説明

放熱性物質ボロンナイトライド

【課題】本発明は窒化ホウ素並びに1種もしくは複数の皮膚科学的に適合性の物質、から成る関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害による裂傷保護の有効成分組み合せ物の使用に関する。
【解決手段】前記組み合せ物は、関節部位及び筋肉部位を含む皮膚の熱障害による裂傷保護の処置および予防のため、そして関節部位及び筋肉部位を含む皮膚に対する処置および予防のための化粧品または皮膚科学的調製物生成のために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動時の関節部位又は筋肉部位を含む皮膚のための熱障害の手入れ及び保護のため、有効成分として窒化ホウ素粉末を含んで成る化粧品及び皮膚科学的組成物、並びに化粧品及び関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の皮膚科学的保護の分野におけるこれらの有効成分及びこれらの有効成分の組み合せの使用、に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素(boron nitride、BN)は窒素とホウ素の化合物で、天然には存在しないセラミックである。周期表で炭素(IV族)の両隣りの元素からなるIII−V族化合物なので、性質面で炭素と似ている点が多い。
【0003】
炭素には常温常圧で安定な黒鉛と高温高圧で安定なダイアモンドがあるように、窒化ホウ素にも六方晶系(hexagonal)などの常圧相と、立方晶系(cubic)などの高圧相があり、h−BN、c−BNなどと呼び分けられる。常圧相のh−BNは1842年バルメイン(W.H.Balmain)により、高圧相のc−BNは1957年ウェンター(R.H.Wentor)によって初めて合成された。h−BNの粉末や成形体は、固体潤滑剤、ファインセラミックなどに使われる。
【0004】
窒化ホウ素は原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層と層とをつなげるのは弱いファンデアワールスカであるから、互いに滑りやすい。このために「白い黒鉛」(ホワイトグラファイト)とも呼ばれる。
【0005】
網面がしっかりしているので格子振動によってよく熱が伝わり、電気絶縁体では最高の熱伝導率を持つ。熱膨張率は低く、アルミナの約10分の1である。
【0006】
高熱伝導率で低膨熱張率であるため、セラミック中で最高の熱衝撃抵抗を示し、1500°C以上から急冷しても破壊しない。
【0007】
電気絶縁体であるという点で黒鉛と異なる。黒鉛では層内の原子が3本の結合手で結び合い、炭素の4個目の価電子が金属における自由電子のように網面内を走り回ることができる。一方、常圧相窒化ホウ素では、六角の網目を組んだあと、窒素にまだ残る2個の価電子は電気陰性度の高い窒素原子にとらえられ、動くことができない。可視光線を吸収しないため白色である。
【0008】
大気中では1000°Cまで、真空中では1400°Cまで、不活性気圏では2800°Cまで安定である。アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、鋼、ゲルマニウム、ケイ素、ホウ素、氷晶石、硝子、ハロゲン化物の融体に濡れない。
【0009】
柔らかく、モース硬度は、石膏、黒鉛と同じく2である。成形体は機械加工しやすく、マシナブルセラミックスとも呼ばれる。密度は2.27g/cm、融点は2967°C、沸点は3273°Cである。
【0010】
製造法は、融解無水ホウ酸(B)と窒素あるいはアンモニア(NH)をリン酸カルシウム(CaPO)触媒で反応させる。
【0011】
ホウ酸やホウ化アルカリと、尿素、グアニジン、メラミン(C)などの有機窒素化合物を高温の窒素−アンモニア雰囲気中で反応させる.
【0012】
融解ホウ酸ナトリウム(NaBO)と塩化アンモニウムをアンモニア雰囲気中で反応させる。
【0013】
三塩化ホウ素(BCl)とアンモニアを高温で反応させる(高純度品が得られる)。
【0014】
用途は、固体潤滑剤−低温から酸化気中の900°Cまでの使用に耐える。黒鉛や二硫化モリブデンは燃えてしまうので、400°C以上では使えない。潤滑に水分を必要としないので、たとえば宇宙空間でも使える。セラミックス、合金、樹脂、ゴムなどに混合して、潤滑性を持たせることができる。それら母体の熱伝導、電気絶縁性、化学的安定性などを高める効果ももつ。
【0015】
離型剤−自動車エンジンを鋳造する金型や、ガラス成形型などに塗布する。敷き粉にも使われる。
【0016】
焼結助剤を使ってホットプレスまたは常圧焼結し、チッカアルミニウムや窒化ケイ素焼結体用セッターや、金属・ガラス用るつぼなどを作る。成形体は、高温雰囲気炉絶縁体やトランジスタなどのヒートシンクにも重用されている。CVDでも作られ、その高純度性からカリウム砒素などの化合物半導体用坩堝に用いられている。
【0017】
微粉は化粧品に配合される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、先行技術の欠点を回避するための方法を発見することが課題である。
とりわけ、運動時の関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害と関連する損傷を排除する効果並びに予防は恒久的で、持続的で二次効果の危険をもたないものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に従うと、運動時の関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害の手入れ及び保護のための症状の処置および予防のための、そして関節部位又は筋肉部位を含む皮膚に対する運動時の熱障害及び近赤外線の有害効果の処置および予防のための化粧品または皮膚科学的組成物の調製のための、
(1)窒化ホウ素および
(2)放熱効果をもたらす1種もしくは複数の皮膚科学的に適合性の物質の有効成分組み合せ物の使用により排除される。
【0020】
本発明に従う有効成分組み合せ物、およびこのような有効成分組み合せ物を含んで成る化粧品または皮膚科学的組成物はすべての点で極めて満足な調製物である。
本発明に従う組成物が先行技術の組成物よりも、
−運動時における関節部位及び筋肉部位を含む皮膚の熱障害を予防する、
−関節部位又は筋肉部位を含む皮膚のバリヤー特性をよりよく維持または回復する、
−近赤外線吸収により、色素障害をより良く抑制する、
−環境の影響から関節部位又は筋肉部位を含む皮膚をより良く保護する、
ことは当業者により予知されることができなかった。
【0021】
本発明に従って使用される窒化ホウ素粉末配合の有効成分組み合せ物、或は本発明に従って使用される有効成分組み合せ物を有効量含有する化粧品または局所用皮膚科学的組成物の使用は、驚くべきことに個々の成分に関して相乗的効果を有する。
【0022】
窒化ホウ素粉末は、白い黒鉛とも呼ばれる鱗片状結晶構造のファインセラミックで、高温潤滑・離型性、電気絶縁性、耐食性、耐熱性、化学安定性等に優れ他の材料にない機能を有する。
【0023】
このため産業素材として化粧品用、各種工業品用などの幅広い分野で使用される。
窒化ホウ素は、特性を活かした用途開発に期待が膨らむ未来型の産業素材である。
【0024】
そのため、窒化ホウ素粉末はファンデーションなどの粉状化粧品に、カバー力や滑り明るさのコントロールをよくするために入れられる微粉末粒子として利用されている。
【0025】
窒化ホウ素粉末は無機質の粉末であり、熱的化学的安定性にすぐれ、微細粒子の特性を生かしたナノテクノロジー原料として注目されている。付着性、カバー力、スライド感に優れ、油ぬれ、水濡れすることなく、安定した感触を持つ。パウダーとしての質感を軽くする為、ポリスチレン粉末の表層に板状窒化ホウ素粉末を付着させた複合粉末は、ファンデーションやポイントメイクに使われる。光を拡散させる性質を利用して、ソフトフォーカスに仕上げられる利点がある。
【0026】
このように、窒化ホウ素粉末は化粧品に使用されているが、潤滑性、光沢性、離型性としての効果が注目されている。しかし、窒化ホウ素粉末の近赤外線の吸収、放熱性の効果を生かした化粧品開発はいまだ行なわれていない。また、運動時での近赤外線の吸収、放熱性効果を有する窒化ホウ素粉末の特性は注目されていない。
【0027】
本発明に従う窒化ホウ素粉末配合の組成物は、運動時の関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害を予防し、近赤外線を吸収する物質を含んで成り、そこでフィルター物質の総量は、有効な化粧品組成物の総量に基づいて、例えば0.01重量%〜30重量%含んで成る化粧品及び皮膚科学的調整物でなければならない。
それらはまた運動時の関節部位又は筋肉部位を含む皮膚のための熱障害及び近赤外線を予防する組成物として使用することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に従う有効成分組み合せ物、及びこのような有効成分組み合せ物を含んで成る化粧品または皮膚科学的調製物はすべての点で極めて満足な組成物と確信する。
特に窒化ホウ素粉末配合による組成物は、関節部位及び筋肉部位を含む皮膚の熱障害による裂傷保護物質を含んで成り、関節部位及び筋肉部位を含む皮膚の熱障害改善組成物として期待できる。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
下記の実施例は本発明を制約することなく、具体的に示すことが意図される。
与えられる数字は別記されない限り、重量%を表わす。
エタノール 52%
窒化ホウ素 5%
水 40%
エッセンシャルオイル 2%
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、運動時における関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害による裂傷保護のための有効成分を含んで成る化粧品および皮膚科学的調製物、並びに化粧品および関節部位又は筋肉部位を含む皮膚の熱障害による皮膚科学的保護の分野におけるこれらの有効成分およびこれらの有効成分の組み合せ物の使用、に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚皮膜剤、可塑剤、溶剤を含有する皮膚に適切に適応される半透明の組成物において、窒化ホウ素を含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
窒化ホウ素が総重量に基づいて0.001重量%〜30重量%の量で存在していることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
ヒトの身体とりわけ関節部位並びに筋肉部位を含む皮膚に適用すべき、放熱効果をもたらす1種もしくは複数の皮膚科学的に適合性の物質の有効成分組み合せ物の使用により排除されることを特徴とする、請求項1記載の使用。

【公開番号】特開2011−26287(P2011−26287A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187869(P2009−187869)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(505308179)有限会社健康の駅 (10)
【Fターム(参考)】