説明

救命装置

【課題】日常生活に不便なく、かつ低コストで地震災害時の救命の可能性を高める救命装置を提供する。
【解決手段】救命装置1は、フレーム部11と、フレーム部11を部屋30の上部に支持するためのフレーム支持部21とを備え、フレーム部11は、部屋30の壁31際に配置され、かつ部屋30の高さ方向に延在するように構成された複数の支柱部材12と、支柱部材12間を部屋30の壁31際に沿って繋ぐように構成された枠部材13とを含み、フレーム支持部21は、支柱部材12の底面12aをフレーム支持部21の上面に当接して載置することによりフレーム部11を支持するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救命装置に関し、特に部屋の上部に支持されたフレーム部を有する救命装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
強い地震が発生した場合、建物が倒壊することにより、倒壊した建物や倒れた家具などの下敷きとなって、圧死または窒息死が発生し得る。特に、就寝中に建物が倒壊した場合に、被害が大きくなる。
【0003】
従来、倒壊した建物や倒れた家具などから就寝者を保護するための装置が提案されている。たとえば、特開2004−208955号公報(特許文献1)には、アーチ型の金属パイプ製の防護フレームを床に立て、かつベッド本体に固定し、一対の防護フレームを金属パイプ製の横桟で連結した防災ベッドが開示されている。
【0004】
また、倒壊した建物から人を保護するために部屋自体を耐震構造にすることが提案されている。たとえば、特開平9−4275号公報(特許文献2)には、建屋の所望の室内に鉄骨組立構造からなる避難室が設置された耐震避難室付き家屋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−208955号公報
【特許文献2】特開平9−4275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特開2004−208955号公報の防災ベッドでは、日常生活において防護フレームが邪魔となるため、日常生活での利便性が悪いという問題がある。
【0007】
また、特開平9−4275号公報の耐震避難室付き家屋では、鉄骨組立構造からなる避難室を設置するため、コストが高いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、日常生活に不便なく、かつ低コストで地震災害時の救命の可能性を高める救命装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の救命装置は、フレーム部と、フレーム部を部屋の上部に支持するためのフレーム支持部とを備え、フレーム部は、部屋の壁際に配置され、かつ部屋の高さ方向に延在するように構成された複数の支柱部材と、支柱部材間を部屋の壁際に沿って繋ぐように構成された枠部材とを含み、フレーム支持部は、支柱部材の底面をフレーム支持部の上面に当接して載置することによりフレーム部を支持するように構成されている。
【0010】
本発明の救命装置によれば、フレーム部の支柱部材の底面がフレーム支持部の上面に当接して載置されることにより、フレーム部が部屋の上部に支持されている。そのため、部屋が倒壊しないときは部屋の上部にフレーム部が配置されているので、日常生活における不便をなくすことができる。部屋が倒壊するときはフレーム支持部によって部屋の上部に支持されていたフレーム部が落下することにより、フレーム部が空間を形成する。このフレーム部が形成した空間に人が入ることにより、倒壊した部屋や倒れた家具などから人を保護することができる。また、フレーム部をフレーム支持部によって部屋の上部に支持するだけで救命装置を構成することができるため、コストを低く抑えることができる。
【0011】
上記の救命装置において好ましくは、部屋が倒壊しないときは、フレーム支持部がフレーム部を支持する。
【0012】
上記の救命装置において好ましくは、部屋が倒壊するときに、フレーム支持部がフレーム部を支持しない。
【0013】
上記の救命装置において好ましくは、部屋の柱に沿って支柱部材の移動をガイドするためのガイド部材をさらに備え、ガイド部材は、部屋の柱に沿って配置され、かつ支柱部材がガイド部材に沿って移動可能となるように支柱部材と接続されている。
【0014】
これにより、ガイド部材によって部屋の柱に沿って支柱部材の移動がガイドされるため、フレーム部が部屋の上部に配置されたときの位置の真下に近い位置に落下する。よって、フレーム部が部屋の外に大きくはみ出すことが抑制されるため、部屋の中においてフレーム部が形成する空間をより大きくすることができる。
【0015】
上記の救命装置において好ましくは、フレーム部が、分割可能に構成されている。
これにより、フレーム部を分割することによりフレーム部を容易に運搬することができる。また、分割されたフレーム部の各々がフレーム支持部に載置された後に、各々のフレーム部を組み立てることによりフレーム部を容易に設置することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の救命装置によれば、日常生活に不便なく、かつ低コストで地震災害時の救命の可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態における救命装置が部屋の上部に配置された状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態における救命装置のフレーム部を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態における救命装置のフレーム部の接続部分を概略的に示す斜視図である。
【図4】図2におけるIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態における救命装置が部屋の上部に設置された状態を下方から概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態における救命装置の支柱部材がフレーム支持部に載置された状態を概略的に示す斜視図である。
【図7】図6におけるVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態における救命装置のフレーム支持部を概略的に示す平面図である。
【図9】本発明の一実施の形態における救命装置のガイド部材の取り付けの様子を概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施の形態における地震によって部屋が倒壊したときのフレーム部の動作を概略的に示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態における地震によって部屋が倒壊したときのフレーム部の動作を概略的に示す図であって、ガイド部材にガイドされたフレーム部の動作を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
最初に、本発明の一実施の形態の救命装置の構成について説明する。
【0019】
図1を参照して、本発明の一実施の形態の救命装置1は、フレーム部11と、フレーム支持部21とを主に有している。
【0020】
救命装置1は、地震災害時の救命の可能性を高めるための装置である。
フレーム部11は、地震災害時に人を保護するためのものである。フレーム部11は、倒壊した部屋30や倒れた家具などを支えることにより、フレーム部11と床などとの間に空間を形成するように構成されている。
【0021】
フレーム支持部21は、フレーム部11を部屋30の上部に支持するためのものである。フレーム支持部21は、部屋30の柱32に固定され得る。なお、フレーム支持部21は、部屋30の壁31に固定されていてもよい。フレーム支持部21は、部屋30が倒壊しないときは、フレーム部11を支持するように構成されている。フレーム支持部21は、部屋30が倒壊するときに、フレーム部11を支持しないように構成されている。
【0022】
フレーム部11は、フレーム支持部21によって部屋30の上部に支持されている。フレーム部11は、部屋30の壁31際に配置されている。フレーム部11は、フレーム支持部21の上面に当接して載置されている。
【0023】
図2を参照して、フレーム部11は、支柱部材12と、枠部材13と、補助部材14と、接続部材15と、補強部材16とを主に有している。好ましくは、フレーム部は分割可能に構成されている。なお、図2では、ガイド部材41(図1)と接続するための取付部材17も図示されている。
【0024】
支柱部材12の高さは、就寝状態における寝具の厚さなどを加えた人の高さより高くなるように構成されている。複数の支柱部材12の上部を繋ぐように枠部材13が構成されている。これにより、倒壊した部屋30や倒れた家具を支柱部材12および枠部材13が支えることにより、フレーム部11が形成する空間内の就寝者が保護される。
【0025】
図1および図2を参照して、支柱部材12は、部屋30の壁31際に配置されている。支柱部材12は、部屋30の高さ方向に延在するように構成されている。枠部材13は、支柱部材12間を部屋30の壁31際に沿って繋ぐように構成されている。
【0026】
また、支柱部材12の底面12aは、凸形状を有していてもよい。凸形状は、半球形状を有していてもよい。
【0027】
枠部材13は、たとえば支柱部材12間に2本並んで設けられている。なお、枠部材13は、倒壊した部屋30や倒れた家具を支えることができる構成であれば1本であってもよく、また3本以上の複数であってもよい。
【0028】
また、たとえば支柱部材12間には、支柱部材12の軸方向に沿って補強部材16が設けられている。なお、補強部材16は、補強部材16を設けなくても倒壊した部屋30や倒れた家具を支えることができる場合には設けられていなくてもよい。
【0029】
図2および図3を参照して、支柱部材12には、枠部材13の一方端が固定されている。枠部材13の他方端には、接続部材15が固定されている。2つの接続部材15が互いに対向して接触するように構成されている。2つの接続部材15は、たとえば、図示しないボルトおよびナットにより互いに固定されるように構成されている。なお、分割されたフレーム部11の各々が接続部材15によって接続されているが、接続部材15が設けられずに支柱部材12間に枠部材13が直接設けられていてもよい。
【0030】
図2および図4を参照して、枠部材13の一部に補助部材14が設けられている。補助部材14は、対向する枠部材13間に設けられて、たとえばワッシャ19を挟んでボルト18で固定されている。
【0031】
図5および図6を参照して、フレーム支持部21は、支柱部材12の底面12aをフレーム支持部21の上面に当接して載置することによりフレーム部11を支持するように構成されている。
【0032】
フレーム支持部21は、受部材22と、支承部材23と、固定部材24と、軸部材25とを主に有している。
【0033】
受部材22は、部屋30が倒壊しないときは、支柱部材12の底面12aと当接してフレーム部11を支持するように構成されている。受部材22は、部屋30が倒壊するときに、支柱部材12の底面12aと当接せずにフレーム部11を支持しないように構成されている。
【0034】
図7および図8を参照して、より具体的には、たとえば、受部材22は、壁31または柱32に対して角度が固定されている。受部材22は、たとえば支柱部材12と接する面が重力方向に対して垂直となるように構成されている。支柱部材12が受部材22から落下しないように、受部材22が壁31または柱32に一定の角度で取り付けられているため、部屋30が倒壊しないときは、一定の角度が維持されることにより、支柱部材12が受部材22から落下しないようにすることができる。
【0035】
受部材22の下面に設けられた凸部22bが、支承部材23に設けられた孔23aに上方から嵌り込むことにより、受部材22が支承部材23に取り付けられている。支承部材23が固定部材24に挟まれて、孔24aに軸部材25が挿通することにより、支承部材23が固定部材24に取り付けられている。固定部材24は、固定部材24の凹形状の端部24bが柱32と嵌合した状態で、柱32に固定され得るように構成されている。このようにフレーム支持部21が構成されていることにより、フレーム部11と壁31との間に適度な隙間が形成されるため、フレーム部11が壁31にひっかからないので、フレーム部11が確実に落下することができる。
【0036】
また、受部材22と、支柱部材12の底面12aとは固着されていない。たとえば受部材22に設けられた孔22aに支柱部材12の底面12aの凸形状が嵌合するように構成されている。また、受部材22には凹部が設けられていてもよい。
【0037】
このように受部材22に設けられた孔22aまたは凹部に支柱部材12の底面12aの凸形状(曲面状部)が嵌合することにより、弱い地震では嵌合が維持されるため、支柱部材12が受部材22から落下しないようにすることができる。
【0038】
好ましくは、受部材22の下面に設けられた凸部22bと孔23aとの間に隙間が設けられることにより、受部材22が支承部材23に対して移動可能に構成されている。また、支承部材23が固定部材24によって挟まれた状態で軸部材25によって回動可能に取り付けられることにより、図8中矢印A方向に支承部材23および受部材22が回動可能に構成されている。
【0039】
これにより、弱い地震の際には、フレーム支持部21が移動することによって、地震による振動が吸収されるため、フレーム部11を落下させないようにすることができる。
【0040】
図1を参照して、好ましくは、本発明の一実施の形態の救命装置1は、枠部材13が天井桟33から吊材34で吊られるように構成されていてもよい。吊材34で枠部材13が吊られることにより、小さな地震でフレーム支持部21からフレーム部11が落下することを防止することができる。吊材34をフレーム部11の静止荷重が作用した場合には切断されず、衝撃荷重が作用した場合に切断されるように構成することにより、強い地震災害時にはフレーム部11を落下させることができる。また、吊材34を用いることによりフレーム部11の取り付けを容易にすることができる。
【0041】
図1および図5を参照して、好ましくは、本発明の一実施の形態の救命装置1は、ガイド部材41をさらに有していてもよい。
【0042】
ガイド部材41は、部屋30の柱32に沿って支柱部材12の移動をガイドするためのものである。ガイド部材41は、部屋30の柱32に沿って配置され、かつ支柱部材12がガイド部材41に沿って移動可能となるように支柱部材12と接続されている。
【0043】
より具体的には、ガイド部材41は部屋30の上部で固定治具42と固定され、部屋30の下部で固定治具43と固定されている。固定治具42および固定治具43は、それぞれ柱32に接続されている。なお、固定治具42および固定治具43の各々は壁31に接続されていてもよい。支柱部材12に固定された取付部材17にガイド部材41が挿通されている。これにより、ガイド部材41は、支柱部材12がガイド部材41に沿って移動可能となるように支柱部材12と接続されている。
【0044】
これにより、支柱部材12に固定された取付部材17がガイド部材41に沿って移動することによって、部屋30の柱32に沿って支柱部材12の移動がガイドされる。そのため、フレーム部11が部屋30の上部に配置されたときの位置の真下に近い位置に落下する。よって、フレーム部11が部屋30の外に大きくはみ出すことが抑制されるため、部屋30の中においてフレーム部11が形成する空間をより大きくすることができる。
【0045】
好ましくは、ガイド部材41は湾曲部41aを有していてもよい。湾曲部41aによって、柱32とガイド部材41との間に隙間が形成されるため、取付部材17が柱32と接触することが抑制される。このため、より確実にフレーム部11を落下させることができる。
【0046】
ガイド部材41は、支柱部材12の移動をガイドできる強度を有する材料で構成される。ガイド部材41は、たとえば、金属や樹脂によって形成され得る。
【0047】
なお、ガイド部材41は、柱32以外に配置されていてもよい。ガイド部材41は、たとえば壁31に配置されていてもよい。
【0048】
図9を参照して、たとえば、ガイド部材41は、次の手順で取り付けられ得る。まずガイド部材41の上部分の上端が固定治具42に固定される。ガイド部材41の下部分の下端が固定治具43に固定される。ガイド部材41の下部分の上端に継手部材44が挿入されて接着剤で固着される。ガイド部材41の上部分が図示しない取付部材17に挿通された後、固定治具42が部屋30の上部で柱32に固定される。ガイド部材41の下部分の上端に固着された継手部材44がガイド部材41の上部材の下端に図9中矢印B方向に挿入されて固着される。これにより、ガイド部材41の上部分と下部分とが連結される。固定治具43が部屋30の下部で柱32に固定される。
【0049】
次に、本発明の一実施の形態の救命装置の動作について説明する。
図10を参照して、図10中破線で示すように、部屋30が倒壊しないときは、フレーム部11が部屋の上部に支持されている。図10中実線で示すように、部屋30が倒壊するときは、部屋30の上部に支持されていたフレーム部11が落下することにより、フレーム部11が床52などとの間に空間61(図10中斜線で示す空間)を形成する。部屋30が倒壊するときは、天井51が地面に対して平行移動するように壁31が一方向に傾いて倒壊することが多い。そのため、壁31および天井51の移動にあわせてフレーム部11の平面視における位置が大きく変動し得る。
【0050】
図11を参照して、ガイド部材41を設けた場合には、図11中実線で示すように部屋30が倒壊するときは、ガイド部材41によって、フレーム部11の移動がガイドされるため、フレーム部11が部屋30の上部に配置されたときの位置の真下に近い位置に落下する。これにより、ガイド部材41が設けられていない場合と比較して、フレーム部11が部屋30の外に大きくはみ出すことが抑制される。そのため、部屋30の中においてフレーム部11が形成する空間61(図11中斜線で示す空間)をより大きくすることができる。
【0051】
次に、本発明の一実施の形態の救命装置の作用効果について説明する。
本発明の一実施の形態の救命装置1によれば、フレーム部11の支柱部材12の底面12aがフレーム支持部21の上面に当接して載置されることにより、フレーム部11が部屋30の上部に支持されている。そのため、部屋30が倒壊しないときは部屋30の上部にフレーム部11が配置されているので、日常生活における不便をなくすことができる。部屋30が倒壊するときはフレーム支持部21によって部屋30の上部に支持されていたフレーム部11が落下することにより、フレーム部11が空間61を形成する。このフレーム部11が形成した空間61に人が入ることにより、倒壊した部屋30や倒れた家具などから人を保護することができる。また、フレーム部11をフレーム支持部21によって部屋30の上部に支持するだけで救命装置1を構成することができるため、コストを低く抑えることができる。このように、本発明の一実施の形態の救命装置1によれば、日常生活に不便なく、かつ低コストで地震災害時の救命の可能性を高めることができる。
【0052】
また、本発明の一実施の形態の救命装置1では、部屋30の柱32に沿って支柱部材12の移動をガイドするためのガイド部材41をさらに備えている。このガイド部材41は、部屋30の柱32に沿って配置され、かつ支柱部材12がガイド部材41に沿って移動可能となるように支柱部材12と接続されている。これにより、ガイド部材41によって部屋30の柱32に沿って支柱部材12の移動がガイドされるため、フレーム部11が部屋30の上部に配置されたときの位置の真下に近い位置に落下する。よって、フレーム部11が部屋30の外に大きくはみ出すことが抑制されるため、部屋30の中においてフレーム部11が形成する空間61をより大きくすることができる。
【0053】
また、本発明の一実施の形態の救命装置1では、フレーム部11が、分割可能に構成されている。これにより、フレーム部11を分割することによりフレーム部11を容易に運搬することができる。また、分割されたフレーム部11の各々がフレーム支持部21に載置された後に各々のフレーム部11を組み立てることによりフレーム部11を容易に設置することができる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明の実施例について説明する。
天井から床までの距離が2400mmの部屋において、天井から580mmの位置にフレーム支持部21を配置した。フレーム支持部21の上面上にフレーム部11の支柱部材12を載置した。
【0055】
フレーム部11の支柱部材12間の枠部材13の長さは、長辺側を3400mmで形成し、短辺側を2500mmで形成した。支柱部材12の高さは、568mmで形成した。支柱部材12および枠部材13の直径は60.5mmで形成した。支柱部材12および枠部材13の厚みは3.5mmで形成した。支柱部材12および枠部材13は、高張力鋼で形成した。補助部材14は、直径27.2mmで形成した。補助部材14の厚みは、2.3mmで形成した。補助部材14は、炭素鋼管で形成した。
【0056】
フレーム支持部21の受部材22は直径80mm、厚さ3.2mmで形成した。受部材22の孔22aは直径20mmの円形孔で、受部材22は下部裏面に長さ5mm、幅19mm、高さ3.2mmの凸部22bを間隔20mmで設けた鉄板で形成した。支承部材23は、長辺側の長さ120mm、短辺側の長さ50mm、厚さ3.2mmで形成した。支承部材の孔23aは、長辺側の長さ40mm、短辺側の長さ20mmで形成した。支承部材23は、鉄板で形成した。固定部材24は、鋼板で形成した。
【0057】
ガイド部材41は、直径21.7mm、厚さ1.9mmで形成した。ガイド部材41は、炭素鋼管で形成した。
【0058】
なお、本発明の一実施の形態の救命装置は、組立て家具のようにスーパーマーケット、ホームセンターおよび雑貨店などで販売され得る。
【0059】
なお、本発明の一実施の形態の救命装置は、軽量で低価格の素材(たとえばカーボンなど)によって形成され得る。
【0060】
なお、本発明の一実施の形態の救命装置は、救出隊に生存者の存在を知らせるために、体温を感知できるセンサーおよび発信装置を組み込んで形成されてもよい。
【0061】
なお、本発明の一実施の形態の救命装置は、倒壊後の暗闇による生存者の不安感を緩和させるために、フレーム部が蛍光塗料で塗布されていてもよい。
【0062】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、部屋の上部に支持されたフレーム部を有する救命装置に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0064】
1 救命装置、11 フレーム部、12 支柱部材、13 枠部材、14 補助部材、15 接続部材、16 補強部材、17 取付部材、21 フレーム支持部、22 受部材、23 支承部材、24 固定部材、25 軸部材、30 部屋、31 壁、32 柱、33 天井桟、34 吊材、41 ガイド部材、61 空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部と、
前記フレーム部を部屋の上部に支持するためのフレーム支持部とを備え、
前記フレーム部は、前記部屋の壁際に配置され、かつ前記部屋の高さ方向に延在するように構成された複数の支柱部材と、
前記支柱部材間を前記部屋の前記壁際に沿って繋ぐように構成された枠部材とを含み、
前記フレーム支持部は、前記支柱部材の底面を前記フレーム支持部の上面に当接して載置することにより前記フレーム部を支持するように構成されている、救命装置。
【請求項2】
前記部屋が倒壊しないときは、前記フレーム支持部が前記フレーム部を支持する、請求項1に記載の救命装置。
【請求項3】
前記部屋が倒壊するときに、前記フレーム支持部が前記フレーム部を支持しない、請求項1または2に記載の救命装置。
【請求項4】
前記部屋の柱に沿って前記支柱部材の移動をガイドするためのガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、前記部屋の柱に沿って配置され、かつ前記支柱部材が前記ガイド部材に沿って移動可能となるように前記支柱部材と接続されている、請求項1〜3のいずれかに記載の救命装置。
【請求項5】
前記フレーム部が、分割可能に構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の救命装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−32713(P2011−32713A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179455(P2009−179455)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(399006478)株式会社ジャパックス (2)
【Fターム(参考)】