説明

文字領域画素判定装置またはその方法

【課題】 モニタ上で、アンチエイリアジングフォントの文字を誤って画像領域と誤判定されることを防止する。
【解決手段】 注目画素について、当該画素およびその前後4画素(計9画素)を抽出する(S3)。抽出された9画素についてサブ画素の最大値をそれぞれの画素の代表値とする(S5)。上記9つの代表値のヒストグラムをとり、分布数の一番多いものからH0,H1,H2・・・とする(S7)。下記式(1)を満足するか否か判断し(S9)。H0+H1+H2<TH・・・(1)。式(1)を満足する場合は非文字領域画素と、満足しない場合は、文字領域画素と判断する(S11、S13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テキスト領域と非テキスト領域とを区別する方法に関し、特に、アンチエイリアシング処理を伴うフォントの判定に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パソコンの画面において、画像をより見やすくするために、画像領域の強調処理がなされる。かかる強調処理では文字領域を非強調とするために、前提として、文字を構成している画素か否かの判定が必要となる。
【0003】
発明者は、以下のような手法でテキスト領域の判定を行っていた。
【0004】
1)注目画素とその周辺8画素を含む9画素のY値のヒストグラムを取得する。2)頻度の最も高い階調、2番目に高い階調、3番目に高い階調の総和を取る。3)上記総和と閾値を比較し、総和が閾値以上ならテキストと、前記閾値未満であれば非テキストであると判定する。4)判定結果に基づき、3ライン*5ピクセルの一様平均フィルタを重畳し、画像処理の強度を自動調整する。
【0005】
特許文献1には、 細線を的確に検出して、黒文字などの細線部の画像を高画質で出力することのできる画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-264689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記輝度値を用いた判定方法では、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォント(以下アンチエイリアシングフォントという)については、その検出が困難であった。なぜなら、アンチエイリアシングフォントは、文字端を構成する画素について、R成分・G成分・B成分それぞれについてスムージング処理がなされているので、従来のY値に基づく判定手法では、あたかもテキスト領域ではないかのように判定されてしまうからである。
【0008】
この発明は、上記問題を解決し、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定可能な方法またはその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明にかかる文字領域画素判定方法は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断ステップ、を備えている。
【0010】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0011】
(2)本発明にかかる文字領域画素判定方法は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断ステップ、を備えている。
【0012】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0013】
(3)本発明にかかる文字領域画素判定方法は、所定の配置順で3以上のサブ原色画素が配置された単位画素が複数配置された表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、前記サブ原色画素は、各単位画素内に同じ配列順で配置されており、前記サブ画素の配列方向において末尾に位置するサブ画素の原色値と次の単位画素の先頭のサブ画素の原色値の差分を求め、前記求めた各単位画素間の差分に基づき文字領域を構成する単位画素か否かを判断する。
【0014】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0015】
(4)本発明にかかる文字領域画素判定方法は、前記注目単位画素をずらしつつ、前記特定ステップ、前記決定ステップおよび前記判断ステップを繰り返すことにより、前記文字領域を決定する。したがって、繰り返す範囲において文字領域を構成する画素か否かを判断することができる。
【0016】
(5)本発明にかかる文字領域画素判定装置は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定装置であって、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段を備えている。
【0017】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0018】
(6)本発明にかかる文字領域画素判定装置は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定装置であって、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段、を備えている。
【0019】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0020】
(7)本発明にかかる文字領域画素判定装置は、所定の配置順で3以上のサブ原色画素が配置された単位画素が複数配置された表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域決定装置であって、前記サブ原色画素は、各単位画素内に同じ配列順で配置されており、前記サブ画素の前記配列方向において末尾に位置するサブ画素の原色値と次の単位画素の先頭のサブ画素の原色値の差分を求める差分演算手段、前記求めた各単位画素間の差分に基づき文字領域を構成する単位画素か否かを判断する判断手段、を備えている。
【0021】
したがって、サブ画素を用いたアンチエイリアシング処理を伴うフォントであっても文字領域の画素として判定することができる。
【0022】
(14)本発明にかかる代表値決定方法は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、各単位画素が文字領域を構成する画素か否かを判断するための代表値を決定する代表値決定方法であって、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値または最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、を備えている。
【0023】
したがって、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であるか否か判断するための前記単位画素の代表画素値を得ることができる。
【0024】
なお、本明細書において「サブ原色画素」とは、実施形態ではRGBのサブ画素が該当する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】文字領域画素判定装置1の機能ブロック図である。
【図2】文字領域画素判定装置1を、CPUを用いて構成した場合のハード構成の一例である。
【図3】全体のフローチャートである。
【図4】アンチエイリアシングフォントにおけると各画素におけるサブ画素のRGB値を示す図である。
【図5】端部における鏡面複製処理を説明する為の図である。
【図6】サブ画素のRGB値から各画素の輝度値Yを求めた図である。
【図7】サブ画素のRGB値から各画素の最大値を求めた図である。
【図8】ストライプ方向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
(1.1 機能ブロック)
図1に、本発明の1実施形態にかかる文字領域画素判定装置1の機能ブロック図を示す。
【0028】
文字領域画素判定装置1は、3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する装置であって、特定手段3、決定手段5、および判断手段7を備えている。
【0029】
特定手段3は、注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する。決定手段5は、前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する。判断手段7は、前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する。
【0030】
(1.2 ハードウェア構成)
図2に文字領域画素判定装置1のハードウェア構成を示す。文字領域画素判定装置1は、CPU23、RAM25、フラッシュメモリ26を備えている。フラッシュメモリ26には、プログラム26pが記憶されている。プログラム26pには、後述するように、文字領域画素判定処理を行う。RAM25は演算結果等を記憶する。フレームメモリ27は1画面の画像データを保持する。
【0031】
CPU23は、プログラム26pに従い、メモリ27に記憶された画像データに対し、1*9画素のウインドウを設定し、設定した領域内で文字領域か否かの判断を行い、結果をRAM25に記憶する。
【0032】
(1.3 フローチャートの説明)
図2に示すプログラム26Pによる処理について図3を用いて説明する。以下では、図4に示すように、注目画素iが画素(1,0)であり、注目画素iを画素(1,1)、画素(1,2)・・・と、ずらしていく場合を例として説明する。なお、図4はアンチエイリアシングフォントで文字「M」が記載された部分の拡大図である。
【0033】
CPU23は、注目画素番号iが(1,0)になると、注目画素である画素(1,0)について、当該画素およびその前後4画素(計9画素)を抽出する(ステップS3)。本実施形態においては、端部についてその右側の4画素を鏡面複製して、その画素が存在するものとした。具体的には、画素(1,0)の左側に順次、画素(1,1)、画素(1,2)、画素(1,3)、画素(1,4)が存在するように複製される。図5に、この場合の計9画素の構成を示す。このように、画素(1,0)を中心に左右に同じ画素が仮想的に配置されることとなる。
【0034】
CPU23は、かかる9画素についてサブ画素の最大値をそれぞれの画素の代表値とする(図3ステップS5)。この場合、上記9画素の代表値として「252」,「207」,「159」,「252」,「252」,「252」,「159」,「207」,「252」が抽出される。
【0035】
CPU23は、上記9つの代表値のヒストグラムをとり、分布数の一番多いものからH0,H1,H2・・・とする(ステップS7)。この場合、代表値「252」のH0=3、代表値「207」のH1=3、代表値「159」のH2=3となる。
【0036】
CPU23は、下記式(1)を演算し、式(1)を満足するか否か判断する(ステップS9)。
【0037】
H0+H1+H2<TH・・・(1)
CPU23は、ステップS9を満足する場合は非文字領域画素と判断する(ステップS13)、満足しない場合は、文字領域画素であると判断する(ステップS11)。本実施形態においては、この場合、H0=3、H1=3、H2=3であり、TH=6としたので、式(1)を満足せず、CPU23は、注目画素番号(1,0)は文字領域と判断する。
【0038】
次に、CPU23は、注目画素番号iが最終か否か判断する(図3ステップS15)。この場合、最終ではないので、注目画素番号iをインクリメントする(ステップS17)。
【0039】
これにより注目画素番号iが(1,1)となり、CPU23は、注目画素(1,1)およびその前後4画素(計9画素)を抽出する(ステップS3)。CPU23は、かかる9画素についてサブ画素の最大値をそれぞれの画素の代表値とする(ステップS5)。この場合、上記9画素の代表値として「207」,「159」,「252」,「252」,「252」,「159」,「207」,「252」,「252」が抽出される。
【0040】
CPU23は、上記9つの代表値のヒストグラムをとり、分布数の一番多いものからH0,H1,H2・・・とする(図3ステップS7)。この場合、代表値「252」のH0=5、代表値「207」のH1=2、代表値「159」のH2=1となる。
【0041】
CPU23は、下記式(1)を演算し、満足する場合は非文字領域画素、満足しない場合は、文字領域画素であると判断する(ステップS9、S11,S13)。
【0042】
この場合、H0=5、H1=2、H2=1であり、本実施形態においてはTH=6としたので、式(1)を満足せず、CPU23は、注目画素番号(1,1)は文字領域と判断する。
【0043】
以下同様にして、順次、文字領域か否か判断される。
【0044】
なお、本実施形態においては、右端部についても、左端部と同様に鏡複写を行うようにした。
【0045】
図3ステップS15にて、最終画素まで終了すると、処理が終了する。
【0046】
すなわち、本実施形態においては、図6に示すような各単位画素の最大値を代表値として、文字領域か否かを判断することとなる。比較の為に、図4のRGB値から輝度値に変換した場合を図7に示す。輝度値の場合、例えば、注目画素(1,0)から順に、「232,228,122,144、232・・・」と値がばらついている。したがって、輝度で文字領域か否か判断すると、上記式(1)を満足する。したがって、実際には、文字領域画素にもかかわらず、非文字領域画素だと判断されてしまう。これに対して、サブ画素の原色値の最大値であれば、周辺に同じ値の単位画素が存在する。したがって、アンチエイリアジングフォントであっても、画像領域と誤って判断されることがない。また、画像の場合は、サブ画素の原色値の最大値自体がこのような法則性が普遍化されていない。したがって、間違って文字領域と認識されることもない。
【0047】
以上説明したように、アンチエイリアジングフォントにおいては、サブ画素の原色画素値(RGB値)が周辺画素間で共通する傾向を持つ。したがって、文字領域を構成する画素については、非文字領域と異なり特有のヒストグラムの偏りが生じる。したがって、サブ画素のRGB値の最大値または最小値を当該単位画素の代表値とし、この代表値に基づいて文字領域か否か判断することにより、文字端のスムージング処理によって文字色が複数で構成されているアンチエイリアジングフォントであっても、文字領域を構成する画素か否かの判断が可能となる。
【0048】
上記実施形態においては、各単位画素について、テキスト領域を構成する画素か否か判断したが、従来のように、一様平均フィルタによる重み付け処理をするようにしてもよい。一様平均フィルタによる重み付け処理としては、例えば、以下のようにすればよい。3/5の一様平均フィルタにより、テキスト度tを算出する。前記tを重みWtとして、強調フィルタの係数を変更する。この場合、Wt=tとしてもよいし、下記式によって重みWtを演算するようにしてもよい
Wt=k+(1-k)*t (0≦k<1, 0≦t≦1)
このような一様平均フィルタによる重み付けにより、周囲の画素のテキスト検出結果に基づいて、テキストエリア可能性を判定できる。すなわち、孤立的にテキストとみなされる画素を排除できる。
【0049】
本実施形態においては、従来法では検出が困難だったPDF、ClearType等のアンチエイリアジングフォントも検出することができ、テキスト検出の精度が向上する。
【0050】
(2.他の実施形態)
上記実施形態においては、判定領域内の各画素について代表値として最大値を取得するようにしたが、最小値を採用してもよい。最小値であっても、アンチエイリアジングフォントにおいては、サブ画素の原色画素値(RGB値)が周辺画素間で共通する傾向を持つ。したがって、同様にして、文字領域を構成する画素か否かを判定することができる。
【0051】
また、下記のようにして文字領域を構成する画素か否かを判定するようにしてもよい。
【0052】
液晶ディスプレイにおいては、1単位画素を構成する複数の原色画素が並べられている配列が定められている。たとえば、RGBの3色のストライプであれば、1単位画素がRGBで構成されているので、原色画素はRGBRGBRGB・・・と配列される。かかる配列方向において、アンチエイリアジングフォントは、ある単位画素の後端原色画素の画素値と、配列方向に隣接する次の単位画素の先頭原色がその画素値が近接するという特性を有する。したがって、両者の差分を順次求めることにより、アンチエイリアジングフォントの文字領域か、画像領域かを判定できる。
【0053】
例えば、図4において、単位画素(1,1)〜単位画素(1,4)を配列順に並べた各原色画素の画素値を図8に示す。図8において、単位画素(1,1)の後端原色画素Bの画素値は「207」、であり、配列方向に隣接する単位画素(1,2)の先頭原色画素値Rの画素値は「159」であり、その差分は「48」である。これを配列方向に順次求めることにより、隣接する単位画素間の差分が得られる。
【0054】
これらの差分が予め定めた閾値よりも小さい場合には、これらの単位画素は文字領域であると判断すればよい。これは、隣接サブピクセル間の差分は、同じ数値となる傾向があるためである。かかる検出においても、上記ヒストグラム型の検出器を採用することもできる。
【0055】
本実施形態においては、原色画素としてR,G,Bを採用したが、他の原色C,M,Y等を採用してもよい。
【0056】
また3原色以外に他の原色を1以上加えるようにしてもよい。
【0057】
本実施形態においては、単位画素の代表画素値の相関に基づき、文字領域を構成する単位画素か否か判断するようにしている。具体的には、文字領域に該当する画素か否かの判断において、周辺9画素のうち代表値が大きな上位3画素について、総計が閾値を超えているのかを採用したが、文字領域の判断手法については、これに限定されず、他の手法を採用するようにしてもよい。
【0058】
本実施形態においては、判定領域内の各画素について代表値として最大値を取得するようにしたが、代表値の取得時期については必要となる段階で存在すれば、これをいつ取得するようにしてもよい。
【0059】
本実施形態においては、周辺単位画素を注目単位画素を含む1*9としたが、かかる形状については3*3画素でもよく、構成画素数およびその形状については限定されない。
【0060】
本実施形態にかかる文字領域画素判定装置を含むモニタまたはセットトップボックスとして構成することもできる。またこのセットトップボックスは、入力データの出力先モニタを切り替えるための切り替えハブとして構成してもよい。
【0061】
上記実施形態においては、図1に示す機能を実現するために、CPU23を用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路などのハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理を、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
23 CPU
25 RAM
26 フラッシュメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、
前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断ステップ、
を備えた文字領域画素判定方法。
【請求項2】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、
前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断ステップ、
を備えた文字領域画素判定方法。
【請求項3】
所定の配置順で3以上のサブ原色画素が配置された単位画素が複数配置された表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定方法であって、
前記サブ原色画素は、各単位画素内に同じ配列順で配置されており、
前記サブ画素の配列方向において末尾に位置するサブ画素の原色値と次の単位画素の先頭のサブ画素の原色値の差分を求め、
前記求めた各単位画素間の差分に基づき文字領域を構成する単位画素か否かを判断すること、
を特徴とする文字領域画素判定方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2の文字領域画素判定方法において
前記注目単位画素をずらしつつ、前記特定ステップ、前記決定ステップおよび前記判断ステップを繰り返すことにより、前記文字領域を決定すること、
を特徴とする文字領域画素判定方法。
【請求項5】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定装置であって、
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、
前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段、
を備えた文字領域画素判定装置。
【請求項6】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域画素判定装置であって、
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、
前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段、
を備えた文字領域画素判定装置。
【請求項7】
所定の配置順で3以上のサブ原色画素が配置された単位画素が複数配置された表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域決定装置であって、
前記サブ原色画素は、各単位画素内に同じ配列順で配置されており、
前記サブ画素の前記配列方向において末尾に位置するサブ画素の原色値と次の単位画素の先頭のサブ画素の原色値の差分を求める差分演算手段、
前記求めた各単位画素間の差分に基づき文字領域を構成する単位画素か否かを判断する判断手段、
を備えた文字領域画素判定装置。
【請求項8】
請求項4〜請求項6のいずれかの文字領域画素判定装置を含むモニタ。
【請求項9】
請求項4〜請求項6のいずれかの文字領域画素判定装置を含むセットトップボックス。
【請求項10】
請求項9のセットトップボックスは、入力データの出力先モニタを切り替えるための切り替えハブであること、
を特徴とするもの。
【請求項11】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて文字領域を構成する単位画素であるかを決定する文字領域画素判定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、下記手段として構成させる文字領域画素判定プログラム。
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、
前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段。
【請求項12】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて文字領域を構成する単位画素であるかを決定する文字領域決定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、下記手段として構成させる文字領域画素判定プログラム。
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定手段、
前記判定領域を構成する単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定手段、
前記判定領域における各単位画素の代表画素値に基づき、前記注目単位画素は文字領域を構成する単位画素であると判断する判断手段。
【請求項13】
所定の配置順で3以上のサブ原色画素が配置された単位画素が複数配置された表示画面にて、文字領域を構成する単位画素を判定する文字領域決定処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、下記手段として構成させる文字領域決定プログラム。
前記サブ原色画素は、各単位画素内に同じ配列順で配置されており、
前記サブ画素の前記配列方向において末尾に位置するサブ画素の原色値と次の単位画素の先頭のサブ画素の原色値の差分を求める差分演算手段、
前記求めた各単位画素間の差分に基づき文字領域を構成する単位画素か否かを判断する判断手段。
【請求項14】
3以上のサブ原色画素が配置された単位画素を、複数配置させた表示画面にて、各単位画素が文字領域を構成する画素か否かを判断するための代表値を決定する代表値決定方法であって、
注目単位画素が特定されると、当該注目単位画素およびその周辺に位置する所定数の周辺単位画素で判定領域を特定する特定ステップ、
前記判定領域の各単位画素について、当該単位画素を構成する前記サブ原色画素の原色値の最大値または最小値を、当該単位画素の代表画素値として決定する決定ステップ、
を備えた代表値決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−5074(P2013−5074A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131910(P2011−131910)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【特許番号】特許第4937417号(P4937417)
【特許公報発行日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】