0013】
そこで出願人は、特別の校正施設が必要なく、校正定数の継続的使用が可能か否かを、簡便且つ容易に判定することができる確認校正器を特許文献1で提案している。これは、天然の放射線物質である花崗岩、特に自然放射性のカリウム長石を含む花崗岩を板状に加工した板状花崗岩を底板とし、該底板の上に、前記板状花崗岩の中央位置に放射線量(率)検出器を挿入可能な穴を設けた穴明き花崗岩を積層して壺状の体積線源を構成し、該体積線源の中に検出器を挿入するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2005−265765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、放射線量(率)検出器を挿入可能な大きさを持った体積線源が必要であり、その保管に場所を取るなどの問題点を有していた。
【0016】
一方、チェッキング線源であれば小さくて済むが、法規制の基準が厳しくなるにつれて、サーベイメータの動作を確認するのに十分な線量率のγ線を放射するチェッキング線源を入手することができなくなっている。
【0017】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、放射線管理が不要な法規制対象外の低放射能の線源で、放射線量(率)測定器の確認校正を容易且つ迅速に行うことができるようにすることを第1の課題とする。
【0018】
本発明は、又、本発明による確認校正を容易に行うことが可能な放射線量(率)測定器の確認校正用治具を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
既に述べたように、放射線管理が不要な法令規制対象外の低放射能のγ線線源では、放射線量(率)測定器が殆んど動作せず、その動作確認が困難になっている。一方、電離箱式サーベイメータやGMサーベイメータなどにおいては、β線遮蔽キャップなどを外すことにより、γ線だけでなくβ線も測定可能となっており、β線遮蔽キャップなどを外せば、法令規制対象外の低放射能のβ線線源で放射線量(率)測定器を十分動作させることができる。
【0020】
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、γ線を測定対象に含む放射線量(率)測定器の確認校正方法において、前記放射線量(率)測定器の放射線感知部がβ線を測定可能な所定位置に確認校正用のβ線線源を配置し、該β線線源から放射されるβ線を、γ線の代わりに前記放射線感知部に入射させることにより、前記放射線量(率)測定器の指示値を変化させるようにして、前記第1の課題を解決したものである。
【0021】
ここで、前記β線線源を、β線入射部より広い面積の板状線源とすることができる。
【0022】
あるいは、前記β線線源を、前記放射線感知部の着脱可能なβ線遮蔽手段に配設することができる。
【0023】
又、前記放射線量(率)測定器を電離箱式サーベイメータ又はGMサーベイメータとすることができる。
【0024】
本発明は、又、γ線を測定対象に含む放射線量(率)測定器の着脱可能なβ線遮蔽手段に、確認校正用のβ線線源が配設されていることを特徴とする放射線量(率)測定器の確認校正用治具により、前記第2の課題を解決したものである。
【0025】
ここで、前記β線遮蔽手段をβ線遮蔽キャップとすることができる。
【0026】
又、前記β線遮蔽キャップに設けた開口に配設した線源ホルダにβ線線源を配設することができる。
【0027】
又、前記β線線源の配設位置を、放射線感知部との距離が異なる複数の所定位置間で変更可能とすることができる。
【0028】
又、前記β線線源の放射線感知部側に遮蔽板を挿入可能とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、特許文献1に記載されたような大型の体積線源や、法規制対象で放射線管理が必要な高放射能のγ線線源を用いることなく、法規制対象外で放射線管理が不要な低放射能のβ線線源を用いて、γ線を測定対象に含むサーベイメータなどの放射線量(率)測定器の確認校正が可能となる。従って、校正定数の継続的使用が可能か否かを、簡便且つ容易に判定することが出来、放射線量(率)測定器の校正を的確に行って、その性能を維持することが出来る。
【0030】
特に、本発明にかかる確認校正用治具を用いた場合には、小さくて安価なコイン状線源を用いた場合であっても、β線遮蔽キャップなどのβ線遮蔽手段を付け替えるだけで、放射線量(率)測定器を簡単に確認校正できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の電離箱式サーベイメータの一例の外観を示す斜視図
【図2】従来のGMサーベイメータの一例の外観を示す斜視図
【図3】本発明の第1実施形態にかかる電離箱式サーベイメータの確認校正用治具の横断面図
【図4】第1実施形態に線源を装着した状態を示す断面図
【図5】第1実施形態に挿入可能な遮蔽板を示す正面図
【図6】第1実施形態に遮蔽板を差し込んだ状態を示す断面図
【図7】同じく遮蔽板を差し込んで、線源をその前に装着した状態を示す断面図
【図8】(A)本発明の第2実施形態にかかる電離箱式サーベイメータの確認校正用治具を示す断面図、及び、(B)該第2実施形態が装着される電離箱式サーベイメータのグリップを外した状態を示す側面図
【図9】(A)本発明の第3実施形態にかかるGMサーベイメータの確認校正用治具を示す断面図、及び、該第3実施形態が装着されるGMサーベイメータのプローブ先端を示す側面図
【図10】本発明の第4実施形態で電離箱式サーベイメータの確認校正を行っている状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0033】
本発明の第1実施形態にかかる電離箱式サーベイメータの確認校正用キャップ16’は、図3に示す如く、図1に示した電離箱式サーベイメータのβ線遮蔽キャップ16に開口16Aを開け、該開口16Aに配設した線源ホルダ30に、図4に示す如くコイン状のβ線線源32を配設可能としたものである。
【0034】
前記線源ホルダ30には、例えば2つの遮蔽板差込口30A、30Bが設けられ、図5に例示するような略U字形状の遮蔽板34を、図6に例示する如く、差込口30A、30Bのいずれか一方、あるいは両方に差込可能とされている。
【0035】
前記遮蔽板34としては、例えば厚さの異なる複数のアクリル板やアルミニウム(アルミとも称する)板を用いることができる。
【0036】
前記β線線源32は、図4に示す如く線源ホルダ30の後面位置に配置したり、あるいは、図7に示す如く、線源ホルダ30の例えば差込口30Bに挿入した遮蔽板34の前面位置に配置して、放射線感知部からの距離を変えることにより、メータ12の指示値の変化量を変えることができる。更には、線源ホルダ30の後面位置と前面位置の両方にβ線線源32を配置することもできる。このβ線線源32としては、例えばCl−36やSr−90(娘核種としてのY−90を含むSr−90/Y−90とも表す)などを用いることができる。
【0037】
使用に際しては、校正機関による校正直後に、通常のβ線遮蔽キャップ16の代わりに、例えば図4に示したような、線源ホルダ30の後面位置にβ線線源32を装着した確認校正用キャップ16’を取り付け、その時のメータ12の指示値を記録しておく。メータ12の指示値の変化量が少ない場合には、図7に示した如く、β線線源32の位置を前面側とすることができる。逆に、メータ12の指示値の変化量が大きすぎる場合には、図6に示した如く差込口30A、30Bの一方又は両方に遮蔽板34を差し込んで指示値の変化量を小さくすることができる。更に、遮蔽板の種類、厚さや線源位置を変えることにより、複数の変化量を設定して、指示値の直線性を確認することもできる。指示値の変化量の調整は、線源位置を変えるよりも、遮蔽板による方が、容易で安価である。
【0038】
認定事業所による校正直後のメータ指示値の変化量を記録しておき、所定周期、例えば1年毎にβ線遮蔽キャップ16の代わりに確認校正用キャップ16’を装着して、その時のメータ指示値の変化量を、校正直後からの経過期間に応じた線源の半減期補正を行なった上で、校正直後のメータ指示値の変化量と比較することで、メータ指示値の変化量の比が所定範囲、例えば1±0.1以内であれば校正不要と判定し、所定範囲を超えたときに校正が必要であると判定して、校正機関などで校正を受けるようにすることができる。
【0039】
このようにして、β線遮蔽キャップ16をβ線線源32が装着された確認校正用キャップ16’に嵌め換えるだけで、校正機関に持ち込まなくても、容易に確認校正を行うことができる。
【0040】
本実施形態によれば、β線線源32をβ線遮蔽キャップ16の外側に装着したので、β線線源の位置変更や遮蔽板の挿入/入れ換えが容易である。
【0041】
図8(A)は、β線線源32を、図8(B)に示すβ線遮蔽キャップ16の内側に、例えば接着又は嵌め込みにより装着した本発明の第2実施形態にかかる電離箱式サーベイメータの確認校正用キャップ16”を示すものである。
【0042】
本実施形態によれば、確認校正用キャップ16”の外寸が通常のβ線遮蔽キャップ16と同じ大きさで済み、非常にコンパクトである。
【0043】
図9(A)は、コイン状のβ線線源32を、図9(B)に示すGMサーベイメータのプローブ20のβ線遮蔽キャップ22の内側に、例えば接着又は嵌め込みにより装着した本発明の第3実施形態にかかるGMサーベイメータの確認校正用キャップ22’を示すものである。
【0044】
本実施形態によれば、確認校正用キャップ22’の外寸が通常のβ線遮蔽キャップ22と同じ大きさで済み、非常にコンパクトである。
【0045】
なお、GMサーベイメータの確認校正用キャップにおいても、第1実施形態と同様に、β線遮蔽キャップ22の外側にβ線線源を配設することもできる。
【0046】
前記実施形態においては、いずれも、β線線源をキャップに固定するようにしたので、小さくて安価なコイン状線源を用いた場合でも、放射線感知部と線源の相対的な位置関係を一定に保って、的確な確認校正を行うことができる。
【0047】
なお、キャップ以外の別体の治具を用いて、コイン状線源と放射線感知部の相対的な位置関係を一定に保つことも可能である。
【0048】
あるいは、線源として広面積の板状線源が使用可能な場合には、図10に示す第4実施形態に示す如く、キャップを外したサーベイメータ10(GMサーベイメータの場合はプローブ20)の先端を、β線入射部より広い面積の板状β線線源33に押し付けた状態で確認校正を行うことも可能である。
【0049】
この場合には、治具が不要である。特に、デジタル式のサーベイメータを用いた場合は、測定姿勢の制約が無いので、板状線源を水平に配置し、その上からサーベイメータの先端を押し付けるような状態で、極めて容易に確認校正を行うことができる。なお、測定姿勢に制約がある場合には、それに合せて、例えば板状線源を立て置きすれば良い。
【実施例】
【0050】
β線線源として、法規制対象外であるSr−90の10kBq密封線源を用い、電離箱式サーベイメータのβ線遮蔽キャップ16に装着した確認校正用キャップ16’で実験を行ったところ、表1に示す如く、確認校正のために必要な再現性及びメータ指示値の変化量を得ることが出来ることが確認出来た。
【0051】
【表1】

【0052】
前記実施形態においては、嵌め換え式のβ線遮蔽キャップ16、22にβ線線源32を取り付けたので、小さくて安価なコイン状線源を用いた場合でも、同じ線源位置でメータ指示値を確認でき、再現性が良い。治具も小型であり、校正する場所も不要である。なお、β線線源の取付位置や取付対象は、これに限定されない。
【0053】
又、前記実施形態においては、本発明が電離箱式サーベイメータとGMサーベイメータに適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、これら以外のサーベイメータや、エリアモニタ、ガスモニタなどのサーベイメータ以外の放射線量(率)測定器一般に同様に適用できる。
【0054】
なお、電離箱式サーベイメータの場合は、コンデンサに蓄まった電位差を測ることにより(積算)線量を測るモードがあるが、本発明によれば、線量率の校正だけでなく、この積算線量の校正も可能である。即ち、γ線を用いる場合は遮蔽が容易でないが、本発明によりβ線を用いる場合は遮蔽が容易であるため、例えば図6の遮蔽板34を厚めのアクリル板や金属板とすることにより、シャッターとして確認校正用キャップ16’に出入れすることによりβ線のオンオフを可能とし、所定時間だけβ線を照射するようにして、積算線量の確認校正をすることが可能である。なお、遮蔽板34の出入れに代えて、β線線源32を装着した確認校正用キャップ16’、16”を所定時間で着脱したり、β線線源32自体を所定時間で着脱しても良い。
【0055】
線源の種類もCl−36やSr−90に限定されず、JIS Z4511に例示されたRa−226、Am−241など、低放射能でエネルギーが高い密封β線線源なら何でも良い。
【符号の説明】
【0056】
10…電離箱式サーベイメータ本体
12、26…メータ
16、22…β線遮蔽キャップ
16’、16”、22’…確認校正用キャップ
20…GM計数管プローブ
30…線源ホルダ
30A、30B…遮蔽板差込口
32、33…β線線源
34…遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ線を測定対象に含む放射線量(率)測定器の確認校正方法において、
前記放射線量(率)測定器の放射線感知部がβ線を測定可能な所定位置に確認校正用のβ線線源を配置し、
該β線線源から放射されるβ線を、γ線の代わりに前記放射線感知部に入射させることにより、
前記放射線量(率)測定器の指示値を変化させることを特徴とする放射線量(率)測定器の確認校正方法。
【請求項2】
前記β線線源を、β線入射部より広い面積の板状線源とすることを特徴とする請求項1に記載の放射線量(率)測定器の確認校正方法。
【請求項3】
前記β線線源を、前記放射線感知部の着脱可能なβ線遮蔽手段に配設することを特徴とする請求項1に記載の放射線量(率)測定器の確認校正方法。
【請求項4】
前記放射線量(率)測定器が電離箱式サーベイメータ又はGMサーベイメータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線量(率)測定器の確認校正方法。
【請求項5】
γ線を測定対象に含む放射線量(率)測定器の着脱可能なβ線遮蔽手段に、確認校正用のβ線線源が配設されていることを特徴とする放射線量(率)測定器の確認校正用治具。
【請求項6】
前記β線遮蔽手段がβ線遮蔽キャップであることを特徴とする請求項5に記載の放射線量(率)測定器の確認校正用治具。
【請求項7】
前記β線遮蔽キャップに設けた開口に配設した線源ホルダにβ線線源が配設されていることを特徴とする請求項6に記載の放射線量(率)測定器の確認校正用治具。
【請求項8】
前記β線線源の配設位置が、放射線感知部との距離が異なる複数の所定位置間で変更可能とされていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の放射線量(率)測定器の確認校正用治具。
【請求項9】
前記β線線源の放射線感知部側に遮蔽板が挿入可能とされていることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の放射線量(率)測定器の確認校正用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−58097(P2012−58097A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202071(P2010−202071)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(591031430)株式会社千代田テクノル (22)
【Fターム(参考)】