説明

放熱構造

【課題】 振動を防止し小型化可能な放熱構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱源23を有した第1のプリント基板21の上部に配設された第2のプリント基板22で、熱源23と相対する位置の記第2のプリント基板22の両面に複数のスルーホール27で接続した金属膜25、26を設け、熱源側の金属膜25と熱源23の上面とに面接触する様にシリコンゴム24を配設する。熱源23から発生した熱は、第2のプリント基板22の金属膜部25側からスルーホール27を介して金属膜部26に伝わり、第2のプリント基板上部の空気中に熱を放射する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筐体内で複数のプリント基板を積層配設してなる装置に関し、特に放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、図1に示す様に、高速処理を行う演算装置等の熱源13を有する第1のプリント基板11の上部に第2のプリント基板12を配設した場合、熱源から発生する熱が第2のプリント基板12に影響を及ぼし誤動作したり、筐体内に熱がこもり、装置全体で誤動作を行う可能性があった。通常、熱源の上部にはプリント基板を配設しないように設計するが、機構上の問題等により、熱源の上部にプリント基板を配設する場合がある。そこで、熱源13上部に放熱用ファン14を配設し、放熱する構造が考えられているが、放熱用ファンは耐用年数が短く、ある程度の大きさを必要とするため装置全体の小型化が妨げられ、ファンの振動による接触不良やプリント基板同士の接触が発生する等の問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、振動を防止し、小型化可能な放熱構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、請求項1は、熱源を有する第1のプリント基板の上部に第2のプリント基板が配設された装置に於いて、前記熱源と相対する位置の記第2のプリント基板の両面に複数のスルーホールで接続した金属膜を設け、前記熱源側の金属膜と前記熱源の上面との夫々に面接触する、前記熱源側の金属膜及び前記熱源の上面との間に配設したシリコンゴムを備え、前記熱源から発生した熱を前記第2のプリント基板上部に放熱することを特徴とする。
【0005】請求項2は、請求項1に於いて、前記シリコンゴムは、前記熱源の上面から前記第2のプリント基板までの距離と同じ厚さであることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の放熱構造の一実施例について、図2を用いて説明する。
【0007】図2に於いて、21は高速処理を行う演算装置等の熱源23を有する第1のプリント基板、22は第1のプリント基板21の上部に配設されている第2のプリント基板、24は熱源23の上面及び第2のプリント基板22の下面に接して配設されるシリコンゴムである。尚、図2(b)は、図2(a)の波線部を拡大したものである。
【0008】第2のプリント基板22は、第1のプリント基板21の熱源23に位置に相対する位置の両面に、熱源23より面積の大きな金属膜部25、26が設けられ、金属膜部25、26は、複数のスルーホール27により接続されている。尚、金属膜部25、26は、通常、プリント基板の配線に用いる金属膜であり、プリント基板の電子回路とは絶縁されている。また、スルーホール27の配設数が多いほど、熱を伝える効率も高くなる。
【0009】シリコンゴム24は、一片が熱源23の上面に面接触し、他片が第2プリントの金属膜部25(プリント基板の下面)に面接触して配設されている。また、シリコンゴム24の厚さは、第1のプリント基板21と第2のプリント基板22との配設間隔を規定しており、スペーサの役割も果たしている。
【0010】これにより、第2のプリント基板22の下部にある熱源23から発生した熱は、金属膜部25(プリント基板の下面)側からスルーホール27を介して金属膜部26(プリント基板の上面)に伝わり、第2のプリント基板上部の空気中に熱を放射する。
【0011】尚、本実施の形態では、放熱に金属膜25、26を用いているが、プリント基板のグランド層を利用しても土用の効果を奏する。
【0012】
【発明の効果】本発明を用いると、複数のプリント基板の間隔を最小にすることが可能となり、装置全体の小型化を可能とする。また、放熱用ファンを用いないため、耐用年数も長く、スペーサの機能も兼ねるため、何らかの振動が発生した場合でも、振動を緩衝し、接触不良やプリント基板同士の接触を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術を説明する模式図。
【図2】本発明の一実施の形態を示す模式図。
【符号の説明】
11、21 第1のプリント基板
12、22 第2のプリント基板
13、23 熱源
14 放熱用ファン
24 シリコンゴム
25、26 金属膜
27 スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱源を有する第1のプリント基板の上部に第2のプリント基板が配設された装置に於いて、前記熱源と相対する位置の記第2のプリント基板の両面に複数のスルーホールで接続した金属膜を設け、前記熱源側の金属膜と前記熱源の上面との夫々に面接触する、前記熱源側の金属膜及び前記熱源の上面との間に配設したシリコンゴムを備え、前記熱源から発生した熱を前記第2のプリント基板上部に放熱することを特徴とする放熱構造。
【請求項2】 請求項1に於いて、前記シリコンゴムは、前記熱源の上面から前記第2のプリント基板までの距離と同じ厚さであることを特徴とする放熱構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−286578(P2000−286578A)
【公開日】平成12年10月13日(2000.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−89271
【出願日】平成11年3月30日(1999.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】