説明

放送受信装置、および、放送受信方法

【課題】13セグメント形式や1セグメント形式など、セグメント形式が異なる複数のセグメントを含み、それら複数のセグメントの配置が異なる複数のデジタル放送信号の種別を高速かつ効率的に判定して、EPGやECGなどの送信に用いられるセグメントの検出効率を向上させること。
【解決手段】検出部25aが、デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かを検出し、判定部25bが、検出部25aの検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別を判定する。ここで、上記所定のセグメントの組は、所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において所定の情報を含むか否かのパターンが複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント形式が異なる複数のセグメント群を含み、該複数のセグメント群の配置が異なる複数の種別のデジタル放送信号を受信する放送受信装置、および、放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上マルチメディア放送において、セグメント連結伝送方式という伝送方式が提案されている。このセグメント連結伝送方式では、13セグメント形式の2つのスーパーセグメントと、1セグメント形式のセグメントを7個連結したスーパーセグメントとを組み合わせ、合計で33個のセグメントからなる連結OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)セグメント(周波数帯域207.5MHz〜222MHz)を用いて放送が行われる。
【0003】
図4は、セグメント連結伝送方式の一例について説明する図である。図4に示すように、このセグメント連結伝送方式では、3つのスーパーセグメントa〜cが連結されることにより連結OFDMセグメントが構成される。図4(A)〜(C)に示すスーパーセグメントa、cは、13セグメント形式の連結されたセグメントである。スーパーセグメントbは、1セグメント形式の7つのセグメントが連結されたセグメントである。
【0004】
ここで、図4(A)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの間に配置されている。図4(B)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの前に配置されている。図4(C)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの後に配置されている。
【0005】
地上マルチメディア放送の運用規定では、原則として図4(A)に示す連結OFDMセグメントを用いて放送を行うことが想定されている。しかし、連結OFDMセグメントの周波数帯域(207.5MHz〜222MHz)に隣接する周波数帯域を利用する通信との干渉を考慮して、図4(B)や図4(C)に示す連結OFDMセグメントが用いられることがある。
【0006】
地上マルチメディア放送においては、EPG(Electronic Program Guide)やECG(Electronic Content Guide)と呼ばれる放送番組や放送コンテンツの案内情報が放送される。EPGやECGは、スーパーセグメントa、cでは、中心の部分受信セグメント(図4(A)のセグメント7、27、図4(B)のセグメント14、27、図4(C)のセグメント7、20)を用いて送信され、スーパーセグメントbでは、各セグメント(図4(A)のセグメント14〜20、図4(B)のセグメント1〜7、図4(C)のセグメント27〜33)を用いて送信される。
【0007】
そして、地上マルチメディア放送を受信する受信機は、スーパーセグメントa、cを用いて放送されるチャンネル、および、スーパーセグメントbの各セグメントを用いて放送されるチャンネルのEPGやECGを取得するため、EPGやECGの送信に用いられるセグメントを高速かつ効率よく検出する必要がある。
【0008】
例えば、EPGやECGの放送に用いられているセグメントか否かを、図4に示すセグメント1からセグメント33まで順に、あるいは、セグメント33からセグメント1まで逆順に1つずつ検出する方法がある。しかしこの方法では、すべてのセグメントについて上記検出を終了するまでに、理論上、1つのセグメントに対する検出時間の33倍の時間がかかることになる。
【0009】
特許文献1には、サーチが不要なセグメントをサーチ対象から除外することにより、効率よくセグメントをサーチするデジタル放送受信装置が開示されている。このデジタル放送受信装置は、13セグメント形式の放送信号の中央のセグメントをサーチし、中央のセグメントを用いて放送されるワンセグ放送を検出する。そして、デジタル放送受信装置は、検出したワンセグ放送を記憶する。デジタル放送受信装置は、その後に別の放送を検出する場合、記憶したワンセグ放送の放送に用いられるセグメントを除外してセグメントをサーチする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−260812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、13セグメント形式の放送信号の中央のセグメントをサーチすることとしているが、ワンセグ放送には必ずしも中央のセグメントが用いられるとは限らず(例えば、図4(A)のセグメント14〜16、18〜20など)、中央のセグメントだけサーチしていたのでは検出されないワンセグ放送が発生する。
【0012】
そのため、連結OFDMセグメントに含まれるすべてのEPGやECGを取得するためには、すべてのセグメントをサーチする必要が生じ、EPGやECGの送信に用いられるセグメントの検出効率を向上させることが困難である。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑み、デジタル放送信号の種別を高速かつ効率的に判定でき、EPGやECGなどの送信に用いられるセグメントの検出効率を向上させることが可能な放送受信装置、および、放送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、セグメント形式が異なる複数のセグメント群を含み、該複数のセグメント群の配置が異なる複数の種別のデジタル放送信号を受信する放送受信装置であって、前記デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別を判定する判定部と、を備え、前記所定のセグメントの組は、該所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において前記所定の情報を含むか否かのパターンが前記複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組であることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記デジタル放送信号の種別の総数がnである場合に、前記所定のセグメントの組に含まれる1つのセグメントの周波数帯域において、前記所定の情報を含む放送に該周波数帯域を使用するデジタル放送信号の種別の総数が(n−1)であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記検出部により前記所定の情報を含む放送を行っていると検出されたセグメントから前記所定の情報を取得し、さらに該セグメント以外のセグメントのうち、前記所定の情報を含む放送に用いられるセグメントを、前記判定部による判定結果に基づいて特定し、特定されたセグメントから前記所定の情報を取得する情報取得部をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1つの技術手段において、前記セグメント形式が異なる複数のセグメント群は、13セグメント形式のセグメント群、及び、1セグメント形式のセグメント群を少なくとも含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1つの技術手段において、前記所定の情報は、放送される番組の案内情報、あるいは、放送されるコンテンツの案内情報であることを特徴とする。
【0019】
本発明の第6の技術手段は、セグメント形式が異なる複数のセグメント群を含み、該複数のセグメント群の配置が異なる複数の種別のデジタル放送信号を受信する放送受信方法であって、前記デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別を判定する判定ステップと、を含み、前記所定のセグメントの組は、該所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において前記所定の情報を含むか否かのパターンが前記複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かが検出され、その検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別が判定される。そして、上記所定のセグメントの組は、その所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において所定の情報を含むか否かのパターンが複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組であるので、デジタル放送信号の種別を高速かつ効率的に判定でき、EPGやECGなどの送信に用いられるセグメントの検出効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】番組/コンテンツ案内情報の放送に用いられるセグメントについて説明する図である。
【図3】本発明に係る放送受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】セグメント連結伝送方式の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る放送受信装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、放送受信装置10は、アンテナ11、チューナ部12、入力部13、表示部14、スピーカ15、イヤホン出力部16、ブルートゥース出力部17、TS記憶部18、データ記憶部19、TS分離部20、映像デコード部21、音声デコード部22、録画制御部23、再生制御部24、主制御部25を備える。
【0023】
アンテナ11は、地上マルチメディア放送などのデジタル放送を受信するアンテナである。チューナ部12は、アンテナ11が受信したデジタル放送からユーザにより指定された放送局の周波数を選択し、その周波数で放送されたデジタル放送のTSをTS分離部20、あるいは、録画制御部23に出力するチューナである。入力部13は、ボタンやタッチパネル、キーボード、マウス、リモコンなど、ユーザからの情報の入力操作を受け付ける入力デバイスである。
【0024】
表示部14は、デジタル放送の映像やデータ放送のデータ、ユーザに提供する情報などを表示する液晶ディスプレイなどの表示デバイスである。スピーカ15は、デジタル放送の音声などを出力するスピーカである。イヤホン出力部16は、デジタル放送の音声などをイヤホン出力部16が備えるイヤホンジャックを介して出力する処理部である。ブルートゥース出力部17は、デジタル放送の音声などをブルートゥース通信により他の装置に出力する処理部である。
【0025】
TS記憶部18、データ記憶部19は、不揮発性メモリやハードディスク装置などの記憶デバイスである。TS記憶部18は、デジタル放送のTS(Transport Stream)を記憶する。データ記憶部19は、放送される番組やコンテンツの案内情報(例えば、EPGやECG。以下、番組/コンテンツ案内情報と呼ぶ。)などの、デジタル放送を受信することにより得られた情報や、ユーザが入力部13を介して設定した情報、連結OFDMセグメント情報などを記憶する。ここで、連結OFDMセグメント情報とは、連結OFDMセグメントに含まれるセグメントのうち、番組/コンテンツ案内情報の放送に用いられるセグメントの情報である。
【0026】
図2は、番組/コンテンツ案内情報の放送に用いられるセグメントについて説明する図である。図2(A)〜(C)に示す連結OFDMセグメント(周波数帯域207.5MHz〜222MHz)に含まれるスーパーセグメントa、cは、13セグメント形式の連結されたセグメントである。スーパーセグメントbは、1セグメント形式の7つのセグメントが連結されたセグメントである。
【0027】
ここで、図2(A)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの間に配置されている(以下、運用パターンAと呼ぶ。)。図2(B)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの前に配置されている(以下、運用パターンBと呼ぶ。)。図2(C)に示す連結OFDMセグメントでは、スーパーセグメントbが、スーパーセグメントa、cの後に配置されている(以下、運用パターンCと呼ぶ。)。
【0028】
また、運用パターンAでは、番組/コンテンツ案内情報は、セグメント7、セグメント14〜20、および、セグメント27を用いて放送される。運用パターンBでは、番組/コンテンツ案内情報は、セグメント1〜7、セグメント14、および、セグメント27を用いて放送される。運用パターンCでは、番組/コンテンツ案内情報は、セグメント7、セグメント20、および、セグメント27〜33を用いて放送される。
【0029】
そのため、連結OFDMセグメント情報には、運用パターンAに対応付けて、セグメント7、セグメント14〜20、および、セグメント27という情報が、運用パターンBに対応付けて、セグメント1〜7、セグメント14、および、セグメント27という情報が、運用パターンCに対応付けて、セグメント7、セグメント20、および、セグメント27〜33という情報が登録される。
【0030】
TS分離部20は、チューナ部12が選局した放送局のデジタル放送のTS、あるいは、TS記憶部18に記憶されたTSを取得して、TSを映像データ、音声データ、データ放送用データに分離する処理部である。TS分離部20は、TSの分離により得られた映像データを映像デコード部21に、音声データを音声デコード部22に、データ放送用データを主制御部25に出力する。
【0031】
映像デコード部21は、TS分離部20から取得した映像データをデコードし、その結果得られた映像信号を表示部14に出力する処理部である。音声デコード部22は、TS分離部20から取得した音声データをデコードし、その結果得られた音声信号をスピーカ15、イヤホン出力部16、あるいは、ブルートゥース出力部17に出力する処理部である。
【0032】
録画制御部23は、ユーザが入力部13を操作して番組を録画するように指示した場合に、チューナ部12により入力されるTSから、ユーザが入力部13を操作して指定した番組に対するPID(Packet ID)を有するTSを抽出し、抽出したTSをTS記憶部18に記憶する処理部である。
【0033】
再生制御部24は、ユーザが入力部13を操作して、TS記憶部18にTSが記憶された番組を再生するように指示した場合に、その番組に対応するTSをTS記憶部18から読み出し、読み出したTSをTS分離部20に出力する処理部である。主制御部25は、放送受信処理を制御する処理部である。この主制御部25は、検出部25a、判定部25b、情報取得部25cを備える。
【0034】
検出部25aは、デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っているか否かを検出する処理部である。ここで、所定のセグメントの組とは、所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において、番組/コンテンツ案内情報を含むか否かのパターンが運用パターンA〜C間で異なるセグメントの組のことである。
【0035】
例えば、図2の場合、セグメント14およびセグメント20が所定のセグメントの組として選択される。運用パターンAでは、セグメント14、セグメント20はそれぞれ番組/コンテンツ案内情報を含み、運用パターンBでは、セグメント14は番組/コンテンツ案内情報を含み、セグメント20は番組/コンテンツ案内情報を含まず、運用パターンCでは、セグメント14は番組/コンテンツ案内情報を含まず、セグメント20は番組/コンテンツ案内情報を含む。すなわち、セグメント14とセグメント20の組において、番組/コンテンツ案内情報を含むか否かのパターンが、運用パターンA〜C間で異なっている。
【0036】
また、上記セグメントの組に含まれるセグメント14において、セグメント14を番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いる運用パターンA、Bの総数は、運用パターンA〜Cの総数3よりも1つ少ない2である。同様に、上記セグメントの組に含まれるセグメント20において、セグメント20を番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いる運用パターンA、Cの総数は、運用パターンA〜Cの総数3よりも1つ少ない2である。すなわち、番組/コンテンツ案内情報を含む放送にセグメント14、20を用いる運用パターンの数は、番組/コンテンツ案内情報を含む放送にセグメント14、20を用いない運用パターンの数よりも多くなっている。
【0037】
このように、セグメント14、20において、受信中のデジタル放送信号が番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っているか否かを検出すると、セグメント14、20において受信中のデジタル放送信号が番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っていると検出される確率が高くなる。そして、受信中のデジタル放送信号が番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っていると検出されれば、番組/コンテンツ案内情報を即座に取得できる。
【0038】
すなわち、セグメント14、20において、受信中のデジタル放送信号が番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っているか否かを検出することにより、そのセグメント14、20から番組/コンテンツ案内情報を即座に取得できる確率が高くなるので、番組/コンテンツ案内情報の取得処理が高速化され得る。
【0039】
判定部25bは、セグメント14、20において、番組/コンテンツ案内情報が放送されているか否かの検出結果に基づいて、受信中の連結OFDMセグメントが運用パターンA〜Cのいずれの種別に該当するかを判定する処理部である。
【0040】
具体的には、判定部25bは、セグメント14、20の両方において番組/コンテンツ案内情報が放送されていることが検出部25bにより検出された場合、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンAであると判定する。
【0041】
また、判定部25bは、セグメント14において番組/コンテンツ案内情報が放送されているが、セグメント20においては番組/コンテンツ案内情報が放送されていないことが検出部25bにより検出された場合、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンBであると判定する。
【0042】
また、判定部25bは、セグメント14においては番組/コンテンツ案内情報が放送されていないが、セグメント20においては番組/コンテンツ案内情報が放送されていることが検出部25bにより検出された場合、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンCであると判定する。
【0043】
情報取得部25cは、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っていると検出されたセグメント(セグメント14、あるいは、セグメント20、あるいは、その両方)から番組/コンテンツ案内情報を取得するとともに、そのセグメント以外のセグメントのうち、番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いられるセグメントを、判定部25bによる運用パターンの判定結果に基づいて特定し、特定されたセグメントから番組/コンテンツ案内情報を取得する処理部である。
【0044】
具体的には、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンAであると判定された場合、情報取得部25cは、セグメント14、20から番組/コンテンツ案内情報を取得する。さらに、情報取得部25cは、データ記憶部19に記憶された連結OFDMセグメント情報を参照し、セグメント14、20以外のセグメントのうち、番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いられるセグメント7、15〜19、27を特定する。そして、情報取得部25cは、セグメント7、15〜19、27から番組/コンテンツ案内情報を取得する。
【0045】
また、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンBであると判定された場合、情報取得部25cは、セグメント14から番組/コンテンツ案内情報を取得する。さらに、情報取得部25cは、データ記憶部19に記憶された連結OFDMセグメント情報を参照し、セグメント14以外のセグメントのうち、番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いられるセグメント1〜7、27を特定する。そして、情報取得部25cは、セグメント1〜7、27から番組/コンテンツ案内情報を取得する。
【0046】
また、受信中の連結OFDMセグメントの種別が運用パターンCであると判定された場合、情報取得部25cは、セグメント20から番組/コンテンツ案内情報を取得する。さらに、情報取得部25cは、データ記憶部19に記憶された連結OFDMセグメント情報を参照し、セグメント20以外のセグメントのうち、番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いられるセグメント7、27〜33を特定する。そして、情報取得部25cは、セグメント7、27〜33から番組/コンテンツ案内情報を取得する。
【0047】
このように、連結OFDMセグメントの運用パターンを判定し、その運用パターンから番組/コンテンツ案内情報の送信に用いられるセグメントを特定することにより、番組/コンテンツ案内情報を含む放送に用いられるセグメントをセグメント1からセグメント33まで順に、あるいは、セグメント33からセグメント1まで逆順に1つずつサーチする必要がなくなり、番組/コンテンツ案内情報を効率よく取得することができる。
【0048】
また、13セグメント形式のセグメント、及び、1セグメント形式のセグメントが含まれる連結OFDMセグメントの運用パターンを判定することにより、地上マルチメディア放送において、番組/コンテンツ案内情報の送信に用いられるセグメントの検出効率を向上させることができる。また、番組/コンテンツ案内情報を利用して連結OFDMセグメントの運用パターンを判定することにより、運用パターンを効率的に判定できる。
【0049】
つぎに、本発明に係る放送受信処理の処理手順の一例について説明する。図3は、本発明に係る放送受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、放送受信装置10の検出部25aは、チューナ部12を1セグメントモードで起動する(ステップS101)。1セグメントモードとは、13セグメント形式のスーパーセグメントa、cからは中央のセグメントからデジタル放送を受信し、1セグメント形式のスーパーセグメントbからは各セグメントからデジタル放送を受信するモードである。
【0050】
そして、検出部25aは、図2(A)〜(C)に示すセグメント14の周波数で選局を行う(ステップS102)。その後、検出部25aは、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルをセグメント14の周波数で検出したか否かを判定する(ステップS103)。
【0051】
セグメント14において、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルを検出した場合(ステップS103においてYESの場合)、情報取得部25cは、セグメント14の周波数で放送された番組/コンテンツ案内情報を取得する(ステップS104)。この番組/コンテンツ案内情報の取得処理は、すでにステップS102において、セグメント14の選局処理が終了しているため、即座に実行することができる。
【0052】
続いて、検出部25aは、セグメント20の周波数で選局を行う(ステップS105)。そして、検出部25aは、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルをセグメント20の周波数で検出したか否かを判定する(ステップS106)。
【0053】
番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルをセグメント20の周波数で検出した場合(ステップS106においてYESの場合)、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(A)に示した運用パターンAであると判定する(ステップS107)。
【0054】
そして、情報取得部25cは、セグメント20の周波数で放送された番組/コンテンツ案内情報を取得する(ステップS108)。この番組/コンテンツ案内情報の取得処理は、すでにステップS105において、セグメント20の選局処理が終了しているため、即座に実行することができる。
【0055】
続いて、情報取得部25cは、セグメント7、15〜19、27の周波数で選局を行い、セグメント7、15〜19、27の周波数で放送された番組/コンテンツ案内情報を取得する(ステップS109)。その後、この放送受信処理は終了する。
【0056】
ステップS106において、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルをセグメント20の周波数で検出しなかった場合(ステップS106においてNOの場合)、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(B)に示した運用パターンBであると判定する(ステップS110)。
【0057】
そして、情報取得部25cは、セグメント1〜7、20、27の周波数で選局を行い、セグメント1〜7、20、27の周波数で放送された番組/コンテンツ案内情報を取得する(ステップS111)。その後、この放送受信処理は終了する。
【0058】
ステップS103において、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルをセグメント14の周波数で検出しなかった場合(ステップS103においてNOの場合)、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(C)に示した運用パターンCであると判定する(ステップS112)。
【0059】
そして、情報取得部25cは、セグメント7、20、27〜33の周波数で選局を行い、セグメント7、20、27〜33の周波数で放送された番組/コンテンツ案内情報を取得する(ステップS113)。その後、この放送受信処理は終了する。
【0060】
情報取得部25cは、以上のようにして収集した番組/コンテンツ案内情報を、データ記憶部19に記憶する。そして、ユーザが入力部13を操作して番組/コンテンツ案内情報を表示するように指示した場合に、主制御部25は、表示部14に番組/コンテンツ案内情報を出力し、表示部14は、番組/コンテンツ案内情報を表示する。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。例えば、上記実施形態では、運用パターンが3つの場合について説明したが、運用パターンの数は3つに限定されるものではない。また、上記実施形態では、番組/コンテンツ案内情報を用いて、受信中のデジタル放送信号の運用パターンを判定することとしたが、スーパーセグメントbに含まれる各セグメント、および、スーパーセグメントa、cの中央のセグメントを用いて放送されるが、他のセグメントを用いては放送されない情報を番組/コンテンツ案内情報の代わりに用いることとしてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態では、セグメント14、20において番組/コンテンツ案内情報を含む放送が行われているか否かを検出することとしたが、その他のセグメントを用いて番組/コンテンツ案内情報を含む放送が行われているか否かを検出することとしてもよい。
【0063】
例えば、図2のセグメント15〜19のいずれかのセグメント、および、セグメント1〜6のいずれかのセグメントにおいて、番組/コンテンツ案内情報を含む放送が行われているか否かを検出することとしてもよい。ここで、セグメント15〜19のいずれかのセグメントの周波数において、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルが検出部25aにより検出された場合には、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(A)に示した運用パターンAであると判定する。
【0064】
また、セグメント1〜6のいずれかのセグメントの周波数において、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルが検出部25aにより検出された場合には、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(B)に示した運用パターンBであると判定する。
【0065】
また、セグメント15〜19のいずれかのセグメントの周波数においても、セグメント1〜6のいずれかのセグメントの周波数においても、番組/コンテンツ案内情報を含む放送を行っている放送チャンネルが検出部25aにより検出されなかった場合には、判定部25bは、受信中の連結OFDMセグメントの種別が、図2(C)に示した運用パターンCであると判定する。このような方法によっても、受信中の連結OFDMセグメントの種別を効率的に判定できる。
【符号の説明】
【0066】
10…放送受信装置、11…アンテナ、12…チューナ部、13…入力部、14…表示部、15…スピーカ、16…イヤホン出力部、17…ブルートゥース出力部、18…TS記憶部、19…データ記憶部、20…TS分離部、21…映像デコード部、22…音声デコード部、23…録画制御部、24…再生制御部、25…主制御部、25a…検出部、25b…判定部、25c…情報取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント形式が異なる複数のセグメント群を含み、該複数のセグメント群の配置が異なる複数の種別のデジタル放送信号を受信する放送受信装置であって、
前記デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別を判定する判定部と、を備え、
前記所定のセグメントの組は、該所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において前記所定の情報を含むか否かのパターンが前記複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組であることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記デジタル放送信号の種別の総数がnである場合に、前記所定のセグメントの組に含まれる1つのセグメントの周波数帯域において、前記所定の情報を含む放送に該周波数帯域を使用するデジタル放送信号の種別の総数が(n−1)であることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記検出部により前記所定の情報を含む放送を行っていると検出されたセグメントから前記所定の情報を取得し、さらに該セグメント以外のセグメントのうち、前記所定の情報を含む放送に用いられるセグメントを、前記判定部による判定結果に基づいて特定し、特定されたセグメントから前記所定の情報を取得する情報取得部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記セグメント形式が異なる複数のセグメント群は、13セグメント形式のセグメント群、及び、1セグメント形式のセグメント群を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記所定の情報は、放送される番組の案内情報、あるいは、放送されるコンテンツの案内情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項6】
セグメント形式が異なる複数のセグメント群を含み、該複数のセグメント群の配置が異なる複数の種別のデジタル放送信号を受信する放送受信方法であって、
前記デジタル放送信号に含まれる所定のセグメントの組に対して、受信中のデジタル放送信号が所定の情報を含む放送を行っているか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、受信中のデジタル放送信号の種別を判定する判定ステップと、を含み、
前記所定のセグメントの組は、該所定のセグメントの組に含まれる複数のセグメントの周波数帯域において前記所定の情報を含むか否かのパターンが前記複数の種別のデジタル放送信号間で異なるセグメントの組であることを特徴とする放送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−222597(P2012−222597A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86220(P2011−86220)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】