説明

放電灯点灯装置、照明器具、液晶表示用バックライト装置

【課題】 調光動作が可能であって、且つ、位相のずれによる放電灯のちらつきが抑えられる放電灯点灯装置、照明器具、並びに、液晶表示用バックライト装置を提供する。
【解決手段】 それぞれ入力された駆動信号に同期した交流電力をそれぞれ異なる放電灯に出力する複数個のインバータ回路と、所定の第1周波数の第1駆動信号(A)を生成する発振器と、第1駆動信号(A)を2分周した第2駆動信号(B)を生成する分周器と、PWM信号である調光信号(C)(D)を入力され、各インバータ回路に入力する駆動信号を、第1駆動信号と第2駆動信号との一方であって入力された調光信号のオンオフ状態に応じた一方に切り替える切替回路とを備える。調光信号による調光が可能でありながらも、複数個のインバータ回路間で共通の駆動信号が用いられることで出力の周波数及び位相が一致するから、ちらつきが抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置、照明器具、並びに、液晶表示用バックライト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、放電灯に交流電力を供給して点灯させる放電灯点灯装置が、照明器具や、液晶パネルを表示面の反対側から照明する液晶表示用バックライト装置に用いられている。
【0003】
この種の放電灯点灯装置において、複数個の放電灯を同じ周波数の交流電力で点灯させる場合、放電灯間で交流電力の位相が互いに異なっていると、供給される交流電力の位相が互いに異なる放電灯同士で光が互いに干渉することで、ちらつきが発生して見える。このようなことを避けるために、放電灯間で交流電力の位相を揃えた放電灯点灯装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−299094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放電灯点灯装置としては、放電灯に出力する交流電力の周波数を、所定のオン周波数と、オン周波数よりも放電灯の光出力が低くなるようなオフ周波数とで定期的に交互に切替えることにより、常にオン周波数の交流電力を供給される場合に比べて光出力を低下させる調光動作が可能なものもある。
【0005】
しかし、従来は、上記のような調光動作で複数個の放電灯をそれぞれ点灯させる放電灯点灯装置において、放電灯間で交流電力の位相を揃えることは考えられていなかった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、調光動作が可能であって、且つ、位相のずれによる放電灯のちらつきが抑えられる放電灯点灯装置、照明器具、並びに、液晶表示用バックライト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、それぞれ入力された駆動信号に同期した交流電力をそれぞれ異なる放電灯に出力する複数個のインバータ回路と、所定の第1周波数の第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、第1周波数を2以上の所定の整数分の1とした第2周波数であって第1駆動信号の反転のうち前記整数回に1回に同期して反転する第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、PWM信号である調光信号を入力され、各インバータ回路に入力する駆動信号を、第1駆動信号と第2駆動信号との一方であって入力された調光信号のオンオフ状態に応じた一方に切り替える切替回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、調光信号による調光が可能であって、且つ、複数個のインバータ回路間で共通の駆動信号が用いられることで出力の周波数及び位相が一致するから、ちらつきが抑えられる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、切替回路はインバータ回路に一対一に対応して複数個設けられていて、入力された調光信号を各切替回路にそれぞれ異なる時間だけ遅延させて入力する遅延回路を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、切替回路は、インバータ回路に入力する駆動信号を切り替えるタイミングを、第2駆動信号の立ち上がりに同期させることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、インバータ回路に入力される駆動信号が切り替えられる際に一時的に駆動信号の周波数が変動することが避けられる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、第1駆動信号と第2駆動信号とはそれぞれ矩形波であって、第1駆動信号と第2駆動信号とのうち調光信号がオン状態であるときにインバータ回路に入力されるオン駆動信号と調光信号との論理積を出力する第1の論理積回路と、調光信号の否定を出力する否定回路と、第1駆動信号と第2駆動信号とのうち調光信号がオフ状態であるときにインバータ回路に入力されるオフ駆動信号と否定回路の出力との論理積を出力する第2の論理積回路と、第1の論理積回路の出力と第2の論理積回路の出力との論理和をインバータ回路に入力する論理和回路とを有する切替回路を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において、少なくとも第1駆動回路と第2駆動回路と切替回路とが集積された集積回路を備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、集積回路を用いない場合に比べて部品点数を削減して小型化することが可能となる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と、放電灯点灯装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と、それぞれ前記放電灯点灯装置によって点灯される複数個の放電灯とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、それぞれ入力された駆動信号に同期した交流電力をそれぞれ異なる放電灯に出力する複数個のインバータ回路と、所定の第1周波数の第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、第1周波数を2以上の所定の整数分の1とした第2周波数であって第1駆動信号の反転のうち前記整数回に1回に同期して反転する第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、PWM信号である調光信号を入力され、各インバータ回路に入力する駆動信号を、第1駆動信号と第2駆動信号との一方であって入力された調光信号のオンオフ状態に応じた一方に切り替える切替回路とを備えるので、調光信号による調光が可能であって、且つ、複数個のインバータ回路間で共通の駆動信号が用いられることで出力の周波数及び位相が一致するから、ちらつきが抑えられる。
【0018】
請求項3の発明によれば、切替回路は、インバータ回路に入力する駆動信号を切り替えるタイミングを、第2駆動信号の立ち上がりに同期させるので、インバータ回路に入力される駆動信号が切り替えられる際に一時的に駆動信号の周波数が変動することが避けられる。
【0019】
請求項5の発明によれば、少なくとも第1駆動回路と第2駆動回路と切替回路とが集積された集積回路を備えるので、集積回路を用いない場合に比べて部品点数を削減して小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
本実施形態は、図2に示すように、所定の第1周波数(例えば100kHz)の第1駆動信号f1を生成する第1駆動回路としての発振器1と、第1駆動信号f1を2分周した第2駆動信号f2を生成する第2駆動回路としての分周器2と、放電灯Laに一対一に対応し、それぞれ第1駆動信号f1と第2駆動信号f2との一方に同期した交流電力を対応する放電灯Laに出力する複数個のインバータブロック3とを備える。すなわち、本実施形態は、インバータブロック3の個数分の放電灯Laを点灯させるものである。放電灯Laとしては、2本のフィラメントを有する熱陰極型の放電灯が用いられる。発振器1は周知技術で実現可能であるので詳細な図示並びに説明は省略する。分周器2は入力端子CLKからの入力の立ち上がり毎に(つまり1周期毎に)出力端子Qからの出力が反転するいわゆるT型フリップフロップ(トグルフリップフロップ)である。第1駆動信号f1は図1(A)に示すような矩形波であり、第2駆動信号f2は図1(B)に示すように第1駆動信号f1の立ち上がりに同期して反転する矩形波である。すなわち、第2駆動信号f2の立ち上がりのタイミングは常に第1駆動信号f1の立ち上がりに同期している。
【0022】
各インバータブロック3は、それぞれ、図3に示すように、入力された駆動信号に同期した交流電力を放電灯Laに出力するインバータ回路31と、PWM信号である調光信号を入力され、入力された調光信号を第2駆動信号f2の周期の整数倍(すなわち第1駆動信号の周期の偶数倍)の遅延時間だけ遅延して出力する遅延回路32と、遅延回路32から調光信号を入力され、インバータ回路31に入力する駆動信号を、第1駆動信号f1と第2駆動信号f2との一方であって入力された調光信号のオンオフ状態に応じた一方に切り替える切替回路33とを備える。遅延回路32が遅延する時間は遅延回路32毎(すなわちインバータブロック3毎)に異ならせてあり、調光信号がオン状態とオフ状態との間で切り替わるタイミングは切替回路33毎に少しずつずれるようになっている。例えば、遅延回路32における遅延時間が最も短いインバータブロック(以下、「第1インバータブロック」と呼ぶ。)3の遅延回路32が出力する図1(C1)のような調光信号に対し、遅延回路32における遅延時間が2番目に短いインバータブロック(以下、「第2インバータブロック」と呼ぶ。)3の遅延回路32が出力する調光信号は図1(C1)に示すように第2駆動信号f2の2周期分だけ遅れる。
【0023】
各インバータ回路31は、それぞれ、放電灯Laとともに共振回路を構成する共振部と、1個以上のスイッチング素子からなり直流電源と共振部との接続を切替えるスイッチング部とを備える。具体的には例えば図4に示すように、一次巻線にタップを有し二次巻線とコンデンサとの直列回路が放電灯Laの両端間に接続された第1トランスT1と、第1トランスT1の一次巻線の一端とグランドとの間に接続された第1スイッチング素子Q1と、第1トランスT1の一次巻線の他端とグランドとの間に接続され第1スイッチング素子Q1とともに上記のスイッチング部を構成する第2スイッチング素子Q2とを備える。直流電源Eは、低電圧側の端子がグランドに接続され、高電圧側の端子が第1トランスT1の一次巻線のタップに接続される。さらに、第1トランスT1の二次巻線の両端間にはコンデンサが接続されており、上記の各コンデンサと第1トランスT1の各巻線とが上記の共振部を構成している。すなわち、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオンオフ駆動されることで、該オンオフ駆動の周波数と上記の共振回路の共振周波数との関係に応じた電力が放電灯Laに供給される。具体的には、各スイッチング素子Q1,Q2はそれぞれNチャネルMOSFETからなり、第1スイッチング素子Q1のゲートには切替回路33からの駆動信号がそのまま入力され、第2スイッチング素子Q2のゲートには切替回路33からの駆動信号が否定回路NOT2を介して入力されることで、第1スイッチングQ1と第2スイッチング素子Q2とが上記の駆動信号の周波数で交互にオンオフされ、この結果としてインバータ回路31が放電灯Laに出力する交流電力は周波数が上記の駆動信号に一致するとともに位相が上記の駆動信号に同期する。また、第1周波数は上記の共振回路の共振周波数(以下、単に「共振周波数」と呼ぶ。)に対して十分に高く、インバータ回路31の出力電力が放電灯Laが消灯する程度に小さくなるような周波数となっている。さらに、第2周波数は共振周波数に十分近く、インバータ回路31の出力電力が放電灯Laが点灯する程度に大きくなるような周波数となっている。また、図4のインバータ回路31は、コンデンサとの直列回路が第1トランスT1の一次巻線の両端間に接続された一次巻線と、それぞれコンデンサとの直列回路が放電灯Laの一方ずつのフィラメントの両端間に接続された2本の二次巻線とを有する予熱用の第2トランスT2を備える。
【0024】
切替回路33は、入力された調光信号がオン状態(Hレベル)である期間にはオン駆動信号としての第2駆動信号f2をインバータ回路31に入力することで放電灯Laを点灯させ、入力された調光信号がオフ状態(Lレベル)である期間にはオフ駆動信号としての第1駆動信号f1をインバータ回路31に入力することで放電灯Laを消灯させる。例えば、第1インバータブロック3では図1(C1)で示すような調光信号が切替回路33に入力されることで図1(D1)に示すような駆動信号がインバータ回路31に入力され、この結果、図1(E1)に示すような電流が放電灯Laの両端間に流れ、放電灯Laの各フィラメントにはそれぞれ図1(F1)に示すような電流が流れる。また、第1インバータブロック3に比べて遅延回路33における遅延時間が第2駆動信号f2の2周期分長い第2インバータブロック3では図1(C2)で示すような調光信号が切替回路33に入力されることで図1(D2)に示すような駆動信号がインバータ回路31に入力され、この結果、図1(E2)に示すような電流が放電灯Laの両端間に流れ、放電灯Laの各フィラメントにはそれぞれ図1(F2)に示すような電流が流れる。仮に、遅延回路32を設けずに各切替回路33にそれぞれ共通の調光信号を入力した場合、全ての放電灯Laの点灯期間が略一致することになるが、本実施形態では上記のように調光信号がオン状態とオフ状態との間で切り替わるタイミングが切替回路33毎に少しずつずれるようになっているから、各放電灯Laは点灯する期間が少しずつずれることになる。このような制御は、例えば、液晶パネルを人に向けられる面の反対側(後側)から照明する液晶表示用バックライト装置において、動画を表示する際に液晶パネルを複数の領域に分けて領域毎に順に画像を切替える場合に、液晶パネルのうち動画における画像の切替が完了していない領域を照明する放電灯のみを消灯させることで該領域のみを見えにくくし全体としての動画の見栄えを改善するために行われることがある。上記のように動作する液晶表示用バックライト装置は、スキャニングバックライトと呼ばれる。
【0025】
より具体的には、切替回路33は、遅延回路32から入力された調光信号とオン駆動信号としての第2駆動信号f2との論理積を出力する第1の論理積回路AND1と、遅延回路32から入力された調光信号の否定を出力する否定回路NOT1と、オフ駆動信号としての第1駆動信号f1と否定回路NOT1の出力との論理積を出力する第2の論理積回路AND2と、第1の論理積回路AND1の出力と第2の論理積回路AND2の出力との論理和を出力する論理和回路ORとで構成されている。この論理和回路ORの出力がすなわち切替回路33の出力であって、既に述べたように、インバータ回路31において、第1スイッチング素子Q1にそのまま入力される一方、第2スイッチング素子Q2に否定回路NOT2を介して入力される。
【0026】
上記構成によれば、図1に示す期間t1のように複数個のインバータ回路31で入力される調光信号がそれぞれオン状態となり放電灯Laが同時に点灯されている期間にも、上記複数個のインバータ回路31はそれぞれ共通の分周器2で生成された第2駆動信号f2に同期した交流電力を出力することになるから、放電灯Laに出力される交流電力の位相がインバータ回路31間で揃い、ちらつきの発生が防止される。
【0027】
ここで、例えば、第2駆動信号f2がHレベルからLレベルとなるタイミングの直前で調光信号がオン状態からオフ状態に切り替わると、駆動信号がHレベルである状態が第1駆動信号f1の1.5周期分続くことになり、つまり一時的に駆動信号の周波数が第2周波数よりもさらに小さくなる。このように、駆動信号の1周期が終わるタイミング以外で調光信号が切り替わると、切替時に駆動信号の周波数が一時的に第1周波数とも第2周波数とも異なる第3周波数となってしまう。そこで、本実施形態では、調光信号においてオン状態が維持される期間の長さ(以下、「オン時間」と呼ぶ。)、調光信号においてオフ状態が維持される期間の長さ(以下、「オフ時間」と呼ぶ。)、並びに、各遅延回路32における遅延時間は、それぞれ、第2駆動信号f2の周期(すなわち第2周波数の逆数)の整数倍、言い換えると第1駆動信号f1の周期(すなわち第1周波数の逆数)の偶数倍とされており、調光信号のオンオフ状態が切り替わるタイミングは常に第2駆動信号f2の立ち上がりのタイミングに同期している。これにより、調光信号のオン状態とオフ状態とが切り替わるタイミングで一時的に駆動信号の周波数が上記のような第3周波数となってしまうことがない。さらに、外部から入力される調光信号が上記の条件に合わない場合には、入力された調光信号を元にオン時間とオフ時間とを上記の条件に合うように微調整した調光信号を生成して各遅延回路に出力する調光信号生成回路(図示せず)を設けてもよいし、切替回路33が駆動信号の切り替えのタイミングを第2駆動信号f2の立ち上がりのタイミングに合わせるために適宜遅らせるようにしてもよい。上記のような調光信号生成回路や切替回路33は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0028】
なお、遅延回路32と、切替回路33とのうちの1個乃至複数個を、1チップの集積回路に構成してもよい。この構成を採用すれば、集積回路を用いない場合に比べ、部品点数の削減による小型化が可能となる。
【0029】
また、上記の実施形態では第1駆動信号f1がオフ駆動信号であって第2駆動信号f2がオン駆動信号とされていたが、例えば、第1周波数と第2周波数とがともに共振周波数よりも低くされる場合には、より共振周波数に近い第1駆動信号f1をオン駆動信号とし、より共振周波数から離れた第2駆動信号f2をオフ駆動信号としてもよい。
【0030】
さらに、第1駆動信号f1と第2駆動信号f2との一方を放電灯Laを消灯させるものとする代わりに、第1駆動信号f1と第2駆動信号f2とがそれぞれ放電灯Laを互いに異なる光出力で点灯させるものとしてもよい。この場合であっても、入力される駆動信号の周波数が互いに共通である複数個のインバータ回路31間では入力される駆動信号の発生源も互いに共通であることになるから、該複数個のインバータ回路31の出力の位相は互いに一致することになり、放電灯Laのちらつきは抑制される。
【0031】
また、第1周波数や第2周波数を複数通りに切替可能としてもよい。この構成を採用すれば、特性の異なる複数種類の放電灯Laに対応可能となる。この構成を実現するための発振器1や分周器2は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0032】
さらに、インバータ回路31も図4のようなものに限られず、ハーフブリッジ形やフルブリッジ形など他の周知のインバータ回路を採用してもよい。
【0033】
また、遅延回路32を設けず、全てのインバータ回路31が一括して制御される構成としてもよい。この場合、切替回路33は全てのインバータ回路31で共用とすることができ、全期間にわたってインバータ回路31間で出力の周波数と位相とを一致させることができる。
【0034】
上記の各種の放電灯点灯装置は、図5に示すような照明器具4に用いることができる。図5の照明器具4は、放電灯点灯装置を構成する各回路部品がそれぞれ実装された回路基板Pと、放電灯点灯装置の電源を生成する電源回路が実装されるとともに回路基板Pに電気的に接続された電源用回路基板(図示せず)と、それぞれインバータ回路31の出力端に電気的に接続されるとともに直管型の放電灯Laの一方ずつの口金が電気的且つ機械的に接続される4組のソケット41と、回路基板Pと電源用回路基板と各ソケット41とをそれぞれ保持する器具本体42と、透光性を有して各放電灯Laの光をそれぞれ拡散させる例えば乳白色の材料からなり器具本体42に結合して各放電灯Laと各ソケット41とがそれぞれ収納される空間を器具本体42との間に構成するカバー43とを備える。上記のような照明器具4は周知技術で実現可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0035】
また、上記の各種の放電灯点灯装置は、図6に示すような液晶表示用バックライト装置5にも用いることができる。図6に示す液晶表示用バックライト装置5は、液晶パネルLCPを人に向けられる面の反対側(図6での下側)から照明するものである。上下方向は図6を基準として説明すると、この液晶表示用バックライト装置5は、この液晶表示用バックライト装置5は、それぞれインバータ回路31から交流電力を供給されて点灯する4本の放電灯Laと、上面が開口した直方体形状であって各放電灯Laをそれぞれ収納した筐体51と、放電灯点灯装置を構成する各回路部品がそれぞれ実装されて筐体51の下側に配置された回路基板Pと、放電灯点灯装置の電源を生成する電源回路が実装されるとともに回路基板Pに電気的に接続された電源用回路基板(図示せず)と、筐体51の底面に敷設されて各放電灯Laの光をそれぞれ上方に配光する反射板52と、透光性を有する材料からなり筐体51に取り付けられて上方から見て各放電灯Laをそれぞれ覆い各放電灯Laの光をそれぞれ拡散させる拡散板53と、拡散板53の上面を覆う例えばプリズムシートのような光学シート54とを備え、液晶パネルLCPは光学シート54の上面を覆う形で配置される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態の動作を示す説明図であり、(A)は第1駆動信号の波形を示し、(B)は第2駆動信号の波形を示し、(C1)は第1インバータブロックの遅延回路の出力の波形を示し、(C2)は第2インバータブロックの遅延回路の出力の波形を示し、(D1)は第1インバータブロックの切替回路の出力の波形を示し、(D2)は第2インバータブロックの切替回路の出力の波形を示し、(E1)は第1インバータブロックに接続された放電灯の両端間に流れる電流の波形を示し、(E2)は第2インバータブロックに接続された放電灯の両端間に流れる電流の波形を示し、(F1)は第1インバータブロックに接続された放電灯の各フィラメントに流れる電流の波形を示し、(F2)は第2インバータブロックに接続された放電灯の各フィラメントに流れる電流の波形を示す。
【図2】同上の概略構成を示すブロック図である。
【図3】同上の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】同上のインバータ回路を示す回路図である。
【図5】同上を用いた照明器具を示す分解斜視図である。
【図6】同上を用いた液晶表示用バックライト装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 発振器(請求項における第1駆動回路)
2 分周器(請求項における第2駆動回路)
4 照明器具
5 液晶表示用バックライト装置
31 インバータ回路
32 遅延回路
33 切替回路
41 器具本体
La 放電灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ入力された駆動信号に同期した交流電力をそれぞれ異なる放電灯に出力する複数個のインバータ回路と、
所定の第1周波数の第1駆動信号を生成する第1駆動回路と、
第1周波数を2以上の所定の整数分の1とした第2周波数であって第1駆動信号の反転のうち前記整数回に1回に同期して反転する第2駆動信号を生成する第2駆動回路と、
PWM信号である調光信号を入力され、各インバータ回路に入力する駆動信号を、第1駆動信号と第2駆動信号との一方であって入力された調光信号のオンオフ状態に応じた一方に切り替える切替回路とを備えることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
切替回路はインバータ回路に一対一に対応して複数個設けられていて、
入力された調光信号を各切替回路にそれぞれ異なる時間だけ遅延させて入力する遅延回路を備えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
切替回路は、インバータ回路に入力する駆動信号を切り替えるタイミングを、第2駆動信号の立ち上がりに同期させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
第1駆動信号と第2駆動信号とはそれぞれ矩形波であって、
第1駆動信号と第2駆動信号とのうち調光信号がオン状態であるときにインバータ回路に入力されるオン駆動信号と調光信号との論理積を出力する第1の論理積回路と、調光信号の否定を出力する否定回路と、第1駆動信号と第2駆動信号とのうち調光信号がオフ状態であるときにインバータ回路に入力されるオフ駆動信号と否定回路の出力との論理積を出力する第2の論理積回路と、第1の論理積回路の出力と第2の論理積回路の出力との論理和をインバータ回路に入力する論理和回路とを有する切替回路を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
少なくとも第1駆動回路と第2駆動回路と切替回路とが集積された集積回路を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と、放電灯点灯装置を保持する器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と、それぞれ前記放電灯点灯装置によって点灯される複数個の放電灯とを備えることを特徴とする液晶表示用バックライト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−146998(P2010−146998A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326404(P2008−326404)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】