説明

放送受信装置、放送受信方法、及び、放送受信プログラム

【課題】放送視聴中に着信があり、この着信について応答操作をしなかった場合でも、視聴後にユーザが確認できる放送受信装置を提供すること。
【解決手段】地上波デジタル放送が受信可能な携帯電話機100の録画リストテーブル77は、各録画ファイルのファイル名領域81、記録日時領域82、詳細情報領域83とともに、各ファイルに関連して、録画ファイルが裏録画されたものであるか否かを示す裏録画フラグ領域86、裏録画中に着信があった場合に、当該着信の送信元の電話番号や名前を記録した着信履歴ファイルの格納先を示す着信履歴格納アドレス領域87、及び、当該着信履歴ファイルをユーザが確認したか否かを示す不在フラグ領域88を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己の呼出に対し報知を行い、また、放送信号の受信も行う放送受信装置、放送受信方法及び放送受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からテレビジョン放送の受像を可能とする電子機器が知られている。特に、近年では地上波デジタル放送の受信地域が拡大され、携帯電話機、ノート型パソコン、携帯ゲーム機をはじめとする携帯型電子機器に関する種々の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、地上波デジタルチューナ付き携帯電話機であって、ユーザの嗜好を視聴履歴から判断し、EPG(Electric Program Guide)を参照することでユーザの嗜好に沿った放送が配信されることが事前に判明した場合(且つ、その時間になってもテレビジョン放送の受像がなされていない場合)、ユーザに報知を行う携帯電話機の発明が開示されている。場所を選ばず手軽にテレビジョン放送の視聴を行う上で、小型携帯電子機器の利便性を向上させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−142978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、地上波デジタルチューナ付き携帯電話機であれば、テレビジョン放送の視聴時に着信を検出する場合がある。この場合、着信に対して応答を行わないで視聴を続けると、視聴を終えたときに、視聴中の着信があったのか否かを確認しなくてはならなかった。また、応答しなかった着信履歴がある場合、これを確認する際には、どのような理由で着信応答しなかったのかユーザは理解する術が無かった。
【0006】
したがって、テレビジョン放送の視聴後に、視聴中により応答しなかった着信が存在することが確認できれば便利である。
【0007】
そこで、本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、放送視聴中に着信があり、この着信について応答操作をしなかった場合でも、ユーザが確認できる放送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる放送受信装置は、放送信号を受信する放送受信手段と、自己への着信を検出する検出手段と、前記検出手段により着信が検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段と、前記放送受信手段によって受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御手段と、前記記録制御手段に記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断手段が判断しているときに前記検出手段が着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御手段と、前記検出手段による着信の検出時の所定の報知方法を設定する設定手段と、前記放送受信手段により受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力手段と、前記出力手段による前記放送の出力中に前記検出手段により着信が検出されると、前記設定手段により設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御手段と、前記記憶制御手段の記憶内容を参照し、前記記録制御手段に記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御手段と、を備え、前記記録制御手段は、前記設定手段により前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続することを特徴する。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる放送受信方法は、放送信号を受信する放送受信ステップと、自己への着信を検出する検出ステップと、前記検出ステップで着信が検出されると、前記放送受信ステップで放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断ステップと、前記放送受信ステップで受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御ステップと、前記記録制御ステップで記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断ステップで判断しているときに前記検出ステップで着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御ステップと、前記検出ステップで着信が検出された時の所定の報知方法を設定する設定ステップと、前記放送受信ステップで受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力ステップと、前記出力ステップで前記放送の出力中に前記検出ステップで着信が検出されると、前記設定ステップで設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御ステップと、前記記憶制御ステップでの記憶内容を参照し、前記記録制御ステップで記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御ステップと、からなり、前記記録制御ステップでは、前記設定ステップで前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続することを特徴する。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる放送受信プログラムは、コンピュータを、放送信号を受信する放送受信手段、自己への着信を検出する検出手段、前記検出手段により着信が検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段、前記放送受信手段によって受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御手段、前記記録制御手段に記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断手段が判断しているときに前記検出手段が着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御手段、前記検出手段による着信の検出時の所定の報知方法を設定する設定手段、前記放送受信手段により受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力手段、前記出力手段による前記放送の出力中に前記検出手段により着信が検出されると、前記設定手段により設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御手段、前記記憶制御手段の記憶内容を参照し、前記記録制御手段に記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御手段、として機能させ、前記記録制御手段は、前記設定手段により前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続することを特徴する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、放送視聴中に着信があり、この着信について応答操作をしなかった場合でも、視聴時の呼び出しの有無をユーザに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機の機能的構成を示したブロック図である。
【図2】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機で取得するEPGデータの一例を示した模式図である。
【図3】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機に記録される番組予約データの一例を示した模式図である。
【図4】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機に設けられる録画リストテーブルの一例を示した模式図である。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機に備えられるマナー切換SWの一設定例を示した回路図である。
【図6】図5(a)、(b)及び(c)に示す各マナー切換SWの位置とモードの一設定例を示した図である。
【図7】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機のテレビ動作制御モードでの設定画面の遷移を表した状態遷移図である。
【図8】第1、第2及び第3の実施形態における携帯電話機におけるマナー切換SWの設定手順を示したフロー図である。
【図9】第1の実施形態における裏録画処理の処理手順を示したフロー図である。
【図10】第1の実施形態における再生モードの処理手順を示したフロー図である。
【図11】第1の実施形態における再生モードで表示される録画ファイルリストの例を示した模式図である。
【図12】第1の実施形態における再生モードで録画ファイルに不在フラグ(裏不フラグ)が設定されている場合に表示する案内画面の例を示した模式図である。
【図13】第2の実施形態における携帯電話機の裏録画処理の処理手順を示したフロー図である。
【図14】第3の実施形態における携帯電話機の裏録画処理の処理手順を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施形態〕
以下に、第1の実施形態における携帯電話機100について説明する。携帯電話機100の概要について説明すると、携帯電話機100は、地上波デジタル放送を受信してテレビジョン放送の視聴を可能とする放送受像機能、この放送受像機能により受信した放送を録画可能とする放送録画機能、予め取得した地上波デジタル放送の電子番組表(EPG)に基づいて、ユーザが所望する番組を予約設定し所定の時刻に自動的にテレビジョン放送の受像を開始する自動受像機能及び電子メールや音声通信の着信時に表示装置に着信の報知や送信相手先の名前(あるいは電話番号)をポップアップ表示したり、バイブレーション報知を行ったりする複数種類の報知形式を設定可能とするマナーモード機能等を有している。携帯電話機100では、このマナーモード機能の設定の種類に応じてテレビジョン放送の自動録画の制御を行うことを特徴とするものである。
【0014】
図1に、携帯電話機100の機能的構成を示す。携帯電話機100は、制御部1、ROM2、RAM3、フラッシュメモリ4、入力部5、入出力I/F(インターフェース)6、外部記憶媒体7、テレビ用アンテナ8、テレビチューナモジュール10、映像信号処理部20、表示部25、音声出力部30、スピーカ33L、33R、通信制御部40、無線部43、着信検出部44、送話部45、受話部46、アンテナ47、マナー切換SW(スイッチ)50、振動モータ51、充電池52及びアドレス・データバス処理部60から構成され、これらがバス61を介して電気・電子的に接続されている。
【0015】
制御部1は、ROM2やフラッシュメモリ4に記憶されたオペレーションプログラムや各種のアプリケーションプログラムを読み出し、ワークエリアとしてのRAM3上に展開して携帯電話機100の全体制御を行う。制御部1から各機能部に送信する制御信号や各機能部から制御部1又は他の機能部に送信されるデータ等は、バス61を介してアドレス・データバス処理部60により監視され、制御部1及び他の機能部において所定の処理が実行される。
【0016】
フラッシュメモリ4は、不揮発性の半導体素子から構成される内部記憶装置である。テレビジョン放送の録画時には、制御部1の指示に基づき映像信号処理部20から送信されるテレビジョン放送データを記録するものである。また、テレビジョン放送データは、設定変更により入出力I/F6を介して携帯電話機100と着脱自在に搭載可能な外部記憶媒体7に記憶するように構成してもよい。外部記憶媒体7は、不揮発性の半導体素子から構成される記録媒体であり、小型のカード型やスティック型のメモリカードや小型のハードディスクドライブ装置を適用することもできる。
【0017】
フラッシュメモリ4には、EPGデータ75、番組予約データ76、録画リストテーブル77、マナー設定データ及び着信履歴データが格納される。
【0018】
EPGデータ75は、ネットワーク(不図示)を介してダウンロードしたテレビジョン放送のスケジュールを示した一覧であり(図2参照)、放送の日時、チャンネル、番組名、ジャンル等が記録されたデータである。日付及び時間は、上下釦80a、80b、80c及び80dを操作することで適宜変更でき、夫々の日付及び時間帯にあわせてチャンネルや番組名等の表示が切り替わるようになっている。ユーザは、表示部25に表示されたEPGデータ75に基づいて、所望するテレビジョン番組の予約を行うことができ、放送開始時刻になったら自動的にテレビジョン放送の受像を行うことができるようになっている。なお、EPGはテレビジョン放送の搬送波に含まれるEPGデータ75から取得する構成としてもよい。
【0019】
このEPGデータ75に基づいて予約されたテレビジョン放送に関する情報を格納するのが番組予約データ76である。番組予約データ76は、図3に示すように、EPGデータ75の日時情報に基づいて各テレビジョン放送の放送日時順に設定される。制御部1は、この日時情報と図示しない内部クロックの示す日時とを監視し、予定された時間になったらテレビジョン放送の受像又は録画を開始したりするようになっている。
【0020】
録画リストテーブル77は、図4に示すように、テレビジョン放送を録画した際に生成される録画ファイルと対応付けられた管理テーブルである。各録画ファイルのファイル名領域81、記録日時領域82、詳細情報(放送局、チャンネル、番組名)領域83とともに、各ファイルに関連する所定の識別情報を記録する識別情報領域85とを対応付けて管理を行うようになっている。所定の識別情報とは、録画ファイルが裏録画されたものであるか否かを示す裏録画フラグ、裏録画中に着信があった場合に、当該着信の送信元の電話番号や名前を記録した着信履歴ファイルの格納先を示す着信履歴格納アドレス及び当該着信履歴ファイルをユーザが確認したか否かを示す不在フラグであり、夫々録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86、着信履歴格納アドレス領域87、不在フラグ領域88に記録される。
【0021】
ここで、裏録画とは、携帯電話機100の着信報知の設定がいわゆるマナーモードに設定され、振動モータ51の駆動によるバイブレーションや表示部25に着信及び送信元の電話番号や名前をポップアップ表示する等の報知設定になっている場合、テレビジョン放送の開始時刻に当該テレビジョン放送を表示部25に表示せずにフラッシュメモリ4や外部記憶媒体7に録画を行う処理である。
【0022】
マナー設定データは、携帯電話機100のマナーモードに関して設定可能な種々の設定の中から現在の設定を記録したデータである。マナーモード時に着信等があった場合に、制御部1は、このマナー設定データの設定情報に基づいて、携帯電話機100のマナーモードにおける動作を実行するようになっている。
【0023】
着信履歴データは、着信を検出する毎に着信の日時、送信元の電話番号及び名前等が格納されたデータファイルであり、各ファイルにはアドレスが付与されている。ユーザが着信履歴を確認する際には、制御部1がこれらアドレスに基づいて該当するファイルを読み出し表示部25に表示するようになっている。
【0024】
図1に戻り、入力部5は、ダイヤルキーやファンクションキー等の各種の操作入力キーから構成されるユーザインターフェースであり。RAM3上には、夫々のキーの押下により送信される指示信号に対応するコマンドを示したテーブルが予め展開され、制御部1はこのテーブルを参照しながらユーザからの指示を理解し実行するようになっている。テレビジョン放送の受信設定やEPGの取得操作等を行うようになっている。
【0025】
テレビチューナモジュール10は、テレビ用アンテナ8で受信した電波からテレビジョン放送用地上波を抽出する機能部であり、チューナ11及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調回路12を備える。チューナ11は、テレビ用アンテナ8で受信した電波からOFDM変調されている所定周波数帯のテレビジョン放送用地上波(搬送波)を抽出してOFDM復調回路12に送信する。OFDM復調回路12は、供給された搬送波の復調を行い電子データとして映像信号処理部20に送信する。
【0026】
映像信号処理部20は、テレビチューナモジュール10から供給された、映像に関してはH.264(MPEG−4AVC)形式、音声に関してはAACLC形式に符号化された電子データの復号を行い表示部25に供給する機能部であり、TSデコーダ21及びグラフィックデコーダ22を備える。TSデコーダ21は、OFDM復調回路12から送信された電子データをトランスポートストリーム構成の圧縮された符号化デジタル情報としてグラフィックデコーダ22に送信する。グラフィックデコーダ22は、この符号化されたデジタル情報を復調することで映像/音声/文字データを取得する。その後、これらデータは、制御部1の指示により、表示部25及び音声出力部30に夫々供給される。
【0027】
表示部25は、映像信号処理部20から供給された映像データに基づいてテレビション映像の表示を行う機能部であり、TFT(Thin Film Transistor)や有機EL(Electro‐Luminescence)素子から構成される小型FPD(Flat Panel Display)等から構成される。テレビジョン放送受像機能を含めた各種の機能を実行する場合の種々の画像及び映像を表示するようになっている。
【0028】
音声出力部30は、テレビジョン放送受像機能の実行時にテレビチューナモジュール10から供給されるテレビジョン放送用音声データや、通信/通話機能の実行時に制御部1からの指示に基づいて着信音を出力する機能部であり、音源LSI31及びAMP32を備える。音源LSI31は、上述の種々の音声データに基づいてアナログの音声データを生成し、AMP32に出力する。AMP32で増幅されたアナログの音声信号は、スピーカ33L及び33Rを介して音声として出力される。
【0029】
通信制御部40は、制御部1の指示に従って通話/通信機能を司る機能部であり、通信データ処理部41及びオーディオインターフェース42を備える。通信データ処理部41は、受信時には、アンテナ47を介して無線部43が受信した受信データのデコード処理を行い、送信時には無線部43から送信する送信データのエンコードを行う。より詳細にはCELP(Code−Excited Linear Prediction)系ボコーダ及び音声復号処理回路、パケットデータ生成回路等を有して構成される。オーディオインターフェース42は、通信データ処理部41でデコードされた受信データに含まれる受話データに基づいた音声を受話部46から音声出力させたり、送話部45から入力されたユーザの音声をデジタル信号の送話データに変換したりする。
【0030】
また、上述のEPGデータ75(図2参照)の説明でも触れたが、携帯電話機100は、インターネット等のネットワーク環境との通信を可能とする通信プログラム(Webブラウザ)を有し、このプログラムに基づいたネットワーク通信機能により、ネットワーク上に存在するサーバマシンからEPGのダウンロードを行うことが可能に構成されている。表示部25には、ダウンロードしたEPGの一覧が表示され、ユーザは入力部5を介して視聴を所望する番組を予約することができるように構成されている。
【0031】
着信検出部44は、例えば、マイコン等から構成され、無線部43での着信を検出し、制御部1に検出信号を送信するものである。制御部1は、この着信検出部44からの検出信号をトリガとしてテレビジョン放送の裏録画を行う等の処理を開始するようになっている。
【0032】
マナー切換SW50は、ユーザが現在おかれている環境に応じて、通話着信音の出力を停止したり、テレビジョン放送の表示を停止して裏録画を行ったりする各種のマナーモード設定を切換えるスイッチである。図示しないが、マナー切換SW50はスライドスイッチから構成され、携帯電話機100の筐体外側に設けてユーザの手により切換え操作ができるように設けられている。第1の実施形態では、マナー切換SW50は、3段階にスライド切換えを可能に構成しており、着信時の音声による報知、表示部25に送信元の電話番号等をポップアップ表示のみを行う報知あるいは振動モータ51を駆動させてバイブレーションによる報知のみを行うという3通りのマナーモード設定を行う事ができるように設定されている。
【0033】
また、これら各マナー設定に連動して、テレビジョン放送のマナーモード設定もできるように構成している。即ち、着信時の報知の設定がテレビジョン放送のマナー設定と同一になるように両者が関連付けされて設定できるようになっている。設定の対応関係は任意であるが、例えば、「テレビジョン放送を視聴する」、「予約したテレビジョン放送が開始される時間であることを通知する」あるいは「放送開始時間になったらテレビジョン放送を自動的に録画する」の3種類のモードに切換えを行うことができるようになっている。図5(a)〜(c)にマナー切換SW50の回路構成の概要を示す。マナー切換SW50は5つの接点を有し(図において1〜4の番号が付されている。このうち接点3については2つ設けられている。)、接点1及び接点4は伝送路を介して制御部1のI/O(インプット/アウトプット)ポート70b及び70aへと接続されている。更に、接点1からI/Oポート70bの間及び接点4からI/Oポート70a間には夫々電源と接続され、携帯電話機100の駆動時には、電源からの電圧が印加されるようになっている。スイッチをスライドさせることで、接続される接点同士の組み合わせによる電圧の変化が生じ、制御部1に指示信号を送出することができるようになっている。
【0034】
図5(a)〜(c)に図示するスイッチの位置と指示信号との相関について説明する。図5(a)は、スイッチにより接点3と接点4とが接続されている。スイッチがこの状態のときは、I/Oポート70a側はGND(接地)に接続され、I/Oポート70b側は開放されている。従って、I/Oポート70a側が電位的に低電位となり、I/Oポート70bにより多くの電圧が印加される状態となる。よって、ロジック上は、I/Oポート70b側をONとみなすことができる。
【0035】
同様に図5(b)のとき、スイッチにより接点1と接点3とが接続されている。この状態では、I/Oポート70b側はGND(接地)に接続され、I/Oポート70a側は開放されている。従って、I/Oポート70b側が電位的に低電位となり、I/Oポート70aにより多くの電圧が印加される状態となる。よって、ロジック上は、I/Oポート70a側をON、I/Oポート70b側をOFFとみなすことができる。
【0036】
更に図5(c)のとき、スイッチにより接点2と接点3とが接続されている。このときは、I/Oポート70a側もI/Oポート70b側の両方が同電位となり両方をONとみなすことができる。
【0037】
このようにマナー切換SW50の切換えにより構成された3種類のロジックに対して各種の設定を割り付け、マナー切換SW50を切換えるだけで3つのモードを適宜使い分けて使用することができるようになっている。一例を示すと図6に示すように、位置1の時は(図5(a))、テレビ放送視聴モードとして、予約したテレビジョン放送の開始時刻になると、自動的にテレビジョン放送受像アプリケーションを起動させてテレビジョン放送を行うようにしてもよい。位置2の時は(図5(b))テレビ放送通知モードとしてテレビジョン放送の開始時間にユーザにアラーム、バイブレーション又は画面表示等により放送の開始を報知するモードとしてもよい。更に、位置3の時は(図5(c))テレビ放送自動録画モードとして、テレビジョン放送の開始時刻になった際、携帯電話機がマナーモードに設定されている場合に、自動的に録画のみを行うモードとしてもよい。
【0038】
以下に、各スイッチの位置と設定との対応付けの手順について図7に示す表示部25の遷移図及び図8に示すフロー図を用いて説明する。
図8において、ステップS501で、ユーザによってマナー切換SW50が設定を所望する位置にスライドされる。制御部は、上述のように、I/Oポート70a及び70bからの電圧の変化で、スライド位置を把握することができる。
【0039】
次いで、ステップS502で、制御部1はユーザの操作により入力部5から受信したメニュー画面表示指示信号に基づいて表示部25にメニュー画面を表示する。図7の〔画面1〕は、携帯電話機100に備わる各種機能設定の一覧を示したメニュー画面の例を示す。
【0040】
ステップS503で、制御部1は、ユーザがメニュー画面上から選択したテレビ動作制御モードの項目選択信号を受信し、テレビ動作制御モード設定画面の表示を行う(図7:〔画面2〕参照)。
【0041】
ステップS504で、制御部1は、ユーザがテレビ動作制御モード設定画面から選択した詳細項目の選択信号を受信し、詳細項目の設定画面の表示を行う(図7:〔画面3〕、〔画面4〕、〔画面5〕参照)。例えば、図7の〔画面2〕で「テレビ放送通知」の項目を選択すると、〔画面4〕が表示され、テレビジョン放送の開始時刻を迎えたときのユーザに対する報知方法を設定することが可能となっている。
【0042】
詳細には、ステップS503でテレビ視聴の項目が選択されると〔画面3〕が表示され、テレビジョン放送を「全画面表示」とするかあるいは表示画面を放送のコンテンツ部分とデータ放送部分を各々表示するフレームに分割して表示する「テレビ+データ放送」とするかの設定を行う画面が表示される。ユーザは、項目毎に設けられるチェックボックスをONにすることで所望する設定を行うこととなる。
【0043】
また、ステップS503で、テレビ放送通知の項目が選択されると〔画面4〕が表示され、テレビジョン放送の開始時刻を迎えたときのユーザに対する報知方法を設定することが可能となっている。「バイブ+音」は、予約されたテレビジョン放送の放送開始時間になるとバイブレーションと音によって放送開始時間であることを報知する設定である。「バイブ→バイブ+音」は、放送開始時刻になるとバイブレーションのみにより報知を行うが、その後所定の時間を経過しても、ユーザから何らかの応答(例えば、入力部5からの何らかのキーの操作信号等)を検出しない場合に、バイブレーションに加えて音による報知を行うモードである。「OFF」は、放送開始時刻になっても報知を行わないモードである。
【0044】
更に、ステップS503で、テレビ自動録画の項目が選択されると〔画面5〕が表示され、テレビジョン映像の録画(記録)先を設定することができるようになっており、この録画先の指定をもって「テレビ自動録画」が設定されるようになっている。
【0045】
ステップS505で、制御部1は、ユーザが詳細項目設定画面から設定した各詳細設定の設定信号を受信し、ステップS506で、設定データとして記録する。ユーザは、スライド位置毎に設定を行うことで、その後マナー切換SW50を所定の位置にスライドさせるだけで所望する設定環境とすることができる。
【0046】
次に、図9を用いて携帯電話機100の動作について説明する。以下の動作説明では、携帯電話機100が待受状態であることを前提として説明する。
【0047】
ステップS101で、制御部1は、着信検出部44から音声通話の着信を検出するまで待機する(ステップS101:NO)。制御部1は、着信検出部44から着信検出信号を受信するとステップS102の処理に進む(ステップS101:YES)。
【0048】
ステップS102で、制御部1はフラッシュメモリ4に記憶された番組予約データ76(図3参照)及び内部クロック(不図示)を参照し、予約した番組の視聴時刻であるか否かを判断する。制御部1は、予約番組の視聴時刻であると判断する場合、ステップS103に進む(ステップS102:YES)。
逆に、制御部1は、予約番組の視聴時刻でないと判断する場合、ステップS109の処理に進む(ステップS102:NO)。ステップS109で、制御部1は通常の着信時と同様に、音声出力部30に指示信号を送出し、スピーカ33L及び33Rから呼出音を出力する。
【0049】
ステップS103で、制御部1は、マナー切換SW50を介して出力されるマナー設定信号に対応する設定データを参照し、マナーモード設定がなされているか否かを判断する。制御部1は、マナーモードが設定されていると判断する場合、ステップS104の処理に進む(ステップS103:YES)。
逆に制御部1は、マナーモードが設定されていないと判断する場合、ステップS108の処理に進む(ステップS103:NO)。ステップS108で、制御部1は、送信先番号を表示部25にポップアップ表示する。
【0050】
ステップS104で、制御部1は、振動モータ51を駆動させてバイブレーションによる呼出の報知を行う。
次いで、ステップS105で、制御部1は、マナーモード中の録画(裏録画)である識別情報(フラグ)を録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86に設定する(フラグを0から1にする)。
次いで、ステップS106で、制御部1は、着信があった旨を示す識別情報(フラグ)を録画リストテーブル77の不在フラグ領域88に設定する(フラグを0から1にする)。
【0051】
ステップS107で、制御部1は、テレビチューナモジュール10及び映像信号処理部20の駆動信号を送出し、テレビジョン放送データを予め設定された記録先(フラッシュメモリ4又は外部記憶媒体7)に録画(記録)する。
【0052】
このように携帯電話機100のマナーモード設定に基づいてテレビジョン放送の動作制御を行うことで、ユーザが現在置かれている環境に応じてテレビジョン放送の取扱いを適当に行うことができる。
【0053】
次に、上記ステップS107で録画したテレビジョン放送を再生する際の処理について図10に示すフロー図を用いて説明する。
【0054】
ステップS201で、制御部1は、ユーザが入力部5を介して入力する録画再生モードを起動する指示信号を検出するまで待機する(ステップS201:NO)。制御部1は、録画再生モードを起動する指示信号を検出すると(ステップS201:YES)、ステップS202に進み、録画リストテーブル77を参照し、識別情報領域85に識別情報が記憶されている録画ファイルがあるか否かを検索する(図4参照)。
【0055】
ステップS203で、制御部1は、識別情報付録画ファイルが有ると判断する場合、ステップS204に進む(ステップS203:YES)。逆に、制御部1は、識別情報付録画ファイルが無いと判断する場合は、ステップS208に進む(ステップS203:NO)。
【0056】
ステップS204で、制御部1は、録画リストテーブル77の着信履歴格納アドレス領域87を参照し、着信に関する情報(送信元の電話番号や名前等)を格納したファイルアドレスが記録されている場合、この着信履歴格納アドレスと録画ファイルとのリンク(関連付け)を設定する。
【0057】
ステップS205で、制御部1は、ステップS204で着信履歴格納アドレスとのリンクを設定した録画ファイルの不在フラグ領域88を参照し、当該着信履歴をユーザが確認したか否かをフラグが立っていない即ちユーザが確認済みであるか(フラグが「0」か)を判断する。制御部1は、不在フラグ領域88にフラグが立っていない(ユーザ確認済み)と判断する場合、ステップS206に進む(ステップS205:YES)。逆に、制御部1は、不在フラグ領域88にフラグが立っていない即ちユーザが当該着信履歴を未確認であると判断する場合、ステップS207に進む(ステップS205:NO)。
【0058】
ステップS206で、制御部1は、ステップS205の判断で着信履歴をユーザが確認した録画ファイルに裏録画設定を示すアイコン(図11における「裏」のアイコン91)を表示する設定を行う。具体的には、ROM2又はフラッシュメモリ4に格納されたアイコンの画像データとの対応付けを行う。
【0059】
ステップS207では、制御部1は、ステップS205の判断で着信履歴をユーザが未確認である録画ファイルに裏録画と未確認不在着信のファイルであることを示すアイコン(図11における「裏不」のアイコン92)を表示する設定を行う。即ち、ROM2又はフラッシュメモリ4に格納されたアイコンの画像データとの対応付けを行う。
【0060】
ステップS208で、制御部1は、録画リストテーブル77の内容に基づいて、図11に示すような録画ファイルリスト90を表示部25に表示する。この録画ファイルリスト90では、「060305−02.mpeg」のファイル名の左に裏アイコン91が表示されている。また、「060306−01.mpeg」のファイル名の左に裏不アイコン92が表示されている。即ち、上述のステップS206及びステップS207の処理に基づいて対応付けられたアイコンであり、夫々「裏録画であるが不在着信履歴をユーザが確認したファイル」及び「裏録画であり不在着信履歴をユーザが確認していないファイル」を意味するものである。
【0061】
ステップS209で、制御部1は、入力部5を介して入力されるユーザが選択するファイルの指定を待機する(ステップS209:NO)。制御部1は、ファイルの指定を検出するとステップS210に進む(ステップS209:YES)。
【0062】
ステップS210で、制御部1は、選択指定されたファイルのファイル名に裏不アイコン92が対応付けられている(表示されている)か否かを判断する。制御部1は、裏不アイコン92が対応付けられていると判断する場合、ステップS211に進み(ステップS210:YES)、裏不アイコン92が対応付けられていないと判断する場合、ステップS216に進む(ステップS210:NO)。
【0063】
ステップS211で、制御部1は、図12に示す如く、『不在着信があります。着信内容を確認しますか?』という案内画面95を表示部25にポップアップ表示する。
次いで、ステップS212で、ユーザがポップアップ表示された案内画面から「はい」を選択するとステップS213に進み(ステップS212:YES)、「いいえ」を選択するとステップS216に進む(ステップS212:NO)。
【0064】
ステップS213で、制御部1は、録画リストテーブル77の不在フラグ領域88から該当するファイルのフラグをリセットする(「0」にする)処理を行う(図4参照)。
次いで、ステップS214で、制御部1は、上述のステップS204でリンク(関連付け)を設定した着信履歴格納アドレスに基づいて着信履歴に関する情報(相手先電話番号や名前等)を表示する。
【0065】
ステップS215で、制御部1は、一定時間の経過又はユーザから入力される表示キャンセル指示信号の検出があるまで表示部25に着信履歴に関する情報を表示し続ける(ステップS215:NO)。その後、一定時間の経過等をトリガとして制御部1は、ステップS208の処理に戻る。
【0066】
ステップS208の処理に戻った制御部1は、その後ステップS209:YES及びステップS210:NOの手順を経てステップS216の処理に進む。このステップS216の処理では、ユーザにより選択された録画ファイルの再生処理が行われることとなる。
【0067】
以上のように、第1の実施形態の携帯電話機1によれば、マナー切換SW50によりマナーモード設定となっている場合は、テレビジョン放送を録画するようにしたので、マナー切換SW50の切換えを行うのみで、テレビジョン放送の録画の制御を行うことができる。
【0068】
また、再生処理において、表示部25に録画ファイルリスト90を表示する際、裏フラグを付随して表示するため、当該ファイルの内容を視聴したか否かを瞬時に把握することができる。更に、録画中に裏不フラグを表示させることで、録画中に呼出があったことを瞬時に把握することができ、且つ当該ファイルを選択するときに送信先に関する情報(電話番号や名前)を案内することで利便性を向上させることができる。
【0069】
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態における、携帯電話機100の動作について説明する。第2実施形態では、テレビジョン放送を受像中に着信を検出した場合の自動録画機能の処理について説明する。図13に、第2実施形態における自動録画機能の処理のフローを示す。なお、以下の説明では、携帯電話機100がテレビジョン放送の受像を行っているものとして説明を開始する。
【0070】
ステップS301で、制御部1は、着信検出部44から音声通話の着信を検出するまで待機する(ステップS301:NO)。制御部1は、着信検出部44から着信検出信号を受信するとステップS302の処理に進む(ステップS301:YES)。
【0071】
ステップS302で、制御部1は、マナー切換SW50を介して出力されるマナー設定信号に対応する設定データを参照し、マナーモード設定がなされているか否かを判断する。制御部1は、マナーモードが設定されていると判断する場合、ステップS303の処理に進む(ステップS302:YES)。
逆に制御部1は、マナーモードが設定されていないと判断する場合、ステップS306の処理に進む。ステップS306で、制御部1は、テレビジョン放送を表示する画面中に発信者番号をポップアップ表示する。
【0072】
ステップS303で、制御部1は、振動モータ51を駆動させ、バイブレーションにより着信を報知する。
次いで、ステップS304で、制御部1は、録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86に設定(フラグを0から1にする)する。
その後、ステップS305で、制御部1は、テレビジョン放送の録画を開始する。
【0073】
このように、第2の実施形態による携帯電話機100は、テレビジョン映像を受像中に着信を検出した場合であっても、マナーモードの設定に応じて裏録画を行うことができ、予め設定したマナーモードの設定に従って、録画機能を容易に制御することができる。
【0074】
また、着信を検出し、途中から録画を行うに際に、録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86にフラグを設定するため、事後、ユーザがテレビジョン放送の続きを視聴する際にも該当する画像データファイルの選択を容易に行う事ができる。
【0075】
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態における、携帯電話機100の動作について説明する。第3実施形態では、テレビジョン放送を受像中であり且つ録画を行っている状態で着信を検出した場合の処理について説明する。図14に、第3実施形態における処理のフローを示す。なお、以下の説明では、携帯電話機100がテレビジョン放送の受像を行い且つ録画状態にあるものとして説明を開始する。
【0076】
ステップS401で、制御部1は、着信検出部44から音声通話の着信を検出するまで待機する(ステップS401:NO)。制御部1は、着信検出部44から着信検出信号を受信するとステップS402の処理に進む(ステップS401:YES)。
【0077】
ステップS402で、制御部1は、マナー切換SW50を介して出力されるマナー設定信号に対応する設定データを参照し、マナーモード設定がなされているか否かを判断する。制御部1は、マナーモードが設定されていると判断する場合、ステップS403の処理に進む(ステップS402:YES)。
逆に制御部1は、マナーモードが設定されていないと判断する場合、ステップS406の処理に進む(ステップS402:NO)。ステップS406で、制御部1は、テレビジョン放送を表示する画面中に発信者番号をポップアップ表示する。
【0078】
ステップS403で、制御部1は、振動モータ51を駆動させ、バイブレーションにより着信を報知する。
次いで、ステップS404で、制御部1は、録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86に設定(フラグを0から1にする)する。
その後、ステップS405で、制御部1は、録画しているデータにチャプタを設定し録画を継続する。
【0079】
このように、第3の実施形態による携帯電話機100は、テレビジョン映像を受像中に呼出を検出した場合であっても、マナーモードの設定に応じて裏録画を行うことができ、予め設定したマナーモードの設定に従って、録画機能を容易に制御することができる。
【0080】
また、呼出を検出し、途中から録画を行う際に、録画リストテーブル77の裏録画フラグ領域86にフラグを設定し又着信を検出した時点にチャプタを設定するため、事後、ユーザがテレビジョン放送の続きを視聴する際に、該当する画像データファイルのチャプタによって続きからの視聴を容易に行うことができる。
【0081】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られるものではない。
【0082】
(付記1)
放送信号を受信する放送受信手段と、
自己への呼び出しを検出する検出手段と、
この検出手段により呼び出しが検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段と、
前記検出手段による呼び出し検出に対し、応答操作が行われたか否かを判断する応答判断手段と、
前記放送受信判断手段により放送信号の受信中であると判断され、前記応答判断手段により応答操作が行われなかったと判断すると、受信された放送信号に基づく放送内容と、今回の呼び出し検出に対し応答操作が行われなかった旨とを関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする放送受信装置。
【0083】
(付記2)
前記検出手段によって自己への呼び出しが検出されると、この呼び出し元を特定する情報を取得する情報取得手段を更に備え、
前記記憶手段は更に、前記応答判断手段により応答操作が行われなかったと判断した場合、前記情報取得手段によって取得された呼び出し元を特定する情報を、前記受信された放送信号に基づく放送内容とに関連付けて記憶することを特徴とする付記1に記載の放送受信装置。
【0084】
(付記3)
前記放送受信手段によって受信された放送信号に基づく放送内容を記録する記録手段を更に備えるとともに、前記記憶手段は更に、前記応答判断手段により応答操作が行われなかったと判断した場合、今回の呼び出し検出に対し応答操作が行われなかった旨と、前記記録手段によって記録された放送内容とを対応付けて記憶し、
この記録手段に記録された放送内容の表示を指示する指示手段と、
この指示手段により記録された放送内容の表示が指示されると、前記記憶手段に記憶された内容を表示する表示手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1または2に記載の放送受信装置。
【0085】
(付記4)
報知手段と、
前記検出手段による呼び出し検出時の報知内容を設定する設定手段と、
前記放送受信手段により受信される放送信号に基づく放送内容を、受信とともに逐次出力する出力手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記出力手段による出力中に前記検出手段により呼び出しが検出されると、前記設定手段により設定された報知内容に基づいて前記報知手段を制御するとともに、前記出力手段による出力に代えて、前記記録手段に前記受信された放送信号に基づく放送内容を記録するよう制御することを特徴とする付記3に記載の放送受信装置。
【0086】
(付記5)
前記記録手段によって記録された放送内容を再生する際の再生制御情報を設定する再生制御情報設定手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記検出手段により呼び出しが検出されると、前記設定手段により設定された報知内容に基づいて前記報知手段を制御するとともに、前記再生制御情報設定手段に対し今回の呼び出し検出を契機とした再生制御情報を設定するよう制御し、前記記録手段に前記放送内容と関連付けてこの再生制御情報を記録するよう制御することを特徴とする付記3または4に記載の放送受信装置。
【0087】
(付記6)
前記報知手段による報知とは音声出力による報知であり、
前記設定手段が設定する報知内容とは、この音声出力の禁止であることを特徴とする付記4または5に記載の放送受信装置。
【0088】
(付記7)
放送信号を受信する放送受信ステップと、
自己への呼び出しを検出する検出ステップと、
この検出ステップにより呼び出しが検出されると、前記放送受信ステップによる放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断ステップと、
前記検出ステップによる呼び出し検出に対し、応答操作が行われたか否かを判断する応答判断ステップと、
前記放送受信判断ステップにより放送信号の受信中であると判断され、前記応答判断ステップにより応答操作が行われなかったと判断すると、受信された放送信号に基づく放送内容と、今回の呼び出し検出に対し応答操作が行われなかった旨とを関連付けて記憶する記憶ステップと、
からなることを特徴とする放送受信方法。
【0089】
(付記8)
コンピュータを、
放送信号を受信する放送受信手段、
自己への呼び出しを検出する検出手段、
この検出手段により呼び出しが検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段、
前記検出手段による呼び出し検出に対し、応答操作が行われたか否かを判断する応答判断手段、
前記放送受信判断手段により放送信号の受信中であると判断され、前記応答判断手段により応答操作が行われなかったと判断すると、受信された放送信号に基づく放送内容と、今回の呼び出し検出に対し応答操作が行われなかった旨とを関連付けて記憶する記憶手段、
として機能させることを特徴とする放送受信プログラム。
【0090】
(付記の効果)
本付記によれば、放送の受信中に呼び出しを検出し、この呼び出しに対して応答操作が行われなかった場合、この放送の内容と呼び出しがあった旨とを関連付けて記憶させることで、放送視聴中に着信があり、この着信について応答操作をしなかった場合でも、視聴後にユーザが確認できる視聴時の呼び出しの有無をユーザに認識させることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 制御部
2 ROM
3 RAM
4 フラッシュメモリ
5 入力部
6 入出力I/F
7 外部記憶媒体
8 テレビ用アンテナ
10 テレビチューナモジュール
11 チューナ
12 OFDM復調回路
20 映像信号処理部
21 TSデコーダ
22 グラフィックデコーダ
25 表示部
30 音声出力部
31 音源LSI
32 AMP
33L、33R スピーカ
40 通信制御部
41 通信データ処理部
42 オーディオインターフェース
43 無線部
44 着信検出部
45 送話部
46 受話部
47 アンテナ
50 マナー切換SW
51 振動モータ
52 充電池
60 アドレス・データバス処理部
61 バス
70a、70b I/Oポート
75 EPGデータ
76 番組予約データ
77 録画リストテーブル
90 録画ファイルリスト
91 裏フラグ
92 裏不フラグ
95 案内画面
100 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信する放送受信手段と、
自己への着信を検出する検出手段と、
前記検出手段により着信が検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段と、
前記放送受信手段によって受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御手段と、
前記記録制御手段に記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断手段が判断しているときに前記検出手段が着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御手段と、
前記検出手段による着信の検出時の所定の報知方法を設定する設定手段と、
前記放送受信手段により受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力手段と、
前記出力手段による前記放送の出力中に前記検出手段により着信が検出されると、前記設定手段により設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御手段と、
前記記憶制御手段の記憶内容を参照し、前記記録制御手段に記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御手段と、
を備え、
前記記録制御手段は、前記設定手段により前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続する、
ことを特徴する放送受信装置。
【請求項2】
前記検出手段により着信が検出されると、その着信の送信元を示す送信元情報を取得する送信元情報取得手段を備え、
前記記録制御手段に記録された放送を選択的に指定する指定手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記放送特定情報と前記フラグ情報と前記送信元情報とを関連付けて記憶する構成とし、
前記指定手段によって放送信号の受信中に着信があった放送が指定されると、前記記憶制御手段の記憶内容を参照してその着信の送信元情報を抽出して表示する送信元表示制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記設定手段が設定する所定の報知方法とは、音声出力による報知を禁止したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
放送信号を受信する放送受信ステップと、
自己への着信を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで着信が検出されると、前記放送受信ステップで放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断ステップと、
前記放送受信ステップで受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御ステップと、
前記記録制御ステップで記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断ステップで判断しているときに前記検出ステップで着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御ステップと、
前記検出ステップで着信が検出された時の所定の報知方法を設定する設定ステップと、
前記放送受信ステップで受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力ステップと、
前記出力ステップで前記放送の出力中に前記検出ステップで着信が検出されると、前記設定ステップで設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御ステップと、
前記記憶制御ステップでの記憶内容を参照し、前記記録制御ステップで記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御ステップと、
からなり、
前記記録制御ステップでは、前記設定ステップで前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続する、
ことを特徴する放送受信方法。
【請求項5】
コンピュータを、
放送信号を受信する放送受信手段、
自己への着信を検出する検出手段、
前記検出手段により着信が検出されると、前記放送受信手段による放送信号の受信中か否かを判断する放送受信判断手段、
前記放送受信手段によって受信した放送信号に対応する放送を記録する記録制御手段、
前記記録制御手段に記録された放送に対して、その放送を特定する放送特定情報と、その放送に対応する放送信号を受信中であると前記放送受信判断手段が判断しているときに前記検出手段が着信を検出したか否かを示すフラグ情報とを関連付けて記憶する記憶制御手段、
前記検出手段による着信の検出時の所定の報知方法を設定する設定手段、
前記放送受信手段により受信される放送信号に基づく放送を、受信とともに逐次出力する出力手段、
前記出力手段による前記放送の出力中に前記検出手段により着信が検出されると、前記設定手段により設定された所定の報知方法で報知を行う報知制御手段、
前記記憶制御手段の記憶内容を参照し、前記記録制御手段に記録されている録画ファイルごとに、放送信号の受信中に着信があったか否かを表示する呼表示制御手段、
として機能させ、
前記記録制御手段は、前記設定手段により前記所定の報知方法が設定されかつ前記着信が検出された場合に、受信された放送信号に基づく放送にチャプタを設定して記録を継続する、
ことを特徴する放送受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−13108(P2013−13108A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175760(P2012−175760)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2006−94700(P2006−94700)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】