放電灯点灯装置並びに照明器具
【課題】見掛け上の照度を略一定に保ちつつ使用者の初期投資コスト及びランニングコストを低く抑え、さらに省資源化を実現することができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供する。
【解決手段】放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の45Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。FHF32の蛍光ランプにおいては41W〜55Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を損ねることなく光量を増大し、その結果、見掛け上の照度を略一定に保つことができる。
【解決手段】放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の45Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。FHF32の蛍光ランプにおいては41W〜55Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を損ねることなく光量を増大し、その結果、見掛け上の照度を略一定に保つことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置、並びに当該放電灯点灯装置を搭載した照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、照明用途に用いられる蛍光ランプなどの放電灯の光束は使用時間の経過とともに低下することが知られている。そのため、放電灯の使用時間経過に伴う光束(照度)の低下を抑制した放電灯点灯装置が従来より提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
かかる従来例においては、放電灯の使用初期の照度を定格点灯時の値の70〜80%程度に抑え、使用時間の経過に伴って光束を増やすように調光制御することで寿命末期までの使用期間中における見かけ上の照度をほぼ一定に保つことができ、しかも、使用初期には放電灯を定格よりも少ない電力で調光点灯することで省電力が図れるという利点がある。
【特許文献1】特開平9−97683号公報
【特許文献2】特開2001−15275公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、放電灯(例えば、蛍光ランプ)に供給される電力は放電灯の製造者によって定格値が規定されており、放電灯の形状にほぼ比例して増加している。例えば、直管形蛍光ランプでは管長が約600mm、管径が約25.5mmのもので定格電力が23W程度に規定され、管長が約1200mm、管径が約25.5mmのもので定格電力が45W程度に規定されている。また定格電力を供給したときの蛍光ランプの光束特性について、初光束(使用開始から100時間経過後の光束)が製造者から公表されており、その定格寿命については、直管形蛍光ランプについて光束減退が初特性の70%に達するまでの時間、またはフィラメントが断線するまでの時間の何れか早い方と規定されている。
【0005】
さらに屋内照明においては、作業面で必要な照度を得るために床面積、ランプ光束(前記初光束)、ランプ個数、保守率などを変数として照明器具の設置台数が決められている。ここで保守率とは、上述した蛍光ランプ自体の光束減退及び蛍光ランプ並びに照明器具に汚れが付着することによる反射率の低下などを加味して定格寿命時点で必要な照度が得られるように決められており、例えば下面開放型の照明器具では一般的な使用環境においては0.7、塵埃の発生が少なく常に空気が清浄に保たれている場所では0.74を目安とし、この保守率が小さいほど設置する照明器具の台数が増え、設備コストが増大することになる。よって使用する蛍光ランプが同じであり、照明器具の設置環境が同じであると仮定すると、一般的な放電灯点灯装置を用いた場合のランプ寿命末期時の照度と、予め照度の低下を見込んで初光束の70〜80%の照度が常に得られるよう照度を略一定に保つよう制御する従来例のランプ寿命末期時の照度とはほぼ等しくなり、設置する照明器具台数も等しくなる。しかしながら、上記従来例では、一般的な放電灯点灯装置の構成に対して照度を略一定に保つよう制御するための構成を付加する必要があるため、装置または照明器具のコストが上昇し、ひいては使用者の設備投資コストが大きくなってしまう。
【0006】
また上記従来例においては、使用初期の照度を70〜80%程度に抑えることで使用初期から定格寿命までの期間で一般的な放電灯点灯装置に比べて約10〜15%程度の省電力化が図れ、使用者のランニングコストが低減可能である。しかしながら、作業面におい
て必要照度を得るためには、これ以上の省電力、省資源化を望むことはできない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、見掛け上の照度を略一定に保ちつつ使用者の初期投資コスト及びランニングコストを低く抑え、さらに省資源化を実現することができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、1乃至複数のスイッチング素子を具備し当該スイッチング素子を高周波数でスイッチングすることにより直流入力を高周波交流出力に変換するインバータ回路と、放電灯とともに共振回路を構成しインバータ回路の出力端間に接続される1乃至複数の共振用インダクタ及び共振用コンデンサと、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することでインバータ回路から共振回路を介して放電灯に供給される高周波電力を調整する調光制御回路とを備えた放電灯点灯装置において、前記調光制御回路は、放電灯の使用開始から当該放電灯の定格寿命に達した後の所定時間までの期間中に使用時間の経過に伴ってインバータ回路の高周波電力が徐々に増大するように制御する電力補正手段と、前記所定時間以降においてはインバータ回路の高周波電力が所定値以下となるように制御する電力抑制手段とを具備し、前記所定値は、放電灯の管形状、管長、管径によって規定される電力の1.2倍よりも大きい値であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電力補正手段は、放電灯の累積点灯時間を計時する計時手段を有し、当該計時手段で計時する累積点灯時間に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記電力補正手段は、放電灯の光量を検出する光量検出手段を有し、当該光量検出手段で検出される光量に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記所定値は、前記規定電力の1.3倍以上の値であることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記放電灯が約1200mmの管長、約25.5mmの管径を有する直管形蛍光ランプである場合に、前記所定値が65W以下に設定されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記放電灯が約410mmの管長、約17.5mmの管径を有するコンパクト形蛍光ランプである場合に、前記所定値が42W以下に設定されることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記放電灯のフィラメントに電流を供給する予熱電流供給手段を備え、当該予熱電流供給手段は、放電灯の始動前に供給する先行予熱時の電流値に対して放電灯の始動後に供給する電流値を小さくしてなることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記予熱電流供給手段は、インバータ回路によって高周波電流が流される1次巻線と、前記放電灯のフィラメントに接続されるとともに点灯時のランプ電流に対して位相が反転した電流をフィラメントに流すように1次巻線に磁気結合された2次巻線と、インバータ回路から1次巻線への給電路に挿入された
スイッチ要素とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の放電灯点灯装置と、当該放電灯点灯装置が取り付けられる器具本体と、器具本体に設けられ放電灯が着脱自在に装着されるとともに放電灯点灯装置と放電灯を電気的に接続するソケットとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、見掛け上の照度を略一定に保ちつつ使用者の初期投資コスト及びランニングコストを低く抑え、さらに省資源化を実現することができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
図1に本発明の実施形態1の回路構成図を示す。商用交流電源ACの交流出力がダイオードブリッジDBで全波整流されて直流電源回路1に入力される。直流電源回路1は、ダイオードブリッジDBより入力される脈流出力を所望電圧の直流出力に変換するDC/DCコンバータ(例えば、昇圧チョッパ回路)からなる。インバータ回路2は従来周知のハーフブリッジ型のものであって、MOSFETからなる一対のスイッチング素子Q1,Q2が直流電源回路1の出力端間に直列接続されて構成されている。なお、スイッチング素子Q1,Q2のゲートには入力抵抗R1,R2が接続され、ローサイドのスイッチング素子Q2には検出抵抗R3が接続されている。
【0019】
ローサイドのスイッチング素子Q2並びに検出抵抗R3の直列回路には、放電灯Laとともに共振回路3を構成する共振用インダクタL1及び共振用コンデンサC1が直流カット用のコンデンサを介して直列に接続され、共振用コンデンサC1に放電灯Laが並列に接続される。また、インバータ回路2と共振回路3との間には放電灯Laのフィラメントに予熱電流を供給するための予熱回路8が接続されている。この予熱回路8は、直流カット用のコンデンサC2と予熱トランスT1の1次巻線がインバータ回路2の出力端間に接続されるとともに、予熱トランスT1の一対の2次巻線が放電灯Laの各フィラメントにそれぞれ接続されて構成されている。
【0020】
調光制御回路4は、インバータ回路2を構成する一対のスイッチング素子Q1,Q2をスイッチング制御するインバータ制御部5と、放電灯Laの累積点灯時間に伴って光量の補正を行う補正制御部6と、累積点灯時間を記憶した書換可能な不揮発性メモリ7とを具備する。インバータ制御部5は、共振回路3の無負荷共振周波数よりも十分に高い周波数(予熱周波数)でスイッチング素子Q1,Q2をスイッチングすることで放電灯Laの予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに予熱電流を供給させる先行予熱モードと、予熱周波数よりも低く且つ無負荷共振周波数よりも高い周波数(始動周波数)でスイッチング素子Q1,Q2をスイッチングすることで放電灯Laに始動電圧を印加する始動モードと、放電灯Laの始動後に点灯時の共振周波数よりも高い周波数(点灯周波数)で放電灯Laを安定点灯させる点灯モードとを有し、補正制御部6により点灯周波数が増減されることで放電灯Laに供給される高周波電力を調整するものである。
【0021】
インバータ制御部5は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング制御するためのインバータ制御信号を発生するインバータ制御信号発生回路11と、インバータ制御信号発生回路11から出力されるインバータ制御信号に応じてスイッチング素子Q1,Q2を駆動するドライブ回路12と、先行予熱モードの期間(先行予熱期間)を限時する予熱タイマ回路10とを備える。インバータ制御信号発生回路11は定電圧バッファ回路、定電圧ミラー回路、発振用コンデンサ(何れも図示せず)等を具備した集積回路(IC)で構成
されており、前記定電圧バッファ回路の出力端子に接続されたインバータ制御部5の端子Roとグランドの間には抵抗R6,R7の直列回路と、インバータ制御部5が具備するスイッチ回路SW1及び抵抗R8の直列回路とが接続されている。すなわち、端子Roには定電圧が印加されており、インバータ制御信号発生回路11では端子Roを流れる電流が増えるほどインバータ制御信号の周波数(=スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数)を高くするように動作する。予熱タイマ回路10は交流電源ACが投入されてインバータ制御部5が起動した後、スイッチ回路SW1をオンさせるとともに先行予熱期間の限時を開始する。スイッチ回路SW1がオンすることで端子Roを流れる電流が増えるから、インバータ制御信号の周波数が相対的に高くなって先行予熱モードとなる。そして、予熱タイマ回路10が先行予熱期間の限時を完了してスイッチ回路SW1をオフすると、端子Roを流れる電流が減少しインバータ制御信号の周波数が相対的に低くなって始動モードに移行する。さらに予熱タイマ回路10によりスイッチ回路SW2がオンされて抵抗R6,R7の接続点に抵抗R9、ダイオードD1、スイッチ回路SW2を介して電力補正回路13が接続される。
【0022】
電力補正回路13は、非反転入力端子に調光信号(後述する)が入力され、反転入力端子に入力抵抗R4を介して検出抵抗R3の両端電圧(検出電圧)が入力されるオペアンプOP1を備え、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗R5とコンデンサC3が互いに並列接続された積分回路構成となっており、オペアンプOP1の出力端子がスイッチ回路SW2を介してダイオードD1のカソードに接続され、さらにダイオードD1のアノードが抵抗R9を介して抵抗R6,R7の接続点に接続されている。すなわち、インバータ回路2のスイッチング素子Q1,Q2に流れる電流が放電灯Laで消費されるランプ電力に略比例することを利用し、検出抵抗R3の検出電圧が調光信号の信号電圧に一致しない場合にオペアンプOP1の出力電圧に負帰還がかかり、抵抗R9およびダイオードD1を介して端子Roの電流を増減させることでインバータ回路2の発振周波数(=スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数)を調整してランプ電力が調光信号に対応した値となるように、電力補正回路13が動作することになる。但し、予熱タイマ回路10によってスイッチ回路SW2がオンされるまで、すなわち、先行予熱期間および始動期間においてはスイッチ回路SW2がオフすることで電力補正回路13の上記制御動作が禁止されている。
【0023】
ここで、調光制御回路4には無負荷状態や放電灯Laの寿命末期状態などを検出してインバータ回路2の動作を停止させる停止回路18が設けられている。かかる停止回路18は、図示しない無負荷検出回路や寿命末期検出回路から検出信号を受け取ったときにインバータ制御信号発生回路11並びに予熱タイマ回路10の動作を停止させたり、あるいはドライブ回路12から出力される駆動信号を停止させることでインバータ回路2の動作を停止するものである。
【0024】
補正制御部6は、インバータ制御信号発生回路11からインバータ制御部5の端子Modeを介して出力されるモード信号を受けて放電灯Laの累積点灯時間を計時する計時タイマ部14を具備する。モード信号はドライブ回路12から駆動信号が出力されているときにHレベル、駆動信号が出力されていないときにLレベルとなる信号であって、計時タイマ部14ではモード信号がHレベルである場合にのみ計時動作を行う。
【0025】
また補正制御部6は、計時タイマ部14から出力される累積点灯時間に応じて放電灯Laの光量を調整するための調光信号を生成する信号生成部15を具備している。この信号生成部15は、累積点灯時間と調光信号の直流電圧レベル(定格点灯時を100%とした光量比に対応するレベル)との対応関係を表した補正テーブルを記憶しており、計時タイマ部14から出力される累積点灯時間と対応する調光信号を補正テーブルから読み出して調光制御回路4(電力補正回路13)に出力するのである。但し、信号生成部15から出
力される調光信号は、放電灯Laに供給される電力が上限値(例えば、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合においては、後述するように55W)を超えないように電力抑制部16によって制限されている。なお、不揮発性メモリ7に記憶されている累積点灯時間は、放電灯Laが交換されたときにリセット部17によってリセット(初期化)される。
【0026】
次に補正制御部6の動作を説明する。交流電源ACが投入されて補正制御部6が起動すると、最初に信号生成部15が不揮発性メモリ7に記憶されている累積点灯時間を読み出して一時的にメモリ(図示せず)に格納するとともに、当該累積点灯時間に対応する調光信号を補正テーブルから読み出してインバータ制御部5に出力する。一方、計時タイマ部14は起動時点から時間計時を開始し、信号生成部15では計時タイマ部14で計時された時間をメモリに格納された累積点灯時間に加算して不揮発性メモリ7の記憶内容を更新する。その結果、放電灯Laの累積点灯時間の増加に伴って放電灯Laに供給する高周波電力を徐々に増大させるように、調光信号の直流電圧レベルが補正制御部6によって単調増加されることになる。
【0027】
ここで、本発明者らが2種類の直管形蛍光ランプ(FHF32、FLR40S/36)についてランプ電力と光量との関係を調べたところ、図2(a)に示す結果が得られた。図2(a)では蛍光ランプに供給する電力(ランプ供給電力)を横軸、ランプ供給電力が定格値(FHF32では45W、FLR40S/36では36W)のときの光量で正規化した値(光/電力比)を縦軸に取り、FHF32の特性を実線、FLR40S/36の特性を一点波線で示している。なお、FHF32は管長が1200mm、管径が25.5mmの高周波点灯専用形蛍光ランプであって定格ランプ電力が32Wと45Wのもの、FLR40S/36は同じく管長が1200mm、管径が25.5mmのラピッドスタート形蛍光ランプであって定格ランプ電力が36Wのものである。図2(a)から明らかなように、FHF32の蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が55W以下の場合に光/電力比がほぼ1.0となり、ランプ供給電力が55Wを超えると光/電力比が徐々に低下し始めてランプ供給電力が65Wのときに光/電力比が約0.98となる結果が得られた。これに対してFLR40S/36の蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が約40W強で光/電力比は約0.98となる結果が得られた。
【0028】
そこで本実施形態では、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の45Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。具体的には、図2(b)に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を41W、FHF32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が55Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が55Wに達した後は一定電力(=55W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=55W)は定格電力(=45W)に対して約1.22倍の値となる。
【0029】
また、上述のようにランプ供給電力を調整した場合、使用初期のランプ供給電力が41Wのときにランプ電流が約0.35A、累積点灯時間が3500時間でランプ供給電力が45Wのときにランプ電流が約0.42A、累積点灯時間が7000時間でランプ供給電力が49Wのときにランプ電流が約0.48A、累積点灯時間が10000時間でランプ供給電力が53Wのときにランプ電流が約0.51A、累積点灯時間が12000時間以降でランプ供給電力が55Wのときにランプ電流が約0.54Aとなる。ここで、放電灯Laのフィラメント温度はランプ供給電力の増大に伴って上昇し、ランプ供給電力が53
Wの場合のフィラメント温度は45Wの場合に対しておよそ5〜10%程度上昇するが、累積点灯時間が7000時間程度まではフィラメント温度が概ね低い値に抑えられるため、上述のような補正制御を行っても放電灯Laの寿命が著しく損なわれる虞はない。また、図2(a)に示したようにFHF32の蛍光ランプにおいては41W〜55Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を損ねることなく光量を増大することができることになる。
【0030】
図3に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、下面が開口した矩形箱形の器具本体100と、器具本体100の長手方向に対向する両側面に各々一対ずつ設けられてFHF32の蛍光ランプからなる放電灯Laが装着されるランプソケット101と、器具本体100底面において各ランプソケット101に装着された2本の放電灯La,Laの間に設けられる三角柱状の反射板102とを備え、反射板102の内部に本実施形態の放電灯点灯装置110が収納されている。
【0031】
従来例の放電灯点灯装置を搭載した場合、FHF32のランプ効率が約110lm/Wであるため、保守率の考え方に基づくと、
45W×110lm/W×0.7=3465lm
の光束を基準に照明器具の設置台数が決められる。
【0032】
それに対して本実施形態では、
55W×110lm/W×0.7=4235lm
の光束が基準となり、従来例に対して約1.2倍の光束増となる。よって従来例を用いた照明器具では10台が必要な設置場所で、本実施形態の照明器具は8台でほぼ同等な照度が得られることになる。
【0033】
さらに放電灯Laの使用初期から定格寿命時間までの平均消費電力については、従来例では、10台×2灯×{(45W×0.7)+45W}/2=765Wとなり、本実施形態の照明器具では、8台×2灯×{(55W×0.7)+55W}/2=748Wとなるため、従来例と同等の省電力化が可能である。また、照明器具の設置台数及び放電灯Laの使用本数は従来例に比べて80%程度で済むため、使われる材料も当然ながら80%の使用量ですむことになり省資源化することが可能である。
【0034】
(実施形態2)
図4に本発明の実施形態2の回路構成図を示す。本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、放電灯Laの光量を検出する光量センサ9を備え、光量センサ9で検出する光量に応じて補正制御部6が調光信号を生成して放電灯Laへのランプ供給電力を調整する点に特徴がある。
【0035】
光量センサ9は、例えば太陽電池を具備してなり、放電灯Laの光量に比例した電圧からなる検出信号を補正制御部6に出力する。
【0036】
補正制御部6は、計時タイマ部14及びリセット部17の代わりに演算部19と設定部20とを具備している。目標とする光量に対応した検出信号のレベルデータが設定部20に格納されており、演算部19においては、検出信号のレベルと設定部20に格納されているレベルデータとの差分に応じた補正データを信号生成部15に出力する。そして、当該補正データに応じて信号生成部15が調光信号を変化させてインバータ回路2の高周波出力を調整することによって、放電灯Laの光量が設定部20に格納されている目標値に一致することになる。但し、本実施形態においても、信号生成部15から出力される調光信号は、放電灯Laに供給される電力が上限値(例えば、55W)を超えないように電力
抑制部16によって制限されている。
【0037】
而して、本実施形態においても、放電灯Laから出力される光量、すなわち照度は放電灯Laの光量減退などに関わらず使用期間中において略一定に保たれ、放電灯Laに供給される電力は放電灯Laの光量減退に伴って増加するように制御されるため、実施形態1と同等な効果を奏する。
【0038】
図5に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、三角柱状に形成された器具本体120と、器具本体120の長手方向両端部下面に設けられた一対のランプソケット121,121とを備えた天井直付け形のものであって、放電灯点灯装置(図示せず)は器具本体120内に収納されている。なお、器具本体120下面の長手方向中央には、光量センサ9が配設されている。
【0039】
(実施形態3)
図6に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、実施形態2と同様に三角柱状に形成された器具本体120と、器具本体120の長手方向両端部下面に設けられた一対のランプソケット121,121とを備えた天井直付け形のものであって、実施形態1と共通の構成を有する放電灯点灯装置(図示せず)が器具本体120内に収納されている。
【0040】
実施形態1で説明したように、FHF32の蛍光ランプでは55W程度の電力を供給しても発光効率が低下せず、さらに60W〜65W程度の電力を供給しても発光効率の低下はマイナス2%程度に抑えられる。
【0041】
そこで本実施形態においては、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも高い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で60W〜65Wとなるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力を調整する。具体的には、図7に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を46W、FHF32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が65Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が65Wに達した後は一定電力(=65W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=65W)は定格電力(=45W)に対して約1.33倍の値となる。
【0042】
而して、本実施形態ではランプ供給電力を46Wから65Wまで変化させているが、図2(a)から明らかなように、FHF32の蛍光ランプにおいては46W〜65Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を著しく損ねることなく光量を増大することができることになる。
【0043】
ところで、FHF32の蛍光ランプを定格ランプ電力32Wで使用する場合において、従来の2灯用の照明器具では32W×2灯×110lm/W×0.7=4928lmの光束を基準にして設置台数が決められる。これに対して本実施形態では、ランプ供給電力が65Wのときに光/電力比が0.98まで低下することを考慮し、65W×1灯×110lm/W×0.98×0.7=4905lmとなり、1灯でも2灯の従来例とほぼ同等の光束を得ることができる。つまり、定格電力が32Wの蛍光ランプを2灯使用した従来の照明器具を設置した場所において、本実施形態では1灯でも同等の照度が得られることになる。当然ながら、放電灯が1灯となることによって器具本体の材料も2分の1程度に省材化され、放電灯の材料も2分の1で済むため、照明器具1台当たりのコストを大幅に低減することができる。
【0044】
なお、放電灯Laの定格寿命時点である12000時間経過時点で放電灯Laへの供給電力が60Wになるよう設定した場合においては、 60W供給時の光/電力比が0.9
0まで低下することを考慮し、60W×1灯×110lm/W×0.90×0.7=4158lmとなる。放電灯Laへ供給される電力が60Wに達した後は60W一定に電力が抑制されるよう設定されているため、放電灯La(FHF32の蛍光ランプ)に供給される電力は定格の45Wに対して1.33倍となり、従来器具に対しては約93%程度の光を得ることができる。
【0045】
(実施形態4)
図8に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、実施形態1と同様に下面が開口した矩形箱形の器具本体100と、器具本体100の一方の側面に一対設けられてFHP32のコンパクト形蛍光ランプからなる放電灯Laが装着されるランプソケット103とを備え、実施形態1又は2と共通の構成を有する放電灯点灯装置(図示せず)が器具本体100に取り付けられている。
【0046】
ここで、本発明者らがFHP32のコンパクト形蛍光ランプについてランプ電力と光量との関係を調べたところ、図9(a)に示す結果が得られた。なお、FHP32は管長が約410mm、管径が17.5mmの高周波点灯専用形蛍光ランプであって定格ランプ電力が32Wのものである。図9(a)から明らかなように、FHP32のコンパクト形蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が34W以下の場合に光/電力比がほぼ1.0となり、ランプ供給電力が42Wのときに光/電力比が約0.98となる結果が得られた。
【0047】
そこで本実施形態では、放電灯LaとしてFHP32のコンパクト形蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の32Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の32Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。具体的には、図9(b)に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を30W、FHP32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が42Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が42Wに達した後は一定電力(=42W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=42W)は定格電力(=32W)に対して約1.3倍の値となる。
【0048】
(実施形態5)
図10に本発明の実施形態5の回路構成図を示す。本実施形態は予熱回路8’の構成に特徴があり、予熱回路8’以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態における予熱回路8’は、共振回路3を構成する共振用インダクタL1(1次巻線)と、共振用インダクタL1と磁気結合され且つ放電灯Laの各フィラメント(図示せず)に接続された一対の2次巻線L2,L2と、2次巻線L2とフィラメントの間に各々挿入されたインピーダンス回路Z,Zとで構成されている。このインピーダンス回路Zは、例えば予熱周波数にほぼ等しい共振周波数を有したLC直列共振回路からなり、先行予熱モードにおいてはインピーダンスがほぼゼロとなるために十分な電流(予熱電流)がフィラメントに供給されるが、点灯モードではインピーダンスが増大してフィラメントへの電流供給が抑制されることになる。また、図11に示すように予熱回路8’から放電灯Laのフィラメントに供給される電流の位相が、共振回路3を介して放電灯Laに供給されるランプ電流の位相に対して90度〜180度の範囲で反転するように2次巻線L2
,L2を構成しているので、放電灯Laに供給される合成電流の大きさを抑制することができる。
【0050】
上述のように本実施形態では、点灯時に予熱回路8’から放電灯Laのフィラメントに供給される電流値を抑制することでフィラメント温度の上昇を抑えることができる。なお、実施形態2における予熱回路8を本実施形態における予熱回路8’に置き換えても同様の効果を奏することは明白である。
【0051】
(実施形態6)
図12に本発明の実施形態6の回路構成図を示す。本実施形態は予熱回路8の構成に特徴があり、予熱回路8以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態における予熱回路8は、予熱トランスT1の1次巻線に対してノーマリ・オフ形のMOSFETからなるスイッチング素子Q3が直列に接続されている点に特徴がある。このスイッチング素子Q3は予熱タイマ回路10によってオン、オフ制御されるものであって、先行予熱期間および始動期間にオンされ、放電灯Laが点灯した後はオフされる。
【0053】
而して、先行予熱期間並びに始動期間には予熱タイマ回路10によってスイッチング素子Q3がオンされて予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに予熱電流が供給されるが、点灯時には予熱タイマ回路10によってスイッチング素子Q3がオフされて予熱回路8から放電灯Laのフィラメントへの電流供給が行われず、その結果、点灯時に予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに供給される電流をゼロにすることでフィラメント温度の上昇を抑えることができる。
【0054】
ところで、図13に示すようにスイッチング素子Q3と並列にコンデンサC4を接続するとともに、予熱回路8からフィラメントに供給する電流の位相が点灯時のランプ電流の位相に対して約180度反転するように予熱トランスT1を構成すれば、スイッチング素子Q3がオフしているとき(点灯時)にもコンデンサC4を介して予熱トランスT1の1次巻線に電流が流れて放電灯Laのフィラメントに電流が供給され続けることになる。しかしながら、点灯時に予熱回路8から供給される電流の位相とランプ電流の位相が約180度反転しているため、ランプ電流のみの場合に比べて放電灯Laに流れる電流(予熱回路8の供給電流とランプ電流の合成電流)が減少し、その結果、放電灯Laのフィラメントの温度上昇を抑えることができる。
【0055】
例えば、コンデンサC4の容量値を適当に設定することで予熱回路8から供給される電流の値を100〜300mA程度に設定した場合、予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差を約0度としたときと、当該位相差を約180度としたときと、点灯時における予熱回路8の供給電流を略ゼロとしたときとで放電灯Laのフィラメント温度(電極温度)を測定した結果を図14に示す。図14においては、横軸をランプ電流とし、直管形蛍光ランプ(例えば、FHF32)に約650mAの電流を流した場合の電極温度を1として正規化した電極温度を縦軸とし、位相差を約0度としたときの電極温度を一点波線イで示し、位相差を約180度としたときの電極温度を実線ロで示し、供給電流を略ゼロとしたときの電極温度を破線ハで示している。
【0056】
図14に示した実験結果から明らかなように、点灯時における予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差が約0度の場合(一点波線イ)に比べて、点灯時における予熱回路8の供給電流を略ゼロとした場合(破線ハ)の方が電極温度が低くなり、予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差が約180度の場合(実線ロ)では電極温度がさらに低くなっ
ている。従って、500〜650mA程度のランプ電流を流しても、ランプ電流と予熱回路8の供給電流の位相差が約180度となるように予熱回路8を構成することで点灯時における電極温度の上昇を抑えることができ、放電灯Laの寿命を損ねる虞がないものである。なお、本実施形態における予熱回路8の構成を実施形態2に適用にしても同様の効果を奏することは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態1を示す回路構成図である。
【図2】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図3】本発明に係る照明器具の実施形態1を示し、(a)は下方から見た斜視図、(b)は断面図である。
【図4】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態2を示す回路構成図である。
【図5】本発明に係る照明器具の実施形態2を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る照明器具の実施形態3を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態3の動作説明図である。
【図8】本発明に係る照明器具の実施形態4を示す斜視図である。
【図9】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図10】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態5を示す回路構成図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態6を示す回路構成図である。
【図13】同上の他の回路構成図である。
【図14】同上におけるランプ電流と電極温度の関係を調べた実験結果の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
2 インバータ回路
3 共振回路
4 調光制御回路
5 インバータ制御部
6 補正制御部
7 不揮発性メモリ
14 計時タイマ部
15 信号生成部
Q1,Q2 スイッチング素子
La 放電灯
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置、並びに当該放電灯点灯装置を搭載した照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、照明用途に用いられる蛍光ランプなどの放電灯の光束は使用時間の経過とともに低下することが知られている。そのため、放電灯の使用時間経過に伴う光束(照度)の低下を抑制した放電灯点灯装置が従来より提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
かかる従来例においては、放電灯の使用初期の照度を定格点灯時の値の70〜80%程度に抑え、使用時間の経過に伴って光束を増やすように調光制御することで寿命末期までの使用期間中における見かけ上の照度をほぼ一定に保つことができ、しかも、使用初期には放電灯を定格よりも少ない電力で調光点灯することで省電力が図れるという利点がある。
【特許文献1】特開平9−97683号公報
【特許文献2】特開2001−15275公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、放電灯(例えば、蛍光ランプ)に供給される電力は放電灯の製造者によって定格値が規定されており、放電灯の形状にほぼ比例して増加している。例えば、直管形蛍光ランプでは管長が約600mm、管径が約25.5mmのもので定格電力が23W程度に規定され、管長が約1200mm、管径が約25.5mmのもので定格電力が45W程度に規定されている。また定格電力を供給したときの蛍光ランプの光束特性について、初光束(使用開始から100時間経過後の光束)が製造者から公表されており、その定格寿命については、直管形蛍光ランプについて光束減退が初特性の70%に達するまでの時間、またはフィラメントが断線するまでの時間の何れか早い方と規定されている。
【0005】
さらに屋内照明においては、作業面で必要な照度を得るために床面積、ランプ光束(前記初光束)、ランプ個数、保守率などを変数として照明器具の設置台数が決められている。ここで保守率とは、上述した蛍光ランプ自体の光束減退及び蛍光ランプ並びに照明器具に汚れが付着することによる反射率の低下などを加味して定格寿命時点で必要な照度が得られるように決められており、例えば下面開放型の照明器具では一般的な使用環境においては0.7、塵埃の発生が少なく常に空気が清浄に保たれている場所では0.74を目安とし、この保守率が小さいほど設置する照明器具の台数が増え、設備コストが増大することになる。よって使用する蛍光ランプが同じであり、照明器具の設置環境が同じであると仮定すると、一般的な放電灯点灯装置を用いた場合のランプ寿命末期時の照度と、予め照度の低下を見込んで初光束の70〜80%の照度が常に得られるよう照度を略一定に保つよう制御する従来例のランプ寿命末期時の照度とはほぼ等しくなり、設置する照明器具台数も等しくなる。しかしながら、上記従来例では、一般的な放電灯点灯装置の構成に対して照度を略一定に保つよう制御するための構成を付加する必要があるため、装置または照明器具のコストが上昇し、ひいては使用者の設備投資コストが大きくなってしまう。
【0006】
また上記従来例においては、使用初期の照度を70〜80%程度に抑えることで使用初期から定格寿命までの期間で一般的な放電灯点灯装置に比べて約10〜15%程度の省電力化が図れ、使用者のランニングコストが低減可能である。しかしながら、作業面におい
て必要照度を得るためには、これ以上の省電力、省資源化を望むことはできない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、見掛け上の照度を略一定に保ちつつ使用者の初期投資コスト及びランニングコストを低く抑え、さらに省資源化を実現することができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、1乃至複数のスイッチング素子を具備し当該スイッチング素子を高周波数でスイッチングすることにより直流入力を高周波交流出力に変換するインバータ回路と、放電灯とともに共振回路を構成しインバータ回路の出力端間に接続される1乃至複数の共振用インダクタ及び共振用コンデンサと、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することでインバータ回路から共振回路を介して放電灯に供給される高周波電力を調整する調光制御回路とを備えた放電灯点灯装置において、前記調光制御回路は、放電灯の使用開始から当該放電灯の定格寿命に達した後の所定時間までの期間中に使用時間の経過に伴ってインバータ回路の高周波電力が徐々に増大するように制御する電力補正手段と、前記所定時間以降においてはインバータ回路の高周波電力が所定値以下となるように制御する電力抑制手段とを具備し、前記所定値は、放電灯の管形状、管長、管径によって規定される電力の1.2倍よりも大きい値であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電力補正手段は、放電灯の累積点灯時間を計時する計時手段を有し、当該計時手段で計時する累積点灯時間に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記電力補正手段は、放電灯の光量を検出する光量検出手段を有し、当該光量検出手段で検出される光量に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記所定値は、前記規定電力の1.3倍以上の値であることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記放電灯が約1200mmの管長、約25.5mmの管径を有する直管形蛍光ランプである場合に、前記所定値が65W以下に設定されることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記放電灯が約410mmの管長、約17.5mmの管径を有するコンパクト形蛍光ランプである場合に、前記所定値が42W以下に設定されることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記放電灯のフィラメントに電流を供給する予熱電流供給手段を備え、当該予熱電流供給手段は、放電灯の始動前に供給する先行予熱時の電流値に対して放電灯の始動後に供給する電流値を小さくしてなることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記予熱電流供給手段は、インバータ回路によって高周波電流が流される1次巻線と、前記放電灯のフィラメントに接続されるとともに点灯時のランプ電流に対して位相が反転した電流をフィラメントに流すように1次巻線に磁気結合された2次巻線と、インバータ回路から1次巻線への給電路に挿入された
スイッチ要素とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、上記目的を達成するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の放電灯点灯装置と、当該放電灯点灯装置が取り付けられる器具本体と、器具本体に設けられ放電灯が着脱自在に装着されるとともに放電灯点灯装置と放電灯を電気的に接続するソケットとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、見掛け上の照度を略一定に保ちつつ使用者の初期投資コスト及びランニングコストを低く抑え、さらに省資源化を実現することができる放電灯点灯装置並びに照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
図1に本発明の実施形態1の回路構成図を示す。商用交流電源ACの交流出力がダイオードブリッジDBで全波整流されて直流電源回路1に入力される。直流電源回路1は、ダイオードブリッジDBより入力される脈流出力を所望電圧の直流出力に変換するDC/DCコンバータ(例えば、昇圧チョッパ回路)からなる。インバータ回路2は従来周知のハーフブリッジ型のものであって、MOSFETからなる一対のスイッチング素子Q1,Q2が直流電源回路1の出力端間に直列接続されて構成されている。なお、スイッチング素子Q1,Q2のゲートには入力抵抗R1,R2が接続され、ローサイドのスイッチング素子Q2には検出抵抗R3が接続されている。
【0019】
ローサイドのスイッチング素子Q2並びに検出抵抗R3の直列回路には、放電灯Laとともに共振回路3を構成する共振用インダクタL1及び共振用コンデンサC1が直流カット用のコンデンサを介して直列に接続され、共振用コンデンサC1に放電灯Laが並列に接続される。また、インバータ回路2と共振回路3との間には放電灯Laのフィラメントに予熱電流を供給するための予熱回路8が接続されている。この予熱回路8は、直流カット用のコンデンサC2と予熱トランスT1の1次巻線がインバータ回路2の出力端間に接続されるとともに、予熱トランスT1の一対の2次巻線が放電灯Laの各フィラメントにそれぞれ接続されて構成されている。
【0020】
調光制御回路4は、インバータ回路2を構成する一対のスイッチング素子Q1,Q2をスイッチング制御するインバータ制御部5と、放電灯Laの累積点灯時間に伴って光量の補正を行う補正制御部6と、累積点灯時間を記憶した書換可能な不揮発性メモリ7とを具備する。インバータ制御部5は、共振回路3の無負荷共振周波数よりも十分に高い周波数(予熱周波数)でスイッチング素子Q1,Q2をスイッチングすることで放電灯Laの予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに予熱電流を供給させる先行予熱モードと、予熱周波数よりも低く且つ無負荷共振周波数よりも高い周波数(始動周波数)でスイッチング素子Q1,Q2をスイッチングすることで放電灯Laに始動電圧を印加する始動モードと、放電灯Laの始動後に点灯時の共振周波数よりも高い周波数(点灯周波数)で放電灯Laを安定点灯させる点灯モードとを有し、補正制御部6により点灯周波数が増減されることで放電灯Laに供給される高周波電力を調整するものである。
【0021】
インバータ制御部5は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング制御するためのインバータ制御信号を発生するインバータ制御信号発生回路11と、インバータ制御信号発生回路11から出力されるインバータ制御信号に応じてスイッチング素子Q1,Q2を駆動するドライブ回路12と、先行予熱モードの期間(先行予熱期間)を限時する予熱タイマ回路10とを備える。インバータ制御信号発生回路11は定電圧バッファ回路、定電圧ミラー回路、発振用コンデンサ(何れも図示せず)等を具備した集積回路(IC)で構成
されており、前記定電圧バッファ回路の出力端子に接続されたインバータ制御部5の端子Roとグランドの間には抵抗R6,R7の直列回路と、インバータ制御部5が具備するスイッチ回路SW1及び抵抗R8の直列回路とが接続されている。すなわち、端子Roには定電圧が印加されており、インバータ制御信号発生回路11では端子Roを流れる電流が増えるほどインバータ制御信号の周波数(=スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数)を高くするように動作する。予熱タイマ回路10は交流電源ACが投入されてインバータ制御部5が起動した後、スイッチ回路SW1をオンさせるとともに先行予熱期間の限時を開始する。スイッチ回路SW1がオンすることで端子Roを流れる電流が増えるから、インバータ制御信号の周波数が相対的に高くなって先行予熱モードとなる。そして、予熱タイマ回路10が先行予熱期間の限時を完了してスイッチ回路SW1をオフすると、端子Roを流れる電流が減少しインバータ制御信号の周波数が相対的に低くなって始動モードに移行する。さらに予熱タイマ回路10によりスイッチ回路SW2がオンされて抵抗R6,R7の接続点に抵抗R9、ダイオードD1、スイッチ回路SW2を介して電力補正回路13が接続される。
【0022】
電力補正回路13は、非反転入力端子に調光信号(後述する)が入力され、反転入力端子に入力抵抗R4を介して検出抵抗R3の両端電圧(検出電圧)が入力されるオペアンプOP1を備え、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗R5とコンデンサC3が互いに並列接続された積分回路構成となっており、オペアンプOP1の出力端子がスイッチ回路SW2を介してダイオードD1のカソードに接続され、さらにダイオードD1のアノードが抵抗R9を介して抵抗R6,R7の接続点に接続されている。すなわち、インバータ回路2のスイッチング素子Q1,Q2に流れる電流が放電灯Laで消費されるランプ電力に略比例することを利用し、検出抵抗R3の検出電圧が調光信号の信号電圧に一致しない場合にオペアンプOP1の出力電圧に負帰還がかかり、抵抗R9およびダイオードD1を介して端子Roの電流を増減させることでインバータ回路2の発振周波数(=スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数)を調整してランプ電力が調光信号に対応した値となるように、電力補正回路13が動作することになる。但し、予熱タイマ回路10によってスイッチ回路SW2がオンされるまで、すなわち、先行予熱期間および始動期間においてはスイッチ回路SW2がオフすることで電力補正回路13の上記制御動作が禁止されている。
【0023】
ここで、調光制御回路4には無負荷状態や放電灯Laの寿命末期状態などを検出してインバータ回路2の動作を停止させる停止回路18が設けられている。かかる停止回路18は、図示しない無負荷検出回路や寿命末期検出回路から検出信号を受け取ったときにインバータ制御信号発生回路11並びに予熱タイマ回路10の動作を停止させたり、あるいはドライブ回路12から出力される駆動信号を停止させることでインバータ回路2の動作を停止するものである。
【0024】
補正制御部6は、インバータ制御信号発生回路11からインバータ制御部5の端子Modeを介して出力されるモード信号を受けて放電灯Laの累積点灯時間を計時する計時タイマ部14を具備する。モード信号はドライブ回路12から駆動信号が出力されているときにHレベル、駆動信号が出力されていないときにLレベルとなる信号であって、計時タイマ部14ではモード信号がHレベルである場合にのみ計時動作を行う。
【0025】
また補正制御部6は、計時タイマ部14から出力される累積点灯時間に応じて放電灯Laの光量を調整するための調光信号を生成する信号生成部15を具備している。この信号生成部15は、累積点灯時間と調光信号の直流電圧レベル(定格点灯時を100%とした光量比に対応するレベル)との対応関係を表した補正テーブルを記憶しており、計時タイマ部14から出力される累積点灯時間と対応する調光信号を補正テーブルから読み出して調光制御回路4(電力補正回路13)に出力するのである。但し、信号生成部15から出
力される調光信号は、放電灯Laに供給される電力が上限値(例えば、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合においては、後述するように55W)を超えないように電力抑制部16によって制限されている。なお、不揮発性メモリ7に記憶されている累積点灯時間は、放電灯Laが交換されたときにリセット部17によってリセット(初期化)される。
【0026】
次に補正制御部6の動作を説明する。交流電源ACが投入されて補正制御部6が起動すると、最初に信号生成部15が不揮発性メモリ7に記憶されている累積点灯時間を読み出して一時的にメモリ(図示せず)に格納するとともに、当該累積点灯時間に対応する調光信号を補正テーブルから読み出してインバータ制御部5に出力する。一方、計時タイマ部14は起動時点から時間計時を開始し、信号生成部15では計時タイマ部14で計時された時間をメモリに格納された累積点灯時間に加算して不揮発性メモリ7の記憶内容を更新する。その結果、放電灯Laの累積点灯時間の増加に伴って放電灯Laに供給する高周波電力を徐々に増大させるように、調光信号の直流電圧レベルが補正制御部6によって単調増加されることになる。
【0027】
ここで、本発明者らが2種類の直管形蛍光ランプ(FHF32、FLR40S/36)についてランプ電力と光量との関係を調べたところ、図2(a)に示す結果が得られた。図2(a)では蛍光ランプに供給する電力(ランプ供給電力)を横軸、ランプ供給電力が定格値(FHF32では45W、FLR40S/36では36W)のときの光量で正規化した値(光/電力比)を縦軸に取り、FHF32の特性を実線、FLR40S/36の特性を一点波線で示している。なお、FHF32は管長が1200mm、管径が25.5mmの高周波点灯専用形蛍光ランプであって定格ランプ電力が32Wと45Wのもの、FLR40S/36は同じく管長が1200mm、管径が25.5mmのラピッドスタート形蛍光ランプであって定格ランプ電力が36Wのものである。図2(a)から明らかなように、FHF32の蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が55W以下の場合に光/電力比がほぼ1.0となり、ランプ供給電力が55Wを超えると光/電力比が徐々に低下し始めてランプ供給電力が65Wのときに光/電力比が約0.98となる結果が得られた。これに対してFLR40S/36の蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が約40W強で光/電力比は約0.98となる結果が得られた。
【0028】
そこで本実施形態では、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の45Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。具体的には、図2(b)に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を41W、FHF32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が55Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が55Wに達した後は一定電力(=55W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=55W)は定格電力(=45W)に対して約1.22倍の値となる。
【0029】
また、上述のようにランプ供給電力を調整した場合、使用初期のランプ供給電力が41Wのときにランプ電流が約0.35A、累積点灯時間が3500時間でランプ供給電力が45Wのときにランプ電流が約0.42A、累積点灯時間が7000時間でランプ供給電力が49Wのときにランプ電流が約0.48A、累積点灯時間が10000時間でランプ供給電力が53Wのときにランプ電流が約0.51A、累積点灯時間が12000時間以降でランプ供給電力が55Wのときにランプ電流が約0.54Aとなる。ここで、放電灯Laのフィラメント温度はランプ供給電力の増大に伴って上昇し、ランプ供給電力が53
Wの場合のフィラメント温度は45Wの場合に対しておよそ5〜10%程度上昇するが、累積点灯時間が7000時間程度まではフィラメント温度が概ね低い値に抑えられるため、上述のような補正制御を行っても放電灯Laの寿命が著しく損なわれる虞はない。また、図2(a)に示したようにFHF32の蛍光ランプにおいては41W〜55Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を損ねることなく光量を増大することができることになる。
【0030】
図3に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、下面が開口した矩形箱形の器具本体100と、器具本体100の長手方向に対向する両側面に各々一対ずつ設けられてFHF32の蛍光ランプからなる放電灯Laが装着されるランプソケット101と、器具本体100底面において各ランプソケット101に装着された2本の放電灯La,Laの間に設けられる三角柱状の反射板102とを備え、反射板102の内部に本実施形態の放電灯点灯装置110が収納されている。
【0031】
従来例の放電灯点灯装置を搭載した場合、FHF32のランプ効率が約110lm/Wであるため、保守率の考え方に基づくと、
45W×110lm/W×0.7=3465lm
の光束を基準に照明器具の設置台数が決められる。
【0032】
それに対して本実施形態では、
55W×110lm/W×0.7=4235lm
の光束が基準となり、従来例に対して約1.2倍の光束増となる。よって従来例を用いた照明器具では10台が必要な設置場所で、本実施形態の照明器具は8台でほぼ同等な照度が得られることになる。
【0033】
さらに放電灯Laの使用初期から定格寿命時間までの平均消費電力については、従来例では、10台×2灯×{(45W×0.7)+45W}/2=765Wとなり、本実施形態の照明器具では、8台×2灯×{(55W×0.7)+55W}/2=748Wとなるため、従来例と同等の省電力化が可能である。また、照明器具の設置台数及び放電灯Laの使用本数は従来例に比べて80%程度で済むため、使われる材料も当然ながら80%の使用量ですむことになり省資源化することが可能である。
【0034】
(実施形態2)
図4に本発明の実施形態2の回路構成図を示す。本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、放電灯Laの光量を検出する光量センサ9を備え、光量センサ9で検出する光量に応じて補正制御部6が調光信号を生成して放電灯Laへのランプ供給電力を調整する点に特徴がある。
【0035】
光量センサ9は、例えば太陽電池を具備してなり、放電灯Laの光量に比例した電圧からなる検出信号を補正制御部6に出力する。
【0036】
補正制御部6は、計時タイマ部14及びリセット部17の代わりに演算部19と設定部20とを具備している。目標とする光量に対応した検出信号のレベルデータが設定部20に格納されており、演算部19においては、検出信号のレベルと設定部20に格納されているレベルデータとの差分に応じた補正データを信号生成部15に出力する。そして、当該補正データに応じて信号生成部15が調光信号を変化させてインバータ回路2の高周波出力を調整することによって、放電灯Laの光量が設定部20に格納されている目標値に一致することになる。但し、本実施形態においても、信号生成部15から出力される調光信号は、放電灯Laに供給される電力が上限値(例えば、55W)を超えないように電力
抑制部16によって制限されている。
【0037】
而して、本実施形態においても、放電灯Laから出力される光量、すなわち照度は放電灯Laの光量減退などに関わらず使用期間中において略一定に保たれ、放電灯Laに供給される電力は放電灯Laの光量減退に伴って増加するように制御されるため、実施形態1と同等な効果を奏する。
【0038】
図5に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、三角柱状に形成された器具本体120と、器具本体120の長手方向両端部下面に設けられた一対のランプソケット121,121とを備えた天井直付け形のものであって、放電灯点灯装置(図示せず)は器具本体120内に収納されている。なお、器具本体120下面の長手方向中央には、光量センサ9が配設されている。
【0039】
(実施形態3)
図6に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、実施形態2と同様に三角柱状に形成された器具本体120と、器具本体120の長手方向両端部下面に設けられた一対のランプソケット121,121とを備えた天井直付け形のものであって、実施形態1と共通の構成を有する放電灯点灯装置(図示せず)が器具本体120内に収納されている。
【0040】
実施形態1で説明したように、FHF32の蛍光ランプでは55W程度の電力を供給しても発光効率が低下せず、さらに60W〜65W程度の電力を供給しても発光効率の低下はマイナス2%程度に抑えられる。
【0041】
そこで本実施形態においては、放電灯LaとしてFHF32の蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の45Wよりも高い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で60W〜65Wとなるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力を調整する。具体的には、図7に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を46W、FHF32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が65Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が65Wに達した後は一定電力(=65W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=65W)は定格電力(=45W)に対して約1.33倍の値となる。
【0042】
而して、本実施形態ではランプ供給電力を46Wから65Wまで変化させているが、図2(a)から明らかなように、FHF32の蛍光ランプにおいては46W〜65Wまでの光/電力比が略一定となるため、放電灯Laの発光効率を著しく損ねることなく光量を増大することができることになる。
【0043】
ところで、FHF32の蛍光ランプを定格ランプ電力32Wで使用する場合において、従来の2灯用の照明器具では32W×2灯×110lm/W×0.7=4928lmの光束を基準にして設置台数が決められる。これに対して本実施形態では、ランプ供給電力が65Wのときに光/電力比が0.98まで低下することを考慮し、65W×1灯×110lm/W×0.98×0.7=4905lmとなり、1灯でも2灯の従来例とほぼ同等の光束を得ることができる。つまり、定格電力が32Wの蛍光ランプを2灯使用した従来の照明器具を設置した場所において、本実施形態では1灯でも同等の照度が得られることになる。当然ながら、放電灯が1灯となることによって器具本体の材料も2分の1程度に省材化され、放電灯の材料も2分の1で済むため、照明器具1台当たりのコストを大幅に低減することができる。
【0044】
なお、放電灯Laの定格寿命時点である12000時間経過時点で放電灯Laへの供給電力が60Wになるよう設定した場合においては、 60W供給時の光/電力比が0.9
0まで低下することを考慮し、60W×1灯×110lm/W×0.90×0.7=4158lmとなる。放電灯Laへ供給される電力が60Wに達した後は60W一定に電力が抑制されるよう設定されているため、放電灯La(FHF32の蛍光ランプ)に供給される電力は定格の45Wに対して1.33倍となり、従来器具に対しては約93%程度の光を得ることができる。
【0045】
(実施形態4)
図8に本実施形態の照明器具を示す。この照明器具は、実施形態1と同様に下面が開口した矩形箱形の器具本体100と、器具本体100の一方の側面に一対設けられてFHP32のコンパクト形蛍光ランプからなる放電灯Laが装着されるランプソケット103とを備え、実施形態1又は2と共通の構成を有する放電灯点灯装置(図示せず)が器具本体100に取り付けられている。
【0046】
ここで、本発明者らがFHP32のコンパクト形蛍光ランプについてランプ電力と光量との関係を調べたところ、図9(a)に示す結果が得られた。なお、FHP32は管長が約410mm、管径が17.5mmの高周波点灯専用形蛍光ランプであって定格ランプ電力が32Wのものである。図9(a)から明らかなように、FHP32のコンパクト形蛍光ランプにおいては、ランプ供給電力が34W以下の場合に光/電力比がほぼ1.0となり、ランプ供給電力が42Wのときに光/電力比が約0.98となる結果が得られた。
【0047】
そこで本実施形態では、放電灯LaとしてFHP32のコンパクト形蛍光ランプを用いた場合において、使用初期にランプ供給電力を定格電力の32Wよりも低い値から供給し始め、放電灯Laの定格寿命時間以降で定格電力の32Wよりも高い値となるように、累積点灯時間に応じて調光信号を変化させることでランプ供給電力(インバータ回路2の出力)を調整する。具体的には、図9(b)に示すように点灯開始時点(累積点灯時間が0)のランプ供給電力を30W、FHP32の定格寿命時間(=12000時間)経過時点のランプ供給電力が42Wとなるように累積点灯時間が0〜12000時間の間ではランプ供給電力を直線的に増加させるとともに、ランプ供給電力が42Wに達した後は一定電力(=42W)が供給されるように、累積点灯時間と調光信号の関係を設定して補正テーブルに記憶させる。ここで、定格寿命時間経過時点におけるランプ供給電力(=42W)は定格電力(=32W)に対して約1.3倍の値となる。
【0048】
(実施形態5)
図10に本発明の実施形態5の回路構成図を示す。本実施形態は予熱回路8’の構成に特徴があり、予熱回路8’以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態における予熱回路8’は、共振回路3を構成する共振用インダクタL1(1次巻線)と、共振用インダクタL1と磁気結合され且つ放電灯Laの各フィラメント(図示せず)に接続された一対の2次巻線L2,L2と、2次巻線L2とフィラメントの間に各々挿入されたインピーダンス回路Z,Zとで構成されている。このインピーダンス回路Zは、例えば予熱周波数にほぼ等しい共振周波数を有したLC直列共振回路からなり、先行予熱モードにおいてはインピーダンスがほぼゼロとなるために十分な電流(予熱電流)がフィラメントに供給されるが、点灯モードではインピーダンスが増大してフィラメントへの電流供給が抑制されることになる。また、図11に示すように予熱回路8’から放電灯Laのフィラメントに供給される電流の位相が、共振回路3を介して放電灯Laに供給されるランプ電流の位相に対して90度〜180度の範囲で反転するように2次巻線L2
,L2を構成しているので、放電灯Laに供給される合成電流の大きさを抑制することができる。
【0050】
上述のように本実施形態では、点灯時に予熱回路8’から放電灯Laのフィラメントに供給される電流値を抑制することでフィラメント温度の上昇を抑えることができる。なお、実施形態2における予熱回路8を本実施形態における予熱回路8’に置き換えても同様の効果を奏することは明白である。
【0051】
(実施形態6)
図12に本発明の実施形態6の回路構成図を示す。本実施形態は予熱回路8の構成に特徴があり、予熱回路8以外の構成は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施形態における予熱回路8は、予熱トランスT1の1次巻線に対してノーマリ・オフ形のMOSFETからなるスイッチング素子Q3が直列に接続されている点に特徴がある。このスイッチング素子Q3は予熱タイマ回路10によってオン、オフ制御されるものであって、先行予熱期間および始動期間にオンされ、放電灯Laが点灯した後はオフされる。
【0053】
而して、先行予熱期間並びに始動期間には予熱タイマ回路10によってスイッチング素子Q3がオンされて予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに予熱電流が供給されるが、点灯時には予熱タイマ回路10によってスイッチング素子Q3がオフされて予熱回路8から放電灯Laのフィラメントへの電流供給が行われず、その結果、点灯時に予熱回路8から放電灯Laのフィラメントに供給される電流をゼロにすることでフィラメント温度の上昇を抑えることができる。
【0054】
ところで、図13に示すようにスイッチング素子Q3と並列にコンデンサC4を接続するとともに、予熱回路8からフィラメントに供給する電流の位相が点灯時のランプ電流の位相に対して約180度反転するように予熱トランスT1を構成すれば、スイッチング素子Q3がオフしているとき(点灯時)にもコンデンサC4を介して予熱トランスT1の1次巻線に電流が流れて放電灯Laのフィラメントに電流が供給され続けることになる。しかしながら、点灯時に予熱回路8から供給される電流の位相とランプ電流の位相が約180度反転しているため、ランプ電流のみの場合に比べて放電灯Laに流れる電流(予熱回路8の供給電流とランプ電流の合成電流)が減少し、その結果、放電灯Laのフィラメントの温度上昇を抑えることができる。
【0055】
例えば、コンデンサC4の容量値を適当に設定することで予熱回路8から供給される電流の値を100〜300mA程度に設定した場合、予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差を約0度としたときと、当該位相差を約180度としたときと、点灯時における予熱回路8の供給電流を略ゼロとしたときとで放電灯Laのフィラメント温度(電極温度)を測定した結果を図14に示す。図14においては、横軸をランプ電流とし、直管形蛍光ランプ(例えば、FHF32)に約650mAの電流を流した場合の電極温度を1として正規化した電極温度を縦軸とし、位相差を約0度としたときの電極温度を一点波線イで示し、位相差を約180度としたときの電極温度を実線ロで示し、供給電流を略ゼロとしたときの電極温度を破線ハで示している。
【0056】
図14に示した実験結果から明らかなように、点灯時における予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差が約0度の場合(一点波線イ)に比べて、点灯時における予熱回路8の供給電流を略ゼロとした場合(破線ハ)の方が電極温度が低くなり、予熱回路8の供給電流とランプ電流の位相差が約180度の場合(実線ロ)では電極温度がさらに低くなっ
ている。従って、500〜650mA程度のランプ電流を流しても、ランプ電流と予熱回路8の供給電流の位相差が約180度となるように予熱回路8を構成することで点灯時における電極温度の上昇を抑えることができ、放電灯Laの寿命を損ねる虞がないものである。なお、本実施形態における予熱回路8の構成を実施形態2に適用にしても同様の効果を奏することは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態1を示す回路構成図である。
【図2】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図3】本発明に係る照明器具の実施形態1を示し、(a)は下方から見た斜視図、(b)は断面図である。
【図4】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態2を示す回路構成図である。
【図5】本発明に係る照明器具の実施形態2を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る照明器具の実施形態3を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態3の動作説明図である。
【図8】本発明に係る照明器具の実施形態4を示す斜視図である。
【図9】(a)(b)は同上の動作説明図である。
【図10】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態5を示す回路構成図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態6を示す回路構成図である。
【図13】同上の他の回路構成図である。
【図14】同上におけるランプ電流と電極温度の関係を調べた実験結果の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
2 インバータ回路
3 共振回路
4 調光制御回路
5 インバータ制御部
6 補正制御部
7 不揮発性メモリ
14 計時タイマ部
15 信号生成部
Q1,Q2 スイッチング素子
La 放電灯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至複数のスイッチング素子を具備し当該スイッチング素子を高周波数でスイッチングすることにより直流入力を高周波交流出力に変換するインバータ回路と、放電灯とともに共振回路を構成しインバータ回路の出力端間に接続される1乃至複数の共振用インダクタ及び共振用コンデンサと、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することでインバータ回路から共振回路を介して放電灯に供給される高周波電力を調整する調光制御回路とを備えた放電灯点灯装置において、
前記調光制御回路は、放電灯の使用開始から当該放電灯の定格寿命に達した後の所定時間までの期間中に使用時間の経過に伴ってインバータ回路の高周波電力が徐々に増大するように制御する電力補正手段と、前記所定時間以降においてはインバータ回路の高周波電力が所定値以下となるように制御する電力抑制手段とを具備し、
前記所定値は、放電灯の管形状、管長、管径によって規定される電力の1.2倍よりも大きい値であることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記電力補正手段は、放電灯の累積点灯時間を計時する計時手段を有し、当該計時手段で計時する累積点灯時間に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記電力補正手段は、放電灯の光量を検出する光量検出手段を有し、当該光量検出手段で検出される光量に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記所定値は、前記規定電力の1.3倍以上の値であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
前記放電灯が約1200mmの管長、約25.5mmの管径を有する直管形蛍光ランプである場合に、前記所定値が65W以下に設定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
前記放電灯が約410mmの管長、約17.5mmの管径を有するコンパクト形蛍光ランプである場合に、前記所定値が42W以下に設定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項7】
前記放電灯のフィラメントに電流を供給する予熱電流供給手段を備え、当該予熱電流供給手段は、放電灯の始動前に供給する先行予熱時の電流値に対して放電灯の始動後に供給する電流値を小さくしてなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項8】
前記予熱電流供給手段は、インバータ回路によって高周波電流が流される1次巻線と、前記放電灯のフィラメントに接続されるとともに点灯時のランプ電流に対して位相が反転した電流をフィラメントに流すように1次巻線に磁気結合された2次巻線と、インバータ回路から1次巻線への給電路に挿入されたスイッチ要素とを有することを特徴とする請求項7記載の放電灯点灯装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の放電灯点灯装置と、当該放電灯点灯装置が取り付けられる器具本体と、器具本体に設けられ放電灯が着脱自在に装着されるとともに放電灯点灯装置と放電灯を電気的に接続するソケットとを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
1乃至複数のスイッチング素子を具備し当該スイッチング素子を高周波数でスイッチングすることにより直流入力を高周波交流出力に変換するインバータ回路と、放電灯とともに共振回路を構成しインバータ回路の出力端間に接続される1乃至複数の共振用インダクタ及び共振用コンデンサと、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することでインバータ回路から共振回路を介して放電灯に供給される高周波電力を調整する調光制御回路とを備えた放電灯点灯装置において、
前記調光制御回路は、放電灯の使用開始から当該放電灯の定格寿命に達した後の所定時間までの期間中に使用時間の経過に伴ってインバータ回路の高周波電力が徐々に増大するように制御する電力補正手段と、前記所定時間以降においてはインバータ回路の高周波電力が所定値以下となるように制御する電力抑制手段とを具備し、
前記所定値は、放電灯の管形状、管長、管径によって規定される電力の1.2倍よりも大きい値であることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記電力補正手段は、放電灯の累積点灯時間を計時する計時手段を有し、当該計時手段で計時する累積点灯時間に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記電力補正手段は、放電灯の光量を検出する光量検出手段を有し、当該光量検出手段で検出される光量に応じてインバータ回路の高周波電力を調整するとともに、使用開始時点で前記規定電力以上の電力が放電灯に供給されるようにインバータ回路の高周波電力を調整することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記所定値は、前記規定電力の1.3倍以上の値であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
前記放電灯が約1200mmの管長、約25.5mmの管径を有する直管形蛍光ランプである場合に、前記所定値が65W以下に設定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
前記放電灯が約410mmの管長、約17.5mmの管径を有するコンパクト形蛍光ランプである場合に、前記所定値が42W以下に設定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項7】
前記放電灯のフィラメントに電流を供給する予熱電流供給手段を備え、当該予熱電流供給手段は、放電灯の始動前に供給する先行予熱時の電流値に対して放電灯の始動後に供給する電流値を小さくしてなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項8】
前記予熱電流供給手段は、インバータ回路によって高周波電流が流される1次巻線と、前記放電灯のフィラメントに接続されるとともに点灯時のランプ電流に対して位相が反転した電流をフィラメントに流すように1次巻線に磁気結合された2次巻線と、インバータ回路から1次巻線への給電路に挿入されたスイッチ要素とを有することを特徴とする請求項7記載の放電灯点灯装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の放電灯点灯装置と、当該放電灯点灯装置が取り付けられる器具本体と、器具本体に設けられ放電灯が着脱自在に装着されるとともに放電灯点灯装置と放電灯を電気的に接続するソケットとを備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−220660(P2007−220660A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320582(P2006−320582)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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