説明

文法メモ入力装置およびプログラム

【課題】電子テキストの表示装置に搭載して有効な文法メモ入力装置において、テキスト表示画面中の所望の単語に対し、文法に関するメモを容易に対応付けて入力表示させる。
【解決手段】所望のテキストをタッチパネル式表示部16に表示させたテキスト表示画面Gで、画面左端の[品詞]アイコンBp,[構文要素]アイコンBc,[係り受け]アイコンBrを選択的にタッチし、表示テキスト内で文法メモを記入したい任意の単語を指定すると、タッチされたアイコンBp,Bc,Brに応じた文法に関するメモのリストLp,Lc,Lrがウインドウ表示される。そして、この文法メモのリストから前記指定の単語に応じた文法メモを選択すると、当該指定の単語が存在するテキストの行の直上に行間Lgが追加され、この行間Lgを使用して前記指定の単語に対し前記選択された文法メモMp,Mc,Mrが対応付けられて表示される。この文法メモMp,Mc,Mrが対応付けられたテキストデータは表示可能にして登録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子テキストの表示装置に搭載して有効な文法メモ入力装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子辞書装置において、辞書データに含まれるユーザ所望の見出し語に対して手書き入力された任意の見出しメモを対応付けて登録し、これにより登録された見出しメモの一覧から所望の見出しメモを選択することで、当該選択された見出しメモに対応付けられた見出し語とその説明情報を直ちに表示することができる手書きメモ機能を備えた電子辞書装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、電子辞書装置には、その辞書データベースに例文が記憶されており、この例文のテキストを表示したり、あるいは外部から読み込んだ各種の電子ブックや文章のテキストを表示したりするテキストリーダの機能を持ったものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−146223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
英語や国語の試験問題には、文章中の語句の品詞、構文要素、係り受け関係を回答させる文法問題があり、学生は、このような文法問題の対策として、教科書や書籍の紙面上に直接「品詞」などのメモを書き込んで勉強している。
【0006】
前記従来の電子辞書装置では、手書きメモ機能を有しているものの、当該手書きメモは辞書データベース内の見出し語に対応付けて登録されるものであり、例文や外部から読み込んだ文章を利用してこのような勉強を行うことはできない。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、テキストデータの表示画面中の所望の単語に対して、文法に関するメモを容易に対応付けて表示させることが可能になる文法メモ入力装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の文法メモ入力装置は、文法に関するメモを記憶する文法メモ記憶手段と、表示部にテキストデータを表示させるテキスト表示制御手段と、このテキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの中の任意の単語をユーザ操作に応じて指定する単語指定手段と、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関するメモの一覧を表示させる文法メモ一覧表示制御手段と、この文法メモ一覧表示制御手段により一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモをユーザ操作に応じて選択するメモ選択手段と、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面において、前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に行間を追加する行間追加手段と、この行間追加手段により追加された行間の前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に、前記メモ選択手段により選択された文法に関するメモを表示させる選択メモ表示制御手段と、この選択メモ表示制御手段により前記指定された単語に対応する位置に前記選択された文法に関するメモが表示されたテキストデータを登録するデータ登録手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の文法メモ入力装置は、前記請求項1に記載の文法メモ入力装置において、前記メモ選択手段により前記一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモがユーザ操作に応じて選択された際に、前記選択メモ表示制御手段により既に他のメモが表示されていた場合は、当該選択メモ表示制御手段は、前記メモ選択手段により今回選択されたメモを前記他のメモと判別可能にして前記単語指定手段により今回指定された単語に対応する位置に表示させる、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の文法メモ入力装置は、前記請求項1に記載の文法メモ入力装置において、前記メモ選択手段により前記一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモがユーザ操作に応じて選択された際に、前記選択メモ表示制御手段により既に他のメモが表示されていた場合は、当該選択メモ表示制御手段は、前記行間追加手段により行間を更に追加させ、前記メモ選択手段により今回選択されたメモと前記他のメモとを複数の行間に分けて前記単語指定手段により今回指定された単語に対応する位置と前回指定された単語に対応する位置とに表示させる、ことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の文法メモ入力装置は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の文法メモ入力装置において、前記文法メモ記憶手段は、文法に関するメモとして、品詞に関するメモと構文要素に関するメモと係り受けに関するメモとを記憶し、前記表示部の表示画面はタッチパネルで構成され、前記表示部の表示画面に対するタッチ操作に応じて前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関する3種類のメモを選択的に切り替える文法メモ切り替え手段を備え、前記文法メモ一覧表示制御手段は、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ切り替え手段により切り替えられた種類の文法に関するメモの一覧を表示させる、ことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載のプログラムは、電子機器のコンピュータを、文法に関するメモをメモリに記憶させる文法メモ記憶手段、表示部にテキストデータを表示させるテキスト表示制御手段、このテキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの中の任意の単語をユーザ操作に応じて指定する単語指定手段、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関するメモの一覧を表示させる文法メモ一覧表示制御手段、この文法メモ一覧表示制御手段により一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモをユーザ操作に応じて選択するメモ選択手段、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面において、前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に行間を追加する行間追加手段、この行間追加手段により追加された行間の前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に、前記メモ選択手段により選択された文法に関するメモを表示させる選択メモ表示制御手段、この選択メモ表示制御手段により前記指定された単語に対応する位置に前記選択された文法に関するメモが表示されたテキストデータをメモリに登録させるデータ登録手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、テキストデータの表示画面中の所望の単語に対して、文法に関するメモを容易に対応付けて入力し表示させることが可能になる文法メモ入力装置およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る文法メモ入力機能を備えた電子辞書装置10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3A】前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される品詞メモデータ22d1の内容を示す図。
【図3B】前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される構文要素メモデータ22d2の内容を示す図。
【図3C】前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される係り受けメモデータ22d3の内容を示す図。
【図4】前記電子辞書装置10による文法メモモード制御処理を示すフローチャート。
【図5】前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理に伴う係り受けメモ記入処理を示すフローチャート。
【図6】前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による品詞メモデータの挿入手順に対応した表示動作例を示す図。
【図7】前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による係り受け関係メモデータの挿入手順に対応した表示動作例(その1)を示す図。
【図8】前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による係り受け関係メモデータの挿入手順に対応した表示動作例(その2)を示す図。
【図9】前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理に伴う係り受けメモ記入処理において係り受け関係が重複する場合の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る文法メモ入力機能を備えた電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
【0017】
この電子辞書装置10は、以下に説明する電子辞書専用の携帯機器として構成されるか、辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成される。
【0018】
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、文字入力キー14a、辞書指定キー14b、「訳/決定」キー14c、「戻る」キー14d、カーソルキー14e、「例文」キー14f、「文法メモ」キー14gなどを備えたキー入力部(キーボード)14、および手書き入力部(サブ画面)15が備えられる。
【0019】
この手書き入力部(サブ画面)15は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、キー入力部14の中央手前側において例えば256×64ドットのカラー液晶表示画面15dに透明タッチパネル15tを重ねて構成される。この手書き入力部15の入力領域は、必要に応じて、手書き文字を入力するための手書き文字入力領域や各種機能のボタン入力領域、あるいは当該各入力領域が混在する領域に切り替えられる。
【0020】
そして、前記手書き入力部15が手書き文字入力領域に切り替えられた状態での手書き入力に伴う軌跡はそのカラー液晶表示画面15dにエコーバックして表示される。
【0021】
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全面を対象に例えば480×320ドットのバックライト付きのタッチパネル式表示部(メイン画面)16が設けられる。このタッチパネル式表示部(メイン画面)16も、前記手書き入力部(サブ画面)15と同様に、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、そのカラー液晶表示画面16dに透明タッチパネル16tを重ねて構成される。
【0022】
図2は、前記電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0023】
この電子辞書装置10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
【0024】
CPU21は、主記憶装置(フラッシュROM)22内に予め記憶された装置制御プログラム22a、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読み書き部24を介して前記主記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラム22a、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)30から外部インターフェイス25を介して前記主記憶装置22に読み込まれた装置制御プログラム22aに応じて、RAM26を作業用メモリとして回路各部の動作を制御する。
【0025】
前記主記憶装置22に記憶された装置制御プログラム22aは、キー入力部14、手書き入力部15、タッチパネル式表示部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは外部インターフェイス25を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ30…との通信信号に応じて起動される。
【0026】
このように、前記CPU21には、前記主記憶装置22、記憶媒体読み書き部24、外部インターフェイス25、RAM26、キー入力部14、手書き入力部15、タッチパネル式表示部16が接続される。
【0027】
主記憶装置22には、装置制御プログラム22aとして、当該電子辞書装置10の全体の動作を司るシステムプログラムや外部インターフェイス25を介してインターネットN上の各Webサーバ30…や図示しないユーザPC(Personal Computer)などとデータ通信するための通信プログラムが記憶される。また他に、辞書機能における見出し語検索処理、検索見出し語のリスト表示処理、カーソルCuによりフォーカスされた見出し語に対応する訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報の読み出し表示処理など、同主記憶装置22内に記憶された辞書データベース22bに基づく検索・表示処理全般を制御するための辞書検索プログラムが記憶される。さらに、前記辞書データベース22bから読み出されて表示された例文(用例)のテキストデータや外部から読み込まれて表示された電子ブックや各種文章のテキストデータに対して、ユーザ所望の文法メモを付加して登録するための文法メモ入力処理プログラムが記憶される。
【0028】
辞書データベース22bには、例えば英語の見出し語(単語)に対応付けて日本語の説明情報が記述された[英和辞書]、英語の見出し語(単語)に対応付けて英語の説明情報が記述された[英英辞書]をはじめ、[英類語辞書][和英辞書][国語辞書][百科辞典]など、複数種類の辞書データが、予め記憶されるかあるいはダウンロードされて記憶される。
【0029】
さらに、前記辞書データベース22bには、そこに記憶される各種の辞書に対応付けて、例えば[国語辞書]に記述された説明情報に含まれる括弧内の情報などを省略し主要な情報のみに簡約化した[国語簡易辞書]、前記[英和辞書]に記述された説明情報に含まれる括弧内の情報などを省略し主要な情報のみに簡約化した[英和簡易辞書]などが記憶される。
【0030】
また、主記憶装置22には、予め記憶されるかあるいはダウンロードされた電子ブックなどのテキストデータが記憶されるテキストデータメモリ22c、品詞・構文要素・係り受け関係の文法用語をリスト化した3種の文法メモデータが記憶される文法メモデータメモリ22dなどが記憶される。
【0031】
図3Aは、前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される品詞メモデータ22d1の内容を示す図である。
【0032】
品詞メモデータ22d1としては、日本語および英語に存在する品詞のリスト([名詞][代名詞][動詞][助動詞][代動詞]…[疑問詞])が、それぞれ日本語での有無情報と英語での有無情報に対応付けられて記憶される。
【0033】
図3Bは、前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される構文要素メモデータ22d2の内容を示す図である。
【0034】
構文要素メモデータ22d2としては、日本語と英語における構文要素のリスト(日本語[主語][動詞(述語)][目的語][補語]/英語[S][V][O][C])が記憶される。
【0035】
図3Cは、前記電子辞書装置10の文法メモデータメモリ22dに記憶される係り受けメモデータ22d3の内容を示す図である。
【0036】
係り受けメモデータ22d3としては、文章中にある語句の文法上の係り受け関係を示すリスト([主語・述語の関係][修飾・被修飾の関係][補助の関係][並立の関係][接続・被接続の関係][独立の関係])が記憶される。
【0037】
[主語・述語の関係]とは、文の根幹、最も基本的な部分になり、主語と述語からなる関係を示す。
【0038】
[修飾・被修飾の関係]とは、文中での意味を詳しくする・される文節の関係を示し、意味を詳しくする方を「修飾語」、詳しくされる方を「被修飾語」と言う。
【0039】
[補助の関係]とは、例えば「読ん で いる。」「置い て ある。」のように、「動詞+て(で)+補助動詞」となる関係を示す。
【0040】
[並立の関係]とは、例えば「赤 と 白 の…」のように、前の文節が、後の文節と並立(・対立)している関係を示し、基本的には、順番を入れ替えても意味が変わらない特徴を持つ。
【0041】
[接続・被接続の関係]とは、例えば「…は、 雨なので 濡れた。」のように、接続語・接続助詞によって繋げられた文節動詞の関係を示し、接続助詞によって繋げられた文節は、接続詞に置き換えても意味が変わらない特徴を持つ。
【0042】
RAM26には、登録データメモリ26aが備えられる。この登録データメモリ26aには、前記辞書データベース22bから読み出された例文のテキストデータあるいは前記テキストデータメモリ22cから読み出された電子ブックなどのテキストデータがタッチパネル式表示部16に表示されたテキスト表示画面G(図6〜図8参照)において、ユーザ操作に応じて当該テキストデータの中の任意の単語に対応付けて前記品詞、構文要素、係り受け関係の文法メモデータが挿入された場合に、当該文法メモデータが挿入されたテキストデータが登録される。
【0043】
なお、前記タッチパネル式表示部(メイン画面)16の左端には、動作モードに応じて実行可能な機能をタッチ操作により指定するための、各種のアイコンが表示されるタッチアイコンエリア16B(図6〜図8参照)が設けられる。
【0044】
例えば辞書データベース22bに基づいて所望の辞書の見出し語を検索しその説明情報のテキストデータを表示させたテキスト表示画面Gやテキストデータメモリ22cから読み出された所望のテキストデータを表示させたテキスト表示画面Gが前記タッチパネル式表示部(メイン画面)16に表示されるテキスト表示モードの場合、前記タッチアイコンエリア16Bには、前記テキスト表示画面Gに表示されているテキストデータの中の任意の範囲をタッチでなぞってカラーマーカーにより識別表示させるためのマーカーモードを設定する[マーカー]アイコンBM、ユーザ所望の単語をユーザ独自に分類して登録した単語帳を呼び出すための[単語帳]アイコンBT、前記テキスト表示画面Gに表示されているテキストデータの中の所望の単語に対応付けてその品詞・構文要素・係り受け関係を示す文法メモを挿入するための[文法メモ]アイコンBBなどが赤色で表示される。
【0045】
そして、前記[文法メモ]アイコンBBをタッチ操作するか、または前記「文法メモ」キー14gを押下して、当該[文法メモ]アイコンBBを指定表示hさせ、文法メモモードを起動させると、前記タッチアイコンエリア16Bには、文法メモモードアイコンBGが赤色で表示される。
【0046】
この文法メモモードアイコンBGは、前記テキスト表示画面Gにて指定表示hされたユーザ所望の単語Wに対応付けて品詞のメモを挿入するための[品詞]アイコンBp、同ユーザ所望の単語Wに対応付けて構文要素のメモを挿入するための[構文要素]アイコンBc、同ユーザ所望の単語W1,W2に対応付けて係り受け関係のメモを挿入するための[係り受け]アイコンBr、同ユーザ所望の単語W(W1,W2)に対応付けて挿入された文法メモを削除するための[削除]アイコンBeの4つのアイコンからなる。
【0047】
次に、前記構成による電子辞書装置10の文法メモ入力機能について説明する。
【0048】
図4は、前記電子辞書装置10による文法メモモード制御処理を示すフローチャートである。
【0049】
図5は、前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理に伴う係り受けメモ記入処理を示すフローチャートである。
【0050】
図6は、前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による品詞メモデータの挿入手順に対応した表示動作例を示す図である。
【0051】
例えば外部から読み込まれてテキストデータメモリ22cに記憶された「英語名演説・名せりふ集」のテキストデータが読み出され、図6(A)に示すように、タッチパネル式表示部16にテキスト表示画面Gとして表示された状態で、キー入力部14の「文法メモ」キー14gが押下されるか、またはタッチアイコンエリア16Bに表示された[文法メモ]アイコンBBがタッチされて指定表示hされ、文法メモモードが起動されると、図4における文法メモモード処理が開始される。
【0052】
文法メモモード処理が開始されると、辞書データベース22bから読み出された例文のテキストやテキストデータメモリ22cから読み出された電子ブックのテキストなどによるテキスト表示画面Gの表示中か否か判断される(ステップS1)。
【0053】
テキスト表示画面Gの表示中と判断されると(ステップS1(Yes))、図6(B)に示すように、当該画面Gの左端のタッチアイコンエリア16Bに、[品詞]アイコンBp、[構文要素]アイコンBc、[係り受け]アイコンBr、[削除]アイコンBeからなる文法メモモードアイコンBGが表示される(ステップS2)。
【0054】
ここで、前記テキスト表示画面Gに表示されたテキストデータの中のユーザ所望の単語に対してその品詞のメモを記入するために、前記文法メモモードアイコンBGの[品詞]アイコンBpがタッチされて指定表示hされ(ステップS3(Yes))、所望の単語「place」が選択されて指定表示hされると(ステップS4)、文法メモデータメモリ22dに記憶されている品詞メモデータ22d1(図3A参照)に基づき、当該選択された単語「place」の言語(英語)に応じた品詞リストLp(「名詞」「代名詞」「動詞」「助動詞」「代動詞」)が生成され(ステップS5)、前記選択された単語「place」の近接した位置にウインドウで表示される(ステップS6)。
【0055】
このウインドウ表示された品詞リストLpにおいて、青色表示されるカーソルCuが移動され「名詞」が選択されると(ステップS7(Yes))、前記選択された単語「place」のある行の直上に1行の行間Lgが挿入される(ステップS8)。
【0056】
すると、図6(C)に示すように、前記挿入された行間Lgを使用して、前記選択された単語「place」に対応する位置に、前記品詞リストLpから選択された品詞メモ「名詞」Mpが、文法の種類(品詞)に応じた赤色で記入され表示される(ステップS9)。
【0057】
なお、前記ユーザにより選択された単語「place」が指定表示hされると共に、当該選択単語「place」の言語(英語)に応じた品詞リストLpがウインドウ表示された状態で(ステップS4〜S6)、当該選択単語「place」がタッチ操作などにより指定されると(ステップS10(Yes))、この指定された単語「place」の言語(英語)に応じた[英和簡易辞書]からその簡約な説明情報が読み出されて一定時間ウインドウ表示される(ステップS11)。
【0058】
これにより、前記選択語句(単語)「place」に関する文法的情報や意味内容を、前記品詞リストLpの選択操作を行う前に簡単に参照することができる。
【0059】
また、前記同様に文法メモモード処理が開始され、テキスト表示画面Gの左端のタッチアイコンエリア16Bに文法メモモードアイコンBGが表示された際に(ステップS1(Yes)→S2)、表示テキスト中のユーザ所望の単語に対してその構文要素のメモを記入するために、[構文要素]アイコンBcがタッチされて指定表示hされると(ステップS12(Yes))、これ以降の処理は、前記[品詞]アイコンBpがタッチ操作された場合(ステップS4〜S9)と同様に実行される。
【0060】
すなわち、ユーザ所望の単語(例えば「America」)が選択されて指定表示hされると、文法メモデータメモリ22dに記憶されている構文要素メモデータ22d2(図3B参照)に基づき、当該選択単語の言語(英語)に応じた構文要素リストLc(「S」「V」「O」「C」)が生成され、前記選択単語の近接した位置にウインドウで表示される。
【0061】
このウインドウ表示された構文要素リストLcにおいて、青色表示されるカーソルCuが移動され「S」が選択されると、前記選択単語「America」のある行の直上に1行の行間Lgが挿入される。
【0062】
すると、前記挿入された行間Lgを使用して、前記選択単語「America」に対応する位置に、前記構文要素リストLcから選択された構文要素メモ「S」Mcが、文法の種類(構文要素)に応じた黄色で記入され表示される。
【0063】
なお、この[構文要素]アイコンBcがタッチ操作された場合でも、前記選択単語「America」が指定表示hされると共に、当該選択単語「America」の言語(英語)に応じた構文要素リストLcがウインドウ表示された状態で、当該選択単語「America」がタッチ操作などにより指定されると、この指定された単語「America」の言語(英語)に応じた[英和簡易辞書]からその簡約な説明情報が読み出されて一定時間ウインドウ表示される。
【0064】
このため、前記選択単語「America」に関する文法的情報や意味内容を、前記構文要素リストLcの選択操作を行う前に簡単に参照することができる。
【0065】
図7は、前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による係り受け関係メモデータの挿入手順に対応した表示動作例(その1)を示す図である。
【0066】
図8は、前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理による係り受け関係メモデータの挿入手順に対応した表示動作例(その2)を示す図である。
【0067】
例えば、図7(A)に示すように、「英語名演説・名せりふ集」のテキスト表示画面Gにおいて、タッチアイコンエリア16Bの[文法メモ]アイコンBBがペンPによりタッチされて指定表示hされ、文法メモモードが起動されるのに伴い、図7(B)に示すように、前記タッチアイコンエリア16Bに文法メモモードアイコンBGが表示された状態で(ステップS2)、表示中のテキストデータの中のユーザ所望の2つの単語間の係り受け関係のメモを記入するために、前記文法メモモードアイコンBGの[係り受け]アイコンBrがタッチされて指定表示hされると(ステップS14(Yes))、図5における係り受けメモ記入処理へ移行される(ステップSA)。
【0068】
この係り受けメモ記入処理において、図7(C)に示すように、第1の単語「この国」W1がペンPによりタッチされて選択され指定表示hされた後(ステップA1)、図8(D)に示すように、第2の単語「見た」W2がタッチされて選択され指定表示hされると(ステップA2)、文法メモデータメモリ22dに記憶されている係り受けメモデータ22d3(「主語・述語の関係」「修飾・被修飾の関係」「補助の関係」「並立の関係」「接続・被接続の関係」「独立の関係」)(図3C参照)が読み出され、図8(E)に示すように、係り受け関係リストLrとして、前記選択された2つの単語「この国」W1,「見た」W2の近接した位置にウインドウで表示される(ステップA3)。
【0069】
この係り受け関係リストLrにおいて、前記選択された2つの単語「この国」W1,「見た」W2の係り受け関係「主語・述語の関係」が、ユーザ操作に応じて移動されるカーソルCu(青色)により選択されると(ステップA4(Yes))、同テキスト表示画面G内に他の係り受け関係メモMrが既に表示されているか否か判断される(ステップA5)。
【0070】
ここで、前記テキスト表示画面G内に他の係り受け関係メモMrは表示されてないと判断されると(ステップA5(No))、前記選択された第1,第2の単語「この国」W1,「見た」W2のある行の直上に1行の行間Lgが挿入される(ステップA6)。
【0071】
すると、前記選択された係り受け関係「主語・述語の関係」について、その文法の種類に応じた表示色(例えば(赤色))が決定される(ステップA7)。
【0072】
そして、図8(F)に示すように、前記挿入された行間Lgを使用して、前記選択された第1の単語「この国」と第2の単語「見た」との間に、前記係り受け関係リストLrから選択された係り受け関係メモ「主語・述語」Mrが、前記決定された表示色(赤色)で記入され表示される(ステップA8)。
【0073】
なお、この[係り受け]アイコンBrがタッチ操作された場合でも、前記選択された第1の単語「この国」W1と第2の単語「見た」W2とが指定表示hされると共に、当該選択単語「この国」W1と「見た」W2とに応じた係り受け関係リストLrがウインドウ表示された状態で(ステップA1〜A3)、当該選択単語「この国」W1,「見た」W2の何れかがタッチ操作などにより指定されると(ステップA11(Yes))、この指定された単語「この国」W1または「見た」W2の言語(国語)に応じた[国語簡易辞書]からその簡約な説明情報が読み出されて一定時間ウインドウ表示される(ステップA12)。
【0074】
このため、前記選択単語「この国」W1または「見た」W2に関する文法的情報や意味内容を、前記係り受け関係リストLrの選択操作を行う前に簡単に参照することができる。
【0075】
一方、前記係り受け関係リストLrから前記選択された2つの単語W1,W2の係り受け関係が選択された際に(ステップA4(Yes))、前記テキスト表示画面G内に他の係り受け関係メモMrが既に表示されていると判断されると(ステップA5(Yes))、当該2つの係り受け関係の位置が重複するか否か判断される(ステップA9)。
【0076】
ここで、2つの係り受け関係の位置が重複しないと判断された場合には(ステップA9(No))、今回選択された2つの単語W1,W2の係り受け関係の表示色が既に表示されている他の係り受け関係メモMrと異なる表示色(例えば緑色)に決定される(ステップA7)。
【0077】
そして、前記既に表示されている他の係り受け関係メモMrに応じて挿入された行間Lgを使用して、今回選択された第1の単語と第2の単語との間に、前記係り受け関係リストLrから選択された係り受け関係メモMrbが、前記決定された表示色(緑色)で記入され表示される(ステップA8)。
【0078】
図9は、前記電子辞書装置10の文法メモモード制御処理に伴う係り受けメモ記入処理において係り受け関係が重複する場合の具体例を示す図である。
【0079】
例えば図9(A1)に示すように、前回の係り受けメモ記入処理に伴い選択された第1の単語Wa1と第2の単語Wa2とに対応する直上の行間Lg1に、ユーザ選択された係り受け関係メモMraが赤色表示されている状態で、図9(A2)に示すように、前記前回選択された第1,第2の単語Wa1,Wa2よりも内側に今回選択された第1,第2の単語Wb1,Wb2が位置すると、当該前回と今回の係り受け関係の位置が重複すると判断される(ステップA9(Yes))。
【0080】
すると、前回追加した行間Lg1の直上に更に行間Lg2が追加され(ステップA10)、当該行間Lg2を使用して前回の第1,第2の単語Wa1,Wa2に対応する係り受け関係メモMraが赤色表示されると共に、行間Lg1を使用して今回の第1,第2の単語Wb1,Wb2に対応する係り受け関係メモMrbが判別可能に緑色表示される(ステップA7,A8)。
【0081】
また、例えば図9(B1)に示すように、前回の係り受けメモ記入処理に伴い選択された第1の単語Wa1と第2の単語Wa2とに対応する直上の行間Lg1に、ユーザ選択された係り受け関係メモMraが赤色表示されている状態で、図9(B2)に示すように、前記前回選択された第1,第2の単語Wa1,Wa2よりも外側に今回選択された第1,第2の単語Wb1,Wb2が位置すると、当該前回と今回の係り受け関係の位置が重複すると判断される(ステップA9(Yes))。
【0082】
すると、前回追加した行間Lg1の直上に更に行間Lg2が追加され(ステップA10)、当該行間Lg2を使用して今回の第1,第2の単語Wb1,Wb2に対応する係り受け関係メモMrbが判別可能に緑色表示される(ステップA7,A8)。
【0083】
また、例えば図9(C1)に示すように、前回の係り受けメモ記入処理に伴い選択された第1の単語Wa1と第2の単語Wa2とに対応する直上の行間Lg1に、ユーザ選択された係り受け関係メモMraが赤色表示されている状態で、図9(C2)に示すように、前記前回選択された第2の単語Wa2の前後に今回選択された第1,第2の単語Wb1,Wb2が位置する場合にも、当該前回と今回の係り受け関係の位置が重複すると判断される(ステップA9(Yes))。
【0084】
すると、前回追加した行間Lg1の直上に新たな行間Lg2が追加され(ステップA10)、当該行間Lg2を使用して前回の第1,第2の単語Wa1,Wa2に対応する係り受け関係メモMraが赤色表示されると共に、行間Lg1を使用して今回の第1,第2の単語Wb1,Wb2に対応する係り受け関係メモMrbが判別可能に緑色表示される(ステップA7,A8)。
【0085】
さらに、例えば図9(D1)に示すように、前回の係り受けメモ記入処理に伴い選択された第1の単語Wa1と第2の単語Wa2とに対応する直上の行間Lg1に、ユーザ選択された係り受け関係メモMraが赤色表示されている状態で、図9(D2)に示すように、前記前回選択された第1の単語Wa1を共通にして第2の単語Wa2との間に今回選択された第1,第2の単語Wb1,Wb2が位置する場合にも、当該前回と今回の係り受け関係の位置が重複すると判断される(ステップA9(Yes))。
【0086】
すると、前回追加した行間Lg1の直上に新たな行間Lg2が追加され(ステップA10)、当該行間Lg2を使用して前回の第1,第2の単語Wa1,Wa2に対応する係り受け関係メモMraが赤色表示されると共に、行間Lg1を使用して今回の第1,第2の単語Wb1,Wb2に対応する係り受け関係メモMrが判別可能に緑色表示される(ステップA7,A8)。
【0087】
また、例えば図9(E1)に示すように、前回の係り受けメモ記入処理に伴い選択された第1の単語Wa1と第2の単語Wa2とに対応する直上の行間Lg1に、ユーザ選択された係り受け関係メモMraが赤色表示されている状態で、図9(E2)に示すように、前記前回選択された第1の単語Wa1を共通にして第2の単語Wa2より外側に今回選択された第1,第2の単語Wb1,Wb2が位置する場合にも、当該前回と今回の係り受け関係の位置が重複すると判断される(ステップA9(Yes))。
【0088】
すると、前回追加した行間Lg1の直上に新たな行間Lg2が追加され(ステップA10)、当該行間Lg2を使用して今回の第1,第2の単語Wb1,Wb2に対応する係り受け関係メモMrbが判別可能に緑色表示される(ステップA7,A8)。
【0089】
なお、前記文法メモモードアイコンBGの[品詞]アイコンBp、[構文要素]アイコンBc、[係り受け]アイコンBrの選択操作に従って、文法メモの対象に指定した単語に対応付けてカラー表示された各文法メモMp、Mc、Mr(Mra,Mrb)は、ユーザが指定した文法メモについて、[削除]アイコンBeをタッチ操作することで削除される(ステップS15(Yes)→S16)。
【0090】
また、前記[品詞]アイコンBp、[構文要素]アイコンBc、[係り受け]アイコンBrの選択的な切り替え操作に従って、ユーザ指定の単語に、各対応する文法メモMp、Mc、Mr(Mra,Mrb)が対応付けられてカラー表示されたテキストデータは、「登録」キーのユーザ操作に応じて、RAM26内の登録データメモリ26aに当該テキストデータの項目を見出しとして登録される(ステップS17(Yes)→S18)。
【0091】
そして、前記キー入力部14の「文法メモ」キー14gがユーザ操作されて文法メモモードが起動された際に、辞書データベース22bから読み出された例文のテキストやテキストデータメモリ22cから読み出された電子ブックのテキストなどによるテキスト表示画面Gの表示中にない場合には(ステップS1(No))、前記登録データメモリ26aに登録された文法メモ付のテキストデータの項目が、タッチパネル式表示部16に一覧にして表示される(ステップS19)。
【0092】
この文法メモ付のテキストデータの項目一覧表示画面において、ユーザ所望の項目が選択されると、選択された項目の文法メモ付のテキストデータが読み出されて表示される(ステップS20)。
【0093】
したがって、前記構成の電子辞書装置10の文法メモ入力機能によれば、ユーザ所望のテキストデータをタッチパネル式表示部16に表示させたテキスト表示画面Gにおいて、画面左端に表示される[品詞]アイコンBp、[構文要素]アイコンBc、[係り受け]アイコンBrを選択的にタッチ操作し、表示されたテキスト内で文法メモを記入したい任意の単語を指定すると、タッチされたアイコンBp,Bc,Brに応じた文法に関するメモのリストLp,Lc,Lrがウインドウ表示される。そして、この文法メモのリストから前記指定の単語に応じた文法のメモを選択すると、当該指定の単語が存在するテキストの行の直上に行間Lgが挿入され、この行間Lgを使用して前記指定の単語に対し前記選択された文法メモが対応付けられて表示される。そして、この文法メモが対応付けられたテキストデータは、適宜読み出して表示可能に登録データメモリ26aに登録される。
【0094】
このため、テキストデータの表示画面中の所望の単語に対して、文法に関するメモを簡単に対応付けて表示させることが可能になる。そして、各種の文章を対象に容易にその文法を学習することがきる。
【0095】
また、前記[係り受け]アイコンBrがタッチ操作され、当該係り受けの文法メモの対象とする2つの単語が指定された際に、既に係り受けの文法メモが対応付けられて表示された他の単語関係が存在し、且つ当該他の単語間が今回指定された2つの単語間と重複する位置にある場合には、そのうち一方の単語間に対応する係り受け関係の文法メモが直上に挿入された行間Lg1を使用して表示され、もう一方の単語間に対応する係り受け関係の文法メモが前記行間Lg1の更に上に追加された行間Lg2を使用して表示される。
【0096】
このため、複数の係り受け関係の文法メモが混在しても、当該各文法メモを判別可能に明瞭に表示させ、効果的に学習させることができる。
【0097】
なお、前記実施形態において記載した電子辞書装置10による各処理の手法、すなわち、図4のフローチャートに示す文法メモモード処理、図5のフローチャートに示す前記文法メモモード処理に伴う係り受けメモ記入処理などの各手法、及び各種のデータ(22b〜22d)は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体23に格納して配布することができる。そして、電子機器のコンピュータは、この外部記憶媒体23に記憶されたプログラムを記憶装置(22)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した任意のテキストデータに対する文法メモ入力機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0098】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、このプログラムデータを、ネットワークNに接続された電子機器のコンピュータに通信制御部(25)によって取り込むことで、前述した任意のテキストデータに対する文法メモ入力機能を実現することもできる。
【0099】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0100】
10 …文法メモ入力機能を備えた電子辞書装置
11 …本体ケース
12 …蓋体ケース
13 …ヒンジ部
14 …キー入力部(キーボード)
14a…文字入力キー
14b…辞書指定キー
14c…「訳/決定」キー
14d…「戻る」キー
14e…カーソルキー
14f…「例文」キー
14g…「文法メモ」キー
15 …手書き入力部
15d…カラー液晶表示部
15t…透明タッチパネル
16 …タッチパネル式表示部
16d…カラー液晶表示部
16t…透明タッチパネル
16B…タッチアイコンエリア
21 …CPU
22 …主記憶装置
22a…装置制御プログラム
22b…辞書データベース
22c…テキストデータメモリ
22d…文法メモデータメモリ
22d1…品詞メモデータ
22d2…構文要素メモデータ
22d3…係り受けメモデータ
23 …外部記憶媒体
24 …記憶媒体読み書き部
25 …外部インターフェイス
26 …RAM
26a…登録データメモリ
30 …Webサーバ
BB …[文法メモ]アイコン
BG …文法メモモードアイコン
Bp …[品詞]アイコン
Bc …[構文要素]アイコン
Br …[係り受け]アイコン
Be …[削除]アイコン
h …指定表示
W …選択された単語
W1、Wa1,Wb1…選択された第1の単語
W2、Wa2,Wb2…選択された第2の単語
Lp …品詞リスト
Lr …係り受け関係リスト
Lg、Lg1,Lg2…行間
Mp …品詞メモ
Mr、Mra,Mrb…係り受け関係メモ
Cu …カーソル
P …タッチペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文法に関するメモを記憶する文法メモ記憶手段と、
表示部にテキストデータを表示させるテキスト表示制御手段と、
このテキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの中の任意の単語をユーザ操作に応じて指定する単語指定手段と、
前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関するメモの一覧を表示させる文法メモ一覧表示制御手段と、
この文法メモ一覧表示制御手段により一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモをユーザ操作に応じて選択するメモ選択手段と、
前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面において、前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に行間を追加する行間追加手段と、
この行間追加手段により追加された行間の前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に、前記メモ選択手段により選択された文法に関するメモを表示させる選択メモ表示制御手段と、
この選択メモ表示制御手段により前記指定された単語に対応する位置に前記選択された文法に関するメモが表示されたテキストデータを登録するデータ登録手段と、
を備えたことを特徴とする文法メモ入力装置。
【請求項2】
前記メモ選択手段により前記一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモがユーザ操作に応じて選択された際に、前記選択メモ表示制御手段により既に他のメモが表示されていた場合は、当該選択メモ表示制御手段は、前記メモ選択手段により今回選択されたメモを前記他のメモと判別可能にして前記単語指定手段により今回指定された単語に対応する位置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の文法メモ入力装置。
【請求項3】
前記メモ選択手段により前記一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモがユーザ操作に応じて選択された際に、前記選択メモ表示制御手段により既に他のメモが表示されていた場合は、当該選択メモ表示制御手段は、前記行間追加手段により行間を更に追加させ、前記メモ選択手段により今回選択されたメモと前記他のメモとを複数の行間に分けて前記単語指定手段により今回指定された単語に対応する位置と前回指定された単語に対応する位置とに表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の文法メモ入力装置。
【請求項4】
前記文法メモ記憶手段は、文法に関するメモとして、品詞に関するメモと構文要素に関するメモと係り受けに関するメモとを記憶し、
前記表示部の表示画面はタッチパネルで構成され、
前記表示部の表示画面に対するタッチ操作に応じて前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関する3種類のメモを選択的に切り替える文法メモ切り替え手段を備え、
前記文法メモ一覧表示制御手段は、前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ切り替え手段により切り替えられた種類の文法に関するメモの一覧を表示させる、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の文法メモ入力装置。
【請求項5】
電子機器のコンピュータを、
文法に関するメモをメモリに記憶させる文法メモ記憶手段、
表示部にテキストデータを表示させるテキスト表示制御手段、
このテキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの中の任意の単語をユーザ操作に応じて指定する単語指定手段、
前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面内に前記文法メモ記憶手段により記憶された文法に関するメモの一覧を表示させる文法メモ一覧表示制御手段、
この文法メモ一覧表示制御手段により一覧表示された文法に関するメモの中の任意のメモをユーザ操作に応じて選択するメモ選択手段、
前記テキスト表示制御手段により表示されたテキストデータの表示画面において、前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に行間を追加する行間追加手段、
この行間追加手段により追加された行間の前記単語指定手段により指定された単語に対応する位置に、前記メモ選択手段により選択された文法に関するメモを表示させる選択メモ表示制御手段、
この選択メモ表示制御手段により前記指定された単語に対応する位置に前記選択された文法に関するメモが表示されたテキストデータをメモリに登録させるデータ登録手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−186679(P2011−186679A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49908(P2010−49908)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】