説明

文字入力装置、方法、プログラム及び携帯電話装置

【課題】過去形の文章における過去形の付属語に対しより効果的な予測候補を提示する。
【解決手段】ひらがなを媒介して予測用単語の候補を保存する予測用単語データベース101と、繋がり予測用付属語の候補を保存し、過去形判定の情報が付与される繋がり予測用付属語データベース102と、過去を表す単語を保存する時制用語データベース103と、過去優先モードの設定情報を保存する時制優先モード記憶メモリ104と、予測用単語に該当する繋がり予測用付属語の候補を保存する候補出力用記憶メモリ105と、入力途中の予測用単語の検索を基に該当する予測用単語の候補を表示させ、繋がり予測用付属語の検索を基に結果を候補出力用記憶メモリに保存させ、過去優先モードの設定情報が保存されている場合には保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される候補を上位の順位に並び替えて保存し、保存された候補を表示させる予測入力装置109とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力された単語毎に付与される品詞情報に従い繋がり付属語候補を予測して入力する文字入力装置に関する。特に、本発明は、現在入力している時制にあった繋がり付属語候補を予測して優先入力可能とする文字入力装置、方法、プログラム及び携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話装置における文字入力方式では、「1」−「0」のテンキーのそれぞれに50音の行を割り当て、押下した回数により、割り当てられている行の文字が変化していく方式を採用している。
この方式では「お」を押下するためには、「1」を5回押下する必要がある。そのため、入力文字が多くなればなるほど、爆発的にキーの押下回数が増えてくるという問題があった。
【0003】
そのため、その押下回数を削減するために、入力途中のひらがなと入力しようとする単語のひらがなの前方が一致する、いわゆる、先読みの単語を予測するといった手段が一般的になりつつある。
さらに、その予測入力においては、入力済みの単語から、その言葉に続く言葉を予測する機能(以下、繋がり予測という)を有していることが多い。
【0004】
この繋がり予測においては、それぞれの単語毎に付与されている品詞情報に従い、繋がり付属語候補を決定している。
そのため、選択、確定した単語の品詞情報により、固定の付属語を繋がり予測候補として、以下の例のように、表示している。
図9は本発明の前提となる文字入力の具体例を説明する図である。本図(a)に示すように、文章作成画面にひらがな「た」が入力され、表示されると、文章作成画面の下部欄に「た」で始まる複数の先読みの単語が使用頻度順に固定して表示される。
【0005】
本図(a)に示すように、文章作成画面の下部欄から「楽し」が選択され、文章作成画面に「楽し」の単語が入力される。本図(b)に示すように、文章作成画面に「楽し」の単語が入力されると文章作成画面の下部欄に入力された単語「「楽し」に繋がる複数の付属語が使用頻度順に固定して表示される。
しかしながら、どのような文章を作成していても、決まった順番で繋がり付属語候補が表示されるため、過去にあった事例についての文章を作成している際にも、現在形の付属語が上位に表示され、過去形の付属語が下位に表示され、場合によってはスクロールしないと表示されないこともあるので過去形の文章では過去形の付属語を選択するのが煩わしいという問題がある。
【0006】
したがって、過去形の文章においては、過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示することが課題となる。
本発明の前提となる文字入力に関連して従来の技術には以下のものがある。
従来、過去の誤認識の結果を学習し、以降の文字入力において認識結果である文字候補群や予測文字列群の並びに学習結果を反映させることで、利用者が意図する文字や文字列を容易に入力できるようにするため、認識された文字の候補群を優先順位に従った並びで表示し、その中から利用者が任意の候補文字を選択して文字入力を行う方法において、利用者によって第一位候補以外の文字が選択された場合、その選択された文字候補(正解文字)と第一位候補の文字(誤認識文字)と候補文字群を認識学習辞書に登録し、以降、文字認識結果を表示するときは、認識学習辞書を参照し過去の誤認識の結果を加味したうえで各候補文字群の並びを決めるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示するものは記載されていない。
また、従来、検索において、絞り込み検索をする際、どのような単語を選択すればよいか分からず、徒に検索を繰り返して、検索エンジンの負担を重くしていたため、あるキーワードによる予測検索がクライアントから指示されると、情報検索装置は、キーワード管理ファイルを参照し、そのキーワードが管理されているかを調べ、検索の履歴が存在する場合には、検索履歴データベースから該当するキーワードとそのキーワードを用いて絞り込み検索を行なった場合のデータ数とを関連づけて、クライアント側に表示させ、この結果、利用者は、実際に検索を行なうことなく、一つのキーワードに連続して検索されやすいキーワードを知ることができ、更にそのキーワードを用いた検索の結果の予測値を知ることができ、所望の検索結果に素早く到達することができ、しかも検索エンジンへの負担を低減することができるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
しかしながら、上記特許文献2では、前述と同様に、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示するものは記載されていない。
また、従来、情報処理端末における入力操作が円滑に実施されるよう支援するため、文字列と該文字列に続いて入力され得る文字列候補とを関連付けた入力辞書情報を保持するサーバ装置に、複数の情報処理端末を接続し、各情報処理端末は、サーバ装置から入力辞書情報を取得して記憶しておき、入力文字列に対する文字列候補を入力辞書情報から検索して提示し、さらに、提示した文字列候補から選択された文字列候補に対する文字列候補を入力辞書情報から検索して提示し、文字列候補の選択内容をサーバ装置へ通知し、サーバ装置は、通知された選択内容に基づいて、入力辞書情報における当該文字列候補の選択頻度を累計し、その累計結果に基づき当該文字列候補の優先順位を設定することにより、入力辞書情報を更新するものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
しかしながら、上記特許文献3では、前述と同様に、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示するものは記載されていない。
また、従来、文章の入力中において、後接する文字列を予測することによって入力を支援する技術において、省略記号を入力して前方一致を行うものは、文字入力時の負担が大きく、過去に選択した候補を学習する技術では、初めて入力される単語については対応不能であるという様々な問題が発生していたため、本発明においては、文字の予測にあたり、漢字ごとに分野情報を付与し、後続する文字列の候補において、漢字ごとに付与された分野情報に基づいて候補を絞り込むみ、候補文字列を表示させることにより、予測候補の正解率が高い予測による文字入力を行うものもある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかしながら、上記特許文献4では、前述と同様に、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示するものは記載されていない。
また、従来、文章中で複数の単語又は字が省略されたものについても補完を行うため、文字を入力する入力装置と入力された文字を表示する表示装置と入力された文字の変換,編集を行う処理装置とを有する文書処理装置であって、処理装置は、単語とその使用頻度を記憶した単語辞書と、単語間の遷移情報と単語間の遷移確率を記した単語間の遷移辞書と、入力された文章に含まれる省略記号の前後の文字から単語辞書を参照して省略された単語の候補を抽出する候補単語抽出手段と、単語間の遷移辞書に基づいて抽出された候補単語の中から1つの単語を決定する決定手段により構成するものもある(例えば、特許文献5参照)。
【0011】
しかしながら、上記特許文献5では、前述と同様に、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示するものは記載されていない。
【0012】
【特許文献1】特開2000−348141号公報
【特許文献2】特開2003−108594号公報
【特許文献3】特開2006−155322号公報
【特許文献4】特開平10−269210号公報
【特許文献5】特開平11−282832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、過去形の文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補を提示する文字入力装置、方法、プログラム及び携帯電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記問題点を解決するために、単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力装置において、文章作成画面に作成文章、入力されるひらがなを表示し、文章作成画面の下欄に先読み入力が予測される予測用単語の候補又は選択された予測用単語に繋がる予測用付属語の候補を表示する表示部と、前記表示装置に表示された予測用単語の候補、繋がり予測用付属語の候補を基に選択された予測用単語、繋がり予測用付属語から電子メールの文章を作成する電子メール作成装置と、入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースと、予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースと、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースと、過去を表す単語が含まれ作成中の文章に対して過去優先モードの設定情報を保存する時制優先モード記憶メモリと、前記繋がり予測用付属語データベースから渡された複数の繋がり予測用付属語の候補を保存し、複数の繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存する候補出力用記憶メモリと、前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する過去優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させる予測入力装置とを備えることを特徴とする文字入力装置を提供する。
【0015】
さらに、前記予測入力装置は、「。」、「、」、「?」、「!」を含む句読点が入力されると、前記時制優先モード記憶メモリに対して過去優先モードの設定情報の保存を解除させる。
さらに、前記予測用単語データベースは、さらに、過去時制を有する複数の予測用単語の候補を追加して保存し、過去時制を有する複数の予測用単語の候補の各々に対して過去形であるかを判定するための情報が付与され、前記予測入力装置は、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用単語の候補のうち過去形と判定される予測用単語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用単語の候補を前記表示装置に表示させる。
【0016】
さらに、前記時制用語データベースは未来を表す単語を未来優先候補として複数保存し、前記時制優先モード記憶メモリは未来を表す単語が含まれ作成中の文章に対して未来優先モードの設定情報を保存し、前記予測入力装置は、前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する未来優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに未来優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに未来優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち未来形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させる。
【0017】
さらに、本発明は、単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力方法において、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースに対して作成された文章中の単語を媒介として検索し、該当する過去優先候補が存在する場合には時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させる工程と、入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースに対して入力途中のひらがなを媒介として検索し該当する予測用単語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる工程と、予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースに対して前記表示装置で選択された予測用単語を媒介として検索し該当する繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリに保存させる工程と、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる工程と、前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示された予測用単語の候補又は繋がり予測用付属語の候補を選択することにより前記表示装置の文章作成画面に電子メールの文章を作成する工程とを備えることを特徴とする文字入力方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力プログラムにおいて、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースに対して作成された文章中の単語を媒介として検索し、該当する過去優先候補が存在する場合には時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させる手順と、入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースに対して入力途中のひらがなを媒介として検索し該当する予測用単語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる手順と、予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースに対して前記表示装置で選択された予測用単語を媒介として検索し該当する繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリに保存させる手順と、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる手順と、前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示された予測用単語の候補又は繋がり予測用付属語の候補を選択することにより前記表示装置の文章作成画面に電子メールの文章を作成する手順とを備えることを特徴とする文字入力プログラムを提供する。
【0019】
さらに、本発明は、単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測して電子メールを作成する携帯電話装置において、文章作成画面に作成文章、入力されるひらがなを表示し、文章作成画面の下欄に先読み入力が予測される予測用単語の候補又は選択された予測用単語に繋がる予測用付属語の候補を表示する表示部と、前記表示装置に表示された予測用単語の候補、繋がり予測用付属語の候補を基に選択された予測用単語、繋がり予測用付属語から電子メールの文章を作成する電子メール作成装置と、入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースと、予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースと、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースと、過去を表す単語が含まれ作成中の文章に対して過去優先モードの設定情報を保存する時制優先モード記憶メモリと、前記繋がり予測用付属語データベースから渡された複数の繋がり予測用付属語の候補を保存し、複数の繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存する候補出力用記憶メモリと、前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する過去優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させる予測入力装置とを備えることを特徴とする携帯電話装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースに対して作成された文章中の単語を媒介として検索し、該当する過去優先候補が存在する場合には時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースに対して入力途中のひらがなを媒介として検索し該当する予測用単語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させ、予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースに対して表示装置で選択された予測用単語を媒介として検索し該当する繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリに保存させ、時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させ、表示装置の文章作成画面の下欄に表示された予測用単語の候補又は繋がり予測用付属語の候補を選択することにより表示装置の文章作成画面に電子メールの文章を作成するようにしたので、従来の予測入力方式では選択、確定された単語の品詞情報により固定の付属語を繋がり予測候補として表示しているが、本発明によれば、繋がり予測付属語の候補に過去形であるかの情報を付与することにより、入力している文章の過去の時制にあった過去形の繋がり付属語の候補を優先的に表示することが可能となる。また、句読点などが入力された場合に、文章の流れとしては過去形の繋がり付属語の候補を優先的に表示することが続かない可能性が高いとして自動的に過去優先モードの設定を解除することにより、より快適な予測入力機能を提供することが可能となる。さらに、予測用付属語だけでなく予測用単語にも本発明の適用が可能であり、さらに、過去の時制だけでなく未来時制にも本発明の適用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る文字入力装置の概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、携帯電話装置に備えられる文字入力装置100は、予測用単語データベース101、繋がり予測用付属語データベース102、時制用語データベース103、時制優先モード記憶メモリ104、候補出力用記憶メモリ105、表示装置107、入力手段106、データベース検索装置108、予測入力装置109及び電子メール作成装置110で構成され、文章における過去形の付属語に対して動的に繋がり付属語候補の順位を上位になるように並び替え、より効果的な予測候補の提示をプログラムで実行する。
【0022】
データベース検索装置108、予測入力装置109及び電子メール作成装置110はCPU(中央処理装置)で構成される。
予測用単語データベース101はROM(リード・オンリ・メモリ)で構成され、入力途中のひらがなを媒介して先読み入力が予測される単語を使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補として固定して保存する。
【0023】
繋がり予測用付属語データベース102はROMで構成され、単語を媒介にして単語に繋がる、助詞、助動詞等の付属語を使用頻度の高い順に複数の繋がり予測用付属語の候補として固定して保存し、各繋がり予測用付属語には過去形であるかを判定するための情報が付与される。
時制用語データベース103はROMで構成され、過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する。
【0024】
時制優先モード記憶メモリ104はRAM(ランダム・アクセス・メモリ)で構成され、文章作成中に過去を表す単語が含まれ作成中の文章に対して過去優先モードの設定が行われた場合には過去優先モードの設定情報を保存する。
候補出力用記憶メモリ105はRAMで構成され、繋がり予測用付属語データベース102から渡された複数の繋がり予測用付属語の候補を保存し、複数の繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存する機能を有する。
【0025】
入力手段106はテンキーで構成され、電子メール作成装置110で作成する電子メールの読みを入力し、予測される単語の候補、予測される付属語の候補の選択を行う。
表示装置107はLCD(液晶表示部)で構成され、入力されるひらがな、予測される単語の候補、予測される付属語の候補、電子メール作成装置101で作成される文章を表示する。
【0026】
データベース検索装置108は、予測用単語データベース101に対して入力途中のひらがなを媒介にして先読み入力が予測される単語の候補を検索し、繋がり予測用単語データベース102に対して入力した単語に繋がる予測用付属語の候補を検索し、時制用語データベース103に対して作成された文章中の単語に過去を表す単語が保存されているかを検索する。
【0027】
予測入力装置109はデータベース検索装置108の検索により、予測される単語の候補を表示装置107に表示させ、さらに、入力した単語に繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリ105に保存させ且つ表示装置107に表示させ、時制用語データベース103に対して作成された文章中の単語に過去を表す単語が保存されている場合には過去優先モードの設定情報を時制優先モード記憶メモリ104に保存させ、時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モードの設定情報が保存されている場合には候補出力用記憶メモリ105に保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、表示装置107に表示させる。
【0028】
なお、予測入力装置109は電子メール作成装置110の電子メールの文章作成中に、「。」、「、」、「?」、「!」等の句読点が入力された場合には時制優先モード記憶メモリ104に対する過去優先モードの設定情報の保存を解除する。これにより、文章として完結した場合には、その後の予測入力においては、過去形の優先処理を継続しないようにする。
【0029】
電子メール作成装置110は、表示装置107に表示された予測用単語の候補、繋がり予測用付属語の候補に対して入力手段106で選択された場合に選択された予測用単語、繋がり予測用付属語で電子メールの文章を作成する。
図2は図1における繋がり予測用付属語データベース102の保存例、候補出力用記憶メモリ105の保存例を説明する図である。本図(a)に示す繋がり予測用付属語データベース102の例は、図9(b)に表示される例と同じであり、複数の繋がり予測用付属語「い」、「く」、…、「すぎた」は通常、使用頻度順に並べて固定して保存されており、繋がり予測用付属語データベース102に各付属語に対して過去形の欄を設け、過去形の欄に過去形の繋がり予測用付属語に該当する場合には、例えば、「かった」、「そうだった」、「くなかった」、「そうでなかった」、「すぎた」に対して「1」のフラグを過去形の情報として付与して保存する。
【0030】
本図(b)に示す候補出力用記憶メモリ105では、時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モード設定の情報が保存されていない場合には繋がり予測用付属語データベース102に保存されている繋がり予測用付属語「い」、「く」、…、「すぎた」はそのまま使用頻度順に保存し、他方で、時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モード設定の情報が保存されている場合には繋がり予測用付属語データベース102の過去形の欄に「1」のフラグが付いている繋がり予測用付属語、例えば、「かった」、「そうだった」、「くなかった」、「そうでなかった」、「すぎた」の順位を上位に並び替えて保存する。
【0031】
図3は図1における時制用語データベース103の保存例を説明する図である。本図に示すように、時制用語データベース103には、例えば、過去を表す単語として、「きのう」、「おととい」、「さきおととい」、「せんしゅう」、「せんげつ」、「きょねん」等が保存され、単語のよみに対してもそれぞれの表示「昨日」、「一昨日」、「一昨昨日」、「先週」、「先月」、「去年」等が保存される。
【0032】
図4は過去形の文章の作成例を説明する図である。本図(a)に示すように、表示装置107の文章作成画面に「先週の映画」の文章が作成されると、作成文章中の単語「先週」は過去を表す単語であるので、時制優先モード記憶メモリ104には過去優先モードの設定情報が保存される。
文章作成画面の「先週の映画」後にひらがな「た」の入力があると、表示装置107の文章作成画面の下欄に先読みの予測単語の候補が、図9と同様に、表示される。表示装置107の文章作成画面の下欄の先読みの予測単語の候補から「楽し」を選択すると、本図(b)に示すように、「先週の映画」の文章の後に「楽し」が文章作成画面に入力される。
【0033】
予測単語「楽し」の入力があると、予測入力装置109では、時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モードの設定情報が保存されているので候補出力用記憶メモリ105に保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、表示装置107に表示させる。これにより、「楽しかった」、「楽しそうだった」、「楽しくなかった」、「楽しそうでなかった」、「楽しすぎた」等の入力が容易になる。
【0034】
図5は図1における文字入力装置の一連の動作例を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップS201において、電子メール作成装置110の電子メール作成において入力手段106からひらがなの「読み」の入力が行われる。
ステップS202において、ひらがなの「読み」の入力が行われると予測入力装置109はデータベース検索装置108に対して先読みの単語の候補として予測用単語の候補を検索させる。
【0035】
ステップS203において、データベース検索装置108を介して予測用単語データベース101から検索された予測候補として予測用単語の候補を表示装置107に表示させる。
ステップS204において、表示装置107に表示させた予測用単語の候補から1つの予測用単語が入力手段106により選択され入力の単語が決定されたか否かを判定する。決定される単語がない場合には処理を終了し、さらに、ステップS201の「読み」の続きを入力手段106により入力して上記の処理を継続するか、又は、本処理を用いず入力手段106から所望する単語の入力を直接行う。
【0036】
ステップS205において、入力の単語が決定された場合には、電子メール作成装置110で作成された電子メールの文章中の単語に対して予測入力装置109はデータベース検索装置108に時制用語データベース103を検索させる。
ステップS206において、予測入力装置109は、電子メール作成装置110で作成された電子メールの文章中の単語と時制用語データベース103に保存される過去優先候補とを比較し、一致する過去優先候補が存在するか否かを判定する。存在しない場合にはステップS208に進む。
【0037】
ステップS207において、一致する過去優先候補が存在する場合には、予測入力装置109は時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モードの設定情報を保存する。
ステップS208において、入力が決定された単語に対して、予測入力装置109はデータベース検索装置108に繋がり予測用付属語データベース102を検索させる。
ステップS209において、予測入力装置109は入力が決定された単語に対して繋がり予測用付属語データベース102で検索された繋がり予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリ105に保存する。
【0038】
ステップS210において、予測入力装置109は時制優先モード記憶メモリ104に過去優先モード設定情報が保存されているかを判定する。保存されていない場合にはステップS212に進む。
ステップS211において、過去優先モード設定情報が保存されている場合には予測入力装置109は候補出力用記憶メモリ105に保存されている繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存させる。
【0039】
ステップS212において、予測入力装置109は、候補出力用記憶メモリ105に保存されている繋がり予測用付属語の候補を保存されている順序で表示装置107に表示させる。
ステップS213において、表示装置107に表示された繋がり予測用付属語の候補の1つが電子メール作成装置110で作成された電子メールの文章に選択されたか否かを判定する。付属語の候補が選択されない場合には処理を終了し、入力手段106により所望の付属語を直接入力する。
【0040】
ステップS214において、付属語の候補が選択され、電子メール作成装置110の電子メールの作成文章に対して次の入力が「。」、「、」、「?」、「!」等の句読点の過去優先モードの設定を解除する入力であるかを判定する。解除する入力でない場合にはステップS216に進む。
ステップS215において、過去優先モードの設定を解除する入力である場合には、予測入力装置109は時制優先モード記憶メモリ104に保存される過去優先モードの設定情報の保存を解除する。
【0041】
ステップS216において、文章作成完了の判定を行い、完了の場合には処理を終了する。完了していない場合にはステップS201に戻る。
したがって、従来の予測入力方式では選択、確定された単語の品詞情報により固定の付属語を繋がり予測候補として表示しているが、本発明によれば、繋がり予測付属語の候補に過去形であるかの情報を付与することにより、入力している文章の過去の時制にあった過去形の繋がり付属語の候補を優先的に表示することが可能となる。また、句読点などが入力された場合に、文章の流れとしては過去形の繋がり付属語の候補を優先的に表示することが続かない可能性が高いとして自動的に過去優先モードの設定を解除することにより、より快適な予測入力機能を提供することが可能となる。
【実施例1】
【0042】
以上、繋がり予測付属語の候補の順序の並び替えについて記載したが、先読み予測時の過去時制を以下のように利用することも可能である。
図6は図1の予測用単語データベース101の過去時制を考慮した保存例を説明する図である。本図に示す予測用単語データベース101の例は図9(b)に表示される例と同じであり、先読み単語として複数の予測用単語の候補「ただ」、「大変」、「食べ」、…、「タクシー」「大変だった」、「食べた」、「楽しかった」、…、「たまにだった」は通常、使用頻度順に並べて固定して保存されており、予測用単語データベース101に各予測用単語の候補に対して過去形の欄を設け、過去形の欄に過去形の予測用単語に該当する場合には、例えば、「大変だった」、「食べた」、「楽しかった」、…、「たまにだった」に対して「1」のフラグを過去形の情報として付与して保存する。
【0043】
図7は図6の予測用単語データベース101を用いた過去形の文章の作成例を説明する図である。本図に示すように、表示装置107の文章作成画面に「先週の映画」の文章が作成されると、作成文章中の単語「先週」は過去を表す単語であるので、時制優先モード記憶メモリ104には過去優先モードの設定情報が保存されている。文章作成画面の「先週の映画」後にひらがな「た」の入力があると、表示装置107の文章作成画面の下欄に先読みの予測単語の候補が、「大変だった」、「食べた」、「楽しかった」、…、「たまにだった」、「ただ」、「大変」、「食べ」、…、「たぶん」のように表示され、予測用単語データベース101に保存される予測用単語の候補のうち過去形と判定される予測単語の候補を上位の順位に並び替えて表示される。これにより、「楽しかった」の入力が容易になる。
【0044】
説明の簡単化のため、「大変だった」、「食べた」、「楽しかった」、…、「たまにだった」に限定したが、「大変だった」に対して「大変そうだ」、「大変でなかった」、「大変そうでなかった」、「大変すぎた」を加え、さらに、「食べた」に対して、「食べたそうだった」、「食べたくなかった」、「食べたそうでなかった」、「食べすぎた」を加え、さらに、「楽しかった」に対して「楽しそうだった」、「楽しくなかった」、「楽しそうでなかった」、「楽しすぎた」を加え、…、「たまにだった」に対して「たまにだそうだった」、「たまでなくなった」、「たまでなくなったそうだ」、「たまにすぎない」を加えてもよい。
【0045】
この場合、ひらがな「た」の入力だけだと、以上の予測用単語の候補が一度に表示されるが、例えば、ひらがな「たの」までの入力を行えば、「楽しかった」に対して「楽しそうだった」、「楽しくなかった」、「楽しそうでなかった」、「楽しすぎた」が上位に表示される。他も同様である。このようにして、本発明の汎用性を広げることが可能である。
【実施例2】
【0046】
以上の説明では、過去の時制に関する予測付属語の候補の優先して上位に動的に並び替えているが、未来の時制に対しても同様に、以下のように、説明することが可能である。
図8は未来形の文章の作成例を説明する図である。本図(a)に示すように、表示装置107の文章作成画面に「来週の映画」の文章が作成されると、作成文章中の単語「来週」は未来を表す単語であるので、時制優先モード記憶メモリ104には未来優先モードの設定情報が保存される。なお、未来を表す単語を保存する時制用語データベース103には、「明日(あした)」、「明後日(あさって)」、「明々後日(しあさって)」、「来週(らいしゅう)」、「来年(らいねん)」等が保存される。
【0047】
文章作成画面の「来週の映画」後にひらがな「た」の入力があると、表示装置107の文章作成画面の下欄に先読みの予測単語の候補が、図9と同様の順序で、表示される。表示装置107の文章作成画面の下欄の先読みの予測単語の候補から「楽し」を選択すると、本図(b)に示すように、「来週の映画」の文章の後に「楽し」が文章作成画面に入力される。
【0048】
予測単語「楽し」の入力があると、予測入力装置109では、時制優先モード記憶メモリ104に未来優先モードの設定情報が保存されているので候補出力用記憶メモリ105に保存される予測用付属語の候補のうち未来形と判定される予測用付属語の候補として「みです」、「みにしてます」、「そうです」、「いでしょう」、「むべきです」等を上位の順位に並び替えて保存し、表示装置107に表示させる。これにより、「楽しみです」、「楽しみにしてます」、「楽しそうです」、「楽しいでしょう」、「楽しむべきです」等の入力が容易になる。このようにして、未来の時制に対しても本発明の汎用性を広げることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上の説明では、文字入力装置は携帯電話装置に備えられるとしているが、これに限らず、PDA(携帯情報端末)、PHS(簡易型携帯電話機)にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る文字入力装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における繋がり予測用付属語データベース102の保存例、候補出力用記憶メモリ105の保存例を説明する図である。
【図3】図1における時制用語データベース103の保存例を説明する図である。
【図4】過去形の文章の作成例を説明する図である。
【図5】図1における文字入力装置の一連の動作例を説明するフローチャートである。
【図6】図1の予測用単語データベース101の過去時制を考慮した保存例を説明する図である。
【図7】図6の予測用単語データベース101を用いた過去形の文章の作成例を説明する図である。
【図8】未来形の文章の作成例を説明する図である。
【図9】本発明の前提となる文字入力の具体例を説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
100…文字入力装置
101…予測用単語データベース
102…繋がり予測用付属語データベース
103…時制用語データベース
104…時制優先モード記憶メモリ
105…候補出力用記憶メモリ
106…入力手段
107…表示装置
108…データベース検索装置
109…予測入力装置
110…電子メール作成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力装置において、
文章作成画面に作成文章、入力されるひらがなを表示し、文章作成画面の下欄に先読み入力が予測される予測用単語の候補又は選択された予測用単語に繋がる予測用付属語の候補を表示する表示部と、
前記表示装置に表示された予測用単語の候補、繋がり予測用付属語の候補を基に選択された予測用単語、繋がり予測用付属語から電子メールの文章を作成する電子メール作成装置と、
入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースと、
予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースと、
過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースと、
過去を表す単語が含まれ作成中の文章に対して過去優先モードの設定情報を保存する時制優先モード記憶メモリと、
前記繋がり予測用付属語データベースから渡された複数の繋がり予測用付属語の候補を保存し、複数の繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存する候補出力用記憶メモリと、
前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する過去優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させる予測入力装置とを備えることを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記予測入力装置は、「。」、「、」、「?」、「!」を含む句読点が入力されると、前記時制優先モード記憶メモリに対して過去優先モードの設定情報の保存を解除させることを特徴とする、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記予測用単語データベースは、さらに、過去時制を有する複数の予測用単語の候補を追加して保存し、過去時制を有する複数の予測用単語の候補の各々に対して過去形であるかを判定するための情報が付与され、前記予測入力装置は、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用単語の候補のうち過去形と判定される予測用単語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用単語の候補を前記表示装置に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記時制用語データベースは未来を表す単語を未来優先候補として複数保存し、前記時制優先モード記憶メモリは未来を表す単語が含まれ作成中の文章に対して未来優先モードの設定情報を保存し、前記予測入力装置は、前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する未来優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに未来優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに未来優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち未来形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項5】
単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力方法において、
過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースに対して作成された文章中の単語を媒介として検索し、該当する過去優先候補が存在する場合には時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させる工程と、
入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースに対して入力途中のひらがなを媒介として検索し該当する予測用単語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる工程と、
予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースに対して前記表示装置で選択された予測用単語を媒介として検索し該当する繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリに保存させる工程と、
前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる工程と、
前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示された予測用単語の候補又は繋がり予測用付属語の候補を選択することにより前記表示装置の文章作成画面に電子メールの文章を作成する工程とを備えることを特徴とする文字入力方法。
【請求項6】
単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測する文字入力プログラムにおいて、
過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースに対して作成された文章中の単語を媒介として検索し、該当する過去優先候補が存在する場合には時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させる手順と、
入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースに対して入力途中のひらがなを媒介として検索し該当する予測用単語の候補を表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる手順と、
予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースに対して前記表示装置で選択された予測用単語を媒介として検索し該当する繋がる予測用付属語の候補を候補出力用記憶メモリに保存させる手順と、
前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示させる手順と、
前記表示装置の文章作成画面の下欄に表示された予測用単語の候補又は繋がり予測用付属語の候補を選択することにより前記表示装置の文章作成画面に電子メールの文章を作成する手順とを備えることを特徴とする文字入力プログラム。
【請求項7】
単語毎に繋がり予測用付属語の候補を予測して電子メールを作成する携帯電話装置において、
文章作成画面に作成文章、入力されるひらがなを表示し、文章作成画面の下欄に先読み入力が予測される予測用単語の候補又は選択された予測用単語に繋がる予測用付属語の候補を表示する表示部と、
前記表示装置に表示された予測用単語の候補、繋がり予測用付属語の候補を基に選択された予測用単語、繋がり予測用付属語から電子メールの文章を作成する電子メール作成装置と、
入力途中のひらがなを媒介して使用頻度の高い順に複数の予測用単語の候補を保存する予測用単語データベースと、
予測用単語を媒介として複数の繋がり予測用付属語の候補を使用頻度の高い順に保存し、各繋がり予測用付属語に対して過去形であるかを判定するための情報が付与される繋がり予測用付属語データベースと、
過去を表す単語を過去優先候補として複数保存する時制用語データベースと、
過去を表す単語が含まれ作成中の文章に対して過去優先モードの設定情報を保存する時制優先モード記憶メモリと、
前記繋がり予測用付属語データベースから渡された複数の繋がり予測用付属語の候補を保存し、複数の繋がり予測用付属語の候補に対して過去形と判定される繋がり予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存する候補出力用記憶メモリと、
前記電子メール作成装置で作成された文章中の単語を媒介とする前記時制用語データベースの検索を基に該当する過去優先候補が存在する場合には前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報を保存させ、入力途中のひらがなを媒介とする前記予測用単語データベースの検索を基に該当する予測用単語の候補を前記表示装置に表示させ、前記電子メール作成装置で選択された予測用単語を媒介とする前記繋がり予測用付属語データベースの検索を基に繋がる予測用付属語の候補を前記候補出力用記憶メモリに保存させ、前記時制優先モード記憶メモリに過去優先モードの設定情報が保存されている場合には前記候補出力用記憶メモリに保存される予測用付属語の候補のうち過去形と判定される予測用付属語の候補を上位の順位に並び替えて保存し、前記候補出力用記憶メモリに保存された予測用付属語の候補を前記表示装置に表示させる予測入力装置とを備えることを特徴とする携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−61407(P2010−61407A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226520(P2008−226520)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】