説明

文字列処理システム

【課題】操作者がキーボード等を手動操作することなく文字列記入欄に文字列を挿入でき、操作労力負担を低減する。
【解決手段】キーボード105と、複数の文字列記入欄を表示可能な表示部106とを有するPC端末1と、PC端末1に接続されて無線タグTから情報読み取りを行うタグリーダ2とを有する文字列処理システムSであって、タグリーダ2は、装置アンテナ201と、複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するための文字コードと、複数の文字列記入欄への入力を切り替えるための切替キーコードとを無線タグTから取得する入力単位コマンド抽出部210とを備え、PC端末1は、取得された切替キーコードを挿入処理する、メモリ103のクリップボード103a、文字入力制御部113、キー入力制御部112、及び入力単位コマンド処理部111を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報送受信可能な無線タグを使用して、複数の文字列記入欄に文字列を挿入処理する文字列処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字列記入欄への文字列の挿入処理に関して、例えば特許文献1記載の文字列入力支援装置が知られている。この従来技術の入力支援装置は、ユーザが、情報処理装置(パソコン)においてネットワークにログインする際、ログイン画面におけるパスワード等の複数の文字列の入力を支援するものである。すなわち、ユーザは、予め、例えば文字数が多い等によりわかりにくい複数の文字列に対し、もっとわかりやすい識別IDを対応付け、この文字列と識別IDとをセットにして文字列記憶装置に記憶させておく。ログインを行う際には、文字列記憶装置から、上記文字列と識別IDとのセットが複数組読み出され、パソコンの画面上に一覧表示されるので、その中から、ユーザは今回のログインに使用する識別IDを指定する。すると、この指定された識別IDに対応する文字列がデータ変換機構に入力され、対応する出力データに変換された後、パソコン等のログイン画面欄に挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−47952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の入力支援装置を用いれば、ユーザは、文字数が多い等によりわかりにくい複数の文字列を記憶する代わりに、わかりやすい識別IDのみを覚えるだけで足りる。しかしながら、予め文字列と識別IDとを対応付けて登録しておく必要があり、その際には、パソコンのキーボード等を用いて通常と同様の入力操作を行う必要がある。また、ログイン時に、パソコンの画面上に表示された複数組の文字列及び識別IDから所望の1組を指定する際も、上記同様のキーボード等を用いた操作が必要となる。これらの結果、ユーザの操作労力の負担が大きくなるという問題があった。また、ユーザは、(わかりにくい複数の文字列を記憶する必要はなくなるものの)文字列に対応する識別IDを覚えておく必要があり、必ずしも正しい文字列をいつも正確に入力できるとは限らないため、ユーザにとっての利便性が低かった。
【0005】
本発明の目的は、操作者がキーボード等を手動操作することなく文字列記入欄に文字列を挿入でき、操作労力負担を低減できる文字列処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、手動操作される複数のキーを備えたキーボードと、複数の文字列記入欄を表示可能な表示手段とを有する操作端末と、前記操作端末に対し情報送受信可能に接続されるとともに、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグに対して情報読み取りを行う読み取り装置とを有する文字列処理システムであって、前記読み取り装置は、通信範囲内に位置する前記無線タグと無線通信を介し情報送受信を行うための装置アンテナと、前記IC回路部に記憶された、前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するための文字コードと、前記複数の文字列記入欄への入力を切り替えるための切替キーコードとを、前記装置アンテナを介して少なくとも取得する情報取得手段とを備え、前記操作端末は、前記取得された前記切替キーコードを用いて文字列記入欄を切り替えながら、前記取得された前記文字コードに基づき前記複数の文字列記入欄に文字列を挿入処理する、文字列挿入処理手段を備えることを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の文字列処理システムは、キーボード及び表示手段を備えた操作端末と、無線タグに対し情報読み取り可能な読み取り装置とを有している。また、無線タグのIC回路部には、文字コードと切替キーコードとが記憶されている。
【0008】
操作端末の表示手段に表示された複数の文字列記入欄に対し文字列の入力を行おうとする場合、操作者が装置アンテナを介して無線タグに対し情報読み取りを行うことにより、読み取り装置の情報取得手段がIC回路部より文字コード及び切替キーコードを取得する。この情報取得結果に応じ、操作端末の文字列挿入処理手段は、取得された文字コードに基づき複数の文字列記入欄に文字列を挿入処理する。またこのとき、取得された切替キーコードに基づき、文字列を挿入する各文字列記入欄の切り替えを行う。
【0009】
以上のようにして、本願第1発明においては、操作者がキーボードを手動操作し一々文字列を入力しなくても、無線タグの読み取り操作を行うだけで、複数の文字列記入欄に文字列を挿入することができる。これにより、操作者の操作労力負担を大きく軽減することができる。また例えば文字列としてパスワードを入力する場合等、文字列記入欄への入力結果を操作者本人が視認できない場合であっても、誤入力なく正しいパスワードを確実に入力することができるので、利便性が向上する。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、取得された前記文字コードに基づく第1文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に貼り付ける、文字貼り付け手段を備えることを特徴とする。
【0011】
本願第2発明においては、文字コードに対応した文字列をそのまま挿入可能な文字列記入欄への文字列入力を行う。この場合、文字列データに対応する文字コードを無線タグのIC回路部に記憶させておくことにより、読み出した文字コードに対応した第1文字列データを、文字貼り付け手段で当該文字列記入欄に貼り付け、入力することができる。
【0012】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、取得された前記切替キーコードにより挿入処理を行う前記文字列記入欄を切り替え可能な、切替キーコード処理手段を備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、無線タグからの情報取得結果に基づき文字列挿入処理手段が文字列挿入処理を行うとき、操作者がキーボードのTABキー等を一々手動操作しなくても、入力対象とする複数の文字列記入欄を順次切り替え、複数の文字列記入欄に確実に文字列を挿入することができる。
【0014】
第4発明は、上記第3発明において、前記読み取り装置の前記情報取得手段は、前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するときに前記キーボードで実行される前記キーの操作順序情報に相当する第1挿入キーコードを、前記装置アンテナを介し前記無線タグの前記IC回路部より取得し、前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、前記情報取得手段で前記IC回路部より取得された、前記第1挿入キーコードに基づく第2文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に書き込む、第1文字書き込み手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本願第4発明は、文字コードに対応した文字列は挿入不可能で、キーボードで実行されるキーの操作順序情報に対応した文字列のみを挿入可能な文字列記入欄への文字列入力を行うための一つの手法である。すなわち、当該文字列データに対応する挿入キーコード(第1挿入キーコード)を無線タグのIC回路部に記憶させておく。これにより、読み出した第1挿入キーコードに対応した第2文字列データを、第1文字書き込み手段で当該文字列記入欄に書き込み、入力することができる。
【0016】
第5発明は、上記第3発明において、前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、前記情報取得手段で前記IC回路部より取得された文字コードに基づき、前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するときに前記キーボードで実行される前記キーの操作順序情報に相当する第2挿入キーコードを生成するキーコード生成手段と、前記キーコード生成手段で生成された前記第2挿入キーコードに基づく前記第2文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に書き込む、第2文字書き込み手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本願第5発明は、文字コードで表現した文字列は挿入不可能で、キーボードで実行されるキーの操作順序情報で表現した文字列のみを挿入可能な文字列記入欄への文字列入力を行うための別の手法である。すなわち、文字列データに対応する文字コードを無線タグのIC回路部に記憶させておき、読み出した文字コードに基づき、キーコード生成手段で当該文字コードを変換し、挿入キーコード(第2挿入キーコード)を生成する。これにより、生成した第2挿入キーコードで表現した第2文字列データを、第2文字書き込み手段で上記文字列記入欄に書き込み、入力することができる。
【0018】
以上のようにして、文字コードで表現した文字列は挿入不可能な文字列記入欄へ入力を行う場合において、無線タグのIC回路部に、文字列に対応した文字コードが記憶されていた場合であっても、その無線タグからの情報読み取り結果に対応した第2文字列データを変換生成することで、当該文字列記入欄への入力を確実に行うことができる。
【0019】
第6発明は、上記第4又は第5発明において、前記複数の文字列記入欄は、前記第1又は第2挿入キーコードに基づく前記第2文字列データを挿入可能であるとともに、前記文字コードに基づく前記第1文字列データを挿入不可能な、確定文字列記入欄を備えており、前記第1又は第2文字書き込み手段は、前記第2文字列データを、前記確定文字列記入欄の対象入力位置に書き込むことを特徴とする。
【0020】
例えばパスワードの記入欄等、キーボードで実行されるキーの操作順序情報に対応した文字列のみを挿入可能な確定文字列記入欄へ入力を行う場合でも、第1文字書き込み手段又は第2文字書き込み手段で第2文字列データを書き込むことにより、確定文字列記入欄に確実に文字列を入力することができる。
【0021】
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記文字列挿入処理手段は、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うと、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄のすべてに1度に文字列を挿入処理することを特徴とする。
【0022】
これにより、1回の読み取り操作ですべての文字列記入欄を埋めることができるので、操作者の操作労力を大きく低減することができる。
【0023】
第8発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記文字列挿入処理手段は、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うごとに、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄に対し所定の順序に沿って順次文字列を挿入処理することを特徴とする。
【0024】
これにより、1回の無線タグ読み取り操作ですべての文字列記入欄を埋めるのではなく、読み取り操作を複数回繰り返して順次文字列記入欄を埋めていき、その都度入力内容を確認することができる。したがって、通信エラー等による誤入力等ない確実性の高い文字列入力を行うことができる。
【0025】
第9発明は、上記第7又は第8発明において、前記複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行った場合に、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄のすべての文字列を1度に消去処理する一括消去処理手段を有することを特徴とする。
【0026】
これにより、全文字列記入欄が埋まった後の1回の無線タグ読み取り操作ですべての入力内容を消去することができるので、操作者によるキャンセル操作を迅速にかつ容易に行うことができる。
【0027】
第10発明は、上記第7又は第8発明において、前記複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うごとに、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄に対し所定の順序に沿って文字列を順次消去処理する個別消去処理手段を有することを特徴とする。
【0028】
これにより、全文字列記入欄が埋まった後、各回の無線タグ読み取り操作で順次複数の文字列記入欄の入力内容を消去していくことができる。この結果、複数の文字列記入欄の一部の入力内容をキーボードにて手動で変更したい場合や、複数の文字列記入欄の一部にのみ通信エラー等による誤入力が発生した場合等に、操作者の意図する文字列記入欄のキャンセル操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、操作者がキーボードを手動操作し一々文字列を入力しなくても、無線タグの読み取り操作を行うだけで、複数の文字列記入欄に文字列を挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態の文字列処理システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】文字列処理システムを構成するPC端末、タグリーダの詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図3】タグリーダの高周波回路の詳細構成を示す機能ブロック図である。
【図4】無線タグに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】文字列処理システムの主要部におけるソフトウェア構成と情報の流れを示すシステムブロック図である。
【図6】無線タグの読み取りから一般アプリケーションへの記入までの、データ内容及びデータの流れの一例を概念的に表す説明図である。
【図7】PC端末のCPUによって実行される入力アプリケーションの制御手順を表すフローチャートである。
【図8】文字列処理システムにおいて操作者が行う操作手順と、文字列処理システムの処理手順の概略を表すフローチャートである。
【図9】無線タグが文字コードのみ記憶する変形例における、文字列処理システムの主要部におけるソフトウェア構成と情報の流れを示すシステムブロック図である。
【図10】無線タグの読み取りから一般アプリケーションへの記入までの、データ内容及びデータの流れの一例を概念的に表す説明図である。
【図11】無線タグが文字コードのみ記憶する変形例における、PC端末のCPUによって実行される入力アプリケーションの制御手順を表すフローチャートである。
【図12】無線タグの読み取りから一般アプリケーションへの記入までの、データ内容及びデータの流れの一例を概念的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0032】
図1において、文字列処理システムSは、この例において汎用コンピュータで構成されるPC端末(操作端末)1と、このPC端末1と例えばUSBケーブルなどの接続手段10を介して接続され、情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部150に接続されるタグアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toを有する無線タグTから、情報を読み取るためのタグリーダ(読み取り装置)2とを有している。なお、この例では、PC端末1は有線あるいは無線によるネットワーク回線NWを介して、他のサーバ(特に図示せず)などに情報送受可能に接続されている。
【0033】
図2を用いて、上記文字列処理システムSを構成するPC端末1、タグリーダ2の詳細機能を説明する。なお上記サーバについては図示及び説明を省略している。
【0034】
この図2において、PC端末1は、CPU(中央演算装置)101と、上記サーバとの間でネットワーク回線NWを介して行われる通信の制御を行うネットワーク通信制御部102と、例えばRAMやROM等からなるメモリ103と、操作者からの指示や情報が入力される操作部104と、各種情報やメッセージを表示する表示部(表示手段)106と、上記タグリーダ2との間でこの例のUSB規格による通信の制御を行う外部機器インターフェース(図中では外部機器I/Fと略記)107とを有する。
【0035】
CPU101は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってタグリーダ2及びサーバ3との間で各種の指示信号・情報信号の送受を行うようになっている。
【0036】
また、操作部104は、多数の文字キー及び制御キーを備えたキーボード105を含んでおり、このキーボード105は操作者が押したキーに対応する識別コード(以下、キーコードという)をPC端末1に送信するものである(後述の図5参照)。
【0037】
タグリーダ2は、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えた複数の無線タグ回路素子Toに対し、情報の読み取りが可能なリーダである。
【0038】
このタグリーダ2は、通信範囲(図示せず)を形成してその中に存在する無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う通信アンテナ(装置アンテナ)201と、この通信アンテナ201を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスするとともに、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路202と、この高周波回路202を制御する制御回路203と、上記PC端末1との間でこの例のUSB規格による通信の制御を行う外部機器インターフェース(図中では外部機器I/Fと略記)204とを有している。上記制御回路203とPC端末1のCPU101とは、外部機器インターフェース107,204を介して情報の送受信が可能となっている。
【0039】
図3に、上記タグリーダ2の高周波回路202の詳細構成を示す。
【0040】
この図3において、高周波回路202は、上記通信アンテナ201を介し上記無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。この高周波回路202には、制御回路203により生成される、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すための各種コマンドが入力される。
【0041】
高周波回路202は、通信アンテナ201を介し無線タグTの無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、通信アンテナ201により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0042】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路203の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路203から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路203からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路203からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し通信アンテナ201に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0043】
受信部143は、通信アンテナ201で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記通信アンテナ201で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路203に入力されて処理される。
【0044】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路203に入力される。これにより、タグリーダ2では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0045】
図4に示すように、無線タグ回路素子Toは、上述したようにタグリーダ2の通信アンテナ101と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0046】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0047】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記タグリーダ2の通信アンテナ201からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0048】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0049】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0050】
そしてメモリ部155には、後述の図6で説明するように、文字列(本明細書中ではアルファベット列、かな列、漢字列、数字列等のほかに「****」等の記号列も含む)や切替指示を出力するためのコマンドと、その処理対象の文字列や切替指示に対応したデータとの組み合わせを、少なくとも一つ以上記憶している。
【0051】
図5を用いて、上記文字列処理システムSの主要部におけるソフトウェア構成と情報の流れを説明する。
【0052】
図5において、タグリーダ2は、制御回路203の処理に基づく、入力単位コマンド抽出部(情報取得手段)210を機能的に備えている。この入力単位コマンド抽出部210は、無線タグTから読み取った情報を解析し、後述する入力単位コマンドを抽出し、PC端末1に送信するものである。
【0053】
ここで、入力単位コマンドの種類には2種類がある。第1の種類の入力コマンドは、「文字コード」で表記された文字列を含むものである。文字コードとは、所定の1文字を個別に特定する(1対1に対応付ける)ための識別コードであり、例えば英数字の文字であればいわゆるASCIIコードを用いたり、又は漢字などを含む場合にはいわゆるJISコード(又はシフトJISコード)などを用いる。
【0054】
第2の種類の入力コマンドは、前述の「キーコード」で表記された文字列(又は切替指示)を含むているものである。キーコードとは、キーボード105が備える文字キーや制御キーを個別に特定する(どの位置にあるキーが叩かれたかを表す)ための識別コードである。この例において、ハードウェアとして用意されたキーボード105は、操作者により押下されたキーに対応するキーコード(どの位置にあるキーがどのような順番で叩かれたかというキーの操作順序情報)をPC端末1に送信する。
【0055】
PC端末1は、そのOS上で、入力アプリケーション110及び一般アプリケーション120の2つのアプリケーションを実行している。
【0056】
一般アプリケーション120は、無線タグTに記憶された文字列が記入(=挿入処理。入力又は貼り付け)される、その処理対象となるアプリケーションである。本実施形態では、この一般アプリケーションは、PC端末1の表示部106に、文字列を記入する欄(以下、文字列記入欄という)を複数個同時に表示する(後述の図6の例を参照)機能を備えている。
【0057】
入力アプリケーション110は、タグリーダ2の上記入力単位コマンド抽出部110と連携して動作するアプリケーションである。すなわち、入力単位コマンド抽出部110から受信した入力単位コマンドを解析し、その種類に応じた手法で、文字列の記入や文字列記入欄の切り替えを行う機能を備えている。この機能を実現するために、入力アプリケーション110は、入力単位コマンド処理部111と、キー入力制御部112と、文字入力制御部113とを機能的に備えている。
【0058】
入力単位コマンド処理部111は、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210から受信した入力単位コマンドの種類を解析し、それに含まれている処理対象の文字列が上記「文字コード」で表記されている場合には、メモリ103上のクリップボード103a(各アプリケーションで共有可能な記憶領域)を介して文字入力制御部113に文字列のデータを渡す。また、入力単位コマンド処理部111は、受信した入力単位コマンドに含まれている処理対象の文字列(又は切替指示)がキーコードで表記されている場合には、キー入力制御部112に文字列などのデータを直接渡す。
【0059】
文字入力制御部113は、上記クリップボード103aを介して入力単位コマンド処理部111から渡された文字コード表記の文字列のデータを、一般アプリケーション120に対して貼り付け処理により記入する。また、キー入力制御部112は、入力単位コマンド処理部111から直接渡されたキーコード表記のデータを一般アプリケーション120へ出力することにより、当該キーコード表記のデータに対応した文字列の記入(又は文字列記入欄の切り替え)を行う(詳細は後述の図6で説明する)。なお、このキー入力制御部112からの出力は、キーボード105によるキーコードからの出力と同等の信号で行われ、一般アプリケーション120からは、キーボード105からの出力として認識される。
【0060】
図6は、無線タグTの読み取りから一般アプリケーション120への記入までの、データ内容及びデータの流れの一例を概念的に表す説明図である。
【0061】
図6において、前述したように、無線タグTの無線タグ回路素子Toに備えられたメモリ部155の記憶領域には、「ヘッダ」情報、「文字入力コマンド」、「キー入力コマンド」、データの「サイズ」情報、及び「文字コード」表記のデータ、「キーコード」表記のデータ(いずれも詳細は後述)が、所定の順序で記憶されている。そしてタグリーダ2が無線タグTからこれらの情報を読み取り、入力単位コマンド抽出部210によって入力単位コマンドが抽出される。
【0062】
図示の例では、無線タグTが記憶しているデータ内容に対応して、入力単位コマンド抽出部210によって3つの入力単位コマンドI,II,IIIが順に抽出され、PC端末1に送信されている。
【0063】
入力単位コマンドIは、文字コード表記の文字列のデータを取り扱うものであり、この例では、先頭から順に、「ヘッダ」情報、「文字入力コマンド」、「サイズ」情報、「文字コード」表記のデータ、で構成されている。「ヘッダ」情報は、入力単位コマンドIに関する補助情報であり、この情報が適正に認められて初めて当該入力単位コマンドIが有効に認識される。「文字入力コマンド」は、付属するデータが前述の文字コードで表記されたものであることを宣言するとともに、入力単位コマンド処理部111に対し、クリップボード103aへのデータ貼り付けを介し文字入力制御部113へデータを渡すよう、指示するコマンドである。「サイズ」情報は、その次から続く「文字コード表記」のデータの個数(つまり文字数。図示する例では6個)を指定する情報である。そしてその次に、この例の6つ(6文字分)の文字コードで表記された文字列のデータが添付されている。図示する例では、“YAMADA”の6文字にそれぞれ対応する文字コード(図示する例ではASCIIコード「59h」「41h」「4Dh」「41h」「44h」「41h」)が順に添付されている。
【0064】
入力単位コマンドIIは、キーコード表記の文字列のデータを扱うものであり、この例では、先頭から順に「ヘッダ」情報、「キー入力コマンド」、「サイズ」情報、「キーコード」表記のデータ、で構成されている。このうち「ヘッダ」情報と「サイズ」情報は、上記入力単位コマンドIのものと同等の機能を果たすものである。「キー入力コマンド」は、付属するデータが前述のキーコードで表記されたものであることを宣言するとともに、入力単位コマンド処理部111に対して、キー入力制御部112へ直接データを渡すよう、指示するコマンドである。図示する例では、「TAB」キーに対応するキーコード(切替キーコード;図示の「10h」は一例)が一つだけ含まれている。本実施形態の例では、この「TAB」キーが、一般アプリケーション120において文字列記入欄を切り替える、キーボード105の制御キーとして使用される。
【0065】
入力単位コマンドIIIは、上記入力単位コマンドIIと同様、キーコード表記の文字列のデータを扱うものであり、上記入力単位コマンドII同等の先頭から順に「ヘッダ」情報、「キー入力コマンド」、「サイズ」情報、「キーコード」表記のデータ、という構成となっている。図示する例では、“pass123”の7文字にそれぞれ対応する第1挿入キーコードとしてのキーコード(図示する各キーコード「1Ah」「1Fh」「20h」「20h」「02h」「03h」「04h」は一例)が順に含まれている。
【0066】
そしてこれらの入力単位コマンドを受信した入力単位コマンド処理部111は、図示のように、一般アプリケーション120に対し、文字コードとキーコードでそれぞれ表記された文字列の記入を、文字列記入欄を切り替えつつ行う。
【0067】
図示の例では、一般アプリケーション120がネットワーク回線NWを介して他のサーバ(図示せず)にログインする際のID及びパスワード(図中ではPWと略記)を記入する場合を示している。すなわち、一般アプリケーション120のログイン画面121には、ID記入欄122とパスワード記入欄123とがそれぞれ独立して設けられており、ID記入欄122への記入の次にパスワード記入欄123への記入が行われる。このとき、ID記入欄122は、文字コードで表記された文字列(以下、文字コード列という)と、キーコードで表記された文字列(以下、キーコード列という)との、いずれの記入も受付可能である。その一方、パスワード記入欄123は、上記キーコード列のみ記入を受け付ける(文字コード列の入力を受け付けない)設定の記入欄(確定文字列記入欄)となっている。また、上述したように、「TAB」キーに対応した上記切替キーコードによりID記入欄122からパスワード記入欄123へと記入の対象を切り替えることができる。そして、入力アプリケーション110による記入を行う前には、ID記入欄122内にカーソル位置を設定しておく(無線タグTの読み取りとともに、自動でカーソルがこの位置に設定されるようにしてもよい)。
【0068】
この状態で、入力単位コマンド処理部111は、まず初めに入力単位コマンドIに基づいて文字列“YAMADA”の文字コード列(第1文字列データ)をメモリ103のクリップボード103aにコピーし、文字入力制御部113がこれを一般アプリケーション120のID記入欄122に貼り付ける。
【0069】
次に、入力単位コマンド処理部111は、入力単位コマンドIIに基づき、「TAB」キーに対応した上記切替キーコードをキー入力制御部112に渡す。キー入力制御部112は、これを一般アプリケーション120へ出力し、これによって記入を行う対象をID記入欄122からパスワード記入欄123へと切り替える。
【0070】
次に、入力単位コマンド処理部111は、入力単位コマンドIIIに基づいて、文字列”pass123”のキーコード列(第2文字列データ)をキー入力制御部112に渡す。キー入力制御部112は、これを一般アプリケーション120へ出力し、これによってパスワード記入欄123に上記キーコード列が記入される。なお、図示する例のパスワード記入欄123では、他者からの視認による盗用を防ぐために、挿入された文字列が代替文字“*”で置き換えられて表示されている。このようにして、ID記入欄122とパスワード記入欄123の両方に対し、それぞれ自動的に文字列が記入されることになる。
【0071】
図7は、PC端末1のCPU101が入力アプリケーション110に沿って実行する制御手順を表すフローチャートである。なお、上述したように、この入力アプリケーション110は処理対象であり一般アプリケーション120とともに実行され、例えば通常は最小化されてバックグラウンドで実行される。
【0072】
図7において、まず、ステップS5で、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、タグリーダ2から外部機器インターフェース107,204を介してすべての入力単位コマンドを抽出順に取得する。このとき各入力単位コマンドに含まれている上記「ヘッダ」情報の正当性も確認しておく。
【0073】
次にステップS10へ移り、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、上記ステップS5で取得した入力単位コマンドに「文字入力コマンド」が含まれているか否か、つまり取得されたのが文字コード表記の文字列のデータを貼り付けるための入力単位コマンドであるか否か、を判定する。なお、判定の対象とする入力単位コマンドは、タグリーダ2での抽出順に従った一つの入力単位コマンドとする。そして、文字入力コマンドを含む入力単位コマンドを取得していた場合、ステップS10の判定が満たされ、ステップS15へ移る。
【0074】
ステップS15では、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、「サイズ」情報で指定している文字数分(つまり当該入力単位コマンドに含まれているすべての文字数)の文字コード列を、文字列としてメモリ103のクリップボード103aにコピーする。
【0075】
次にステップS20へ移り、上記文字入力制御部113の機能により、クリップボード103a上の文字列を現在指定している文字列記入欄(例えば、図6中のID記入欄122)に貼り付ける。なお、このステップS20の制御手順が、各請求項記載の文字貼り付け手段を構成する。そしてステップS25へ移る。
【0076】
ステップS25では、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、タグリーダ2から次の入力単位コマンドが取得されているか否かを判定する。次の入力単位コマンドがある場合、判定が満たされ、ステップS10へ戻り、同様の手順を繰り返す。一方、次の入力単位コマンドがない場合、判定が満たされず、このフローを終了する。
【0077】
また一方、上記ステップS10の判定において、文字入力コマンドを含まない入力単位コマンドを取得していた場合、つまり「キー入力コマンド」を含んだ入力単位コマンドを取得していた場合、判定は満たされず、ステップS30へ移る。
【0078】
ステップS30では、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、当該入力単位コマンドに含まれているキーコードが、文字列記入欄を切り替えるための制御キー(この例では「TAB」キー)を用いた上記切替キーコードであるか否かを判定する。入力単位コマンドに切替キーコードが含まれている場合、判定が満たされ、ステップS35に移る。
【0079】
ステップS35では、上記キー入力制御部112の機能により、一般アプリケーション120に切替キーコードを出力して文字列記入欄の切り替え(上記図6の例ではID記入欄122からパスワード記入欄123へ切り替え)を行う。なお、このステップS35の制御手順が、各請求項記載の切替キーコード処理手段を構成する。そして上記ステップS25へ移る。
【0080】
また一方、上記ステップS30の判定において、入力単位コマンドに切り替えキーのキーコードが含まれていない場合、判定は満たされず、ステップS40に移る。
【0081】
ステップS40では、上記キー入力制御部112の機能により、「サイズ」情報で指定している文字数分(つまり当該入力単位コマンドに含まれているすべての文字数)のキーコード列を、文字列として一般アプリケーション120へ出力する。なお、このステップS40の制御手順が、各請求項記載の第1文字書き込み手段を構成する。そしてステップS25へ移る。
【0082】
上記のフローによる制御手順を行うことにより、タグリーダ2から取得したすべての入力単位コマンドに対応して、文字コード列の文字列の貼り付けと、切替キーキーコードによる文字列記入欄の切り替えと、キーコード列の文字列の入力とを、タグリーダ2での入力単位コマンドの抽出順に自動的に処理することができる。
【0083】
図8は、文字列処理システムSにおいて操作者が行う操作手順を、文字列処理システムSの処理手順の概略とともに表す、作業フローである。
【0084】
まず、ステップS105で、操作者が入力アプリケーション110と一般アプリケーション120をPC端末1上で起動する。この際、上述したように、入力アプリケーション110は通常時に最小化されてバックグラウンドで実行される。
【0085】
次にステップS110へ移り、一般アプリケーション120のログイン画面121(図6下段参照)を表示させ、最初に記入したい記入欄(図6の例のID記入欄122)にカーソルを合わせる。
【0086】
次にステップS115へ移り、操作者はタグリーダ2に無線タグTをかざす。これにより、文字列処理システムSは、ステップS120で、タグリーダ2が無線タグTから情報を読み取り、入力単位コマンドを抽出して、PC端末1に送信する。
【0087】
次にステップS125へ移り、入力アプリケーション110の入力単位コマンド処理部111が、入力単位コマンドを抽出順に解釈して処理する(上記図7参照)。
【0088】
この結果、ステップS130に示すように、一般アプリケーション120のログイン画面121上で各文字列記入欄への記入が自動的に完了する。
【0089】
なお、以上において、メモリ103のクリップボード103a、文字入力制御部113、キー入力制御部112、及び入力単位コマンド処理部111が、各請求項記載の文字列挿入処理手段を構成する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態においては、操作者がタグリーダ2により無線タグTに対し情報読み取りを行うと、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210がIC回路部150より文字コード又はキーコードと切替キーコードとを取得する。そして、PC端末1では、取得された切替キーコードに基づき、表示部106に表示されたログイン画面121上の各記入欄122,123の切り替えを行いつつ、取得された文字コード又はキーコードに基づき、ID記入欄122とパスワード記入欄123に対してそれぞれ文字列の記入を行う。
【0091】
以上のようにして、本実施形態においては、操作者がキーボード105を手動操作し一々文字列を入力しなくても、無線タグTの読み取り操作を行うだけで、複数の記入欄122,123に文字列を記入することができる。これにより、操作者の操作労力負担を大きく軽減することができる。また、文字列として「***」のような代替文字が表示される前述の場合等、文字列記入欄への記入結果を操作者本人が視認できない場合であっても、誤入力なく正しいパスワードを確実に入力することができるので、利便性が向上する。
【0092】
なお、前述の例では、ログイン画面121上でIDとして記入する文字列がアルファベット(“YAMADA”)で記述されている。しかしながら、上記したようにID記入欄122は文字コード列の記入を受付可能であり、文字コード列をメモリ103のクリップボード103aを介したコピー及び貼り付けにより記入可能であるため、漢字で記述した文字列の記入も可能である(この場合は文字コードにJISコードなどを用いる)。また、切替キーコードについても、一般アプリケーション120の仕様に合わせて例えばカーソルキーやリターンキーなどの「TAB」キー以外の制御キーを用いて代用することもできる。以上のことから、図示した例のログイン画面121におけるIDとパスワードのそれぞれの文字列を記入する以外にも、例えば表計算アプリケーションを一般アプリケーション120として所定の複数の記入欄に一度に文字列を記入することなども可能である。
【0093】
また、この実施形態では特に、文字コードに対応した文字列を記入可能な上記ID記入欄122への文字列記入を行うための1つの手法を有している。すなわち、当該文字コードに対応する文字列データ(図6に示す例の“YAMADA”の文字コード列)を無線タグTのIC回路部150に記憶させておく。これにより、読み出した文字列をそのまま貼り付けることで、当該ID記入欄122へ記入することができる(ステップS15及びステップS20参照)。
【0094】
また、この実施形態では特に、文字コードに対応した文字列は記入不可能で、キーボード105で実行されるキーのキーコードに対応した文字列のみを記入可能な上記パスワード記入欄123への文字列記入を行うための一つの手法を有している。すなわち、当該文字列データに対応するキーコード(図6に示す例の“pass123”のキーコード)を無線タグTのIC回路部150に記憶させておく。これにより、読み出したキーコードに対応した文字列のキーコード列を、当該パスワード記入欄123に記入することができる(ステップS40参照)。
【0095】
また、この実施形態では特に、上記したように、操作者が読み取り操作(無線タグTを通信範囲外から通信範囲内に位置させる操作)を1回行うだけで、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210の情報取得結果に基づき、複数の文字列記入欄のすべて(上記の例ではID記入欄122及びパスワード記入欄123)に1度に文字列を記入する。これにより、1回の読み取り操作ですべての文字列記入欄122,123を埋めることができるので、操作者の操作労力を大きく低減することができる。
【0096】
なお、上記に限られず、操作者が無線タグTの読み取り操作を1回行うごとに、入力アプリケーション110に沿って、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210の情報取得結果に基づき、複数の文字列記入欄に対し所定の順序に沿って順次文字列が記入されるようにしてもよい。この場合には、1回の無線タグ読み取り操作ですべての文字列記入欄を埋めるのではなく、読み取り操作を複数回繰り返して順次文字列記入欄を埋めていき、その都度記入内容を確認することができる。したがって、通信エラー等による誤記入等のない確実性の高い文字列の記入を行える効果がある。
【0097】
さらに、以上述べたいずれかの手法により複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が読み取り操作を1回行うと、入力アプリケーション110に沿って、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210の情報取得結果に基づき、複数の文字列記入欄のすべての文字列が1度に消去されるようにしてもよい(=一括消去処理手段としての機能)。この場合には、すべての記入欄が埋まった後の1回の無線タグ読み取り操作ですべての記入内容を消去することができるので、操作者によるキャンセル操作を迅速にかつ容易に行える効果がある。
【0098】
あるいは、上記とは異なり、複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が無線タグTの読み取り操作を1回行うごとに、入力アプリケーション110に沿って、タグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210の情報取得結果に基づき、所定の順序に沿って複数の文字列記入欄の文字列が順次消去されるよう処理してもよい(=個別消去処理手段としての機能)。この場合には、全文字列記入欄が埋まった後、各回の無線タグ読み取り操作で順次複数の文字列記入欄の記入内容を消去していくことができる。この結果、複数の文字列記入欄の一部の記入内容をキーボード105にて手動で変更したい場合や、複数の文字列記入欄の一部にのみ通信エラー等による誤記入が発生した場合等に、操作者の意図する文字列記入欄のキャンセル操作を行える、という効果がある。
【0099】
なお、本発明は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0100】
(1)無線タグTが文字コード表記の文字列だけを記憶している場合
上記実施形態では、無線タグTに、文字コードで表記された文字列と、キーコードで表記された文字列(又は切替指示)の両方を記憶している場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、文字コードで表記された文字列だけが無線タグTに記憶されている場合にも適用できる。以下、そのような変形例を説明する。なお、上記実施形態との同等の部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0101】
図9は、本変形例での文字列処理システムの主要部におけるソフトウェア構成と情報の流れを示すシステムブロック図であり、上記実施形態における図5に対応する図である。
【0102】
図9に示すように、本変形例の入力アプリケーション110のキー入力制御部112は、文字コードで表記されている処理対象の文字列を、キーコードで表記された文字列に変換するキーコード変換部112aを新たに備えている。ただし、このキーコード変換部112aは、「TAB」キーなどの制御キーのキーコードに対してはそのままキー入力制御部112に渡すようになっている。
【0103】
図10は、本変形例において、無線タグTの読み取りから一般アプリケーション120への記入までのデータ内容及びデータの流れを概念的に表す説明図であり、上記実施形態における図6に対応する図である。
【0104】
図10に示すように、無線タグTには、文字列のデータがすべて文字コード表記のデータとして記憶されており、他にはTABなどの制御キーに対応するキーコードだけがキーコード表記のデータとして記憶されている。
【0105】
そしてタグリーダ2の入力単位コマンド抽出部210によって抽出された入力単位コマンドI,II,IIIにおいても、図示のように、文字列のデータはすべて文字コード(図示する例ではASCIIコード)で表記されており(入力単位コマンドI,III)、「TAB」キーの切替指示だけがキーコードで表記されている(入力単位コマンドII)。
【0106】
本変形例の一般アプリケーション120においても、上記実施形態と同様、ログイン画面121にID記入欄122とパスワード記入欄123とがそれぞれ独立して設けられている。そして、これらは上記同様、ID記入欄122は文字コード列とキーコード列の両方を受付可能となっている一方、パスワード記入欄123はキーコードで表記されたキーコード列のみ記入を受け付ける設定の記入欄(確定文字列記入欄)となっている。
【0107】
これに対して、入力単位コマンド処理部111、文字入力制御部113、及びキー入力制御部112は、2つの入力単位コマンドI,IIに対して上記実施形態と同様の処理によりID記入欄122に文字コード列を貼り付け、「TAB」のキーコードを用いて記入欄122から記入欄123への切り替えを行う。
【0108】
そして、本変形例の特徴として、入力単位コマンドIIIについては、上述したように文字列のデータが文字コードで表記されている一方、パスワード記入欄123はキーコードで表記されたキーコード列しか記入を受け付けない。このため、そのままではキー入力制御部112は文字列データをパスワード記入欄123へ記入することができない。そこで、本変形例の入力アプリケーション110は、これに応じて、前述のキーコード変換部112aの処理によって入力単位コマンドIIIの文字コード列のデータをキーコード列のデータ(第2挿入キーコード)に変換し、キー入力制御部112がそのキーコード列(第2文字列データ)をパスワード記入欄123に記入する。
【0109】
図11は、本変形例においてPC端末1のCPU101によって実行される入力アプリケーション110の制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態における図7に対応する図である。
【0110】
この図11において、上記図7のフローとの差異点は、ステップS10とステップS15の間にステップS12を設け、その判定が満たされない場合に新たにステップS22及びステップS24を行うようにした点にある。
【0111】
すなわち、ステップS10の判定で文字入力コマンドを含んだ入力単位コマンドを取得したものと判定された後、新たに設けたステップS12に移る。ステップS12では、上記入力単位コマンド処理部111の機能により、現在処理対象としている文字列記入欄が文字コード列の記入を受付可能であるか否かを判定する。現記入欄が文字コード列を受付可能である場合には、判定が満たされ、ステップS15へ移り上記実施形態と同様の処理を行う。一方、現記入欄が文字コード列を受け付けない場合には、ステップS12の判定が満たされず、ステップS22へ移る。
【0112】
ステップS22では、上記キーコード変換部112aの機能により、サイズの情報で指定している文字数分の文字コード列をキーコード列に変換する。なお、このステップS22の手順が、各請求項記載のキーコード生成手段を構成する。そしてステップS24へ移る。
【0113】
ステップS24では、上記キー入力制御部112の機能により、上記ステップS22で変換されたキーコード列を文字列として一般アプリケーション120へ出力する。なお、このステップS24の手順が、各請求項記載の第2文字列書き込み手段を構成する。そしてステップS25へ移る。その他の手順については上記実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0114】
以上説明したように、本変形例においては、上記実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、以下のような効果も奏することができる。すなわち、文字コードで表現した文字列は記入不可能で、キーボード105で実行されるキーのキーコードで表現した文字列のみを記入可能な文字列記入欄への文字列記入を行うための別の手法を有している。つまり、文字列データに対応する文字コードを無線タグTのIC回路部150に記憶させておき、読み出した文字コードに基づき、上記キーコード変換部112aが当該文字コードを変換し、キーコード列(挿入キーコード)を生成する。これにより、生成したキーコード列で表現した文字列データを、キー入力制御部112がパスワード記入欄123に書き込み、記入する。このようにして、無線タグTからの情報読み取り結果に対応したキーコード列を変換生成することで、パスワード記入欄123への記入を確実に行うことができる。
【0115】
なお、本変形例は、上記図6、図10に対応する図12に示すように、入力アプリケーション110が表示する複数の文字列記入欄が、すべて文字コードで表現された文字列を記入可能となっている場合にも対応できる。
【0116】
すなわち、図12に示す例では、IDに対応する文字列とパスワードに対応する文字列(図示する例では“SHIRO”)が、すべて文字コード(図示する例ではASCIIコード)で表記されている。そして、ログイン画面121では、ID記入欄122とパスワード記入欄123の両方とも文字コードで表記された文字コード列の記入を受付可能となっている。
【0117】
このような場合でも、本変形例においては、上記図11のフローにおけるステップS12の判定により、両方の文字列記入欄122,123に対してステップS15とステップS20の手順(つまり文字入力制御部113による処理)を実行し、それぞれに対応する文字コード列を貼り付けて記入することができる。
【0118】
なお、以上において、図3、図4、図5、図9等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0119】
また、図7、図11等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0120】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0121】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0122】
1 PC端末(操作端末)
2 タグリーダ(読み取り装置)
101 CPU
103 メモリ
103a クリップボード(文字列挿入処理手段)
104 操作部
105 キーボード
106 表示部
110 入力アプリケーション
111 入力単位コマンド処理部(文字列挿入処理手段)
112 キー入力制御部(文字列挿入処理手段)
112a キーコード変換部(文字列挿入処理手段)
113 文字入力制御部(文字列挿入処理手段)
120 一般アプリケーション
121 ログイン画面
122 ID記入欄
123 パスワード記入欄
150 IC回路部
151 タグアンテナ
201 通信アンテナ(装置アンテナ)
203 制御回路
210 入力単位コマンド抽出部(情報取得手段)
S 文字列処理システム
T 無線タグ
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作される複数のキーを備えたキーボードと、複数の文字列記入欄を表示可能な表示手段とを有する操作端末と、
前記操作端末に対し情報送受信可能に接続されるとともに、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグに対して情報読み取りを行う読み取り装置と
を有する文字列処理システムであって、
前記読み取り装置は、
通信範囲内に位置する前記無線タグと無線通信を介し情報送受信を行うための装置アンテナと、
前記IC回路部に記憶された、前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するための文字コードと、前記複数の文字列記入欄への入力を切り替えるための切替キーコードとを、前記装置アンテナを介して少なくとも取得する情報取得手段とを備え、
前記操作端末は、
前記取得された前記切替キーコードを用いて文字列記入欄を切り替えながら、前記取得された前記文字コードに基づき前記複数の文字列記入欄に文字列を挿入処理する、文字列挿入処理手段を備える
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の文字列処理システムにおいて、
前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、
取得された前記文字コードに基づく第1文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に貼り付ける、文字貼り付け手段を備える
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の文字列処理システムにおいて、
前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、
取得された前記切替キーコードにより挿入処理を行う前記文字列記入欄を切り替え可能な、切替キーコード処理手段を備える
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項4】
請求項3記載の文字列処理システムにおいて、
前記読み取り装置の前記情報取得手段は、
前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するときに前記キーボードで実行される前記キーの操作順序情報に相当する第1挿入キーコードを、前記装置アンテナを介し前記無線タグの前記IC回路部より取得し、
前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、
前記情報取得手段で前記IC回路部より取得された、前記第1挿入キーコードに基づく第2文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に書き込む、第1文字書き込み手段を備える
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項5】
請求項3記載の文字列処理システムにおいて、
前記操作端末の前記文字列挿入処理手段は、
前記情報取得手段で前記IC回路部より取得された文字コードに基づき、前記複数の文字列記入欄のうち少なくとも1つに文字列を挿入するときに前記キーボードで実行される前記キーの操作順序情報に相当する第2挿入キーコードを生成するキーコード生成手段と、
前記キーコード生成手段で生成された前記第2挿入キーコードに基づく前記第2文字列データを、少なくとも1つの文字列記入欄の対象入力位置に書き込む、第2文字書き込み手段と
を備えることを特徴とする文字列処理システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の文字列処理システムにおいて、
前記複数の文字列記入欄は、
前記第1又は第2挿入キーコードに基づく前記第2文字列データを挿入可能であるとともに、前記文字コードに基づく前記第1文字列データを挿入不可能な、確定文字列記入欄を備えており、
前記第1又は第2文字書き込み手段は、
前記第2文字列データを、前記確定文字列記入欄の対象入力位置に書き込む
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の文字列処理システムにおいて、
前記文字列挿入処理手段は、
操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うと、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄のすべてに1度に文字列を挿入処理する
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の文字列処理システムにおいて、
前記文字列挿入処理手段は、
操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うごとに、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄に対し所定の順序に沿って順次文字列を挿入処理する
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載の文字列処理システムにおいて、
前記複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行った場合に、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄のすべての文字列を1度に消去処理する一括消去処理手段を有する
ことを特徴とする文字列処理システム。
【請求項10】
請求項7又は請求項8記載の文字列処理システムにおいて、
前記複数の文字列記入欄のすべてに文字列が挿入された状態で、操作者が前記無線タグを前記通信範囲外から前記通信範囲内に位置させる読み取り操作を1回行うごとに、前記情報取得手段の情報取得結果に基づき、前記複数の文字列記入欄に対し所定の順序に沿って文字列を順次消去処理する個別消去処理手段を有する
ことを特徴とする文字列処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−198531(P2010−198531A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45252(P2009−45252)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】