説明

散布機

【課題】 繰出ロールによってホッパーから繰り出される施用剤を、送風機から送風する噴送筒を通して搬送しながら、施用散布する散布形態にあって、この噴送筒の噴出口部に清掃作業等の送風ユニットを取付接続して付帯作業を行うときは、誤って繰出ロールを駆動すると、施用剤がこの送風ユニットから吹き出されて、機体の清掃箇所へ吐き出したり、機外へ排出されることになる。
【解決手段】 繰出モータMにより繰出ロール1を駆動回転してホッパー2の施用剤を繰出しながら、送風機4により噴送筒5を経て散布ブーム6へ噴送して散布する散布機において、前記噴送筒5に、噴風清掃用の送風ユニット12を接続することによって、前記ホッパー2の残留施用剤を取出し排出するための排出スイッチ3操作による繰出モータMの駆動出力を牽制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施肥機や、薬剤散布機等の施用剤散布機において、施用剤噴送用の噴送筒に、清掃用の噴出ノズル等の送風ユニットを取付けて、付帯の送風清掃作業を行うことができる残留施用剤排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施用剤を繰出散布する散布機において、散布繰出ロールを駆動してホッパーの施用剤を繰出して散布させる散布スイッチや、このホッパー内の残留施用剤を繰出排出する排出スイッチ等を設ける技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009‐261345号公報(第1頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繰出ロールによってホッパーから繰り出される施用剤を、送風機から送風する噴送筒を通して搬送しながら、施用散布する散布形態にあって、この噴送筒の噴出口部に清掃作業等の送風ユニットを取付接続して付帯作業を行うときは、誤って繰出ロールを駆動すると、施用剤がこの送風ユニットから吹き出されて、機体の清掃箇所へ吐き出したり、機外へ排出されることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、繰出モータMにより繰出ロール1を駆動回転してホッパー2の施用剤を繰出しながら、送風機4により噴送筒5を経て散布ブーム6へ噴送して散布する散布機において、前記噴送筒5に、噴風清掃用の送風ユニット12を接続することによって、前記ホッパー2の残留施用剤を取出し排出するための排出スイッチ3操作による繰出モータMの駆動出力を牽制することを特徴とする残留施用剤排出装置の構成とする。
【0006】
散布スイッチ12を操作することによって繰出モータMで繰出ロール1を駆動して、ホッパー2に収容の施用剤を繰出しながら噴送筒5から散布ブーム6へ送出して散布する。散布作業後にホッパー2の残留剤を取出すときは、排出スイッチ3を操作することによって、前記繰出モータMを駆動して繰出ロール1の回転により、残留剤を繰出しながら噴送筒5から残留剤取出容器等へ取出排出する。散布作業後に前記噴送筒5に噴風清掃用の送風排出スイッチ12を接続したときは、前記排出スイッチ3をON操作しても繰出モータMは駆動されないで、送風機4による送風が、この噴送風筒5を通して送風ユニット12から噴出されて、散布機各部の清掃を行うことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記排出スイッチ3をON操作して排出制御モードにあるとき、車速の入力によって繰出モータMの駆動を牽制することを特徴とする。
前記排出スイッチ3をON操作することによって、繰出モータMを駆動し、繰出ロール1を回転し、ホッパー2に残留する残留剤を繰出しながら噴送筒5から排出することができる。この噴送筒5に送風ユニット12を接続した場合は、排出スイッチ3をON操作して排出制御モードにして、繰出ロール1によりホッパー2の残留剤を繰出して噴送筒5から送風ユニット12を経て取出排出することができる。しかしながら、このとき車体が走行されて、所定以上の車速状態にあるとき、車速パルスや、車速センサ等から車速入力によって繰出モータMが駆動されない。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明は、送風ユニット12を送風筒5に接続したときは、送風ユニット12から噴風させて、清掃作業を行わせることができ、誤って残留剤の取出や、散布等を行わせないようにするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ホッパー2の残留剤を取出排出するときは、車体の走行を停止した状態で行うものであるが、この車体が走行状態にあるときは、この車速検出によって繰出ロール1を回転する繰出モータMの駆動を牽制して、残留剤の繰出を行わせないようにするもので、この排出中に誤って走行した場合でも残留剤の排出を停止することができ、無駄な散布を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】散布機の平面図。
【図2】(A)送風ユニット部の取付状態を示す平面図。(B)一部の拡大平面図。
【図3】コントロールパネル部の平面図。
【図4】散布ブームを散布姿勢に張出した状態の平面図。
【図5】ホッパー内の残量施用剤を取出排出する制御ブロック図。
【図6】排出制御部のフローチャート。
【図7】散布ブーム部の断面図。
【図8】衝突板制御部のブロック図(A)と、フローチャート(B)。
【図9】その一部別実施例を示す衝突板制御部のブロック図(A)と、フローチャート(B)。
【図10】別実施例を示す衝突板制御部のブロック図(A)と、フローチャート(B)。
【図11】一部別例を示す制御部のフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図例に基づいて、前輪10、後輪11を配置してエンジン12によって駆動し、この上側のボンネット13後側のステアリングハンドル14で操向する四輪駆動走行形態のトラクタ車体の運転席15の後側に、施用剤を収容する左右一対のホッパー2と、この下側にあってホッパー2内の収容施用剤をモータM駆動で繰出す繰出ロール1、この繰出された施用剤を受けて搬送案内する噴送筒5、この噴送筒5へ送風する送風機4、及び、この噴送筒5から噴送される施用剤を受けて噴送しながら先端の噴出ノズル16から噴出して散布させる左右の散布ブーム6、6等を配置する。
【0012】
この左右の散布ブーム6は、基端部を車体後端部のループ状に形成のホルダガード9の横端部に揺動可能に設けた揺動アーム17に支持させて、この揺動アーム17と散布ブーム6との間を伸縮シリンダ18によって連結し、このシリンダ18の伸縮により散布ブーム6を左右両側へ張出す散布姿勢Aと、車体の左右両側部に沿う収納姿勢Bとに切替回動する形態とする。この各噴送筒5の端部と散布ブーム6の基端部との間を可撓自在の蛇腹ホース8で各々連結した状態で、各散布ブーム6を散布姿勢Aと収納姿勢Bに切替えることができる。
【0013】
ホッパー2内に残留した施用剤を排出回収する施用剤排出装置は、車体の前後端部に施用剤を収容して繰出す施用ホッパー2、及び繰出ロール1を設けると共に、この繰出ロール1から繰出される施用剤を送風搬送する送風機4、及び噴送筒5を設けて、左右両側へ張出す散布ブーム6へ噴送して散布する施用剤散布機において、前記繰出ロール1及び送風機4の前側に、前記ホッパー2内に残留した施用剤を回収する回収容器7を設置して、前記噴送筒5を連結可能に設け、前記ホッパー2内の残留施用剤を回収する施用剤排出装置を構成している。
【0014】
施用剤を散布するときは、左右の散布ブーム6を外方へ張出させて施用剤をホッパー2に供給収容させて、車体を走行させながら、繰出ロール1の駆動によってこのホッパー2内の施用剤を噴風筒5へ繰出すと、送風機4の駆動によりこの噴風筒5を流す噴風によって、蛇腹筒8、及び散布ブーム6へ搬送して噴出散布する。又、作業後のホッパー2の残留施用剤を排出回収すときは、前記車体の前端部、又は後端部に配置のホルダガード9に回収容器7を保持して、この回収容器7に噴送筒5先端部の蛇腹筒8を連通させて、これら繰出ロール1や送風機4等を駆動して、ホッパー2の残留施用剤を繰出して噴送し、回収容器7へ回収する。
【0015】
又、前記噴送筒5の先端部に連結の蛇腹筒8は、左右から合流させた形態として、この合流部の先端部に、車体や、装置各部を噴風洗浄するための送風ユニット12を取り付けることができる。この送風ユニット12は、噴風ノズル56を連結して、この噴風ノズル56を前記回収容器7にのぞませて、残留施用剤を回収することもできるが、この噴風ノズル56を清掃箇所に向けて噴諷することによって、吹払い洗浄することができる。そして、この噴風ノズル56の移動、取扱いを行い易くするために、前記蛇腹筒8の先端部を長く形成し、又は、長い可撓性ホースを介して連結する形態とすることができる。
【0016】
この送風ユニット12には、この噴風ノズル56が蛇腹筒8の先端部に連結されていることを検出する検出スイッチ51や、前記排出スイッチ3等を設け、前記噴風ノズル56が連結されると、この噴風ノズル56の接続マーク52の接触を受けてこの噴風ノズル56の連結状態をON検出して、前記排出スイッチ3の回路をON操作可能状態とすることができる。そして、この噴風ノズル56が連結されている状態において、排出スイッチ3をON操作して排出制御を行わせることができる。これら検出スイッチ51や排出スイッチ3等の回路ハーネス54、55は、コネクタ53を介してコントローラ40へ連結し、送風ユニット12の連結状態を入力する。又、この噴風ノズル56を取り外したときは、この位置における排出スイッチ3はOFF状態となる。
【0017】
前記車体は、運転席15の一側にコントロールパネル19を設けて、施用剤の散布操作を行うことができる。20は、ステップ、21はフロアである。前記ホルダガード9は、車体の後端部に対してリヤフレーム22を介して連結して、下側部にはキャスター23を有して接地可能に設けている。このホルダガード9の左右幅の中央部に取付ける回収容器7は、リング形態の袋ホルダ24を上下回動可能に取付け、前側へ回動して水平状に突出させると、この袋ホルダ24に吊下げる袋25口部を開口する。又、この袋ホルダ24を下方に回動して収納状態とすることができる。
【0018】
施用剤を散布するときは、左右の散布ブーム6を横方向へ張出して、蛇腹ホース8をこの散布ブーム6に連結した状態で、各繰出ロール1、及び送風機4等を駆動して車体を前進走行しながら散布作業する。作業後ホッパー2内の残留施用剤の回収を行うときは、ホルダガード9に回収容器7を取付けて、前記左右の散布ブーム6から取外した蛇腹ホース8の先端部をこの回収容器7にのぞませ、散布作業時と同様に、繰出ロール1、及び送風機4を駆動して、残留施用剤を回収容器へ排出収容させる。
【0019】
前記コントロールパネル19には、左、右の散布ブーム6を散布姿勢と収納姿勢とに切替える切替レバー28を設け、送風機4を駆動するファンスイッチ29や、繰出ロール1を駆動する散布スイッチ30及び、排出スイッチ3等を配置する。又、この中央部には、施用剤の散布量や、比重、流量や、風量等を設定表示する表示窓31や、設定スイッチ32等を配置する。
【0020】
又、繰出ロール1における繰出流量を調節する流量調節ダイヤル33、噴送筒5における送風量を調節する風量調節ダイヤル34、左右各散布ブーム6のシリンダ18による左右開閉作動や、上下散布角度等を調節するブームスイッチ35、36等を配置している。前記各噴送筒5には、送風機4による送風量を調節する風量調節弁37と、この噴送筒5における風速を検出する風速センサ38を設ける。又、この風量調節弁37の調節量を検出してフィードバッグ制御するポテンショメータ39を設けている。
【0021】
この操作装置は、繰出ロール1の回転により車速に応じた施用剤量を繰出しながら散布する散布機において、前記繰出ロール1を駆動する散布スイッチ30をONすることにより、一定時間の経過後に、ブザー41をONして散布走行を促す構成としている。散布スイッチ30をONすると、散布幅や、設定施用量、施用剤の比重判定等によって、最低車速が設定され、繰出ロール1の初期回転数を判定して計算し、この繰出ロール1を回転出力して繰出する。このようにして、繰出ロール1が回転してから施用剤が噴口から散布されるまでの一定時間を運転者に知らせて、適切なタイミングで走行開始させることができる。走行を開始するとブザー41を停止する。一定時間経過しても走行が検出できないときは、モータM回転出力をOFFにする。
【0022】
前記コントローラ40の入力側には、車体の走行車速を検出する車速センサ42や、繰出ロール1を回転する繰出用モータMの回転を検出するモータ回転センサ43、肥料ホッパー2内の残留肥料量を検出する残量センサ44、前記左、右の散布ブーム6L、6Rの張出、収納姿勢A、Bを切替えるブーム開閉スイッチ35、これら左、右の散布ブーム6L、6Rの姿勢A、B位置を検出するブームセンサ、左、右いずれか片側の散布ブーム6を散布姿勢Aに張出させて、この片側の散布ブーム6側の繰出ロール1を駆動して肥料を繰出して噴送しながら散布させる片側散布切替スイッチ36、送風機4を駆動するファンスイッチ29、前記繰出用モータMを駆動して散布作用を行わせる散布スイッチ30、及び排出スイッチ3、肥料の施肥量や、比重等を設定する設定スイッチ32等を配置する。
【0023】
又、コントローラ40の出力側には、前記左右の繰出ロール1を回転する繰出用モータMや、前記送風機4伝動用の電磁クラッチ45、前記繰出用モータ16の回転方向を切替えるモータM回転方向切替出力46、前記左、右散布ブーム6の開閉出力47L、47R、肥料の残量を検出する残量ランプ48、ブザー41、及びモニタ表示器31等を設ける。又、コントローラ40にはメモリ49や、不揮発メモリ50等を有する。
【0024】
前記残留施用剤排出装置は、車速に応じた施用剤量を繰出しながら散布する散布機において、この繰出ロール1を車速に応じた回転に駆動して散布制御する散布スイッチ30と、この繰出ロール1を駆動して施用残量を排出制御する排出スイッチ3とを設ける。散布作業時は、散布スイッチ30を操作することによって繰出ロール1を駆動して、ホッパー2に収容の施用剤を繰出しながら散布ブームへ送出して走行圃場面等に散布する。この繰出ロール1は車速に応じて連動されて、車速が高くなれば繰出ロール1の回転も高くなって施用剤繰出量を増して、圃場面等に対する施用剤散布を所望設定量に均一に散布する。散布作業後にホッパー2内に残留する施用剤を別途容器7等に取出排出するときは、前記散布スイッチ30とは別の排出スイッチ3を操作する。この排出スイッチ3によって前記繰出ロール1を駆動して、ホッパー2に残留の施用剤を繰出して回収容器7等に取出排出する形態である。
【0025】
ここにおいて、繰出モータMにより繰出ロール1を駆動回転してホッパー2の施用剤を繰出しながら、送風機4により噴送筒5を経て散布ブーム6へ噴送して散布する散布機において、前記噴送筒5に、噴風清掃用の送風ユニット12を接続することによって、前記ホッパー2の残留施用剤を取出し排出するための排出スイッチ3操作による繰出モータMの駆動出力を牽制するように構成している。
【0026】
そして、散布スイッチ12を操作することによって繰出モータMで繰出ロール1を駆動して、ホッパー2に収容の施用剤を繰出しながら噴送筒5から散布ブーム6へ送出して散布する。散布作業後にホッパー2の残留剤を取出すときは、排出スイッチ3を操作することによって、前記繰出モータMを駆動して繰出ロール1の回転により、残留剤を繰出しながら噴送筒5から残留剤取出容器7等へ取出排出する。散布作業後に前記噴送筒5に噴風清掃用の送風ユニット12を接続したときは、この送風ユニット12の排出スイッチ3や、及び前記コントロールパネル19の排出スイッチ3をON操作しても繰出モータMは駆動されないで、送風機4の駆動による送風が、この噴送風筒5を通して送風ユニット12から噴出されて、散布機各部の清掃を行うことができる。このため、噴送筒5の先端部に送風ユニット12を取り付けて、掃除を行うとき、誤って排出スイッチ3を押しても残留剤は排出されないため、安心して清掃作業を行うことができる。
【0027】
又、前記排出スイッチ3をON操作して排出制御モードにあるときは、車速の入力によって繰出モータMの駆動を牽制するように構成している。
前記排出スイッチ3をON操作することによって、繰出モータMを駆動し、繰出ロール1を回転し、ホッパー2に残留する残留剤を繰出しながら噴送筒5から排出することができる。この噴送筒5に送風ユニット12を接続した場合は、排出スイッチ3をON操作して排出制御モードにして、繰出ロール1によりホッパー2の残留剤を繰出して噴送筒5から送風ユニット12を経て取出排出することができる。しかしながら、このとき車体が走行されて、車速パルスや、車速センサ等から車速入力によって繰出モータMが駆動されない(図6)。
【0028】
前記のように、図例においては、排出スイッチ3を、コントロールパネル19と、噴送筒5先端部の送風ユニット12部との二個所に設けて、操作性を良くするる形態としたが、この排出スイッチ3を何れかの単一個所にのみ設ける形態とすることも可能である。
【0029】
次に、図7〜図11に基づいて、前記繰出ロール1は、複数のロールを同回転軸芯上に配置して、このロールや、ロール数を切替選択して駆動することによって、肥料剤の大量繰出に適合させたり、薬剤の小量繰出に適合させるように、ロール種類を切替選択して駆動し、繰出作用を行わせる形態である。又、前記散布ブーム6の噴出ノズル16のうち送風機4に最も近い第一番目の噴出ノズル16部に設ける衝突板60をモータ61で駆動して、散布ブーム6内への衝突長さを長、短に変更調節できる形態としている。
【0030】
この衝突反60は、噴出ノズル16の下手側に位置して出没作動されるもので、噴出ノズル16側へ鋭角に傾斜して設定して、この散布ブーム6内を噴送される施用剤の一部を抵抗反射させて、噴出ノズル16へ噴出案内させるものである。この衝突板60は、ラック62を有して、ステッピングモータ61によって駆動されるピニオン63を介して出没駆動される。施用剤が、例えば、肥料と除草剤とでは、散布ブーム6内の流れが異なるため、衝突板60の位置を自動的に調節して、散布域が適正域になるように調節する。この衝突板60の施用剤毎の適正位置を予め設定しておいて、この施用剤が衝突板位置センサ64の検出のもとに判定されて、コントローラ40からの出力でモータ61を駆動して、衝突板60を散布施用剤に応じた適正位置に調節制御するものである(図8)。設定施用量が一定値以下のときは除草剤と判定し、衝突板駆動モータ61をONして、衝突板位置センサ64を読み込み、設定値(K1)になったらモータ61出力をOFFにする。
【0031】
又、図9においては、前記衝突板60を手動操作によっても衝突板位置を変更調節可能に設けたものである。衝突板位置調節ダイヤル65の読みを行い、衝突板位置(K)を設定した後、衝突板駆動モータ61をONし、衝突板位置センサ64の値が設定値になったらモータ61出力をOFFにする。散布状態を確認しながら適正な衝突板60位置にして散布性能を向上する。
【0032】
又、図10においては、前記衝突板60をモータ61で駆動する形態としているが、これを手動操作によって変更するときは、衝突板60位置をコントローラ40のメモリー50に記憶可能に構成している。前記衝突板位置調節ダイヤル65に応じてセットした衝突板60の位置データを衝突板60設定入力がONされたときに、不揮発メモリ50に書込んで保存する。散布状態を確認しながら衝突板位置を適正にすることができ、又、その値を記憶させることによって次回の散布作業時にもその値を使用することができ、再び調整をやり直すことが少なくなる。
【0033】
更に、前記衝突板60の位置を、設定スイッチ32による設定施用量と比重によって変更設定することができる(図11)。設定施用量と比重を読み込んで衝突板60の位置データを決めてモータ61をONし、衝突板位置センサ64の値がその位置データになれば、モータ61出力をOFFにする。これら設定施用量と比重により適正な衝突板60の位置に自動的に設定することができ、操作性を向上すると共に、散布時の分布性能を向上する。
【符号の説明】
【0034】
1 繰出ロール
2 ホッパー
3 排出スイッチ
4 送風機
5 噴送筒
6 散布ブーム
7 回収容器
8 蛇腹筒
12 送風ユニット
25 袋
30 散布スイッチ
56 噴風ノズル
M 繰り出しモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰出モータ(M)により繰出ロール(1)を駆動回転してホッパー(2)の施用剤を繰出しながら、送風機(4)により噴送筒(5)を経て散布ブーム(6)へ噴送して散布する散布機において、前記噴送筒(5)に、噴風清掃用の送風ユニット(12)を接続することによって、前記ホッパー(2)の残留施用剤を取出し排出するための排出スイッチ(3)操作による繰出モータ(M)の駆動出力を牽制することを特徴とする散布機。
【請求項2】
前記排出スイッチ(3)をON操作して排出制御モードにあるとき、車速の入力によって繰出モータ(M)の駆動を牽制することを特徴とする請求項1に記載の散布機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−130734(P2011−130734A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295139(P2009−295139)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】