説明

文書間の光受容体の信号検知およびペーパーエッジゴースト発生のフィードバック制御

【課題】コロナ転写システムにおける、ゴースト不具合を最小化するための装置および方法を提供する。
【解決手段】ゴースト発生は、紙の大きさが変更されたときに文書間帯において生じ、電圧および密度を制御するために上記文書間域(IDZ)106を用いることに起因する、プロセス制御の不安定性によって生じる。制御装置が、上記IDZおよびシート域(SZ)102、104の不均一性のフィードバック測定値を検索する。上記測定値に応じて、上記転写電流のIDZレベルが制御され、続く帯電、光放電、および、現像における差を最小化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、イオングラフィックまたは電子写真式の画像処理印刷機器および上記画像処理印刷機械のための、コロナ転写システムに関するものであり、特に、このようなシステムにおけるゴースト発生印刷不具合の出現の改善方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙システムへのゼログラフィック直接転写では、例えば正に帯電した転写コロナのゆえに、差分正帯電の処理に関連したゴースト発生問題が生じる場合がある。シート域(SZ)または文書域(DZ)での紙は、文書間域(IDZ)において光受容体が転写装置の完全な正の電流出力にさらされる間、上記システムの光受容体を陽極コロナから部分的に遮断する。現在の有機光受容体が、帯電の片方の極性を光放電するように設計される。本開示のシステムでは、負に帯電した光受容体を、負に帯電したトナーと、放電領域現像と、正の転写とに組み合わせる。本開示は、帯電の極性のいずれか1つのタイプに限定されない。通常のシステムでは、不均一な残留負帯電を、転写後の消去ステップにおいて光放電することによって最小化できる。しかし、残留正帯電は消去されない。これらの正帯電は、その後の負帯電ステップによってのみ放電されることができる。正帯電が一定ではなく、負帯電ステップが十分にはロバストではないならば、転写後の不均一な帯電は、光受容体層のうちの1つに捕獲されてしまい、その後の光受容体周期における、不均一な帯電と、現像電圧と、不均一な画像密度とをもたらしてしまう。
【0003】
特に、SZとIDZとの間の正帯電が不均一である場合は、何千も印刷するための同じ大きさの紙を有する光受容体の経時変化後、上記不均一性は、光受容体から「離れなく」なる。このことが様々に現れる。前の文書間域が画像域の一部になるように紙の大きさを変えると、前のIDZと画像のSZ部分との間のバンディングを引き起こす密度差が現像される。ここで、上記IDZ帯はSZよりも暗い。さらに、IDZがどちらか一方の電圧測定値、または、静電設定またはプロセス制御のための現像されたパッチ、に用いられる場合、IDZ読取りと画像領域における実際の性能との差がある。このことは、色システムでは、色の安定性および色ずれの問題を引き起こす。さらなる問題は、紙のエッジに相当する光受容体の領域において生じる。上記転写システムは、通常、定電流装置によって動作される。紙域とIDZとの間のインピーダンスの遷移によって、「ペーパーエッジゴースト発生」または「PEG」として知られているさらなるバンディング不具合をもたらす紙のエッジにおける残留帯電の「リンギング」または「エッジ漏れ」が生じる。最後に、紙幅が光受容体幅未満である場合、光受容体の紙ではない内向きのまたは外向きの領域が、IDZ差に対する同様の残留正帯電の差を有し、前の内向きのまたは外向きの紙ではない領域の部分を覆うために、紙の大きさを変える場合には、続く画像の領域が暗くなる。
【0004】
画像形成装置または印刷システムの、光受容体に沿った様々なセンサが、画像および文書間電圧を監視する。センサはまた、文書間域(IDZ)とシート域(SZ)との2つの領域間で直接、現像された密度差を測定するために、密度センサ(例えば、ADC、または、ETACセンサ装置、または、全幅アレイセンサ)といった密度の制御機器を監視できる。これらの測定は、転写地点において供給される転写電流を制御するための装置またはシステムの、制御装置にフィードバックされる。IDZ中に転写電流を変えることにより、画像密度の差を防ぐ効果を有するIDZとSZとの間の観測された光受容体電圧差を低減できる。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、画像形成装置が、光受容体、上記光受容体に帯電を発生させる帯電装置、上記光受容体上での露光をパターン形成する露光地点、および、上記光受容体にトナーを現像する現像地点を有している。上記装置は、転写電流によって光受容体から印刷媒体にトナーを転写するように構成された光受容体に近接した転写位置に、転写地点を有している。1つまたは複数のセンサが、IDZおよびSZにおいて、動作可能に接続されており、上記センサは、1つまたは複数の位置において光受容体に沿って、IDZおよびSZからデータを獲得する。制御装置が、帯電装置と、露光地点と、転写地点への転写電流とを介した光受容体の帯電および露光を制御する。上記制御装置は、光受容体プロファイルデータを制御装置に供給するセンサから、フィードバックループに連結している。上記制御装置は、受信された光受容体プロファイルデータに基づいて、IDZ域内の第1転写電流から第2転写電流に受信されたデータに応じて、転写電流を修正するように構成されている。
【0006】
もう1つの実施形態では、画像形成装置におけるゴースト発生を最小化する方法が、画像形成装置における光受容体の第1領域において第1測定値を得るステップと、画像形成装置における光受容体の第1領域に隣接している第2領域において第2測定値を得るステップとを含む。上記方法はさらに、第1測定値および第2測定値に基づいて光受容体から印刷媒体にトナーを転写する転写装置の転写電流を修正するステップを含み、これにより、第1測定値と第2測定値との差が所定の許容範囲内に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的な画像処理システム装置の概略図である。
【図2】印刷媒体上で生じるペーパーエッジゴーストの説明図である。
【図3】モジュールの様々な部分における電圧差を測定するための、光受容体モジュールおよびセンサの概略図である。
【図4】光受容体の様々な部分において参照される帯電の概略図である。
【図5】6000回の印刷経時変化された光受容体の現像された密度差(標準化されたdEETAC)と、ペーパーストリップ後に測定された時間=0の光受容体の電圧差との相関の概略図である。
【図6】画像処理装置におけるゴースト不具合を最小化するための一般的なプロセスを詳述したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な位置において光受容体のプロファイルを測定し、フィードバック応答において光受容体における転写電流および/または帯電および/または露光を修正する方法およびシステムを、開示する。IDZ領域とSZ領域との差が、上記位置の間で検出されるとき、それらの間の効果的な差を最小化するために、制御アルゴリズムが、IDZにおける帯電および/または露光と同様に転写電流を修正する。例えば、制御アルゴリズムを記憶する制御装置が、これらの効果的な差を制御するために検知された光受容体プロファイルから得られたフィードバックデータに、動的な方法で応答し、これにより、ゴースト不具合を緩和する。
【0009】
図1は、説明するための電子写真式の印刷/画像処理システム100の様々な構成要素を概略的に示す。同様のシステムが、例えば米国特許番号7257357に示されており、これを本願に引用して援用する。図1の印刷機械に用いられる様々な処理地点については、当業者によく知られており、従って、本開示の様々な複数の実施形態を例証するために、ここでは簡単に説明する。
【0010】
図1に示した印刷機械は、光伝導性ベルトまたは任意の適切なタイプの光受容体といった、光伝導体10を用いる。例えば、図示した光伝導性ベルトは、べルトの光伝導性表面の連続的な部分を様々な地点を通って進めるために、矢印12の方向に移動する。図示したように、ベルト10は、自由に回転できるように取り付けられたローラ14と、矢印12の方向にベルトを進めるために様々なローラ14を用いてモータ20によって回転される駆動ローラとに乗せられている。
【0011】
センサ16、16’、16’’は、様々な位置において光伝導性ベルトに沿って電気的なパラメータを測定し、制御装置18へのフィードバックを行う。センサ16、16’、16’’は、光伝導性ベルト10に沿ったそれらの位置、および、それらにおける機能に応じた、電圧レベルと、電流と、トナー密度とに適したデータを獲得する。センサ16、16’、16’’は、光受容体10に沿ったいずれか一地点または複数の位置地点に設置されてもよく、数または位置に関しては図1に示した例によって限定されない。例えば、光受容体10に沿ったセンサの数を、1つのセンサ16、16’、または、16’’から複数のセンサ16、16’、および/または、16’’、および、上記システムに応じた他の数のセンサに変更できる。また、センサを、ESV、ADC、または、ETACセンサといったタイプに変更して、トナー密度、電圧レベルまたは帯電レベル、例えば以下でさらに説明するような光受容体10におけるIDZとSZとの間の転写電流、を監視してもよい。
【0012】
制御装置18は、フィードバック入力部19において、フィードバックループ21における様々なセンサから信号を受信し、受信されたメモリデータに記憶するように構成されている。上記データを、次に、制御装置18のメモリ(図示せず)において、時間に関して光受容体プロファイルにコンパイルできる。従って、センサ16から受信された信号に応じて、制御装置18は、時間とともに記録される電気的な測定値としてデータを解釈し、電気的なパラメータを光受容体ベルト10において調整することができ、光受容体のIDZ領域とSZ領域との間で生じる差分を防止し、さらに、時間とともに生じるゴースト画像を防止する。
【0013】
初めに、ベルト10の一部が、帯電地点Aを通り抜ける。帯電地点Aでは、コロナ発生装置22が、1つの帯電、例えば、比較的高くほぼ一定の負電位に対して、ベルト10の光伝導性表面のSZ部分を帯電する。次に、上記光伝導性表面の帯電した部分は、露光地点Bを介して進む。露光地点Bでは、光伝導性ベルト10の外面が帯電した後、その帯電した部分は露光装置に進む。上記露光装置は、ラスタ出力スキャナ(ROS)28を含み、上記スキャナは、光伝導性ベルト10の外面の帯電した部分を照射して、その上に第1静電潜像を記録するものである。あるいは、例えば、発光ダイオード(LED)を用いてもよい。
【0014】
上記露光装置は、画像の現像を必要とする領域において、光受容体を選択的に照射する。これらの領域における露光量の結果として、光受容体は、選択的に放電され、所望の印刷画像に応じた静電潜像をもたらす。ベルト10は次に、静電潜像を現像地点Cへと前進させる。
【0015】
現像地点Cでは、概して参照符号32によって示される現像装置は、トナー粒子を運搬し、光伝導性表面に記録された静電潜像を現像する。トナー粒子が、現像装置からベルト上の潜像に移動し、ベルト上にトナー粉画像を形成する。上記ベルトは、転写地点Dへと進む。
【0016】
転写地点Dでは、支持材料38のシートは、トナー粉画像と接触しながら移動する。支持材料38は、大量のシート44の中の一番上のシートと接する給紙ロール42を含むことができる給紙装置40によって、転写地点Dに進む。給紙ロール42は回転して、大量のシート44からシュート46へと一番上のシートを進める。シュート46は、ベルト10の光伝導性表面と接触しながら、時間的に計られた順序で支持材料38の前進するシートを方向づけ、これによって、その上で現像されたトナー粉画像は、転写地点Dにおいて、支持材料の前進するシートと接する。転写地点Dは、電流源31からの転写電流を有し、シート38の裏面に陽イオンを吹き付ける、コロナ発生装置48を含む。これにより、光伝導性表面からシート38にトナー粉画像が引き付けられる。転写後、上記シートは、矢印50の方向に、定着地点Eにシートを前進させるコンベヤ(図示せず)で移動し続ける。
【0017】
一実施形態では、制御装置18は、IDZ域およびSZ域において性能の変化作用を緩和するために、帯電地点Aおよび/または露光地点Bにおける帯電および露光を動作可能に構成および再構成できることに加えて、転写地点Dの転写電流を動的に変更する。
【0018】
さらに、定着地点Eは、転写された粉画像をシート38に永久的に付着させる定着装置52を含む。シート38は、定着器ローラ54とバックアップローラ56との間を通過し、トナー粉画像は、定着器ローラ54と接触し、従って、トナー粉画像はシート38に永久的に貼り付けられる。シュート58は次に、シートをキャッチトレイ60に前進させる。残留粒子は、例えばブラシ62を含むことができるクリーニング地点Fにおいて、光伝導性表面から再び移動する。また、消去地点64が、クリーニング地点Fの前または後に供給される消去ステップ用に含まれる。消去地点64によって、次の帯電周期の前に光受容体の電圧が一定の低い電圧レベルになり、残った負帯電はそこから効果的に「消去される」。
【0019】
上記したように、転写地点Dの転写電流は修正される。上記転写電流の変更は、制御装置18がそのフィードバック入力部19において受信するフィードバックに応じて決まる。ゴースト発生が複数の問題を含んでいるので、経過時間に応じて転写電流を変更するために、転写地点における転写電流に対してなされる調整を予防的測定として実施できる。
【0020】
一実施形態では、センサ16が、光受容体ベルト10に沿った位置に設置される。上記光受容体ベルト10は、そこにおけるIDZとSZとの間でのポストストリッピング後に電圧レベルを測定するためのものである。センサ16’’は、現像地点C後に設置され、トナー密度、および/または、例えば周期時間が速くなるか、または、遅くなっている間の紙のない状態でのIDZとSZとの間の電圧差分を測定する。センサ16は、光受容体10でのSZ電圧およびIDZ電圧における両方の画像電圧を監視する。光受容体電圧プロファイルに適したデータに応じて、制御装置18は、そこで転写電流を修正することによって、転写地点Dにおいて電流プロファイルを修正する。例えば、時間とともに記録された電圧プロファイルを、所定の均一のまたは一定のオフセットプロファイルに変更するために、アクチュエータ(図示せず)が、転写地点Dの転写電流の大きさを修正するように構成されていてもよい。差分の測定値が光受容体10のSZおよびIDZから集められると、制御装置18は、電源31からの電流を規制して、例えば所定の容認可能な許容範囲における差を最小化し、これによってゴースト発生の不具合を低減する。
【0021】
転写地点Dでの転写電流は、したがって、制御装置18によって、トナー密度の変化および生じる電圧レベルの差に適したフィードバック入力部19において受信されたデータに応じて、修正される。電圧レベルの差は、例えば、測定される電圧に比例した光受容体における帯電を参照するために測定され、用いられる。特に、コロトロンまたは転写地点Dにおける同様の転写装置が、紙シートの後ろに陽極コロナを有する正帯電を作り出し、画像を転写する。制御装置18によって検索されたフィードバックに応じて、電源31が用いられて、供給される電流の量、および、それゆえに、紙の後ろに注ぐために用いられる正の電流の量を制御する。転写地点Dの転写電流における光受容体プロファイルを修正する利点は、ゴースト発生不具合のように観測されてからの光受容体の長期の経時変化を十分に防止し、光受容体プロファイルをほぼ一定に保つために、または、一定のIDZとSZとのオフセットにおいてフィードバックに応じて転写装置を作動するために用いられる転写電流を動的に調整することによって、動作することである。このことは、密度の変化と、SZの紙の大きさが変更され、SZとIDZとの間の境界線が変更されるときに生じるIDZ領域とSZ領域との間でゴーストが発生するプロセス方向とを最小化するように機能する。
【0022】
さらに、制御装置18は、帯電地点Aに位置する帯電、および/または、露光地点Bに位置する露光を修正できる。例えば、制御装置18は、センサからのフィードバックがIDZ領域とSZ領域との差分を示すとき、帯電レベルおよび露光電圧レベルを修正できる。例えば、フィードバック21は、光受容体のIDZとSZとの間の差分信号として、フィードバック入力部19に供給される。それに応じて、帯電地点Aおよび/または露光地点Bの出力を、転写地点Dを操作する転写電流の変更と同時に、または、上記変更とは別に、修正できる。この加えられた動作の測定の利点は、例えば光受容体から離れなくなったか、または、時間とともに永久的に光受容体になる、光受容体がシグネチャまたはゴースト発生画像不具合を発生させた後で観測された、領域間の実効デルタ(例えば、トナー密度または他のパラメータ)を改善する点である。
【0023】
図2は、印刷および/または画像処理用の画像形成装置または光受容体システムを絶え間なく通過してきた受像媒体102、104の2つのシートを示す。画像処理システムの光受容体を介して同じ大きさの紙を処理した結果、信号が、トナー密度および電圧レベルの差を効果的に引き起こす上記光受容体から、離れなくなる。しかしながらさらに、時間とともにおよび多くのシートの処理に関して、IDZの境界線は、SZ領域に入る。2つのシート102、104は、互いに間隔を空けており、それらの間にIDZ106を生じさせる。1千回露光した後、例えば、IDZ106を組み合わせたおよび上記IDZを含む受像媒体102、104と同じ大きさの一枚の受像媒体108が、光受容体10を備えた画像形成装置を介して処理される。IDZ106に相当する受像媒体108の部分は、1千回の露光から得られるペーパーエッジゴーストを描写している。受像媒体110、112の大きさは、受像媒体108に一致する。間隙部106に相当する受像媒体110、112の部分は、3千回の露光および6千回の露光のそれぞれから得られるペーパーエッジゴーストを示しており、その上のトナー密度は、長期間繰り返されるパターンに従って変化する。
【0024】
図3を参照しながら、静電電圧(ESV)センサ16’’’を図解する。ESVセンサ16’’’は、画像が正帯電によってシート102’に転写される転写地点Dに続くデタック地点Gの後に設置された、ポストストリッピングESVセンサである。デタック地点Gでは、基板がより小さい負帯電によって剥離される。光受容体モジュール10’がデタック地点Gを過ぎて設置されたESVセンサ16’’’によって、方向12’に動いていることが示されている。シート102’のSZとIDZ域106’との間の光受容体プロファイルの変化を監視するために、不均一性の測定が、光受容体上での画像と文書間電圧との両方を監視し、検知される差分信号を発生させるポストストリッピングESVセンサ16’’’によってなされる。
【0025】
図4は、図3のESVセンサ16’’’のデータから集められ、制御装置18によってコンパイルされた光受容体プロファイルについて図解している。図示したプロファイルは、例えば、転写地点および/またはデタックユニットにおけるストリッピング後の時間に応じて生成されたSZ102’電圧と比較されるIDZ106’である。電圧レベル(dV)の差は、図示したように、上記域間で生じる差分を実証し、これにより、光受容体においてゴースト効果を引き起こす。センサは、差分を検出し、フィードバックメカニズムにおける制御装置に信号を送る。差分信号は、図4に示したような光受容体電圧プロファイルといった光受容体に関連したパラメータ、または他のパラメータ、のプロファイルを時間とともに生み出す制御装置によって検索される。
【0026】
図5を参照しながら、T=0ポストストリッピング差分光受容体電圧と、SZとIDZとの両方における画像処理時の1つの媒体の大きさによる経時変化後の、経時変化された光受容体差分画像密度との相関を図解する。ポストストリッピングESVは、例えば、不均一性が光受容体から離れなくなる前に、T=0時の光受容体の電圧の不均一性を測定する。この測定の予備的な相関を、経時変化の6000回の印刷後のゴースト発生の不均一性の測定値と共にここに示す。制御装置18が、ポストストリッピング信号を監視し、IDZ電流を変更して、経時変化されたIDZとSZとの間の密度差がゼロであることに関連のあるポストストリッピングIDZ電圧とSZ電圧との差を維持する。
【0027】
一実施形態では、現像前ESV(例えば、現像地点Cの前)も、周期が速くなるか、または、周期が機能していない中での差分画像領域と文書間光放電電圧とを監視する。上記電圧は、新しいSZが以前のIDZおよびSZの混合物から成るときなど、様々な印刷ジョブ中に紙の大きさを変えることによってゴースト発生を誘導するものである。もう1つの実施形態では、全幅アレイ密度センサを用いて、差分画像と周期が速くなるか、または、周期が遅くなる中での紙を用いない文書間域の現像されたトナー密度とを監視できる。あるいは、ADCまたはETACセンサを用いて、周期が速くなり、周期が遅くなるプロセス中に同様の差分密度を監視できる。しかし、これらの差分信号は、数千回の印刷を実行し、光受容体が「離れなくな」り始めるまで、明示しなくてもよい。このような不具合を防止するため、転写電流は、T=0での開始から修正される。
【0028】
さらに、これらの方法を組み合わせて、IDZ転写電流を変更し、フィードバックにおける制御装置によって所望のレベルに検索されるポストストリッピング信号を修正し、システム経過時間として現像前電圧信号または密度センサを用いてIDZ電流を微調整し、さらに、任意のSZとIDZとの密度差を最小化してもよい。これにより、制御装置に対してフィードバック制御のための検知される光受容体に沿って複数の位置を使用する。
【0029】
画像形成装置におけるゴースト発生を最小化するための例示的な方法600を、図6に示す。上記方法600を図示し、一続きの動作または事象として以下に記載するが、このような動作または事象の図示した順序付けが限定的な意味に解釈されるものではないということが、認識されるだろう。例えば、いくつかの動作が、様々な順序において、および/または、図示したおよび/または本明細書において説明したことから離れた他の動作または事象と同時に、生じてもよい。さらに、図示した全ての動作が、本明細書で説明する1つまたは複数の態様または複数の実施形態を実施するために必要とされなくてもよい。さらに、本明細書で示す動作の1つまたは複数を、1つまたは複数の別々の動作および/または段階において実行してもよい。
【0030】
602では、光受容体の第1領域において、第1測定値を得る。上記測定値は、上記領域上のトナー密度、電圧レベル、露光量などといったパラメータを含む。第1領域は、光受容体10において、IDZ領域またはSZ領域を含む。
【0031】
604では、第1領域に隣接している第2領域において、第2測定値を得る。第2領域は、例えば、第1領域とは異なる、IDZ領域または、SZ領域のいずれかを含む。
【0032】
606では、第1測定値および第2測定値に基づいて、転写電流を修正し、これによって、上記測定値間の差を所定の許容範囲内に維持する。例えば、差分プロファイルが検知されるのを防止し、現れるゴースト不具合を緩和するために、許容範囲は、ほぼゼロであってもよい。
【0033】
一実施形態では、第2領域は、光受容体のSZ領域を含む。この領域が、重なり合う様々な大きさのSZ領域から変更されると、例えば、光受容体のIDZ、電圧レベルにおける差分プロファイル、または、トナー密度が検知される。これによって、順に、印刷装置の制御装置が、転写装置において転写電流を修正するようになる。
【0034】
もう1つの実施形態では、第1測定値および第2測定値は、光受容体に沿って様々な位置において検知される。これらの測定値は、電流、電圧、および/または、露光を修正するために、制御装置に全てフィードバックされ、生じる差分を緩和する。
【0035】
例示的な方法を1つまたは複数の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、および、周辺の集積回路素子、ASICまたは他の集積回路、デジタルシグナルプロセッサ、ディスクリート素子回路といったハードワイヤード電子回路または論理回路、PLD、PLA、FPGA、またはPALといったプログラマブルロジック装置、または同様のものにおいて実施してもよい。一般的には、任意の装置が、図6に示したフローチャートを順に実施できる有限状態機械を実施できる。
【0036】
上記開示された特徴および機能の変形、および、他の特徴および機能の変形、または、それらの代案を、多くの他の様々なシステムまたは用途に組み合わせてもよい、ということが認識されるだろう。以下の請求項によって含まれることが意図される、現在は思いがけないまたは予期しない様々な代案、変形例、変更または改良が、当業者によって今後なされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光受容体と、
上記光受容体に帯電を発生させる帯電装置と、
上記光受容体上での露光をパターン形成する露光地点と、
上記光受容体に画像に関してトナーを現像する現像地点と、
転写電流によって上記光受容体から印刷媒体にトナーを転写するように構成された上記光受容体に近接した転写位置に位置する転写地点と、
文書間域(IDZ)およびシート域(SZ)において動作可能に接続された1つまたは複数のセンサであって、1つまたは複数の位置において上記光受容体に沿って、上記IDZおよび上記SZからデータを獲得する上記センサと、
上記帯電装置と、露光地点と、転写地点への転写電流とを介した上記光受容体の帯電および露光を制御する制御装置であって、光受容体プロファイルデータを上記制御装置に供給する上記センサから、フィードバックループに連結している上記制御装置とを有し、
上記制御装置は、受信された上記光受容体プロファイルデータに基づいて、トナーを転写する第1転写電流から第2転写電流に、IDZの間、上記転写電流を修正するように構成されている、画像形成装置。
【請求項2】
上記制御装置は、上記フィードバックループを介して受信された上記信号に応じて、そこで第1電気量から第2の様々な電気量に、上記帯電と上記第1位置に対する上記露光とを修正するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記制御装置は、受信された上記光受容体プロファイルデータに基づいて、上記光受容体の上記IDZとSZとの間の捕獲された帯電の差を低減する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
上記制御装置は、得られた上記データからの時間に関して、光受容体プロファイルを生成し、上記転写装置、上記露光地点、および/または、上記帯電装置に信号を送るように構成されており、上記文書間域において生成された上記転写電流および/または帯電をそれぞれ変更し、上記プロファイルにおいて生成された差を低減する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記文書間域は、上記光受容体の隣接しているシート域間に設置されており、上記シート域の大きさに応じた大きさに変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
光受容体と、
上記光受容体に帯電を発生させる帯電装置と、
上記光受容体において露光をパターン形成する露光地点と、
上記光受容体に画像に関してトナーを現像する現像地点と、
転写電流によって上記光受容体から印刷媒体にトナーを転写するように構成された上記光受容体に近接した転写位置に位置する転写地点と、
上記光受容体の第1位置および第2位置においてデータを獲得する、1つまたは複数のセンサと、
上記帯電装置、および、露光地点、および/または、転写地点への転写電流、を介した上記光受容体の帯電を制御する制御装置と、
上記センサと、上記光受容体の第1位置および第2位置において得られたデータを有する信号を供給する上記制御装置とに結合された、フィードバックループとを有し、
上記制御装置は、上記データを有する信号を受信するために上記フィードバックループに結合されたフィードバック入力部を含み、上記フィードバックループを介して受信された上記信号に応じて、そこで第1量から第2量に、上記転送電流、および/または、上記帯電、および、上記露光を修正するように構成されている、画像形成装置。
【請求項7】
上記第2位置は、その上に画像を生成するために用いられる文書媒体の物理的な寸法を有するシート域を含み、上記第1位置は、上記シート域と接せずに上記光受容体の隣接しているシート域間である、上記光受容体の領域を含む文書間域を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
上記制御装置は、上記データから差分測定値を獲得し、上記第1位置において上記転写電流を修正して得られた上記差分測定値を低減することによって、トナー密度の変更を最小化するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
上記制御装置は、上記データから差分測定値を獲得し、上記光受容体の上記第1位置と上記第2位置との間において所定の許容範囲内に電圧変化を維持するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
上記制御装置は、得られた上記データからの時間に関して、光受容体プロファイルを生成し、上記転写装置および/または上記帯電装置および上記露光地点に信号を送り、上記第1位置においてそれぞれ生成される電流および/または帯電を変更し、時間とともに上記プロファイルにおいて生成された差を低減するように構成されている、請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−150473(P2012−150473A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3544(P2012−3544)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】