放送制御システム
【課題】 複数の通信手段を有することによってセットトップボックスに存在していないコンテンツも利用可能であり、さらに、ドットパターンを印刷したペーパーコントローラとスキャナリモコンを用いることによって利用者が簡単に操作可能である、利便性、柔軟性に富んだ放送制御システムを提供する。
【解決手段】 2以上の通信手段を備え、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取るドットコード読み取り装置と、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介してサーバに送信する第2の中継装置と、を備えた放送制御システムとした。
【解決手段】 2以上の通信手段を備え、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取るドットコード読み取り装置と、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介してサーバに送信する第2の中継装置と、を備えた放送制御システムとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信手段を有するリモートコントロール装置を用いた放送制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビの録画予約や視聴等、テレビ、ビデオ、セットトップボックス等の機器の操作において、リモートコントロール装置(リモコン)が用いられている。しかしリモコンは、メニュー階層構造となっているため、操作が煩雑であり、慣れるために時間を要するという問題を有している。例えば、一つの番組の視聴を行うために、10回以上ボタンを操作しなければならず、利用者に多大な負担を強いている。
【0003】
このような問題を解決するために、筆記具としてのペン装置と赤外線読み取り機構とを備えたデジタルペンと、ドットパターンを印刷した用紙を用いた番組録画システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1では、用紙に、番組表とともにドットパターンが印刷されている。ドットパターンは、小さなドットが非均質に散りばめられて印刷されたものであり、広大な平面領域の絶対位置情報を意味している。利用者がデジタルペンで、番組表を囲んだり、番組表横のチェックボックスにチェックを入れたりすると、デジタルペンがその位置情報を認識する。用紙上の位置情報と番組情報とは、あらかじめ関連付けられているため、利用者が囲んだりチェックを入れたりした番組が録画予約される。このように、紙媒体上で録画予約等の操作が可能であるため、機械の操作に慣れない利用者であっても、簡便かつ直感的そして柔軟に操作を行うことができる。また、紙媒体は一覧性・携帯性に優れているという利点もある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−203381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のシステムでは、デジタルペンで番組表に書き込みを行うため、紙面の美観を損ねてしまうという問題がある。そのため、複数回使用することが難しく、使用のたびに、ドットパターンが印刷された用紙を新しく用意しなければならないため、経済性にも問題がある。
【0007】
さらには近年、通常の地上波番組だけでなく、セットトップボックスを用いて、衛星放送やケーブルテレビ番組等、種々の番組を録画予約・閲覧する機会も増加している。従来のセットトップボックスは、インターネット接続も可能ではあったが、インターネット接続を用いたインタラクティブな操作には開放されていなかった。すなわち、リモコンが直接サーバと通信を行うことができず、必ずセットトップボックスを介する必要があった。そのため、利用者が、セットトップボックスのプログラムに存在しないコンテンツ(番組、ショッピング等)を選択した場合には、そのコンテンツを利用することができず、利用者に不便を強いていた。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、複数の通信手段を有することによってセットトップボックスに存在していないコンテンツも利用可能であり、さらに、ドットパターンを印刷したペーパーコントローラとスキャナリモコンを用いることによって利用者が簡単に操作可能である、利便性、柔軟性に富んだ放送制御システムを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る放送制御システムは、少なくとも2以上の通信手段を備えたドットコード読み取り装置と、前記通信手段のうち、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、前記通信手段のうち、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介して接続されるサーバに送信する第2の中継装置と、前記ドットコード読み取り装置は、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取る読み取り素子と、前記読み取り素子から読み取られたドットパターンをコードに変換するコード変換手段と、からなり、前記ドットコード読み取り装置には、前記コードと、コマンドとを関連づけたテーブルと、前記コマンドを変換したコマンド信号、または読み取ったコード信号を出力する第1および第2の送信手段と、前記テーブルに基づいて前記コマンド信号、またはコード信号を選択的に第1の送信手段または第2の送信手段から送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
第1の中継装置との通信、すなわちセットトップボックスとスキャナリモコンとの間の通信は、赤外線通信であり、周波数帯域は3GHz〜30GHzである。
【0011】
第2の中継装置との通信、すなわちネットワーク端末との通信は、物理層インターフェイスとしてIEEE805.15.4において2.4GHzを用いたいわゆるZigBeeを用いることができる。
【0012】
このように、通信方式を異ならせることによって、相互に干渉することなくスキャナリモコンとセットトップボックス間の通信、およびスキャナリモコンとネットワーク端末間との通信を行うことができる。
【0013】
ただし、同じ通信方式としても問題はない。たとえば、スキャナリモコンとセットトップボックスおよびネットワーク端末との通信は、いずれも赤外線通信を用いてもよい。この場合、セットトップボックスまたはネットワーク端末が誤認識しないようにするために、相手先のハードウェア特有のコードをヘッダ情報として付加して送信すればよい。
【0014】
(2)本発明に係る放送制御システムは、前記送信制御手段は、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在するときには、当該対応するコマンドを前記第1の送信手段から前記第1の中継装置に対して出力させるとともに、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在しないときには、前記コードをそのまま前記第2の送信手段から前記第2の中継装置に対して出力させることを特徴とする。
【0015】
これによれば、セットトップボックスに存在していないコンテンツであっても、ネットワークを介して配信されるため、新たなコンテンツを利用したい場合であっても既存のセットトップボックスをそのまま利用することが可能となる。
【0016】
(3)本発明に係る放送制御システムは、前記第1の中継装置は、放送の受信制御を行うための、放送受信用セットトップボックスであり、前記第2の中継装置は、ネットワークに接続されたネットワーク端末であり、前記第2の送信手段から出力されたコード信号またはコマンド信号を受信して、ネットワークを介して接続された前記サーバに送信し、前記第1の中継装置である放送受信用セットトップボックスは、前記サーバで受信されたコード信号またはコマンド信号に基づいて生成された放送信号を受信して、当該セットトップボックスに接続されたディスプレイ装置に前記放送信号を変換した映像情報を出力することを特徴とする。
【0017】
(4)本発明に係る放送制御システムは、前記コードには、座標値が含まれていることを特徴とする。
【0018】
これによれば、ドットパターン内には、コード値とともにXY座標を登録しておくことができる。これにより、地図の映像を配信したり、ペーパーコントローラをタブレットとして利用したりする等、位置に対応して情報を送信・配信することが可能となる。
【0019】
(5)本発明に係る放送制御システムは、前記ドットパターンは、前記コードに代えてユニークな座標値に変換されることを特徴とする。
【0020】
これによれば、XY座標は、媒体毎にユニークな値となっており、座標値とコマンドとを対応づけるテーブルをドットコード読み取り装置内に設けることによって、第1または第2の中継装置にコマンドを送信することができる。
【0021】
(6)本発明に係る放送制御システムは、前記第2の中継装置、すなわちネットワーク端末装置は、携帯電話端末であることを特徴とする。
【0022】
近年、携帯電話端末は、音声通話やメールのみならず、テレビ番組の閲覧、ビデオ配信、おサイフケータイ(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)等を用いた買い物等、様々なことができるようになっている。本発明によれば、このような携帯電話端末を第2の中継装置とするため、ネットワーク端末を準備する必要がなくなり、利用者にとって、より簡易に本システムを利用することが可能となる。また利用者は、外出先においても本システムを利用することが可能となり、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0023】
(7)本発明に係る放送制御システムは、媒体であるカタログ上に形成されたドットパターンをドットコード読み取り装置で読み取った読取コードを、当該携帯電話端末の識別コードとともに、サーバに送信することを特徴とする。
【0024】
これによれば、サーバは、読取コードがどの携帯電話端末から送信されてきたかを容易に認識することが可能となる。
【0025】
(8)本発明に係る放送制御システムは、前記サーバは、読取コードに基づいた処理を前記識別コードで識別される携帯電話端末に関連づけて実行するとともに、前記処理結果を決済サーバに通知することを特徴とする。
【0026】
(9)本発明に係る放送制御システムは、前記処理は、前記読取コードで特定されるコンテンツのダウンロード配信であることを特徴とする。
【0027】
(10)本発明に係る放送制御システムは、前記処理は、前記読取コードで特定される商品の購入またはサービスの提供であることを特徴とする。
【0028】
これによれば、携帯電話を用いた種々のサービスを利用者に提供することが可能となる。
【0029】
(11)本発明に係る放送制御システムは、前記ドットコード読み取り装置はリモコンであることを特徴とする。
【0030】
これによれば、媒体上のドットパターンを読み取るだけでセットトップボックス等を操作することが可能となるため、操作が簡便でユーザに対する利便性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、セットトップボックス中にプログラムが存在していないコンテンツであっても、ネットワーク端末を介して配信することが可能となるため、利用者は、セットトップボックスを買い換える必要なく新たなプログラムを利用することが可能となる。そのため、利便性、経済性に優れたシステムを提供することができる。
【0032】
また、ドットパターンが印刷されている媒体をドットパターン読み取り装置でタッチするだけで所望の処理を行うことが可能であるため、従来のように、所望の処理にたどり着くまでに何度もボタンを押す必要がない。そのため、利用者にとって非常に利便性、簡易性に優れたシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明に係る放送制御システムの概要についての説明図である。
【0034】
本システムは、ドットコード読み取り装置であるスキャナリモコン、ペーパーコントローラ、セットトップボックス、ネットワーク端末から構成されている。
【0035】
ペーパーコントローラは、一方の長辺側がリングによって綴じられた冊子状となっており、その冊子の各ページ面に操作ボタンの図柄が印刷されている。すなわち、テレビやセットトップボックス用のリモコンの操作ボタンを模した、数字、記号や複数文字からなる文言(「前選局」、「CH番号入力」、「決定」等)が印刷された複数の角丸形状や円形状、四角形状の画像領域が設けられている。
【0036】
このそれぞれの画像領域には、それぞれの数字や複数文字に対応する赤外線コードが、後述するドットパターンとして登録されている。
【0037】
なお、ペーパーコントローラは、同図に示すように、制御対象機器のオペレーションを象徴した画像、文字、または記号がグラフィックデータとして印刷されている、1枚もしくは複数枚の媒体のほか、冊子状のテレビ番組表、絵本、雑誌、通販カタログ等、いかなる形態であってもよい。
【0038】
スキャナリモコンは、装置本体の先端(図では下端)に、センサユニットが内蔵されている。本体側面には押ボタンが4個設けられており、先端に近いほうから、それぞれ決定ボタン、再送信ボタン、+(音量UP)ボタン、−(音量DOWN)ボタンが設けられている(図13参照)。また、押ボタンよりも更に底部側には、ZigBee通信部(他の手段により通信する場合には、その手段に係る通信部)および赤外線通信部が設けられている(図13参照)。
【0039】
セットトップボックスは、テレビ受像器に接続して様々なサービスを受けられるようにする機器の総称であり、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送(デジタル放送、アナログ放送)、IP放送(ブロードバンドVODなど)などの放送信号を受信して、視聴可能な信号に変換し表示する装置である。
【0040】
ネットワーク端末は、ネットワークに接続するための端末装置であり、アダプタ、クレードル等がある。
【0041】
このネットワーク端末はケーブルテレビのインターネット提供、または光ケーブル、ADSL、無線方式によるネットワーク接続機能を備えている。
【0042】
本システムは、セットトップボックスやテレビ等の操作に用いることができる。ユーザ(オペレータ)は、スキャナリモコンを用いてペーパーコントローラの画像領域をクリック(撮像)する。すると、スキャナリモコンのCPUは、プログラムにしたがってクリックした画像領域に印刷されているドットパターンをドットコードに変換し、FM(フラッシュメモリ)内に登録されたテーブルを参照して、ドットコードに対応するコマンドが存在するか否かを判断する。ドットコードに対応するコマンドが存在する場合には、赤外線通信またはZigBeeを介して、コマンドをセットトップボックスの受信部に送信する。セットトップボックスは、受信したコマンドに対応する操作(たとえばチャンネルの切り替え)を行う。
【0043】
ドットコードに対応するコマンドが存在しない場合には、ZigBee通信を介して読み取ったドットコードをそのままネットワーク端末に送信する。
【0044】
なお、セットトップボックスまたはネットワーク端末に送信するための送信手段は、赤外線通信やZigBee通信に限らず、ブルートゥース等、他の無線手段であってもよい。さらには、コネクタ等で接続する有線であってもよい。
【0045】
ネットワーク端末内のCPUは、ドットコードをドットコード管理サーバに送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、後述するサーバテーブル(図3)を参照して、ドットコードに対応する情報を取得し、その情報を配信するように、コンテンツ配信サーバに指示する。コンテンツ配信サーバは、セットトップボックスに情報を配信し、セットトップボックスは、配信された操作(たとえばダウンロードされたビデオデータの再生等)を行う。
【0046】
図2は、上述したスキャナリモコンの構成について説明するハードウェアブロック図である。
【0047】
同図に示すように、スキャナリモコンは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バスで接続されたセンサユニット、テーブル、ZigBee通信部(ZB)、赤外線通信部(UR)から構成されている。
【0048】
テーブルは、フラッシュメモリ(FM)内に、オペレーティングシステム(OS)とともに登録されている。
【0049】
本テーブルには、コードとコマンド(たとえばチャンネル選択)、通信方式(ZigBee方式かUR方式か)を関連づけている。
【0050】
中央処理装置(CPU)は、フラッシュメモリ内のプログラムをバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次読み込んで実行処理を行う。
【0051】
センサユニットは、赤外線照射手段であるLEDと、レンズと、IRフィルタと、光学撮像素子(読み取り素子)であるCMOSセンサを備えている。LEDがペーパーコントローラの印刷面を照射すると、CMOSセンサは、その反射光を撮像する。ここでペーパーコントローラ上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0052】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0053】
ここで、照射光については、本実施形態では赤外線を用いてカーボンインク(赤外線を吸収する特性を有するインク)で印刷されたドットパターンを用いた場合で説明したが、照射光とインクの特性については、これに限らず、たとえば紫外線を用いて、紫外線を吸収する特性を有するインクを用いてドットパターンを印刷してもよい。
【0054】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、スキャナリモコンの中央処理装置(CPU)によって解析されてドットコード(座標値またはコード値)に変換される。中央処理装置は、ドットコードに対応するコマンドがテーブルに存在する場合には、対応するコマンドを、対応する通信手段(ZigBee方式またはUR方式)で、セットトップボックスに送信する。このとき、ドットコードに対応するコマンドがテーブルに存在しない場合には、ドットコードをそのまま、ネットワークを介してドットコード管理サーバに送信する。
【0055】
図3は、サーバテーブルについて示す説明図である。
【0056】
本サーバテーブルは、ドットコード管理サーバ内に格納されており、(a)はユーザテーブル、(b)は商品テーブルを示している。
【0057】
(a)のユーザテーブルは、ペンIDと個人情報を対応づけるテーブルである。ペンIDとは、スキャナリモコンを識別するためのIDであり、スキャナリモコン毎に固有の識別コードが付与されている。スキャナリモコンのCPUは、プログラムに基づいてドットコードをドットコード管理サーバに送信する際に、同時にスキャナIDも送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、ユーザテーブルを参照して、ペンIDに対応した個人情報を取得する。個人情報とは、名前、性別、生年月日等、スキャナペンのユーザに関する種々の情報である。
【0058】
(b)の商品テーブルは、商品IDと商品情報を対応づけるテーブルである。商品IDは、商品を識別するためのIDであり、受信したドットコード中に含まれている。サーバのCPUは、商品テーブルを参照して、商品IDに対応した商品情報を取得する。商品情報とは、ケーキセット、くだものセット、和菓子セット等、商品に関する種々の情報である。
【0059】
図4から図10は、このようなドットパターンについて説明したものである。
<ドットパターンの説明 GRID1>
図4〜図9は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0060】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0061】
図4はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図5(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0062】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0063】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、数値情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図5に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図4の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0064】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0065】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0066】
キードット2は、図4に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0067】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図5(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0068】
図5(b)は、図4のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0069】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0070】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0071】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0072】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0073】
図4に示すように、1個のドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、各ブロック内には2ビットの情報ドット3が配置されている。この情報ドット3のドットコードフォーマットを示したものが図6である。
【0074】
図6(a)は、ドットパターンをコード値のみで構成した場合であり、コード値とパリティチェックが登録されるようになっている。
【0075】
また、図6(b)は、コード値とともにXY座標が登録されるようになっている。すなわち、Y座標、X座標、コード値およびパリティチェックがそれぞれ登録されるようになっている。
【0076】
このように、本実施形態では、ドットパターン内にコード値とともにXY座標を登録しておくことができる。これにより、地図の映像を配信したり、ペーパーコントローラをタブレットとして利用したりする等、位置に対応して情報を送信・配信することが可能となる。
【0077】
さらに、図6(c)は、XY座標のみを登録したフォーマットである。XY座標は、媒体毎にユニークな値となっており、座標値とコマンドとを対応づけるテーブルを設けることによって、コマンドを送信することができる。
【0078】
このように、本発明のドットパターンは、コード値のみを登録する場合、コード値とXY座標を登録する場合、座標インデックスとともにXY座標を登録する場合のように、柔軟性に富んだフォーマットが可能である。
【0079】
図7は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0080】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0081】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て、情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0082】
図8は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0083】
図9はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0084】
図4に示すドットパターン1は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0085】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図10を用いて説明する。
【0086】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図10(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されるディレクションドットによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0087】
なお、図10(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0088】
図10(b)は、ブロックの仮想格子点上に情報ドットがあるか否かによって、情報を定義したものである。
【0089】
なお、図10(c)は、図10(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0090】
なお、ドットパターンについては、図4〜10に示したアルゴリズムに基づくドットパターンのほか、特表2003−511761号公報、特開2007−288756号公報に記載されているドットパターン等、いかなるドットパターンを用いてもよい。
【0091】
次に、本システムを利用して商品を購入する具体例について説明する。
【0092】
本具体例においては、ペーパーコントローラは通信販売のカタログであり、カタログには、ドットパターンが重畳印刷されている。ユーザは、通信販売のカタログに記載されている写真をスキャナリモコンでクリックする。すると、スキャナリモコンのCPUは、プログラムにしたがって、クリックした写真に印刷されているドットパターンをドットコードに変換し、FM(フラッシュメモリ)内に登録されたテーブルを参照する。すると、ドットコードに対応するコマンドが存在していないため、ZigBee通信を介して読み取ったドットコードをそのままネットワーク端末に送信する。
【0093】
ネットワーク端末内のCPUは、ドットコードをドットコード管理サーバに送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、図3(a)に示すユーザテーブルを参照して、受信したペンIDに対応する個人情報を取得する。受信したペンIDは0002であり、ユーザテーブルを参照すると、0002に対応する個人情報は、「ハヤシタロウ、男性、1970年6月11日生まれ」である。次に、図3(b)に示す商品テーブルを参照する。受信したドットコードに含まれている商品IDは1001であり、商品テーブルを参照すると、1001に対応する商品情報はケーキセットである。ドットコード管理サーバのCPUは、商品ID「1001」と商品情報「ケーキセット」の購入処理を行うように、コンテンツ配信サーバである商品購入サーバに指示をする。商品購入サーバは、ケーキセットの購入処理を行い、その結果をセットトップボックスに配信する。すると、セットトップボックスは、図11に示すように、テレビモニタに、「ご購入ありがとうございます」および「商品ID=1001 ケーキセット」が画面に表示される。
【0094】
図12は、第2の中継装置として携帯電話端末を用いた例を示している。
【0095】
すなわち、あらかじめ配布された媒体としてのカタログ(ケーブルテレビのテレビ番組表などであってもよい)にオンデマンドコンテンツの写真または商品写真が前述のドットパターンとともに印刷されており、当該ドットパターンをスキャナリモコンで読み取ると、ドットパターンが意味するコード(読取コード)に変換され、携帯電話端末用のヘッダ情報が付加されて、携帯電話端末に送信される。
【0096】
携帯電話端末では、あらかじめiアプリ(NTTドコモの商標)などのアプリケーションプログラムが起動しており、前記スキャナリモコンからの赤外線通信が可能な状態となっている。
【0097】
前記スキャナリモコンからの信号を受信すると、携帯電話端末の中央処理装置(CPU)は、前記プログラムにしたがって読取コードに自身(携帯電話端末)の識別番号を付加してVODサーバまたは商品購入サーバに送信する。
【0098】
VODサーバの場合、読取りコードに対応したコンテンツ(動画、楽曲、静止画など)を当該携帯電話端末にダウンロード配信する。
【0099】
これと同時に、前記携帯電話端末の識別番号を決済サーバに送信し、前記コンテンツのダウンロード配信に対する課金処理を行う。
【0100】
なお、課金処理については、あらかじめ携帯電話端末内に設定されている価値情報(いわゆるおサイフケータイ(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)、Edy(株式会社ソニーファイナンスインターナショナルの商標)など)のプリペイド方式またはiD(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)などのポストペイド方式、さらには携帯電話端末の通信料とともに課金されるキャリア課金方式などのいずれであってもよい。
【0101】
また、商品購入の場合には、商品購入サーバは、前記読取りコードに対応した商品購入処理を実行するとともに、前記と同様な課金処理を決済サーバに指示する。
【0102】
また、第2の中継装置は、クレードルの機能を有していてもよい。このクレードルにはスキャナリモコンを立設可能であり、充電機能を備えているため、スキャナリモコンの充電と、インターネット端末とを兼用することができ、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0103】
また、スキャナリモコンには、音声入力可能なマイクが設けられていてもよい。
【0104】
ケーブルテレビ、携帯電話端末、インターネット端末等、複数の中継装置がある場合に、ユーザが、どの装置との通信を行いたいのかを、マイクに入力すると(たとえば「テレビ」、「インターネット」等)、スキャナリモコンのCPUは、音声を認識して、音声に対応した中継装置に対して、既に読み取ったドットコードまたはコマンドを送信する。
【0105】
このような機能を設けることにより、ユーザは、所望の通信手段を簡易に選択することができるため、より利便性、柔軟性に富んだシステムを提供することができる。
【0106】
図13は、先端に滑り止めを設けたスキャナリモコンについて説明する図である。
【0107】
スキャナリモコンでペーパーコントローラをクリックする場合、スキャナリモコンの先端部とペーパーコントローラ面との摩擦係数が少ない場合、スキャナリモコンの先端が滑ってしまい、所望の箇所をうまくクリックできない(目標としたドットパターンが正確に読み取れない)という問題がある。
【0108】
そこで、図13に示すような滑り止めをスキャナ先端に設けることにより、所望の箇所(ドットパターン)を確実にクリック(読み取る)することができるようになる。
【0109】
なお、滑り止めに用いる材質としては、合成ゴム、シリコン、ポリエステル、アクリル樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等がある。
【0110】
図14は、ドットコードと送信先を連動させたシステムに関する説明図である。
【0111】
本実施例で用いるペーパーコントローラには、「A社STB」「B社STB」等、社名や機器名を示すアイコンが印刷されている。このアイコンには、送信先を意味するコード値を含んだドットパターンが重畳印刷されている。
【0112】
例えば利用者が、「B社STB」と印刷されたアイコン面を、スキャナリモコンでタッチすると、アイコンに重畳印刷されたドットパターンが読み取られる。ドットパターンには、送信先がB社のSTB(セットトップボックス)を意味するコードが含まれている。スキャナリモコンのCPUは、B社のセットトップボックスに対して赤外線を搬送波とした前記コードを送信する。これにより、スキャナリモコンは、B社のセットトップボックスを操作するあたかも専用リモコンとして作動するようになる。
【0113】
次に利用者は、図1に示したようなペーパーコントローラの、所望の処理(たとえばケーブルテレビの視聴)を示すアイコンをタッチする。すると、スキャナリモコンのCPUは、ドットパターンに対応するコマンドをB社のセットトップボックスに送信する。するとB社のセットトップボックスは、利用者が所望する番組を配信する。
【0114】
利用者が複数のセットトップボックス等の機器を所有している場合、機器毎にリモコンを所有し、多くのリモコンの中からその機器に対応したリモコンを探して制御を行わなければならず、探すのに手間を要するという問題がある。また、それぞれのリモコンがどの機器に用いるものであるかを覚えなければならず、利用者に負担を与えている。本実施例のように、所望の操作を行う前に、まずドットパターンの読み取りと送信先とを連動させることにより、1つのリモコンで複数の機器を制御することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、セットトップボックスや携帯電話の用いてのテレビ番組の視聴・録画予約、通信販売等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係る放送制御システムの概要を示す説明図である。
【図2】スキャナリモコンの構造を示すハードウェアブロック図である。
【図3】ドットコード管理サーバに存在するサーバテーブルについて示す説明図である。
【図4】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図5】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図6】GRID1におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図7】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図8】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図9】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図10】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図11】本システムを通信販売に利用した場合に、テレビモニタに表示される画像について示した図である。
【図12】本システムにおいて第2の中継装置を携帯電話とした場合について示す説明図である。
【図13】先端部に滑り止めを設けたスキャナリモコンについて示す説明図である。
【図14】ドットコードと送信先を連動させるシステムについて示す説明図である。
【符号の説明】
【0117】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信手段を有するリモートコントロール装置を用いた放送制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビの録画予約や視聴等、テレビ、ビデオ、セットトップボックス等の機器の操作において、リモートコントロール装置(リモコン)が用いられている。しかしリモコンは、メニュー階層構造となっているため、操作が煩雑であり、慣れるために時間を要するという問題を有している。例えば、一つの番組の視聴を行うために、10回以上ボタンを操作しなければならず、利用者に多大な負担を強いている。
【0003】
このような問題を解決するために、筆記具としてのペン装置と赤外線読み取り機構とを備えたデジタルペンと、ドットパターンを印刷した用紙を用いた番組録画システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1では、用紙に、番組表とともにドットパターンが印刷されている。ドットパターンは、小さなドットが非均質に散りばめられて印刷されたものであり、広大な平面領域の絶対位置情報を意味している。利用者がデジタルペンで、番組表を囲んだり、番組表横のチェックボックスにチェックを入れたりすると、デジタルペンがその位置情報を認識する。用紙上の位置情報と番組情報とは、あらかじめ関連付けられているため、利用者が囲んだりチェックを入れたりした番組が録画予約される。このように、紙媒体上で録画予約等の操作が可能であるため、機械の操作に慣れない利用者であっても、簡便かつ直感的そして柔軟に操作を行うことができる。また、紙媒体は一覧性・携帯性に優れているという利点もある。
【0005】
【特許文献1】特開2006−203381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のシステムでは、デジタルペンで番組表に書き込みを行うため、紙面の美観を損ねてしまうという問題がある。そのため、複数回使用することが難しく、使用のたびに、ドットパターンが印刷された用紙を新しく用意しなければならないため、経済性にも問題がある。
【0007】
さらには近年、通常の地上波番組だけでなく、セットトップボックスを用いて、衛星放送やケーブルテレビ番組等、種々の番組を録画予約・閲覧する機会も増加している。従来のセットトップボックスは、インターネット接続も可能ではあったが、インターネット接続を用いたインタラクティブな操作には開放されていなかった。すなわち、リモコンが直接サーバと通信を行うことができず、必ずセットトップボックスを介する必要があった。そのため、利用者が、セットトップボックスのプログラムに存在しないコンテンツ(番組、ショッピング等)を選択した場合には、そのコンテンツを利用することができず、利用者に不便を強いていた。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、複数の通信手段を有することによってセットトップボックスに存在していないコンテンツも利用可能であり、さらに、ドットパターンを印刷したペーパーコントローラとスキャナリモコンを用いることによって利用者が簡単に操作可能である、利便性、柔軟性に富んだ放送制御システムを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る放送制御システムは、少なくとも2以上の通信手段を備えたドットコード読み取り装置と、前記通信手段のうち、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、前記通信手段のうち、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介して接続されるサーバに送信する第2の中継装置と、前記ドットコード読み取り装置は、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取る読み取り素子と、前記読み取り素子から読み取られたドットパターンをコードに変換するコード変換手段と、からなり、前記ドットコード読み取り装置には、前記コードと、コマンドとを関連づけたテーブルと、前記コマンドを変換したコマンド信号、または読み取ったコード信号を出力する第1および第2の送信手段と、前記テーブルに基づいて前記コマンド信号、またはコード信号を選択的に第1の送信手段または第2の送信手段から送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
第1の中継装置との通信、すなわちセットトップボックスとスキャナリモコンとの間の通信は、赤外線通信であり、周波数帯域は3GHz〜30GHzである。
【0011】
第2の中継装置との通信、すなわちネットワーク端末との通信は、物理層インターフェイスとしてIEEE805.15.4において2.4GHzを用いたいわゆるZigBeeを用いることができる。
【0012】
このように、通信方式を異ならせることによって、相互に干渉することなくスキャナリモコンとセットトップボックス間の通信、およびスキャナリモコンとネットワーク端末間との通信を行うことができる。
【0013】
ただし、同じ通信方式としても問題はない。たとえば、スキャナリモコンとセットトップボックスおよびネットワーク端末との通信は、いずれも赤外線通信を用いてもよい。この場合、セットトップボックスまたはネットワーク端末が誤認識しないようにするために、相手先のハードウェア特有のコードをヘッダ情報として付加して送信すればよい。
【0014】
(2)本発明に係る放送制御システムは、前記送信制御手段は、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在するときには、当該対応するコマンドを前記第1の送信手段から前記第1の中継装置に対して出力させるとともに、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在しないときには、前記コードをそのまま前記第2の送信手段から前記第2の中継装置に対して出力させることを特徴とする。
【0015】
これによれば、セットトップボックスに存在していないコンテンツであっても、ネットワークを介して配信されるため、新たなコンテンツを利用したい場合であっても既存のセットトップボックスをそのまま利用することが可能となる。
【0016】
(3)本発明に係る放送制御システムは、前記第1の中継装置は、放送の受信制御を行うための、放送受信用セットトップボックスであり、前記第2の中継装置は、ネットワークに接続されたネットワーク端末であり、前記第2の送信手段から出力されたコード信号またはコマンド信号を受信して、ネットワークを介して接続された前記サーバに送信し、前記第1の中継装置である放送受信用セットトップボックスは、前記サーバで受信されたコード信号またはコマンド信号に基づいて生成された放送信号を受信して、当該セットトップボックスに接続されたディスプレイ装置に前記放送信号を変換した映像情報を出力することを特徴とする。
【0017】
(4)本発明に係る放送制御システムは、前記コードには、座標値が含まれていることを特徴とする。
【0018】
これによれば、ドットパターン内には、コード値とともにXY座標を登録しておくことができる。これにより、地図の映像を配信したり、ペーパーコントローラをタブレットとして利用したりする等、位置に対応して情報を送信・配信することが可能となる。
【0019】
(5)本発明に係る放送制御システムは、前記ドットパターンは、前記コードに代えてユニークな座標値に変換されることを特徴とする。
【0020】
これによれば、XY座標は、媒体毎にユニークな値となっており、座標値とコマンドとを対応づけるテーブルをドットコード読み取り装置内に設けることによって、第1または第2の中継装置にコマンドを送信することができる。
【0021】
(6)本発明に係る放送制御システムは、前記第2の中継装置、すなわちネットワーク端末装置は、携帯電話端末であることを特徴とする。
【0022】
近年、携帯電話端末は、音声通話やメールのみならず、テレビ番組の閲覧、ビデオ配信、おサイフケータイ(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)等を用いた買い物等、様々なことができるようになっている。本発明によれば、このような携帯電話端末を第2の中継装置とするため、ネットワーク端末を準備する必要がなくなり、利用者にとって、より簡易に本システムを利用することが可能となる。また利用者は、外出先においても本システムを利用することが可能となり、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0023】
(7)本発明に係る放送制御システムは、媒体であるカタログ上に形成されたドットパターンをドットコード読み取り装置で読み取った読取コードを、当該携帯電話端末の識別コードとともに、サーバに送信することを特徴とする。
【0024】
これによれば、サーバは、読取コードがどの携帯電話端末から送信されてきたかを容易に認識することが可能となる。
【0025】
(8)本発明に係る放送制御システムは、前記サーバは、読取コードに基づいた処理を前記識別コードで識別される携帯電話端末に関連づけて実行するとともに、前記処理結果を決済サーバに通知することを特徴とする。
【0026】
(9)本発明に係る放送制御システムは、前記処理は、前記読取コードで特定されるコンテンツのダウンロード配信であることを特徴とする。
【0027】
(10)本発明に係る放送制御システムは、前記処理は、前記読取コードで特定される商品の購入またはサービスの提供であることを特徴とする。
【0028】
これによれば、携帯電話を用いた種々のサービスを利用者に提供することが可能となる。
【0029】
(11)本発明に係る放送制御システムは、前記ドットコード読み取り装置はリモコンであることを特徴とする。
【0030】
これによれば、媒体上のドットパターンを読み取るだけでセットトップボックス等を操作することが可能となるため、操作が簡便でユーザに対する利便性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、セットトップボックス中にプログラムが存在していないコンテンツであっても、ネットワーク端末を介して配信することが可能となるため、利用者は、セットトップボックスを買い換える必要なく新たなプログラムを利用することが可能となる。そのため、利便性、経済性に優れたシステムを提供することができる。
【0032】
また、ドットパターンが印刷されている媒体をドットパターン読み取り装置でタッチするだけで所望の処理を行うことが可能であるため、従来のように、所望の処理にたどり着くまでに何度もボタンを押す必要がない。そのため、利用者にとって非常に利便性、簡易性に優れたシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明に係る放送制御システムの概要についての説明図である。
【0034】
本システムは、ドットコード読み取り装置であるスキャナリモコン、ペーパーコントローラ、セットトップボックス、ネットワーク端末から構成されている。
【0035】
ペーパーコントローラは、一方の長辺側がリングによって綴じられた冊子状となっており、その冊子の各ページ面に操作ボタンの図柄が印刷されている。すなわち、テレビやセットトップボックス用のリモコンの操作ボタンを模した、数字、記号や複数文字からなる文言(「前選局」、「CH番号入力」、「決定」等)が印刷された複数の角丸形状や円形状、四角形状の画像領域が設けられている。
【0036】
このそれぞれの画像領域には、それぞれの数字や複数文字に対応する赤外線コードが、後述するドットパターンとして登録されている。
【0037】
なお、ペーパーコントローラは、同図に示すように、制御対象機器のオペレーションを象徴した画像、文字、または記号がグラフィックデータとして印刷されている、1枚もしくは複数枚の媒体のほか、冊子状のテレビ番組表、絵本、雑誌、通販カタログ等、いかなる形態であってもよい。
【0038】
スキャナリモコンは、装置本体の先端(図では下端)に、センサユニットが内蔵されている。本体側面には押ボタンが4個設けられており、先端に近いほうから、それぞれ決定ボタン、再送信ボタン、+(音量UP)ボタン、−(音量DOWN)ボタンが設けられている(図13参照)。また、押ボタンよりも更に底部側には、ZigBee通信部(他の手段により通信する場合には、その手段に係る通信部)および赤外線通信部が設けられている(図13参照)。
【0039】
セットトップボックスは、テレビ受像器に接続して様々なサービスを受けられるようにする機器の総称であり、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送(デジタル放送、アナログ放送)、IP放送(ブロードバンドVODなど)などの放送信号を受信して、視聴可能な信号に変換し表示する装置である。
【0040】
ネットワーク端末は、ネットワークに接続するための端末装置であり、アダプタ、クレードル等がある。
【0041】
このネットワーク端末はケーブルテレビのインターネット提供、または光ケーブル、ADSL、無線方式によるネットワーク接続機能を備えている。
【0042】
本システムは、セットトップボックスやテレビ等の操作に用いることができる。ユーザ(オペレータ)は、スキャナリモコンを用いてペーパーコントローラの画像領域をクリック(撮像)する。すると、スキャナリモコンのCPUは、プログラムにしたがってクリックした画像領域に印刷されているドットパターンをドットコードに変換し、FM(フラッシュメモリ)内に登録されたテーブルを参照して、ドットコードに対応するコマンドが存在するか否かを判断する。ドットコードに対応するコマンドが存在する場合には、赤外線通信またはZigBeeを介して、コマンドをセットトップボックスの受信部に送信する。セットトップボックスは、受信したコマンドに対応する操作(たとえばチャンネルの切り替え)を行う。
【0043】
ドットコードに対応するコマンドが存在しない場合には、ZigBee通信を介して読み取ったドットコードをそのままネットワーク端末に送信する。
【0044】
なお、セットトップボックスまたはネットワーク端末に送信するための送信手段は、赤外線通信やZigBee通信に限らず、ブルートゥース等、他の無線手段であってもよい。さらには、コネクタ等で接続する有線であってもよい。
【0045】
ネットワーク端末内のCPUは、ドットコードをドットコード管理サーバに送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、後述するサーバテーブル(図3)を参照して、ドットコードに対応する情報を取得し、その情報を配信するように、コンテンツ配信サーバに指示する。コンテンツ配信サーバは、セットトップボックスに情報を配信し、セットトップボックスは、配信された操作(たとえばダウンロードされたビデオデータの再生等)を行う。
【0046】
図2は、上述したスキャナリモコンの構成について説明するハードウェアブロック図である。
【0047】
同図に示すように、スキャナリモコンは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バスで接続されたセンサユニット、テーブル、ZigBee通信部(ZB)、赤外線通信部(UR)から構成されている。
【0048】
テーブルは、フラッシュメモリ(FM)内に、オペレーティングシステム(OS)とともに登録されている。
【0049】
本テーブルには、コードとコマンド(たとえばチャンネル選択)、通信方式(ZigBee方式かUR方式か)を関連づけている。
【0050】
中央処理装置(CPU)は、フラッシュメモリ内のプログラムをバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次読み込んで実行処理を行う。
【0051】
センサユニットは、赤外線照射手段であるLEDと、レンズと、IRフィルタと、光学撮像素子(読み取り素子)であるCMOSセンサを備えている。LEDがペーパーコントローラの印刷面を照射すると、CMOSセンサは、その反射光を撮像する。ここでペーパーコントローラ上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0052】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0053】
ここで、照射光については、本実施形態では赤外線を用いてカーボンインク(赤外線を吸収する特性を有するインク)で印刷されたドットパターンを用いた場合で説明したが、照射光とインクの特性については、これに限らず、たとえば紫外線を用いて、紫外線を吸収する特性を有するインクを用いてドットパターンを印刷してもよい。
【0054】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、スキャナリモコンの中央処理装置(CPU)によって解析されてドットコード(座標値またはコード値)に変換される。中央処理装置は、ドットコードに対応するコマンドがテーブルに存在する場合には、対応するコマンドを、対応する通信手段(ZigBee方式またはUR方式)で、セットトップボックスに送信する。このとき、ドットコードに対応するコマンドがテーブルに存在しない場合には、ドットコードをそのまま、ネットワークを介してドットコード管理サーバに送信する。
【0055】
図3は、サーバテーブルについて示す説明図である。
【0056】
本サーバテーブルは、ドットコード管理サーバ内に格納されており、(a)はユーザテーブル、(b)は商品テーブルを示している。
【0057】
(a)のユーザテーブルは、ペンIDと個人情報を対応づけるテーブルである。ペンIDとは、スキャナリモコンを識別するためのIDであり、スキャナリモコン毎に固有の識別コードが付与されている。スキャナリモコンのCPUは、プログラムに基づいてドットコードをドットコード管理サーバに送信する際に、同時にスキャナIDも送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、ユーザテーブルを参照して、ペンIDに対応した個人情報を取得する。個人情報とは、名前、性別、生年月日等、スキャナペンのユーザに関する種々の情報である。
【0058】
(b)の商品テーブルは、商品IDと商品情報を対応づけるテーブルである。商品IDは、商品を識別するためのIDであり、受信したドットコード中に含まれている。サーバのCPUは、商品テーブルを参照して、商品IDに対応した商品情報を取得する。商品情報とは、ケーキセット、くだものセット、和菓子セット等、商品に関する種々の情報である。
【0059】
図4から図10は、このようなドットパターンについて説明したものである。
<ドットパターンの説明 GRID1>
図4〜図9は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0060】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収する不可視インクまたはカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0061】
図4はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図5(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0062】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0063】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、数値情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図5に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図4の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことは勿論である。
【0064】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0065】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0066】
キードット2は、図4に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.1mmずらしたものである。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0067】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図5(a)に示すように、その仮想格子点5から0.1mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0068】
図5(b)は、図4のドットパターンにおいて、1個の格子毎に2ビットを有する情報ドット3の定義の方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットの情報を定義している。これにより、本来48ビットの情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎にデータを与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りのドットパターンフォーマットが実現できる。
【0069】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることは勿論である。
【0070】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.05mm程度が望ましい。
【0071】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横0.5mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0072】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0073】
図4に示すように、1個のドットパターンは、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターンであり、各ブロック内には2ビットの情報ドット3が配置されている。この情報ドット3のドットコードフォーマットを示したものが図6である。
【0074】
図6(a)は、ドットパターンをコード値のみで構成した場合であり、コード値とパリティチェックが登録されるようになっている。
【0075】
また、図6(b)は、コード値とともにXY座標が登録されるようになっている。すなわち、Y座標、X座標、コード値およびパリティチェックがそれぞれ登録されるようになっている。
【0076】
このように、本実施形態では、ドットパターン内にコード値とともにXY座標を登録しておくことができる。これにより、地図の映像を配信したり、ペーパーコントローラをタブレットとして利用したりする等、位置に対応して情報を送信・配信することが可能となる。
【0077】
さらに、図6(c)は、XY座標のみを登録したフォーマットである。XY座標は、媒体毎にユニークな値となっており、座標値とコマンドとを対応づけるテーブルを設けることによって、コマンドを送信することができる。
【0078】
このように、本発明のドットパターンは、コード値のみを登録する場合、コード値とXY座標を登録する場合、座標インデックスとともにXY座標を登録する場合のように、柔軟性に富んだフォーマットが可能である。
【0079】
図7は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0080】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0081】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て、情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で28の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0082】
図8は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0083】
図9はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0084】
図4に示すドットパターン1は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0085】
<ドットパターンの説明 ディレクションドット>
次に、ドットパターンの他の形態であるディレクションドットについて図10を用いて説明する。
【0086】
本ドットパターンは、ブロックの形状によって、ドットパターンの方向を定義したものである。図10(a)において、まず基準点48a〜48eが配置されている。この基準点48a〜48eを結ぶ線によってブロックの向きを示す形状(ここでは上方を向いた5角形)が定義されている。そして、この基準点に基づいて仮想基準点48f、48g、48hが配置され、この仮想基準点を始点として方向と長さを有するベクトル終点に情報ドット3が配置されている。このように、同図では、ブロックの向きを基準点の配置の仕方によって定義することができる。そしてブロックの向きが定義されるディレクションドットによって、ブロック全体の大きさも定義されることになる。
【0087】
なお、図10(a)においては、基準点48a〜48eと情報ドット3は全て同一形状のもので説明したが、基準点48a〜48eを情報ドット3よりも大きな形状としてもよい。また、この基準点48a〜48eと情報ドット3とは識別可能であればいかなる形状としてもよく、三角形、四角形それ以上の多角形であってもよい。
【0088】
図10(b)は、ブロックの仮想格子点上に情報ドットがあるか否かによって、情報を定義したものである。
【0089】
なお、図10(c)は、図10(a)に示したブロックを縦横方向に2個ずつ連結したものである。
【0090】
なお、ドットパターンについては、図4〜10に示したアルゴリズムに基づくドットパターンのほか、特表2003−511761号公報、特開2007−288756号公報に記載されているドットパターン等、いかなるドットパターンを用いてもよい。
【0091】
次に、本システムを利用して商品を購入する具体例について説明する。
【0092】
本具体例においては、ペーパーコントローラは通信販売のカタログであり、カタログには、ドットパターンが重畳印刷されている。ユーザは、通信販売のカタログに記載されている写真をスキャナリモコンでクリックする。すると、スキャナリモコンのCPUは、プログラムにしたがって、クリックした写真に印刷されているドットパターンをドットコードに変換し、FM(フラッシュメモリ)内に登録されたテーブルを参照する。すると、ドットコードに対応するコマンドが存在していないため、ZigBee通信を介して読み取ったドットコードをそのままネットワーク端末に送信する。
【0093】
ネットワーク端末内のCPUは、ドットコードをドットコード管理サーバに送信する。ドットコード管理サーバのCPUは、図3(a)に示すユーザテーブルを参照して、受信したペンIDに対応する個人情報を取得する。受信したペンIDは0002であり、ユーザテーブルを参照すると、0002に対応する個人情報は、「ハヤシタロウ、男性、1970年6月11日生まれ」である。次に、図3(b)に示す商品テーブルを参照する。受信したドットコードに含まれている商品IDは1001であり、商品テーブルを参照すると、1001に対応する商品情報はケーキセットである。ドットコード管理サーバのCPUは、商品ID「1001」と商品情報「ケーキセット」の購入処理を行うように、コンテンツ配信サーバである商品購入サーバに指示をする。商品購入サーバは、ケーキセットの購入処理を行い、その結果をセットトップボックスに配信する。すると、セットトップボックスは、図11に示すように、テレビモニタに、「ご購入ありがとうございます」および「商品ID=1001 ケーキセット」が画面に表示される。
【0094】
図12は、第2の中継装置として携帯電話端末を用いた例を示している。
【0095】
すなわち、あらかじめ配布された媒体としてのカタログ(ケーブルテレビのテレビ番組表などであってもよい)にオンデマンドコンテンツの写真または商品写真が前述のドットパターンとともに印刷されており、当該ドットパターンをスキャナリモコンで読み取ると、ドットパターンが意味するコード(読取コード)に変換され、携帯電話端末用のヘッダ情報が付加されて、携帯電話端末に送信される。
【0096】
携帯電話端末では、あらかじめiアプリ(NTTドコモの商標)などのアプリケーションプログラムが起動しており、前記スキャナリモコンからの赤外線通信が可能な状態となっている。
【0097】
前記スキャナリモコンからの信号を受信すると、携帯電話端末の中央処理装置(CPU)は、前記プログラムにしたがって読取コードに自身(携帯電話端末)の識別番号を付加してVODサーバまたは商品購入サーバに送信する。
【0098】
VODサーバの場合、読取りコードに対応したコンテンツ(動画、楽曲、静止画など)を当該携帯電話端末にダウンロード配信する。
【0099】
これと同時に、前記携帯電話端末の識別番号を決済サーバに送信し、前記コンテンツのダウンロード配信に対する課金処理を行う。
【0100】
なお、課金処理については、あらかじめ携帯電話端末内に設定されている価値情報(いわゆるおサイフケータイ(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)、Edy(株式会社ソニーファイナンスインターナショナルの商標)など)のプリペイド方式またはiD(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの商標)などのポストペイド方式、さらには携帯電話端末の通信料とともに課金されるキャリア課金方式などのいずれであってもよい。
【0101】
また、商品購入の場合には、商品購入サーバは、前記読取りコードに対応した商品購入処理を実行するとともに、前記と同様な課金処理を決済サーバに指示する。
【0102】
また、第2の中継装置は、クレードルの機能を有していてもよい。このクレードルにはスキャナリモコンを立設可能であり、充電機能を備えているため、スキャナリモコンの充電と、インターネット端末とを兼用することができ、より利便性の高いシステムを提供することができる。
【0103】
また、スキャナリモコンには、音声入力可能なマイクが設けられていてもよい。
【0104】
ケーブルテレビ、携帯電話端末、インターネット端末等、複数の中継装置がある場合に、ユーザが、どの装置との通信を行いたいのかを、マイクに入力すると(たとえば「テレビ」、「インターネット」等)、スキャナリモコンのCPUは、音声を認識して、音声に対応した中継装置に対して、既に読み取ったドットコードまたはコマンドを送信する。
【0105】
このような機能を設けることにより、ユーザは、所望の通信手段を簡易に選択することができるため、より利便性、柔軟性に富んだシステムを提供することができる。
【0106】
図13は、先端に滑り止めを設けたスキャナリモコンについて説明する図である。
【0107】
スキャナリモコンでペーパーコントローラをクリックする場合、スキャナリモコンの先端部とペーパーコントローラ面との摩擦係数が少ない場合、スキャナリモコンの先端が滑ってしまい、所望の箇所をうまくクリックできない(目標としたドットパターンが正確に読み取れない)という問題がある。
【0108】
そこで、図13に示すような滑り止めをスキャナ先端に設けることにより、所望の箇所(ドットパターン)を確実にクリック(読み取る)することができるようになる。
【0109】
なお、滑り止めに用いる材質としては、合成ゴム、シリコン、ポリエステル、アクリル樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等がある。
【0110】
図14は、ドットコードと送信先を連動させたシステムに関する説明図である。
【0111】
本実施例で用いるペーパーコントローラには、「A社STB」「B社STB」等、社名や機器名を示すアイコンが印刷されている。このアイコンには、送信先を意味するコード値を含んだドットパターンが重畳印刷されている。
【0112】
例えば利用者が、「B社STB」と印刷されたアイコン面を、スキャナリモコンでタッチすると、アイコンに重畳印刷されたドットパターンが読み取られる。ドットパターンには、送信先がB社のSTB(セットトップボックス)を意味するコードが含まれている。スキャナリモコンのCPUは、B社のセットトップボックスに対して赤外線を搬送波とした前記コードを送信する。これにより、スキャナリモコンは、B社のセットトップボックスを操作するあたかも専用リモコンとして作動するようになる。
【0113】
次に利用者は、図1に示したようなペーパーコントローラの、所望の処理(たとえばケーブルテレビの視聴)を示すアイコンをタッチする。すると、スキャナリモコンのCPUは、ドットパターンに対応するコマンドをB社のセットトップボックスに送信する。するとB社のセットトップボックスは、利用者が所望する番組を配信する。
【0114】
利用者が複数のセットトップボックス等の機器を所有している場合、機器毎にリモコンを所有し、多くのリモコンの中からその機器に対応したリモコンを探して制御を行わなければならず、探すのに手間を要するという問題がある。また、それぞれのリモコンがどの機器に用いるものであるかを覚えなければならず、利用者に負担を与えている。本実施例のように、所望の操作を行う前に、まずドットパターンの読み取りと送信先とを連動させることにより、1つのリモコンで複数の機器を制御することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、セットトップボックスや携帯電話の用いてのテレビ番組の視聴・録画予約、通信販売等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係る放送制御システムの概要を示す説明図である。
【図2】スキャナリモコンの構造を示すハードウェアブロック図である。
【図3】ドットコード管理サーバに存在するサーバテーブルについて示す説明図である。
【図4】GRID1のドットパターンの一例を示す説明図である。
【図5】GRID1におけるドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図6】GRID1におけるドットパターンのフォーマットを示す説明図である。
【図7】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【図8】GRID1における情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図9】GRID1におけるドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図10】ディレクションドットのドットパターンを示す説明図である。
【図11】本システムを通信販売に利用した場合に、テレビモニタに表示される画像について示した図である。
【図12】本システムにおいて第2の中継装置を携帯電話とした場合について示す説明図である。
【図13】先端部に滑り止めを設けたスキャナリモコンについて示す説明図である。
【図14】ドットコードと送信先を連動させるシステムについて示す説明図である。
【符号の説明】
【0117】
1 ドットパターン
2 キードット
3 情報ドット
4 基準格子点ドット
5 仮想格子点
48a,48b,48c,48d,48e 基準ドット
48f,48g,48h 仮想基準点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2以上の通信手段を備えたドットコード読み取り装置と、
前記通信手段のうち、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、
前記通信手段のうち、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介して接続されるサーバに送信する第2の中継装置と、
前記ドットコード読み取り装置は、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取る読み取り素子と、
前記読み取り素子から読み取られたドットパターンをコードに変換するコード変換手段と、からなり、
前記ドットコード読み取り装置には、
前記コードと、コマンドとを関連づけたテーブルと、
前記コマンドを変換したコマンド信号、または読み取ったコード信号を出力する第1および第2の送信手段と、
前記テーブルに基づいて前記コマンド信号、またはコード信号を選択的に第1の送信手段または第2の送信手段から送信する送信制御手段と、を備えた放送制御システム。
【請求項2】
前記送信制御手段は、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在するときには、当該対応するコマンドを前記第1の送信手段から前記第1の中継装置に対して出力させるとともに、
読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在しないときには、前記コードをそのまま前記第2の送信手段から前記第2の中継装置に対して出力させる請求項1記載の放送制御システム。
【請求項3】
前記第1の中継装置は、放送の受信制御を行うための、放送受信用セットトップボックスであり、
前記第2の中継装置は、ネットワークに接続されたネットワーク端末であり、前記第2の送信手段から出力されたコード信号またはコマンド信号を受信して、ネットワークを介して接続された前記サーバに送信し、
前記第1の中継装置である放送受信用セットトップボックスは、前記サーバで受信されたコード信号またはコマンド信号に基づいて生成された放送信号を受信して、当該セットトップボックスに接続されたディスプレイ装置に前記放送信号を変換した映像情報を出力する請求項1記載の放送制御システム。
【請求項4】
前記コードには、座標値が含まれていることを特徴とする請求項1記載の放送制御システム。
【請求項5】
前記ドットパターンは、前記コードに代えてユニークな座標値に変換されることを特徴とする請求項1記載の放送制御システム。
【請求項6】
前記第2の中継装置、すなわちネットワーク端末装置は、携帯電話端末である
請求項1記載の放送制御システム。
【請求項7】
前記携帯電話端末は、媒体であるカタログ上に形成されたドットパターンをドットコード読み取り装置で読み取った読取コードを、当該携帯電話端末の識別コードとともに、サーバに送信する請求項6記載の放送制御システム。
【請求項8】
前記サーバは、読取コードに基づいた処理を前記識別コードで識別される携帯電話端末に関連づけて実行するとともに、前記処理結果を決済サーバに通知する請求項7記載の放送制御システム。
【請求項9】
前記処理は、前記読取コードで特定されるコンテンツのダウンロード配信である請求項8記載の放送制御システム。
【請求項10】
前記処理は、前記読取コードで特定される商品の購入またはサービスの提供である請求項8記載の放送制御システム。
【請求項11】
前記ドットコード読み取り装置はリモコンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の放送制御システム。
【請求項1】
少なくとも2以上の通信手段を備えたドットコード読み取り装置と、
前記通信手段のうち、第1の通信手段からの通信信号を受信して、放送用受信装置を制御する第1の中継装置と、
前記通信手段のうち、第2の通信手段からの通信信号を受信して、ネットワークを介して接続されるサーバに送信する第2の中継装置と、
前記ドットコード読み取り装置は、媒体上に形成されたドットパターンを光学的に読み取る読み取り素子と、
前記読み取り素子から読み取られたドットパターンをコードに変換するコード変換手段と、からなり、
前記ドットコード読み取り装置には、
前記コードと、コマンドとを関連づけたテーブルと、
前記コマンドを変換したコマンド信号、または読み取ったコード信号を出力する第1および第2の送信手段と、
前記テーブルに基づいて前記コマンド信号、またはコード信号を選択的に第1の送信手段または第2の送信手段から送信する送信制御手段と、を備えた放送制御システム。
【請求項2】
前記送信制御手段は、読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在するときには、当該対応するコマンドを前記第1の送信手段から前記第1の中継装置に対して出力させるとともに、
読み取ったコードに対応するコマンドが前記テーブルに存在しないときには、前記コードをそのまま前記第2の送信手段から前記第2の中継装置に対して出力させる請求項1記載の放送制御システム。
【請求項3】
前記第1の中継装置は、放送の受信制御を行うための、放送受信用セットトップボックスであり、
前記第2の中継装置は、ネットワークに接続されたネットワーク端末であり、前記第2の送信手段から出力されたコード信号またはコマンド信号を受信して、ネットワークを介して接続された前記サーバに送信し、
前記第1の中継装置である放送受信用セットトップボックスは、前記サーバで受信されたコード信号またはコマンド信号に基づいて生成された放送信号を受信して、当該セットトップボックスに接続されたディスプレイ装置に前記放送信号を変換した映像情報を出力する請求項1記載の放送制御システム。
【請求項4】
前記コードには、座標値が含まれていることを特徴とする請求項1記載の放送制御システム。
【請求項5】
前記ドットパターンは、前記コードに代えてユニークな座標値に変換されることを特徴とする請求項1記載の放送制御システム。
【請求項6】
前記第2の中継装置、すなわちネットワーク端末装置は、携帯電話端末である
請求項1記載の放送制御システム。
【請求項7】
前記携帯電話端末は、媒体であるカタログ上に形成されたドットパターンをドットコード読み取り装置で読み取った読取コードを、当該携帯電話端末の識別コードとともに、サーバに送信する請求項6記載の放送制御システム。
【請求項8】
前記サーバは、読取コードに基づいた処理を前記識別コードで識別される携帯電話端末に関連づけて実行するとともに、前記処理結果を決済サーバに通知する請求項7記載の放送制御システム。
【請求項9】
前記処理は、前記読取コードで特定されるコンテンツのダウンロード配信である請求項8記載の放送制御システム。
【請求項10】
前記処理は、前記読取コードで特定される商品の購入またはサービスの提供である請求項8記載の放送制御システム。
【請求項11】
前記ドットコード読み取り装置はリモコンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の放送制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−119062(P2010−119062A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292701(P2008−292701)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【特許番号】特許第4291404号(P4291404)
【特許公報発行日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【特許番号】特許第4291404号(P4291404)
【特許公報発行日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】
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