説明

放送受信装置

【課題】複数のプリント配線板を保持する構造において、プリント配線板の組立順序の過誤を防止することができる放送受信装置を提供する。
【解決手段】カードホルダは、カードが差し込まれる第1から第6のカードコネクタが実装された第1から第6のプリント配線板12A〜12Fが、それぞれ第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜13Eを介して、電気的に接続されるとともに物理的に固定されている。第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜13Eの幅W1〜W5は、順に短くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードホルダを備える放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路を複数の機能ブロックに分割して複数のプリント配線板上に実装し、各々の機能ブロックに対応する複数のプリント配線板を接続することによって大規模な電子回路を実現する電子回路装置が知られている。
【0003】
複数のプリント配線板を接続する際に、プリント配線板を接続する順序を間違え、プリント配線板間で出力信号同士が衝突する危険性がある。このような事態を回避するために、プリント配線板同士を接続するコネクタの識別情報と各基板の積層位置情報とを用いて、正しく接続されていると判定した場合にのみ出力信号を出力可能とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−303167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した電子回路装置の一例として、地上波デジタル放送をテレビ等で受信する際に必要なB−CAS(BS−Conditional Access Systems)カードを差し込んで保持するカードホルダが挙げられる。このB−CASカードホルダにおいては、6枚のプリント配線板がスタッキングコネクタを介して接続されている。
【0006】
複数のプリント配線板の組立順序を示すために、各プリント配線板上に順序を示す数字を付記している。しかし、組立作業が人為的に行われるため、過誤が全く起こらないように防止することはできなかった。
【0007】
本発明の目的は、複数のプリント配線板を保持する構造において、プリント配線板の組立順序の過誤を防止することができるカードホルダを備える放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る放送受信装置は、第1プリント配線板と、第1プリント配線板に重ねられた第2プリント配線板と、第1プリント配線板とは反対側で第2プリント配線板に重ねられた第3プリント配線板と、第2プリント配線板とは反対側で第3プリント配線板に重ねられた第4プリント配線板と、第1プリント配線板および第2プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、第1プリント配線板と第2プリント配線板との間に位置される第1部分を含み、第1プリント配線板と第2プリント配線板を電気的に接続する第1コネクタと、第2プリント配線板および第3プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、第2プリント配線板と第3プリント配線板との間に位置されるとともに第1部分とは異なる形状を有した第2部分を含み、第2プリント配線板と第3プリント配線板を電気的に接続する第2コネクタと、第2プリント配線板および第3プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、第3プリント配線板と第4プリント配線板との間に位置されるとともに第1部分および第2部分とは異なる形状を有した第3部分を含み、第3プリント配線板と第4プリント配線板を電気的に接続した第3コネクタと、を有する。
【0009】
また、本発明の一つの形態に係る放送受信装置は、第1プリント配線板と、第1プリント配線板に重ねられた第2プリント配線板と、第1プリント配線板とは反対側で第2プリント配線板に重ねられた第3プリント配線板と、第2プリント配線板とは反対側で第3プリント配線板に重ねられた第4プリント配線板と、第1プリント配線板と第2プリント配線板との間に延びた第1部分を含み、第1プリント配線板と第2プリント配線板を電気的に接続する第1コネクタと、第2プリント配線板と第3プリント配線板との間に延びるとともに第1部分とは異なる形状を有した第2部分を含み、第2プリント配線板と第3プリント配線板を電気的に接続する第2コネクタと、第3プリント配線板と第4プリント配線板との間に延びるとともに第1部分および第2部分とは異なる形状を有した第3部分を含み、第3プリント配線板と第4プリント配線板を電気的に接続した第3コネクタと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、複数のプリント配線板を保持する構造において、プリント配線板の組立順序の過誤を防止することができるカードホルダを備える放送受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係るカードホルダを示す斜視図。
【図2】図1に示すカードホルダの縦方向に沿った断面図。
【図3】図1に示すカードホルダを後部から示した斜視図
【図4】図1に示すカードホルダのベースおよび第6のプリント配線板を示す斜視図。
【図5】図4に示すカードホルダのベースに第1から第5のプリント配線板を取り付けた後に支持部材を取り付ける工程を示した斜視図。
【図6】図5に示すカードホルダの取付け工程の次の工程を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図1から図6を参照して、テレビジョン受像機に用いられるカードホルダ11の実施形態について説明する。このカードホルダ11は、例えば地上波デジタル放送波をテレビジョン受像機等で受信して視聴する際に必要なB−CAS(BS−Conditional Access Systems)カードを差し込んで保持するものである。テレビジョン受像機は、地上波デジタル放送波を受信し、各チャンネルを選局するためのチューナを備えている。また、このカードホルダ11は、テレビジョン受像機の録画装置等に内蔵されており、種類の異なるB−CASカードを最大で6枚同時に差し込んで保持することができる。
【0013】
B−CASカードは、B−CAS方式で暗号化された放送波を視聴可能な形に復号化を行うための鍵情報を格納している。B−CASカードの種類としては、BS・110度CS・地上デジタル共用受信機に対応している「赤カード」、地上デジタル専用受信機に対応している「青カード」、ケーブルテレビ用セットトップボックスに対応している「オレンジカード」等がある。受信機にあわせたカードをカードホルダ11に挿入することで、各種の放送波が視聴できる。
【0014】
まず、図1を用いてカードホルダ11の構造を説明する。図1は、第1の実施形態に係るカードホルダ11を示す斜視図である。
【0015】
カードホルダ11は、第1から第6のプリント配線板12A〜Fにより構成されるプリント配線板ユニット14と、プリント配線板ユニット14の底部および側部を取り囲むベース15と、プリント配線板ユニット14の前部に取り付けられるガイド16と、第1から第6のプリント配線板12A〜Fをベース15に固定するための一対の支持部材17とを備えている。ガイド16の開放部36から差し込み方向Sに沿って、カード32が差し込まれる。
【0016】
次に、図2を用いて、カードホルダ11の内部構造を説明する。図2は、図1に示すカードホルダ11の縦方向に沿った断面図である。
【0017】
図2に示すように、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、それぞれ上面である第1の面27と、下面である第2の面28とを備えている。第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1の面27には、カード32が差し込まれる第1から第6のカードコネクタ33A〜Fと、複数の回路部品34とがそれぞれ実装されている。第1から第6のカードコネクタ33A〜Fは、扁平な薄型の箱形状をなしており、ガイド16に対向している前部を開放している。この第1から第6のカードコネクタ33A〜Fに対して、図1に示すように、カード32が差し込まれる。
【0018】
第1のプリント配線板12Aと第2のプリント配線板12Bとの間には、第1のスタッキングコネクタ13Aが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。また、第2のプリント配線板12Bと第3のプリント配線板12Cとの間には、第2のスタッキングコネクタ13Bが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第3のプリント配線板12Cと第4のプリント配線板12Dとの間には、第3のスタッキングコネクタ13Cが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第4のプリント配線板12Dと第5のプリント配線板12Eとの間には、第4のスタッキングコネクタ13Dが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。第5のプリント配線板12Eと第6のプリント配線板12Fとの間には、第5のスタッキングコネクタ13Eが配置されており、これらを電気的に接続するとともに物理的に固定している。
【0019】
即ち、第1から第6のプリント配線板12A〜Fに設けられる回線は、それぞれの間に配置される第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eにより電気的に接続される。
【0020】
第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eに備えられる端子の数は互いに異なっている。
【0021】
第6のプリント配線板12Fに備えられる回線は、第5から第1のプリント配線板12E〜Aにかけて続いている。同様に、第5のプリント配線板12Eに備えられる回線は、第4から第1のプリント配線板12D〜Aにかけて続いている。このようにして、各プリント配線板に備えられる回線は、その上部に挿入されるプリント配線板に続いている。即ち、第6のプリント配線板12Fから第1のプリント配線板12Aにかけて、順に回線が増えていく。そのため、第1から第6のプリント配線板12A〜Fが順序正しく組み立てられていないと、カードホルダ11は正しく機能することができない。
【0022】
次に、図3を用いて、本発明に係る第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eについて説明する。図3は、図1に示すカードホルダ11を後部から示した斜視図である。
【0023】
図3に示すように、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの幅をW1からW5と定義する。W1からW5にかけて順に長さが小さくなり、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの中に幅が同一のものは存在しない。
【0024】
第1から第5のプリント配線板12A〜Eの第2の面28には、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eのそれぞれに嵌合する凹型コネクタが実装されている。第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eに対応する凹型コネクタが嵌合されることで、各プリント配線板が接続される。従って、カードホルダ11に保持される第1から第6のプリント配線板12A〜Fの順序を入れ替えることが不可能になる。
【0025】
即ち、第1のスタッキングコネクタ13Aは、第1のプリント配線板12A及び第2のプリント配線板12Bの接続にのみに用いられる。第2のスタッキングコネクタ13Bは、第2のプリント配線板12B及び第3のプリント配線板12Cの接続にのみに用いられる。第3のスタッキングコネクタ13Cは、第3のプリント配線板12C及び第4のプリント配線板12Dの接続にのみに用いられる。第4のスタッキングコネクタ13Dは、第4のプリント配線板12D及び第5のプリント配線板12Eの接続にのみに用いられる。
【0026】
第5のスタッキングコネクタ13Eは、第5のプリント配線板12E及び第6のプリント配線板12Fの接続にのみに用いられる。これによって、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの間で位置が入れ替わらないようになっている。
【0027】
第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの外周部の近傍の第2の位置56に配置されている。この第2の位置56は、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの中央部に対して、後述する第1の位置55とは反対側の位置に配置される。即ち、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eを中央部ではなく、外周部の近傍に設けることで、外部から視認しやすくしている。従って、カードホルダ組立時に作業者からスタッキングコネクタが見えやすくなり、スタッキングコネクタを接続する際の作業性が向上する。
【0028】
次に、図4から図6を用いて、カードホルダ11を構成する部品について説明する。まず、図4を用いてベース15の構造について説明する。図4は、図1に示すカードホルダのベースおよび第6のプリント配線板を示す斜視図である。
【0029】
図4に示すように、ベース15は、金属板金で形成されており、「U」字状の断面形状をなしている。ベース15は、底壁15Aと、底壁15Aの対向する一対の辺部からそれぞれ立ち上がった側壁15Bと、側壁15Bの前部上端に設けられた受け片18と、を有している。側壁15Bは、複数の横長の貫通孔21と、複数の方形の開口部22とを有している。受け片18は、後述する取付部38の通孔45に通されたねじを固定するためのねじ穴18Aを有している。
【0030】
また、第2から第6のプリント配線板12B〜Fの第2から第6のカードコネクタ33B〜Fの上側には、図4に示すような小片35がそれぞれ接着されている。小片35は、第1から第5のプリント配線板12A〜Eの外周部の近傍の第1の位置55に設けられている。各カードコネクタ33B〜Fの高さと小片35との高さとを足し合わせた寸法は、スタッキングコネクタ13A〜Eの高さ寸法と略同等になっている。このため、第1から第6のプリント配線板12A〜Fを互いに対向する方向にスタックする際に、スタッキングコネクタ13A〜Eが設けられた位置が高くなるように第1から第5のプリント配線板12A〜Eが傾いてしまうことが防止されている。なお、小片35は隣接するプリント配線板12同士の間にあれば良く、例えば、第1から第5のプリント配線板12A〜Eの第2の面に設けられても良い。また、本実施形態では、小片35が第2から第6のカードコネクタ33B〜Fの上側に設けられているため、第2から第5のプリント配線板12B〜E上に広い実装スペースが確保されている。
【0031】
次に、図5を用いて、支持部材17の構造について説明する。図5は、図4に示すカードホルダのベースに第1から第5のプリント配線板を取り付けた後に支持部材を取り付ける工程を示した斜視図である。
【0032】
図5に示すように、一対の支持部材17は、方形の板状をなしており、第1から第5のプリント配線板12A〜Eに向けて突出した5個の保持爪23をそれぞれ有している。各保持爪23は、断面「U」字状をなしており、第1から第5のプリント配線板12A〜Eを上下から挟んで保持することができる。さらに、各支持部材17は、側壁15Bの複数の開口部22のうちの一部に嵌る4個の爪部24と、側壁15Bの複数の開口部22のうちの一部に嵌る位置決め用の3個のピン25と、側壁15Bの複数の開口部22のうちの1個に嵌りこむフック26と、を有している。一対の支持部材17は、フック26を持ち上げてベース15との間の係合を解除した後に、爪部24が外れる方向にスライドさせることで、ベース15から簡単に取り外すことができる。
【0033】
また、支持部材17は、それぞれ折り曲げ部19を有しており、折り曲げ部19は、第1から第5のプリント配線板12A〜Eの後ろ側の端部に突き当たってこれらの位置決めを行っている。
【0034】
次に、図6を用いて、ガイド16の構造について説明する。図6は、図5に示すカードホルダの取付け工程の次の工程を示した斜視図である。
【0035】
図6に示すように、ガイド16は、第1から第6のプリント配線板12A〜Fとは分離して設けられており、カード32を第1から第6のカードコネクタ33A〜Fの方向に向けて案内することができる。ガイド16は、合成樹脂を一体に成形したもので構成される。ガイド16は、第1から第6のカードコネクタ33A〜Fに対応して、計6個の方形の開放部36を有している。すなわち、ガイド16は、各開放部36の周囲を枠状に規定した本体37と、本体37に隣接して設けられる取付部38と、本体37の下側の端部に設けられるフック部と、第1から第6のカードコネクタ33A〜Fに向けて本体37から突出する第1から第6の突出片42A〜Fと、第1から第5のプリント配線板12A〜Eに当接するように本体37から突出した第1から第5の当接片43A〜Eと、を有している。フック部は、ベース15の底壁15Aに設けられた孔部44に引っ掛かるようになっている。図1に示すように、取付部38は、ねじを通すための通孔45を有しており、通孔45にねじを通すことによって、ガイド16をベース15に対して固定することができる。
【0036】
第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fに向けてそれぞれ一対に突出している。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fの内側にそれぞれ差し込まれており、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1の面27から上方に微小量突出している。この第1の面27から突出した第1から第6の突出片42A〜Fの突出量は、例えば、0.1mm〜0.4mm程度である。
【0037】
第1から第6の突出片42A〜Fは、カード32の差し込み方向Sにおいて、第1から第6の溝部31A〜Fに対して抜き差し可能になっている。第1から第6の突出片42A〜Fは、カード32の下面に当接して、カード32を第1から第6のカードコネクタ33A〜Fに向けて下側から案内することができる。
【0038】
また、第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fをそれらが延びている方向、すなわち水平方向において位置決めすることができる。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fとそれぞれ平行な方向に延びている。第1から第6の突出片42A〜Fは、第1から第5の当接片43A〜Eよりも内側の位置に配置されている。
【0039】
図2に示すように、第1の当接片43Aは、第1のプリント配線板12Aの第1の面27に突き当たっている。第2の当接片43Bは、第2のプリント配線板12Bの第1の面27に突き当たっている。第3の当接片43Cは、第3のプリント配線板12Cの第1の面27に突き当たっている。第4の当接片43Dは、第4のプリント配線板12Dの第1の面27に突き当たっている。第5の当接片43Eは、第5のプリント配線板12Eの第1の面27に突き当たっている。
【0040】
また、図5に示すように、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、ガイド16の第1から第6の突出片42A〜Fがそれぞれ差し込まれる第1から第6の溝部31A〜Fを一対に有している。第1から第6の溝部31A〜Fは、各プリント配線板12A〜Fのガイド16に対向する端部に設けられており、各プリント配線板12A〜Fを厚み方向に貫通している。第1から第6の溝部31A〜Fは、各プリント配線板12A〜Fの端面から第1から第6のカードコネクタ33A〜Fに向かう方向、すなわちカード32の差し込み方向Sに沿ってそれぞれ延びている。
【0041】
第1から第6の溝部31A〜Fは、図4に示すようにガイド16に対向する端部の位置に端近部39をそれぞれ有している。端近部39は、ガイド16の本体37に近づくにつれて拡開したテーパ面を形成している。端近部39によって、後述する第1から第6の突出片42A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fに対する差し込みを円滑に案内することができる。
【0042】
続いて、図4から図6を参照して、本実施形態のカードホルダ11の組立工程について説明する。図4に示すように、まず初めにベース15の底壁15Aに対して第6のプリント配線板12Fをねじ48等で固定する。次に、第5のスタッキングコネクタ13Eを利用して、第6のプリント配線板12Fに第5のプリント配線板12Eを固定する。次に、第4のスタッキングコネクタ13Dを利用して、第5のプリント配線板12Eに第4のプリント配線板12Dを固定する。さらに、第3のスタッキングコネクタ13Cを利用して、第4のプリント配線板12Dに第3のプリント配線板12Cを固定する。さらに、第2のスタッキングコネクタ13Bを利用して、第3のプリント配線板12Cに第2のプリント配線板12Bを固定する。そして、第1のスタッキングコネクタ13Aを利用して、第2のプリント配線板12Bに第1のプリント配線板12Aを固定する。この状態では、各スタッキングコネクタ13A〜Eによって、第1から第6のプリント配線板12A〜Fが仮固定された状態となる。
【0043】
本実施の形態においては、スタッキングコネクタ13A〜Eは、幅W1〜5が順に短くなるように設けられている。そのため、各スタッキングコネクタ13A〜Eを利用することが可能な第1から第6のプリント配線板12A〜Fは1対に決定されるため、順序を入れ替えることが出来ない。
【0044】
そして、ベース15の一方の側壁15Bおよび第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対して、1つ目の支持部材17を装着する。続いて、ベース15の他方の側壁15Bおよび第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対して、2つ目の支持部材17を装着する。これら支持部材17の装着は、図5に示すように、まず、ベース15の側壁15Bに近づける方向D1に支持部材17を接近させ、各保持爪23を貫通孔21に通し、爪部24、位置決めピン25、フック26をそれぞれ各開口部22に通すようにする。続いて、支持部材17を前方に向かう方向D2に沿って移動させ、各爪部24を貫通孔21の周囲の縁部に引っ掛ける。これによって、フック26が貫通孔21の内側に落ち込んで、ロック状態となる。また、第1から第6のプリント配線板12A〜Fは、支持部材17の各保持爪23によってそれぞれ両側から保持される。
【0045】
図6に示すように、ガイド16をカード32の差し込み方向Sに沿って移動させ、ベース15および第1から第6のプリント配線板12A〜Fに対してガイド16を固定する。
【0046】
このとき、ガイド16の第1から第6の突出片42A〜Fは、それぞれ第1から第6のプリント配線板12A〜Fの第1から第6の溝部31A〜Fの内側に入り込む。また、ガイド16の第1から第5の当接片43A〜Eは、それぞれ第1から第5のプリント配線板 12A〜Eの第1の面27に当接する。また、ガイド16の取付部38に設けられた固定孔46に対して、ベース15の側壁15Bから突出した位置決めリブ47が差し込まれて、図1に示す状態になる。図1に示す状態では、フック部は、孔部44の内側に嵌り込んでロック状態となる。この状態で取付部38の通孔45、および受け片18のねじ穴18Aに対してねじを固定して、カードホルダ11の組立工程が完了する。
【0047】
以上のように構成される本実施の形態に係るカードホルダ11によれば、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの幅W1〜5を異ならせることで、カードホルダ11に挿入される第1から第6のプリント配線板12A〜Fの組立順序の過誤を防止することができる。
【0048】
即ち、カード32を差し込むための第1から第6のカードコネクタ33A〜Fが実装された第1から第6のプリント配線板12A〜Fを正しく配置することができる。従って、複数の種類のカード32を差し込むカードホルダ11において、各カード32に対応する第1から第6のカードコネクタ33A〜Fが正しく配置され、カードホルダの製造における信頼性が向上する。
【0049】
また、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの設置位置を変えることなく形状を変化させるのみであるので、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの配置スペースをプリント配線板上に新たに設けることが不要である。従って、カードホルダの大型化を招くことなく、より簡便に第1から第6のプリント配線板12A〜Fの組立順序の過誤を防止することができる。
【0050】
また、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eを第1から第6のプリント配線板12A〜Fの外周部の近傍の第2の位置56に配置することで、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eを見やすくしている。従って、接続が容易になり作業効率が向上するとともに、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの幅W1〜5の変化を確認しながら組み立てることができる。
【0051】
尚、本実施の形態においては、第1のスタッキングコネクタ13Aから第5のスタッキングコネクタ13Eにいくにつれて、順に幅W1〜5が短くなる構造を説明したが、これに限定されることはない。即ち、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの形状が互いに異なり、接続可能な1対のプリント配線板を決定できれば良い。組立時の作業効率の観点からは、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの組立順序がわかりやすくするために、第1から第5のスタッキングコネクタ13A〜Eの形状を順に変化させることがより望ましい。また、第1から第6のプリント配線板12A〜Fの表面に組立順序を示す番号を付記し、組立順序の過誤を更に抑制するとしても良い。
【0052】
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0053】
11 カードホルダ
12A〜F 第1から第6のプリント配線板
13A〜E 第1から第5のスタッキングコネクタ
14 プリント配線板ユニット
15 ベース
15A 底壁
15B 側壁
16 ガイド
17 支持部材
18 受け片
18A ねじ穴
19 折り曲げ部
21 貫通孔
22 開口部
23 保持爪
24 爪部
25 ピン
26 フック
27 第1の面
28 第2の面
31A〜F 第1から第6の溝部
32 カード
33A〜F 第1から第6のカードコネクタ
34 回路部品
35 小片
36 開放部
37 本体
38 取付部
39 端近部
42A〜F 第1から第6の突出片
43A〜E 第1から第5の当接片
44 孔部
45 通孔
46 固定孔
47 リブ
48 ねじ
S 差し込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プリント配線板と、
前記第1プリント配線板に重ねられた第2プリント配線板と、
前記第1プリント配線板とは反対側で前記第2プリント配線板に重ねられた第3プリント配線板と、
前記第2プリント配線板とは反対側で前記第3プリント配線板に重ねられた第4プリント配線板と、
前記第1プリント配線板および前記第2プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板との間に位置される第1部分を含み、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板を電気的に接続する第1コネクタと、
前記第2プリント配線板および前記第3プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、前記第2プリント配線板と前記第3プリント配線板との間に位置されるとともに前記第1部分とは異なる形状を有した第2部分を含み、前記第2プリント配線板と前記第3プリント配線板を電気的に接続する第2コネクタと、
前記第2プリント配線板および前記第3プリント配線板の何れか少なくとも一方の端部に設けられ、前記第3プリント配線板と前記第4プリント配線板との間に位置されるとともに前記第1部分および前記第2部分とは異なる形状を有した第3部分を含み、前記第3プリント配線板と前記第4プリント配線板を電気的に接続した第3コネクタと、
を有した放送受信装置。
【請求項2】
第1プリント配線板と、
前記第1プリント配線板に重ねられた第2プリント配線板と、
前記第1プリント配線板とは反対側で前記第2プリント配線板に重ねられた第3プリント配線板と、
前記第2プリント配線板とは反対側で前記第3プリント配線板に重ねられた第4プリント配線板と、
前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板との間に延びた第1部分を含み、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板を電気的に接続する第1コネクタと、
前記第2プリント配線板と前記第3プリント配線板との間に延びるとともに前記第1部分とは異なる形状を有した第2部分を含み、前記第2プリント配線板と前記第3プリント配線板を電気的に接続する第2コネクタと、
前記第3プリント配線板と前記第4プリント配線板との間に延びるとともに前記第1部分および前記第2部分とは異なる形状を有した第3部分を含み、前記第3プリント配線板と前記第4プリント配線板を電気的に接続した第3コネクタと、
を有した放送受信装置。
【請求項3】
前記第1乃至第3コネクタは、前記第1コネクタから前記第3コネクタにかけて、順に幅が広くなるように設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記第2コネクタは、前記第1プリント配線板、前記第2プリント配線板及び前記第3プリント配線板との間で信号を伝送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記第1乃至第4プリント配線板は、カードを着脱するためのカードコネクタをそれぞれ有し、
前記カードコネクタに着脱されるカードの種類が前記カードコネクタ毎に異なることを特徴とする請求項4に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記カードは、放送波の復号化を行うための鍵情報を有することを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記放送波を受信するチューナをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−103485(P2011−103485A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13684(P2011−13684)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【分割の表示】特願2009−209087(P2009−209087)の分割
【原出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】