説明

放送機器

【課題】従来の放送機器は電波の受信状態や放送機器の状態を監視することが必要ない場合であっても、運用状態によっては24時間連続通電となっており、上記放送機器の表示パネルのLEDやLCDが点灯したままとなっていた。装置の省電力化は昨今の重要課題であり、電波の受信状態や放送機器の状態の監視が不要のときは、FPUなどの表示パネル上のLEDやLCDを消灯させ、放送機器の省電力を図ることが望まれていた。
【解決手段】放送設備に使用され、表示パネルに電波の送/受信状態、あるいは放送機器の動作状態を表示する表示器(LED4、11〜13、15、17、LCD10)を備えた放送機器1であって、放送機器1の近傍に存在する人を検知する人感センサ23と、人感センサ23が人の存在を検知したとき、表示パネル基板20に備わる上記表示器の点灯状態を制御する表示器点灯状態制御手段を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送機器に係り、特に放送機器の省電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送においては、ニュース報道やマラソン中継など中継現場から放送局にテレビジョン信号を伝送するために、FPU(Field Pickup Unit)と呼ばれる可搬型の中継装置やTSL(Transmitter
Studio Link)と呼ばれる伝送装置が用いられている。中継車などに搭載されたFPU送信機から送信された電波は山頂や高層ビルの屋上などに設置されているFPU基地局のFPU受信機で受信され、FPU基地局からはTSL装置と呼ばれる固定回線を使って、放送局まで伝送されるのが一般的である。
【0003】
FPUは、図6に示したように、FPU送信機110の送信制御部111と送信高周波部112、送信アンテナ113、受信アンテナ121、及びFPU受信機120の受信高周波部122と受信制御部123で構成されるのが一般的であり、送信制御部111と送信高周波部112とを一体化し小型化した一体化送信装置も用いられる。
【0004】
中継現場においてビデオカメラやマイクロフォンで収録した映像信号や音声信号は、FPU送信機110の送信制御部111に入力される。送信制御部111は所定の変調方式で映像信号や音声信号を変調し、IF(Intermediate
Frequency)信号(中間周波数信号)に周波数変換する。送信高周波部112は、送信制御部111からのIF信号をRF(Radio Frequency)信号(無線周波数信号)に周波数変換し、電力増幅して送信アンテナ113により電波として送信する。
【0005】
受信アンテナ121で受信されたRF信号は、FPU受信機120の受信高周波部122で低雑音増幅、受信レベル制御を行い、IF信号に周波数変換する。受信制御部123は受信高周波部122からのIF信号を所定の復調方式で復調することにより得られた映像信号や音声信号を出力する。
【0006】
上記送信制御部111と受信制御部123の表示パネルには、各種の状態を表示するLED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid
Cristal Display:液晶表示器)などが備わっている。例えば、特許文献1に記載のように、送信制御部111の表示パネルにはLEDやLCDが備わり、伝送ビットレート、変調方式、使用するチャネルなどが設定状態やスイッチ切換状態に応じて表示され、また、受信制御部123にもLEDやLCDが備わり、伝送ビットレート、復調方式、使用するチャネルなどが設定状態やスイッチ切換状態、あるいは受信状態に応じて表示される。
また、受信基地局では電波の受信状態を監視し、受信電波から反射波の混入状態、BER(Bit Error Rate)、電界強度、遅延プロファイル波形などの状態信号を生成して、受信制御部123の表示パネルのLCDなどに表示したり、あるいは放送局に信号伝送して遠隔監視制御装置のLCDなどに表示し、受信アンテナ121あるいは送信アンテナ113の方向調整、チャネルの切り換え、あるいは変調方式の切り換えなどを行うために用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−254130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術におけるFPUや遠隔監視制御装置などは、常時、電源基板から通電状態にあり、電波の受信状態や放送機器の状態を監視することが必要ない場合であっても、運用状態によっては24時間連続通電となっており、上記放送機器の表示パネルのLEDやLCDが点灯したままとなっていた。具体的にFPU送信機の送信制御部111の例を図7に示すと、表示パネル基板30にはCPU基板22と電源基板21が接続され、表示パネル基板30には複数個の警告表示LED11、各モードの設定状態を示す複数個の設定モードLED12、レベルを数値表示する複数個の数値表示LED13、LCD10の表示内容を切り換えるLCD表示切換ボタンの動作状態を示す複数個の動作表示LED15、操作部の操作モード切換ボタンの動作状態を表示する複数個の動作表示LED17、電源スイッチの切換状態を示す電源表示用LED4などのLEDを備え、また、これらLEDでは表示し切れない詳細内容などを映像で表示するLCD10を備えている。従来技術では、上記のように、放送機器の監視が不要なとき省電力化がされておらず、監視が必要ない場合であっても表示パネル基板30には電源基板21からの電力が連続通電となっており、無駄な電力が消費されていた。上記FPUに限らず、装置の省電力化は昨今の重要課題であり、電波の受信状態や放送機器の状態の監視が不要のときは、FPUなどの表示パネル上のLEDやLCDを消灯させ、放送機器の省電力を図ることが望まれていた。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、上記課題を解決した放送機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の放送機器は、放送設備に使用され、表示パネルに電波の送/受信状態、あるいは放送機器の動作状態を表示する表示器を備えた放送機器であって、前記放送機器の近傍に存在する人を検知する人物検知手段と、前記人物検知手段が人の存在を検知したとき、前記表示パネルに備わる前記表示器の点灯状態を制御する表示器点灯状態制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電波の送/受信状態、あるいは放送機器の動作状態を監視する必要があるときのみ放送機器の表示パネル上のLEDやLCDなどの表示器を点灯させることができるので、省電力を図ることができると共に、必要な電波の受信状態や放送機器の動作状態を監視することができる。
また、放送機器の表示パネル上のLEDやLCDなどの表示器が点灯しているときは、監視が必要であることがオペレータに認識されるので、従来のように漫然と表示パネル上のLEDやLCDなどを見ているよりも、より監視に注力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の、FPU送信機の送信制御部の表示パネルを示す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の、FPU送信機の送信制御部の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態の、FPU送信機の送信制御部の動作フローを示す図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の、FPU送信機の送信制御部の構成を示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の、FPU送信機の送信制御部の動作フローを示す図である。
【図6】従来技術の、FPU送受信機のシステム構成を示す図である。
【図7】従来技術の、FPU送信機の送信制御部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
次に、本発明を実施するための第1の実施形態を、図1〜3を参照して具体的に説明する。
本発明による第1の実施形態は、放送機器の近傍に人(オペレータなど)がいるとき、この人の存在を人感センサで感知して放送機器の表示パネル上に備わるLEDやLCDを点灯状態にし、監視が必要なく誰も人がいないときはLEDやLCDを消灯状態にして省電力化するものである。
まず、本発明の省電力化の対象となる放送機器としてFPU送信機の送信制御部を例に取って説明することにする。
【0013】
図1は本発明の対象となる放送機器の一例である可搬型FPU送信機で、送信制御部1(従来の送信制御部111に対応する)を示している。
図1は、送信制御部1の表示パネル面を正面から見たものである。送信制御部1の正面部には表示パネル2があり、各種操作スイッチ、各種状態を表示する表示器であるLED、映像表示器であるLCDなどが備わっている。また、23はオペレータの存在を検知する人感センサである。なお、人感センサ23は送信制御部1に対し外付けとして、人を検知した検知信号を送信制御部1に入力するように構成することもできる。
【0014】
送信制御部1の操作部は、電源スイッチ3(電源スイッチ3と連動して点灯する電源表示用LED4が電源スイッチ3の上側に備わっている)、チャネル設定スイッチ5、変調方式設定スイッチ6、プリセットスイッチ7、送信出力切換スイッチ8、操作モード切換ボタン16、データ入力キー9などで構成される。操作モード切換ボタン16には、ボタンの中央にそのボタンが操作されて動作中であることを示す動作表示LED17が備わっている。
チャネル設定スイッチ5は伝送する周波数チャネルを設定し、変調方式設定スイッチ6はQAM、OFDMなどの変調方式を設定し、プリセットスイッチ7は伝送する映像信号及び音声信号の信号フォーマットや伝送レートを設定し、送信出力切換スイッチ8は送信電力を設定する。複数のキーで構成されるデータ入力キー9は、LCD10に表示された操作画面に従ってデータを入力するための操作キーである。
【0015】
また、アラーム・異常を機器内部で検知した場合、警告表示する警告表示LED11が表示パネル2に備わっている。この警告表示LED11に対応するアラーム詳細内容をLCD10で表示することも行われる。また、各種動作状態や設定状態を表示するため、設定モード表示LED12、数値表示LED13を備える。また、LCD10に表示する内容を切り換えるLCD表示切換ボタン14が複数個備わり、LCD表示切換ボタン14には、ボタンの中央にそのボタンが操作されて動作中であることを示す動作表示LED15が備わっている。
【0016】
上記のように、送信制御部1の表示パネル2には各種のLED、映像表示器であるLCDが備わり、オペレータはこれらLEDの点灯状態、LCDに表示された映像を監視して、必要な処置を行うようになっている。
【0017】
図2は、省電力を達成するための制御回路構成を示したものである。
図2において、20は送信制御部1の表示パネル基板であり、各種スイッチ類、複数のLED、LCD、及びこれらLED、LCDの点灯状態を制御する制御回路などが搭載されている。また、21は表示パネル基板20に電源を供給する電源基板である。また、22はFPU送信機の送信制御部1全体を制御しているマイクロコンピュータ(CPU、記憶手段(ROM、RAM)、その他周辺回路で構成されている)が搭載されたCPU基板である。また、23は人感センサである。
【0018】
人感センサ23の検知信号は信号線などによりCPU基板22に入力されている。CPU基板22に備わるマイクロコンピュータは、人感センサ23からの検知信号に応じて表示パネル基板20にLED、LCDの制御信号を送る。そして、表示パネル基板20の制御回路はCPU基板22からの制御信号を受けてLED、LCDの点灯状態を制御する。
【0019】
LED、LCDの点灯状態を制御する制御回路は、具体的にはCPU基板22から電源をOFFする制御信号を受けてLEDやLCDの電源を遮断するように動作するスイッチ回路で構成される。この場合、LCDについては、LCDの電源を遮断する代わりに、CPU基板22から電源をOFFする制御信号を受けてLCDの輝度を低下するように動作する制御回路としても良い。
【0020】
図3は、本実施形態の人感センサ23を使った送信制御部1の動作フローチャートを示したものである。この動作処理は、CPU基板22に搭載された記憶手段に記憶されたプログラムをCPU基板22に搭載されたマイクロコンピュータが実行することにより実現する。
【0021】
(ステップS1)
まず、FPU送信機の送信制御部1の電源スイッチ3がONされるとLED/LCD制御機能がスタートする。
【0022】
(ステップS2)
次に、ステップS2において、人感センサ23が人を検知したか否かがチェックされる。
(ステップS3)
人感センサ23が人を検知していないとき(ステップS2のNO)、CPU基板22から表示パネル基板20に警告表示LED11、設定モード表示LED12、数値表示LED13、動作表示LED15、17とLCD10をOFFするOFF指令信号が出力される。表示パネル基板20に搭載された制御回路はCPU基板22からのOFF指令信号を受けて、電源基板21からのLEDとLCD用電力を遮断して消灯する。この場合、LEDについては、すべてのLEDを消灯しても良いが、全てのLEDを消灯するのではなく、電源表示用LED4だけは点灯しておき、FPU送信機の送信制御部1が省電力状態にあることを示すようにしておくと良い。更に、電源表示用LED4の発光色が変わるようにしておけば省電力状態にあることが認識しやすい。また、LCD10に対して輝度を下げて供給電力を低減するように制御するようにしても良い。
【0023】
(ステップS4)
一方、人感センサ23が人を検知したとき(ステップS2のYES)は、表示パネル基板20の制御回路はCPU基板22からの制御信号を受けて、電源基板21からの電力により表示パネル基板20上のLED、LCDを点灯し、オペレータが受信状況や機器状態を監視可能にする。
【0024】
本実施の形態によれば、FPU送信機の送信制御部1の前に人がいないとき表示パネル基板20上のLEDとLCDが消灯され、あるいはLCDの輝度が下げられて省電力化を図ることができる。また、FPU送信機の送信制御部1の前に人がいるときは、表示パネル基板20上のLEDとLCDが点灯するので、受信状況や機器状態を監視し、必要な処置を講ずることができる。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、本発明を実施するための第2の実施形態を、図4〜図6を参照して具体的に説明する。
本発明による第2の実施形態は、放送機器であるFPU送信機の送信制御部31(従来の送信制御部111に対応する)の近傍に担当オペレータがいてFPU送信機の送信制御部31を監視しているとき、この担当オペレータの存在をRFID(Radio
Frequency IDentification)リーダ32、RFIDタグ33で感知してFPU送信機の送信制御部31の表示パネル基板20に搭載されたLEDやLCDを点灯状態にし、監視が必要なく担当オペレータが席を外しているときはこれら警告表示LED11、設定モードLED、数値表示LED13、動作表示LED15、17やLCD10を消灯状態にして省電力化するものである。第1の実施形態では、単に人の存在を検知してLEDやLCDの点灯状態を制御したが、人を感知しても担当オペレータかどうかは不明である。そこで本実施形態では担当オペレータを識別して、担当オペレータ以外の人がいてもLEDやLCDを点灯しないようにし、より省電力の効率を向上するようにしたものである。
【0026】
図4は、本発明による第2の実施形態の制御構成を示したものである。本実施の形態は第1の実施形態に対し、人感センサ23をRFIDリーダ32とRFIDタグ33に置き換えたものである。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0027】
RFIDリーダ32とRFIDタグ33を用いたRFIDシステムは、近年、通信距離が数mのRFIDシステムも実用化されているので、これら公知のRFIDシステムを使用することができる。RFIDタグ33としては、担当オペレータのネームプレートなどに組み込んで利用することができる。RFIDリーダ32はFPU送信機の送信制御部31に組み込むことができ、あるいはオペレータルームの入口に入退室ゲートとして設けるなどFPU送信機の送信制御部31の外部に設けることもできる。
【0028】
RFIDタグ33には担当オペレータの識別コードが記憶されており、RFIDリーダ32はこの識別コードを読み取ることにより担当オペレータが放送機器の近傍にいることを検知する。この検知信号はCPU基板22に送られ、上記第1の実施形態と同様に警告表示LED11、設定モード表示LED12、数値表示LED13、動作表示LED15、17やLCD10の点灯状態を制御する。
【0029】
図5は、RFIDリーダ32とRFIDタグ33を使った本実施形態の動作フローチャートを示したものである。この動作処理は、CPU基板22に搭載された記憶手段に記憶されたプログラムをCPU基板22に搭載されたマイクロコンピュータが実行することにより実現する。
【0030】
(ステップS11)
まず、送信制御部31の電源スイッチ4がONされるとLED/LCD制御機能がスタートする。
【0031】
(ステップS12)
次に、ステップS12において、RFIDリーダ32がRFIDタグ33からの担当オペレータの識別コードを検知したか否かがチェックされる。
【0032】
(ステップS13)
RFIDリーダ32が担当オペレータの識別コードを検知していないとき(ステップS12のNO)、CPU基板22から表示パネル基板20にLEDとLCDをOFFするOFF指令信号が出力される。表示パネル基板20の制御回路はCPU基板22からのOFF指令信号を受けて、電源基板21からの警告表示LED11、設定モード表示LED12、数値表示LED13、動作表示LED15、17とLCD10の電力を遮断して消灯する。この場合、表示パネル基板20の制御回路は、LCD10に対して輝度を下げて供給電力を低減するように制御するようにしても良い。また、LEDについては、すべてのLEDを消灯するのではなく、電源表示用LEDだけは点灯しておき、送信制御部31が省電力状態にあることを示すようにしても良い。更に、電源表示用LED4の発光色が変わるようにしておけば省電力状態にあることが認識しやすい。また、LCD10に対して輝度を下げて供給電力を低減するように制御するようにしても良い。
【0033】
(ステップS14)
一方、RFIDリーダ32が担当オペレータの識別コードを検知したとき(ステップS12のYES)は、表示パネル基板20の制御回路はCPU基板22からのLED、LCDをONするON指令信号を受けて、電源基板21からの電力により表示パネル基板20上の警告表示LED11、設定モード表示LED12、数値表示LED13、動作表示LED15、17とLCD10を点灯し、オペレータが受信状況や機器状態を監視可能にする。この場合、電源表示用LED4も正常表示に復帰する。
【0034】
本実施の形態によれば、担当オペレータが不在のとき、送信制御部31の表示パネル基板20上のLEDとLCDが消灯され、あるいはLCDの輝度が下げられて省電力化を図ることができる。また、担当オペレータが在席しているときは、送信制御部31の表示パネル基板20上のLEDとLCDが点灯するので、受信状況や機器状態を監視し、必要な処置を講ずることができる。
【0035】
(第3の実施形態)
本実施形態は、人がFPU送信機の送信制御部1の近傍にいることを人感センサが感知し、且つFPU送信機の送信制御部1が送信状態にあるときに表示パネル基板20上のLED、LCDを点灯し、FPU送信機の送信制御部1が送受信状態にないか、あるいは人がFPU送信機の送信制御部1の近傍にいなときに表示パネル基板20上のLED、LCDを消灯するようにしたものである。その他は第1の実施形態と同様である。
この場合、人感センサの代わりに、第2の実施形態で使用するRFIDリーダ32とRFIDタグ33を使用して担当オペレータを検知しても良い。
また、FPU機器がFPU受信機の場合は、人が近傍に存在し且つ受信状態にあるときに表示パネル基板上のLED、LCDを点灯し、受信信状態にないか、あるいは人が近傍にいなときに表示パネル基板上のLED、LCDを消灯するようにしてもよい。
【0036】
本実施形態では、FPU送信機の送信制御部1に送信電力を検知する送信電力検知手段を設け、更に、送信電力検知手段が送信電力を検知しているとき人感センサ23の検知信号、あるいはRFIDリーダ32からの検知信号を有効な検知信号として取り込むANDゲート回路を設け、このANDゲート回路の出力信号により表示パネル基板20上のLED、LCDを点灯状態に制御するようにすれば良い(FPU機器がFPU受信機の場合は受信電力検知手段を設け、同様に実施できる)。
【0037】
この場合の動作処理は図3、図5の動作フローチャートにおいて、ステップS1とステップS2の間、あるいはステップS11とステップS12の間に、上記送信電力検知手段による人感センサ23の検知信号の遮断手段(上記ANDゲート回路)、あるいはRFIDリーダ32の検知信号の遮断手段(上記ANDゲート回路)による信号制御のステップ処理を設け、上記送信電力検知手段が送信電力を検知していないときは人感センサ23の検知信号を遮断するか、あるいはRFIDリーダ32の検知信号を遮断する。それ以外は図3、図5の動作フローチャートと同様に実施できるので、詳細な動作説明は省略する。
【0038】
このようにすると、送信電力検知手段が送信電力を検知していないときは、人感センサ23やRFIDリーダ32の検知信号の有無によらずLEDやLCDは消灯する。これにより、送信制御部の近傍にオペレータがいても監視の必要のない無送信状態のときはLEDやLCDが点灯しないようにできるので、より省電力を図ることができる。
【0039】
以上の実施態様の特徴を纏めると次のようになる。
(1)上記放送機器は、放送設備に使用され、表示パネルに電波の送/受信状態、あるいは放送機器の動作状態を表示する表示器を備えた放送機器であって、前記放送機器の近傍に存在する人を検知する人物検知手段と、前記人物検知手段が人の存在を検知したとき、前記表示パネルに備わる前記表示器の点灯状態を制御する表示器点灯状態制御手段を備えたことを特徴とする。
(2)また、上記放送機器は、表示器がLED又はLCDであることを特徴とする。
(3)また、上記放送機器は、人物検知手段が人感センサ又はRFIDリーダ/タグであることを特徴とする。
(4)また、上記放送機器は、人物検知手段が人を検知していないとき、表示器点灯状態制御手段が表示器を消灯させることを特徴とする。
(5)また、上記放送機器は、人物検知手段が人を検知していないとき、表示器点灯状態制御手段がLCDの輝度を低下させることを特徴とする。
(6)また、上記放送機器は、表示器点灯状態制御手段が送信電力検知手段を備え、送信電力検知手段が送信電力を検知し且つ人物検知手段が人を検知したとき、表示器点灯状態制御手段が表示器を点灯させることを特徴とする。
(7)また、上記放送機器は、表示器点灯状態制御手段が受信電力検知手段を備え、受信電力検知手段が受信電力を検知し且つ人物検知手段が人を検知したとき、表示器点灯状態制御手段が表示器を点灯させることを特徴とする。
(8)また、上記放送機器は、FPU機器であることを特徴とする。
【0040】
以上の実施の形態で本発明を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、人を検知する人物検知手段として人感センサやRFIDリーダ/タグの例を挙げたが、人の存在を検知することができれば人物検知手段としては上記例に限定されない。また、放送機器としてFPUの送信制御部の例をあげて具体的に説明したが、これに限定されず、受信制御部、送信高周波部、受信高周波部、遠隔監視制御装置、その他の放送機器に同様に適用できる。また、上記実施形態で説明した表示器としてのLEDやLCDの種類、数、配置などは例示であって、これら例に限定されない。また、LED、LCDの一方のみ備えている放送機器であっても本発明を適用することができる。また、LEDの代わりに白熱豆電球などを使用したものであっても良い。また、LCDの代わりに有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどの映像表示器を使用したものであっても良い。
【符号の説明】
【0041】
1・・・送信制御部
2・・・表示パネル
3・・・電源スイッチ
4・・・電源表示用LED
5・・・チャネル設定スイッチ
6・・・変調方式設定スイッチ
7・・・プリセットスイッチ
8・・・送信出力切換スイッチ
9・・・データ入力キー
10・・・LCD(Liquid Cristal Display:液晶表示器)
11・・・警告表示LED
12・・・設定モード表示LED
13・・・数値表示LED
14・・・LCD表示切換ボタン
15・・・動作表示LED
16・・・操作モード切換ボタン
17・・・動作表示LED
20・・・表示パネル基板
21・・・電源基板
22・・・CPU基板
23・・・人感センサ
30・・・表示パネル基板
31・・・送信制御部
32・・・RFID(Radio Frequency IDentification)リーダ
33・・・RFID(Radio Frequency IDentification)タグ
110・・・FPU(Field Pickup Unit)送信機
111・・・送信制御部
112・・・送信高周波部
113・・・送信アンテナ
120・・・FPU(Field Pickup Unit)受信機
121・・・受信アンテナ
122・・・受信高周波部
123・・・受信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送設備に使用され、表示パネルに電波の送/受信状態、あるいは放送機器の動作状態を表示する表示器を備えた放送機器であって、
前記放送機器の近傍に存在する人を検知する人物検知手段と、
前記人物検知手段が人の存在を検知したとき、前記表示パネルに備わる前記表示器の点灯状態を制御する表示器点灯状態制御手段を備えたことを特徴とする放送機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−273184(P2010−273184A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124154(P2009−124154)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】