説明

放送受信装置および放送受信方法

【課題】チューナーが1つしかなく、あるコンテンツの視聴中に別のコンテンツの蓄積時期が到来した場合であっても、視聴者が両方のコンテンツを視聴することができるようにする。
【解決手段】記憶部24が、蓄積型放送により放送される第1のコンテンツの蓄積時期の情報を記憶し、時期判定部25cが、ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定し、蓄積時期設定部25dが、時期判定部25cにより蓄積時期が到来したと判定された場合に、蓄積時期よりも後の第1のコンテンツの放送時期に第1のコンテンツの蓄積時期を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送を受信する放送受信装置および放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ番組の視聴予約を受け付け、予約された日時に至ると、視聴中のテレビ番組のチャンネルから視聴予約がなされたテレビ番組のチャンネルにチャンネルが自動的に切り替わるテレビ受像機がある。
【0003】
チャンネルが切り換わると、視聴者は、いままで視聴していたテレビ番組を継続してみることができなくなる。そのため、視聴中のテレビ番組から視聴予約をしたテレビ番組にチャンネルを変更するか否か、また、視聴中のテレビ番組または視聴予約をしたテレビ番組を録画するか否かを視聴者に選択させる放送受信装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−252764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
視聴中のテレビ番組または視聴予約をしたテレビ番組のいずれか一方を視聴するため、他方のテレビ番組を録画することとしても、2つのテレビ番組の放送波を同時に受信するためには、2つのチューナーが必要になる。しかし、スマートフォンなどの携帯機器の場合、ハードウェアの配置や消費電力の制約等から2つのチューナーを搭載することは難しいという問題がある。
【0006】
そして、携帯機器にチューナーが1つしか無く、その携帯機器で視聴者がテレビ番組を視聴している間に、視聴予約をしたテレビ番組の予約日時が到来すると、視聴者は一方のテレビ番組の視聴を諦めなくてはならなくなる。
【0007】
同様のことは、蓄積型放送においてコンテンツの蓄積予約を行った場合にも当てはまる。すなわち、あるコンテンツを視聴者が視聴している間に、コンテンツの蓄積日時が到来した場合、携帯機器が2つのチューナーを搭載することができない場合は、視聴者は一方のコンテンツの視聴を諦めなくてはならない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、チューナーが1つしかなく、あるコンテンツの視聴中に別のコンテンツの蓄積時期が到来した場合であっても、視聴者が両方のコンテンツを視聴することができる放送受信装置、放送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の技術手段は、放送を受信する放送受信装置であって、蓄積型放送により放送される第1のコンテンツの蓄積時期の情報を記憶する記憶部と、ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に前記第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定する時期判定部と、前記時期判定部により前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定する蓄積時期設定部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記時期判定部により前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記第2のコンテンツの視聴を継続するか否かを指示する入力をユーザから受け付ける入力部をさらに備え、前記蓄積時期設定部は、前記第2のコンテンツの視聴を継続することを指示する入力をユーザから受け付けた場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定することを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記第2のコンテンツの視聴を継続することを指示する入力をユーザから受け付けなかった場合に、視聴する放送を前記第2のコンテンツの放送から第1のコンテンツの放送に切り替える放送切替部をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の技術手段は、第2または第3の技術手段において、前記第2のコンテンツの視聴を継続するか否かを指示する入力をユーザから受け付ける場合に、前記第1のコンテンツの再放送の情報を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記第1のコンテンツの再放送の情報は、前記第1のコンテンツが再放送される回数の情報を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第6の技術手段は、第4または第5の技術手段において、前記第1のコンテンツの再放送の情報は、前記第1のコンテンツが再放送される時期の情報を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の技術手段は、放送を受信する放送受信方法であって、蓄積型放送により放送される第1のコンテンツの蓄積時期の情報を記憶した記憶部から該蓄積時期の情報を読み出す情報読出ステップと、前記情報読出ステップにおいて読み出した前記蓄積時期の情報に基づいて、ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に前記第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定する時期判定ステップと、前記時期判定ステップにおいて前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定する蓄積時期設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定し、上記蓄積時期が到来したと判定した場合に、蓄積時期よりも後の第1のコンテンツの放送時期に、第1のコンテンツの蓄積時期を設定することとした。これにより、チューナーが1つしかなく、あるコンテンツを視聴者が視聴中に別のコンテンツの蓄積時期が到来した場合であっても、蓄積型放送のコンテンツをそのコンテンツの次回の放送時期にずらして蓄積し、後に蓄積したコンテンツを視聴者が視聴できるようにすることにより、視聴者は両方のコンテンツを視聴することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る放送システムの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る放送受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の実施形態に係る放送システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る放送システムの一例を示す図である。図1に示すように、この放送システムは、放送局1、通信基地局2、放送受信装置10を備える。
【0019】
放送局1は、マルチメディア放送などの放送波を送信する放送局である。通信基地局2は、放送受信装置10と電話網との間の通信を中継する通信基地局である。放送受信装置10は、放送局1により送信された放送波を受信するとともに、通信基地局2との間で通信を行う携帯端末などの装置である。
【0020】
なお、以下では放送受信装置10が携帯端末である場合について説明するが、放送受信装置10は携帯端末に限らず、放送局1により送信された放送波を受信するハードディスクレコーダーやブルーレイディスクレコーダーなどの装置であってもよい。
【0021】
つぎに、本発明の実施形態に係る放送受信装置の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る放送受信装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、放送受信装置10は、放送波受信アンテナ11、チューナー部12、復調部13、誤り訂正部14、多重分離部15、デコード部16、画像重畳部17、表示部18、音声出力部19、通信アンテナ20、通信部21、入力部22、計時部23、記憶部24、制御部25を備える。
【0023】
放送波受信アンテナ11は、放送局1により送信されたマルチメディア放送の放送波を受信するアンテナである。チューナー部12は、チャンネルの選局を行い、選局したチャンネルの放送信号を復調部13に出力するチューナーである。復調部13は、チューナー部12から取得した放送信号を復調することによりデジタル信号を取得し、取得したデジタル信号を誤り訂正部14に出力する処理部である。
【0024】
誤り訂正部14は、復調部13から取得したデジタル信号に対して誤り訂正を行う処理部である。これにより、放送局1により送信されたTS(Transport Stream)パケットが復元される。
【0025】
多重分離部15は、TSパケットを映像パケット、音声パケット、データ放送パケットに分離し、映像パケットおよび音声パケットをデコード部16に、データ放送パケットを制御部25に出力する処理部である。
【0026】
デコード部16は、映像パケットおよび音声パケットを復号し、その結果得られた映像信号を画像重畳部17に、音声信号を音声出力部19に出力する処理部である。
【0027】
画像重畳部17は、デコード部16から取得した映像信号と、制御部24においてデータ放送パケットに対する処理により得られた画像信号とを重畳し、その結果得られた信号を表示部18に出力する処理部である。
【0028】
表示部18は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスである。この表示部18は、画像重畳部17により出力された信号を受信し、その信号に応じて映像の表示を行う。
【0029】
音声出力部19は、音声を出力するスピーカーなどの出力デバイスである。この音声出力部19は、デコード部16により出力された音声信号を受信し、その音声信号に応じて音声の出力を行う。
【0030】
通信アンテナ20は、通信基地局2との間で通話やデータ通信用の通信電波の送受信を行うアンテナである。通信部21は、通話処理やデータ通信処理を行う処理部である。入力部22は、ボタンやタッチパッドなどの入力デバイスである。計時部23は、日時を計測する時計である。
【0031】
記憶部24は、不揮発性メモリなどの記憶デバイスである。この記憶部24は、ユーザデータ24a、放送時期データ24b、蓄積時期データ24c、切替設定データ24d、コンテンツデータ24eを記憶する。
【0032】
ユーザデータ24aは、送受信した電子メールや電話帳などのユーザの個人データである。放送時期データ24bは、蓄積型放送においてコンテンツが放送・再放送される日時(放送日および放送時間帯)、そのコンテンツが再放送される残りの回数のデータである。
【0033】
例えば、放送局1により送信されるECG(Electronic Content Guide)には、コンテンツが放送・再放送される日時の情報が含まれている。そのため、後に説明する放送受信制御部25bは、ECGからコンテンツが放送・再放送される日時の情報を取得するとともに、取得した情報からコンテンツが再放送される残りの回数の情報を生成し、取得あるいは生成した情報を記憶部24に放送時期データ24bとして記憶する。
【0034】
蓄積時期データ24cは、蓄積予約を行ったコンテンツの蓄積日時(蓄積日および蓄積時間帯)のデータである。この蓄積日時データ24cには、蓄積予約を行ったコンテンツの識別情報、そのコンテンツが放送されるチャンネルの情報、および、蓄積日時の情報が対応付けて記憶される。この蓄積時期データ24cは、後に説明する蓄積時期設定部25dにより記憶部24に記憶される。
【0035】
切替設定データ24dは、コンテンツの視聴日時が蓄積型放送におけるコンテンツの蓄積日時と重複した場合に、受信する放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるか否かの設定情報を記憶したデータである。この切替設定データ24dは、予めユーザにより設定される。コンテンツの視聴日時が蓄積型放送におけるコンテンツの蓄積日時と重複し、受信する放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるようにユーザにより設定された情報が切替設定データ24dに記憶されている場合、受信する放送が蓄積型放送に強制的に切り替えられる。
【0036】
なお、ここでは、ユーザによる設定に基づいて、受信する放送を蓄積型放送に強制的に切り替えることとしたが、ユーザによる設定に依らず、コンテンツの視聴日時が蓄積型放送におけるコンテンツの蓄積日時と重複した場合には、強制的に受信する放送を蓄積型放送に切り替えることとしてもよい。
【0037】
コンテンツデータ24eは、後に説明する蓄積処理部25eにより蓄積されたコンテンツのデータである。
【0038】
制御部25は、放送受信装置10を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。この制御部25は、通信制御部25a、放送受信制御部25b、時期判定部25c、蓄積時期設定部25d、蓄積処理部25e、放送切替部25fを備える。
【0039】
通信制御部25aは、通信部21が行う通話処理やデータ通信処理を制御する処理部である。具体的には、通信制御部25aは、通信部21が受信した電子メールをユーザデータ24aとして記憶部24に記憶する処理や、ユーザが通話を行うため通話相手を指定した場合に、ユーザにより指定された通話相手の電話番号の情報をユーザデータ24aに記憶されている電話帳のデータから読み出し、読み出した電話番号に発信する処理などを行う。
【0040】
放送受信制御部25bは、コンテンツの放送受信処理を制御する処理部である。具体的には、放送受信制御部25bは、チューナー部12を制御してユーザにより指定されたチャンネルを選局したり、復調部13を制御して放送信号を復調したり、多重分離部15からデータ放送パケットを取得してそれを復号し、その結果得られたデータ放送の画像信号を画像重畳部17に出力する処理などを行う。
【0041】
また、この放送受信制御部25bは、前述のように、放送局1により送信されたECGからコンテンツが放送・再放送される日時の情報を取得するとともに、取得した情報からコンテンツが再放送される残りの回数の情報を生成し、取得あるいは生成した情報を記憶部24に放送時期データ24bとして記憶する。
【0042】
時期判定部25cは、ユーザがコンテンツを視聴している間に、蓄積時期データ24bに記憶されているコンテンツの蓄積日時が到来したか否かを判定する処理部である。この時期判定部25cは、計時部23による日時の計測結果と、蓄積時期データ24bに記憶されているコンテンツの蓄積日時とを比較することにより、上記判定を行う。
【0043】
蓄積時期設定部25dは、時期判定部25cによりユーザによるコンテンツの視聴中に蓄積型放送のコンテンツの蓄積時期が到来したと判定された場合に、その蓄積日時に蓄積予約がなされていた蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時を、そのコンテンツの次回の放送日時に設定する処理部である。その際、蓄積時期設定部25dは、次回の放送日時の情報を放送時期データ24bから読み出して上記設定を行う。
【0044】
蓄積処理部25eは、蓄積時期設定部25dにより設定された蓄積日時にコンテンツの蓄積を行う処理部である。ただし、蓄積時期設定部25dにより設定された蓄積日時にユーザが他のコンテンツの視聴をしている場合、蓄積処理部25eは、そのコンテンツの視聴を継続するユーザからの指示があったか否かを判定する。
【0045】
そして、そのコンテンツの視聴を継続するユーザからの指示があった場合、蓄積処理部25eは、その蓄積日時にコンテンツの蓄積は行わない。この場合、蓄積時期設定部25dによりそのコンテンツの蓄積日時は、そのコンテンツの次回の放送日時に設定されることになる。そのコンテンツの視聴を継続するユーザからの指示がなかった場合、蓄積処理部25eは、その蓄積日時にコンテンツを蓄積する。
【0046】
放送切替部25fは、現在視聴しているコンテンツの放送を別のコンテンツの放送に切り替える処理部である。具体的には、放送切替部25fは、ユーザによるコンテンツの視聴中に蓄積型放送のコンテンツの蓄積時期が到来した場合に、記憶部24から切替設定データ24dを読み出し、切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されているか否かを判定する。
【0047】
切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されている場合、放送切替部25fは、現在視聴しているコンテンツの放送を蓄積型放送に強制的に切り替える。切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されていない場合、放送切替部25fは、蓄積日時が到来したコンテンツの再放送の情報(再放送される日時および回数の情報)を表示部18に表示させる。この再放送の情報は、放送時期データ24bから取得される。
【0048】
そして、放送切替部25fは、入力部22を介して、現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するか否かを指示する入力を所定の時間ユーザから受け付ける。所定の時間内にユーザから視聴を継続する指示を受け付けなかった場合、放送切替部25fは、現在視聴しているコンテンツの放送を蓄積型放送に切り替える。
【0049】
ユーザから視聴を継続する指示を受け付けた場合、放送切替部25fは、放送の切り替えを行わない。この場合、蓄積日時が到来したコンテンツの蓄積日時は、蓄積時期設定部25dにより、そのコンテンツの次回の放送日時に再設定されることになる。
【0050】
なお、蓄積処理部25eがコンテンツの蓄積を行っている間は、放送切替部25fは、他のコンテンツの放送への切り替えを禁止する。
【0051】
このように、ユーザは現在視聴しているコンテンツを継続して視聴するのか、蓄積型放送の受信に切り替えるのかを選択することができる。また、ユーザは、現在視聴しているコンテンツを継続して視聴することを選択した場合であっても、蓄積日時が到来したコンテンツを次回の放送日時に蓄積することにより、蓄積されたコンテンツを視聴することができるようになるので、ユーザは現在視聴しているコンテンツと蓄積日時が到来したコンテンツの両方を視聴することができる。
【0052】
さらに、ユーザが現在視聴しているコンテンツを継続して視聴するのか、あるいは、蓄積型放送の受信に切り替えるのかを選択する際に、コンテンツが再放送される日時や回数などの再放送の情報を表示することにより、その選択を行う際に有用な情報をユーザに提供することができる。例えば、ユーザは、コンテンツが再放送される回数が多い場合に、現在視聴しているコンテンツの視聴を継続するなどの選択をすることができる。
【0053】
つぎに、本発明に係る放送受信処理の処理手順について説明する。図3は、本発明に係る放送受信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、まず、放送受信装置10の表示部18および音声出力部19は、受信したコンテンツの映像の表示処理および音声の出力処理をそれぞれ実行する(ステップS101)。
【0054】
そして、放送切替部25fは、記憶部24から蓄積時期データ24cを読み出し、蓄積時期データ24cに登録されている蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時が到来したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、ステップS101において映像の表示処理および音声の出力処理を行っているコンテンツと、ステップS102において蓄積日時が到来したか否かの判定対象となっているコンテンツとは異なるものとする。
【0055】
蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時が到来していない場合(ステップS102においてNOの場合)、ステップS101に移行して、受信したコンテンツの映像の表示処理および音声の出力処理が継続される。
【0056】
蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時が到来した場合(ステップS102においてYESの場合)、放送切替部25fは、記憶部24から切替設定データ24dを読み出し、切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0057】
切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されている場合(ステップS103においてYESの場合)、放送切替部25fは、チューナー部12を制御して、受信する放送を蓄積型放送に強制的に切り替える(ステップS107)。そして、蓄積処理部25eは、蓄積型放送のコンテンツの蓄積処理を行う(ステップS108)。その後、この放送受信処理は終了する。
【0058】
ステップS103において、切替設定データ24dに放送を蓄積型放送に強制的に切り替えるように設定されていない場合(ステップS103においてNOの場合)、放送切替部25fは、記憶部24から放送時期データ24bを読み出し、蓄積型放送のコンテンツの再放送の日時および再放送される残りの回数を表示部18に表示させる表示処理を行う(ステップS104)。
【0059】
その後、放送切替部25fは、入力部22を介して、現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するか否かを指示する入力を所定の時間ユーザから受け付ける(ステップS105)。そして、放送切替部25fは、所定の時間内に現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するユーザからの指示があったか否かを判定する(ステップS106)。
【0060】
現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するユーザからの指示がなかった場合(ステップS106においてNOの場合)、放送切替部25fは、チューナー部12を制御し、受信する放送のTS(Transport Stream)を蓄積型放送のTSに切り替える(ステップS107)。そして、蓄積処理部25eは、蓄積型放送のコンテンツの蓄積処理を行う(ステップS108)。その後、この放送受信処理は終了する。
【0061】
現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するユーザからの指示があった場合(ステップS106においてYESの場合)、蓄積時期設定部25dは、そのコンテンツについての再放送回数が0回であるか否かを判定する(ステップS109)。
【0062】
そのコンテンツについての再放送回数が0回でない場合(ステップS109においてNOの場合)、蓄積時期設定部25dは、蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時を再設定する処理を行う(ステップS110)。具体的には、蓄積時期設定部25dは、記憶部24から放送時期データ24bを読み出し、蓄積型放送のコンテンツの蓄積日時を、その蓄積型放送のコンテンツの次回の放送日時に設定する処理を行う。
【0063】
そのコンテンツについての再放送回数が0回である場合(ステップS109においてYESの場合)、ステップS101に移行し、現在ユーザが視聴しているコンテンツについて、そのコンテンツの映像の表示処理および音声の出力処理がそのまま継続される。
【0064】
なお、ステップS109では、再放送回数が0回であるか否かを判定することとしたが、これに限定されず、再放送回数がユーザにより設定された1回以上の所定の回数以下、あるいは、予め定められた1回以上の所定の回数以下であるか否かを判定し、再放送回数が上記所定の回数以下でない場合に、ステップS110の処理を行い、再放送回数が上記所定の回数以下である場合に、ステップS101に移行し、その後の処理を実行することとしてもよい。
【0065】
また、ステップS104の処理において、蓄積型放送のコンテンツについて再放送される残りの回数が1回である場合、放送切替部25fは、つぎの再放送が最後の放送であることをユーザに通知するメッセージを表示部18に表示させる表示処理をさらに行うこととしてもよい。これにより、つぎの再放送が最後の放送であることをユーザに明確に認識させることができ、ステップS105において、ユーザに現在視聴しているコンテンツについて視聴を継続するか否かを適切に判断させることができる。
【0066】
なお、ここでは、蓄積型放送のコンテンツについて再放送される残りの回数が1回である場合に、放送切替部25fが、つぎの再放送が最後の放送であることをユーザに通知するメッセージを表示部18に表示させる表示処理をさらに行うこととしたが、これに限定されず、残りの回数が0回、または、2回以上の所定の回数である場合に、つぎの再放送が無いことをユーザに通知するメッセージを、あるいは、つぎの再放送を含む残りの再放送回数をユーザに通知するメッセージを表示部18に表示させる表示処理をさらに行うこととしてもよい。ここで、上記所定の回数は、予め設定されていてもよいし、ユーザにより設定されることとしてもよい。
【0067】
また、ステップS107の処理において、放送切替部25fは、受信する放送のTSを、そのTSとは別の蓄積型放送のTSに切り替えることとしたが、TS中に複数の放送が含まれており、そのうちの1つにより放送されるコンテンツを蓄積する場合に、同一のTS内で放送を切り替えることとしてもよい。ここで、切り替える放送が同一のTS内に含まれているか否かはNIT(Network Information Table)を解析することにより判定される。
【0068】
さて、これまで放送受信装置および放送受信方法の実施形態を中心に説明を行ったが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、放送受信装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムとしての形態、あるいは、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の形態として本発明が実施されることとしてもよい。
【0069】
ここで、記録媒体としては、ディスク系(例えば、磁気ディスク、光ディスク等)、カード系(例えば、メモリカード、光カード等)、半導体メモリ系(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、テープ系(例えば、磁気テープ、カセットテープ等)等、さまざまな形態のものを採用することができる。
【0070】
これら記録媒体に上記実施形態における放送受信装置の機能を実現させるコンピュータプログラム、または、放送受信方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録して流通させることにより、コストの低廉化、及び可搬性や汎用性を向上させることができる。
【0071】
そして、コンピュータに上記記録媒体を装着し、コンピュータにより記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み出してメモリに格納し、コンピュータが備えるプロセッサ(CPU:Central Processing Unit、MPU:Micro Processing Unit)が当該コンピュータプログラムをメモリから読み出して実行することにより、本実施形態に係る放送受信装置の機能を実現し、放送受信方法を実行することができる。
【0072】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…放送受信装置、11…放送波受信アンテナ、12…チューナー部、13…復調部、14…誤り訂正部、15…多重分離部、16…デコード部、17…画像重畳部、18…表示部、19…音声出力部、20…通信アンテナ、21…通信部、22…入力部、23…計時部、24…記憶部、24a…ユーザデータ、24b…放送時期データ、24c…蓄積時期データ、24d…切替設定データ、24e…コンテンツデータ、25…制御部、25a…通信制御部、25b…放送受信制御部、25c…時期判定部、25d…蓄積時期設定部、25e…蓄積処理部、25f…放送切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信する放送受信装置であって、
蓄積型放送により放送される第1のコンテンツの蓄積時期の情報を記憶する記憶部と、
ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に前記第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定する時期判定部と、
前記時期判定部により前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定する蓄積時期設定部と、
を備えることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記時期判定部により前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記第2のコンテンツの視聴を継続するか否かを指示する入力をユーザから受け付ける入力部をさらに備え、前記蓄積時期設定部は、前記第2のコンテンツの視聴を継続することを指示する入力をユーザから受け付けた場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記第2のコンテンツの視聴を継続することを指示する入力をユーザから受け付けなかった場合に、視聴する放送を前記第2のコンテンツの放送から第1のコンテンツの放送に切り替える放送切替部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記第2のコンテンツの視聴を継続するか否かを指示する入力をユーザから受け付ける場合に、前記第1のコンテンツの再放送の情報を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記第1のコンテンツの再放送の情報は、前記第1のコンテンツが再放送される回数の情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記第1のコンテンツの再放送の情報は、前記第1のコンテンツが再放送される時期の情報を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
放送を受信する放送受信方法であって、
蓄積型放送により放送される第1のコンテンツの蓄積時期の情報を記憶した記憶部から該蓄積時期の情報を読み出す情報読出ステップと、
前記情報読出ステップにおいて読み出した前記蓄積時期の情報に基づいて、ユーザによる第2のコンテンツの視聴中に前記第1のコンテンツの蓄積時期が到来したか否かを判定する時期判定ステップと、
前記時期判定ステップにおいて前記蓄積時期が到来したと判定された場合に、前記蓄積時期よりも後の前記第1のコンテンツの放送時期に前記第1のコンテンツの蓄積時期を設定する蓄積時期設定ステップと、
を含むことを特徴とする放送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−26670(P2013−26670A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156685(P2011−156685)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】