説明

放送通信連携受信装置

【課題】起動中の複数のアプリケーションを1つの指示で終了させることが可能な放送通信連携受信装置を提供する。
【解決手段】放送通信連携受信装置400は、通信回線を介して編成チャンネルに紐付かないアプリケーションのアプリケーション起動情報を取得するチャンネル非連動情報取得手段406aと、通信回線を介して編成チャンネルに紐付いたアプリケーションのアプリケーション起動情報を取得するチャンネル非連動情報取得手段406bと、アプリケーション起動情報の制御コードに応じてアプリケーションを起動または終了させる起動制御手段409aおよび終了制御手段409bと、を備え、終了制御手段409bは、制御コードですべてのアプリケーションを終了させる旨が指示された場合、現在起動しているすべてのアプリケーションを終了させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送と通信とを連携して、アプリケーションの起動を制御する放送通信連携受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の放送のデジタル化と通信のブロードバンド化の進展に伴い、欧州のHbbTV(Hybrid Broadcast Broadband TV:ハイブリッドブロードキャストブロードバンドテレビ)をはじめとする放送通信連携サービスの実現に向けた研究開発が行われている。
【0003】
このような従来の放送通信連携サービスを実現する技術において、放送局から送信する放送波(放送信号)によって、受信装置で動作するアプリケーションの起動を制御する技術が知られている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特に、非特許文献1に記載の技術では、アプリケーション情報テーブル(AIT:Application Information Table)を、放送番組を構成するエレメンタリストリーム(ES:Elementary Stream)としてセクション形式で放送TS(Transport Stream)に多重化して、受信装置に伝送する。ここで、AITは、アプリケーションを特定するとともに、アプリケーションを制御するための付加的な情報を含んだデータである。
【0004】
一方、受信装置では、受信した放送波(放送信号)からAITを分離抽出し、AITで特定されるアプリケーションに対して、AITに記述されている起動(AUTOSTART)、終了(KILL)等の制御情報(制御コード)に基づいて、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)の遷移を制御する。
このように、従来の技術では、デジタル放送の送信装置において、AITのESを放送TSに多重化し、イベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)でアプリケーションを告知することで、受信装置において、放送番組や編成チャンネルに紐付いたアプリケーションの起動制御を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−166335号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】(社)電波産業会、“デジタル放送におけるアプリケーション実行環境 標準規格 ARIB STD−B23 1.2版”、平成21年7月29日、p.39〜54
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の技術では、AITをESとして放送TSに多重化しなければならないため、放送局側の既存の多重化装置をそのまま利用することができず、AITを多重化するための構成を多重化装置に付加するための大規模な改修を行う必要がある。また、例えば、運用でESの数が制限されている場合、AITをESとして追加することは困難であるという問題もある。
【0008】
また、従来の技術では、AITは、アプリケーションを特定して起動制御を行うものであるため、例えば、放送局から緊急放送を送信する場合、個々のアプリケーションに対して、AITの制御コードによってアプリケーションを終了させる必要があり、緊急放送を画面に表示させる時間的ロスが大きいという問題がある。
また、従来の技術において、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションについては、放送局側が認識することができないため、放送局側からアプリケーションを終了させることができず、緊急放送の画面提示を適切に行うことができないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、既存の多重化装置を大規模に改修することなく、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションの起動を制御するとともに、編成チャンネルに紐付かないアプリケーションであっても放送局側から終了させることが可能な放送通信連携受信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、請求項1に記載の放送通信連携受信装置は、放送受信手段と通信送受信手段とを備え、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションおよび紐付かないアプリケーションの起動を制御する放送通信連携受信装置であって、チャンネル連動情報取得手段と、チャンネル非連動情報取得手段と、アプリケーション起動情報記憶手段と、アプリケーション取得手段と、アプリケーション実行手段と、起動制御手段と、起動アプリケーション識別情報記憶手段と、終了制御手段と、リスト表示手段と、リスト選択手段と、を備える構成とした。
【0011】
かかる構成において、放送通信連携受信装置は、チャンネル連動情報取得手段によって、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションの起動を制御する情報であって、アプリケーションを紐付かせる編成チャンネルを特定する情報と当該アプリケーションの所在を特定するアドレスと当該アプリケーションの起動を制御する制御コードとを含んだアプリケーション起動情報を、通信送受信手段を介して取得する。このとき、アプリケーション起動情報には、編成チャンネルを特定する情報が含まれているため、通信によって、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションが通知されることになる。
【0012】
また、放送通信連携受信装置は、チャンネル非連動情報取得手段によって、通信送受信手段を介して、編成チャンネルに紐付かないアプリケーションに対応するアプリケーション起動情報を取得する。そして、放送通信連携受信装置は、アプリケーション起動情報記憶手段に、アプリケーション起動情報を記憶する。
【0013】
そして、放送通信連携受信装置は、起動制御手段によって、アプリケーション起動情報記憶手段に記憶されたアプリケーション起動情報において、制御コードで起動が指示されたアプリケーションを、アプリケーション取得手段によりアプリケーション起動情報に記述されたアドレスから取得させ、アプリケーション実行手段により起動する。そして、放送通信連携受信装置は、起動アプリケーション識別情報記憶手段に、起動したアプリケーションの識別情報を記憶する。
そして、放送通信連携受信装置は、終了制御手段によって、制御コードで終了が指示されたアプリケーションを、アプリケーション実行手段により終了させる。
【0014】
また、放送通信連携受信装置は、リスト表示手段によって、アプリケーション起動情報記憶手段に記憶されているアプリケーション起動情報の制御コードで起動可能状態のアプリケーションをリストとして表示する。これによって、放送通信連携受信装置は、現在の編成チャンネルに紐付いて起動可能なアプリケーションや、編成チャンネルに紐付いていないが起動可能なアプリケーションの候補をリストとしてユーザに提示することができる。
そして、放送通信連携受信装置は、リスト選択手段によって、リストで選択されたアプリケーションの起動を、起動制御手段に指示する。これによって、放送通信連携受信装置は、起動可能なアプリケーションの中から、ユーザの指示によって選択されたアプリケーションを起動させることができる。
【0015】
また、放送通信連携受信装置は、終了制御手段によって、アプリケーション起動情報の制御コードですべてのアプリケーションを終了させる旨が指示された場合、起動アプリケーション識別情報記憶手段を参照して、現在起動しているすべてのアプリケーションを、アプリケーション実行手段により終了させる。
これによって、放送通信連携受信装置は、すべてのアプリケーションを終了させる旨のアプリケーション起動情報を通知されることで、編成チャンネルに紐付いているか否かに関わらず、アプリケーションを終了させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、放送局の放送送信装置が、通信回線を介して、アプリケーションの起動を制御するアプリケーション起動情報を、編成チャンネルに紐付けて送信することができる。これによって、放送局において既存の放送設備の軽微な改修により、また、放送波の帯域を圧迫することなく、放送通信連携受信装置における編成チャンネルに紐付いたアプリケーションの起動を、通信回線を介して制御することができる。
【0017】
また、本発明によれば、放送通信連携受信装置は、すべてのアプリケーションを終了させる旨のアプリケーション起動情報を1つ通知されるだけで、編成チャンネルに紐付いているか否かに関わらず、起動中のアプリケーションを終了させることができる。これによって、例えば、放送局から緊急放送を送信する場合、放送通信連携受信装置は、アプリケーションの終了処理を素早く行うことができ、緊急放送の画面を高速に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る放送通信連携システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の放送通信連携受信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】EITの構造を説明するためのデータ構造図である。
【図4】アプリケーション起動情報をEITのバイナリ形式のアプリケーション起動情報記述子で記述した例を説明するためのデータ構造図である。
【図5】アプリケーション起動情報に記述される制御コード(アプリケーション制御コード)の内容を示す図である。
【図6】APL(アプリケーション)起動情報記憶手段に記憶されるデータを説明するための図である。
【図7】起動APL(アプリケーション)識別情報記憶手段に記憶される識別情報の管理手法を説明するための説明図である。
【図8】第1実施形態の放送通信連携受信装置におけるアプリケーション起動情報によるアプリケーションの起動・終了動作を示すフローチャートである。
【図9】図8の動作における終了動作を詳細に示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態の放送通信連携受信装置における編成チャンネルの切り替え動作を示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態の放送通信連携受信装置における編成チャンネルに紐付かない非連動アプリケーションのアプリケーション起動情報を取得する動作を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態の放送通信連携受信装置における編成チャンネルに紐付かない非連動アプリケーションの蓄積動作を示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態の放送通信連携受信装置におけるユーザの指示によってアプリケーションを起動する動作を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態の放送通信連携受信装置の構成を示すブロック図である。
【図15】データカルーセルにおけるDIIメッセージの構造を説明するためのデータ構造図である。
【図16】DIIメッセージ内のType記述子の構造を説明するためのデータ構造図である。
【図17】データカルーセルにおけるDDBメッセージの構造を説明するためのデータ構造図である。
【図18】アプリケーション起動情報をテキスト形式で記述した例を説明するためのデータ構造図である。
【図19】第3実施形態の放送通信連携受信装置の構成を示すブロック図である。
【図20】チャンネル識別情報を付加したアプリケーション起動情報をテキスト形式で記述した例を説明するためのデータ構造図である。
【図21】アプリケーション起動情報をバイナリ形式で記述した際に付加するチャンネル識別情報(バウンドサービス記述子)を説明するためのデータ構造図である。
【図22】第4実施形態の放送通信連携受信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[放送通信連携システムの構成]
最初に、図1を参照して、放送通信連携システムの構成について説明する。
放送通信連携システムSは、放送と通信とを連携し、編成チャンネルに紐付いて連動するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)をユーザ(視聴者)に提示するシステムである。もちろん、放送通信連携システムSは、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を提示するものでもある。
ここで、アプリケーションとは、後記する放送通信連携受信装置400を実行環境として動作するソフトウェアである。
【0020】
この放送通信連携システムSは、放送送信装置100と、APL起動情報サーバ200と、APLサーバ300と、放送通信連携受信装置400とが、通信回線Nを介して接続されて構成される。なお、通信回線Nは、有線、無線のいずれであっても構わない。
【0021】
放送送信装置100は、放送局に設置され、番組編成に基づく放送番組(コンテンツ)や、放送番組に関連する番組情報を、放送波Wを介して放送通信連携受信装置400に送信するものである。
さらに、放送送信装置100は、放送波Wに編成チャンネルに連動したアプリケーションを制御するために必要なアプリケーション起動情報を付加して、放送通信連携受信装置400に送信する。
【0022】
ここで、アプリケーション起動情報とは、アプリケーションの識別子(ID)、アプリケーションの配置場所等のアプリケーションを特定するための情報、ならびに、当該アプリケーションを制御するための付加的な情報である。このアプリケーション起動情報については、後で詳細に説明を行う。
なお、ここでは、放送送信装置100は、放送番組等を放送波Wとして送信する形態で説明するが、ケーブル(図示せず)や、通信回線Nを介して送信してもよい。
【0023】
APL(アプリケーション)起動情報サーバ200は、アプリケーション起動情報を提供するサーバである。このAPL起動情報サーバ200は、放送局から送信しないアプリケーション起動情報を管理するものである。
このAPL起動情報サーバ200は、例えば、予めサービス提供者が作成したアプリケーションを検証し、承認を与えたアプリケーション(A〔Authorized〕アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報のみを保持する認証機関(第三者機関)に設置される。あるいは、サービス提供者(一般ユーザを含む)が作成したアプリケーション等で、認証機関の承認を受けていないアプリケーション(一般アプリケーション)に対応したアプリケーション起動情報を保持するものであってもよい。
【0024】
APL(アプリケーション)サーバ300は、サービス事業者が作成したアプリケーションを提供するサーバである。ここでは、APLサーバ300を、個別のサービス事業者が保持することとしているが、それ以外に、放送局内、あるいは、第三者機関に設置しても構わない。
このAPLサーバ300に蓄積されているアプリケーションは、放送通信連携受信装置400によってダウンロードされ実行される。
【0025】
放送通信連携受信装置400は、放送番組をユーザに提示するとともに、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)、あるいは、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を動作させてユーザに提示するものである。この放送通信連携受信装置400の構成および動作については、後で詳細に説明を行う。
【0026】
このように放送通信連携システムSを構成することで、放送通信連携受信装置400において、ユーザは、放送局が提供する放送番組を視聴するとともに、サービス事業者等が提供するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション、チャンネル非連動アプリケーション)を動作させることができる。
以下、放送通信連携受信装置400の構成および動作について、種々の実施形態を例として説明を行う。
【0027】
≪第1実施形態≫
[放送通信連携受信装置の構成]
まず、図2を参照(システム構成については図1参照)して、第1実施形態に係る放送通信連携受信装置400A(400)の構成について説明する。
この第1実施形態に係る放送通信連携受信装置400Aは、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションを、放送波Wを介して送信されるデジタル放送の信号内のイベント情報テーブル(EIT:Event Information Table)に配置されているアプリケーション起動情報によって認識する。
【0028】
ここでは、放送通信連携受信装置400Aは、放送受信手段401と、放送信号解析手段402と、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404と、通信送受信手段405と、APL起動情報取得手段406と、APL起動情報記憶手段407と、リスト制御手段408と、APL管理・実行制御手段409と、起動APL識別情報記憶手段410と、APL取得手段411と、APL記憶手段412と、APL実行手段413と、操作制御手段414と、合成表示手段415と、を備えている。なお、図中、実線矢印はデータの流れを示し、破線矢印は制御信号の流れを示している。
【0029】
放送受信手段401は、アンテナAを介して、放送波Wとして送信される放送データ(放送信号)を受信するものである。この放送受信手段401は、放送データを受信、復調し、誤り訂正やTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)復号等の復号を行い、MPEG2のトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)として、放送信号解析手段402に出力する。
なお、この放送受信手段401は、アンテナAを介して、電波によって放送信号を受信するものに限定されず、ケーブルを介して受信するものであってもよい。あるいは、通信データとして放送信号を受信するものであってもよい。
【0030】
放送信号解析手段402は、放送受信手段401で復調されたストリームデータ(トランスポートストリーム)において、PSI/SI(Program Specific Information〔番組特定情報〕/Service Information〔番組配列情報〕)を解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応する映像、音声、データ等のデータを抽出するものである。なお、選局は、後記する操作制御手段414から通知されるチャンネル切替指示に基づいて行われる。
【0031】
この放送信号解析手段402は、抽出した映像、音声等のデータであるPES(Packetized Elementary Stream)形式のデータについては、映像・音声復号手段403に出力し、抽出したデータ放送等のデータであるセクション形式のデータについては、データ放送復号手段404に出力する。
また、ここで、放送信号解析手段402は、APL起動情報抽出手段402aを備えている。
【0032】
APL(アプリケーション)起動情報抽出手段402aは、放送受信手段401で復調されたストリームデータから、SI(番組配列情報)の一つであるEITの記述子(アプリケーション起動情報記述子)に含まれているアプリケーション起動情報を抽出するものである。このEITは、放送局の放送送信装置100(図1参照)が、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションに対応するアプリケーション起動情報を、放送送信装置100の図示を省略した番組情報埋込手段によって、EITの記述子領域に埋め込むことで生成されたものである。
【0033】
このAPL起動情報抽出手段402aは、EITによって特定される編成チャンネルを特定する情報(チャンネル識別情報)に対応付けて、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶させる。
また、APL起動情報抽出手段402aは、アプリケーション起動情報を抽出した場合、アプリケーション起動情報が通知された旨(起動情報通知)を、アプリケーションを識別する情報(アプリケーションID)とともに、APL管理・実行制御手段409に通知する。
【0034】
ここで、図3を参照して、アプリケーション起動情報を埋め込んだEITのデータ構造の例について説明する。図3は、ARIB STD−B10で規定されているEITに、アプリケーション起動情報を付加する例を示している。ここでは、アプリケーション起動情報を、EITの記述子領域に“アプリケーション起動情報記述子”として付加する。
【0035】
このEITは、編成サービスに含まれるイベントに関する時系列情報である。なお、このEITには、自トランスポートストリームに現在(present)/次(following)のイベント情報を付加したテーブルを示すp/fEIT(“テーブル識別”=0x4E)を用いることが望ましい。これによって、既存のEITの構造を変えることなく、全局のEITを伝送するscheduleEITに比べて少ないデータ量で、アプリケーション起動情報を放送通信連携受信装置400に伝送することが可能になる。
【0036】
また、図3に示すように、EITのデータ構造のうち、“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”によって、送信するアプリケーション起動情報に対応する編成チャンネルが特定される。
“オリジナルネットワーク識別”は、地上デジタル放送、BSデジタル放送等の放送網(ネットワーク)を識別するための識別子である。また、“トランスポートストリーム識別”は、トランスポートストリーム(TS)を識別するための識別子である。また、“サービス識別”は、トランスポートストリームごとの編成チャンネルを識別するための識別子である。
【0037】
このように、EITにアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)を付加することで、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション起動情報を認識することができる。
なお、EITのデータ構造における他のデータについては、ARIB STD−B10で規定されているものであるため、ここでは説明を省略する。
【0038】
次に、図4を参照して、EITに付加するアプリケーション起動情報(アプリケーション起動情報記述子)の内容について説明する。図4は、アプリケーション起動情報をバイナリ形式で記述した記述子(アプリケーション起動情報記述子)の例を示している。
アプリケーション起動情報記述子は、アプリケーションを特定する情報とともに、アプリケーションを制御するための付加的な情報を含んだデータであって、従来のAITに相当する情報である。
【0039】
アプリケーションを特定する情報としては、以下のような情報がある。
例えば、図4では、(5)〜(8)行目にアプリケーション名を記載している。また、(9)行目にアプリケーションを作成した組織、(10)行目に組織内で一意に定められたアプリケーションを識別する番号を記載している。この(9)および(10)行目に示す番号が、アプリケーションを一意に特定するアプリケーションIDとなる。
【0040】
また、(20)〜(23)行目および(28)〜(31)行目の組み合わせでアプリケーションの所在(アドレス)を記載している。また、これら以外にも、(32)〜(34)行目に示すように、アプリケーションが利用する付加的な情報、例えば、メタデータ、画像データ等の所在(アドレス)を記述しておくこととしてもよい。このように、付加的なデータの参照先を記載しておくことで、EITに付加するデータ量を抑えることができる。
【0041】
また、アプリケーションを制御するための付加的な情報としては、以下のような情報がある。
例えば、図4では、(11)行目にアプリケーションの状態を制御する制御コード(アプリケーション制御コード)を記載している。
このアプリケーション制御コードは、例えば、図5に示すような値をとる。このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様である。例えば、“AUTOSTART”は、放送通信連携受信装置400において、ユーザの操作によらず、自動で起動(即時起動)するアプリケーションであることを示す。また、“PRESENT”は、自動で起動するアプリケーションではないが、起動可能(スタンバイ)状態であることを示す。
また、“DESTROY”、“KILL”は、アプリケーションの終了を指示する制御コードであって、通常終了(例えば、ユーザの確認を行って終了)であるのか、強制終了(例えば、ユーザの確認を行わずに即時終了)であるのかを示す。
【0042】
このように、このアプリケーション制御コードは、基本的にはARIB STD−B23で規定されているものと同様であるが、ここでは、さらに、“KILLALL”を付加している。この“KILLALL”は、放送通信連携受信装置400において、編成チャンネルに対応するアプリケーションにかかわらず、現在起動しているすべてのアプリケーションの強制終了を示すものである。
【0043】
また、図4の(36)行目に、当該アプリケーションがユーザによってリスト表示の候補として表示可能か否かを示す情報(リスト可能フラグ〔isListable〕)を記載している。例えば、このリスト可能フラグがTRUE(“1”)であれば、ユーザが選択して実行可能なアプリケーションであることを示す。また、リスト可能フラグがFALSE(“0”)であれば、当該アプリケーションが、ユーザが選択して実行させるアプリケーションではなく、他のアプリケーションから起動されるアプリケーション(例えば、デコーダ等)であることを示す。
図2に戻って、放送通信連携受信装置400Aの構成について説明を続ける。
【0044】
映像・音声復号手段403は、放送信号解析手段402で抽出された映像・音声(映像ストリームおよび音声ストリーム)を復号するものである。この映像・音声復号手段403は、映像・音声が、例えば、MPEG2の符号化方式によって符号化されている場合、MPEG2の復号を行い表示可能な出力形式の映像・音声データとして、合成表示手段415に出力する。
【0045】
データ放送復号手段404は、放送信号解析手段402で抽出されたデータ放送のデータを復号するものである。このデータ放送復号手段404は、BML(Broadcast Markup Language)を解析し、当該BMLを表示可能な出力形式に変換するBMLブラウザの機能を有し、変換した表示データ(データ放送データ)を、合成表示手段415に出力する。
【0046】
通信送受信手段405は、通信回線Nを介して、アプリケーション、アプリケーション起動情報等のデータを受信するものである。
【0047】
APL(アプリケーション)起動情報取得手段406は、通信送受信手段405を介して、アプリケーション起動情報を取得するものである。ここで、APL起動情報取得手段406は、チャンネル非連動情報取得手段406aを備えている。
【0048】
チャンネル非連動情報取得手段406aは、通信送受信手段405を介して、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。このチャンネル非連動情報取得手段406aは、例えば、起動時(電源ON時)に予め定めたサーバ(APL起動情報サーバ200〔図1参照〕)から、図4で説明したアプリケーション起動情報記述子と同じ内容のアプリケーション起動情報を取得し、取得したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。あるいは、ユーザによって、後記する操作制御手段414を介して、アプリケーションのリストを表示させる指示(リスト表示指示)が通知された段階で、アプリケーション起動情報を取得することとしてもよい。
【0049】
なお、この取得したアプリケーション起動情報は、編成チャンネルに紐付いたものではない。そこで、チャンネル非連動情報取得手段406aは、編成チャンネルとして実在しない仮想的なチャンネル(仮想チャンネル)に対応付けて、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶させることとする。
【0050】
APL(アプリケーション)起動情報記憶手段407は、アプリケーション起動情報を、チャンネル(編成チャンネル、仮想チャンネル)を特定する情報(チャンネル識別情報)に対応付けて記憶するものであって、半導体メモリ等の記憶媒体である。ここでは、APL起動情報記憶手段407には、APL起動情報抽出手段402aによって、EITで特定される編成チャンネルに対応付けて、抽出されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。また、APL起動情報記憶手段407には、チャンネル非連動情報取得手段406aによって、仮想チャンネルに対応付けて、取得されたアプリケーション起動情報が書き込まれる。
【0051】
ここで、図6を参照して、APL起動情報記憶手段407に記憶されるデータ構造の例について説明する。図6に示すように、APL起動情報記憶手段407は、チャンネルとアプリケーション起動情報とを対応付けて記憶する。例えば、現在選局されている編成チャンネルがCh101であれば、当該Ch101に紐付いたアプリケーション起動情報(Ch101連動アプリケーション用起動情報)を、Ch101に対応付けて記憶する。
【0052】
なお、この編成チャンネルCh101は、より具体的には、図3で説明した“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”の各識別子の値で構成される値である。
【0053】
また、APL起動情報記憶手段407は、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション起動情報(非連動アプリケーション用起動情報)については、編成チャンネルとして存在しない予め定めた値を仮想チャンネルCh999に対応付けて記憶する。
これによって、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションであっても、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションと同様に管理することができる。
【0054】
なお、ここでは、APL起動情報記憶手段407に、“APL(アプリケーション)蓄積状態”を記憶することとしている。このAPL蓄積状態は、後記するAPL記憶手段412にアプリケーションが蓄積されているか否か(“蓄積”または“未蓄積”)を示す情報であって、後記する蓄積管理手段409cによって書き込まれる。
図2に戻って、放送通信連携受信装置400Aの構成について説明を続ける。
【0055】
リスト制御手段408は、起動可能なアプリケーションのリストの表示およびアプリケーションの選択の制御を行うローンチャー(Launcher)である。ここでは、リスト制御手段408は、リスト表示手段408aと、リスト選択手段408bとを備えている。
【0056】
リスト表示手段408aは、起動可能なアプリケーションのリストを表示するものである。このリスト表示手段408aは、ユーザから操作制御手段414を介してリスト表示を指示されることで、APL起動情報記憶手段407に記憶されているアプリケーション起動情報に対応するアプリケーションのリストを生成し、表示データとして、合成表示手段415に出力する。
このリスト表示手段408aは、例えば、図4で説明したアプリケーション起動情報において、(5)〜(8)行目に示したアプリケーション名を表示する。
【0057】
なお、リスト表示手段408aは、図4で説明したアプリケーション起動情報において、リスト可能フラグ(isListable)が、TRUE(“1”)であるアプリケーションのリストのみを表示することとする。これによって、ユーザが起動できないアプリケーションをリストから除外して表示することができる。
【0058】
リスト選択手段408bは、リスト表示手段408aによって表示されたアプリケーションのリストにおいて、操作制御手段414を介して指示される、ユーザからのリスト選択指示に基づいて、アプリケーションを選択するものである。例えば、リスト選択手段408bは、操作制御手段414を介して、リスト選択指示として、リモコン装置Riの方向(矢印)ボタン(不図示)の押下信号が通知されることで、複数のアプリケーションのうちで、どのアプリケーションが起動候補として選択されているのかを認識し、決定ボタン(不図示)の押下信号が通知されることで、実際に起動指示が選択されたアプリケーションを認識する。
【0059】
このリスト選択手段408bは、選択されたアプリケーションを識別する番号(アプリケーションID)を含んだ選択APL(アプリケーション)通知をAPL管理・実行制御手段409に出力する。
【0060】
なお、リスト選択手段408bは、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションについては、リストを選択する際に、アプリケーションを即時実行させるか、あるいは、放送通信連携受信装置400A内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを蓄積(インストール)させるか否かの選択を、ユーザに選択させることとする。
この場合、リスト選択手段408bは、例えば、表示するアプリケーションのリストに、即時実行するか、蓄積するか否かのチェック欄を設けることとしてもよい。あるいは、アプリケーションが選択された段階で、ユーザに問い合わせを行うこととしてもよい。このアプリケーションを即時実行するか蓄積するか否かを示す情報は、選択APL通知とともに、APL管理・実行制御手段409に出力される。
【0061】
APL(アプリケーション)管理・実行制御手段409は、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)を制御するものである。ここでは、APL管理・実行制御手段409は、起動制御手段409aと、終了制御手段409bと、蓄積管理手段409cとを備えている。
【0062】
起動制御手段409aは、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)の起動や、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)の起動を制御するものである。
【0063】
具体的には、起動制御手段409aは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段407に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“AUTOSTART”の場合、アプリケーションを起動させる。
【0064】
すなわち、起動制御手段409aは、アプリケーション制御コードが“AUTOSTART”の場合、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知する。この起動制御指示には、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションを特定する情報(アプリケーションID、所在位置等)が含まれる。これによって、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションがユーザの操作によらず、自動起動されることになる。
【0065】
また、起動制御手段409aは、リスト制御手段408から、選択APL通知が通知された際には、アプリケーション制御コードの値によらず、APL実行手段413に当該アプリケーションを実行する旨(起動制御指示)を通知する。これによって、ユーザがリストから選択したアプリケーションが起動されることになる。
【0066】
なお、起動制御手段409aは、起動中のアプリケーションを識別情報(アプリケーションID)で管理し、起動APL識別情報記憶手段410に起動中のアプリケーションIDを書き込むこととする。また、APL実行手段413において、アプリケーションが他のアプリケーション(子アプリケーション)を起動させた場合、起動制御手段409aは、元のアプリケーション(親アプリケーション)が編成チャンネルに紐付いているとき、子アプリケーションについても同じ編成チャンネルに紐付いているものとし、階層的に対応付けて管理する。このとき、起動制御手段409aが、子アプリケーションを管理するには、例えば、親アプリケーションから、親アプリケーション自身の識別情報とともに、起動した子アプリケーションの識別情報を通知されることとしてもよいし、起動された子アプリケーションから、親アプリケーションの識別情報とともに、子アプリケーション自身の識別情報を通知されることとしてもよい。
【0067】
終了制御手段409bは、起動中のアプリケーションの終了制御を行うものである。
具体的には、終了制御手段409bは、APL起動情報抽出手段402aから起動情報通知が通知された際、APL起動情報記憶手段407に記憶されている、起動情報通知とともに通知されるアプリケーションIDに対応するアプリケーション起動情報に記述されているアプリケーション制御コードが“DESTROY”、“KILL”または“KILLALL”の場合にアプリケーションを終了させる。
【0068】
このアプリケーション制御コードが“DESTROY”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを通常終了させる旨、APL実行手段413に指示する。また、アプリケーション制御コードが“KILL”の場合、終了制御手段409bは、通知されたアプリケーションIDに対応するアプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413に指示する。
【0069】
なお、終了制御手段409bは、アプリケーションを終了させる場合、起動APL識別情報記憶手段410を参照し、終了を指示されたアプリケーションに子アプリケーションが存在する場合は、子アプリケーションについても、すべて終了させる。
【0070】
また、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、起動APL識別情報記憶手段410を参照し、現在起動しているすべてのアプリケーションを強制終了させる。すなわち、アプリケーション制御コードが“KILLALL”の場合、終了制御手段409bは、“KILLALL”が通知されたアプリケーションID以外に、編成チャンネルに連動して起動している他のアプリケーション、および、編成チャンネルに連動せずに起動しているアプリケーションのすべてについて、アプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413に指示する。
なお、終了制御手段409bは、アプリケーションを終了させた場合、当該アプリケーションに対応する識別情報(アプリケーションID)を起動APL識別情報記憶手段410から削除する。
【0071】
これによって、例えば、緊急警報放送や緊急地震速報といった緊急にユーザ(視聴者)に通知したい内容を放送したい場合、放送事業者は、“KILLALL”をアプリケーション制御コードに記述したアプリケーション起動情報を、放送通信連携受信装置400に通知することで、緊急時において、表示画面等のリソースを優先的に使用することができる。
【0072】
また、終了制御手段409bは、起動中のアプリケーションが終了した場合、例えば、ユーザの操作によってアプリケーションが終了したことをAPL実行手段413から通知された際に、起動APL識別情報記憶手段410を参照し、終了したアプリケーションに子アプリケーションが存在していた場合は、子アプリケーションについても終了させる。
また、終了制御手段409bは、操作制御手段414を介して、チャンネル切替指示が通知された場合、切り替え前のチャンネルに紐付いて起動されているアプリケーションを終了させる。
【0073】
蓄積管理手段409cは、放送通信連携受信装置400内(具体的には、APL記憶手段412)にアプリケーションを予め蓄積(インストール)する制御を行うものである。
具体的には、蓄積管理手段409cは、リスト選択手段408bから、起動可能なアプリケーションのリストの中で、ユーザが選択した選択アプリケーションを特定する情報(アプリケーションID)とともに、APL記憶手段412にアプリケーションを蓄積させる旨を通知された場合に、アプリケーション起動情報に記述されているアプリケーションの所在からそのアプリケーションを取得し、APL記憶手段412に書き込む旨(アプリケーション取得指示)を、APL取得手段411に通知する。
これによって、APL記憶手段412には、ユーザが選択したアプリケーションが蓄積される。
【0074】
なお、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段407に記憶されている当該アプリケーションに対応するアプリケーション起動情報において、アプリケーションの所在(アドレス)を、APL記憶手段412のアドレス(ローカルアドレス)を参照するように更新する。
【0075】
例えば、蓄積管理手段409cは、アプリケーション起動情報の“http://〜”と記載してあるアプリケーションのアドレス表記を、APL記憶手段412内のローカルなアドレス(APL記憶手段412内のアドレス)を示すように“file:///〜”等に変換する。もちろん、アプリケーション起動情報を直接変更せずに、当該アプリケーション起動情報のアドレスを読み替えて参照するような変換規則を、アプリケーション起動情報に対応付けて別途記述しておくこととしてもよい。
【0076】
また、蓄積管理手段409cは、アプリケーションをAPL記憶手段412に蓄積(インストール)した場合、APL起動情報記憶手段407にアプリケーションが蓄積されている旨の状態を書き込み管理することとする(図6参照)。
【0077】
一方、蓄積管理手段409cは、ユーザの指示に応じて、蓄積したアプリケーションを削除する。すなわち、APL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、蓄積管理手段409c内の蓄積アプリケーションリスト表示手段(不図示)によってリスト表示され、アプリケーション選択削除手段(不図示)によって、ユーザからの選択により、APL記憶手段412から削除される。このとき、アプリケーション選択削除手段(不図示)は、APL起動情報記憶手段407において、対応するAPL蓄積状態を“未蓄積”とする。
【0078】
このように、APL管理・実行制御手段409を構成することで、編成サービスに紐付いたアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)に対して、放送局から通知されるアプリケーション起動情報によって、起動・終了の制御を行うことができる。また、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)については、ユーザが任意のタイミングで取得・実行することができる。
【0079】
起動APL(アプリケーション)識別情報記憶手段410は、起動中のアプリケーションの識別情報(アプリケーションID)を記憶するものであって、半導体メモリ等の記憶媒体である。この起動APL識別情報記憶手段410は、起動制御手段409aによって、アプリケーションが起動された際にアプリケーションIDが書き込まれ、終了制御手段409bによって、アプリケーションが終了する際に削除される。
【0080】
ここで、図7を参照(適宜図2参照)して、起動APL識別情報記憶手段410に記憶されるアプリケーションIDの管理方法の一例について説明する。図7に示した起動APL識別情報記憶手段410の記憶内容は、rootの仮想のアプリケーションから順次子アプリケーションをリスト形式で繋げて管理した例である。
【0081】
図7に示すように、ここでは、1つのアプリケーションを、アプリケーションIDと、チャンネルと、親アプリケーションの構造体を指し示すポインタ、子アプリケーションの構造体を指し示すポインタからなる構造体で管理する。
例えば、rootのポインタで示す構造体では、アプリケーションが起動された場合、起動されたアプリケーションを、rootのアプリケーション(仮想のアプリケーション)の子のアプリケーションとして管理する。例えば、あるアプリケーションIDのアプリケーションが起動された場合、起動制御手段409aは、アプリケーションIDの構造体(ポインタPt1)を作成し、親のアプリケーションの構造体を指し示すポインタにrootを設定する。一方、rootのポインタで示す構造体には、子のアプリケーションの構造体を指し示すポインタにPt1を設定する。
同様に、他のアプリケーションが起動された場合も、順次rootのポインタで示す構造体に新たに起動するアプリケーションの構造体を設定する。
【0082】
なお、アプリケーションがさらに子のアプリケーションを起動する場合、例えば、ポインタPt1の構造体で示すアプリケーション(アプリケーションID)が子のアプリケーション(アプリケーションID11)を起動したとき、起動制御手段409aは、ポインタPt1の構造体で示すアプリケーション(アプリケーションID)を親アプリケーションとし、子のアプリケーション(アプリケーションID11)の構造体(ポインタPt11)を生成する。このように、起動制御手段409aは、子アプリケーションが起動されたときは、順次ポインタで構造体を繋げることで、同一のチャンネルに対応するアプリケーションとして管理する。
【0083】
また、あるアプリケーションIDのアプリケーションが終了した場合、終了制御手段409bは、当該アプリケーションIDに対応するアプリケーションの構造体を削除し、親のアプリケーションの構造体にNULLを設定する。
これによって、起動するアプリケーションがrootのアプリケーションの構造体を基準としてツリー状に管理されることになる。
図2に戻って、放送通信連携受信装置400Aの構成について説明を続ける。
【0084】
APL(アプリケーション)取得手段411は、通信送受信手段405を介して、通信回線Nに接続されたAPL(アプリケーション)サーバ300(図1参照)から、アプリケーションを取得するものである。
このAPL取得手段411は、起動制御手段409aからAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションをAPL実行手段413に出力する。
【0085】
また、APL取得手段411は、蓄積管理手段409cからAPL取得指示を通知された場合、当該指示で通知されるアプリケーションの所在(アドレス)から、指定されたアプリケーションを取得し、その取得したアプリケーションをAPL記憶手段412に書き込み蓄積する。
【0086】
APL(アプリケーション)記憶手段412は、APL取得手段411で取得されたアプリケーションを記憶するもので、ハードディスク等の記憶媒体である。このAPL記憶手段412は、編成チャンネルに紐付いていないチャンネル非連動アプリケーションを、任意のタイミングで動作させるために蓄積しておくものである。
このAPL記憶手段412に記憶されているアプリケーションは、APL実行手段413によって読み出され、実行される。
【0087】
APL実行手段413は、APL管理・実行制御手段409からの指示(起動制御指示)に基づいて、アプリケーションの起動および終了を行うものである。
このAPL実行手段413は、起動制御手段409aから通知されるアプリケーションを実行する旨が指示された場合、起動制御指示に含まれるアプリケーションを特定する情報(アプリケーションID、所在位置等)に基づいて、アプリケーションおよびアプリケーションを実行する際に必要となるデータ(例えば、メタデータ、アイコンデータ等)をアプリケーションの取得元から取得する。
そして、APL実行手段413は、図示を省略したメモリにアプリケーションを展開(ロード)し、アプリケーションを起動する。
【0088】
なお、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“file:///〜”のようにローカルディスク(APL記憶手段412)のアドレスである場合、APL記憶手段412からアプリケーションを読み出し実行する。また、APL実行手段413は、起動制御指示に含まれるアプリケーションの取得元が、“http://〜”のようにネットワーク上のアドレスである場合、APL取得手段411に当該アプリケーションの取得を指示(APL取得指示)し、アプリケーションを取得して起動する。
このアプリケーションの実行動作に伴う表示データは、合成表示手段415に出力される。
【0089】
また、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通知されるアプリケーションを終了する旨が指示された場合、指示されたアプリケーションを終了させる。
なお、APL実行手段413は、終了制御手段409bから通常終了あるいは強制終了であるかを、例えば、割り込み信号等によって起動中のアプリケーションに通知し、アプリケーションを終了させる。
【0090】
操作制御手段414は、外部のリモコン装置Ri等の入力手段を介して、放送通信連携受信装置400に対するユーザの操作(例えば、チャンネル変更等)を制御するものである。
この操作制御手段414は、リモコン装置Riを介してユーザからチャンネルの変更が指示された場合、選択されたチャンネルのチャンネル番号を含んだチャンネル切替指示を放送信号解析手段402に通知する。これによって、現在視聴中のチャンネルが変更されることになる。また、操作制御手段414は、同じくチャンネル切替指示をAPL管理・実行制御手段409に通知する。これによって、編成チャンネルに連動したアプリケーションの起動や終了が実行されることになる。
【0091】
合成表示手段415は、映像・音声を合成して表示するものである。この合成表示手段415は、映像・音声復号手段403で復号された映像データ・音声データ、データ放送復号手段404で復号されたデータ放送の表示データ、リスト制御手段408で生成されたリストの表示データおよびAPL実行手段413で生成されたアプリケーションの表示データをそれぞれ合成して表示する。
なお、合成表示手段415は、合成した音声については、音声信号として外部に接続されたスピーカSp等の音声出力装置に出力し、合成した映像(画像)については、映像信号として外部に接続された液晶ディスプレイMo等の映像表示装置に出力する。
【0092】
以上説明したように構成することで、放送通信連携受信装置400Aは、放送と通信とを連携して、放送番組視聴中に、編成チャンネルに紐付いたチャンネル連動アプリケーションを実行させたり、編成チャンネルに紐付いていないチャンネル非連動アプリケーションを、ユーザの指示によって任意のタイミングで実行させたりすることができる。
【0093】
このように、放送通信連携受信装置400Aは、アプリケーション起動情報を独立したESとして多重することなく、既存のEITの構造を変えることなく記述子としてアプリケーション起動情報を付加して伝送することができる。
また、放送通信連携受信装置400Aは、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることができる。また、このプログラムは、マルチタスクOS等によって、並列動作を行うことも可能である。
【0094】
[放送通信連携受信装置の動作]
次に、図8〜図13を参照して、第1実施形態に係る放送通信連携受信装置400A(400)の動作について説明する。
【0095】
〔アプリケーション起動・終了動作〕
最初に、図8および図9を参照(構成については適宜図2参照)して、放送通信連携受信装置400Aにおいて、アプリケーション起動情報によって、アプリケーションを起動または終了させる動作について説明する。
【0096】
図2に示すように、放送通信連携受信装置400Aは、放送信号解析手段402によって、放送受信手段401で受信し復調されたストリームデータを解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応するEIT内に、アプリケーション起動情報記述子が存在するか否かにより、アプリケーション起動情報が通知されたか否かを判定する(ステップS1)。
【0097】
そして、アプリケーション起動情報が通知された場合(ステップS1でYes)、APL起動情報抽出手段402aによって、EITからアプリケーション起動情報を抽出し(ステップS2)、EITによって特定される編成チャンネルに対応付けて、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に記憶する(ステップS3)。
【0098】
一方、EITにアプリケーション起動情報記述子が存在しない場合(ステップS1でNo)、放送通信連携受信装置400Aは、EITによるアプリケーションの起動・終了動作を終了し、放送信号の解析動作を継続する(ステップとして図示せず)。
そして、放送通信連携受信装置400Aは、APL起動情報抽出手段402aから、APL管理・実行制御手段409に対して、アプリケーション起動情報を受信したことを通知(起動情報通知)し、起動制御手段409aによって、アプリケーション起動情報の制御コード(アプリケーション制御コード)を解析する(ステップS4)。
【0099】
ここで、アプリケーション制御コードが起動を示すコード(“AUTOSTART”)の場合(ステップS4で“起動”)、放送通信連携受信装置400Aは、APL取得手段411によって、アプリケーション起動情報で通知されたアプリケーションを、通信送受信手段405を介して取得する(ステップS5)。そして、放送通信連携受信装置400Aは、起動制御手段409aからの指示(起動制御指示)で、APL実行手段413によって、ステップS5で取得したアプリケーションを起動する(ステップS6)。
【0100】
一方、アプリケーション制御コードが終了を示すコード(“KILL”等)である場合(ステップS4で“終了”)、放送通信連携受信装置400Aは、終了制御手段409bによって、APL実行手段413で実行されているアプリケーションを終了させる(ステップS7)。
なお、アプリケーション制御コードが起動や終了を示すコードでない場合(ステップS4で“その他”)、放送通信連携受信装置400Aは、EITによるアプリケーションの起動・終了動作を終了し、放送信号の解析動作を継続する(ステップとして図示せず)。
【0101】
ここで、図9を参照して、ステップS7のアプリケーション終了動作について、さらに説明する。
図9に示すように、図8のステップS7において、放送通信連携受信装置400Aは、終了制御手段409bによって、アプリケーション制御コードをさらに判定する(ステップS701)。ここで、アプリケーション制御コードが、通常終了(“DESTROY”)または強制終了(“KILL”)である場合、終了制御手段409bは、APL実行手段413に通常終了または強制終了を指示し、アプリケーションを終了させる(ステップS702)。
このとき、終了制御手段409bは、起動APL識別情報記憶手段410において、終了が指示されたアプリケーションに子アプリケーションが存在する場合、それらをすべて終了させる。
【0102】
一方、アプリケーション制御コードが、全強制終了(“KILLALL”)である場合、終了制御手段409bは、編成チャンネルに対応するアプリケーションのみならず、起動APL識別情報記憶手段410に記憶されている現在起動しているすべてのアプリケーションを強制終了させる旨、APL実行手段413に指示し、すべてのアプリケーションを終了させる(ステップS703)。
【0103】
以上、図8および図9で説明した動作によって、放送通信連携受信装置400Aは、EITで通知されるアプリケーション起動情報によって、放送局側から、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションを起動または終了させることができる。また、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションであっても、緊急放送等によって、表示画面等のリソースが必要な場合に、アプリケーションを強制的に終了させることができる。
【0104】
〔編成チャンネル切替動作〕
次に、図10を参照(構成については適宜図2参照)して、放送通信連携受信装置400Aにおいて、編成チャンネルを切り替える動作について説明する。
【0105】
図10に示すように、放送通信連携受信装置400Aは、APL管理・実行制御手段409において、操作制御手段414から通知されるチャンネル切替指示に基づいて、編成チャンネルが変更されたか否かを判定する(ステップS10)。
そして、編成チャンネルが変更された場合(ステップS10でYes)、放送通信連携受信装置400Aは、終了制御手段409bによって、起動APL識別情報記憶手段410を参照して、前編成チャンネルに連動してアプリケーションが起動しているか否かを判定する(ステップS11)。なお、編成チャンネルに変更がない場合(ステップS10でNo)、放送通信連携受信装置400Aは、編成チャンネルの切り替え動作を終了する。
【0106】
そして、前編成チャンネルに連動してアプリケーションが起動している場合(ステップS11でYes)、終了制御手段409bが、当該アプリケーションを終了させる旨(起動制御指示)を、APL実行手段413に通知し、アプリケーションを終了させる(ステップS12)。
【0107】
このとき、終了制御手段409bは、起動APL識別情報記憶手段410において、前編成チャンネルに連動して起動されているアプリケーションが複数存在する場合、それらをすべて終了させる。例えば、終了制御手段409bは、図7で説明したリスト形式で起動アプリケーションを管理している場合、前編成チャンネルに対応する最下層の子アプリケーションを終了させ、当該子アプリケーションに対応する構造体を削除する動作を順次親アプリケーションに遡って実行することで、前編成チャンネルに連動して起動されているアプリケーションをすべて終了させる。
一方、前編成チャンネルに連動してアプリケーションが起動していない場合(ステップS11でNo)、放送通信連携受信装置400Aは、ステップS13に動作を進める。
【0108】
そして、放送通信連携受信装置400Aは、放送信号解析手段402によって、放送受信手段401で受信し復調されたストリームデータを解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応するEIT内に、アプリケーション起動情報記述子が存在するか否かにより、アプリケーション起動情報が通知されたか否かを判定する(ステップS13)。
【0109】
そして、アプリケーション起動情報が通知された場合(ステップS13でYes)、APL起動情報抽出手段402aによって、EITからアプリケーション起動情報を抽出し(ステップS14)、EITによって特定される編成チャンネルに対応付けて、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に記憶する(ステップS15)。
一方、EITにアプリケーション起動情報記述子が存在しない場合(ステップS13でNo)、放送通信連携受信装置400Aは、編成チャンネルの切り替え動作を終了する。
【0110】
そして、放送通信連携受信装置400Aは、APL起動情報抽出手段402aから、APL管理・実行制御手段409に対して、アプリケーション起動情報を受信したことを通知(起動情報通知)し、起動制御手段409aによって、アプリケーション起動情報の制御コード(アプリケーション制御コード)を解析する(ステップS16)。
【0111】
ここで、アプリケーション制御コードが起動を示すコード(“AUTOSTART”)の場合(ステップS16で“起動”)、放送通信連携受信装置400Aは、APL取得手段411によって、アプリケーション起動情報で通知されたアプリケーションを、通信送受信手段405を介して取得する(ステップS17)。そして、放送通信連携受信装置400Aは、起動制御手段409aからの指示(起動制御指示)で、APL実行手段413によって、ステップS17で取得したアプリケーションを起動する(ステップS18)。
【0112】
一方、アプリケーション制御コードが起動を示すコード以外である場合(ステップS16で“その他”)、放送通信連携受信装置400Aは、編成チャンネルの切り替え動作を終了する。
なお、ステップS16の段階で、アプリケーション制御コードとして、全強制終了(“KILLALL”)が通知された場合は、すべてのアプリケーションを終了させる(ステップとして図示せず)。
【0113】
以上の動作によって、放送通信連携受信装置400Aは、編成チャンネルが変更になった場合、前編成チャンネルに連動したアプリケーションを終了させるとともに、新たな編成チャンネルに連動したアプリケーションを起動させることができる。
【0114】
〔非連動アプリケーションのアプリケーション起動情報の取得動作〕
次に、図11を参照(構成については適宜図2参照)して、放送通信連携受信装置400Aにおいて、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションに対応するアプリケーション起動情報を取得する動作について説明する。
【0115】
放送通信連携受信装置400Aは、電源ON時、または、リスト制御手段408においてアプリケーションのリストを表示させる段階で、APL起動情報取得手段406のチャンネル非連動情報取得手段406aによって、予め定めたサーバ(APL起動情報サーバ200〔図1参照〕)から、通信送受信手段405を介して、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得する(ステップS20)。
【0116】
そして、放送通信連携受信装置400Aは、チャンネル非連動情報取得手段406aによって、仮想チャンネルに対応付けて、アプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する(ステップS21)。
これによって、放送通信連携受信装置400Aは、チャンネル非連動アプリケーションについても、あたかも仮想的なチャンネルに紐付いたアプリケーションとして、チャンネル連動アプリケーションと同様に扱うことができる。
【0117】
〔非連動アプリケーションの蓄積動作〕
次に、図12を参照(構成については適宜図2参照)して、放送通信連携受信装置400Aにおいて、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を、APL記憶手段412に蓄積(インストール)する動作について説明する。
【0118】
放送通信連携受信装置400Aは、リスト表示手段408aによって、ユーザから操作制御手段414を介してリスト表示を指示されることで、APL起動情報記憶手段407に記憶されているアプリケーション起動情報に対応するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション、チャンネル非連動アプリケーション)のリストを生成し、表示する(ステップS30)。
【0119】
そして、放送通信連携受信装置400Aは、リスト選択手段408bによって、チャンネル非連動アプリケーションについて、操作制御手段414を介して、ユーザから蓄積(インストール)する旨の指示を受け付ける(ステップS31)。
そして、リスト選択手段408bから、蓄積を伴うアプリケーションの選択が蓄積管理手段409cに通知(選択APL通知)され、蓄積管理手段409cが、指示されたアプリケーションについて、APL取得手段411に対してアプリケーションの取得を指示(APL取得指示)する。そして、APL取得手段411が、通信送受信手段405を介して、アプリケーション(チャンネル非連動アプリケーション)を取得し、APL記憶手段412に書き込む(ステップS32)。
【0120】
その後、蓄積管理手段409cは、APL起動情報記憶手段407に記憶されているステップS32で取得したアプリケーションの所在(アドレス)を、ネットワーク上のアドレスから、APL記憶手段412内のアプリケーションを蓄積した蓄積場所(ローカルアドレス)に変更する(ステップS33)。また、このとき、蓄積管理手段409cは、APL起動情報記憶手段407において、当該アプリケーションが蓄積されたことを記憶する(ステップS34)。
以上の動作によって、アプリケーションが放送通信連携受信装置400Aに蓄積され、ユーザが任意のタイミングで高速にアプリケーションを起動させることが可能になる。
【0121】
〔ユーザ指示によるアプリケーションの起動動作〕
次に、図13を参照(構成については適宜図2参照)して、放送通信連携受信装置400Aにおいて、編成チャンネルに紐付いているが自動起動しないアプリケーションや、編成チャンネルに紐付いていないアプリケーションを起動する動作について説明する。
【0122】
放送通信連携受信装置400Aは、リスト表示手段408aによって、ユーザから操作制御手段414を介してリスト表示を指示されることで、APL起動情報記憶手段407に記憶されているアプリケーション起動情報に対応するアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション、チャンネル非連動アプリケーション)およびAPL起動情報サーバ200から取得したアプリケーションのリストを生成し、表示する(ステップS40)。
【0123】
具体的には、リスト表示手段408aは、APL起動情報記憶手段407を参照し、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションのうちでアプリケーション制御コードが“PRESENT”であるアプリケーションと、仮想チャンネルに紐付いたアプリケーションとを選択可能なリストとして表示する。なお、このとき、リスト表示手段408aは、リスト可能フラグ(isListable:図4参照)が、TRUE(“1”)であるアプリケーションのみをリスト表示する。
【0124】
そして、放送通信連携受信装置400Aは、リスト選択手段408bによって、操作制御手段414を介して、ユーザからアプリケーションを起動する旨の指示を受け付ける(ステップS41)。
そして、リスト選択手段408bから、起動するアプリケーションが起動制御手段409aに通知(選択APL通知)されることで、起動制御手段409aが、選択されたアプリケーションがAPL記憶手段412に蓄積されているか否かを判定する(ステップS42)。なお、アプリケーションが蓄積されているか否かは、APL起動情報記憶手段407に記憶されているAPL蓄積状態が、“蓄積”か“未蓄積”かによって判定することができる。
【0125】
ここで、選択されたアプリケーションがAPL記憶手段412に蓄積されている場合(ステップS42でYes)、アプリケーションの所在としてアプリケーション起動情報に記述されているローカルアドレスからアプリケーションを読み出し起動する旨の指示が起動制御手段409aからAPL実行手段413に通知される。そして、APL実行手段413が、APL記憶手段412から対応するアプリケーションを読み出し(ステップS43)、そのアプリケーションを起動する(ステップS44)。
【0126】
一方、選択されたアプリケーションがAPL記憶手段412に蓄積されていない場合(ステップS42でNo)、アプリケーションの所在としてアプリケーション起動情報に記述されているネットワークアドレスからアプリケーションを読み出し起動する旨の指示が起動制御手段409aからAPL実行手段413に通知される。そして、APL実行手段413が、APL取得手段411を介して対応するアプリケーションを取得し(ステップS45)、そのアプリケーションを起動する(ステップS46)。
以上の動作によって、放送通信連携受信装置400Aは、ユーザからの任意のタイミングで、現在動作可能なアプリケーションを提示して、動作させることができる。
【0127】
≪第2実施形態≫
次に、図14を参照(システム構成については図1参照)して、第2実施形態に係る放送通信連携受信装置400B(400)の構成について説明する。
この第2実施形態に係る放送通信連携受信装置400Bは、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションを、DSM−CC(Digital Storage Media Command and Control)データカルーセル方式に基づいて、放送波Wを介して伝送されるアプリケーション起動情報によって認識する。
【0128】
ここでは、放送通信連携受信装置400Bは、放送受信手段401と、放送信号解析手段402Bと、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404Bと、通信送受信手段405と、APL起動情報取得手段406と、APL起動情報記憶手段407と、リスト制御手段408と、APL管理・実行制御手段409Bと、起動APL識別情報記憶手段410と、APL取得手段411と、APL記憶手段412と、APL実行手段413と、操作制御手段414と、合成表示手段415と、を備えている。
【0129】
放送信号解析手段402B、データ放送復号手段404BおよびAPL管理・実行制御手段409B以外の構成については、図2で説明した放送通信連携受信装置400Aと同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0130】
放送信号解析手段402Bは、放送受信手段401で復調されたストリームデータ(トランスポートストリーム)において、PSI/SIを解析し、現在選局されている編成チャンネルに対応する映像、音声、データ等のデータを抽出するものである。
【0131】
この放送信号解析手段402Bは、図2で説明した放送信号解析手段402から、APL起動情報抽出手段402aを省略して構成している。
すなわち、放送信号解析手段402Bは、EITからアプリケーション起動情報を抽出してAPL起動情報記憶手段407に書き込む機能、および、アプリケーション起動情報を抽出した旨をAPL管理・実行制御手段409に通知する機能以外の機能については、放送信号解析手段402(図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0132】
ただし、データカルーセルの編成チャンネルを特定するため、ここでは、放送信号解析手段402Bは視聴中の編成チャンネルを把握しているので、その把握している“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”をデータ放送復号手段404Bに出力することとする。
【0133】
データ放送復号手段404Bは、放送信号解析手段402Bで抽出されたデータ放送のデータを復号するものである。このデータ放送復号手段404Bは、カルーセルを復号し、BMLを解析し、当該BMLを表示可能な出力形式に変換するBMLブラウザの機能を有し、変換した表示データ(データ放送データ)を、合成表示手段415に出力する。
また、ここでは、データ放送復号手段404Bは、APL起動情報抽出手段404aを備えている。
【0134】
APL(アプリケーション)起動情報抽出手段404aは、放送信号解析手段402で抽出されたセクション形式のデータから、カルーセル伝送で送信されるアプリケーション起動情報を抽出するものである。このAPL起動情報抽出手段404aは、データカルーセルのコンポーネントタグ、モジュールIDを予め定めた値(例えば、コンポーネントタグ:AA、モジュールID:0000)とし、モジュールのタイプ(Type)記述子で、当該カルーセルデータがアプリケーション起動情報であることを検出し、カルーセルデータからアプリケーション起動情報を抽出する。
【0135】
なお、APL起動情報抽出手段404aは、モジュールバージョンが更新されることで、アプリケーション起動情報が更新されたことを検出し、更新されたタイミングでアプリケーション起動情報を抽出する。
そして、APL起動情報抽出手段404aは、放送信号解析手段402Bから通知される編成チャンネルを特定するチャンネル識別情報(“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”)に対応付けて、抽出したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。
【0136】
また、APL起動情報抽出手段404aは、アプリケーション起動情報を抽出した場合、アプリケーション起動情報が通知された旨(起動情報通知)を、アプリケーションを識別する情報(アプリケーションID)とともに、APL管理・実行制御手段409Bに通知する。
【0137】
ここで、図15〜図17を参照して、アプリケーション起動情報をデータカルーセルとして伝送するDIIメッセージおよびDDBメッセージのデータ構造について説明する。
なお、DIIメッセージおよびDDBメッセージのデータ構造は、ARIB STD−B24で規定されているものであるため、ここでは詳細な説明は行わず、アプリケーション起動情報の伝送に関連するデータについてのみ説明する。
【0138】
図15に示すDIIメッセージにおいて、(12)行目にモジュールを特定するモジュールID、(14)行目にモジュールのバージョンを記述している。また、(16)〜(18)行目はカルーセルデータがアプリケーション起動情報であることを示すType記述子の格納領域である。
具体的には、このType記述子は、図16に示すようなデータ構造で、図16の(4)〜(6)行目にアプリケーション起動情報固有のタイプ指定の値を記述する。
【0139】
また、図17に示すように、DDBメッセージにおいて、(7)〜(9)行目にアプリケーション起動情報が分割されて配置される。このアプリケーション起動情報の分割数は、図15のDIIメッセージのモジュール数(numberOfModules:(10)行目)で特定される。
【0140】
なお、ここでは、DIIメッセージにType記述子を記述して、カルーセルデータがアプリケーション起動情報であることを特定したが、コンポーネントタグおよびモジュールIDの値が、アプリケーション起動情報を一意に特定する値であれば、Type記述子を記述する必要はない。
【0141】
次に、図18を参照して、データカルーセルで伝送するアプリケーション起動情報について説明する。図18は、アプリケーション起動情報を、XML形式でテキスト表現したアプリケーション起動情報ファイルの一例を示す図である。
図18に示すテキスト表現したアプリケーション起動情報ファイルの内容は、図4で説明したアプリケーション起動情報記述子と基本的に同じ内容を含んでいる。
【0142】
アプリケーションを特定する情報としては、以下のような情報がある。例えば、図18では、(9)行目にアプリケーション名を記載している。また、(11)行目にアプリケーションを作成した組織、(12)行目に組織内で一意に定められたアプリケーションを識別する番号を記載している。この(11)および(12)行目に示す番号が、アプリケーションを一意に特定するアプリケーションIDとなる。
また、(29)行目にアプリケーションの所在(アドレス)を記載している。また、これら以外にも、(34)行目に示すように、アプリケーションが利用する付加的な情報、例えば、メタデータ、画像データ等の所在(アドレス)を記述しておくこととしてもよい。
【0143】
また、アプリケーションを制御するための付加的な情報としては、以下のような情報がある。例えば、図18では、(15)行目にアプリケーションの状態を制御する制御コード(アプリケーション制御コード)を記載している。また、図18の(35)行目に、当該アプリケーションがユーザによって選択可能なアプリケーションか否かを示す情報(リスト可能フラグ〔isListable〕)を記載している。
なお、ここでは、データカルーセルで伝送するアプリケーション起動情報を、テキスト表現したデータとしたが、図4に示したように、バイナリ表現で表したデータとしてもよい。
図14に戻って、放送通信連携受信装置400Bの構成について説明を続ける。
【0144】
APL(アプリケーション)管理・実行制御手段409Bは、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)を制御するものであって、その構成については、図2で説明したAPL管理・実行制御手段409と同一である。ただし、起動情報通知として、アプリケーション起動情報が通知される元が、APL起動情報抽出手段402a(図2参照)から、APL起動情報抽出手段404aに変更されている点のみが異なっている。
【0145】
このように、放送通信連携受信装置400Bは、アプリケーション起動情報をESに多重することなく、既存のデータカルーセル方式で伝送することができる。
また、放送通信連携受信装置400Bは、放送通信連携受信装置400Aと同様に、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることができる。
【0146】
なお、放送通信連携受信装置400Bの動作は、アプリケーション起動情報をEITから抽出するのか、データカルーセルから抽出するのかが異なるのみで、前記した図8〜図13で説明した動作と基本的に同一であるため、説明を省略する。
【0147】
≪第3実施形態≫
次に、図19を参照(システム構成については図1参照)して、第3実施形態に係る放送通信連携受信装置400C(400)の構成について説明する。
この第3実施形態に係る放送通信連携受信装置400Cは、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションを、通信回線Nを介して送信されるアプリケーション起動情報によって認識する。
【0148】
ここでは、放送通信連携受信装置400Cは、放送受信手段401と、放送信号解析手段402Bと、映像・音声復号手段403と、データ放送復号手段404と、通信送受信手段405と、APL起動情報取得手段406Cと、APL起動情報記憶手段407と、リスト制御手段408と、APL管理・実行制御手段409Cと、起動APL識別情報記憶手段410と、APL取得手段411と、APL記憶手段412と、APL実行手段413と、操作制御手段414と、合成表示手段415と、を備えている。
【0149】
APL起動情報取得手段406CおよびAPL管理・実行制御手段409C以外の構成については、図2、図14で説明した放送通信連携受信装置400A,400Bと同一であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0150】
APL(アプリケーション)起動情報取得手段406Cは、通信送受信手段405を介して、アプリケーション起動情報を取得するものである。ここで、APL起動情報取得手段406Cは、チャンネル非連動情報取得手段406aと、チャンネル連動情報取得手段406bとを備えている。
チャンネル非連動情報取得手段406aは、図2で説明した放送通信連携受信装置400Aの構成と同一のものであるため、説明を省略する。
【0151】
チャンネル連動情報取得手段406bは、通信送受信手段405を介して、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション(チャンネル連動アプリケーション)のアプリケーション起動情報を取得するものである。
このチャンネル連動情報取得手段406bは、アプリケーション起動情報を配信するサーバ(例えば、図1のAPL起動情報サーバ200)から、アプリケーション起動情報を取得する。このアプリケーション起動情報の配信は、APL起動情報サーバ200から、プッシュ通知により、放送通信連携受信装置400Cに通知されるものとする。
この場合、アプリケーション起動情報を通信回線Nで配信するサーバは、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションを起動させるため、放送局が管理するサーバであることが望ましい。なお、チャンネル連動情報取得手段406bは、予め放送通信連携受信装置400Cのネットワークアドレス(IPアドレス等)を、アプリケーション起動情報を配信するサーバに通知し、プッシュ通知を受信する要求を行っておく。
【0152】
このプッシュ通知により通知されるアプリケーション起動情報には、アプリケーションの識別子(アプリケーションID)、アプリケーションの所在(アドレス)等のアプリケーションを特定するための情報、ならびに、当該アプリケーションを制御するための付加的な情報(アプリケーション制御コード)以外に、さらに、当該アプリケーションを紐付かせる編成チャンネルを特定する情報(チャンネル識別情報)が付加されている。
【0153】
ここで、図20を参照して、編成チャンネルを特定する情報を付加したアプリケーション起動情報の内容について説明する。図20は、基本的に図18で説明したアプリケーション起動情報を記述したアプリケーション起動情報ファイルと同じである。ただし、図20の(9)〜(11)行目に示す編成チャンネルを識別するための情報が付加されている点が異なっている。
【0154】
(9)行目に示すオリジナルネットワークID(originalNetworkId)は、地上デジタル放送、BSデジタル放送等の放送網(ネットワーク)を識別するための識別子である。また、(10)行目に示すトランスポートストリームID(transportStreamId)は、トランスポートストリーム(TS)を識別するための識別子である。また、(11)行目に示すサービスID(serviceId)は、トランスポートストリームごとの編成チャンネルを識別するための識別子である。これらの情報は、図3で説明したEITにおいて編成チャンネルを特定する“オリジナルネットワーク識別”、“トランスポートストリーム識別”および“サービス識別”と同じものである。
これらの情報を付加することで、通信回線Nを介して、アプリケーション起動情報を通知する場合であっても、当該アプリケーション起動情報で特定されるアプリケーションを編成サービスと紐付けることができる。
【0155】
なお、ここでは、図20に示すように、XML形式でテキスト表現したアプリケーション起動情報ファイルで、アプリケーション起動情報を記述した例を示したが、バイナリ形式で記述してもよい。例えば、アプリケーション起動情報を、図4で説明した記述子のデータに、図21に示すようなオリジナルネットワークID(original_network_id)、トランスポートストリームID(transport_stream_id)、サービスID(service_id)を含んだ記述子(バウンドサービス記述子)を付加して、編成サービスと紐付けることとしてもよい。
図19に戻って、放送通信連携受信装置400Cの構成について説明を続ける。
【0156】
チャンネル連動情報取得手段406bは、編成チャンネルを特定する情報(チャンネル識別情報)を付加したアプリケーション起動情報(図20参照)を取得し、APL起動情報記憶手段407に書き込み記憶する。
なお、このアプリケーション起動情報には、すでにチャンネル識別情報が含まれているが、チャンネル非連動情報取得手段406aで取得してAPL起動情報記憶手段407に記憶されるデータ構造と同一で管理することが望ましい。そこで、ここでは、チャンネル連動情報取得手段406bは、図6で説明したように、チャンネル(チャンネル識別情報)に対応付けて、取得したアプリケーション起動情報をAPL起動情報記憶手段407に書き込み記憶させる。
【0157】
また、チャンネル連動情報取得手段406bは、アプリケーション起動情報を取得した場合、アプリケーション起動情報が通知された旨(起動情報通知)を、アプリケーションを識別する情報(アプリケーションID)とともに、APL管理・実行制御手段409Cに通知する。
【0158】
APL(アプリケーション)管理・実行制御手段409Cは、アプリケーションのライフサイクル(アプリケーションがロード、実行されて終了するまでの過程)を制御するものであって、その構成については、図2で説明したAPL管理・実行制御手段409と同一である。ただし、起動情報通知として、アプリケーション起動情報が通知される元が、APL起動情報抽出手段402a(図2参照)から、チャンネル連動情報取得手段406bに変更されている点のみが異なっている。
【0159】
このように、放送通信連携受信装置400Cは、アプリケーション起動情報を放送波に多重することなく、通信回線Nを介して取得することができる。
また、放送通信連携受信装置400Cは、放送通信連携受信装置400Aと同様に、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムにより動作させることができる。
【0160】
なお、放送通信連携受信装置400Cの動作は、アプリケーション起動情報をEITから抽出するのか、通信回線Nによって取得するのかが異なるのみで、前記した図8〜図13で説明した動作と基本的に同一であるため、説明を省略する。
【0161】
以上、放送通信連携受信装置400の構成について第1実施形態から第3実施形態までを例に説明したが、放送通信連携受信装置400の構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0162】
ここでは、第1実施形態から第3実施形態までにおいて、編成チャンネルに紐付いたアプリケーション起動情報を、EITの記述子から抽出する構成、データカルーセルのデータから抽出する構成、通信回線Nを介して取得する構成でそれぞれ説明したが、これらは、それぞれ組み合わせて構成してもよい。
【0163】
例えば、図22に示すように、放送通信連携受信装置400Dとして、APL起動情報抽出手段402a、APL起動情報抽出手段404aおよびチャンネル連動情報取得手段406bを備える構成としてもよい。この場合、APL管理・実行制御手段409Dは、APL起動情報抽出手段402a、APL起動情報抽出手段404aおよびチャンネル連動情報取得手段406bから、それぞれアプリケーションを取得した通知(起動情報通知)を通知されることで、アプリケーションのライフサイクル制御を行えばよい。
【0164】
また、図2等に示した放送通信連携受信装置400(400A〜400D)において、放送信号解析手段402(402B)は、従来と同様に、放送番組を構成するエレメンタリストリーム(ES:Elementary Stream)としてセクション形式でトランスポートストリームに多重化されたアプリケーション情報テーブル(AIT:Application Information Table)から、アプリケーション起動情報を抽出する機能を備えることとしてもよい。
【0165】
また、図14の第2実施形態の放送通信連携受信装置400Bにおいて、データカルーセルから編成チャンネルに紐付いたアプリケーション起動情報を抽出する際に、放送信号解析手段402Bによって、受信中の編成チャンネルを特定する情報を得たが、図20に示したアプリケーション起動情報ファイルを用いて、APL起動情報抽出手段404aにおいて、編成チャンネルを特定する情報を抽出することとしてもよい。
【符号の説明】
【0166】
S 放送通信連携システム
100 放送送信装置
200 APL(アプリケーション)起動情報サーバ
300 APL(アプリケーション)サーバ
400 放送通信連携受信装置
401 放送受信手段
402 放送信号解析手段
402a APL(アプリケーション)起動情報抽出手段
403 映像・音声復号手段
404 データ放送復号手段
404a APL(アプリケーション)起動情報抽出手段
405 通信送受信手段
406 APL(アプリケーション)起動情報取得手段
406a チャンネル非連動情報取得手段
406b チャンネル連動情報取得手段
407 APL(アプリケーション)起動情報記憶手段
408 リスト表示手段
408a リスト表示手段
408b リスト選択手段
409 APL(アプリケーション)管理・実行制御手段
409a 起動制御手段
409b 終了制御手段
409c 蓄積管理手段
410 起動APL(アプリケーション)識別情報記憶手段
411 APL(アプリケーション)取得手段
412 APL(アプリケーション)記憶手段
413 APL(アプリケーション)実行手段
414 操作制御手段
415 合成表示手段
W 放送波
N 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送受信手段と通信送受信手段とを備え、編成チャンネルに紐付いたアプリケーションおよび紐付かないアプリケーションの起動を制御する放送通信連携受信装置であって、
編成チャンネルに紐付いたアプリケーションの起動を制御する情報であって、前記アプリケーションを紐付かせる編成チャンネルを特定する情報と当該アプリケーションの所在を特定するアドレスと当該アプリケーションの起動を制御する制御コードとを含んだアプリケーション起動情報を、前記通信送受信手段を介して取得するチャンネル連動情報取得手段と、
編成チャンネルに紐付かないアプリケーションに対応するアプリケーション起動情報を、前記通信送受信手段を介して取得するチャンネル非連動情報取得手段と、
前記チャンネル連動情報取得手段で取得したアプリケーション起動情報と、前記チャンネル非連動情報取得手段で取得したアプリケーション起動情報とを記憶するアプリケーション起動情報記憶手段と、
前記通信送受信手段を介して、アプリケーションを取得するアプリケーション取得手段と、
アプリケーションを実行させるアプリケーション実行手段と、
前記アプリケーション起動情報記憶手段に記憶されたアプリケーション起動情報の制御コードで起動が指示されたアプリケーションを、前記アプリケーション取得手段により前記アドレスから取得させて前記アプリケーション実行手段に起動させる起動制御手段と、
起動したアプリケーションの識別情報を記憶する起動アプリケーション識別情報記憶手段と、
前記制御コードで終了が指示されたアプリケーションを、前記アプリケーション実行手段により終了させる終了制御手段と、
前記アプリケーション起動情報記憶手段に記憶されているアプリケーション起動情報の制御コードで起動可能状態のアプリケーションをリストとして表示するリスト表示手段と、
前記リストで選択されたアプリケーションの起動を、前記起動制御手段に指示するリスト選択手段と、を備え、
前記終了制御手段は、前記制御コードですべてのアプリケーションを終了させる旨が指示された場合、前記起動アプリケーション識別情報記憶手段を参照して、現在起動しているすべてのアプリケーションを、前記アプリケーション実行手段により終了させることを特徴とする放送通信連携受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−9355(P2013−9355A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114219(P2012−114219)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】