文書管理装置、及びプログラム
【課題】印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させる。
【解決手段】画像形成装置30において、通信部31が第1の電子文書の印刷指示を受信し、文書画像生成部32がその文書画像を生成し、コード画像生成部33が媒体の識別情報等を表すコード画像を生成し、画像合成部34が文書画像とコード画像とから合成画像を生成し、印刷制御部35がその印刷を制御し、印刷部36が合成画像を媒体に印刷する。印刷が完了すると、文書管理部37が、第1の電子文書のページを印刷時のレイアウトに従ってレイアウトした第2の電子文書を生成して文書記憶部38aに記憶し、媒体の識別情報と第1の電子文書の識別情報及びページと第2の電子文書の識別情報とを関連付けて管理情報記憶部38bに記憶する。また、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された情報に基づいて文書間の派生関係を作成する。
【解決手段】画像形成装置30において、通信部31が第1の電子文書の印刷指示を受信し、文書画像生成部32がその文書画像を生成し、コード画像生成部33が媒体の識別情報等を表すコード画像を生成し、画像合成部34が文書画像とコード画像とから合成画像を生成し、印刷制御部35がその印刷を制御し、印刷部36が合成画像を媒体に印刷する。印刷が完了すると、文書管理部37が、第1の電子文書のページを印刷時のレイアウトに従ってレイアウトした第2の電子文書を生成して文書記憶部38aに記憶し、媒体の識別情報と第1の電子文書の識別情報及びページと第2の電子文書の識別情報とを関連付けて管理情報記憶部38bに記憶する。また、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された情報に基づいて文書間の派生関係を作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙の世界と電子の世界を結び付けるための技術が着目されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、紙文書を識別するための紙IDをエンコードした符号化紙IDを紙文書に印刷すると共に、電子文書に対して割り当てられる文書IDと紙IDとを関連付けている。そして、符号化紙IDが印刷された紙文書から、デコードされた紙IDを取得すると共に、手書きされた部分の情報である筆記画像情報を抽出し、この筆記画像情報を、筆記画像情報が取得された電子文書の文書IDを含む属性情報とともに保存して管理している。
【0003】
【特許文献1】特開2005−346459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで一般に、電子文書を紙等の媒体に印刷し、印刷文書として出力する場合において、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることには困難が伴う。それは、印刷文書はページで区切られて出力されるが、電子文書は同じように区切られたページとして管理されているわけではないからである。例えば、Webページを構成する電子文書は、そもそもページという概念を持っていない。また、電子文書がページの概念を持っていたとしても、印刷する際にレイアウト変更等を行った場合には、電子文書におけるページと印刷文書におけるページとの対応関係が崩れてしまうからである。
【0005】
本発明は、以上のような背景の下でなされたものであって、その目的は、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の文書管理装置は、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する生成手段と、この生成手段により生成された第2の電子文書を記憶する記憶手段とを備えている。
【0007】
ここで、記憶手段は、第2の電子文書に対して媒体を関連付けた管理情報を更に記憶してもよい。また、第2の電子文書に対して、媒体と、第1の電子文書とを関連付けた管理情報を更に記憶してもよい。
更に、第1の文書管理装置は、記憶手段に記憶された管理情報に基づいて、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係、又は、第1の電子文書から媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたものであってもよい。
【0008】
本発明の第2の文書管理装置は、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、第1の電子文書とレイアウト情報とを関連付けた管理情報を記憶する記憶手段とを備えている。
【0009】
ここで、記憶手段は、第1の電子文書とレイアウト情報との組み合わせに対して媒体を更に関連付けた管理情報を記憶してもよい。
また、第2の文書管理装置は、記憶手段に記憶された管理情報に基づいて、第1の電子文書から媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたものであってもよい。
【0010】
本発明の第1のプログラムは、コンピュータに、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する機能と、生成された第2の電子文書を所定の記憶装置に記憶する機能とを実現させるためのものである。
【0011】
本発明の第2のプログラムは、コンピュータに、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、第1の電子文書とレイアウト情報とを関連付けた管理情報を所定の記憶装置に記憶する機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項2の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための電子文書に対して、印刷文書を操作することでアクセスできるという効果がある。
請求項3の発明には、印刷された電子文書に対しても、印刷文書を操作することによりアクセスすることができるという効果がある。
請求項4の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための情報を用いて、文書間の派生関係の把握も行えるという効果がある。
請求項5の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項6の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための電子文書に対して、印刷文書を操作することでアクセスできるという効果がある。
請求項7の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための情報を用いて、文書間の派生関係の把握も行えるという効果がある。
請求項8の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項9の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
まず、本実施の形態が適用されるコンピュータシステムについて説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成を示した図である。
図示するように、このコンピュータシステムは、端末装置10と、文書サーバ20と、画像形成装置30とがネットワーク90に接続されることにより構成されている。また、コンピュータシステムは、印刷文書50と、電子ペン60とを含む。
【0014】
端末装置10は、電子文書の印刷を指示するために用いられる。また、電子ペン60から送られた情報を画像形成装置30へ転送するためにも用いられる。尚、この端末装置10としては、PC(Personal Computer)が例示される。
文書サーバ20は、電子文書を記憶している。そして、端末装置10から電子文書の印刷指示があると、指定された電子文書を端末装置10に提供する。
画像形成装置30は、端末装置10から電子文書の印刷指示を受信すると、電子文書の文書画像を紙等の媒体に印刷する。その際、媒体を識別する識別情報と、媒体上の位置を特定する位置情報とを表すコード画像も媒体に印刷する。また、本実施の形態において、画像形成装置30は、印刷対象の電子文書のページを印刷時の設定に従ってレイアウトした他の電子文書を生成する機能も有する。更に、電子文書が印刷された媒体に対する操作に応じて、その電子文書から生成された他の電子文書を提供する機能も有する。
【0015】
印刷文書50は、文書画像とコード画像とを合成した合成画像を画像形成装置30が媒体に印刷することで得られる例えば紙文書である。
電子ペン60は、印刷文書50に文字又は図形を記録する機能を有するペンデバイスである。また、印刷文書50上のコード画像から識別情報及び位置情報を取得し、これらの情報を端末装置10に送信する機構も有する。
ネットワーク90は、インターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0016】
かかるコンピュータシステムにて、印刷文書50に対し電子ペン60で筆記する場合を考える。ここで、印刷文書50には、前述のように、媒体を識別する識別情報と、媒体上の位置を特定する位置情報とを表すコード画像が印刷されている。従って、電子ペン60は、このコード画像を機械的に読み取ることで、識別情報及び位置情報を取得することができる。このうち、位置情報を用いることで、印刷文書50に対する筆記の軌跡を電子データとして得ることができる。また、媒体の識別情報と媒体に印刷された電子文書との対応関係が管理されていれば、識別情報を用いることで、筆記の軌跡を電子文書に電子データとして付加することも可能となる。
【0017】
ところが、印刷文書50が特殊なレイアウトで印刷されたものである場合には、印刷文書50に対する筆記が電子文書上で正しく再現されないという状況が生じる。
例えば、このような特殊なレイアウトとして、Nアップがある。Nアップとは、電子文書のNページを媒体の1ページに割り付けるレイアウトである。このNアップにおいては、通常、電子文書のNページを媒体の1ページに割り付ける場合の割付順序も指定できるようになっている。しかし、電子文書におけるページの並び順と一致しない割付順序を指定した場合、印刷文書50に対する筆記を電子文書上で正しく再現することは益々困難になってしまう。
【0018】
従って、本実施の形態では、電子文書を媒体に印刷して印刷文書50を出力するときに、印刷文書50上での電子文書のページの配置情報を記憶しておく。即ち、電子文書の識別情報と媒体の識別情報との繋がりだけでなく、電子文書の各ページが媒体のどの位置に配置されたかも管理しておくのである。この場合、配置情報は、イメージによって、又は、そのイメージを生成するための情報によって管理することが可能である。
【0019】
次に、本実施の形態の概要について説明する。
図2は、本実施の形態の概要を模式的に示した図である。
図示するように、本実施の形態では、印刷対象の電子文書(第1の電子文書)が媒体に印刷され、その際、第1の電子文書のページを印刷時の設定に基づいてレイアウトした電子文書(第2の電子文書)が生成される。
即ち、図中、「Dxxx」は、第1の電子文書の識別情報(以下、「第1文書ID」という)を表し、「Pxxx」は、媒体の識別情報(以下、「媒体ID」という)を表す。また、「Ixxx(n1,n2,…)」のうち、「Ixxx」は、第2の電子文書の識別情報(以下、「第2文書ID」という)を表し、括弧内の「n1」、「n2」、…は、対応する媒体に印刷された第1の電子文書のページの番号を示している。つまり、括弧内にN個の数値が記述されていれば、第1の電子文書はNアップで印刷されたものと判断できる。
【0020】
例えば、第1の電子文書「D101」については、その1ページ目が媒体「P001」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I001」が生成されている。また、第1の電子文書「D102」については、その1ページ目及び2ページ目が媒体「P002」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I002」が生成されると共に、その3ページ目及び4ページ目が媒体「P003」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I003」が生成されている。
尚、ここでは、図2を、第1の電子文書と、第2の電子文書と、媒体との対応関係を模式的に示すものとして示した。しかしながら、このような模式図は、後述するように、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係を解析し、これを表示した場合の表示例として捉えることもできる。
【0021】
尚、本明細書では、「電子文書」の文言を用いるが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
【0022】
次いで、本実施の形態について詳細に説明する。
ところで、本実施の形態において、第1の電子文書を印刷する際に記憶される配置情報としては、前述したとおり、イメージと、そのイメージを生成するための情報とがある。つまり、前者は、第1の電子文書を印刷する際に、印刷時のレイアウトを反映した第2の電子文書を生成して記憶しておく場合である。また、後者は、第1の電子文書を印刷する際にそのような第2の電子文書を生成するのではなく、第2の電子文書の生成に必要な第1の電子文書の情報及びレイアウトの情報を記憶しておく場合である。
そこで、以下では、前者を第1の実施の形態、後者を第2の実施の形態として説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置30の構成について説明する。
図3は、画像形成装置30の機能構成を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、通信部31と、文書画像生成部32と、コード画像生成部33と、画像合成部34と、印刷制御部35と、印刷部36と、文書管理部37と、文書記憶部38aと、管理情報記憶部38bと、派生関係作成部39とを備える。
【0024】
通信部31は、外部から印刷指示や情報の送信指示を受信する。そして、情報の送信指示に対しては、指定された情報を送信する。尚、情報の送受信は、LAN、RS−232C、セントロニクス、電話回線等、情報を伝達可能なものであれば、いずれの手段により行っても構わない。
文書画像生成部32は、通信部31が受信した第1の電子文書の文書画像を生成する。
コード画像生成部33は、文書画像に埋め込む識別情報及び位置情報を符号化して識別符号及び位置符号を生成する。そして、識別符号及び位置符号を画像化しコード画像を生成する。
画像合成部34は、文書画像とコード画像とを重ね合わせて合成画像を生成する。このとき、文書画像は、可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定され、コード画像は不可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定されている。
印刷制御部35は、画像合成部34で生成した合成画像、印刷部数、媒体のサイズ、媒体上でのレイアウト(例えば、余白)等により、印刷部36を制御する。
【0025】
文書管理部37は、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する。
文書記憶部38aは、文書管理部37が管理する配置情報として生成された第2の電子文書を記憶する。
管理情報記憶部38bは、文書管理部37が配置情報を管理する際に用いる管理情報を記憶する。
派生関係作成部39は、管理情報記憶部38bが記憶する管理情報に基づいて、文書間の派生関係を作成する。
【0026】
尚、これらの機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像形成装置30の図示しないCPUが、通信部31、文書画像生成部32、コード画像生成部33、画像合成部34、印刷制御部35、文書管理部37、派生関係作成部39を実現するプログラムを例えば磁気ディスク装置からメインメモリに読み込んで実行することにより、これらの機能は実現される。また、文書記憶部38a、管理情報記憶部38bは、例えば磁気ディスク装置を用いて実現することができる。更に、磁気ディスク装置に記憶されるプログラムやデータは、CD等の記録媒体からロードしてもよいし、インターネット等のネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0027】
また、印刷部36は、各色のトナー又はインク等に対応する画像に受け取り、媒体に画像を形成する。ここで、印刷部36としては、例えば、電子写真方式による印刷機構を用いることができる。
ところで、本実施の形態では、文書画像は可視トナーで形成し、コード画像は例えば赤外領域に吸収波長を持つ不可視トナーで形成することを前提としている。従って、印刷部36は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色トナー用の画像形成ユニットに加え、不可視トナー用の画像形成ユニットを有する。或いは、Y、M、C、Kの各色トナー用の画像形成ユニットのうちの1つを不可視トナー用の画像形成ユニットに置き換えたものであってもよい。そして、印刷部36がかかる構成を有することにより、文書画像を可視トナーで形成し、それに重ねてコード画像を不可視トナーで形成することが可能になっている。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置30の動作について説明する。尚、画像形成装置30の動作は、大きく2つに分けられる。1つは、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作であり、もう1つは、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作である。
まず、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作について説明する。
この場合、ユーザは、印刷したい第1の電子文書を指定する。すると、端末装置10は、文書サーバ20から第1の電子文書を取得し、自身のメモリに展開する。その後、ユーザが第1の電子文書の印刷を指示すると、端末装置10が画像形成装置30に対して第1の電子文書の印刷を指示する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0029】
図4は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、第1の電子文書の印刷指示を受信する(ステップ301)。ここで、印刷指示には、第1の電子文書、第1文書ID、第1の電子文書における印刷対象のページ番号、印刷部数、印刷する際のレイアウトに関する情報(以下、「レイアウト情報」という)、コード画像に埋め込む位置情報等が含まれる。このうち、レイアウト情報としては、例えば、媒体のサイズ、媒体上の余白の設定、1つの媒体に印刷する電子文書のページ数(Nアップの情報)、1つの媒体に複数のページを印刷するときの印刷順序(Nアップにおける印刷順序)、縮倍率が考えられる。また、位置情報とは、例えば、媒体上の位置を特定するために使用される座標の開始番地及び終了番地であり、レイアウト情報中の媒体のサイズ等によって決められる。
尚、印刷指示は、例えば、PDL(Page Description Language)の形式で送信される。
そして、通信部31は、第1の電子文書、第1文書ID、ページ番号、印刷部数、レイアウト情報を文書画像生成部32に渡す。また、第1文書ID、位置情報をコード画像生成部33に渡す。
【0030】
すると、文書画像生成部32は、通信部31から渡された第1の電子文書を、同じく通信部31から渡されたレイアウト情報に従って画像化し、文書画像を生成する(ステップ302)。そして、文書画像生成部32は、ここで生成した文書画像を画像合成部34に渡すと共に、文書画像、ページ番号を第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0031】
一方、コード画像生成部33は、通信部31から渡された情報に基づいて、識別情報及び位置情報を表すコード画像を生成する(ステップ303)。
ここで、識別情報は、媒体を一意に識別する媒体IDである。この媒体IDは、例えば、画像形成装置30を特定する情報と画像形成装置30で印刷される個々の媒体を特定する情報とを組み合わせることで生成される。尚、画像形成装置30で印刷された個々の媒体を特定する情報としては、日時情報が考えられる。或いは、カウンタ情報(画像形成装置30で印刷された紙の累積枚数等)であってもよい。但し、カウンタ情報を用いる場合は、必要なカウンタ値の個数を求めるために、通信部31からページ番号、印刷部数、Nアップの情報を受け取っておくことが必要になる。つまり、基本的には、印刷するページ数に印刷部数を乗じて得られる数のカウンタ値を用意する。但し、Nアップの場合は、これも考慮される。例えば、電子文書の10ページを2アップ指定で5部印刷する場合は、25(=10÷2×5)個のカウンタ値が必要となる。
また、位置情報としては、通信部31から渡された位置情報を用いる。但し、位置情報を外部から与えず、コード画像生成部33で生成するようにしてもよい。その場合は、通信部31から媒体のサイズを受け取り、これを用いて位置情報を生成する。
そして、コード画像生成部33は、ここで生成したコード画像を画像合成部34に渡すと共に、媒体IDを第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0032】
その後、画像合成部34は、ステップ302で生成した文書画像と、ステップ303で生成したコード画像とを第1文書IDにより組み合わせ、これらを重ね合わせて合成画像を生成する(ステップ304)。このとき、コード画像は、不可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定されている。但し、図示しない残量検知部が、不可視のトナー又はインク等の残量がなくなったり一定値以下になったりしたことを検知した場合、印刷処理自体を中止したり、コード画像を重ね合わせない印刷を行ったりしてもよい。
【0033】
そして、印刷制御部35は、画像合成部34が生成した合成画像を印刷部36に出力する。また、その際、印刷部数、媒体のサイズ、レイアウト等により、合成画像が印刷されるよう印刷部36を制御する(ステップ305)。
これにより、印刷部36が、例えば、電子写真方式により合成画像を媒体上に印刷する(ステップ306)。このとき、既に述べたように、文書画像は可視トナーで印刷し、コード画像は赤外領域に吸収波長を持つ不可視トナーで印刷する。
【0034】
印刷が完了すると、その旨が文書管理部37に伝えられる。そして、文書管理部37が、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する動作を開始する。
即ち、まず、文書管理部37は、印刷文書50における印刷イメージを持つ第2の電子文書を生成し、文書記憶部38aに記憶する(ステップ307)。具体的には、文書画像生成部32が保持する第1の電子文書の文書画像を受け取り、これを変換して第2の電子文書を生成する。ここで、第2の電子文書は、第1の電子文書の印刷イメージの変更を制限する形式として生成することもできる。このような第2の電子文書の形式としては、富士ゼロックス社の「DocuWorks」における「XDW形式」や、米国アドビシステムズ社の「Acrobat」における「PDF形式」等がある。
また、このとき、文書管理部37は、第2の電子文書に対して、これを一意に識別する第2文書IDを付与しておく。
【0035】
また、文書管理部37は、媒体IDと、第1文書IDと、第1の電子文書におけるページ番号と、第2文書IDとを関連付けて、管理情報記憶部38bに記憶する(ステップ308)。ここで、媒体IDは、コード画像生成部33が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。また、ページ番号は、文書画像生成部32が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。更に、第2文書IDは、ステップ307で生成したものを用いる。
以上により、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作は終了する。
【0036】
ここで、本実施の形態で生成されるコード画像について説明しておく。
図5は、コード画像の元となるコードパターンを示した図である。
まず、コードパターンを構成するビットパターンについて説明する。
図5(a)に、ビットパターンの配置の一例を示す。
ビットパターンとは、情報埋め込みの最小単位である。ここでは、図5(a)に示すように、9箇所の中から選択した2箇所にビットを配置する。図では、黒の四角が、ビットが配置された位置を示し、斜線の四角が、ビットが配置されていない位置を示している。9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは、36(=9C2)通りある。従って、このような配置方法により、36通り(約5.2ビット)の情報を表現することができる。
【0037】
ところで、図5(a)に示した最小の四角は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、この最小の四角の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。コードパターンを構成するドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、ドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。これにより、プリンタで印刷可能な最適な大きさのドットを形成することができる。つまり、84.6μm×84.6μmが、プリンタで安定的に形成可能な最小の大きさなのである。
尚、ドットをこのような大きさにすることで、1つのビットパターンの一辺は、約0.5mm(=0.0423mm×2×6)となる。
【0038】
また、このようなビットパターンから構成されるコードパターンについて説明する。
図5(b)に、コードパターンの配置の一例を示す。
ここで、図5(b)に示した最小の四角が、図5(a)に示したビットパターンに相当する。尚、図5(a)では、1つのビットパターンで36通りの情報を表現できるものとして説明したが、このコードパターンにおいて、1つのビットパターンは、同期符号を除き、32通り(5ビット)の情報を表現するものとする。
【0039】
そして、識別情報を符号化した識別符号は、16(=4×4)個のビットパターンを使用して埋め込まれる。また、X方向の位置情報を符号化したX位置符号と、Y方向の位置情報を符号化したY位置符号とは、それぞれ、4個のビットパターンを使用して埋め込まれる。更に、左上角部に、コードパターンの位置と回転を検出するための同期符号が、1つのビットパターンを使用して埋め込まれる。
尚、1つのコードパターンの大きさは、ビットパターンの5個分の幅に等しいため、約2.5mmとなる。本実施の形態では、このように生成したコードパターンを画像化したコードパターン画像を、用紙全面に配置する。
【0040】
ところで、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いる。しかしながら、媒体ごとに異なる位置情報をコード画像に埋め込み、その位置情報の違いにより媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法を採用した場合は、位置情報に媒体を識別する機能も備わっているものと見て、これを識別情報と考えるものとする。
【0041】
また、本実施の形態で生成される管理情報についても説明しておく。
図6は、管理情報の一例を示した図である。
図示するように、管理情報は、媒体IDと、第1文書IDと、ページと、第2文書IDとを対応付けたものとなっている。即ち、どの第1の電子文書のどのページが、どの媒体に印刷され、その際にどの第2の電子文書が生成されたかが分かるようになっている。
尚、図6は、図2で示した模式図と全く同様の対応関係をテーブル形式で示したものである。
【0042】
次に、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作について説明する。
例えば、ユーザが印刷文書40に対して電子ペン60を用いて筆記したとする。すると、電子ペン60が、印刷文書40上のコード画像を読み取り、コード画像から媒体IDを抽出して端末装置10に送信する。そして、端末装置10が、画像形成装置30に媒体IDを送信し、第2の電子文書の送信を要求する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0043】
図7は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、端末装置10から媒体IDを受信し、これを文書管理部37に渡す(ステップ321)。
すると、文書管理部37は、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報を、媒体IDをキーとして検索し、媒体IDに対応する第2文書IDを取得する(ステップ322)。
そして、文書管理部37は、この取得した第2文書IDに基づいて、文書記憶部38aから第2の電子文書を読み出す(ステップ323)。例えば、全ての第2の電子文書を同じフォルダの配下に格納し、第2の電子文書のファイル名を第2文書IDとすれば、第2文書IDを用いて即座に第2の電子文書を読み出すことができる。そして、文書管理部37は、読み出した第2の電子文書を通信部31に渡す。
これにより、通信部31は、渡された第2の電子文書を端末装置10に対して送信する(ステップ324)。
以上により、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作は終了する。
【0044】
また、本実施の形態では、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報に基づいて文書間の派生関係を作成できるようになっている。ここで、文書間の派生関係には、例えば、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係がある。そして、派生関係作成部39は、作成した派生関係を通信部31に渡し、その派生関係を通信部31が他の装置に送信する。尚、先に述べたように、派生関係は、他の装置にて例えば図2のように表示される。
【0045】
[第2の実施の形態]
まず、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置30の構成について説明する。
図8は、画像形成装置30の機能構成を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、通信部31と、文書画像生成部32と、コード画像生成部33と、画像合成部34と、印刷制御部35と、印刷部36と、文書管理部37と、管理情報記憶部38bと、派生関係作成部39とを備える。
ここで、本実施の形態においては、文書記憶部38aが備わっていない点で、第1の実施の形態と異なる。その他の構成要素については、第1の実施の形態で述べたものと略同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置30の動作について説明する。尚、画像形成装置30の動作も、大きく2つに分けられる。1つは、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作であり、もう1つは、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作である。
まず、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作について説明する。
この場合、ユーザは、印刷したい第1の電子文書を指定する。すると、端末装置10は、文書サーバ20から第1の電子文書を取得し、自身のメモリに展開する。その後、ユーザが第1の電子文書の印刷を指示すると、端末装置10が画像形成装置30に対して第1の電子文書の印刷を指示する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0047】
図9は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
ここで、ステップ351〜ステップ356については、図4のステップ301〜306と略同様であるので、詳しい説明を省略する。
但し、ステップ352で文書画像を生成した後、本実施の形態では、第1の実施の形態と違い、ページ番号、レイアウト情報を第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0048】
その後、ステップ356での印刷が完了すると、その旨が文書管理部37に伝えられる。そして、文書管理部37が、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する動作を開始する。
即ち、文書管理部37は、印刷文書50における印刷イメージを持つ第2の電子文書を生成するために、媒体IDと、第1文書IDと、第1の電子文書におけるページ番号と、レイアウト情報と、第2文書IDとを関連付けて、管理情報記憶部38bに記憶する(ステップ357)。ここで、媒体IDは、コード画像生成部33が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。また、ページ番号及びレイアウト情報は、文書画像生成部32が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。更に、第2文書IDは、このときに生成したものを用いる。
以上により、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作は終了する。
【0049】
ここで、本実施の形態で生成されるコード画像は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
また、本実施の形態で生成される管理情報について説明しておく。
図10は、管理情報の一例を示した図である。
図示するように、管理情報は、媒体IDと、第1文書IDと、ページと、印刷順序と、余白と、第2文書IDとを対応付けたものとなっている。即ち、どの第1の電子文書のどのページが、どの媒体に印刷され、その際にどのようなレイアウトが指定されたかが分かるようになっている。ところで、図では、レイアウト情報として、印刷順序と余白の情報のみが設定されているが、これはあくまで一例であって、その他の如何なる情報が設定されていてもよい。
尚、図10は、図2で示した模式図と全く同様の対応関係をテーブル形式で示したものである。
【0050】
次に、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作について説明する。
例えば、ユーザが印刷文書40に対して電子ペン60を用いて筆記したとする。すると、電子ペン60が、印刷文書40上のコード画像を読み取り、コード画像から媒体IDを抽出して端末装置10に送信する。そして、端末装置10が、画像形成装置30に媒体IDを送信し、第2の電子文書の送信を要求する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0051】
図11は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、端末装置10から媒体IDを受信し、これを文書管理部37に渡す(ステップ371)。
すると、文書管理部37は、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報を、媒体IDをキーとして検索し、媒体IDに対応する第1文書ID、ページ、レイアウト情報を取得する(ステップ372)。
そして、文書管理部37は、この取得した情報のうち、まず、第1文書IDに基づいて第1の電子文書を読み出す。次に、第1の電子文書のページのうち、ステップ372で特定したページを、同じくステップ372で取得したレイアウト情報に基づいて変換することで第2の電子文書を生成する(ステップ373)。そして、これに第2文書IDを付与し、通信部31に渡す。
これにより、通信部31は、渡された第2の電子文書を端末装置10に対して送信する(ステップ374)。
以上により、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作は終了する。
【0052】
また、本実施の形態では、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報に基づいて文書間の派生関係を作成できるようになっている。ここで、文書間の派生関係には、例えば、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係がある。そして、派生関係作成部39は、作成した派生関係を通信部31に渡し、その派生関係を通信部31が他の装置に送信する。尚、先に述べたように、派生関係は、他の装置にて例えば図2のように表示される。
【0053】
尚、上記第1及び第2の実施の形態では、電子ペン60が印刷文書50からコード画像を読み取り、そのコード画像から識別情報及び位置情報を取り出す際の動作については詳細に説明しなかった。従って、ここで、電子ペン60の機構及び動作について詳しく説明しておく。
【0054】
図12は、電子ペン60の機構を示した図である。
図示するように、電子ペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。また、制御回路61は、入力画像から検出したコード画像を処理する画像処理部61aと、そこでの処理結果から識別情報及び位置情報を抽出するデータ処理部61bとを含む。
そして、制御回路61には、電子ペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。また、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、画像を入力する赤外CMOS64も接続されている。更に、識別情報及び位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、ペンを駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68も接続されている。
【0055】
ここで、この電子ペン60の動作の概略を説明する。
電子ペン60による筆記が行われると、ペンチップ69に接続された圧力センサ62が、筆記動作を検出する。これにより、赤外LED63が点灯し、赤外CMOS64がCMOSセンサによって媒体上の画像を撮像する。
尚、赤外LED63は、消費電力を抑制するために、CMOSセンサのシャッタタイミングに同期させてパルス点灯する。
また、赤外CMOS64は、撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッタ方式のCMOSセンサを使用する。そして、赤外領域に感度があるCMOSセンサを使用する。また、外乱の影響を低減するために、CMOSセンサ全面に可視光カットフィルタを配置している。CMOSセンサは、70fps〜100fps(frame per second)程度の周期で、画像を撮像する。尚、撮像素子はCMOSセンサに限定するものではなく、CCD等、他の撮像素子を使用してもよい。
【0056】
このように撮像した画像が制御回路61に入力されると、制御回路61は、撮像した画像からコード画像を取得する。そして、それを復号し、コード画像に埋め込まれている識別情報及び位置情報を取得する。
以下、このときの制御回路61の動作について説明する。
図13は、制御回路61の動作を示したフローチャートである。
まず、画像処理部61aは、画像を入力する(ステップ601)。そして、画像に含まれるノイズを除去するための処理を行う(ステップ602)。ここで、ノイズとしては、CMOS感度のばらつきや電子回路により発生するノイズ等がある。ノイズを除去するために如何なる処理を行うかは、電子ペン60の撮像系の特性に応じて決定すべきである。例えば、ぼかし処理やアンシャープマスキング等の先鋭化処理を適用することができる。
【0057】
次に、画像処理部61aは、画像からドットパターン(ドット画像の位置)を検出する(ステップ603)。例えば、2値化処理によりドットパターン部と背景部とを切り分け、2値化された個々の画像位置からドットパターンを検出することができる。2値化画像にノイズ成分が多数含まれる場合は、例えば、2値化画像の面積や形状によりドットパターンの判定を行うフィルタ処理を組み合わせる必要がある。
また、画像処理部61aは、検出したドットパターンを2次元配列上のデジタルデータに変換する(ステップ604)。例えば、2次元配列上で、ドットがある位置を「1」、ドットがない位置を「0」というように変換する。そして、この2次元配列上のデジタルデータは、画像処理部61aからデータ処理部61bへと受け渡される。
【0058】
次いで、データ処理部61bは、受け渡されたデジタルデータから、図5(a)に示した2つのドットの組み合わせからなるビットパターンを検出する(ステップ605)。例えば、ビットパターンに対応するブロックの境界位置を2次元配列上で動かし、ブロック内に含まれるドットの数が2つになるような境界位置を検出することにより、ビットパターンを検出することができる。
このようにしてビットパターンが検出されると、データ処理部61bは、ビットパターンの種類を参照することにより、同期符号を検出する(ステップ606)。そして、同期符号からの位置関係に基づいて、識別符号及び位置符号を検出する(ステップ607)。
その後、データ処理部61bは、識別符号を復号して識別情報を取得し、位置符号を復号して位置情報を取得する(ステップ608)。識別符号については、RS復号処理を施すことで識別情報を得る。一方、位置符号については、読み出した部分系列の位置を、画像生成時に使用したM系列と比較することで、位置情報を得る。
そして最後に、電子ペン60は、識別情報及び位置情報を端末装置10に送信する。
【0059】
また、上記第1及び第2の実施の形態において、電子文書の印刷指示は、端末装置10から画像形成装置30へ送られ、印刷文書50における電子文書のページの配置情報は、画像形成装置30で管理される構成を前提として説明したが、かかる構成には限らない。
即ち、まず、電子文書の印刷指示は、端末装置10からの要求に応じて、図示しないプリントサーバから画像形成装置30へ送られるものであってもよい。ここで、プリントサーバは、文書サーバ20を兼ねていてもよい。
そして、印刷文書50における電子文書のページの配置情報は、端末装置10又は文書サーバ20が管理するものであってもよいし、端末装置10、文書サーバ20、画像形成装置30のいずれか2つが分担して管理するものであってもよい。前者の場合、画像形成装置30が配置情報を生成したとするとそれを端末装置10又は文書サーバ20に送信することになるが、端末装置10又は文書サーバ20が配置情報を生成して記憶する構成でもよい。一方、後者の場合は、例えば、ある装置が第2の電子文書を記憶し、別の装置が管理情報にて第2の電子文書の記憶場所を管理する、といった構成が考えられる。
【0060】
このように、本実施の形態にて配置情報を管理する文書管理装置は、汎用のコンピュータ100で実現することができる。
そこで、このコンピュータ100について説明しておく。
図14は、コンピュータ100のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ100は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、記憶手段であるメインメモリ102及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)103とを備える。ここで、CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ102は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置103は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ100は、外部との通信を行うための通信I/F104と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構105と、キーボードやマウス等の入力デバイス106とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの全体構成を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の概要について説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における第1の電子文書の印刷時の動作を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態で用いるコードパターンを説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における管理情報の一例を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第2の電子文書の取得時の動作を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における第1の電子文書の印刷時の動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における管理情報の一例を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における第2の電子文書の取得時の動作を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における電子ペンの機構を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態における電子ペンの動作を示したフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態を適用可能なコンピュータのハードウェア構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
10…端末装置、20…文書サーバ、30…画像形成装置、50…印刷装置、60…電子ペン、90…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙の世界と電子の世界を結び付けるための技術が着目されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、紙文書を識別するための紙IDをエンコードした符号化紙IDを紙文書に印刷すると共に、電子文書に対して割り当てられる文書IDと紙IDとを関連付けている。そして、符号化紙IDが印刷された紙文書から、デコードされた紙IDを取得すると共に、手書きされた部分の情報である筆記画像情報を抽出し、この筆記画像情報を、筆記画像情報が取得された電子文書の文書IDを含む属性情報とともに保存して管理している。
【0003】
【特許文献1】特開2005−346459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで一般に、電子文書を紙等の媒体に印刷し、印刷文書として出力する場合において、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることには困難が伴う。それは、印刷文書はページで区切られて出力されるが、電子文書は同じように区切られたページとして管理されているわけではないからである。例えば、Webページを構成する電子文書は、そもそもページという概念を持っていない。また、電子文書がページの概念を持っていたとしても、印刷する際にレイアウト変更等を行った場合には、電子文書におけるページと印刷文書におけるページとの対応関係が崩れてしまうからである。
【0005】
本発明は、以上のような背景の下でなされたものであって、その目的は、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の文書管理装置は、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する生成手段と、この生成手段により生成された第2の電子文書を記憶する記憶手段とを備えている。
【0007】
ここで、記憶手段は、第2の電子文書に対して媒体を関連付けた管理情報を更に記憶してもよい。また、第2の電子文書に対して、媒体と、第1の電子文書とを関連付けた管理情報を更に記憶してもよい。
更に、第1の文書管理装置は、記憶手段に記憶された管理情報に基づいて、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係、又は、第1の電子文書から媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたものであってもよい。
【0008】
本発明の第2の文書管理装置は、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、第1の電子文書とレイアウト情報とを関連付けた管理情報を記憶する記憶手段とを備えている。
【0009】
ここで、記憶手段は、第1の電子文書とレイアウト情報との組み合わせに対して媒体を更に関連付けた管理情報を記憶してもよい。
また、第2の文書管理装置は、記憶手段に記憶された管理情報に基づいて、第1の電子文書から媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたものであってもよい。
【0010】
本発明の第1のプログラムは、コンピュータに、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する機能と、生成された第2の電子文書を所定の記憶装置に記憶する機能とを実現させるためのものである。
【0011】
本発明の第2のプログラムは、コンピュータに、第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、第1の電子文書のページをレイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、第1の電子文書とレイアウト情報とを関連付けた管理情報を所定の記憶装置に記憶する機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項2の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための電子文書に対して、印刷文書を操作することでアクセスできるという効果がある。
請求項3の発明には、印刷された電子文書に対しても、印刷文書を操作することによりアクセスすることができるという効果がある。
請求項4の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための情報を用いて、文書間の派生関係の把握も行えるという効果がある。
請求項5の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項6の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための電子文書に対して、印刷文書を操作することでアクセスできるという効果がある。
請求項7の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させるための情報を用いて、文書間の派生関係の把握も行えるという効果がある。
請求項8の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
請求項9の発明には、印刷文書上の位置と電子文書上の位置とを正確に連携させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について詳細に説明する。
まず、本実施の形態が適用されるコンピュータシステムについて説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成を示した図である。
図示するように、このコンピュータシステムは、端末装置10と、文書サーバ20と、画像形成装置30とがネットワーク90に接続されることにより構成されている。また、コンピュータシステムは、印刷文書50と、電子ペン60とを含む。
【0014】
端末装置10は、電子文書の印刷を指示するために用いられる。また、電子ペン60から送られた情報を画像形成装置30へ転送するためにも用いられる。尚、この端末装置10としては、PC(Personal Computer)が例示される。
文書サーバ20は、電子文書を記憶している。そして、端末装置10から電子文書の印刷指示があると、指定された電子文書を端末装置10に提供する。
画像形成装置30は、端末装置10から電子文書の印刷指示を受信すると、電子文書の文書画像を紙等の媒体に印刷する。その際、媒体を識別する識別情報と、媒体上の位置を特定する位置情報とを表すコード画像も媒体に印刷する。また、本実施の形態において、画像形成装置30は、印刷対象の電子文書のページを印刷時の設定に従ってレイアウトした他の電子文書を生成する機能も有する。更に、電子文書が印刷された媒体に対する操作に応じて、その電子文書から生成された他の電子文書を提供する機能も有する。
【0015】
印刷文書50は、文書画像とコード画像とを合成した合成画像を画像形成装置30が媒体に印刷することで得られる例えば紙文書である。
電子ペン60は、印刷文書50に文字又は図形を記録する機能を有するペンデバイスである。また、印刷文書50上のコード画像から識別情報及び位置情報を取得し、これらの情報を端末装置10に送信する機構も有する。
ネットワーク90は、インターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0016】
かかるコンピュータシステムにて、印刷文書50に対し電子ペン60で筆記する場合を考える。ここで、印刷文書50には、前述のように、媒体を識別する識別情報と、媒体上の位置を特定する位置情報とを表すコード画像が印刷されている。従って、電子ペン60は、このコード画像を機械的に読み取ることで、識別情報及び位置情報を取得することができる。このうち、位置情報を用いることで、印刷文書50に対する筆記の軌跡を電子データとして得ることができる。また、媒体の識別情報と媒体に印刷された電子文書との対応関係が管理されていれば、識別情報を用いることで、筆記の軌跡を電子文書に電子データとして付加することも可能となる。
【0017】
ところが、印刷文書50が特殊なレイアウトで印刷されたものである場合には、印刷文書50に対する筆記が電子文書上で正しく再現されないという状況が生じる。
例えば、このような特殊なレイアウトとして、Nアップがある。Nアップとは、電子文書のNページを媒体の1ページに割り付けるレイアウトである。このNアップにおいては、通常、電子文書のNページを媒体の1ページに割り付ける場合の割付順序も指定できるようになっている。しかし、電子文書におけるページの並び順と一致しない割付順序を指定した場合、印刷文書50に対する筆記を電子文書上で正しく再現することは益々困難になってしまう。
【0018】
従って、本実施の形態では、電子文書を媒体に印刷して印刷文書50を出力するときに、印刷文書50上での電子文書のページの配置情報を記憶しておく。即ち、電子文書の識別情報と媒体の識別情報との繋がりだけでなく、電子文書の各ページが媒体のどの位置に配置されたかも管理しておくのである。この場合、配置情報は、イメージによって、又は、そのイメージを生成するための情報によって管理することが可能である。
【0019】
次に、本実施の形態の概要について説明する。
図2は、本実施の形態の概要を模式的に示した図である。
図示するように、本実施の形態では、印刷対象の電子文書(第1の電子文書)が媒体に印刷され、その際、第1の電子文書のページを印刷時の設定に基づいてレイアウトした電子文書(第2の電子文書)が生成される。
即ち、図中、「Dxxx」は、第1の電子文書の識別情報(以下、「第1文書ID」という)を表し、「Pxxx」は、媒体の識別情報(以下、「媒体ID」という)を表す。また、「Ixxx(n1,n2,…)」のうち、「Ixxx」は、第2の電子文書の識別情報(以下、「第2文書ID」という)を表し、括弧内の「n1」、「n2」、…は、対応する媒体に印刷された第1の電子文書のページの番号を示している。つまり、括弧内にN個の数値が記述されていれば、第1の電子文書はNアップで印刷されたものと判断できる。
【0020】
例えば、第1の電子文書「D101」については、その1ページ目が媒体「P001」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I001」が生成されている。また、第1の電子文書「D102」については、その1ページ目及び2ページ目が媒体「P002」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I002」が生成されると共に、その3ページ目及び4ページ目が媒体「P003」に印刷され、そのときのレイアウトを反映した第2の電子文書「I003」が生成されている。
尚、ここでは、図2を、第1の電子文書と、第2の電子文書と、媒体との対応関係を模式的に示すものとして示した。しかしながら、このような模式図は、後述するように、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係を解析し、これを表示した場合の表示例として捉えることもできる。
【0021】
尚、本明細書では、「電子文書」の文言を用いるが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
【0022】
次いで、本実施の形態について詳細に説明する。
ところで、本実施の形態において、第1の電子文書を印刷する際に記憶される配置情報としては、前述したとおり、イメージと、そのイメージを生成するための情報とがある。つまり、前者は、第1の電子文書を印刷する際に、印刷時のレイアウトを反映した第2の電子文書を生成して記憶しておく場合である。また、後者は、第1の電子文書を印刷する際にそのような第2の電子文書を生成するのではなく、第2の電子文書の生成に必要な第1の電子文書の情報及びレイアウトの情報を記憶しておく場合である。
そこで、以下では、前者を第1の実施の形態、後者を第2の実施の形態として説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置30の構成について説明する。
図3は、画像形成装置30の機能構成を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、通信部31と、文書画像生成部32と、コード画像生成部33と、画像合成部34と、印刷制御部35と、印刷部36と、文書管理部37と、文書記憶部38aと、管理情報記憶部38bと、派生関係作成部39とを備える。
【0024】
通信部31は、外部から印刷指示や情報の送信指示を受信する。そして、情報の送信指示に対しては、指定された情報を送信する。尚、情報の送受信は、LAN、RS−232C、セントロニクス、電話回線等、情報を伝達可能なものであれば、いずれの手段により行っても構わない。
文書画像生成部32は、通信部31が受信した第1の電子文書の文書画像を生成する。
コード画像生成部33は、文書画像に埋め込む識別情報及び位置情報を符号化して識別符号及び位置符号を生成する。そして、識別符号及び位置符号を画像化しコード画像を生成する。
画像合成部34は、文書画像とコード画像とを重ね合わせて合成画像を生成する。このとき、文書画像は、可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定され、コード画像は不可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定されている。
印刷制御部35は、画像合成部34で生成した合成画像、印刷部数、媒体のサイズ、媒体上でのレイアウト(例えば、余白)等により、印刷部36を制御する。
【0025】
文書管理部37は、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する。
文書記憶部38aは、文書管理部37が管理する配置情報として生成された第2の電子文書を記憶する。
管理情報記憶部38bは、文書管理部37が配置情報を管理する際に用いる管理情報を記憶する。
派生関係作成部39は、管理情報記憶部38bが記憶する管理情報に基づいて、文書間の派生関係を作成する。
【0026】
尚、これらの機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像形成装置30の図示しないCPUが、通信部31、文書画像生成部32、コード画像生成部33、画像合成部34、印刷制御部35、文書管理部37、派生関係作成部39を実現するプログラムを例えば磁気ディスク装置からメインメモリに読み込んで実行することにより、これらの機能は実現される。また、文書記憶部38a、管理情報記憶部38bは、例えば磁気ディスク装置を用いて実現することができる。更に、磁気ディスク装置に記憶されるプログラムやデータは、CD等の記録媒体からロードしてもよいし、インターネット等のネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0027】
また、印刷部36は、各色のトナー又はインク等に対応する画像に受け取り、媒体に画像を形成する。ここで、印刷部36としては、例えば、電子写真方式による印刷機構を用いることができる。
ところで、本実施の形態では、文書画像は可視トナーで形成し、コード画像は例えば赤外領域に吸収波長を持つ不可視トナーで形成することを前提としている。従って、印刷部36は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色トナー用の画像形成ユニットに加え、不可視トナー用の画像形成ユニットを有する。或いは、Y、M、C、Kの各色トナー用の画像形成ユニットのうちの1つを不可視トナー用の画像形成ユニットに置き換えたものであってもよい。そして、印刷部36がかかる構成を有することにより、文書画像を可視トナーで形成し、それに重ねてコード画像を不可視トナーで形成することが可能になっている。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置30の動作について説明する。尚、画像形成装置30の動作は、大きく2つに分けられる。1つは、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作であり、もう1つは、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作である。
まず、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作について説明する。
この場合、ユーザは、印刷したい第1の電子文書を指定する。すると、端末装置10は、文書サーバ20から第1の電子文書を取得し、自身のメモリに展開する。その後、ユーザが第1の電子文書の印刷を指示すると、端末装置10が画像形成装置30に対して第1の電子文書の印刷を指示する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0029】
図4は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、第1の電子文書の印刷指示を受信する(ステップ301)。ここで、印刷指示には、第1の電子文書、第1文書ID、第1の電子文書における印刷対象のページ番号、印刷部数、印刷する際のレイアウトに関する情報(以下、「レイアウト情報」という)、コード画像に埋め込む位置情報等が含まれる。このうち、レイアウト情報としては、例えば、媒体のサイズ、媒体上の余白の設定、1つの媒体に印刷する電子文書のページ数(Nアップの情報)、1つの媒体に複数のページを印刷するときの印刷順序(Nアップにおける印刷順序)、縮倍率が考えられる。また、位置情報とは、例えば、媒体上の位置を特定するために使用される座標の開始番地及び終了番地であり、レイアウト情報中の媒体のサイズ等によって決められる。
尚、印刷指示は、例えば、PDL(Page Description Language)の形式で送信される。
そして、通信部31は、第1の電子文書、第1文書ID、ページ番号、印刷部数、レイアウト情報を文書画像生成部32に渡す。また、第1文書ID、位置情報をコード画像生成部33に渡す。
【0030】
すると、文書画像生成部32は、通信部31から渡された第1の電子文書を、同じく通信部31から渡されたレイアウト情報に従って画像化し、文書画像を生成する(ステップ302)。そして、文書画像生成部32は、ここで生成した文書画像を画像合成部34に渡すと共に、文書画像、ページ番号を第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0031】
一方、コード画像生成部33は、通信部31から渡された情報に基づいて、識別情報及び位置情報を表すコード画像を生成する(ステップ303)。
ここで、識別情報は、媒体を一意に識別する媒体IDである。この媒体IDは、例えば、画像形成装置30を特定する情報と画像形成装置30で印刷される個々の媒体を特定する情報とを組み合わせることで生成される。尚、画像形成装置30で印刷された個々の媒体を特定する情報としては、日時情報が考えられる。或いは、カウンタ情報(画像形成装置30で印刷された紙の累積枚数等)であってもよい。但し、カウンタ情報を用いる場合は、必要なカウンタ値の個数を求めるために、通信部31からページ番号、印刷部数、Nアップの情報を受け取っておくことが必要になる。つまり、基本的には、印刷するページ数に印刷部数を乗じて得られる数のカウンタ値を用意する。但し、Nアップの場合は、これも考慮される。例えば、電子文書の10ページを2アップ指定で5部印刷する場合は、25(=10÷2×5)個のカウンタ値が必要となる。
また、位置情報としては、通信部31から渡された位置情報を用いる。但し、位置情報を外部から与えず、コード画像生成部33で生成するようにしてもよい。その場合は、通信部31から媒体のサイズを受け取り、これを用いて位置情報を生成する。
そして、コード画像生成部33は、ここで生成したコード画像を画像合成部34に渡すと共に、媒体IDを第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0032】
その後、画像合成部34は、ステップ302で生成した文書画像と、ステップ303で生成したコード画像とを第1文書IDにより組み合わせ、これらを重ね合わせて合成画像を生成する(ステップ304)。このとき、コード画像は、不可視のトナー又はインク等で媒体に印刷されるように設定されている。但し、図示しない残量検知部が、不可視のトナー又はインク等の残量がなくなったり一定値以下になったりしたことを検知した場合、印刷処理自体を中止したり、コード画像を重ね合わせない印刷を行ったりしてもよい。
【0033】
そして、印刷制御部35は、画像合成部34が生成した合成画像を印刷部36に出力する。また、その際、印刷部数、媒体のサイズ、レイアウト等により、合成画像が印刷されるよう印刷部36を制御する(ステップ305)。
これにより、印刷部36が、例えば、電子写真方式により合成画像を媒体上に印刷する(ステップ306)。このとき、既に述べたように、文書画像は可視トナーで印刷し、コード画像は赤外領域に吸収波長を持つ不可視トナーで印刷する。
【0034】
印刷が完了すると、その旨が文書管理部37に伝えられる。そして、文書管理部37が、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する動作を開始する。
即ち、まず、文書管理部37は、印刷文書50における印刷イメージを持つ第2の電子文書を生成し、文書記憶部38aに記憶する(ステップ307)。具体的には、文書画像生成部32が保持する第1の電子文書の文書画像を受け取り、これを変換して第2の電子文書を生成する。ここで、第2の電子文書は、第1の電子文書の印刷イメージの変更を制限する形式として生成することもできる。このような第2の電子文書の形式としては、富士ゼロックス社の「DocuWorks」における「XDW形式」や、米国アドビシステムズ社の「Acrobat」における「PDF形式」等がある。
また、このとき、文書管理部37は、第2の電子文書に対して、これを一意に識別する第2文書IDを付与しておく。
【0035】
また、文書管理部37は、媒体IDと、第1文書IDと、第1の電子文書におけるページ番号と、第2文書IDとを関連付けて、管理情報記憶部38bに記憶する(ステップ308)。ここで、媒体IDは、コード画像生成部33が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。また、ページ番号は、文書画像生成部32が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。更に、第2文書IDは、ステップ307で生成したものを用いる。
以上により、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作は終了する。
【0036】
ここで、本実施の形態で生成されるコード画像について説明しておく。
図5は、コード画像の元となるコードパターンを示した図である。
まず、コードパターンを構成するビットパターンについて説明する。
図5(a)に、ビットパターンの配置の一例を示す。
ビットパターンとは、情報埋め込みの最小単位である。ここでは、図5(a)に示すように、9箇所の中から選択した2箇所にビットを配置する。図では、黒の四角が、ビットが配置された位置を示し、斜線の四角が、ビットが配置されていない位置を示している。9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは、36(=9C2)通りある。従って、このような配置方法により、36通り(約5.2ビット)の情報を表現することができる。
【0037】
ところで、図5(a)に示した最小の四角は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、この最小の四角の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。コードパターンを構成するドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、ドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。これにより、プリンタで印刷可能な最適な大きさのドットを形成することができる。つまり、84.6μm×84.6μmが、プリンタで安定的に形成可能な最小の大きさなのである。
尚、ドットをこのような大きさにすることで、1つのビットパターンの一辺は、約0.5mm(=0.0423mm×2×6)となる。
【0038】
また、このようなビットパターンから構成されるコードパターンについて説明する。
図5(b)に、コードパターンの配置の一例を示す。
ここで、図5(b)に示した最小の四角が、図5(a)に示したビットパターンに相当する。尚、図5(a)では、1つのビットパターンで36通りの情報を表現できるものとして説明したが、このコードパターンにおいて、1つのビットパターンは、同期符号を除き、32通り(5ビット)の情報を表現するものとする。
【0039】
そして、識別情報を符号化した識別符号は、16(=4×4)個のビットパターンを使用して埋め込まれる。また、X方向の位置情報を符号化したX位置符号と、Y方向の位置情報を符号化したY位置符号とは、それぞれ、4個のビットパターンを使用して埋め込まれる。更に、左上角部に、コードパターンの位置と回転を検出するための同期符号が、1つのビットパターンを使用して埋め込まれる。
尚、1つのコードパターンの大きさは、ビットパターンの5個分の幅に等しいため、約2.5mmとなる。本実施の形態では、このように生成したコードパターンを画像化したコードパターン画像を、用紙全面に配置する。
【0040】
ところで、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いる。しかしながら、媒体ごとに異なる位置情報をコード画像に埋め込み、その位置情報の違いにより媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法を採用した場合は、位置情報に媒体を識別する機能も備わっているものと見て、これを識別情報と考えるものとする。
【0041】
また、本実施の形態で生成される管理情報についても説明しておく。
図6は、管理情報の一例を示した図である。
図示するように、管理情報は、媒体IDと、第1文書IDと、ページと、第2文書IDとを対応付けたものとなっている。即ち、どの第1の電子文書のどのページが、どの媒体に印刷され、その際にどの第2の電子文書が生成されたかが分かるようになっている。
尚、図6は、図2で示した模式図と全く同様の対応関係をテーブル形式で示したものである。
【0042】
次に、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作について説明する。
例えば、ユーザが印刷文書40に対して電子ペン60を用いて筆記したとする。すると、電子ペン60が、印刷文書40上のコード画像を読み取り、コード画像から媒体IDを抽出して端末装置10に送信する。そして、端末装置10が、画像形成装置30に媒体IDを送信し、第2の電子文書の送信を要求する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0043】
図7は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、端末装置10から媒体IDを受信し、これを文書管理部37に渡す(ステップ321)。
すると、文書管理部37は、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報を、媒体IDをキーとして検索し、媒体IDに対応する第2文書IDを取得する(ステップ322)。
そして、文書管理部37は、この取得した第2文書IDに基づいて、文書記憶部38aから第2の電子文書を読み出す(ステップ323)。例えば、全ての第2の電子文書を同じフォルダの配下に格納し、第2の電子文書のファイル名を第2文書IDとすれば、第2文書IDを用いて即座に第2の電子文書を読み出すことができる。そして、文書管理部37は、読み出した第2の電子文書を通信部31に渡す。
これにより、通信部31は、渡された第2の電子文書を端末装置10に対して送信する(ステップ324)。
以上により、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作は終了する。
【0044】
また、本実施の形態では、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報に基づいて文書間の派生関係を作成できるようになっている。ここで、文書間の派生関係には、例えば、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係がある。そして、派生関係作成部39は、作成した派生関係を通信部31に渡し、その派生関係を通信部31が他の装置に送信する。尚、先に述べたように、派生関係は、他の装置にて例えば図2のように表示される。
【0045】
[第2の実施の形態]
まず、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置30の構成について説明する。
図8は、画像形成装置30の機能構成を示したブロック図である。
図示するように、画像形成装置30は、通信部31と、文書画像生成部32と、コード画像生成部33と、画像合成部34と、印刷制御部35と、印刷部36と、文書管理部37と、管理情報記憶部38bと、派生関係作成部39とを備える。
ここで、本実施の形態においては、文書記憶部38aが備わっていない点で、第1の実施の形態と異なる。その他の構成要素については、第1の実施の形態で述べたものと略同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態における画像形成装置30の動作について説明する。尚、画像形成装置30の動作も、大きく2つに分けられる。1つは、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作であり、もう1つは、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作である。
まず、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作について説明する。
この場合、ユーザは、印刷したい第1の電子文書を指定する。すると、端末装置10は、文書サーバ20から第1の電子文書を取得し、自身のメモリに展開する。その後、ユーザが第1の電子文書の印刷を指示すると、端末装置10が画像形成装置30に対して第1の電子文書の印刷を指示する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0047】
図9は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
ここで、ステップ351〜ステップ356については、図4のステップ301〜306と略同様であるので、詳しい説明を省略する。
但し、ステップ352で文書画像を生成した後、本実施の形態では、第1の実施の形態と違い、ページ番号、レイアウト情報を第1文書IDと関連付けて保持しておく。
【0048】
その後、ステップ356での印刷が完了すると、その旨が文書管理部37に伝えられる。そして、文書管理部37が、印刷文書50上での第1の電子文書のページの配置情報を管理する動作を開始する。
即ち、文書管理部37は、印刷文書50における印刷イメージを持つ第2の電子文書を生成するために、媒体IDと、第1文書IDと、第1の電子文書におけるページ番号と、レイアウト情報と、第2文書IDとを関連付けて、管理情報記憶部38bに記憶する(ステップ357)。ここで、媒体IDは、コード画像生成部33が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。また、ページ番号及びレイアウト情報は、文書画像生成部32が第1文書IDに対応付けて保持しているので、これを取得する。更に、第2文書IDは、このときに生成したものを用いる。
以上により、第1の電子文書を媒体に印刷する際の動作は終了する。
【0049】
ここで、本実施の形態で生成されるコード画像は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
また、本実施の形態で生成される管理情報について説明しておく。
図10は、管理情報の一例を示した図である。
図示するように、管理情報は、媒体IDと、第1文書IDと、ページと、印刷順序と、余白と、第2文書IDとを対応付けたものとなっている。即ち、どの第1の電子文書のどのページが、どの媒体に印刷され、その際にどのようなレイアウトが指定されたかが分かるようになっている。ところで、図では、レイアウト情報として、印刷順序と余白の情報のみが設定されているが、これはあくまで一例であって、その他の如何なる情報が設定されていてもよい。
尚、図10は、図2で示した模式図と全く同様の対応関係をテーブル形式で示したものである。
【0050】
次に、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作について説明する。
例えば、ユーザが印刷文書40に対して電子ペン60を用いて筆記したとする。すると、電子ペン60が、印刷文書40上のコード画像を読み取り、コード画像から媒体IDを抽出して端末装置10に送信する。そして、端末装置10が、画像形成装置30に媒体IDを送信し、第2の電子文書の送信を要求する。これにより、画像形成装置30の動作が開始する。
【0051】
図11は、このときの画像形成装置30の動作を示したフローチャートである。
画像形成装置30では、まず、通信部31が、端末装置10から媒体IDを受信し、これを文書管理部37に渡す(ステップ371)。
すると、文書管理部37は、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報を、媒体IDをキーとして検索し、媒体IDに対応する第1文書ID、ページ、レイアウト情報を取得する(ステップ372)。
そして、文書管理部37は、この取得した情報のうち、まず、第1文書IDに基づいて第1の電子文書を読み出す。次に、第1の電子文書のページのうち、ステップ372で特定したページを、同じくステップ372で取得したレイアウト情報に基づいて変換することで第2の電子文書を生成する(ステップ373)。そして、これに第2文書IDを付与し、通信部31に渡す。
これにより、通信部31は、渡された第2の電子文書を端末装置10に対して送信する(ステップ374)。
以上により、媒体に対する操作に応じて第2の電子文書を取得する際の動作は終了する。
【0052】
また、本実施の形態では、派生関係作成部39が、管理情報記憶部38bに記憶された管理情報に基づいて文書間の派生関係を作成できるようになっている。ここで、文書間の派生関係には、例えば、第1の電子文書から印刷文書50への派生関係、又は、第1の電子文書から第2の電子文書への派生関係がある。そして、派生関係作成部39は、作成した派生関係を通信部31に渡し、その派生関係を通信部31が他の装置に送信する。尚、先に述べたように、派生関係は、他の装置にて例えば図2のように表示される。
【0053】
尚、上記第1及び第2の実施の形態では、電子ペン60が印刷文書50からコード画像を読み取り、そのコード画像から識別情報及び位置情報を取り出す際の動作については詳細に説明しなかった。従って、ここで、電子ペン60の機構及び動作について詳しく説明しておく。
【0054】
図12は、電子ペン60の機構を示した図である。
図示するように、電子ペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。また、制御回路61は、入力画像から検出したコード画像を処理する画像処理部61aと、そこでの処理結果から識別情報及び位置情報を抽出するデータ処理部61bとを含む。
そして、制御回路61には、電子ペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。また、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、画像を入力する赤外CMOS64も接続されている。更に、識別情報及び位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、ペンを駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68も接続されている。
【0055】
ここで、この電子ペン60の動作の概略を説明する。
電子ペン60による筆記が行われると、ペンチップ69に接続された圧力センサ62が、筆記動作を検出する。これにより、赤外LED63が点灯し、赤外CMOS64がCMOSセンサによって媒体上の画像を撮像する。
尚、赤外LED63は、消費電力を抑制するために、CMOSセンサのシャッタタイミングに同期させてパルス点灯する。
また、赤外CMOS64は、撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッタ方式のCMOSセンサを使用する。そして、赤外領域に感度があるCMOSセンサを使用する。また、外乱の影響を低減するために、CMOSセンサ全面に可視光カットフィルタを配置している。CMOSセンサは、70fps〜100fps(frame per second)程度の周期で、画像を撮像する。尚、撮像素子はCMOSセンサに限定するものではなく、CCD等、他の撮像素子を使用してもよい。
【0056】
このように撮像した画像が制御回路61に入力されると、制御回路61は、撮像した画像からコード画像を取得する。そして、それを復号し、コード画像に埋め込まれている識別情報及び位置情報を取得する。
以下、このときの制御回路61の動作について説明する。
図13は、制御回路61の動作を示したフローチャートである。
まず、画像処理部61aは、画像を入力する(ステップ601)。そして、画像に含まれるノイズを除去するための処理を行う(ステップ602)。ここで、ノイズとしては、CMOS感度のばらつきや電子回路により発生するノイズ等がある。ノイズを除去するために如何なる処理を行うかは、電子ペン60の撮像系の特性に応じて決定すべきである。例えば、ぼかし処理やアンシャープマスキング等の先鋭化処理を適用することができる。
【0057】
次に、画像処理部61aは、画像からドットパターン(ドット画像の位置)を検出する(ステップ603)。例えば、2値化処理によりドットパターン部と背景部とを切り分け、2値化された個々の画像位置からドットパターンを検出することができる。2値化画像にノイズ成分が多数含まれる場合は、例えば、2値化画像の面積や形状によりドットパターンの判定を行うフィルタ処理を組み合わせる必要がある。
また、画像処理部61aは、検出したドットパターンを2次元配列上のデジタルデータに変換する(ステップ604)。例えば、2次元配列上で、ドットがある位置を「1」、ドットがない位置を「0」というように変換する。そして、この2次元配列上のデジタルデータは、画像処理部61aからデータ処理部61bへと受け渡される。
【0058】
次いで、データ処理部61bは、受け渡されたデジタルデータから、図5(a)に示した2つのドットの組み合わせからなるビットパターンを検出する(ステップ605)。例えば、ビットパターンに対応するブロックの境界位置を2次元配列上で動かし、ブロック内に含まれるドットの数が2つになるような境界位置を検出することにより、ビットパターンを検出することができる。
このようにしてビットパターンが検出されると、データ処理部61bは、ビットパターンの種類を参照することにより、同期符号を検出する(ステップ606)。そして、同期符号からの位置関係に基づいて、識別符号及び位置符号を検出する(ステップ607)。
その後、データ処理部61bは、識別符号を復号して識別情報を取得し、位置符号を復号して位置情報を取得する(ステップ608)。識別符号については、RS復号処理を施すことで識別情報を得る。一方、位置符号については、読み出した部分系列の位置を、画像生成時に使用したM系列と比較することで、位置情報を得る。
そして最後に、電子ペン60は、識別情報及び位置情報を端末装置10に送信する。
【0059】
また、上記第1及び第2の実施の形態において、電子文書の印刷指示は、端末装置10から画像形成装置30へ送られ、印刷文書50における電子文書のページの配置情報は、画像形成装置30で管理される構成を前提として説明したが、かかる構成には限らない。
即ち、まず、電子文書の印刷指示は、端末装置10からの要求に応じて、図示しないプリントサーバから画像形成装置30へ送られるものであってもよい。ここで、プリントサーバは、文書サーバ20を兼ねていてもよい。
そして、印刷文書50における電子文書のページの配置情報は、端末装置10又は文書サーバ20が管理するものであってもよいし、端末装置10、文書サーバ20、画像形成装置30のいずれか2つが分担して管理するものであってもよい。前者の場合、画像形成装置30が配置情報を生成したとするとそれを端末装置10又は文書サーバ20に送信することになるが、端末装置10又は文書サーバ20が配置情報を生成して記憶する構成でもよい。一方、後者の場合は、例えば、ある装置が第2の電子文書を記憶し、別の装置が管理情報にて第2の電子文書の記憶場所を管理する、といった構成が考えられる。
【0060】
このように、本実施の形態にて配置情報を管理する文書管理装置は、汎用のコンピュータ100で実現することができる。
そこで、このコンピュータ100について説明しておく。
図14は、コンピュータ100のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ100は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、記憶手段であるメインメモリ102及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)103とを備える。ここで、CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ102は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置103は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ100は、外部との通信を行うための通信I/F104と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構105と、キーボードやマウス等の入力デバイス106とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるコンピュータシステムの全体構成を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の概要について説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における第1の電子文書の印刷時の動作を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態で用いるコードパターンを説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における管理情報の一例を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第2の電子文書の取得時の動作を示したフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の機能構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における第1の電子文書の印刷時の動作を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における管理情報の一例を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における第2の電子文書の取得時の動作を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における電子ペンの機構を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態における電子ペンの動作を示したフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態を適用可能なコンピュータのハードウェア構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
10…端末装置、20…文書サーバ、30…画像形成装置、50…印刷装置、60…電子ペン、90…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第2の電子文書を記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記第2の電子文書に対して前記媒体を関連付けた管理情報を更に記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記第2の電子文書に対して、前記媒体と、前記第1の電子文書とを関連付けた管理情報を更に記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された前記管理情報に基づいて、前記第1の電子文書から前記第2の電子文書への派生関係、又は、前記第1の電子文書から前記媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項3記載の文書管理装置。
【請求項5】
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、当該第1の電子文書と当該レイアウト情報とを関連付けた管理情報を記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記第1の電子文書と前記レイアウト情報との組み合わせに対して前記媒体を更に関連付けた前記管理情報を記憶することを特徴とする請求項5記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶された前記管理情報に基づいて、前記第1の電子文書から前記媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項6記載の文書管理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する機能と、
生成された前記第2の電子文書を所定の記憶装置に記憶する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、当該第1の電子文書と当該レイアウト情報とを関連付けた管理情報を所定の記憶装置に記憶する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記第2の電子文書を記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記第2の電子文書に対して前記媒体を関連付けた管理情報を更に記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記第2の電子文書に対して、前記媒体と、前記第1の電子文書とを関連付けた管理情報を更に記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された前記管理情報に基づいて、前記第1の電子文書から前記第2の電子文書への派生関係、又は、前記第1の電子文書から前記媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項3記載の文書管理装置。
【請求項5】
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する取得手段と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、当該第1の電子文書と当該レイアウト情報とを関連付けた管理情報を記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記第1の電子文書と前記レイアウト情報との組み合わせに対して前記媒体を更に関連付けた前記管理情報を記憶することを特徴とする請求項5記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶された前記管理情報に基づいて、前記第1の電子文書から前記媒体上の印刷文書への派生関係を作成する派生関係作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項6記載の文書管理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成する機能と、
生成された前記第2の電子文書を所定の記憶装置に記憶する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
第1の電子文書を媒体に印刷する際のレイアウト情報を取得する機能と、
前記第1の電子文書のページを前記レイアウト情報に基づいてレイアウトした電子文書である第2の電子文書を生成するための情報として、当該第1の電子文書と当該レイアウト情報とを関連付けた管理情報を所定の記憶装置に記憶する機能と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−140228(P2008−140228A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326855(P2006−326855)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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