説明

散乱計用の二重のビームのセットアップ

二重のビームのセットアップを有する散乱計又はパロウジャメーター及びそれの使用のための方法が、光学的なパラメータの測定値を生じさせるために提供される。二重のビームのパロウジャメーターは、基部(320)を備えた底部において密封された半球のドームの囲い(318)を含む。放射源(320)は、二つのビームの放射、試料の表面(308)を照明するための照明ビーム(304)及び照明ビーム(304)についての光学的な特性決定の情報を提供するための較正ビーム(330)を生じさせる。各々のビームは、別個の光路を介して半球のドームの囲い(318)の中へ案内される。光学的な撮像するデバイス(324)は、同時に、照明ビーム(304)によって照明された試料の表面(308)によって散乱された散乱放射(314)の像を獲得し且つ較正ビームの像を獲得するように位置決めされる。較正ビームの像は、散乱放射のデータを分析するとき、放射源(302)の光学的な出力における変動性を補償するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、材料の光学的な性質を特性決定するための装置に関係する。より具体的には、本開示は、材料の光学的な測定を行うための二重のビームのパロウジャメーター(parousiameter)を提供する。
【背景技術】
【0002】
現行の世界経済において、製品の製造は、一つの製造プラントで見出されることはまれである。部品は、世界中の様々なプラントで製作され、且つ、最終的な製作サイトへ船で輸送され、そのサイトでは、全ての部品が、最終的な製品に組み込まれる。この世界的規模の製造のサプライ・チェーンは、数多くの利益、最も目にみえてはコスト削減、を有し、それら利益を消費者へと伝えることができる。しかしながら、このような分配された製造工程には欠点が存在する。
【0003】
遭遇した一つの問題は、製品の部品が、分配された場所で製作されるとき、製品のハウジングの光学的な性質(例.色、光沢、きめ、等)における一貫性である。会社は、靴に又はt−シャツにNikeの‘Swoosh’を有することによってにせよ、特有のコンピューターのAppleのiMacの製品系列のケースの設計を有することによってにせよ、いずれにせよ、諸費者に対してアピールし且つ競合する製品(即ち、ブランド認知)から簡単に区別される製品を作り出すための市場調査に数百万を費やす。残念ながら、ブランドのアピールは、一貫しないようにみえる製造から損害を受けうる。
【0004】
例として、テレビ受像機の製造を考える;内部の回路部品は、台湾で、CRTは、韓国で、前部のハウジングは、マレーシアで、及び、後部のハウジングは、フィリピンで、製作されることがある。しばしば、同じ材料及び色素が使用されるときでさえ、同じ光学的な性質を備えた前部の及び後部のハウジングを製造することは、かなり困難である。設備の較正の誤差、機械的な摩耗は、数多くの他の因子のみならず、不一致の一因となる。最後の結果は、前部のハウジングが後部のハウジングと異なる外観を有するテレビ受像機である。色、光沢、きめ等のこのような不均一性は、消費者に容易に気づかれ、且つ、宛てられた印象は、低い品質のものである。
【0005】
工業的な製品の多数の表面は、製品の機能性を向上させるために又はそれの外観を改善するために、ある一定の性質を備えた物理的な構造を有する。数少ない典型的な例は、高い品質の光学的な構成部品の極度に滑らかな表面、刃具における摩耗に耐える層、塗料の表面、化粧品のパッケージ及び化粧の個人的な配慮の製品の表面のきめの細かいプラスチックの部分、金属薄板に生じさせられた圧延組織の圧搾物、並びに、自動車産業用の高い光沢の金属様に見えるラッカーである。
【0006】
これらの及び多数の他の製品は、表面のきめを有すると言われる。きめは、ヒューマン・インターフェースを、言い換えれば、製品が一般にどのように感じがあり且つ見えるかを、決定する性質として認識される。きめの“ルックスの部分”は、光学的な外観と呼ばれる。光学的な外観は、表面が、環境から表面へ入射する光でするものの結果である。入射する光は、多数の場合において多数の方向から来ると共に、それを、表面の粗さ若しくは構造によって又は小さい粒子の存在によって反射させ、透過させ、再放出し、吸収し、着色し、拡散させ、及び散乱させることができる。
【0007】
光学的な外観についてのきめの査定は、通常では、三つのモード:視覚的な比較、光沢及び色の測定、並びに機械的な表面の幾何学的形状の測定、の一つ以上でなされる。
【0008】
視覚的な査定は、訓練された人員によりある一定の標準的なきめのある表面に対して製品の表面を視覚的に比較することによってなされる。視覚的な外観は、表面の幾何学的な外形及び材料それ自体の光学的な性質によって支配される。例.かき傷の視覚的なきめの査定は、薄い色で着色された表面では、そこではきめの影響が強い反射によって圧倒されるため、非常に困難である。白色の、適度に粗い又は細かい表面は、目にあまり異なってはみえない。
【0009】
光沢計は、表面に光ビームを投射し且つ正反射されたビーム及び正反射のまわりのハローにおいて拡散された光の強度比を測定する単純なデバイスである。これは、固定された入射の角度、しばしば30又は60度、の下でされる。
【0010】
接触プローブでの機械的なミクロ幾何学的な測定(表面試験)は、表面の1次元、2次元、又は3次元のマップを発生させる。数学的な評価によって、多数の統計的な変形を、周知の粗さの尺度R、平均の勾配、又はピーク計数と同様に、この方法によって得ることができる。その方法は、表面の光学的な外観とそれの幾何学的形状との間における関係を見出すことを試みてみる。
【0011】
後者の二つの方法は、光学的な外観に対してある関係を有する観測的なデータから統計的に導出された、ある一定の性能指数を定義することを試みる。
【0012】
一般論としては、これらの方法の限界は、測定されたパラメーターの間接に源を発する。例として、表面の測定から導出された圧縮された統計的なデータは、かなり良好に表面のきめの幾何学的な形状を記述する少数の性能指数を含む。提案は、幾何学的なデータとどのように表面が目に見えるかということとの間における関係が存在するというものである。主観的な且つ個人的な因子は、この関係を一貫性のない且つ再生不可能なものにする。
【0013】
第二の問題として、不完全なデータフィールドの限界がある。光沢計は、光学的な性質を測定するが、しかし、非常に限定された方式:ただ一つの入射の角度及び反射の二つの(直接的に及び前方に散乱された)方向でそのようにするものではない。これは、表面の変動性の豊富さ、入射の角度の効果、方位の効果、及び半球に迷い出た光を扱わない。製品の光学的な外観は、半球の環境の全体からの入射の光に源を発する、半球の全体における全ての反射された(又は半透明の材料によって再放出された)光の和によって決定される。
【0014】
きめのある表面(全ての表面は、天然の又は故意に加えられた、きめを有する)の光学的な外観は、この表面から反射された且つ目に入る光によって形成される。自動車のダッシュボードのような適度に粗い表面を照明する平行な光ビームを仮定すると、光の一部は、ある一定の方向に正反射するが、しかし、一部は、また、他の方向に拡散する。このような表面は、必ずしも完璧に拡散性ではないものであると言われる。図1に見られたように、目1は、異なる角度の下で表面2の異なる部分3,4からの製品から拡散された光を捕捉する。この光は、異なる角度で異なる強度を有することがあり、それゆえ、表面は、製品の異なる部分で異なる明るさを有するように、例.より低い角度でより暗いものであるように、みえることがある。
【0015】
目に捕捉されたもの以外の方向に拡散されたいずれの光も、全体的に目に対して失われる。同じことが、光沢計の通常の形態についても真実である。光ビームが、ある表面に狙いが定められるとすれば、光学的な挙動を十分に記述するために、統合されずに方向性をもつ分解能を備えた、上側の半球における全ての方向に拡散された光を測定することは、必要である。完全であるために、これは、半球の全体内の、即ち、全ての鉛直な(上昇の)及び水平の(方位の)角度の下で、いずれの方向からの入射の光についても、されるべきである。拡散された放射の方向及び強度の全部の像を、入射の高さ及び方位の多重の組み合わせについてのこの半球の強度分布を測定することによって、得ることができる。このような測定についての通常の方法は、とりわけ独国特許出願公開第3312948号明細書(特許文献1)から知られたような移動する検出器を備えた散乱計で半球の全体を走査することである。完全な測定は、実際には多くの時間がかかる。
【0016】
2003年6月10日に特許の発明者に対して発行された且つここに参照によって組み込まれた、米国特許第6,577,397号明細書(特許文献2)に開示されたようなパロウジャメーターは、光学的に制御された様式で表面を照明し、且つ、全半球における反射を測定する。明るさの変化及び様々なフロップ効果−観察者が視覚を変化させる際に起こる色又は明るさのシフト−は、いずれの他の光学的な異方性のみならず、様々な照明の下で露出される。次に、ソフトウェアは、これらの測定値を、具体的な品質の制御パラメーターに適合させられたメリット関数へと変換する。予め教示された特性決定を備えたパロウジャメーターを使用することで、全部の測定を、15秒と同じくらい少ない時間で行うことができる。
【0017】
図2に示されたように、典型的なパロウジャメーターは、拡散性の中性の灰色コーティングでコートされたドーム10及び中央の穴12を備えた艶消し黒の基部のプレート11で構成され、その穴を通じて試料の表面の一部が、可視である。ドームの表面に形成された鉛直なスロット13は、光源14に合ったものが備えられ、その光源は、試料に光ビーム15を投射する。光源を、ビームが絶えず試料に狙いを定めると共に、異なる高さ又は傾斜まで移動させることができる。光源は、ドームから離れて配置されることもあり、放射ビームは、ファイバー光学部品のケーブルによってドームへ案内される。試料の隣に、軸外の凸のミラー16が、置かれる。このミラーの真上に、ミラーで反射されたドームの表面の像を見るための映像を撮像するデバイス用の撮像するデバイス部分17があり、そのミラーは、ドームの内側の全体を反射するように設計される。試料の照明されたエリアを、おおよそφ12mmからφ2mmまで、光路における(示されない)ダイアフラムによって調節することができる。スポットは、ドームに集束させられ、且つ、〜30mradの直径を有する。分解能を、1−5mradまでさらに改善することができる。図2における反射性の広角の系16は、一般に、内側のドームの表面の変形させられた像を形成する。暗いマークの規則的なアレイが、光学系によって像の変形を較正するために、ドームに適用されることがある。暗いマークは、像のその後のソフトウェア補正及び現実の球面の立体画法の投射への変換に有用である。暗いマークは、全ての測定に使用されることを必要としないが、しかし、較正の測定には有用である。代わりに、表面の形状が知られたものであるとすれば、変形の補正が、光線追跡することによって又は数学的に、算出されることがある。
【0018】
パロウジャメーターで使用された光源は、典型的にはハロゲンの白熱の電球は、良好に安定化されたDC電圧源によって供給されたとき、時間とともに強度のドリフトを経験し、少数パーセントの変動に頻繁に帰着する。この不安定性は、同様にして、他のタイプの光学的な測定設備について問題である。光の強度の変動を補償するための標準的な方法論は、前の空測定と共にある系列の試料の測定及び試料の測定の後の第二のものを一括することである。これらの空測定は、系列における最後の試料の測定の完了まで試料の測定の開始からの強度の変動を追跡するための較正の測定として使用される。しかしながら、第一の空測定と第二の空測定との間の経過時間は、一時間を超過するものであることがある。
【特許文献1】独国特許出願公開第3312948号明細書
【特許文献2】米国特許第6,577,397号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本開示の目的は、各々の像における試料の測定と同時にランプの測定を提供することであり、このように各々の像は、光源の出力についてそれの自身の較正の基準を含有する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示は、放射源からの、二つの放射ビーム、照明ビーム及び較正ビーム、を提供することによって上述した目的を成し遂げる。照明ビームは、試料の表面に向かって案内され、その表面上で、照明ビームは、試料の表面を照明する。試料の表面の照明は、試料の表面によって散乱される放射に帰着する。この散乱された放射は、次には、投射スクリーンに衝突し、そのスクリーンは、撮像するデバイス、例.ディジタル・カメラ、ディジタル・ビデオ・カメラ等によって撮像される。広角の、魚眼レンズ、又は凸のミラーが、撮像するデバイスが最大の投射スクリーンの表面を撮像することを可能にするために、使用される。
【0021】
較正ビームは、投射スクリーンの像のデータ及び較正ビームのデータが、撮像するデバイスによって同時に撮像されるように、撮像するデバイスへ方向付けられる、
【0022】
試料の表面の光学的な外観を特性決定するための装置は、半球のドーム及び基部によって形成されたハウジングを含む。半球のドームは、頂点に形成された第一のアパーチャ、頂点からオフセットされた位置に形成された第二のアパーチャ、及び、半球のドームの底部の位置に形成された且つ頂点に対して垂直な第三のアパーチャを有し、且つ、半球のドームの内側の表面の少なくとも一部分は、投射スクリーンとして構成される。
【0023】
基部は、基部及びドームが、密閉された半球のドームを形成するように、化学のドームを支持するように構成され且つ位置決めされる。開口部は、基部に形成され且つ第一のアパーチャと反対に位置決めされる。試料の表面は、試料の表面の少なくとも一部分が、第一のアパーチャ及び開口部を通じて可視であるように、基部の外側の表面に対して位置決めされる。二次的なミラーは、基部の内側の表面に配置され且つ第二のアパーチャと反対に鉛直に且つ第三のアパーチャと反対に水平に位置決めされた。
【0024】
第二のアパーチャ及び二次的なミラーと整列させられた、光学的な撮像するデバイス、並びに放射源は、密閉された半球の体積の外側に位置決めされる。
【0025】
放射源は、第一の放射ビームを生じさせ、そのビームは、放射源に源を発する第一の光路に沿って方向付けられ、第一のアパーチャ及び開口部を通過し且つ入射の角度において試料の表面で終わる。第一の放射ビームの放出と同時の放射源によって放出された第二の放射ビームは、放射源に源を発する第二の光路に沿って方向付けられ、第三のアパーチャを通じて密閉された半球のドームに入り、第二のアパーチャを通じて再方向付けし且つ前記の光学的な撮像するデバイスで終わる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、後に続く記載、添付された特許請求の範囲、及び付随する図面:に関して、より良好に理解されたものになると思われる。
【0027】
図3を参照して、放射源302、例.ハロゲンの白熱のランプは、必要であれば、視野を限定するための且つ試料の表面308にランプのアパーチャを結像させるためのレンズ306を使用することで、照明ビーム304を形成する。照明ビーム304は、第一のアパーチャ310を通過し、このように、装置300の−半球のドームの囲い318及び半球のドームの囲い318の底部の部分にふたをする基部320によって形成された−密閉された半球の体積312に入る。第一のアパーチャ310は、半球のドームの囲い318の頂点に形成され、且つ、基部320で終わる弧の少なくとも一部分に沿って半球のドームの囲い318の頂点から延びるスリットとして構成されることがある。照明ビーム304は、この弧に沿って移動するように構成され、このように0°と90°との間における多重の角度から試料の表面308を照明する能力を提供する。
【0028】
試料の表面に衝突する照明ビーム304は、表面によって反射される光に帰着する。一般に、この反射された光314は、投射スクリーン316に、他の光学的な性質のみならず反射の角度及び強度における変動を有する、(示されない)散乱パターンを形成する。散乱パターンが変動する程度は、試料の表面の具体的なきめ及び光学的な性質に依存するものである。例えば、滑らかな、高度に反射性の表面は、非常に粗い無光沢の表面が、散乱パターンの全体にわたって高い変動性を生じさせる傾向があるであると思われる一方で、相応じて均一な散乱パターンを生じさせることになる。
【0029】
投射スクリーン316は、半球のドームの囲い318の内部の表面に形成される。しかしながら、半球のドームの囲い318の内部の表面の全体は、投射スクリーンとして構成されることを必要としない。
【0030】
基部320は、第一のアパーチャ310と鉛直に整列させられた中央の開口部322を提供する。この開口部322は、基部320の外側の表面に対して置かれた試料の表面308の少なくとも一部分への光学的なアクセスを可能にする。
【0031】
あるいは、開口部は、(示されない)プラットフォーム又は他の支持する手段で取り替えられることがあり、ここで、試料の表面308を、光学的な性質の測定の間に置くことができる。しかしながら、基部320は、半球のドームの囲い318から取り外し可能であるように構成されることを必要とするであろうし、且つ、装置300は、内部に試料の表面308を収容するために必要な大きさにされることを、必要とするであろう。
【0032】
半球のドームの囲い318の外部に、光学的な撮像するデバイス324が、位置決めされる。光学的な撮像するデバイス324は、半球のドームの囲い318に形成された且つ第一のアパーチャ310からオフセットされた第二のアパーチャ326と鉛直に整列させられる。加えて、光学的な撮像するデバイス324及び第二のアパーチャ326は、弧医学的な撮像するデバイス324へ投射スクリーン316の広角の像を提供する様式で、基部320に位置決めされた凸のミラー328と鉛直に整列させられる。
【0033】
また、放射源は、照明ビーム304と同時に較正ビーム330を発生させる。較正ビームは、半球のドームの囲い318のより低い部分に位置決めされた且つ凸のミラー328と水平に整列させられた第三のアパーチャ332を通じて方向付けられる。較正ビーム330は、凸のミラー328に衝突し、且つ、光学的な撮像するデバイス324へ反射させられる。あるいは、(示されない)第二のミラーは、凸のミラーと近接して置かれ且つ光学的な撮像するデバイス324へ較正ビームを反射させるために凸のミラーの代わりに使用されることがある。必要に応じて較正ビームの光学的な性質を構成するために、フィルター336及び拡散体334のような、様々な光学的な構成部品は、較正ビーム330の光路に置かれることがある。第三のアパーチャ332より上に置かれたバッフル338は、他の周辺の光のみならず反射された光314が、較正ビーム330並びにそれの光学的な構成部品334及び336と干渉することを予防する。
【0034】
光学的な撮像するデバイスは、投射スクリーンの像及び較正ビームのデータの両方を同時に記録し、ここで、記録の一部分は、記録の残りの部分が投射スクリーンの像を含有する一方で、較正ビームのデータを含有する。この方式では、各々の記録は、較正のデータのみならず投射スクリーン316に投射されたような試料の表面308の光学的な性質を含有する。較正のデータは、照明ビーム304の光学的な性質を特性決定するために使用され、放射源302からの出力における光学的な変動が投射スクリーンの像の分析の間に補償されることを可能にする。
【0035】
装置300は、照明ビーム304が、第一のアパーチャ310の頂点に位置決めされるとき、光学的な撮像するデバイス324が、照明ビーム304をのぞかなければならないので、ので、光学的な撮像するデバイスの光路に迷光を生じさせる余地があることがある。従って、図4に示されたような別の実施形態において、凸のミラー328は、構成ビーム330との関係で半球のドームの囲い318の遠端に置かれる。加えて、光学的な撮像するデバイス324及び第二のアパーチャ326は、凸のミラー328との鉛直方向の整列で位置決めされる。較正ビーム330は、試料の表面308を横切って凸のミラー328へと進み且つ光学的な撮像するデバイス324まで反射される。
【0036】
さらに別の実施形態は、図5において示され、その実施形態は、図3及び図4の両方の態様を組み合わせる。図4におけるように、凸のミラー328、第二のアパーチャ326、及び光学的な撮像するデバイスは、照明ビーム304の経路の外側に置かれる。第三のアパーチャは、凸のミラー328に最も近い半球のドームの囲い318の一部分に形成される。ファイバー光学部品のフィラメント502は、放射源302から第三のアパーチャ332まで較正ビーム330を方向付ける。
【0037】
図6のフローチャートを参照することで、試料の表面の光学的なパラメーターを測定することに要求されたステップが、示される。ステップ601で開始する際、試料の表面308は、試料の表面308の一部分が、開口部322と整列させられるように、基部320の下で位置決めされる。ステップ603において、放射源302は、活動させられ、照明ビーム304を生じさせ、そのビームは、ステップ605において試料の表面308を照明する。加えて、較正ビーム330は、ステップ607において放射源302から、同時に透過させられる。試料の表面308によって散乱された光は、ステップ609において投射スクリーン316に投射される。ステップ611へ前進する際、光学的な撮像するデバイス324は、ステップ613において較正ビームを同時に受光する一方で、投射スクリーンを撮像する。その過程は、ステップ615で終わるが、そこでは、電子的な像の一つの部分におけるスクリーンのデータ及び電子的な像の第二の部分における較正データを有する電子的な像が、作り出される。
【0038】
本開示に使用された光源302は、ハロゲン電球に限定されないが、しかし、放電ランプ、例.水銀蒸気のもの、ナトリウム蒸気のもの等、及びレーザー源を含むことがある。放電ランプは、一般に、ハロゲンがするよりも高い強度の光の出力を提供する。
【0039】
放電ランプは、時間とともに様々な放出の方向の間における不均一な光の強度及び色の分布へのはるかに大きい傾向を有する。例えば、放電ランプは、より青色を帯びた−白色の光が、長軸に沿って放出される一方で、ランプの長軸に垂直な一組みの方向における帯黄色−白色の光を放射することがある。同じことが、強度について当てはまる。
【0040】
加えて、放電ランプが、加熱すると、放電の形状及び場所、即ち、照明を生じさせるランプ内の現実の点は、変化し、このように不均一な様式でランプの特性決定をさらに変える。
【0041】
上に記載された実施形態は、放電ランプを使用するとき、必ずしもまったく有効なものではないであろう。それに応じて、別の実施形態が、図7に提供され、その実施形態は、放電ランプのこれらの不均一性の特性決定を克服する。今図7の実施形態を参照すると、パロウジャメーター700は、図5に示されたのとほとんど同じ方式で構築される。
【0042】
しかしながら、本実施形態における光源702は、放電ランプであり、そのランプは、光の初期のビーム704を出力する。次に、初期のビーム704は、金属化された薄膜又は立方体のスプリッターのような、振幅ビームスプリッター710を使用することで、照明ビーム706及び較正ビーム708へと分割される。先の実施形態におけるもののように、照明ビームは、較正ビームが、第三のアパーチャ332を通じて且つ光学的な撮像するデバイス324に向かって前方へ方向付けられる一方、半球のドームの囲い318の頂点へ方向付けられる。照明ビーム706及び較正ビーム708の両方が、同じ初期のビーム704に源を発するので、両方は、同じ特性決定の多数を共有し且つより幅広い範囲の因子を補償するために使用されることができる。
【0043】
本実施形態が、白熱の電球とも又はレーザー源とでさえも等しく良好に作動することは、留意されるべきである。実際には、レーザー源を使用するとき、偏光の分布における変動をもまた補償することができる。
【0044】
映像の撮像するデバイスを用いることを使用することで映像周波数、例.25Hzで像を得ることができる。照明ビームの上昇及び試料の方位の連続的な調節の提供があり、その結果、完全な組みの、言わば、少数百の像を、さらなるデータ処理の基礎を形成するために、少数分で得ることができる。
【0045】
加えて、カラーの映像の撮像するデバイスが使用されるとすれば、同じ測定が、また、試料の波長依存性の挙動についてのデータを提供する。カラーの映像は、三つの波長帯域を使用し、その映像は、CIEの意義において現実の色の測定値ではないが、それは、試料の非常に有用な方向依存性の色の情報をもたらす。これは、ホログラムのような回折性の表面について特別な関心のあることである。
【0046】
通常では、試料それ自体が、撮像するデバイスでは可視ではない一方で、スクリーンにおける像を目視するために、撮像するデバイスにねらいが定められる。装置の特別な実施形態において、試料それ自体が、撮像するデバイスによって直接的に撮像されることを可能にするための提供がある。ミラーから試料まで、撮像するデバイスをわずかに回すことによって、試料における撮像するデバイスにねらいが定められることがある。この目視するモードでは、試料は、ドームの内側を照明する一つ以上の追加のランプを通じて得られた拡散光によって照明されることがある。試料は、また、光のコリメートされたビームによって、又は、スクリーンに投射された明るいスポットによって、照明されることがある。試料からのビーム又はスポットの正反射は、観察されるものである試料の所望の特性決定に依存して、撮像するデバイス内に又は撮像するデバイスの側面に届く。目視するモードは、試料が直接的に且つフーリエ(Fourier)様の変換を介さずに目視されるため、試料のきめの異なる特性決定が検索されることを可能にする。
【0047】
スクリーンは、反射又は透過で使用されることがあり、且つ、投射スクリーンの通常の性質を有する。スクリーンに形成された二次元の像は、試料の場所に配置された試料によって散乱された放射の角度的な分布を表す。従って、像は、試料の物理的な性質のフーリエ様の変換であり、その変換においては、試料の物理的な性質における空間的な変動は、放射エネルギーの角度的な変動へ変換される。撮像するデバイス、例.ビデオカメラの使用は、散乱された放射の十分な分布である、像の速い捕捉を可能にする。
【0048】
試料の表面は、反射又は透過で調査されることがある。後者の場合には、照明ビーム及び検出されるものである散乱された放射は、試料の反対の側にあり、且つ、測定は、試料の入口及び/又は出口の表面の物理的な性質についてのもののみならず、それの内部のものもまた示すものである。試料は、試料の方位における変化を可能にするために、調節可能なステージに取り付けられることがある。
【0049】
本発明の記載された実施形態は、限定的なものというよりも実例となるものであることが意図され、且つ、本発明のあらゆる実施形態を表すことは意図されない。様々な変更及び変動を、逐語的に及び法律で認められた均等物におけるものの両方で、後に続く特許請求の範囲に述べたような本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、なすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、きめのある表面から散乱する入射の光の光線の表現を図解する;
【図2】図2は、先行技術の単一のビームのパロウジャメーターの実施形態を図解する;
【図3】図3は、本開示に従った、二重のビームのパロウジャメーターの実施形態を図解する;
【図4】図4は、本開示に従った、二重のビームのパロウジャメーターの別の実施形態を図解する;
【図5】図5は、本開示に従った、二重のビームのパロウジャメーターの別の実施形態を図解する;
【図6】図6は、本開示に従った、二重のビームのパロウジャメーターを使用することで試料の表面の光学的なパラメーターを測定するためのステップを図解するフローチャートである;及び
【図7】図7は、本開示に従った、二重のビームのパロウジャメーターのさらに別の実施形態を図解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の表面の光学的な外観を特性決定するための装置であって、
前記装置は、上側のハウジングを含み、前記上側のハウジングは、上部の表面における中央の位置での第一のアパーチャ、前記第一のアパーチャからオフセットされた位置に形成された第二のアパーチャ、及び、前記上側のハウジングの底部の位置に形成された且つ前記第一のアパーチャに対して垂直な第三のアパーチャを有し、前記上側のハウジングは、投射スクリーンとして構成された内側の表面を有し;
前記装置は、前記上側のハウジングを支持するように構成された且つ位置決めされた基部を含み、前記基部及び前記上側のハウジングは、密封された体積を形成し、且つ、前記基部は、前記第一のアパーチャの反対に位置決めされた開口部を有し、その結果、前記試料の表面が、前記基部の外側の表面に対して位置決めされるとき、前記試料の表面の少なくとも一部分が、前記第一のアパーチャ及び前記開口部を通じて可視であり;
前記装置は、前記基部の内側の表面に配置された且つ前記第二のアパーチャ及び前記第三のアパーチャと光学的に通じる二次的なミラーを含み;
前記装置は、前記密封された体積の外側に位置決めされた放射源を含み;
前記装置は、前記放射源によって生じさせられた第一の放射ビームを含み、前記第一の放射ビームは、前記放射源に源を発する第一の光路に沿って方向付けられ、前記第一のアパーチャ、前記開口部を通過し、且つ入射の角度で前記試料の表面で終わり;
前記装置は、前記密封された体積の外側に位置決めされた且つ前記第二のアパーチャ及び前記二次的なミラーと光学的に通じた光学的な撮像するデバイスを含み、且つ、
前記装置は、前記第一の放射ビームの放出と同時の前記放射源によって放出された第二の放射ビームを含み、前記第二の放射ビームは、前記放射源に源を発する第二の光路に沿って方向付けられ、前記第三のアパーチャを通じて前記密封された体積に入り、前記第二のアパーチャを通じて再度方向付き、且つ前記光学的な撮像するデバイスで終わる:装置。
【請求項2】
前記第一の放射ビーム及び前記第二の放射ビームは、前記放射源によって生じさせられた初期の放射ビームに源を発し、前記初期の放射ビームは、前記初期の放射ビームを前記第一の放射ビーム及び前記第二の放射ビームへと分離するためのビームを分割する手段に向かって方向付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の光路及び前記第二の光路の一部分の一つ以上は、ファイバー光学部品のフィラメントを通じである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記上側のハウジングは、半球のドームとして必要な大きさにされ、且つ、前記密封された体積は、密封された半球の体積である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第一のアパーチャは、前記頂点から前記基部までの弧の少なくとも一部分に沿ったスリットとして必要な大きさにされ;且つ前記第一の光路は、前記入射の角度が、0°と90°との間の範囲で選択可能であるように、前記第一のアパーチャに沿って可動である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記放射源は、可視光の放射ビームを発生させる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記試料の表面を位置決めするための可動なステージをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記照明の少なくとも一部分が、前記試料の表面を通じて且つ前記半球の体積の中へと透過させられるように、前記試料の表面が、光学的に透過性であるとき、前記第一の放射ビームは、前記試料の表面を通じて照明するために位置決め可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記放射源によって発生させられた且つ前記第一の放射ビームと光学的に通じてない側から前記試料の表面を照明することに向かって方向付けられた第三の放射ビームをさらに含み、前記第三の放射ビームは、光学的な外観の特性決定が透過モードにおいて行われるのときに、用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第三のアパーチャの少なくとも一部分に沿った前記上側のハウジングの前記内側の表面に位置決めされたバッフルをさらに含み、前記バッフルは、散乱された光が前記第二の光路を形成するいずれの光学的な構成部品とも干渉することを阻止するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記二次的なミラーは、前記投射スクリーンの少なくとも一部分を前記光学的な撮像するデバイスへ反射するように位置決めされた凸のミラーである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
試料の表面の光学的なパラメーターを測定するための方法であって、
前記方法は、
光源からの光の第一のビームで前記試料の表面を照明すること;
投射スクリーンにおいて前記試料の表面によって散乱された光を遮断すること;
撮像する手段を使用することで前記投射スクリーンを撮像すること;及び
前記撮像する手段へ光の第二のビームを方向付けること
:を含み、前記光の第二のビームは、前記光の第一のビームと同時に前記光源によって発生させられる、方法。
【請求項13】
半球のドームの内側の表面に前記投射スクリーンを位置決めすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記試料の表面を照明することは、少なくとも部分的にファイバー光学部品のフィラメントで構成された光の経路に沿って前記第一の光ビーム及び前記第二の光ビームの少なくとも一つを方向付けることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
鉛直な弧に沿って前記光の第一のビームを可動に位置決めすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記撮像するステップにおいて生じさせられた像を像処理装置へ透過させることをさらに含み、前記像は、前記投射スクリーンを表すデータ及び前記光の第二のビームを表すデータを有し;且つ
前記方法は、前記像を光学的なパラメーターの測定値へと変換すること:を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記投射スクリーンのデータから前記光の第二のビームを表す前記データを分離することをさらに含み、前記分離するステップは、前記変換するステップの前に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記変換することを行うとき、前記光源の光学的な性質における変動を補償するために前記像処置装置によって前記光の第二のビームを表す前記データを使用することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
試料の表面の光学的なパラメーターを測定するための装置であって、
前記装置は、
光源からの光の第一のビームで前記試料の表面を照明するための手段;
投射スクリーンにおいて前記試料の表面によって散乱された光を遮断するための手段;
前記投射スクリーンを撮像するための手段;及び
前記撮像する手段へ光の第二のビームを方向付けるための手段
:を含み、前記光の第二のビームは、前記光の第一のビームと同時に前記光源によって発生させられる、装置。
【請求項20】
前記装置は、前記撮像する手段によって生じさせられた像を像処理装置へ透過させるための手段をさらに含み、前記像は、前記投射スクリーンを表すデータ及び前記光の第二のビームを表すデータを有し;且つ、
前記装置は、前記像を光学的なパラメーターの測定値へと変換するための手段:を含み、前記変換する手段は、前記光源の光学的な性質における変動を補償するために前記光の第二のビームを表す前記データを使用する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記投射スクリーンのデータから前記光の第二のビームを表す前記データを分離するための手段をさらに含み、前記分離する手段は、前記変換する手段が活動させられる前に、前記分離を行う、請求項20に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−505094(P2009−505094A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526577(P2008−526577)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052702
【国際公開番号】WO2007/020554
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】